(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033910
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/14 20060101AFI20240306BHJP
A47L 5/24 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
A47L9/14 A
A47L5/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137827
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田上 寛之
(72)【発明者】
【氏名】一橋 直人
(72)【発明者】
【氏名】坪和 完
【テーマコード(参考)】
3B062
【Fターム(参考)】
3B062AB39
(57)【要約】
【課題】作業機における作業性を向上させる。
【解決手段】モータ6と、モータ6の駆動力により回転する集塵ファン8と、モータ6及び集塵ファン8を内部に収容し、吸気口2eを有する本体部2と、流入口3bを有し、流入口3b及び吸気口2eに連通する収容室3cが内部に形成されたダストケース3と内部に塵埃を捕集可能な紙パック5と紙パック5を支持するホルダ7とを有する集塵部と、を備えたクリーナ1である。上記集塵部は、流入口3bから吸気口2eへ流れる空気流に含まれる塵埃を紙パック5内に捕集するように、収容室3c内に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータの駆動力により回転するファンと、
前記モータ及び前記ファンを内部に収容し、吸気口を有する本体部と、
前記吸気口を覆うように前記本体部に装着されるとともに、流入口を有し、前記流入口及び前記吸気口に連通する収容室が内部に形成されたケース部と、
入口を有する袋状であって空気が通過可能であるとともに、内部に塵埃を捕集可能な集塵袋と、前記集塵袋を支持する支持部と、を有する集塵部と、
を備え、
前記集塵部は、前記流入口から前記吸気口へ流れる空気流に含まれる塵埃を前記集塵袋内に捕集するように、前記収容室内に配置される、作業機。
【請求項2】
前記支持部は、前記本体部から第1方向に突出するように前記本体部に取り付けられ、
前記ケース部は、前記第1方向に延び、かつ筒状に形成され、前記第1方向に延びる軸線を中心とする前記ケース部の径方向内側に前記集塵部を収容する、請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記集塵袋は、開口を有する軟質の袋状の袋部と、前記袋部の前記開口周囲に設けられる硬質の基部と、を有し、
前記支持部は、前記本体部に取り付けられる取付部と、前記袋部に対して前記基部が前記第1方向の一方側に位置するように前記基部を係止する係止部と、前記取付部と前記係止部とを接続し、かつ前記第1方向に延びる腕部と、を有し、
前記腕部は、前記第1方向と直交する第2方向において前記集塵袋と重ならないように配置される、請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記係止部は、作業者によって操作されることで前記集塵袋を前記支持部から離脱させることが可能である、請求項3に記載の作業機。
【請求項5】
前記係止部は、前記第2方向の一方側に位置して前記基部が挿入される挿入部と、前記第2方向の他方側に位置して前記基部を挟持する挟持部と、を有する、請求項4に記載の作業機。
【請求項6】
前記挟持部は、前記基部を前記第1方向の一方側に付勢する弾性体を含み、
前記弾性体の付勢力によって前記挟持部は前記基部を挟持する、請求項5に記載の作業機。
【請求項7】
前記流入口は、前記収容室内へ向かって延びる筒部に形成され、
前記支持部は、前記集塵袋の前記入口が、前記筒部の軸線方向において前記筒部とシールされるように前記集塵袋を支持する、請求項1に記載の作業機。
【請求項8】
前記支持部は、前記軸線方向と平行に延びる回動軸を中心として回動することで、前記本体部に装着される、請求項7に記載の作業機。
【請求項9】
開口を有する中空形状のフィルタを有し、
