(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033893
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】無人飛行体用構造体および無人飛行体
(51)【国際特許分類】
B64C 1/08 20060101AFI20240306BHJP
B64C 27/08 20230101ALI20240306BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B64C1/08
B64C27/08
B64C39/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137809
(22)【出願日】2022-08-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・公開の事実(1) ウェブサイトの掲載日:令和4年6月17日 ウェブサイトのアドレス:https://seventofive.co.jp/news/801/ 公開者:セブントゥーファイブ株式会社 ・公開の事実(2) ウェブサイトの掲載日:令和4年6月17日 ウェブサイトのアドレス:https://www.awi.co.jp/ja/business/news/news-3537509352953676225.html 公開者:エア・ウォーター株式会社 ・公開の事実(3) ウェブサイトの掲載日:令和4年6月17日 ウェブサイトのアドレス:http://app.tailorworks.com/business/JDVDtfwP8yDM 公開者:セブントゥーファイブ株式会社 ・公開の事実(4) 展示日:令和4年6月21日~23日 展示会名:Japan Drone2022 第7回 ―Expo for Commercial UAS Market― 開催場所:幕張メッセ国際展示場4・5ホール(〒261-0023 千葉県千葉市美浜区中瀬2-1) 公開者:セブントゥーファイブ株式会社 ・公開の事実(5) 展示日:令和4年7月22日 展示会名:京阪奈ドローンフォーラム2022 開催場所:奈良県コンベンションセンター(〒630-8013 奈良県奈良市三条大路1丁目691-1) 公開者:セブントゥーファイブ株式会社 ・公開の事実(6) 発行日:令和4年6月21日 刊行物:パンフレット「新たな輝きを創り出す STF-5i001 STF-5i002」 公開者:セブントゥーファイブ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522201705
【氏名又は名称】セブントゥーファイブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】中村 潤一
(57)【要約】
【課題】プロペラや積載物が物体に接触することを防止するための構造が組み込まれた無人飛行体用構造体を実現する。
【解決手段】無人飛行体用構造体(1)は、第1フレーム(11)と、第2フレーム(12)と、第1フレームガード(13a~13d)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プロペラ群を支持するための第1フレームと、
第2プロペラ群を支持するための第2フレームであって、前記第1フレームと対向するように配置された第2フレームと、
前記第1フレームの前記第2フレーム側とは反対側を通る第1フレームガードであって、一端が前記第1フレームに連結され、他端が前記第2フレームの周辺部に連結された第1フレームガードと、を備えている、
ことを特徴とする無人飛行体用構造体。
【請求項2】
前記第1フレームと前記第2フレームとの間隔を保つためのスペーサとして機能するピラーであって、一端が前記第1フレームに固定され、他端が前記第2フレームに固定されたピラーを更に備え、
前記第1フレームガードの前記一端は、遊びをもって前記第1フレームに連結されており、前記第1フレームガードの前記他端は、遊びをもって前記第2フレームに連結されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の無人飛行体用構造体。
【請求項3】
前記第1フレームガードのうち、前記第1フレームと前記第2フレームとの間にある部分を被覆する第1フレームガードホルダを更に備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の無人飛行体用構造体。
【請求項4】
前記第1フレームガードホルダには、当該無人飛行体用構造体の外周側から内周側に向かう切り欠きが形成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の無人飛行体用構造体。
【請求項5】
