(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033927
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/18 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
G03G21/18 142
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137851
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】波多野 周平
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 郷
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA03
2H171HA23
2H171JA06
2H171JA23
2H171JA38
2H171JA39
2H171JA40
2H171KA05
2H171KA18
2H171KA23
2H171KA25
2H171MA02
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB02
2H171QB16
2H171QB32
2H171QC03
(57)【要約】
【課題】本体筐体にカートリッジを装着する場合に、本体筐体に装着済みの隣のカートリッジに引っ掛かることを抑制する。
【解決手段】画像形成装置は、第1カートリッジPC1と、第2カートリッジPC2とを備える。第2カートリッジPC2は、本体筐体に装着された場合に第1方向に交差する第2方向において第1カートリッジPC1と並ぶ。第1カートリッジPC1は、第1傾斜面110を有する。第2カートリッジPC2は、第2フレームの第1方向における端部に位置し、第2方向に突出する突出部150Tを有する。第1傾斜面110は、第1カートリッジPC1が本体筐体に装着される過程において、突出部150Tと接触可能である。第1傾斜面110は、第1カートリッジPC1が本体筐体に装着される過程において、突出部150Tと接触した場合、第1カートリッジPC1は、第1方向に移動する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体筐体と、
前記本体筐体に対して着脱可能であり、第1方向に延びる第1軸について回転可能な第1感光体ドラムと、前記第1感光体ドラムを回転可能に保持する第1フレームと、を有する第1カートリッジと、
前記本体筐体に対して着脱可能であり、前記本体筐体に装着された場合に前記第1方向に延びる第2軸について回転可能な第2感光体ドラムと、前記第2感光体ドラムを回転可能に保持する第2フレームと、を有する第2カートリッジであって、前記本体筐体に装着された場合に前記第1方向に交差する第2方向において前記第1カートリッジと並ぶ第2カートリッジと、を備え、
前記第1フレームは、前記第1方向に対して傾斜する第1傾斜面を有し、
前記第2フレームは、前記第2フレームの前記第1方向における端部に位置する突出部であって、前記第2方向に突出する突出部を有し、
前記第1傾斜面は、
前記第2カートリッジが前記本体筐体に装着された状態で、前記第1カートリッジが前記本体筐体に装着される過程において、前記突出部と接触可能であり、
前記第2カートリッジが前記本体筐体に装着された状態で、前記第1カートリッジが前記本体筐体に装着される過程において、前記突出部と接触した場合、前記第1カートリッジは、前記第1方向に移動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1カートリッジは、前記第1感光体ドラムを有する第1ドラムカートリッジと、第1現像ローラを有する第1現像カートリッジであって、前記第1ドラムカートリッジに着脱可能な第1現像カートリッジと、を有し、
前記第2カートリッジは、前記第2感光体ドラムを有する第2ドラムカートリッジと、第2現像ローラを有する第2現像カートリッジであって、前記第2ドラムカートリッジに着脱可能な第2現像カートリッジと、前記第2現像ローラを前記第2感光体ドラムに向けて押圧するための押圧バネと、前記押圧バネを収容する収容部と、を有し、
