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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033870
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】横掛け水車水力発電装置
(51)【国際特許分類】
   F03B 3/14 20060101AFI20240306BHJP
   F03B 3/06 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
F03B3/14
F03B3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137759
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】714003818
【氏名又は名称】山崎 博人
(72)【発明者】
【氏名】山崎 博人
【テーマコード(参考)】
3H072
【Fターム(参考)】
3H072AA10
3H072AA13
3H072AA27
3H072BB01
3H072BB08
3H072BB31
3H072CC08
3H072CC55
(57)【要約】      (修正有)
【課題】河川等において落差を必要としない横掛け水車による水力発電装置の提供を課題とする。
【解決手段】本発明の一装置である横掛け水車設置幅が確保された流通路30の左右に収集堰25を構築し、収集堰25によって集約された河川流水を流通路30に設置回転する横掛け水車中央の回転体1を基準として、エネルギー生産流水34と非エネルギー生産流水35として左右に分け、垂直と90°の角度をもって水平に一対してなる回転翼をエネルギー生産流水34の位置エネルギーで垂直翼に、非エネルギー生産流水35の水面位置上部を水低杭を無にしての水平翼5と互いの回転翼の垂直と水平の変換作動で回転エネルギーを生産し、横掛け水車中央の回転体1上部で一体した駆動ギア21に噛合した被動ギア22で変速し回転軸23で連動した発電機24とで成る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水面上に一部を残し、大部分を水中内に置いた円筒の回転体と、前記回転体の水面位置上
部中心を基準にして、円周に相対に並列して配置された複数の軸受けと、前記軸受けを
自在にして貫通した90°回転支軸と、前記90°回転支軸を前記回転体内において相対に同等に長さを違えた出幅を残して切り離し、互いを連結する半円形連結板と、前記回転体を
貫通し外位置で放射状に一定の長さにした相対する前記90°回転支軸と一体する垂直と90°の角度をもって水平に一体して成る回転翼と、前記出幅に前記回転翼と並列に一体する90°回転止め板と、前記回転体の内側、外側の同位置に、前記回転翼を垂直位置で受け止める為に設置された前記90°回転止め板の受け板と、中心に主軸と一体した駆動ギアが一体した前記回転体上部を塞ぐ上蓋と、中心に主軸を一体した低部を塞ぐ底蓋と、前記駆動ギアと噛合する被動ギアで変速させ、回転軸を介して連動する発電機とで成る横掛け水車水力発電装置
【請求項2】
前記上蓋と前記底蓋とで上下を塞いで成る円筒の前記回転体を二重構造にして、外枠を肉厚に隙間に発泡体を注入して補強し、水面上の上板と表面を水低と並列して埋設された底板とに相対して設けた軸受けに主軸を軸支させて成る前記横掛け水車においては、外枠を肉厚にしたことで加重されて、下側前記主軸と前記主軸軸受とに係る負荷の増大を前記回転体内の空間と前記発泡体の浮力によって水中内に浮かせ、前記主軸と前記主軸軸受に係る負荷を軽減させ、前記横掛け水車を持続可能にした請求項1に記載の横掛け水車水力発電装置
【請求項3】
前記90°回転支軸を前記回転体内において切り離し、前記出幅の長さを違え相対して同等に最長から前記回転体内壁に沿わせて最短と順々に調整し、切り離された前記90°回転支軸を一対に連結する複数枚の前記半円形連結板においては、厚さと幅と形状の調整によって強化され、直径の長さを違え最小形から順々に最大形に拡大して成る請求項1に記載の横掛け水車水力発電装置
【請求項4】