前記第2フレームの前記第1フレーム側とは反対側を通る第2フレームガードであって、一端が前記第2フレームに連結され、他端が前記第1フレームの周辺部に連結された第2フレームガードを更に備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の無人飛行体用構造体。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の無人飛行体用構造体と、
前記第1プロペラ群を構成する少なくとも1つのプロペラであって、モータを介して前記第1フレームの前記第2フレーム側の面に支持された少なくとも1つのプロペラと、
前記第2プロペラ群を構成する少なくとも1つのプロペラであって、モータを介して前記第2フレームの前記第1フレーム側の面に支持された少なくとも1つのプロペラと、を備えている、
ことを特徴とする無人飛行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無人飛行体用構造体および無人飛行体に関する。
【背景技術】
【0002】
ドローンなどの無人飛行体の様々な産業分野への利用が進められている。特許文献1には、カメラなどを積載したドローンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無人飛行体の用途として、人の進入が困難な狭空間(例えば、配管内の空間)における作業(例えば、カメラを用いた撮影)が挙げられる。しかしながら、無人飛行体を狭空間内で飛行させる場合、プロペラや積載物が壁などの物体に接触するリスクが高い。プロペラが物体に接触すると、プロペラが故障したり、物体が損傷したりする。また、積載物が物体に接触すると、積載物が損傷したり、積載物が落下したり、物体が損傷したりする。このため、狭空間における作業に用いる無人飛行体においては、プロペラや積載物が物体に接触することを防止するための構造が必要になる。
【0005】
プロペラや積載物が物体に接触することを防止するための構造としては、無人飛行体全体を取り囲むメッシュ状のプロテクタが知られている。しかしながら、このプロテクタは、軽量性を担保するために細径のリンクにより構成されているので、強度的に十分とは言えない。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プロペラや積載物が物体に接触することを防止するための構造が組み込まれた無人飛行体用構造体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る無人飛行体用構造体は、第1プロペラ群を支持するための第1フレームと、第2プロペラ群を支持するための第2フレームであって、前記第1フレームと対向するように配置された第2フレームと、前記第1フレームの前記第2フレーム側とは反対側を通る第1フレームガードであって、一端が前記第1フレームの中央部に連結され、他端が前記第2フレームの周辺部に連結された第1フレームガードと、を備える。
【0008】
これにより、第1フレームの第2フレーム側と反対側に積載された積載物、及び、第1フレームと第2フレームとの間に配置されたプロペラが物体に接触することを、第1フレームガードによって阻止することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、プロペラや積載物が物体に接触することを防止するための構造が組み込まれた無人飛行体用構造体を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る、無人飛行体用構造体の構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る、第1フレームガード部分の構成を示す断面図である。
【
図3】本発明の実施形態の変形例に係る、第1フレームガード部分の構成を示す断面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る、無人飛行体の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(無人飛行体用構造体の構成)
本発明の一実施形態に係る無人飛行体用構造体1の構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、無人飛行体用構造体1の斜視図である。
【0012】
無人飛行体用構造体1は、狭空間における作業を主たる用途とする無人飛行体の骨格を構成する構造体である。無人飛行体用構造体1は、
図1に示すように、第1フレーム11と、第2フレーム12と、第1フレームガード13a~13dと、第2フレームガード14a~14dと、第1フレームガードホルダ15a~15dと、第2フレームガードホルダ16a~16dと、第1ピラー17a~17dと、第2ピラー18a~18dと、補助ピラー19a~19dと、を備えている。
【0013】
