(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003393
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】植生袋および植生マット
(51)【国際特許分類】
E02D 17/20 20060101AFI20240105BHJP
【FI】
E02D17/20 102A
E02D17/20 102B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102502
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000226747
【氏名又は名称】日新産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 友人
(72)【発明者】
【氏名】石田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】長沼 寛
【テーマコード(参考)】
2D044
【Fターム(参考)】
2D044DA03
2D044DA05
2D044DA12
(57)【要約】
【課題】植生植物の乾燥害を抑え、地面または法面をより早期かつ効率的に緑化することを可能とする植生マットを提供する。
【解決手段】緑化すべき地面に設置される植生袋100は、地面側に配置される底壁部102、および、地面の反対側に配置される頂壁部103を有する袋体101と、袋体101から羽根状に延び出ており、底壁部103と異なる位置で地面に接触可能な延出長さを有し、遮水性材料からなる1または複数の羽根体105と、を備える。羽根体105は、袋体101に連結される連結部106と、連結部106を固定端として自由端が浮き上がるように変形可能である可動部107とを有する。可動部107は、地面に発芽または生長した植生植物Pによって自由端が持ち上げられるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
緑化すべき地面に設置される植生袋であって、
地面側に配置される底壁部、および、地面の反対側に配置される頂壁部を有する袋体と、
前記袋体から羽根状に延び出ており、前記底壁部と異なる位置で地面に接触可能な延出長さを有し、遮水性材料からなる1または複数の羽根体と、を備え、
前記羽根体は、前記袋体に連結される連結部と、前記連結部を固定端として自由端が浮き上がるように変形可能である可動部とを有し、前記可動部は、地面に発芽または生長した植生植物によって前記自由端が持ち上げられるように構成されていることを特徴とする植生袋。
【請求項2】
前記羽根体の面積当たりの重量が60g/m2未満であり、かつ、前記羽根体の固定端から自由端までの距離が10~100mmであることを特徴とする請求項1に記載の植生袋。
【請求項3】
前記袋体は、少なくとも部分的に透水性を有するシート材料から構成され、かつ、前記羽根体は、遮水性を有するシート材から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の植生袋。
【請求項4】
前記羽根体は、遮水性および断熱性を有する発泡樹脂フィルムからなることを特徴とする請求項3に記載の植生袋。
【請求項5】
前記袋体は、長手方向に延びる長筒形状を有し、前記羽根体は、前記袋体の長手方向に直交する幅方向に沿って延び出ていることを特徴とする請求項1に記載の植生袋。
【請求項6】
前記袋体に内包される、種子材、肥料材、土壌改良材および土壌の少なくとも1種類を含む緑化材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の植生袋。
【請求項7】
土壌緑化に使用される植生マットであって、
縦横に平面状に延在して地面に敷設される植生シートと、
前記植生シートに保持された1または複数の請求項1から6のいずれか一項に記載の植生袋と、を備えることを特徴とする植生マット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、法面などの地面を緑化するために用いられる植生袋および植生マットに関する。
【背景技術】
【0002】
各種法面や新規造成地等の施工面においては、その緑化を積極的に行って、法面等の美化と共に土砂の流失を防止することが行われている。従来、土、種子、肥料、保水材などの緑化材が植生用の袋体(以下、植生袋という)に充填される。そして、この植生袋とともに植生マットが緑化すべき地面に設置されることにより、土壌の植生植物の生長を促進し、結果的に、景観の向上とともに土砂の流失を防止することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1は、自然植生植物で緑化すべき土壌の表面に敷設される植生マットを示している。以下、当該段落において、()内に特許文献1の符号を示す。植生マット(100)は、緑化すべき土壌(P)の自然環境に対応する埋土種子(111)を含む現地発生土(106)を収容した第1収容部(102)と、第1収容部(102)と異なる位置で人工土(107)を収容した第2収容部(103)と、を備える。第1及び第2収容部(102,103)は、長手方向に延伸する網状の長筒体から構成され、現地発生土(106)又は人工土(107)を収容する植生袋(108)を保持可能に構成されている。植生マット(100)は、法面等の美化と共に土砂の流失を防止するために土壌(P)に設置される。