前記突出部は、前記収容部の一部を構成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1フレームは、前記第1傾斜面から前記第1方向に沿って延びる第2傾斜面をさらに有し、
前記第2傾斜面は、
前記第2カートリッジが前記本体筐体に装着された状態で、前記第1カートリッジが前記本体筐体に装着される過程において、前記突出部と接触可能であり、
前記第2カートリッジが前記本体筐体に装着された状態で、前記第1カートリッジが前記本体筐体に装着される過程において、前記第2フレームの前記突出部の外表面と接触した場合、前記第1カートリッジが前記第2カートリッジから離れるように前記第1カートリッジを移動させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1カートリッジは、
前記感光体ドラムを帯電させるための帯電ワイヤであって、前記第1方向に延びる帯電ワイヤと、
前記帯電ワイヤを引っ張るバネと、
前記バネの一部を覆うカバーと、をさらに備え、
前記カバーは、前記第1方向に対して傾斜する第3傾斜面であって、前記第1傾斜面と並んで配置された第3傾斜面を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第3傾斜面は、
前記第2カートリッジが前記本体筐体に装着された状態で、前記第1カートリッジが前記本体筐体に装着される過程において、前記突出部と接触可能であり、
前記第2カートリッジが前記本体筐体に装着された状態で、前記第1カートリッジが前記本体筐体に装着される過程において、前記突出部と接触した場合、前記第1カートリッジは、前記第1方向に移動することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2方向は、前記第1方向に直交することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は複数のカートリッジを本体筐体に装着可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のカートリッジを本体筐体に装着可能な画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。画像形成装置は、開口を有する本体筐体と、開口を覆うカバーを有している。複数のカートリッジは、カバーを開けた状態で、本体筐体の開口から装着される。この画像形成装置は、4つのカートリッジが装着される。4つのカートリッジは、隣り合って配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数のカートリッジが隣り合って配置される画像形成装置においては、本体筐体にカートリッジが装着された状態で、他のカートリッジを装着する場合に、本体筐体に装着済みの隣のカートリッジに引っ掛かりやすいという問題点があった。
【0005】
そこで、本体筐体にカートリッジを装着する場合に、本体筐体に装着済みの隣のカートリッジに引っ掛かることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る第1態様の画像形成装置は、本体筐体と、第1カートリッジと、第2カートリッジと、を備える。
第1カートリッジは、本体筐体に対して着脱可能である。第1カートリッジは、第1方向に延びる第1軸について回転可能な第1感光体ドラムと、第1感光体ドラムを回転可能に保持する第1フレームと、を有する。
第2カートリッジは、本体筐体に対して着脱可能である。第2カートリッジは、本体筐体に装着された場合に第1方向に延びる第2軸について回転可能な第2感光体ドラムと、第2感光体ドラムを回転可能に保持する第2フレームと、を有する。第2カートリッジは、本体筐体に装着された場合に第1方向に交差する第2方向において第1カートリッジと並ぶ。
第1フレームは、第1方向に対して傾斜する第1傾斜面を有する。
第2フレームは、第2フレームの第1方向における端部に位置する突出部であって、第2方向に突出する突出部を有する。
第1傾斜面は、第2カートリッジが本体筐体に装着された状態で、第1カートリッジが本体筐体に装着される過程において、突出部と接触可能である。
第1傾斜面は、第2カートリッジが本体筐体に装着された状態で、第1カートリッジが本体筐体に装着される過程において、突出部と接触した場合、第1カートリッジは、第1方向に移動する。
【0007】