第1フレーム11は、無人飛行体の第1プロペラ群を支持するための構成である。本実施形態においては、第1フレーム11として、四葉状の主面を有する板状の構造体を用いている。第1フレーム11の各葉に相当する部分には、円形の開口11a1~11a4が形成されている。開口11a1~11a4の中央部には、モータ取付部11b1~11b4が配置されている。モータ取付部11b1~11b4は、モータ取付部11b1~11b4から三方に伸びる梁11c1~11c4によって、第1フレーム11に連結されている。第1フレーム11の材料は、特定に限定されない。本実施形態においては、第1フレーム11の材料として、炭素繊維強化プラスチックを用いている。
【0014】
第2フレーム12は、無人飛行体の第2プロペラ群を支持するための構成である。第2フレーム12の構造及び材料は、第1フレーム11の構造及び材料と同一である。第2フレーム12は、第1フレーム11と対向するように配置される。
【0015】
第1フレームガード13a~13dは、第1フレーム11の第2フレーム12側とは反対側の面に積載された積載物、及び、第1フレーム11と第2フレーム12との間に配置されたプロペラが物体と接触することを防止するための構成である。本実施形態においては、第1フレームガード13a~13dとして、一端が第1フレーム11の中央部に連結され、他端が第2フレーム12の周辺部に連結された棒状の構造体であって、第1フレーム11の第2フレーム12側と反対側を通る棒状の構造体を用いている。第1フレームガード13a~13dの材料は、特定に限定されない。本実施形態においては、第1フレームガード13a~13dの材料として、炭素繊維強化プラスチックを用いている。
【0016】
本実施形態において、第1フレームガード13a~13dの本数は、4本である。無人飛行体用構造体1を上面視した場合、第1フレームガード13aは、第1フレーム11の中央部から第1の方向Aに伸び、第1フレームガード13bは、第1フレーム11の中央部から第1の方向Aと鋭角的に交わる第2の方向Bに伸びる。また、第1フレームガード13cは、第1フレーム11の中央部から第1の方向Aと反対方向に伸び、第1フレームガード13dは、第1フレーム11の中央部から第2の方向Bの反対方向に伸びる。
【0017】
第1フレームガード13aのうち、第1フレーム11と第2フレーム12との間にある部分は、第1フレームガードホルダ15aにより被覆されている。また、第1フレームガード13bのうち、第1フレーム11と第2フレーム12との間にある部分は、第1フレームガードホルダ15bにより被覆されている。また、第1フレームガード13cのうち、第1フレーム11と第2フレーム12との間にある部分は、第1フレームガードホルダ15cにより被覆されている。また、第1フレームガード13dのうち、第1フレーム11と第2フレーム12との間にある部分は、第1フレームガードホルダ15dにより被覆されている。第1フレームガードホルダ15a~15dの材料は特に限定されないが、第1フレームガード13a~13dの材料よりも弾力性の高い材料であることが好ましい。本実施形態においては、第1フレームガードホルダ15a~15dの材料として、樹脂を用いている。
【0018】
第1フレームガードホルダ15aの隣には、第1ピラー17aが配置されており、第1フレームガードホルダ15bの隣には、第1ピラー17bが配置されている。また、第1フレームガードホルダ15cの隣には、第1ピラー17cが配置されており、第1フレームガードホルダ15dの隣には、第1ピラー17dが配置されている。第1ピラー17a~17dは、一方の端部が第1フレーム11に固定され、他方の端部が第2フレーム12に固定された棒状部材であり、第1フレーム11と第2フレーム12との間隔を適正に保つためのスペーサとして機能する。第1ピラー17a~17dの材料は特に限定されない。本実施形態においては、第1ピラー17a~17dの材料として、炭素繊維強化プラスチックを用いている。なお、第1ピラー17a~17dの位置は任意であり、必ずしも第1フレームガードホルダ15a~15dの隣に配置されている必要はない。
【0019】
第2フレームガード14a~14dは、第2フレーム12の第1フレーム11側とは反対側の面に積載された積載物、及び、第1フレーム11と第2フレーム12との間に配置されたプロペラが物体と接触することを防止するための構成である。本実施形態においては、第2フレームガード14a~14dとして、一端が第2フレーム12の中央部に連結され、他端が第1フレーム11の周辺部に連結された棒状の構造体であって、第2フレーム12の第1フレーム11側と反対側を通る棒状の構造体を用いている。第2フレームガード14a~14dの材料は、特定に限定されない。本実施形態においては、第2フレームガード14a~14dの材料として、炭素繊維強化プラスチックを用いている。
【0020】