【0004】
特許文献2は、法面などの緑化工事に用いられる植生マットを示している。以下、当該段落において、()内に特許文献2の符号を示す。植生マット(M)は、少なくとも部分的に分解可能な素材よりなる上面シート(1)と下面シート(2)との間に、高分子吸収体などの保水材(吸水材料)を内部に充填した袋体(F)と植物種子(3)と植生基材(4)とを介在させたものである。すなわち、植生マット(M)は、吸水材料を含む袋体(F)を保持することにより、保水性を向上させたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5981062号公報
【特許文献2】特許第2649030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のような従来の植生袋および植生マットは、植生袋を植生マットの収容部に収容することで法面を含む斜面の緑化を促進するものである。しかしながら、植生袋および植生マット自体は、保水性を有していないので、特に雨量が少ない乾燥した環境では、水分不足により植生植物の生長が不十分となる場合があった。これに対し、特許文献2ののように、植生マットに高分子吸収体などの吸水材料を含む袋体を設けることもまた行われている。しかしながら、袋体に吸水材料を加えると、袋体を保持する植生マット全体が嵩張って重量化することから、その運搬性や施工性が著しく損なわれることが問題であった。さらに、吸水材料の利用は、降雨後の保水効果をある程度発揮可能である一方で、降雨の頻度が少ない乾燥した環境では、保水材自体が植生植物や土壌から水分を内部に吸収し、植生環境の乾燥を助長するように働くことで、却って、植生植物の生長を阻害するといった問題もあった。これら問題点に対し、発明者らは、高分子吸収体からなる吸水材料を用いなくても、植生植物の乾燥害を抑えつつ、より早期かつ効率的に地面または法面を緑化することを可能とすることを解決すべき課題とした。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、より早期かつ効率的な植生の導入を可能とする植生袋、および、当該植生袋を備える植生マットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態の植生マットは、緑化すべき地面に設置される植生袋であって、
地面側に配置される底壁部、および、地面の反対側に配置される頂壁部を有する袋体と、
前記袋体から羽根状に延び出ており、前記底壁部と異なる位置で地面に接触可能な延出長さを有し、遮水性材料からなる1または複数の羽根体と、を備え、
前記羽根体は、前記袋体に連結される連結部と、前記連結部を固定端として自由端が浮き上がるように変形可能である可動部とを有し、前記可動部は、地面に発芽または生長した植生植物によって前記自由端が持ち上げられるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の一形態の植生袋によれば、袋体が地面に設置された状態で、植生植物が地面から発芽または生長すると、植生植物によって、羽根体が地面から浮き上がるように持ち上げられる。そして、持ち上げられた羽根体は、発芽または生長した植生植物に近接または接触するとともに、植生植物の上方および/または側方から対向するように延在し得る。このとき、羽根体が遮水性であることから、羽根体が植生植物から蒸散した水蒸気から露の形成を促し、羽根体の表面に露が水滴として付着する。羽根体表面に付着した水滴によって、羽根体の周囲領域の湿度が上昇し、少なくとも羽根体の周囲領域において、植生植物の表面への露の形成が連鎖的に拡がる。これにより、植生袋は、植生植物に継続的に水分を供給し、高分子吸収体などの吸水材料を用いることをせずとも、植生植物の乾燥害を効果的に抑えることが可能である。したがって、本発明の植生袋は、地面をより早期かつ効率的に緑化することを可能とするものである。
【0010】
本発明のさらなる形態の植生袋は、上記形態の植生袋において、前記羽根体の面積当たりの重量が60g/m2未満であり、かつ、前記羽根体の固定端から自由端までの距離が10~100mmであることを特徴とする。
【0011】
本発明のさらなる形態の植生袋は、上記形態の植生袋において、前記袋体は、少なくとも部分的に透水性を有するシート材料から構成され、かつ、前記羽根体は、遮水性を有するシート材から構成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明のさらなる形態の植生袋は、上記形態の植生袋において、前記羽根体は、遮水性および断熱性を有する発泡樹脂フィルムからなることを特徴とする。
【0013】
本発明のさらなる形態の植生袋は、上記形態の植生袋において、前記袋体は、長手方向に延びる長筒形状を有し、前記羽根体は、前記袋体の長手方向に直交する幅方向に沿って延び出ていることを特徴とする。
【0014】
本発明のさらなる形態の植生袋は、上記形態の植生袋において、前記袋体に内包される、種子材、肥料材、土壌改良材及び土壌のうち少なくとも1種類以上を含む緑化材をさらに備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の一形態の植生マットは、土壌緑化に使用される植生マットであって、