前記回転体の外位置で、一定の長さにして放射状に成る各々前記90°回転支軸と一体する回転翼においては、一辺を前記90°回転支軸と一体させて垂直させ、前記半円形連結板を介して一対する一方の前記90°回転支軸と一体する前記回転翼は、90°の角度をもって水平に置き、互いの前記回転翼は実施時において前記垂直翼と前記水平翼に成る請求項1に記載の横掛け水車水力発電装置
【請求項5】
前記横掛け水車の設置幅が確保された流通路左右に適度の高さにした収集堰を設け、河川流水を前記流通路に集約し、前記横掛け水車中央の前記回転体を基準にエネルギー生産流水と非エネルギー生産流水として左右に分け、前記エネルギー生産流水の位置エネルギーで前記垂直翼を垂直回転させ、相対して一対する前記水平翼は前記非エネルギー生産流水の水面上を水抵抗を無にしての水平回転と成る請求項1に記載の横掛け水車水力発電装
【請求項6】
前記非エネルギー生産流水の流通路と河川生物の遡上通路とを兼ねて成る流通路幅分を外して、前記横掛け水車の回転に支障をきたすことのない川上位置に川上に向け斜め方向に上部を水面位置にした複数の円柱を川底に並列に埋設し、数枚の横板を段差をつけて前記円柱と一体させて成る防護棚を前記回転体とそれに係る前記垂直翼の川上保護位置に設置した請求項1に記載の横掛け水車水力発電装置
【請求項7】
ほぼ長方形状に形成された前記回転翼の長辺の一辺を、片側前記90°回転支軸と一体させ、前記半円形連結板で連結した一方の前記90°回転支軸に、同形状、同重量の前記回転翼を、右90°の角度にして同状態に一体させる事で互いの前記回転翼はシーソー状態回転翼になり、それらを複数にして構成された前記横掛け水車の作動形態は、中央の前記回転体を基準に、本装置形態に限り、左側を前記エネルギー生産流水に、右側を非エネルギー生産流水として河川流水を左右に分け、川上の流水分岐位置と、川下流水合流位置の係る一前記シーソー状態回転翼の流水分岐位置における前記回転翼は、前記90°回転支軸を支点として右斜め45°の角度で大部分が水中内にあり、前記横掛け水車の回転時、前記流水分岐位置通過時点の前記回転翼を、前記エネルギー生産流水の位置エネルギーで掛け押して、前記回転体の内側と、外側の同位置に設けた外側前記受け板で垂直に受け止めて垂直移動する前記垂直翼になり、それと同時に、前記エネルギー生産流水と、前記非エネルギー生産流水の川下合流位置で、前記回転体を堰に見立て、前記回転体の直径幅を底辺とする二等辺三角形状に発生する水位の低下箇所に垂直して係る前記回転翼は、水位低下による水抵抗の軽減と、前記非エネルギー生産流水の流圧と、シーソー原理による反復力と、川上の流水分岐位置において、前記エネルギー生産流水の位置エネルギーで垂直する前記回転翼の垂直力とで、前記受け板を離れ水面上に掛け上げされ、前記非エネルギー生産流水の水面と平行の水抵抗を無にしての前記水平翼になり、水力発電装置には必須である落差を必要とせず、前記シーソー状態回転翼の互いの前記回転翼を、川上流水分岐位と、川下流水合流位置を定位置として、前記水平翼から前記垂直翼に、前記垂直翼から前記水平翼にと同時変換させることを特徴とした請求項1から至6のいずれかに記載の横掛け水車水力発電装置
【請求項8】
本発明は、河川流水、潮の干潮による海峡においての潮流、洋上においての海流等と、風力を含む自然流と、用水路、浄水場、排水処理場等の人口流すべてに応用する事が可能な請求項1から至7のいずれかに記載の横掛け水車水力発電装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は河川において落差を必要とせず、自然流水を利用しての小中規模水力発電装置に関するものであり、より詳細には河川流水の水面位置と適度の間隔を開けての上板と表面を川底と並列して埋設した底板とに相対して設けた軸受けに軸支した回転体と、回転体と一対に回転する回転翼とで成る横掛け水車であり、河川流水を横掛け水車中央の回転体を基準にしてエネルギー生産流水と非エネルギー生産流水として左右に分け、エネルギー生産流水の位置エネルギーで水中において垂直に成る垂直翼と、相対して一対する非エネルギー生産流水の水面上で水平に成る水平翼との循環作動によって電気エネルギーの生産を可能にした横掛け水車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、自然流水を利用しての水力発電装置において、除塵装置を不要とする水車形式は上掛け水車に限られている。河川において水車を上掛けにしてエネルギーの生産を可能とするには、それに見合う落差がある取水堰が必要であり、現時点で上掛け水車の設置可能な既存堰はごく僅かであり、河川においての堰新設には様々な課題と膨大な費用を必要とする。