本実施形態において、第2フレームガード14a~14dの本数は、4本である。無人飛行体用構造体1を上面視した場合、第2フレームガード14aは、第2フレーム12の中央部から第3の方向Cに伸び、第2フレームガード14bは、第2フレーム11の中央部から第3の方向Cと鋭角的に交わる第4の方向Dに伸びる。また、第2フレームガード14cは、第2フレーム12の中央部から第3の方向Cと反対方向に伸び、第2フレームガード14dは、第2フレーム12の中央部から第4の方向Dの反対方向に伸びる。
【0021】
なお、第3の方向C及び第4の方向Dは、無人飛行体用構造体1を上面視したときに、第1の方向Aと第2の方向Bとの中間の方向が第3の方向Cと第4の方向Dとの中間の方向と直交するように決められている。例えば、第1の方向A及び第2の方向Bが、北北西及び北北東の方向であれば、第3の方向C及び第4の方向Dは、東北東及び東南東の方向になる。
【0022】
第2フレームガード14aのうち、第1フレーム11と第2フレーム12との間にある部分は、第2フレームガードホルダ16aにより被覆されている。また、第2フレームガード14bのうち、第1フレーム11と第2フレーム12との間にある部分は、第2フレームガードホルダ16bにより被覆されている。また、第2フレームガード14cのうち、第1フレーム11と第2フレーム12との間にある部分は、第2フレームガードホルダ16cにより被覆されている。また、第2フレームガード14dのうち、第1フレーム11と第2フレーム12との間にある部分は、第2フレームガードホルダ16dにより被覆されている。第2フレームガードホルダ16a~16dの材料は、特に限定されないが、第2フレームガード14a~14dの材料よりも弾力性の高い材料であることが好ましい。本実施形態においては、第2フレームガードホルダ16a~16dの材料として、樹脂を用いている。
【0023】
第2フレームガードホルダ16bの隣には、第2ピラー18aが配置されており、第2フレームガードホルダ16bの隣には、第2ピラー18bが配置されている。また、第2フレームガードホルダ16cの隣には、第2ピラー18cが配置されており、第2フレームガードホルダ16dの隣には、第2ピラー18dが配置されている。第2ピラー18a~18dは、一方の端部が第1フレーム11に固定され、他方の端部が第2フレーム12に固定された棒状部材であり、第1フレーム11と第2フレーム12との間隔を適正に保つためのスペーサとして機能する。第2ピラー18a~18dの材料は特に限定されない。本実施形態においては、第2ピラー18a~18dの材料として、炭素繊維強化プラスチックを用いている。なお、第2ピラー18a~18dの位置は任意であり、必ずしも第2フレームガードホルダ16a~16dの隣に配置されている必要はない。
【0024】
補助ピラー19a~19dは、第1フレーム11と第2フレーム12との間隔を適正に保つスペーサとしての機能を補完するための構成である。補助ピラー19aは、第1ピラー17aと第2ピラー18dとの間に配置され、補助ピラー19bは、第1ピラー17bと第2ピラー18aとの間に配置される。補助ピラー19cは、第1ピラー17cと第2ピラー18bとの間に配置され、補助ピラー19dは、第1ピラー17dと第2ピラー18cとの間に配置される。補助ピラー19a~19dの材料は特に限定されない。本実施形態においては、補助ピラー19a~19dの材料として、炭素繊維強化プラスチックを用いている。
【0025】
(フレームガードのフレームへの取付方法)
第1フレームガード13aの第1フレーム11及び第2フレーム12への取付方法について、
図2を参照して説明する。なお、第1フレームガード13b~13dの第1フレーム11及び第2フレーム12への取付方法、及び、第2フレームガード14a~14dの第1フレーム11及び第2フレーム12への取付方法も、以下に説明する取付方法と同様である。
【0026】
第1フレームガード13aの一方の端部には、細径部13a1が形成されている。この細径部13a1を、第2フレーム12の周辺部に形成された貫通孔に貫通させることによって、第1フレームガード13aと第2フレーム12との連結が実現される。ここで、細径部13a1の長さは、第2フレーム12の厚みよりも大きくなっている。このため、第1フレームガード13aと第2フレーム12とは、遊びP1を持って連結されることになる。
【0027】
また、第1フレームガード13aの他方の端部には、側方から凹部13a2が形成されている。この凹部13a2を、第1フレーム11の中央部に形成された貫通孔の縁に篏合させることによって、第1フレームガード13aと第1フレーム11との連結が実現される。ここで、凹部13a2の幅は、第1フレーム11の厚みよりも大きくなっている。このため、第1フレームガード13aと第1フレーム11とは、遊びP2を持って連結されることになる。遊びP2の大きさは、遊びP1の大きさと同程度である。
【0028】
これらの遊びP1,P2が存在することによって、第1フレームガード13aは、第1フレーム11及び第2フレーム12に連結されたままの状態で、第1フレーム11及び第2フレーム12の主面に直交する方向に僅かに変位することが可能になる。
