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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033880
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】樹脂成形体
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20240306BHJP
   B32B 27/20 20060101ALI20240306BHJP
   B44C 1/17 20060101ALI20240306BHJP
   E04F 13/07 20060101ALI20240306BHJP
   E04F 13/18 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B32B27/00 E
B32B27/20 A
B44C1/17 J
E04F13/07 B
E04F13/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137777
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094640
【弁理士】
【氏名又は名称】紺野 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100103447
【弁理士】
【氏名又は名称】井波 実
(74)【代理人】
【識別番号】100111730
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 武泰
(74)【代理人】
【識別番号】100180873
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 慶政
(72)【発明者】
【氏名】勝山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】井上 あかね
(72)【発明者】
【氏名】井藤 洋輝
(72)【発明者】
【氏名】高岡 泰之
(72)【発明者】
【氏名】井田 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】森 瑠美
(72)【発明者】
【氏名】篠原 賢次
【テーマコード(参考)】
2E110
3B005
4F100
【Fターム(参考)】
2E110AA57
2E110AB04
2E110AB23
2E110AB42
2E110AB43
2E110BA02
2E110BB02
2E110BB04
2E110GA07W
2E110GA33W
2E110GB43W
2E110GB44W
2E110GB52W
2E110GB54W
3B005EA01
3B005EB01
3B005EB05
3B005EB09
3B005FA04
3B005FB22
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3B005GB01
4F100AK01A
4F100AK12A
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4F100AK41A
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4F100AK53A
4F100AT00A
4F100BA02
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4F100JL10C
4F100JN01A
4F100YY00A
(57)【要約】
【課題】 高い透明性とともに、良好な発色性かつ鮮明性を有する樹脂成形体の提供。
【解決手段】 透明な樹脂基材を備える樹脂成形体であって、前記樹脂基材は、その裏面側に、染料を含む柄部を備え、前記樹脂基材の厚み(mm)に対する前記柄部の厚み(μm)の割合(柄部の厚み/樹脂基材の厚み)は、1.7×10-3以上20×10-3以下である、樹脂成形体。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な樹脂基材を備える樹脂成形体であって、
前記樹脂基材は、その裏面側に、染料を含む柄部を備え、
前記樹脂基材の厚み(mm)に対する前記柄部の厚み(μm)の割合(柄部の厚み/樹脂基材の厚み)は、1.7×10-3以上20×10-3以下である、樹脂成形体。
【請求項2】
前記樹脂基材は、(メタ)アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる1種以上を含む、請求項1に記載の樹脂成形体。
【請求項3】
前記樹脂基材の中間点ガラス転移温度(Tmg)は、60℃以上240℃以下である、請求項1に記載の樹脂成形体。