第1態様の画像形成装置によれば、第1カートリッジが本体筐体に装着される過程において、突出部と第1傾斜面が接触した場合、第1傾斜面によって第1カートリッジが第1方向に移動する。このため、本体筐体にカートリッジを装着する場合に、本体筐体に装着済みの隣のカートリッジに引っ掛かることを抑制することができる。
【0008】
また、第2態様の画像形成装置は、第1態様の画像形成装置において、第1カートリッジは、第1感光体ドラムを有する第1ドラムカートリッジと、第1現像ローラを有する第1現像カートリッジであって、第1ドラムカートリッジに着脱可能な第1現像カートリッジと、を有することができる。第2カートリッジは、第2感光体ドラムを有する第2ドラムカートリッジと、第2現像ローラを有する第2現像カートリッジであって、第2ドラムカートリッジに着脱可能な第2現像カートリッジと、第2現像ローラを第2感光体ドラムに向けて押圧するための押圧バネと、押圧バネを収容する収容部と、を有することができる。突出部は、収容部の一部を構成する構成としてもよい。
【0009】
また、第3態様の画像形成装置は、第2態様の画像形成装置において、第1フレームは、第1傾斜面から第1方向に沿って延びる第2傾斜面をさらに有することができる。第2傾斜面は、第2カートリッジが本体筐体に装着された状態で、第1カートリッジが本体筐体に装着される過程において、突出部と接触可能でもよい。第2カートリッジが本体筐体に装着された状態で、第1カートリッジが本体筐体に装着される過程において、第2フレームの突出部の外表面と接触した場合、第1カートリッジが第2カートリッジから離れるように第1カートリッジを移動させることができる。
【0010】
第3態様の画像形成装置によれば、第1カートリッジが本体筐体に装着される過程において、第1カートリッジが第2カートリッジに近づいてしまっても、第2傾斜面によって、第2カートリッジから離れるように第1カートリッジを移動させることができる。
【0011】
また、第4態様の画像形成装置は、第1態様から第3態様のいずれかの画像形成装置において、第1カートリッジは、感光体ドラムを帯電させるための帯電ワイヤであって、第1方向に延びる帯電ワイヤと、帯電ワイヤを引っ張るバネと、バネの一部を覆うカバーと、をさらに備えることができる。カバーは、第1方向に対して傾斜する第3傾斜面であって、第1傾斜面と並んで配置された第3傾斜面を有していてもよい。
【0012】
また、第5態様の画像形成装置は、第4態様の画像形成装置において、第3傾斜面は、第2カートリッジが本体筐体に装着された状態で、第1カートリッジが本体筐体に装着される過程において、突出部と接触可能であってもよい。そして、第2カートリッジが本体筐体に装着された状態で、第1カートリッジが本体筐体に装着される過程において、突出部と接触した場合、第1カートリッジは、第1方向に移動してもよい。
【0013】
第5態様の画像形成装置によれば、第1カートリッジが本体筐体に装着される過程において、突出部と第3傾斜面が接触した場合、第3傾斜面によって第1カートリッジが第1方向に移動する。このため、本体筐体にカートリッジを装着する場合に、本体筐体に装着済みの隣のカートリッジに引っ掛かることを抑制することができる。
【0014】
また、第6態様の画像形成装置は、第1態様の画像形成装置において、第2方向は、第1方向に直交する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、本体筐体にカートリッジを装着する場合に、本体筐体に装着済みの隣のカートリッジに引っ掛かることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【
図2】カバーを開いた状態の画像形成装置の構成を示す図である。
【
図3】ドラムカートリッジから現像カートリッジを取り外した状態のプロセスカートリッジの斜視図である。
【
図5】ドラムフレームに設けられた飛散防止フィルムの位置を説明する図である。
【
図7】
図4と異なる方向から見たドラムカートリッジの斜視図であり、バネ収容部の突出部の形状を説明する図である。
【
図8】
図4とは異なる方向から見たドラムカートリッジの斜視図である。
【
図9】
図8の一部を拡大した図であり、第1傾斜面、第2傾斜面、第3傾斜面を説明する図である。
【
図10】帯電キャップを外した状態の
図9に対応する図である。
【
図11】第1カートリッジが装置本体に装着される過程を説明する図であり、突出部が第2傾斜面に接触し始めた状態を示す図である。
【