【0029】
なお、第1フレームガードホルダ15aには、無人飛行体用構造体1の外周側から内周側に向かう切り欠き15a1~15a2が形成されている。これにより、第1フレームガードホルダ15aが、その中央が無人飛行体用構造体1の外周側に張り出すように湾曲しやすくなる。これにより、上述した第1フレームガード13aの変位が弾性的に実現されることになる。
【0030】
(フレームガードのフレームへの取付方法の変形例)
第1フレームガード13aの第1フレーム11及び第2フレーム12への取付方法の変形例について、
図3を参照して説明する。なお、第1フレームガード13b~13dの第1フレーム11及び第2フレーム12への取付方法、及び、第2フレームガード14a~14dの第1フレーム11及び第2フレーム12への取付方法も、以下に説明する取付方法と同様である。
【0031】
本変形例においても、第1フレームガード13a1の一方の端部に形成された細径部13a1を、第2フレーム12の周辺部に形成された貫通孔に貫通させることによって、第1フレームガード13aと第2フレーム12との連結が実現される。ただし、細径部13a1の長さは、第2フレーム12の厚みと一致している。このため、第1フレームガード13aと第2フレーム12とは、遊びなく連結されることになる。
【0032】
また、本件変形例においても、第1フレームガード13aの他方の端部に形成された凹部13a2を、第1フレーム11の中央部に形成された貫通孔の縁に篏合させることによって、第1フレームガード13aと第1フレーム11との連結が実現される。ただし、凹部13a2の幅は、第1フレーム11の厚みと一致している。このため、第1フレームガード13aと第1フレーム11とは、遊びなく連結されることになる。
【0033】
本変形例に係る取付方法を採用した場合、第1フレームガード13a~13d及び第2フレームガード14a~14dは、第1フレーム11と第2フレーム12との間隔を適正に保つためのスペーサとして機能することになる。したがって、この場合、第1ピラー17a~17d、第2ピラー18a~18d、および補助ピラー19a~19dを省略することが可能になる。
【0034】
(無人飛行体の構成)
無人飛行体用構造体1を備える無人飛行体2の構成について、
図4を参照して説明する。
図4は、無人飛行体の構成を示す斜視図である。
【0035】
無人飛行体2は、無人飛行体用構造体1と、第1プロペラ群を構成するプロペラ21a~21dと、プロペラ21a~21dを駆動するモータ22a~22dと、第2プロペラ群を構成するプロペラ23a~23dと、プロペラ23a~23dを駆動するモータ24a~24dと、を備えている。プロペラ21a~21dは、モータ22a~22dを介して第1フレーム11の第2フレーム12側の面に取り付けられている。なお、モータ22a~22dは、別のフレームを介して第1フレーム11に取り付けられていてもよい。プロペラ23a~23dは、モータ24a~24dを介して第2フレーム12の第1フレーム11側の面に取り付けられている。なお、モータ24a~24dは、別のフレームを介して第2フレーム12に取り付けられていてもよい。
【0036】
第1プロペラ群を構成するプロペラ21a~21dの個数、および、第2プロペラ群を構成するプロペラ23a~23dの個数は任意であり、それぞれ4に限定されない。また、プロペラ21a~21d,23a~23dのサイズ及び形状、並びに、モータ22a~22d,24a~24dの出力は、必要な揚力および推力が得られるものであればよい。
【0037】
無人飛行体2は、更に、無人飛行体用構造体1を取り囲むメッシュ状のプロテクタ25、26を更に備える。プロテクタ25、26に外形は、扁平化された半球状であり、それぞれ無人飛行体用構造体1の第1フレーム11側および第2フレーム12側を被覆する。プロテクタ25の材料は特に限定されない。本実施形態においては、プロテクタ25の材料として、炭素繊維強化プラスチックを用いている。
【0038】
(まとめ)
以上の実施形態をまとめると、本発明は以下のようにも要約され得る。
【0039】
本発明の態様1に係る無人飛行体用構造体は、第1プロペラ群を支持するための第1フレームと、第2プロペラ群を支持するための第2フレームであって、前記第1フレームと対向するように配置された第2フレームと、前記第1フレームの前記第2フレーム側とは反対側を通る第1フレームガードであって、一端が前記第1フレームに連結され、他端が前記第2フレームの周辺部に連結された第1フレームガードと、を備える。
【0040】
上記の構成によれば、第1フレームと第2フレームとの間に配置されたプロペラ、及び、第1フレームの第2フレーム側とは反対側の面に積載された積載物が物体に接触することを、第1フレームガードによって防止することができる。
【0041】