前記本体部は、前記吸気口の周囲に取付部を有し、前記取付部に前記集塵部の前記支持部が取り付けられる第1の取付方式と、前記本体部の前記吸気口と前記フィルタの前記開口とが連通するように前記取付部に前記フィルタが取り付けられる第2の取付方式と、を択一的に選択可能である、請求項1に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーナなどの作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
作業機の一例として、塵埃を捕集可能な紙パック(ダストバッグ)を備えたクリーナが知られている。このようなクリーナにおいては、紙パックは、クリーナの本体内に収容されている。上述のようなクリーナとして、例えば、特許文献1には、クリーナの本体の上面に紙パックを出し入れするための開口が設けられたクリーナが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されたクリーナでは、クリーナの本体の上面に設けられた開口を通して紙パックを本体に出し入れする必要がある。
【0005】
具体的には、紙パックをクリーナの本体から取り外す際には、作業者は、クリーナの本体の上面に設けられた開口から本体内に挿入した手で紙パックを把持して引き出す必要がある。また、紙パックをクリーナの本体に取り付ける際には、紙パックを把持した手をクリーナの本体の上面に設けられた開口から本体内に挿入し、紙パックを所定位置に装着する必要がある。したがって、開口に手を入れて作業を行わなければならず、紙パックを本体に着脱する作業に手間や時間を要する。
【0006】
本発明の目的は、作業性を向上させた作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の作業機は、モータと、前記モータの駆動力により回転するファンと、前記モータ及び前記ファンを内部に収容し、吸気口を有する本体部と、前記吸気口を覆うように前記本体部に装着されるとともに、流入口を有し、前記流入口及び前記吸気口に連通する収容室が内部に形成されたケース部と、入口を有する袋状であって空気が通過可能であるとともに、内部に塵埃を捕集可能な集塵袋と、前記集塵袋を支持する支持部と、を有する集塵部と、を備え、前記集塵部は、前記流入口から前記吸気口へ流れる空気流に含まれる塵埃を前記集塵袋内に捕集するように、前記収容室内に配置される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業機における作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態の作業機の構造を示す側面図である。
【
図2】
図1に示す作業機の構造を示す断面図である。
【
図3】
図1に示す作業機においてケース部を取り外した構造を示す斜視図である。
【
図4】
図1に示す作業機に装着される集塵袋の支持部の構造を示す斜視図である。
【
図5】
図5に示す支持部の構造を示す側面図である。
【
図6】
図5に示す支持部の構造を示す正面図である。
【
図7】
図6に示すA-A線に沿って切断した断面図である。
【
図8】
図7に示すB部を拡大して示す部分拡大断面図である。
【
図9】
図1に示す作業機に装着される集塵袋の構造を示す斜視図である。
【
図10】
図1に示す作業機における集塵袋の装着方法を示す断面図である。
【
図11】
図1に示す作業機において集塵袋を装着した構造を示す断面図である。
【
図12】
図11に示すC部を拡大して示す部分拡大断面図である。
【
図13】
図1に示す作業機における集塵袋の取り外し方法を示す断面図である。
【
図14】
図13に示すD部を拡大して示す部分拡大断面図である。
【
図15】
図1に示す作業機においてフィルタを装着した構造を示す断面図である。
【
図17】本発明の実施の形態の第1変形例の作業機においてケース部を取り外した構造を示す平面図である。
【
図19】
図17に示す作業機においてケース部を装着した構造を示す断面図である。
【
図20】
図17に示す作業機に装着される集塵袋の構造を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【
図21】本発明の実施の形態の第2変形例の作業機の構造を示す正面図であり、(a)は集塵袋未装着状態、(b)は集塵袋装着状態である。
【
図22】
図21(a)に示すE-E線に沿って切断した断面図である。
【
図23】
図21(b)に示すF-F線に沿って切断した断面図である。
【
図24】本発明の実施の形態の第3変形例の作業機に装着される集塵袋の支持部の構造を示す図であり、(a)は側面図、(b)は断面図である。
【