【請求項4】
前記樹脂基材の表面の算術平均表面粗さ(Ra)は、0.1μm以上1.2μm以下である、請求項1に記載の樹脂成形体。
【請求項5】
前記樹脂基材の厚みは、1mm以上20mm以下である、請求項1に記載の樹脂成形体。
【請求項6】
前記樹脂基材の裏面に裏面層をさらに備える、請求項1に記載の樹脂成形体。
【請求項7】
前記裏面層は顔料を含む、請求項6に記載の樹脂成形体。
【請求項8】
樹脂成形体の製造方法であって、
透明な樹脂基材の裏面に、染料を含む昇華性インクが印刷された転写紙の印刷面をあわせる準備工程と、
前記転写紙を前記印刷面とは反対の面から熱プレスし、前記昇華性インクを前記樹脂基材の裏面からその内部に浸透させる昇華転写工程とを含み、
前記昇華転写工程により、前記樹脂基材の厚み(mm)に対するその厚み(μm)の割合が1.7×10-3以上20×10-3以下である柄部を形成する、方法。
【請求項9】
前記樹脂基材は、(メタ)アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる1種以上を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記樹脂基材に含まれる樹脂の中間点ガラス転移温度(Tmg)は、60℃以上240℃以下である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記樹脂基材の表面の算術平均表面粗さ(Ra)は、0.1μm以上1.2μm以下である、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記樹脂基材の厚みは、1mm以上20mm以下である、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記昇華転写工程の後に、前記樹脂基材の裏面に裏面層を設ける工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記裏面層は顔料を含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形体に関する。詳細には、裏面側に柄部を備える透明な樹脂成形体であって、良好な発色性および鮮明性を兼ね備えた樹脂成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、キッチンや洗面所のカウンター、浴室の浴槽などの水まわり部材として、樹脂成形体が使用されている。これらの水まわり部材にデザイン性を付与するため、例えば樹脂成形体の裏面側を加飾することが行われている。このような加飾の方法として、昇華転写法が知られている。
【0003】
例えば、特開2000-1096号公報(特許文献1)には、熱により昇華する加飾材料を所定パターン模様で印刷した昇華転写シートを水回り樹脂成形品の加飾対象面に当て、熱プレスにより加飾材料を昇華及び加飾対象面内部に染み込ませることにより、昇華転写シートのパターン模様を加飾対象面に転写することを特徴とする加飾方法が開示されている。
【0004】
また、特開2000-233598号公報(特許文献2)には、合成樹脂製の透明な基部の裏面側内部まで着色した着色部分を有する加飾成形品が開示され、当該着色部分は、基部の裏面に昇華性インクで印刷された転写シートを合わせ、この状態で転写加熱して昇華性染料を基部内部に浸透させることにより得られることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-1096号公報
【特許文献2】特開2000-233598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1、2には、樹脂成形体の裏面側に、昇華転写法にて加飾を施すことは開示されているが、その加飾された柄の発色性や鮮明性について改善の余地があった。
本発明者らは、今般、裏面側に柄部を備え、その柄部の厚みと、その柄部を備える樹脂基材の厚みとのバランスを工夫することにより、良好な発色性と鮮明性とを兼ね備えた樹脂成形体を実現できることを見出した。すなわち、樹脂成形体における樹脂基材の厚みに対する柄部の厚みの割合(柄部の厚み/樹脂基材の厚み)を特定範囲に制御することで、良好な発色性と鮮明性とを兼ね備えた樹脂成形体が得られることを見出した。本発明は斯かる知見に基づくものである。
【0007】
したがって、本発明は、高い透明性とともに、良好な発色性かつ鮮明性を有する樹脂成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による樹脂成形体は、
透明な樹脂基材を備え、
前記樹脂基材は、その裏面側に、染料を含む柄部を備え、