図12】第1カートリッジが装置本体に装着される過程を説明する図であり、突出部が第2傾斜面に案内されている状態を示す図である。
【
図13】第1カートリッジが装置本体に装着される過程を説明する図であり、突出部が第1傾斜面に案内されている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
画像形成装置1の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、画像形成装置1は、本体筐体10と、アッパーカバー11と、シート供給部20と、画像形成部30と、を備えている。画像形成装置1は、一例としてカラープリンターである。
【0019】
以下の説明において、感光体ドラム53の軸方向を第1方向という。また、第1方向に交差する方向であり、複数のプロセスカートリッジPCが並ぶ方向を第2方向という。本実施形態では、第2方向は、第1方向に直交する方向である。また、第1方向および第2方向に直交する方向を第3方向という。また、図面における各方向を示す矢印は、各方向における「一方側」を指すこととする。
【0020】
本体筐体10は、開口10Aを有する。開口10Aは、本体筐体10の上面に位置する。
【0021】
アッパーカバー11は、本体筐体10の上部に位置する。アッパーカバー11は、
図1に示す閉位置と、
図2に示す開位置と、の間で移動可能である。アッパーカバー11は、第1方向に延びるカバー軸11Xについて回動可能である。
【0022】
シート供給部20は、本体筐体10内の下部に位置する。シート供給部20は、供給トレイ21と、シート供給ローラ22とを有している。供給トレイ21は、シートSを収容する。シート供給ローラ22は、供給トレイ21からシートSを画像形成部30に供給する複数のローラである。供給トレイ21内のシートSは、シート供給ローラ22によって1枚ずつ分離され、搬送経路に沿って画像形成部30に向けて供給される。
【0023】
画像形成部30は、4つのLEDヘッド40と、4つのプロセスカートリッジPCと、転写ユニット70と、定着ユニット80とを備えている。
【0024】
各LEDヘッド40は、アッパーカバー11の移動にともない、
図1に示す露光位置と、
図2に示す退避位置との間を移動可能となっている。露光位置は、感光体ドラム53を露光する位置である。退避位置は、露光位置よりも感光体ドラム53から離れた位置である。各LEDヘッド40は、露光位置に位置した状態で、各LEDヘッド40に対応する感光体ドラム53の表面を露光する。
【0025】
4つのプロセスカートリッジPCは、アッパーカバー11と供給トレイ21との間に位置する。各プロセスカートリッジPCは、第2方向に並んで配置されている。
図2に示すように、各プロセスカートリッジPCは、アッパーカバー11が開位置に位置する状態において、第1方向に、開口10Aを通して本体筐体10に着脱可能である。
【0026】
各プロセスカートリッジPCは、後述する現像カートリッジ60のトナー収容室に収容されるトナーの色が相違する。本実施形態では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーが収容されている。以下の説明では、必要があるときには、各色に対応する符号にY,M,C,Kを付して各部材を区別することとする。なお、各プロセスカートリッジPCY,PCM,PCC,PCKのトナー収容室に収容されるトナーの色以外の構成は、同一である。
図1において、イエローに対応するプロセスカートリッジPCYのみ、断面図により内部構成の概略を示している。
【0027】
また、隣り合う2のプロセスカートリッジPCについて、一方を第1カートリッジPC1と呼び、他方を第2カートリッジPC2と呼ぶことがある。本実施形態では、隣り合う2つのプロセスカートリッジPCのうち、第2方向の他方側を第1カートリッジPC1とし、第2方向の一方側を第2カートリッジPC1とする。この場合に、第1カートリッジPC1において、フレームは、第1フレームと、感光体ドラムは、第1感光体ドラムと、ドラムカートリッジは、第1ドラムカートリッジと、現像ローラは、第1現像ローラと、現像カートリッジは、第1現像カートリッジとする。また、第2カートリッジPC2において、フレームは、第2フレームと、感光体ドラムは第2感光体ドラムと、ドラムカートリッジは、第2ドラムカートリッジと、現像ローラは、第2現像ローラと、現像カートリッジは、第2現像カートリッジとする。