【0003】
上記の一課題であるゴミ対策を解決すべく発明されたものに、例えば「特許第5671769号」がある。この装置の場合は、一軸で回転する既存の上掛け水車を二軸で回転するベルトコンベヤー式に変え、装置に見合う落差を有する堰上下に斜めにして掛け渡し、ベルト部に複数のバケットを均等に取り付け、自然流水をベルト部の上側バケット内に取り込み、複数あるバケット内水重量と斜め方向へ移動落下する流水圧でベルトコンベヤーを回転させての水力発電装置であり、ゴミ対策においては既存の上掛け水車と同等の機能を有する。
【0004】
ただ、自然流水を利用しての水力発電装置においては、ゴミ対策の他に様々な課題が山積し、特に水力発電装置の河川設置においては別格である。
「特許5671769号」の場合は、水力発電装置の除塵対策においては、ゴミ等を確実に排除することが出来るが、その他の課題である堰の新設と新設においての課題である堰底部の落下水による浸食、河川生物の遡上問題、景観、騒音対策、特に増水時においての流木、流石、増水分水量等と、これらの問題解決においては膨大な費用を有することになる。
又、この発明は、ある程度の傾斜を設けてのベルトコンベヤー式にしたことで、貯水した各々バケットの垂直でなく斜め方向への移動エネルギーとなり、ベルトコンベヤーの各々部位に膨大な抵抗を掛けることになり、自然流水を効率よく有効利用する事は難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5671769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来提唱されている直設河川装置の中、小規模水力発電装置においては、装置としての実用性はあるが、新設に対しては皆無である。その要因としては山積する課題にあり、例別すると、気候変動によって発生する河川の増水とそれに供る流木、流石等と、渇水時の水位低下と、景観、騒音対策、河川生物の遡上対策、又、落差を必要とする水力発電装置においては、装置に見合う高さの堰が必要であり、設置可能とする既存堰はごく僅かしかなく、上記課題を解決しての新設においては膨大な費用を必要とする。発電用ダム、河川水を取水しての発電装置を除き、上記課題を解決しての直設河川装置水力発電装置の新設は不可能である。
【0007】
本発明は、河川流水を利用しての小中規模の水力発電装置における問題を解決するためになされたものであって、上掛け下掛けと従来の水力発電装置を新たな横掛け水車形式にして、水車中央の回転体を基準して河川流水をエネルギー生産流水と非エネルギー生産流水として左右に分け、エネルギー生産流水の位置エネルギーで成る垂直翼と、非エネルギー生産流水の水面上で水抵抗を無にしての水平翼とで成る本発明は、落差を必要とせず、気候変動によってまれに発生する河川の増水分水量と、それに供る流木、流石等と、河川生物の遡上対策とその他の課題を解決しての横掛け水車水力発電装置を提供する事を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、水面上に一部を残し大部分を水中内に置いた円筒の回転体と前記回転体上部中心を基準して、円周に相対に並列して配置された複数の軸受けと、前記軸受けを自在にして貫通した90°回転支軸と前記90°回転支軸を、前記回転体内において相対に同等に長さを違えた出幅を残して切り離し、互いを連結する半円形連結板と、前記回転体を貫通し外位置で放射状に一定の長さにした相対する前記90°回転支軸と一体する垂直と90°の角度をもって水平に一対して成る回転翼と、前記出幅に前記回転翼と並列に一体する90°回転止め板と、前記回転体の内側外側の同位置に前記回転翼を垂直位置で受け止める為に設置された、前記90°回転止め板の受け板と、中心に主軸と一体した駆動ギアとが連座した前記回転体上部を塞ぐ上蓋と、中心に主軸を一体した低部を塞ぐ底蓋と、駆動ギアと噛合する被動ギアで変速させ、回転軸を介して連動する発電機とから成る、河川流水を利用しての横掛け水車水力発電装置である。