図25】本発明の実施の形態の第4変形例の作業機の構造を示す側面図である。
【
図27】
図25に示す作業機に装着される集塵袋の支持部の構造を示す斜視図である。
【
図28】
図27に示す支持部の構造を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示すG-G線に沿って切断した断面図である。
【
図29】
図28(b)に示すH-H線に沿って切断した断面図である。
【
図30】
図25に示す作業機においてフィルタを装着した構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施の形態の作業機について図面を参照して説明する。
【0011】
本実施の形態では、作業機の一例として、クリーナ1を取り上げて説明する。本実施の形態のクリーナ1は、
図1~
図3に示されるように、コードレス型かつ携帯型の電気掃除機である。本実施の形態のクリーナ1の説明において、クリーナ1における互いに直交する前後、上下、左右の各方向を定義する。前後方向(第1方向)は、モータ6の回転軸(駆動軸)6aと平行な方向である。上下方向(第2方向)は、クリーナ1を側方から見た場合に前後方向と直交する方向である。左右方向は、クリーナ1を前方から見た場合に上下方向と直交する方向である。そして、回転軸6a及びその延長線を合わせた全体を「軸線」とも表記する。
【0012】
クリーナ1の外殻は、本体部2に含まれるハウジング2jと、ダストケース(ケース部)3とによって構成される。ハウジング2j及びダストケース3は、共に例えば樹脂成形体である。ダストケース3は、本体部2の前方に着脱可能に接続、固定される。すなわち、クリーナ1では、本体部2とダストケース3とが別体となっており、ダストケース3を本体部2から分離させることが可能である。
【0013】
なお、ダストケース3は、その先端に空気の吸引口となる流入口3bを有している。外部の空気は、この流入口3bを介してダストケース3内に吸い込まれる。したがって、塵埃も空気とともに流入口3bを介してダストケース3内に吸い込まれる。
【0014】
クリーナ1では、ダストケース3内に紙パック(集塵袋)5が着脱可能に装着されており、この紙パック5内に塵埃を捕集する。
【0015】
図3に示されるように、ハウジング2jは、左右二つ割り構造である。すなわち、ハウジング2jは、互いに別部品である左側ハウジングと右側ハウジングとをネジ止め等により互いに固定、一体化したものである。
図1に示されるように、ハウジング2jは、モータ収容部2aと、ハンドル部2bと、電池パック装着部2cと、を有する。モータ収容部2aは、ハウジング2jの前部にあたる部分である。モータ収容部2aは、モータ6、集塵ファン(ファン)8及びファンガイド8aを収容する。ハンドル部2bは、モータ収容部2aの上端部から後方に延びる部分である。作業者は、ハンドル部2bを握ってクリーナ1を取り回す。ハンドル部2bの上面には、操作パネル2dが設けられている。操作パネル2dに設けられた各種スイッチにより、クリーナ1の起動、停止やクリーナ1の風量を切替え可能である。ハンドル部2bに設けられた操作パネル2dの前方となる位置に、前方を照らすLED等の照明部2gが設けられている。電池パック装着部2cは、ハウジング2jの後下部にあたる部分である。電池パック装着部2cには、クリーナ1の電源となる電池パック9が着脱可能に装着される。ハウジング2jの後端部の左右両側面に、それぞれ排気口2fが設けられている。
【0016】
一方、
図2及び
図3に示されるように、本体部2は、その前方側にモータ収容部2aを備えている。さらに、本体部2は、その前方側の端面に吸気口2eを有している。したがって、本体部2では、吸気口2eを介して空気を吸い込むとともに、吸い込んだ空気を後方側の排気口2fから排出する。
【0017】
ダストケース3は前後方向に延び、かつ筒状に形成されており、吸気口2eを覆うように本体部2に装着される。さらに、ダストケース3は、先端部にノズル(筒部)3aを備えている。ノズル3aは、先端に流入口3bを有している。そして、ダストケース3には、流入口3b及び吸気口2eに連通する収容室3cが内部に形成されている。言い換えると、流入口3bは、収容室3c内へ向かって延びるノズル3aに形成されている。
【0018】
また、クリーナ1は、
図3に示されるように、集塵部4を有しており、集塵部4は、流入口3bから吸気口2eへ流れる空気流に含まれる塵埃を紙パック5内に捕集するように、