本発明の態様2に係る無人飛行体用構造体においては、本発明の態様1の構成に加えて、前記第1フレームと前記第2フレームとの間隔を保つためのスペーサとして機能するピラーであって、一端が前記第1フレームに固定され、他端が前記第2フレームに固定されたピラーを更に備え、前記第1フレームガードの前記一端は、遊びをもって前記第1フレームに連結されており、前記第1フレームガードの前記他端は、遊びをもって前記第2フレームに連結されているという構成が採用される。
【0042】
上記の構成によれば、第1フレームガードが物体に接触した場合、遊びの分だけ第1フレームガードを変位させることができる。これにより、接触の衝撃により第1フレームガードが破損する可能性を低減することができる。
【0043】
本発明の態様3に係る無人飛行体用構造体においては、本発明の態様1または2の構成に加えて、前記第1フレームガードのうち、前記第1フレームと前記第2フレームとの間にある部分を被覆する第1フレームガードホルダを更に備えているという構成が採用される。
【0044】
上記の構成によれば、第1フレームガードのうち、第1フレームと第2フレームとの間にある部分が物体に直接接触することを防止することができる。これにより、接触の衝撃により第1フレームガードが破損する可能性を低減することができる。
【0045】
本発明の態様4に係る無人飛行体用構造体においては、本発明の態様3の構成に加えて、前記第1フレームガードホルダには、当該無人飛行体用構造体の外周側から内周側に向かう切り欠きが形成されているという構成が採用される。
【0046】
上記の構成によれば、第1フレームガードホルダが湾曲しやすくなる。これにより、第1フレームガードが物体に接触した場合に生じる第1フレームガードの変位が弾性的になり、その結果、接触の衝撃により第1フレームガードが破損する可能性を更に低減することができる。
【0047】
本発明の態様5に係る無人飛行体用構造体においては、本発明の態様1~4のいずれかの構成に加えて、前記第2フレームの前記第1フレーム側とは反対側を通る第2フレームガードであって、一端が前記第2フレームに連結され、他端が前記第1フレームの周辺部に連結された第2フレームガードを更に備えているという構成が採用される。
【0048】
上記の構成によれば、第1フレームと第2フレームとの間に配置されたプロペラ、及び、第2フレームの第1フレーム側とは反対側の面に積載された積載物が物体に接触することを、第2フレームガードによって防止することができる。また、第2フレームガードを、着陸時に地面に立脚する脚として機能させることができる。
【0049】
本発明の態様6に係る無人飛行体は、本発明の態様1~5のいずれかに係る無人飛行体用構造体と、前記第1プロペラ群を構成する少なくとも1つのプロペラであって、モータを介して前記第1フレームの前記第2フレーム側の面に支持された少なくとも1つのプロペラと、前記第2プロペラ群を構成する少なくとも1つのプロペラであって、モータを介して前記第2フレームの前記第1フレーム側の面に支持された少なくとも1つのプロペラと、を備えている。
【0050】
上記の構成によれば、第1フレームと第2フレームとの間に配置されたプロペラ、及び、第1フレームの第2フレーム側とは反対側の面に積載された積載物が物体に接触する可能性が低減された無人飛行体を実現することができる。
【0051】
なお、上述した無人飛行体用構造体においては、前記第1フレームガードの前記一端は、前記第1フレームに固定されており、前記第1フレームガードの前記他端は、前記第2フレームに固定されており、前記第1フレームガードは、前記第1フレームと前記第2フレームとの間隔を保つためのスペーサとして機能する、という構成が採用されていてもよい。
【0052】
なお、上述した無人飛行体用構造体においては、前記第1フレームガードとして、前記第1フレームを平面視したときに、(1)前記第1フレームの中央部から、第1の方向に伸びるフレームガードと、(2)前記第1フレームの中央部から、前記第1の方向と鋭角的に交わる第2の方向に伸びるフレームガードと、(3)前記第1フレームの中央部から、前記第1方向と反対方向に伸びるフレームガードと、(4)前記第1フレームの中央部から、前記第2方向と反対方向に伸びるフレームガードと、を備えている、という構成が採用されていてもよい。
【0053】
なお、上述した無人飛行体においては、前記無人飛行体用構造体を取り囲むメッシュ状のプロテクタを更に備えている、
【0054】
(付記事項)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1:無人飛行体用構造体、11:第1フレーム、12:第2フレーム、13a~13d:第1フレームガード、14a~14d:第2フレームガード、15a~15d:第1フレームガードホルダ、16a~16d:第2フレームガードホルダ、17a~17d:第1ピラー、18a~18d:第2ピラー、19a~19d:補助ピラー、2:無人飛行体、21a~21d:第1プロペラ群、22a~22d:モータ、23a~23d:第2プロペラ群、24a~24d:モータ、25~26:プロテクタ