【0028】
図3に示すように、各プロセスカートリッジPCは、ドラムカートリッジ50と、現像カートリッジ60と、を有している。ドラムカートリッジ50は、ドラムフレーム52と、感光体ドラム53と、クリーニングローラ54と、帯電器55と、ロックレバー56とを有する。
【0029】
ドラムフレーム52は、感光体ドラム53およびクリーニングローラ54を回転可能に保持するとともに、現像カートリッジ60を着脱可能に保持するフレームである。具体的には、ドラムフレーム52は、図示せぬベアリングを介して、感光体ドラム53およびクリーニングローラ54を回転可能に保持している。
【0030】
感光体ドラム53は、円筒形状である。感光体ドラム53の表面は、感光材料で覆われている。感光体ドラム53は、ドラム軸53Xについて回転可能である。感光体ドラム53は、プロセスカートリッジPCが本体筐体10に装着された状態で、ドラムフレーム52に保持されている。
【0031】
帯電器55は、ドラムフレーム52に固定されている。帯電器55は、感光体ドラム53の表面を帯電可能なスコロトロン型帯電器である。
図5に示すように、帯電器55は、帯電ワイヤ57と、グリッド552と、を有している。帯電ワイヤ57は、第1方向に延びている。グリッド552は、U字形状を有し、第1方向に延びている。グリッド552は、第1板552Aと、第2板552Bと、第3板552C、を有する。第1板552Aは、感光体ドラム51と帯電ワイヤ57の間に位置する平板である。第1板552Aは、感光体ドラム51と向かい合う。第1板552Aは、複数のグリッド穴552Hを有する。第2板552Bは、第1板552Aの一方の端から感光体ドラム51から離れる方向に延びる平板である。第3板552Cは、第1板552Aの他方の端から感光体ドラム51から離れる方向に延びる平板である。
【0032】
図1に戻り、クリーニングローラ54は、感光体ドラム53の表面のトナーや紙粉等をクリーニングするローラである。クリーニングローラ54は、感光体ドラム53の表面に接触している。クリーニングローラ54は、回転可能にドラムフレーム52に保持されている。
【0033】
現像カートリッジ60は、トナー収容部61と、アジテータ62と、供給ローラ63と、現像ローラ64とを有している。トナー収容部61は、トナーを収容する。アジテータ62は、トナー収容部61内のトナーを撹拌する。供給ローラ63は、トナー収容部61内のトナーを現像ローラ64に供給する。現像ローラ64は、トナーを感光体ドラム53に供給する。
図3に示すように、現像カートリッジ60は、ドラムフレーム52に着脱可能である。
【0034】
ロックレバー56は、現像カートリッジ60をドラムフレーム52にロックする部材である。
図3に示すように、ロックレバー56は、ドラムフレーム52の第1方向の端部に位置する。
【0035】
図1に戻り、転写ユニット70は、供給トレイ21とプロセスカートリッジPCとの間に位置する。転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを有している。搬送ベルト73は、駆動ローラ71と従動ローラ72とを覆う無端状のベルトである。搬送ベルト73の外周面は、各感光体ドラム53に接触する。搬送ベルト73の内周面は、各転写ローラ74と接触する。そのため、各感光体ドラム53と各転写ローラ74は、搬送ベルト73を挟んでいる。
【0036】
定着ユニット80は、画像形成部30の第2方向の一方側に位置する。定着ユニット80は、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と加圧ローラ82とを有している。加圧ローラ82は、加熱ローラ81と向かい合って位置する。加圧ローラ82は、加熱ローラ81を押圧する。
【0037】
このような画像形成部30では、感光体ドラム53の表面が、帯電器55により帯電された後、LEDヘッド40によって、感光体ドラム53の表面が、露光される。そのため、感光体ドラム53の表面上に画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム53の表面に現像カートリッジ60からトナーが供給されることで、静電潜像が可視像化されて感光体ドラム53上にトナー像が形成される。
【0038】