図2に示される収容室3c内に配置される。つまり、ダストケース3は、前後方向に延びる回転軸(軸線)6aを中心とするダストケース3の径方向D1の内側に集塵部4を収容する。集塵部4は、具体的には、入口(開口)5aを有する袋状であって空気が通過可能であるとともに、内部に塵埃を捕集可能な紙パック5と、紙パック5を支持するホルダ(支持部)7と、を含んでいる。つまり、紙パック5とホルダ7とから構成される集塵部4は、ダストケース3の収容室3cに配置される。したがって、紙パック5の着脱の際に、本体部2からダストケース3を取り外すと、紙パック5が露出する。
【0019】
モータ6は、例えば、ブラシ付き電動モータである。モータ6は、モータケースや軸受を含むユニットとして構成される。モータ6は、電池パック9からの供給電力で動作する。モータ6の後端部は、本体部2のハウジング2jによって支持される。モータ6の回転軸6aには、集塵ファン8が取り付けられている。集塵ファン8は、モータ6の駆動力により回転し、回転軸6aを中心に回転軸6aと一体に回転する。回転軸6aは、集塵ファン8の中心軸でもある。集塵ファン8は、遠心ファンである。集塵ファン8を案内するファンガイド8aは、例えば、樹脂成形体であり、モータ6の前面にネジ止め等により固定されている。ファンガイド8aは、集塵ファン8の後方に位置しており、集塵ファン8の回転によって発生する気流を通過させる図示しない通気口を有している。
【0020】
作業者が操作パネル2dのスイッチを操作してモータ6を駆動させると、モータ6の駆動力により集塵ファン8が回転する。集塵ファン8が回転すると気流が発生する。すなわち、モータ6の駆動により集塵ファン8が回転すると気流が発生し、ダストケース3の先端の流入口3bから空気とともに塵埃をダストケース3内に取り込み、塵埃を紙パック5で捕集する。さらに、紙パック5を通過した気流は、本体部2の吸気口2eを介して本体部2内に取り込まれる。その後、気流は、集塵ファン8の内側に吸い込まれて外側に排出され、ファンガイド8aの図示しない通気口から後方に抜ける。そして、気流は、最終的に本体部2の後方側に形成された排気口2fから外部に排出される。
【0021】
次に、クリーナ1の集塵部4に含まれ、かつ、紙パック5を支持可能なホルダ7について説明する。まず、紙パック5の構造について説明すると、
図9に示されるように、紙パック5は、円形の入口(開口)5aを有し、かつ、軟質の袋状の袋部5bと、袋部5bの入口5aの周囲に設けられる硬質の基部5cと、を有する。袋部5bは、内部に塵埃を捕集する部材であり、空気が通過可能な材料によって形成されている。基部5cは、袋部5bが固定される台紙部分であり、硬質の厚紙等によって形成されている。これにより、入口5aから空気と塵埃とが取り込まれ、塵埃は袋部5bに捕集される一方で、空気は袋部5bを通過していく。
【0022】
また、ホルダ7は、紙パック5を着脱可能に支持するとともに、後述する
図10に示されるように、本体部2から前後方向に突出するように本体部2に取り付けられる。
図4~
図7に示されるように、ホルダ7は、クリーナ1の本体部2に取り付けられる環状の取付部7aと、紙パック5の袋部5bに対して基部5cが前後方向の前方側(一方側)に位置するように基部5cを係止する係止部7bと、取付部7aと係止部7bとを接続し、かつ前後方向に延びる腕部7cと、を有している。腕部7cは、取付部7aと係止部7bに対して左右両側に設けられている。さらに、腕部7cは、
図3に示されるように、上下方向において紙パック5と重ならないように配置されている。すなわち、紙パック5をホルダ7から着脱する際の紙パック5の回動の動きが妨げられないように、左右両側の腕部7cが配置されている。詳細には、クリーナ1に紙パック5を装着した際には、紙パック5は、ホルダ7の取付部7aと係止部7bと左右両側の腕部7cとによって囲まれた領域に配置される。
【0023】
係止部7bは、板状であるとともに、
図7に示されるように、上下方向の下方側(一方側)に位置して紙パック5の基部5cが挿入される挿入部7iと、上下方向の上方側(他方側)に位置して基部5cを挟持するラッチ(挟持部)7dと、を有している。ラッチ7dは、係止部7bの上端に回動可能に設けられているとともに、基部5cを前後方向の前方側に付勢する
図5に示されるバネ(弾性体)7hを含んでいる。バネ7hは、例えば、ねじりバネである。そして、バネ7hの付勢力によってラッチ7dは紙パック5の基部5cを挟持する。言い換えれば、紙パック5の基部5cは、バネ7hの付勢力によって前後方向の前方側に付勢されたラッチ7dと、板状の係止部7bとによって挟持される。すなわち、基部5cは、係止部7bに押し付けられた状態でホルダ7に支持される。