縦横に平面状に延在して地面に敷設される植生シートと、
前記植生シートに保持された1または複数の上記形態の植生袋と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の植生袋および植生マットは、高分子吸収体からなる吸水材料を用いることがなくても、植生植物の乾燥害を抑え、地面または法面をより早期かつ効率的に緑化することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】本発明の一実施形態の植生マットの概略斜視図。
【
図5】本発明の一実施形態の植生袋および植生マットの法面設置直後の形態を示す模式図。
【
図6】本発明の一実施形態の植生袋および植生マットの法面設置後の発芽期の形態を示す模式図。
【
図7】本発明の一実施形態の植生袋および植生マットの法面設置後の生育前期の形態を示す模式図。
【
図8】本発明の一実施形態の植生袋および植生マットの法面設置後の生育後期の形態を示す模式図。
【
図9】本発明の実証試験に係る(a)比較例1、(b)比較例2の植生袋を装着した植生マットを示す模式図。
【
図10】本発明の植生マットの実証試験における設置直後の状態の写真であって、実施例および比較例1、2を示す。
【
図11】本発明の植生マットの実証試験における4週経過後の状態の写真であって、実施例および比較例1、2を示す。
【
図12】本発明の植生マットの実証試験における6週経過後の状態の写真であって、実施例および比較例1、2を示す。
【
図13】本発明の別実施形態(第2実施形態)の植生袋を示す概略図。
【
図14】本発明の別実施形態(第3実施形態)の植生袋を示す概略図。
【
図15】本発明の別実施形態(第4実施形態)の植生袋を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
【0019】
本発明の一実施形態の植生袋100および植生マット10は、法面等の地面に設置されることで、植生植物による法面緑化の促進を可能とするものである。なお、本明細書では、植生袋100とともに植生マット10が法面に敷設されたときに法面の傾斜方向に沿う方向を「縦」方向とし、法面の等高線方向に沿う方向を「横」方向として定義する。さらに、植生袋100および植生マット10が法面に敷設されたときに法面の法肩側(上方または高所側)に配置される側を「上」位置とし、法面の法尻側(下方または低所側)に配置される側を「下」位置として定義する。
【0020】
本発明の一実施形態の植生袋100は、緑化すべき地面に直接的または間接的に設置され、該植生袋100から地面へ水分や肥料分等を供給することにより、地面の植生植物Pの発芽および成長を補助するものである。
図1は、植生袋100の概略斜視図である。ここで、説明の便宜上、植生袋100の一部が切り欠かれて描写されている。
図2は、植生袋100の概略横断面図である。
【0021】
図1に示すように、植生袋100は、長手方向に延びる細長い長筒状に形成されている。植生袋100は、内部空間を画定する袋体101と、該袋体101から羽根状に延び出る羽根体105と、該袋体101に内包される緑化材110とを備える。なお、本発明の植生袋には、緑化材110を内包していない状態のものも含まれる。
【0022】
袋体101は、長手方向に延びる長筒形状を有する。ここで、袋体101の長手方向が、法面の等高線方向(または植生マット10の横方向)に沿って配置される。袋体101は、地面側に配置される底壁部102、および、地面の反対側の上方に配置される頂壁部103を有する。
図2に示すように、袋体101は、横断面視長円(または楕円)形状を有する。底壁部102および頂壁部103は、それぞれ、長手方向に延びる矩形状の可撓性シートである。2枚のシートを重ね合わせて袋状に接合(例えば、縫合、溶着、接着)することによって、長筒形状(または袋形状)をなしている。なお、袋体101は、全体として、粒子状の緑化材110を袋体101の内部に保持可能な素材からなる。
【0023】
本実施形態では、袋体101は、部分的に透水性を有するシート材料から構成されている。特には、底壁部102は、粒子状の緑化材110を袋体101の内部に保持可能であり、かつ、(水分の通過を許容する)透水性を有する透水シート(透水性材料)から形成されている。また、頂壁部103は、粒子状の緑化材110を袋体101の内部に保持可能であり、かつ、(水分の通過を遮断する)遮水性を有する遮水シート(遮水性材料)から形成されている。この遮水シートは、袋体101内部の温度変化を抑えるために、断熱性を有することがより好ましい。
【0024】
本実施形態の袋体101によれば、遮水性の頂壁部103が、袋体101内部の緑化材110を上方から覆うように延在している。また、頂壁部103が袋体101の側方を向く上方側部に延在している。そして、頂壁部103による遮水領域が緑化材110の上側部分を上方および側方の両方向から覆っている。すなわち、遮水性の頂壁部103は、降雨や植生領域への散水などの後に、吸収した水分が蒸発した水蒸気の通過を遮断するように機能する。また、頂壁部103は、所定の断熱性を持たせることにより、直射日光などにより加熱されたときに、相対的に高熱になりにくい特性を有し得る。他方、透水性の底壁部102が袋体101の側方を向く下方側部に延在し、かつ、接地部位に亘って延在している。そして、底壁部102による透水領域が緑化材110の下側部分を下方および側方の両方向から覆っている。すなわち、通水性の底壁部102は、降雨や植生領域への散水などの際、透水領域を介して、袋体101内部に地面の水分を吸収して、後の晴天時に地面に水分を供給するように機能し得る。