【0009】
一実施形態においては、上蓋と底蓋とで前記回転体上下を塞いで、密閉された前記回転体上部円周に中心を基準に相対して、並列に設けた複数の前記軸受けに一定の長さの前記90°回転支軸を自在にして貫通させ、前記回転体内において相対し同等の出幅を残して切り離し、各々前記出幅を前記半円形連結板を介して連結し、連結時において前記90°回転支軸と一体になる前記回転翼を垂直位置で受け止めて垂直翼に、相対する前記90°回転支軸と一体する前記回転翼は、前記垂直翼に対し、90°の角度をもって水平移動する水平翼に成る。
【0010】
また、一実施形態においては、前記回転体内において、複数に交差する前記半円形連結板の互いの接触を回避するために、相対する前記出幅を最長から最短に順々に調整し切り離された前記90°回転支軸を連結する前記半円形連結板においては、直径を違えて最小形から最大形へと拡大して成る。
上記構成は、相対する各々前記出幅の最長出幅を最小形前記半円形連結板で連結し、段差を付けて最下段を最短出幅と最大形半円形連結板で連結することで、交互に垂直と水平に定位置において変換作動する前記回転翼と一対する前記半円形連結板は、段差を設ける事で、各々前記半円形連結板の接触を回避する事ができる。
【0011】
また、一実施形態においては、二重構造にして外枠を肉厚に隙間に発泡体が注入された前記回転体は補強され、本装置の河川設置に限り、気候変動によりまれに発生する増水と、それに供る流木、流石等から横掛け水車中央の前記回転体を保護する事が出来る。また、外枠を肉厚にしたことで、前記回転体重量は加重され、前記回転体を支える各々部位に係る負荷の増大を前記上蓋と底蓋とで上下を塞いで成る前記回転体内空間と、前記発泡体の浮力によって水中内で浮かせ、各々部位に係る負荷を軽減させ本発明を持続可能にする。
【0012】
また、一実施形態においては、前記回転体を貫通し外位置で放射状になる前記90°回転支軸と一体する前記回転翼は、一辺を垂直位置で一体させて垂直翼に、相対する片方を90°の角度をもって水平にして水平翼に成る。前記90°回転支軸の前記回転体内においての出幅に相対して、垂直と水平に一対する前記回転翼と並列に90°回転止め板を一体させ、前記回転体の内側、外側の同位置に前記回転翼を垂直に受け止めるための受け板を設置して、前記回転体の更なる強化と、前記回転翼を90°回転止め板として利用することが出来る。
【0013】
上記課題を解決すための請求項5に記載の発明は、前記横掛け水車の設置幅が確保された流通路左右に、適度の高さにした収集堰を設け、河川流水を前記流通路に集約し、前記横掛け水車中央の前記回転体を基準に、エネルギー生産流水と非エネルギー生産流水として左右に分け、前記エネルギー生産流水の位置エネルギーで、前記垂直翼を垂直回転させ、相対して一対する前記水平翼は、前記非エネルギー生産流水の水面上を水抵抗を無にしての水平回転となる。
【0014】
また、一実施形態においては、前記収集堰によって前記流通路に集約された河川流水を、前記回転体を基準して前記エネルギー生産流水と前記非エネルギー生産流水として左右に分けられた河川流水の前記回転体川下の合流位置においては、流水と前記垂直翼は平行になり前記垂直翼に係る水抵抗は無に成る。前記垂直翼の流水との平行位置通過時点で水抵抗と90°の角度で一対する垂直と水平の前記回転翼自重による天秤作動と、前記非エネルギー生産流水の流水圧とで、前記垂直翼を水面に向け掛け上げ、それと同時に川上における前記水平翼は、自重によって下降し、水面位置通過時点で、前記エネルギー生産流水の位置エネルギーで掛け押し、前記受け板で受け止めて前記垂直翼に成る。
【0015】
上記課題を解決するための請求項6に記載の発明は、前記非エネルギー生産流水の流通路と、河川生物の遡上通路とを兼ねて成る流通路幅分を外して、前記横掛け水車の回転に支障をきたすことのない川上位置に、川上に向け斜め方向に上部を水面位置にした複数の円柱を川底に並列に埋設し、数枚の横板を段差をつけて前記円柱と一体させて成る防護棚を前記回転体とそれに係る前記垂直翼の川上保護位置に設置する。
【0016】