各感光体ドラム53上に形成されたトナー像は、転写ローラ74によって搬送ベルト73上を搬送されるシートS上に順次重ね合わせて転写される。トナー像が転写されたシートSは、加熱ローラ81と加圧ローラ82の間を通って搬送されることでトナー像が熱定着される。その後、シートSは、搬送ローラ91によって本体筐体10内から本体筐体10の外に排出され、アッパーカバー11の上面の排出トレイ11B上に位置する。
【0039】
図4に示すように、各ドラムカートリッジ50は、飛散防止フィルム100を有している。飛散防止フィルム100は、帯電器55内に浮遊するトナーの飛散を防止するための樹脂製のフィルムである。飛散防止フィルム100は、第1方向に延びる矩形形状を有している。飛散防止フィルム100は、ドラムフレーム52に接着されている。
図5に示すように、飛散防止フィルム100は、第2方向の一端側の端部がドラムフレーム52に接着され、第2方向の他端側の端部がLEDヘッド40と接触している。
【0040】
図4に戻り、飛散防止フィルム100は、第1方向の中央に位置する凹部101を有している。凹部101は、ドラムフレーム52を射出成形する際のゲート痕GMと干渉を避けるように形成されている。凹部101は、ドラムフレーム52と接着されていない。
【0041】
図6に示すように、感光体ドラム53は、ドラム部53Aと、第1フランジ53Bと、第2フランジ53Cと、を有している。第1フランジ53Bおよび第2フランジ53Cは、感光体ドラム53と共に回転する部材である。第1フランジ53Bおよび第2フランジ53Cは、図示せぬベアリングに回転可能に保持されている。
【0042】
第1フランジ53Bは、感光体ドラム53の第1方向の一方側に位置する。第2フランジ53Cは、感光体ドラム53の第1方向の他方側に位置する。第2フランジ53Cが軸受部材に保持されるシャフトの部分の直径D2は、第1フランジ53Bが軸受部材に軸支されるシャフトの部分の直径D1より小さい。
【0043】
図7に示すように、ドラムカートリッジ50は、押圧バネSPと、収容部150とを有する。押圧バネSPは、現像カートリッジ60がドラムカートリッジ50に装着された場合に、現像ローラ64を感光体ドラム53に向けて押圧するためのバネである。収容部150は、押圧バネSPを収容する部分である。具体的には、収容部150は、収容部150は、押圧バネSPが固定されたバネホルダSPHをドラムフレーム52に対してスライド移動可能に保持している。
【0044】
収容部150は、第2方向の他方側に突出する突出部150Tを有している。突出部150Tは、ドラムフレーム52の第1方向における一方側の端部に位置する。突出部150Tは、収容部150の一部を構成する。突出部150Tは、角部PPを有している。角部PPは、第2方向の一方側に位置する隣のドラムカートリッジ50を装着する過程において、隣のドラムカートリッジ50が接触しやすい部分である。
【0045】
図8、
図9に示すように、各ドラムカートリッジ50のドラムフレーム52は、クリーニング電極54Aと、第1傾斜面110と、第2傾斜面120と、第3傾斜面130とを有する。クリーニング電極54A、第1傾斜面110、第2傾斜面120および第3傾斜面130は、ドラムフレーム52の第1方向の一方側に位置する。また、クリーニング電極54A、第1傾斜面110、第2傾斜面120および第3傾斜面130は、ドラムフレーム52の第2方向の一方側に位置する。クリーニング電極54Aは、クリーニングローラ54にバイアスを印加するための電極である。
【0046】
第1傾斜面110、第2傾斜面120および第3傾斜面130は、プロセスカートリッジPC(第1カートリッジPC1)を装着する過程において、既に装着された第2方向の一方側に位置する隣のプロセスカートリッジPC(第2カートリッジPC2)の突出部150Tの角部PPに接触しやすい部分である。
【0047】
第1傾斜面110は、クリーニング電極54Aと隣あって位置し、クリーニング電極54Aの第3方向の一方側に位置する。第1傾斜面110は、第1方向に対して傾斜する傾斜面である。具体的には、第1傾斜面110は、帯電ワイヤ57に対して傾斜する傾斜面である。さらに具体的は、第1傾斜面110は、帯電ワイヤ57に対して、第1方向の一方側に進むにつれて第2方向の他方側に進むように傾斜する傾斜面である。すなわち、第1傾斜面110は、プロセスカートリッジPCを本体筐体10に装着する過程において、他の部材と接触した場合に、プロセスカートリッジPCの全体を第1方向の他方側に移動させるように傾斜している。
【0048】