前記樹脂基材の厚み(mm)に対する前記柄部の厚み(μm)の割合(柄部の厚み/樹脂基材の厚み)は、1.7×10-3以上20×10-3以下であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高い透明性とともに、良好な発色性かつ鮮明性を有する樹脂成形体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】(a)本発明による樹脂成形体の一例を示す断面模式図である。(b)本発明による樹脂成形体が備える樹脂基材の断面模式図である。
図2】実施例1の樹脂成形体の光学顕微鏡観察により得られた観察像である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
樹脂成形体
本発明による樹脂成形体について、図1を参照しつつ説明する。本発明による樹脂成形体1は、図1(a)に示すように、透明な樹脂基材2を備える。本発明において、樹脂成形体1は、透明な樹脂基材2からなるものであってよい。また樹脂成形体1は、図1(a)に示すように、樹脂基材2の裏面に裏面層3を備えていても良い。
【0012】
樹脂基材
樹脂基材2は、図1(b)に示すように、その裏面側に、染料を含む柄部23を備える。柄部23は、所望の柄を表現可能なものである。樹脂成形体1は、柄部23を備えることにより、様々な柄を表現することが可能となる。柄部23は、1種以上の染料を所定の位置に含むことにより、様々な柄を表現することが可能となる。樹脂成形体1を表面から観察した際、表面側には透明な部分が存在し、かつ、裏面側には柄部23が存在することにより、樹脂成形体1は、柄部23の柄が浮かび上がるような意匠性を発揮することが可能となる。
【0013】
本発明による樹脂成形体1において、樹脂基材2の厚み26に対する柄部23の厚み24の割合(柄部23の厚み24/樹脂基材2の厚み26)は、1.7×10-3以上20×10-3以下である。本発明において、樹脂基材2の厚み26とは、樹脂基材2の裏面22を0mm(基準)とし、裏面22から表面21に向かって垂直方向に、上記基準から樹脂基材2の表面21までの距離(mm)をいう。また、柄部23の厚み24とは、樹脂基材2の裏面22を0μm(基準)とし、裏面22から表面21に向かって垂直方向に、上記基準から柄部23の上面25までの距離(μm)をいう。本発明において、柄部23の上面25とは、樹脂基材2の裏面22から表面21に向かって垂直方向に、柄部23に含まれる全ての染料によって画定される最大厚みを意味する。
【0014】
樹脂基材2の厚み26は、公知の測定機器を用いて測定することができる。測定機器として、例えばノギスを用いることができる。ノギスとしては、例えば、株式会社ミツトヨ ABSデジマチックキャリパCD-AXを利用可能である。
【0015】
本発明において、柄部23の厚み24は、例えば、以下の方法にて測定することができる。樹脂成形体を、断面観察できるよう所定の大きさで切り出す。その後、断面を光学研磨し、この研磨面を観察面とする。この観察面を光学顕微鏡で観察する。観察条件は適宜決定することができる。観察像において、染料を含む部分と染料を含まない部分の境界を特定する。樹脂基材の裏面22を0μm(基準)とし、この基準から表面21に向かって垂直方向における、染料を含む部分の最大距離を測定する。例えば、観察像において、3か所の染料を含む部分の最大距離を測定し、これらの平均値を樹脂成形体1における柄部23の厚み24とすることができる。
【0016】
柄部23の厚み24/樹脂基材2の厚み26が上記範囲にあることで、高い発色性と鮮明性との双方を同時に実現可能な樹脂成形体1を得ることができる。具体的には、樹脂成形体1を表面(上)から観察した際、樹脂基材2の裏面22側の柄部23の柄の色、形状、模様等が浮かび上がるような意匠性を発揮することができる。柄部23の厚み24/樹脂基材2の厚み26が1.7×10-3以上であることで、十分な発色性、例えば明度(L)や彩度(c=[(a+(b1/2)が得られる。また、柄部23の厚み24/樹脂基材2の厚み26が20×10-3以下であることで、十分な鮮明性が得られる。
【0017】
<発色性>
本発明において、樹脂成形体1の発色性は、裏面側に柄部23を備える樹脂基材2を表面側から見たときに感得される質感(外観)を指標として官能的に表すことができる。例えば、見た目が均一に鮮やかであることが挙げられる。また、樹脂成形体1の発色性は、定量的に表すこともでき、例えばCIE1976に規定されるL表色系において、
シアンのb値が-10以下であり、
マゼンタのa値が40以上であり、
イエローのb値60以上であり、かつ
ブラックのL値が30以下である色空間座標を有するとき、樹脂成形体は良好な発色性を有すると評価することができる。
値、a値、b値の測定には、公知の分光測色計を使用することができ、例えばCM-5(コニカミノルタ製)を用いることができる。