【0024】
なお、
図6及び
図7に示されるように、ラッチ7dは、その前方側にラッチ操作部7eを備えており、係止部7bは、ラッチ操作部7eが作業者によって操作されることで紙パック5をホルダ7から離脱させることが可能である。
【0025】
また、
図7及び
図8に示されるように、係止部7bの下端には指掛け部7jが設けられており、指掛け部7jに空間部である挿入部7iが形成されている。さらに、挿入部7iには、紙パック5の基部5cが当接する当接面7n及び当接面上面7pが配置されている。そして、紙パック5をホルダ7に装着する際には、紙パック5の基部5cの下端を挿入部7iに挿入してからラッチ7dによって基部5cを挟持する。
【0026】
また、係止部7bの基部5cの取付け側の面には、薄膜状のシール部材7kが設けられている。シール部材7kは、弾性部材であり、紙パック5の基部5cが取り付けられると前方側へ凹んでシール作用が働く。さらに、係止部7bには、紙パック5の装着時に紙パック5の入口5aと連通し、かつ、紙パック5内に取り込まれる空気や塵埃が通過する連通口7gが形成されている。そして、連通口7gには、空気や塵埃の紙パック5内への通過は許容し、かつ、塵埃の紙パック5外への通過を阻止する逆止弁7mが設けられている。
【0027】
また、ホルダ7の環状の取付部7aの外周部には、本体部2の前方側の端面と嵌合するための突起部7fが形成されている。ホルダ7の本体部2への取付は、
図3に示されるように、ホルダ7の取付部7aの突起部7fを本体部2の前方側の端面に設けられたホルダ嵌合部(取付部)2hに嵌合させる。具体的には、ホルダ嵌合部2hは、溝状に形成されており、取付部7aの突起部7fを溝状のホルダ嵌合部2hに配置し、本体部2の周方向に対して所定の角度ホルダ7を回すことで、ホルダ7は、本体部2の前方側の端面に取り付けられる。言い換えると、ホルダ7は、その環状の取付部7aが本体部2の前方側の端面に形成された吸気口2eを囲むように、本体部2に取り付けられる。
【0028】
次に、紙パック5のホルダ7への着脱方法について説明する。紙パック5のホルダ7への着脱は、ホルダ7が本体部2に取り付けられた状態で行う。紙パック5をホルダ7に装着する際には、ダストケース3を本体部2から取り外した状態で、
図10に示されるように、まず、矢印F1に示されるように、紙パック5の基部5cの下側をホルダ7の係止部7bの指掛け部7jの挿入部7iに挿入して引っ掛ける。
図9に示されるように、基部5cにはその下側には第1張出し部5dが設けられ、上側には第2張出し部5eが設けられている。ここでは、紙パック5の基部5cを斜めにして基部5cの第1張出し部5dをホルダ7の係止部7bの指掛け部7jの挿入部7iに引っ掛ける。続いて、矢印F2に示されるように、基部5cの第2張出し部5eをラッチ7dに引っ掛ける。ここでは、ラッチ操作部7eを操作して、ラッチ7dによって基部5cの第2張出し部5eを挟み込む。この時、
図11に示されるように、紙パック5の上部及び下部には、開口部10が形成されている。すなわち、紙パック5の上側や下側(ホルダ7の取付部7aと係止部7bとの間の領域)には、紙パック5の回動を妨げる突起部材等が設けられていないため、紙パック5を容易にホルダ7に装着することができる。
【0029】
なお、
図12に示されるように、係止部7bの基部5cの取付け側の面には、薄膜状の弾性部材としてシール部材7kが設けられており、紙パック5の基部5cが取り付けられると、シール部材7kは前方側へ凹んで基部5cとシール部材7kとが密着するとともに、基部5cの第1張出し部5dは、係止部7bの指掛け部7jの当接面7nに当接する。これにより、紙パック5の基部5cとホルダ7の係止部7bとの間でシール作用が働く。
【0030】
次に、紙パック5をホルダ7から取り外す際には、ダストケース3を本体部2から取り外した状態で、
図13に示されるように、ラッチ操作部7eを操作してラッチ7dを開く。すると、矢印F3に示されるように、紙パック5は回りながら自重で落下する。具体的には、紙パック5の基部5cの第1張出し部5dは、ホルダ7の係止部7bの指掛け部7jの挿入部7iに引っ掛けてあるだけなので、基部5cの第2張出し部5eを挟んでいるラッチ7dを外すことで、