例えば、第1傾斜面110は、第1カートリッジPC1が本体筐体10に装着される過程において、既に本体筐体10に装着された第2方向の一方側に位置する隣のプロセスカートリッジPC(第2カートリッジPC2)の突出部150Tと接触可能である。第1傾斜面110は、第1カートリッジPC1の傾斜面110が、第2カートリッジPC2の突出部150Tと接触した場合、第1カートリッジPC1が第1方向に移動するように傾斜している。
【0049】
第2傾斜面120は、クリーニング電極54Aと隣あって位置し、クリーニング電極54Aの第1方向の他方側に位置する。第2傾斜面120は、第1傾斜面110から第1方向に沿って延びている。具体的には、第2傾斜面120は、グリッド522の第1板552Aに対して傾斜する傾斜面である。さらに具体的は、第2傾斜面120は、第1板552Aに対して、第2方向の一方側に進むにつれて第3方向の一方側に進むように傾斜する傾斜面である。すなわち、第2傾斜面120は、プロセスカートリッジPCを本体筐体10に装着する過程において、他の部材と接触した場合に、プロセスカートリッジPCの全体を第2方向の他方側に移動させるように傾斜している。
【0050】
例えば、第2傾斜面120は、第1カートリッジPC1が本体筐体10に装着される過程において、既に本体筐体10に装着された第2方向の他方側に位置する隣のプロセスカートリッジPC(第2カートリッジPC2)の突出部150Tと接触可能である。第2傾斜面120は、第2カートリッジPC2の突出部150Tの外表面と接触した場合、第1カートリッジPC1が第2カートリッジPC2から離れるように、すなわち、第2方向の他方側に、第1カートリッジPC1を移動させるように傾斜している。
【0051】
第3傾斜面130は、第1傾斜面110の第3方向の一方側に位置する。第3傾斜面130は、第1傾斜面110と同様に、第1方向に対して傾斜する面である。具体的には、第3傾斜面130は、帯電ワイヤ57に対して傾斜する傾斜面である。さらに具体的には、第3傾斜面130は、帯電ワイヤ57に対して、第1方向の一方側に進むにつれて第2方向の他方側に進むように傾斜する傾斜面である。すなわち、第3傾斜面130は、プロセスカートリッジPCを本体筐体10に装着する過程において、他の部材と接触した場合に、プロセスカートリッジPCの全体を第1方向の他方側に移動させるように傾斜している。
【0052】
例えば、第3傾斜面130は、第1カートリッジPC1が本体筐体10に装着される過程において、既に本体筐体10に装着された第2方向の他方側に位置するプロセスカートリッジPC(第2カートリッジPC2)の突出部150Tと接触可能である。第3傾斜面130は、第2カートリッジPC2の突出部150Tと接触した場合、第1カートリッジPC1が、第1方向に移動させるように傾斜している。
【0053】
ここで、
図9、
図10に示すように、ドラムカートリッジ50は、帯電ワイヤ57と、バネ58とカバー59とをさらに備える。なお、
図10は、カバー59を取り除いた状態を示している。帯電ワイヤ57は、感光体ドラム53を帯電させるための帯電ワイヤである。
帯電ワイヤ57は、第1方向に延びている。バネ58は、トーションバネであり、帯電ワイヤ57を引っ張るバネである。カバー59は、バネ58と、帯電ワイヤ57の一部を覆う。カバー59がバネ58と帯電ワイヤ57を覆うことで、ユーザがバネ58と帯電ワイヤ57に触れにくくなっている。
【0054】
次に、
図11~
図13を参照して、プロセスカートリッジPC(第1カートリッジPC1)を本体筐体10の装着位置(
図1参照)まで装着する過程を説明する。
【0055】
図11に示すように、第2カートリッジPC2が本体筐体10に装着された状態で、第1カートリッジPC1が装着される過程において、第1カートリッジPC1の第2傾斜面120が第2カートリッジPC2の突出部150Tに接触する。具体的には、
図7に示す角部PPが
図9に示す第2傾斜面120のポイントP1に接触する。
【0056】
そして、
図12に示すように、第1カートリッジPC1がさらに装着位置に向けて移動すると、第1カートリッジPC1の第2傾斜面120が第2カートリッジPC2の突出部150Tと接触して、第1カートリッジPC1が第2カートリッジPC2から離れるように移動する。具体的には、
図7に示す角部PPが