【0018】
<鮮明性>
本発明において、樹脂成形体1の鮮明性は、柄部23を観察することで官能的に評価することができる。例えば、樹脂成形体1を目視し、柄部23の柄の形状や色が精細に認識できる場合は鮮明性が高く、精細さを欠く場合は鮮明性が低いと評価することができる。また、昇華転写法を用いて柄部23を形成する場合、(昇華転写する前の)転写紙に印刷された昇華性インクの印刷物(以下、「印刷物」と略称することもある)と、(昇華転写した後に得られた)柄部23とを対比することで、鮮明性を評価することができる。対比する対象は、例えば、印刷物および柄部23の形状、色などであってよい。これらの同一性を適切な機器を用いて実測し、同一性の割合が高い場合は鮮明性が高く、同一性の割合が低い場合は鮮明性が低いと評価することができる。
【0019】
<透明性>
本発明において、「透明な」とは、樹脂成形体1を表面から(上から)見たときに、樹脂基材2の裏面側の柄部23の柄の色、形状、模様等が透けて見える状態またはそのような性質をいう。樹脂基材2は、透明であれば、着色されていても良い。着色された樹脂基材2を用いる場合、着色材料と、柄部23に含まれる染料との区別は光学顕微鏡などの観察により区別することが可能である。樹脂基材2が透明であることにより、可視光が樹脂基材2を透過できるため、裏面22側の柄部23の柄の色、形状、模様等が浮かび上がるように視認することが可能となる。
【0020】
また、樹脂基材2の透明性は、定量的に表すこともでき、例えば全光線透過率をその指標とすることができる。例えば、樹脂基材の透明性は、樹脂基材の厚みが凡そ10mmであるときの、また樹脂基材の表面および裏面の各算術平均表面粗さRaが凡そ0.3μm以下であるときの、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。
【0021】
樹脂基材の全光線透過率は、例えば、JIS K 7375-2008に基づき測定することができる。測定装置として、例えば、ヘーズメーターを用いることができる。ヘーズメーターとしては、例えば、haze-gard i(BYK社製)を利用可能である。
【0022】
本発明において、樹脂基材2の厚み26は、1mm以上20mm以下であることが好ましい。これにより、樹脂基材の透明性および重厚感を得つつ、柄部23の柄の色、形状、模様等が浮かびあがるように視認することが可能となる。樹脂基材の厚みは、好ましくは、8mm以上15mm以下である。
【0023】
本発明において、柄部23の厚み24は、15μm以上85μm以下であることが好ましい。これにより、より高い発色性と鮮明性との双方を同時に実現可能な樹脂成形体1を得ることができる。
【0024】
<樹脂>
本発明において、樹脂基材2を構成する樹脂は、透明性を有する樹脂であればよい。好ましくは、樹脂基材2は、(メタ)アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる1種以上を含む。これらの樹脂は、転写紙に印刷した染料を含む昇華性インクを、樹脂基材2の裏面22に昇華転写させたとき、昇華性染料を裏面22から内部に上述した厚み24の範囲で浸透させることができる。さらに、上記の樹脂は、透明性に優れ、樹脂成形体1の外観を良好に維持することができる。
【0025】
本発明において、樹脂基材2は、所定の厚みを有する樹脂シートまたは樹脂板であることが好ましい。樹脂基材2は、樹脂板であることがさらに好ましい。
【0026】
樹脂基材2が(メタ)アクリル樹脂を含む場合、樹脂基材2として、メタクリル酸メチル等のモノマーを重合させて作製した(メタ)アクリル樹脂や、市販の(メタ)アクリル樹脂板を使用可能である。例えば、株式会社クラレ製のパラグラス、コモグラス、クラレックス、三菱ケミカル株式会社製アクリライト(L,S,EX等)、株式会社カナセ製カナセライト、株式会社JSP製アクリエース、アクリサンデー株式会社製アクリル板などを好適に使用することができる。
【0027】
樹脂基材2が不飽和ポリエステル樹脂を含む場合、樹脂基材2として、例えば、市販の不飽和ポリエステル樹脂板や、DIC株式会社製サンドーマに代表される市販の不飽和ポリエステル樹脂前駆体を適切な硬化剤で硬化させて得られる不飽和ポリエステル樹脂板などを好適に使用することができる。
【0028】
樹脂基材2がポリエステル樹脂を含む場合、樹脂基材2として、例えば、市販のポリエステル樹脂板として、タキロンシーアイ株式会社製ぺテック、アクリサンデー株式会社製サンデーPETや、ポリカルボン酸とポリオールに代表されるポリエステル前駆体を重合させて得られるポリエステル樹脂板等を好適に使用することができる。
【0029】
樹脂基材2がポリスチレン樹脂を含む場合、樹脂基材2として、例えば、アクリサンデー株式会社製ポリスチレン板のような市販の樹脂板や、スチレンモノマー等を重合させて得られるポリスチレン樹脂板などを好適に使用することができる。