一実施形態においては、前記非エネルギー生産流水の流通路を河川生物の前記遡上通路として利用し、通常時の水面位置により僅かな高さにした前記収集堰と、前記回転体を軸支するための前記収集堰に掛け渡された前記上板との表面を、気候変動によりまれに発生する増水と、それに供る流木等を通過させ、流石等は前記防護棚を介して前記遡上通路に流し込む。また、一実施形態においては、本発明を横掛け水車とする事で、落差を必要とせず、前記遡上通路を設けることで、河川生物の生態系を壊す事なく、また、増水対策の
一環とする防護堰として利用する事も可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上述したとおりであって、横掛け水車にすることで落差を必要とせず、エネルギー生産流水の位置エネルギーで垂直移動する垂直翼で回転エネルギーを生産し、定位置において垂直から水平に変わる水平翼においては、非エネルギー生産流水の水面上を水平移動することで、水平翼に係る水抵抗は無であり、開放された非エネルギー生産流水の流通路を、河川生物の遡上通路として利用し、気候変動によって発生する増水と、それに供る流木、流石等による本装置の損壊を回避し効率よく、より一層有効活用する事ができ、発電効率の向上を図る事ができる効果がある。
【0018】
また、河川生物の生態系を壊す事なく、通常時は生活通路と増水時においては堰として利用することも可能であって、世界でも類を見ない水質源を持つ我が国内においては、限りなく増設が可能であり、河川に限らず用水路、浄水場、排水処理場等と、潮の干満による海峡においての潮流、洋上における海流、風力と、自然界における自然流すべてに応用する事が出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態における一部断面の全体平面図
図2】本発明の一実施形態における一部断面の側面図
図3図1におけるB-B線断面図
図4】本発明の一実施形態における一部断面の平面図
図5】本発明における実施形態の構成一部断面の平面図
図6】本発明の一部品説明図
図7】本発明の一部位構成説明図
図8】本発明の実施形態における側面の説明図
【0020】
以下に本発明を実施するための形態について図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る河川流水を利用する横掛け水車水力発電装置の一実施形態の構成を示す全体平面図、図2はそのB-B線横掛け水車の側面断面図であり、横掛け水車の設置幅が確保された流通路30の左右に適度の高さにした収集堰25を構築し、収集堰25によって集約された河川流水を流通路30に設置した横掛け水車中央の回転体1を基準にして、エネルギー生産流水34と非エネルギー生産流水35として左右に分ける。
【0021】
回転体1上部円周に、回転体1中心を基準して、軸受18を相対に偶数にして並列に配設し、90°回転支軸7を各々軸受18を貫通させ回転体1内において、出幅8,9,10,11を残して切り離し、各々出幅を半円形連結板14,15,16,17で連結し、切り離された90°回転支軸7を半円形連結板を介して一対させる。回転体1の外位置で放射状に成る90°回転支軸7と一辺が一体する回転翼をエネルギー生産流水34の位置エネルギーで垂直させて垂直翼6と成り、一対する一方の90°回転支軸7と一辺が一体する回転翼は、非エネルギー生産流水35の水面26より上で、垂直翼6に対し90°の角度をもって水平翼5となる。
【0022】
図3は、本発明である横掛け水車の一実施形態の構成を示した断面図であり、円筒の回転体1を二重構造にして、外枠を肉厚に隙間に発泡体2を注入して回転体1を補強し、主軸19と駆動ギア21とが連座した上蓋3と、主軸19を中心においた底蓋4とで回転体1の上下を塞ぎ密閉して、上板27と底板28に相対に設けた主軸軸受20に回転体1の上下主軸19を軸支して成る回転体1は、外枠を肉厚にして補強した事で総体重量は加重され、下側主軸19と主軸軸受20に係る負荷の増大を回転体1内の空間と発泡体2の水中内の浮力によって軽減させ、本装置を持続させる事が出来る。
回転体1の上部を塞ぐ上蓋3中心の主軸19と一体する駆動ギア21の回転を被動ギア22で変速し、回転軸23を介し発電機24で電力生産を可能にする。
【0023】