図9に示す第2傾斜面120のポイントP1からポイントP2に向けて案内されるにつれて、第1カートリッジPC1が第2カートリッジPC2から離れるように移動する。このとき、例えば、角部PPが第2傾斜面120に沿って案内されるにつれて、クリーニング電極54Aがバネ収容部150から離れていく(
図11、
図12参照)。
【0057】
そして、
図13に示すように、第1カートリッジPC1をさらに装着位置に向けて移動させると、第1カートリッジPC1の第1傾斜面110が第2カートリッジPC2の突出部150Tに接触して、第1カートリッジPC1全体を第1方向の他方側に移動させる。具体的には、
図7に示す角部PPが
図9に示す第1傾斜面110のポイントP3に接触することで、第1カートリッジPC1全体が第1方向の他方側に移動する。
【0058】
このようにして、第1カートリッジPC1は、第2カートリッジPC2に引っ掛かることなく装着位置に装着される。
【0059】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
図1に示すように、4つのプロセスカートリッジPCY,PCM,PCC,PCKは、装置の全体の小型化のため、それぞれが隣り合って配置されている。しかし、画像形成装置1によれば、第1カートリッジPC1が本体筐体10に装着される過程において、第2カートリッジPC2の突出部150Tと、第1カートリッジPC1の第1傾斜面110が接触した場合、第1傾斜面110によって第1カートリッジPC1が第1方向に移動する。このため、本体筐体10にカートリッジを装着する場合に、本体筐体に装着済みの隣のカートリッジに引っ掛かることを抑制することができる。また、第1傾斜面110によって第1カートリッジPC1が第1方向に移動することで、第1カートリッジPC1が正しい装着位置に案内され、第1方向の位置決めがされる。
【0060】
また、第1カートリッジPC1が本体筐体10に装着される過程において、第1カートリッジPC1が第2カートリッジPC2に近づいてしまっても、第1カートリッジPC1の第2傾斜面120によって、第2カートリッジPC2から離れるように第1カートリッジPC1を移動させることができる。
【0061】
また、第1カートリッジPC1が本体筐体10に装着される過程において、第2カートリッジPC2の突出部150Tと、第1カートリッジPC1の第3傾斜面130が接触した場合、第3傾斜面130によって第1カートリッジPC1が第1方向に移動する。このため、本体筐体10に第1カートリッジPC1を装着する場合に、本体筐体に装着済みの隣のカートリッジに引っ掛かることを抑制することができる。
【0062】
飛散防止フィルム100は、第2方向の一端側の端部がドラムフレーム52に接着され、第2方向の他端側の端部がLEDヘッド40と接触している(
図5参照)。これにより、帯電器55とLEDヘッド40の隙間に空気が流れることを抑制できる。この結果、飛散防止フィルム100が帯電器55内に浮遊するトナーの飛散を防止して、LEDヘッド40の汚れを抑制することができる。また、飛散防止フィルム100には凹部101が形成されていることで、ドラムフレーム52を射出成形する際のゲート痕GMと干渉を避けることができる。
【0063】
以上、画像形成装置の一実施形態について説明したが、具体的な構成については、適宜変更が可能である。
【0064】
上述した実施形態では、第2方向が第1方向に直交する方向であったが、この形態に限られず、単に、第1方向に交差する方向であってもよい。
【0065】
上述した実施形態では、画像形成装置1の本体筐体10に装着されるプロセスカートリッジPCの数は、4つであったが、これに限定されない。例えば、例えば、画像形成装置1の本体筐体に装着されるプロセスカートリッジPCの数は、3つ、あるいは5つ以上であってもよい。
【0066】
上述した実施形態では、画像形成装置1をカラープリンターとして例示したが、複写機や複合機などであってもよい。
【0067】
上述した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 画像形成装置
10 本体筐体
50 ドラムカートリッジ
52 ドラムフレーム
53 感光体ドラム
57 帯電ワイヤ
58 バネ
59 カバー
60 現像カートリッジ
110 第1傾斜面
120 第2傾斜面
130 第3傾斜面
150 収容部
150T 突出部
F1 第1フレーム
F2 第2フレーム
PC プロセスカートリッジ
PC1 第1カートリッジ
PC2 第2カートリッジ