【0030】
樹脂基材2がエポキシ樹脂を含む場合、樹脂基材2として、市販のエポキシ樹脂板や、汎用のビスフェノールAジグリシジルエーテルの他、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールF等の二価フェノールとエピクロルヒドリンより得られるビスフェノール型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、長鎖ポリオールのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリオレフィン型エポキシ樹脂などを、適切な硬化剤で硬化させて得られるエポキシ樹脂板等を好適に使用することができる。
【0031】
本発明において、樹脂基材2の中間点ガラス転移温度(Tmg)は、60℃以上240℃以下であることが好ましい。これにより、転写紙に印刷した染料を含む昇華性インクを、樹脂基材2の裏面22に昇華転写させたとき、昇華性染料を裏面22から内部に上述した厚み24の範囲で浸透させることができる。さらに、Tmgが上記範囲内にある樹脂は耐熱性が高いため、樹脂成形体1の外観を良好に維持することができる。樹脂基材2のTgは、100℃以上180℃以下であることがより好ましい。
【0032】
樹脂基材の中間点ガラス転移温度(Tmg)は、JIS K 7121-1987に規定されるプラスチックの転移温度測定方法に基づいて求めることができる。具体的には、示差走査熱量計を使用し、熱流束示差走査熱量測定(熱流束DSC)法などにより求めることができる。
【0033】
本発明において、樹脂基材の表面21の算術平均表面粗さ(Ra)は、0.1μm以上1.2μm以下であることが好ましい。これにより、発色性と鮮明性との双方を実現しつつ、使用時の傷つきを抑制することができる。具体的には、Ra≧0.1のとき、柄部23の視認性を高くし、また使用時に傷がつくのを抑制することが可能である。Ra≦1.2のとき、表面に入射した光の拡散を抑制しやすくなり、柄部23の視認性を高く維持することが可能である。表面21のRaは、0.2μm以上1.0μm以下であることがより好ましい。この場合、柄部23の視認性をより高め、また使用時の傷つきをより抑制し、そのような傷の視認性を低下させることができる。
【0034】
樹脂基材の表面21のRaは、JIS B0601-2013に記載された定義を意味し、JIS B0633-2001に基づき測定することができる。測定器として、例えば、表面粗さ計(東京精密社)を用いることができる。Raは、JIS B0633-2001に基づき、測定長さ、カットオフ波長の条件を調整し、測定することができる。
【0035】
染料
本発明において、柄部23は染料を含む。柄部23が含む染料は昇華性染料であることが好ましい。昇華性染料として、公知のものを使用することができ、例えば、昇華性分散染料が挙げられる。例えば、C.I.ディスパーズイエロー1、3、4、5、7、8、31、33、39、42、54、60、61、64、83、124;C.I.ディスパーズレッド1、4、5、7、11、12、13、15、17、31、32、33、34、35、36、52、54、55、56、58、60、72、73、76、80、84、88、91、92、93、99、111、113、135、204、205、206、207、224、225、227、239、240;C.I.ディスパーズブルー20、26、54、55、56、58、60、61、62、64、72、79、81、85、87、90、91、92、94、97、98、99、10.3、104、105、106、108、128、148、149、176、186、187、193、194、195、197、201、205、207、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227;C.1.ディスパーズブラック1、3、10、24等の分散染料を使用することができる。
【0036】
裏面層
本発明において、樹脂成形体1は、樹脂基材2以外に他の層をさらに備えていてもよい。例えば、樹脂成形体1は、図1(a)に示すように、樹脂基材2の裏面22に裏面層3をさらに備えていることが好ましい。すなわち、樹脂成形体1は、樹脂基材2と、樹脂基材2の裏面22に形成された裏面層3とを備えていることが好ましい。
【0037】
裏面層3は樹脂及び顔料を含むものであることが好ましい。樹脂及び顔料は、それぞれ公知のもの又は市販品を使用することができる。樹脂としては、例えば塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィンのほか、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等を用いることができる。これらは、1種以上で使用することができる。