図14に示されるように、紙パック5は、指掛け部7jの当接面上面7pを起点として回動し始める。そして、回転が進むと、当接面上面7pにおける基部5cと係止部7bとの係合が外れ、紙パック5は自重で落下する。つまり、クリーナ1では、
図11に示されるように、紙パック5の下部においても、開口部10が設けられているため、ラッチ操作部7eを操作するだけで紙パック5を落下させることができ、紙パック5を容易にホルダ7から取り外すことができる。
【0031】
本実施の形態のクリーナ1では、本体部2とダストケース3とが別体となっており、ダストケース3を本体部2から分離させることが可能である。さらに、本体部2からダストケース3を取り外すと、紙パック5が露出するとともに、紙パック5の上側や下側には、紙パック5の装着動作や取り外し動作を妨げる突起部材等が設けられていないため、紙パック5のホルダ7への着脱を容易に行うことができる。したがって、紙パック5の着脱性を高めることができ、クリーナ1の作業性を向上させることができる。すなわち、手間や時間を要することなく、紙パック5の着脱を行うことができる。
【0032】
また、クリーナ1では、紙パック5のホルダ7は、本体部2に装着されている。このとき、ホルダ7は、
図2の回転軸(軸線)6a方向と平行に延びる
図3の回動軸G1を中心として回動することで、本体部2に装着される。すなわち、ホルダ7は、回動軸G1に沿った方向へ回転取付によって本体部2に装着される。具体的には、
図3に示されるように、ホルダ7の取付部7aの突起部7fを本体部2の前方側の端面に設けられた溝状のホルダ嵌合部2hに配置し、本体部2の周方向に対して所定の角度ホルダ7を回動させることで、ホルダ7は、本体部2の前方側の端面に取り付けられる。そして、ホルダ7が本体部2に装着された状態でダストケース3が本体部2に取り付けられる。その際、
図2に示されるように、ダストケース3のノズル3aの基端側に設けられたゴム製のパッキン3fの吸引口3dと、紙パック5の基部5cの入口5aとの位置を合わせる必要があるが、パッキン3fは、ホルダ7の取付部7aの凸部と嵌合する。これにより、パッキン3fを介してダストケース3のノズル3aと紙パック5の基部5cとがシールされる。言い換えれば、ホルダ7は、紙パック5の基部5cの入口5aが、ダストケース3のノズル3aの回転軸6a方向においてノズル3aとシールされるように紙パック5を支持する。なお、本実施の形態においては回転軸(軸線)6aと回動軸G1とが一致している。
【0033】
なお、ダストケース3も回転させて本体部2に装着する。詳細には、
図3に示されるように、本体部2の前方側の端面に設けられたケース嵌合部2iは、ねじ結合するように螺旋状に形成されているため、ダストケース3も本体部2に押し付けられた状態で固定される。これにより、ダストケース3の先端のノズル3aに設けられたパッキン3fの吸引口3dにおけるシール性を高めることができる。具体的には、パッキン3fを潰しながらダストケース3を固定する。その結果、ダストケース3のシール性も高めることができる。
【0034】
次に、本実施の形態のクリーナ1の別の使用方法について説明する。
【0035】
図15に示されるクリーナ1は、
図2のホルダ7の代わりとして本体部2の前方側の端面にフィルタ11が装着されたものである。フィルタ11の本体部2への取付構造が、ホルダ7の本体部2への取付構造と同じであるため、ホルダ7を本体部2から取り外してフィルタ11を本体部2に取り付けたものである。
図16に示されるように、フィルタ11は、先端に開口11aを有するとともに、中空形状に形成されている。フィルタ11は、骨組み部11cと、フィルタ部11dと、取付部11bとを備えており、取付部11bの外周部には、突起部11eが設けられている。フィルタ部11dは、骨組み部11cにインサート成形されたものである。フィルタ11では、取り込まれた空気がフィルタ部11dを通過する構造となっている。クリーナ1では、このようなフィルタ11をホルダ7の代わりとして本体部2の前方側の端面に装着可能となっている。なお、フィルタ11を本体部2に装着した構造では、ダストケース3の内部におけるフィルタ11の外側の空間が集塵空間12である。これにより、本実施の形態のクリーナ1は、その本体部2が吸気口2eの周囲にホルダ嵌合部(取付部)2hを有しており、ホルダ嵌合部2hに集塵部4のホルダ7が取り付けられる第1の取付方式と、本体部2の吸気口2eとフィルタ11の開口11aとが連通するようにホルダ嵌合部2hにフィルタ11が取り付けられる第2の取付方式と、を択一的に選択可能となっている。すなわち、クリーナ1では、本体部2の前方側の端面のホルダ嵌合部2hに、ホルダ7を装着して紙パック5を使用することができるとともに、ホルダ7の代わりに本体部2のホルダ嵌合部2hにフィルタ11を装着してフィルタ構造のクリーナ1としても使用することが可能である。