90°回転支軸7の回転体1内においての出幅8,9,10,11と一体する90°回転止め板12は、垂直翼6と水平翼5と並列に置き、同数の90°回転止め板12の受板13を回転体1の内壁に設置する。実施形態においては90°回転止め板12を受板13で受け止める事で一体する回転翼は垂直翼6に成り、対する出幅と一体の90°回転止め板12は受板13を離れ90°回転止め板12と一体する回転翼は垂直翼6と90°の角度をもって水平翼5と成る。
【0024】
回転体1を基準して左右に分けられたエネルギー生産流水34と非エネルギー生産流水35の川下の合流位置においては、流水と垂直翼は平行になり、垂直翼6に係る水抵抗は無になる。平行位置通過時点で水抵抗と非エネルギー生産流水35の流圧により垂直翼6は水面26に向け掛け上げされ、水面26上で水平翼に成り、それと同時に水平移行する水平翼5は自重により川上において水中に向け下降し、水面26通過時点でエネルギー生産流水34の位置エネルギーで垂直位置に戻され、半円形連結板を介して一対する回転翼の水平と垂直の変換作動を川下と川上の定位置で瞬時に行う事が出来る。
【0025】
図5図6の説明は、軸受け18を起点に出幅8、8から長さを違えて、出幅11、11と最短から最長へと伸ばしてなる90°回転支軸の回転体1内においての出幅と直径差を違え最小形から最大形と拡大して成る半円形連結板14,15,16,17との構成は、最長出幅11、11を最小形の半円形連結板14で連結し、順々に交差させ段差を設けて最下段を最大形の半円形連結板17で最短の出幅8、8を連結し、実施時において半円形連結板14,15,16,17の接触を回避する事が出来る。
【0026】
図7の説明は、回転体1内における一実施形態図であり、最短出幅8、8を最大形の半円形連結板17で連結し、垂直と水平に成る回転翼と並列に各々出幅と一体する90°回転止め板12を図1に示すエネルギー生産流水34の位置エネルギーで垂直になる垂直翼を受け板13で受け止める事で垂直移動する垂直翼6はエネルギー生産翼と成る。また一方の出幅8と一体する90°回転止め板は受け板13を離れ一体する水平翼5は水面上で水抵抗を無にしての非エネルギー生産翼と成る。
【0027】
上記構成の説明は、気候変動によってまれに発生する増水分水量とそれに供る流木等を収集堰25と上板27の表面上を通過させ、増水によって発生する流石等においては、横掛け水車の回転に支障をきたすことのない川上位置に設置された防護棚31に沿わせて河川生物の遡上通路図示ナシと、非エネルギー生産流水35の流通路図示ナシとを兼ねて成る流通路図示ナシに流し込み、増水による各々弊害から本装置を保護することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0028】
電力生産においての現状は、地球規模で進む環境破壊の要因である火力発電、将来に課題を残しての原子力発電が主流であり、これらに頼る発電からの離脱を目的に、自然エネルギーを利用する太陽光発電と風力発電への移行が急速に進められている。ただ、世界的に類を見ない水資源を有する我が国において、自然エネルギーである水力を利用しての水力発電においては発展途上である。
水力発電の普及が進まない要因は、様々な課題の山積にあり、本発明はそれらの課題を解決しての発明である。
また本発明は、河川、用水路等に限らず海峡においての干満による潮流、洋上での海流、風力と、自然界におけるすべての自然流に応用する事が可能であり、先行する太陽光発電、風力発電と、本発明である水力発電装置とを併用活用し、早急な脱炭素社会を実現する事ができると自負する。
【符号の説明】
【0029】
1 回転体
2 発泡体
3 上蓋
4 底蓋
5 水平翼
6 垂直翼
7 90°回転支軸
8 出幅
9 出幅
10 出幅
11 出幅
12 90°回転止め板
13 受け板
14 半円形連結板
15 半円形連結板
16 半円形連結板
17 半円形連結板
18 軸受け
19 主軸
20 主軸軸受
21 駆動ギア
22 被動ギア
23 発電機
24 収集堰
25 水面
26 上板
27 底板
28 水底
29 流水路
30 防護棚
31 円柱
32 横板
33 エネルギー生産流水
34 非エネルギー生産流水
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8