【0038】
顔料としては、無機顔料、有機顔料、金属顔料および真珠光沢(パール)顔料から選択される1種以上を用いることが可能である。無機顔料として、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブラック等が挙げられる。有機顔料として、イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニンリンブラック等が挙げられる。金属顔料として、アルミニウム、真鍮等が挙げられる。真珠光沢(パール)顔料として、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉が挙げられる。
【0039】
裏面層3に含まれる顔料は、白色顔料であることが好ましく、チタン白であることがさらに好ましい。白色顔料は淡彩色であるため、柄部23の柄の視認性を高めることができる。すなわち、樹脂基材2の表面21から入射された可視光が、裏面層3で反射されるため、柄部23の柄の色、形状、模様等の視認性を高めることができる。また、白色顔料は隠ぺい性を発揮することができる。本発明において、隠ぺい性とは、例えば樹脂成形体1をキッチンのカウンタートップ板として使用した場合において、カウンターの下地の影響を遮断することができることをいう。これにより、例えば下地の色により樹脂成形体1の柄部23の見た目が損なわれる等の不利益は生じ得ない。また、本発明においては、とりわけ、白色顔料を含む裏面層3の隠ぺい性により、樹脂基材の裏面22が透けて見えるとの現象が起こらないようにすることができる。
【0040】
裏面層3に含まれる樹脂の濃度は、樹脂基材2との接着性、強度等を考慮して適宜決定すれば良い。また、顔料の濃度は、所望の色合い等に応じて適宜設定すれば良い。また、裏面層3の厚みは、所望の隠ぺい性等に応じて適宜設定すれば良い。例えば、10μm以上であることが好ましい。
【0041】
裏面層3が発揮する隠ぺい性は、例えば以下のように評価することができる。樹脂成形体1を、樹脂基材2を上にして、黒アクリル板上に置く。樹脂成型体から所定距離離れた位置から、例えば蛍光灯下にて、樹脂成形体の外観を目視にて確認する。その結果、黒アクリル板の色が、樹脂基材の表面へ透けて見えなかった場合、裏面層は良好な隠ぺい性を発揮することができると評価する。
【0042】
樹脂成形体の用途
本発明による樹脂成形体は、水まわり部材またはその一部、好ましくは表面を構成する素材として使用されることが好ましい。本発明において、水まわり部材とは、バスルーム、トイレ空間、化粧室、洗面所、または台所などで用いられる部材を意味する。樹脂成形体は、具体的には、キッチンカウンター、洗面カウンター、浴槽、キッチンシンク、洗面ボウル、壁面材、扉やパネル面材などとして好適に使用することができる。
【0043】
樹脂成形体の製造方法
本発明は樹脂成形体を製造する方法に関する。すなわち、本発明は、
樹脂成形体の製造方法であって、
透明な樹脂基材の裏面に、染料を含む昇華性インクが印刷された転写紙の印刷面をあわせる準備工程と、
前記転写紙を前記印刷面とは反対の面から熱プレスし、前記昇華性インクを前記樹脂基材の裏面からその内部に浸透させる昇華転写工程とを含み、
前記昇華転写工程により、前記樹脂基材の厚み(mm)に対するその厚み(μm)の割合が1.7×10-3以上20×10-3以下である柄部を形成する、製造方法である。
【0044】
<準備>
・ 樹脂基材
樹脂基材を準備する。樹脂基材については、既に説明したとおりである。
・ 昇華性インク
染料を含む昇華性インクを準備する。染料については、既に説明したとおりである。昇華性インクは、染料の他、公知のインク用成分を含んでいてよい。例えば、溶媒、分散剤、界面活性剤、水などを含んでいてよい。
・ 転写紙
転写紙を準備する。転写紙として、公知の昇華転写用媒体を使用することができる。
【0045】
<転写紙への昇華性インクの印刷>
準備した昇華性インクを転写紙に印刷する。印刷方法は、インクジェット印刷方法が好ましい。
【0046】
<樹脂基材への昇華転写>
準備した樹脂基材の裏面に、染料を含む昇華性インクが印刷された転写紙の印刷面をあわせる。次に、転写紙を印刷面とは反対の面から熱プレスする。熱プレスにより、転写紙に印刷された昇華性インクが昇華転写される。すなわち、昇華性インクに含まれる染料は樹脂基材の裏面22から内部に浸透する。本発明においては、熱プレスを、160~200℃の温度で、0.5~30分行うことにより、樹脂基材における染料の浸透深さ、すなわち柄部23の厚みを15μm以上85μm以下にすることを可能とする。その後、染料は樹脂基材内に定着し、柄部23が得られる。このようにして、樹脂成形体1を得ることができる。
【0047】
<表面仕上げ加工>