【0036】
次に、本実施の形態のクリーナ1の変形例について説明する。
図17~
図20に示される第1変形例は、紙パック5のホルダ7の左右の腕部7cに、左右方向に開閉可能な付勢部材7qが配置されたものである。左右それぞれの付勢部材7qは、ホルダ7の係止部7bに左右方向に開閉可能なように支持されている。
【0037】
また、
図20(a),(b),(c)に示されるように、紙パック5の基部5cには、下側の第1張出し部5d、上側の第2張出し部5eに加えて右側の第3張出し部5f及び左側の第4張出し部5gが設けられている。したがって、
図19に示されるように、ダストケース3を本体部2に装着した際に、ダストケース3の内壁によって押圧されて左右の付勢部材7qのそれぞれは、内側に移動して閉じた状態となる。これにより、付勢部材7qの前方側の端部によって紙パック5の基部5cの第3張出し部5f及び第4張出し部5gが前方側に付勢され、基部5cはホルダ7の係止部7bに押し付けられる。これにより、紙パック5の基部5cとホルダ7の係止部7bとが密着するため、紙パック5とホルダ7とのシール性を向上させることができる。紙パック5をホルダ7から取り外す際には、ダストケース3を本体部2から取り外すと、自動的に付勢部材7qが外側に移動して開いた状態となり、付勢部材7qによって基部5cに与えられる付勢力が解除される。この状態でラッチ操作部7eを操作してラッチ7dを開くと、紙パック5は自重で落下するため、紙パック5を取り外す際の作業性は損なわれない。
【0038】
また、
図21~
図23に示される第2変形例は、紙パック5の付け忘れを防止するものである。
図22に示されるように、ホルダ7のラッチ操作部7eに切欠部7rが形成されている。そして、紙パック5を取り付けない状態でダストケース3を装着すると、ラッチ7dが基部5cを挟み込んでいないため、ラッチ操作部7eが径方向D1の外側に開いた状態となる。この状態でダストケース3を装着すると、ダストケース3の内壁に設けられたリブ3gが径方向D1の外側に開いた状態のラッチ操作部7eに干渉するため、本体部2にダストケース3を取り付けられなくなる。具体的には、ダストケース3の装着口3eと、本体部2のケース嵌合部2iとの間に隙間H1が形成され、ダストケース3を取り付けることができない。ダストケース3がきちんと取り付けられていない状態で作業者が本体部2を持ち上げると、ノズル3aとともにダストケース3が自重で外れるため、作業者は紙パック5のつけ忘れを確実に認識できる。
【0039】
これに対して紙パック5がホルダ7に装着されている場合には、
図23に示されるように、ラッチ7dが基部5cを挟み込んでいるため、ラッチ操作部7eは径方向D1の内側に移動し、閉じた状態となる。この状態でダストケース3を装着すると、ラッチ操作部7eに切欠部7rが形成されているため、ダストケース3の内壁のリブ3gが切欠部7rに配置され、リブ3gとラッチ操作部7eとが干渉することはない。したがって、ダストケース3の装着口3eは本体部2のケース嵌合部2iに配置され、本体部2にダストケース3を装着することができる。
図21(a)は、紙パック5が未装着の状態でダストケース3を取り付けた場合を示しており、ダストケース3の流入口3bから本体部2の吸気口2eが見える状態となっている。一方、
図21(b)は、紙パック5を装着した状態でダストケース3を取り付けた場合を示しており、ダストケース3の流入口3bから逆止弁7mが見える状態となっている。このようにホルダ7のラッチ操作部7eに切欠部7rが形成されていることで、紙パック5を付け忘れたまま作業者がクリーナ1を使用することを防止できる。
【0040】
また、
図24に示される第3変形例は、ホルダ7に紙パック5の落下を補助するリブ7sが設けられているものである。
図24(a)に示されるように、リブ7sは、上端部7t及び下端部7uを備えている。上端部7tは下端部7uより前方側に張り出している。
図24(b)に示されるように、ホルダ7の指掛け部7jの当接面上面7pからリブ7sの上端部7tまでの距離をL1とし、指掛け部7jの当接面上面7pからリブ7sの下端部7uまでの距離をL2とし、指掛け部7jの当接面上面7pからホルダ7の取付部7aまでの距離をL3とすると、L1<L2<L3となっている。これにより、リブ7sが紙パック5の角部5hに当接し、紙パック5の膨らみ量を規制することができる。その結果、紙パック5をホルダ7から取り外す際に紙パック5がホルダ7に引っかかることを抑制できる。すなわち、紙パック5が自重で落下できなくなることを防止できる。