本発明において、得られた樹脂成形体の表面を適宜研磨してもよい。
【0048】
<裏面層の形成>
本発明において、樹脂成形体の裏面に裏面層を形成してもよい。裏面層は、例えば以下のようにして形成することができる。好ましくは、樹脂成形体の裏面全体を、適切な溶剤を用いて脱脂する。その後、顔料を含む樹脂組成物を樹脂成形体の裏面に塗布する。樹脂組成物として、例えば公知の熱または光硬化型の樹脂成分を含む樹脂組成物を用いることができる。塗装は、公知の塗装方法、塗装装置を用いて行うことができる。塗布後、適切な温度で樹脂組成物を硬化させ、裏面層を形成することができる。
【実施例0049】
本発明を以下の例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0050】
準備
1.樹脂基材
下記エポキシ樹脂基材であって、かつその厚み(mm)を表1に記載のとおりとした計8種類の樹脂基材を準備した。
エポキシ樹脂基材
中間点ガラス転移温度が122℃であり、常温で無色透明の固体。その厚みが11mmのときの全光線透過率は、表面の算術平均表面粗さRaが0.17μm、裏面のRaが0.18μmのとき、81%であった。また、その厚みが6mmのときの全光線透過率は、表面のRaが0.15μm、裏面のRaが0.18μmのとき、91.3%であった。
【0051】
<厚みの測定>
各樹脂基材の厚みは、ノギス(株式会社ミツトヨ ABSデジマチックキャリパCD-AX)を用いて測定した。
【0052】
<中間点ガラス転移温度の測定>
各樹脂基材の中間点ガラス転移温度(Tmg)は、JIS K 7121-1987に規定されるプラスチックの転移温度測定方法に基づいて、示差走査熱量計(Rigaku社)を使用し、熱流束示差走査熱量測定(熱流束DSC)試験法により求めた。中間点ガラス転移温度の測定試料として、約10mgの各樹脂基材をアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス(毎分40ml)気流中、加温速度:毎分10℃で220℃まで加熱したものを用いた。
【0053】
<全光線透過率の測定>
各樹脂基材の全光線透過率は、JIS K 7375-2008に基づき、haze-gard i(BYK社製)を用いて測定した。
【0054】
<算術平均表面粗さ(Ra)の測定>
各樹脂基材の表面、裏面の算術平均表面粗さ(Ra)は、JIS B0601-2013、JIS B0633-2001に基づき、表面粗さ計(東京精密社)を用いて測定した。測定条件として、JIS B0633-2001に基づき、測定長さ:4mm、測定速度:0.3mm、カットオフ波長:0.8mmを用いた。
【0055】
2.昇華性インク
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4種類の昇華性インクを準備した。
【0056】
樹脂成形体の作製
<転写紙への昇華性インクの印刷>
インクジェット用昇華転写紙に、インクジェットプリンタで、昇華性インクによる原色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)柄を印刷した。柄は下記2種類とした。
(1)柄1
各色の濃度が最大値であるサイズが5cmの正方形が並んだ柄を印刷した。柄1の色(測定条件:反射測色、D65光源、測定径8mm、SCI)は、シアン:b値=-20、マゼンタ:a値=+30、イエロー:b値=+61、ブラック:L値=+36であった。
(2)柄2
各色の線模様を印刷した。各色の線幅は、シアン:197μm、マゼンタ:184μm、イエロー:230μm、ブラック:179μmであった。柄2を印刷して得られた転写紙を、表面から光学顕微鏡(MX61L、オリンパス製)で観察した(観察条件:対物倍率5倍、透過光観察)。観察像において、各色の線模様の幅を計測し、これを転写紙に印刷された各色の線幅とした。
【0057】
<樹脂基材への昇華転写>
各樹脂基材の裏面に、転写紙の柄1、2を印刷した面をあわせ、転写紙を、その背面(柄1、2を印刷した面とは反対の面)から熱プレスした。熱プレスは、温度:175~195℃で、時間:0.5~20分行った。このようにして、柄1を昇華転写した実施例1~7、比較例1~2の樹脂成形体を作製した。同様にして、柄2を昇華転写した実施例1~7、比較例1~2の樹脂成形体を作製した。
【0058】
<表面仕上げ加工>
各樹脂成形体の表面を、最終400番手のサンドペーパー(三共理化学社)が取り付けられたランダムオービットサンダー(マキタ社)を使用して研磨した。
【0059】
<裏面層の形成>
柄1を昇華転写して得られた樹脂成形体のうち、実施例2~7の樹脂成形体の裏面全体を、アセトンを用いて脱脂した後、塗装スプレーガンを用いて、白色顔料を含む熱硬化性2液型白色塗料組成物を、塗装膜厚が0.1mm以上となるように塗布した。塗布後、70℃の乾燥炉で30~60分放置して塗料組成物を硬化させ、裏面層を形成させた。