【0041】
また、
図25~
図31に示される第4変形例は、小型化されたクリーナ(作業機)101の構造を示すものである。クリーナ101に装着されるホルダ7は、
図27~
図29に示されるように、2つの部材で構成されている。具体的には、ホルダ7は、第1ホルダ7vと第2ホルダ7wの2つの部材からなるとともに、第1ホルダ7vと第2ホルダ7wとが、
図29に示される嵌合部7xで嵌合されている。第1ホルダ7vと第2ホルダ7wとは、例えば、スナップフィットによって嵌合されている。
図28に示されるように、第1ホルダ7vと第2ホルダ7wの2つの部材からなるホルダ7においても、ホルダ7の上側と下側とには、開口部10が形成されている。
図27及び
図29に示されるように、第1ホルダ7vの外周部には突起部7yが設けられており、この突起部7yを本体部2の前方側の端面の嵌合部に嵌め込むことにより、本体部2にホルダ7を装着することができる。なお、クリーナ101において小型化を図ろうとすると、ホルダ7も小さくなるとともに、紙パック5も小さくなってしまう。そこで、本第4変形例のように、ホルダ7を2つの部材で構成しつつ、この2つの部材をスナップフィット等で嵌合することで、ホルダ7の開口部分をある程度大きく確保することができる。その結果、紙パック5の大きさを確保しつつ、クリーナ101の小型化を図ることができる。
【0042】
なお、第4変形例のクリーナ101においても、ホルダ7の代わりとして、
図30に示されるように、本体部2の前方側の端面にフィルタ102を装着することが可能である。フィルタ102の本体部2への取付構造が、
図27のホルダ7の本体部2への取付構造と同じであるため、ホルダ7を本体部2から取り外してフィルタ102を本体部2に取り付けたものである。
図31に示されるように、フィルタ102は、その取付部103の外周部に突起部103aが設けられている。フィルタ102においても、取り込まれた空気が通過可能な構造となっている。したがって、第4変形例のクリーナ101においても、本体部2が吸気口2eの周囲にホルダ嵌合部を有しており、上記嵌合部にホルダ7が取り付けられる第1の取付方式と、本体部2の上記嵌合部にフィルタ102が取り付けられる第2の取付方式と、を択一的に選択可能となっている。
【0043】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態では、ホルダ7の代わりとしてフィルタ11やフィルタ102を装着可能なクリーナ1,101について説明したが、クリーナ1,101は、フィルタ11やフィルタ102が必ずしも装着可能になっていない構造であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1…クリーナ(作業機),2…本体部,2a…モータ収容部,2b…ハンドル部,2c…電池パック装着部,2d…操作パネル,2e…吸気口,2f…排気口,2g…照明部,2h…ホルダ嵌合部(取付部),2i…ケース嵌合部,2j…ハウジング,3…ダストケース(ケース部),3a…ノズル(筒部),3b…流入口,3c…収容室,3d…吸引口,3e…装着口,3f…パッキン,3g…リブ,4…集塵部,5…紙パック(集塵袋),5a…入口(開口),5b…袋部,5c…基部,5d…第1張出し部,5e…第2張出し部,5f…第3張出し部,5g…第4張出し部,5h…角部,6…モータ,6a…回転軸(軸線),7…ホルダ(支持部),7a…取付部,7b…係止部,7c…腕部,7d…ラッチ(挟持部),7e…ラッチ操作部,7f…突起部,7g…連通口,7h…バネ(弾性体),7i…挿入部,7j…指掛け部,7k…シール部材,7m…逆止弁,7n…当接面,7p…当接面上面,7q…付勢部材,7r…切欠部,7s…リブ,7t…上端部,7u…下端部,7v…第1ホルダ,7w…第2ホルダ,7x…嵌合部,7y…突起部,8…集塵ファン(ファン),8a…ファンガイド,9…電池パック,10…開口部,11…フィルタ,11a…開口,11b…取付部,11c…骨組み部,11d…フィルタ部,11e…突起部,12…集塵空間,101…クリーナ(作業機),102…フィルタ,103…取付部,103a…突起部,D1…径方向,F1,F2,F3…矢印,G1…回動軸,H1…隙間,L1,L2,L3…距離