【0060】
評価
各樹脂成形体について、下記特性を評価した。
【0061】
<表面粗さ(Ra)>
各樹脂成形体の表面の算術平均表面粗さ(Ra)を、JIS B 0601-2013に基づき、表面粗さ計(東京精密社)を用いて測定した。測定条件として、JIS B0633-2001に基づき、測定長さ4mm、測定速度0.3mm、カットオフ波長0.8mmを用いた。その結果、各樹脂成形体の表面のRaはいずれも、0.6μm以上0.8μm以下の範囲であった。
【0062】
<透明性>
各樹脂成形体の透明性を、裏面側から光を照射させ、表面側から目視で柄を判別できるか否かを指標として評価した。その結果、すべての樹脂成形体において、柄を判別でき、透明性を有していることを確認した。
【0063】
<柄部の厚み>
柄1を昇華転写して得られた各樹脂成形体を、断面観察できるよう所定の大きさで切り出した。その後、断面を光学研磨し、この研磨面を観察面とした。この観察面を光学顕微鏡(MX61L、オリンパス製)で観察した(観察条件:対物倍率5~50倍、透過光観察)。実施例1で得られた観察像を図2に示す。観察像において、染料を含む部分と染料を含まない部分の境界を特定した。樹脂基材の裏面22を0μm(基準)とし、この基準から表面21に向かって垂直方向における、染料が浸透して柄1が形成された部分(染料を含む部分)と、染料が浸透せず柄1が形成されなかった部分(染料を含まない部分)の境界までの最大距離を測定した。観察像において、3か所における最大距離を測定し、これらの平均値を各樹脂成形体の柄部の厚みとした。結果を表1に示す。
【0064】
<柄部の厚み/樹脂基材の厚み>
柄1を昇華転写して得られた各樹脂成形体について、上述した各樹脂基材の厚みの測定
値、および柄部の厚みの測定値から、柄部の厚み/樹脂基材の厚みを算出した。結果を表1に示す。
【0065】
<発色性>
樹脂成形体の発色性は、分光測色計(CM-5、コニカミノルタ製、D65光源による透過法)を用いて、柄1を昇華転写して得られた各樹脂成形体の色値を測定し、また各樹脂成形体を表面から目視で観察して外観評価した。評価基準は以下のとおりとした。結果を表1に示す。
(評価基準)
:4色すべての色値が下記基準値を満たす、あるいは、目視で均一に鮮やかに発色していると評価された。
シアン:b値-10以下
マゼンタ:a値40以上
イエロー:b値60以上
ブラック:L値30以下
×:4色のうちいずれか1色でも色値が下記基準値を満たすものがある、あるいは、目視で淡く発色性が低いと評価された。
シアン:b値-10超過
マゼンタ:a値40未満
イエロー:b値60未満
ブラック:L値30超過
【0066】
<鮮明性>
柄2を昇華転写して得られた各樹脂成形体を、裏面から光学顕微鏡(MX61L、オリンパス製)で観察した(観察条件:対物倍率5倍、透過光観察)。観察像において、各色の線模様の幅を計測し、これを各樹脂成型体における各色の線幅とした。この線幅を、昇華転写する前の転写紙に印刷された各色の線模様の幅(以下、「転写紙に印刷された各色の線幅」という)と比較し、下記基準にて、各樹脂成形体の鮮明性を評価した。
(基準)
:樹脂成型体における各色の線幅と、転写紙に印刷された各色の線幅との差が、4色すべてにおいて100μm未満であり、かつ、目視で線が細く精細であると評価された。
×:樹脂成型体における各色の線幅と、転写紙に印刷された各色の線幅との差が、4色のうちいずれか1色でも100μm以上のものがあったか、あるいは、目視で線が太く精細さを欠くと評価された。
【0067】
<総合評価>
上記発色性および鮮明性の評価結果双方が○のとき、総合評価を○とし、いずれか一方でも×のとき、総合評価を×とした。
【0068】
<裏面層による、柄の色および形状の視認性、ならびに隠ぺい性>
裏面層による、柄の色および形状の視認性、ならびに隠ぺい性の評価は、裏面層3を形成した実施例2~7の樹脂成形体を、樹脂基材2を上にして黒アクリル板上に置き、評価者の目と樹脂成型体が60cm~90cm離れた位置から、蛍光灯下にて、目視による外観確認にて行った。評価基準は以下のとおりとした。結果を表2に記載する。
(評価基準)
(柄の色および形状の視認性)
〇:目視で柄の色および形状が認識出来た。
×:目視で柄の色および形状が認識出来なかった。
(裏面層の隠ぺい性)
〇:目視で黒アクリル板の色が、樹脂基材の表面へ透けて見えなかった。
×:目視で黒アクリル板の色が、樹脂基材の表面へ透けて見えた。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【符号の説明】
【0071】
1:樹脂成形体
2:樹脂基材
21:樹脂基材の表面
22:樹脂基材の裏面
23:柄部
24:柄部の厚み
25:柄部の上面
26:樹脂基材の厚み
3:裏面層
図1
図2