【0025】
羽根体105は、袋体101から羽根状に延び出ており、袋体101の長手方向に直交する幅方向に沿って延在している。また、本実施形態では、一対の羽根体105が、袋体101の長手方向の両側に延び出ている。羽根体105は、頂壁部103と同様に、可撓性の遮水シートから形成されている。羽根体105は、底壁部102が地面(または植生マット10)上に設置されたときに地面側に垂れ下がって、底壁部102と異なる位置で地面に接触可能な延出長さを有する。本実施形態では、羽根体105は、頂壁部103に一体的に形成されている。
【0026】
また、羽根体105は、袋体101に連結される連結部106と、連結部106を固定端として自由端が浮き上がるように変形可能である可動部107とを有する。連結部106は、羽根体105と袋体101との境界として、頂壁部103と底壁部102との接合部に位置している。ここで、連結部106が固定端となり、かつ、羽根体105の先端縁が自由端となることで、可動部107は、その自由端が捲れ上がるように可撓変形することができる。そして、可動部107は、地面(または植生マット10)に発芽または生長した植生植物によってその自由端が持ち上げられて変形可能であるように構成されている。すなわち、羽根体105の可動部107が植生植物の発芽による弱い力であっても反り上がって変形するように、羽根体105の寸法形状(厚みや可動幅)や素材が定められた。より具体的には、羽根体105の面積当たりの重量が60g/m2未満であることが好ましい。植生植物の種類にもよるが、羽根体105の面積当たりの重量が60g/m2未満であれば、羽根体105が発芽または生長する植生植物によって持ち上げられることが想定される。また、羽根体105の延出長さ(固定端から自由端までの距離)が10~100mmであることが好ましい。羽根体105の延出長さが10mm未満であると、植生植物を覆う面積が小さく、十分な保水効果を発揮できないとことが想定される。他方、羽根体105の延出長さが100mmを超えると、全体の重量増により植生植物の発芽による弱い力では浮き上がりにくくなることが想定される。
【0027】
袋体101の一部をなす透水シートは、(本発明を限定しないが)不織布、織布又はこれらの組み合わせ等から選択され得る。より具体的には、不織布および織布の素材は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ乳酸、レーヨン、コットン又はこれらの混合物等から選択可能である。あるいは、紙や樹脂フィルムなどのような、透水性を有しないシート材料が選択された場合、複数の開口が連続的に面状に形成されたメッシュ状とすることで、透水性が確保されてもよい。
【0028】
袋体101の一部および羽根体105をなす遮水シートは、例えば、(本発明を限定しないが)紙、樹脂フィルム(例えば、ポリエチレン製防水ラミネートシート)、発泡樹脂シート又はこれらの組み合わせなどから選択され得る。また、遮水シートは、遮水性に加えて断熱性を有することがより好ましい。本実施形態では、遮水シートの素材は、断熱性を有する独立気泡成型による発泡ポリエチレンシートが選択された。なお、遮水シートが断熱性を発揮するために、発泡ポリエチレンシートの厚みが約0.5mm~2.0mm程度であることが好ましい。
【0029】
緑化材110は、袋体101の内部空間に充填されて保持されている。緑化材110は、植生に用いられる材料であって、種子材、肥料材、土壌改良材および土壌のうち少なくとも1種類を含むものである。
図2に示すように、緑化材110が袋体101に隙間なく充填されることで、袋体101が横断面視長円形状に膨らんでいる。本実施形態では、袋体101の長手方向の一端が開放された状態で、緑化材110が開放端から充填される。そして、緑化材110を詰めた後に開放端が封止される。
【0030】
本実施形態の植生袋100は、単体で地面に設置されてもよいが、植生シート11に保持された状態で植生マット10として地面に設置されることにより、より効果的に土壌緑化をすることが可能である。
図3は、本発明の一実施形態の植生マット10の概略斜視図であり、
図4は、その部分拡大図である。
【0031】
図3および
図4に示すように、植生マット10は、縦横に平面状に延在して地面に敷設される透水性の植生シート11と、該植生シート11に保持された複数の植生袋100とを備える。また、植生マット10には、植生シート11および植生袋100を貫通して地面に固定するためのピン状の固定部材18が用いられる。
【0032】
植生シート11は、ロール状に巻取り可能であるように十分な可撓性および柔軟性を有する。植生シート11は、縦横に平面状に延在する網状シート12と、植生植物の種子が播種された種子付シート13と、を備える。網状シート12は、該種子付シート13の表面に接着剤等の任意の結合手段で貼り付けられている。
【0033】
網状シート12は、縦糸及び横糸を略直交に編み込んで形成された2重織ネットからなり、その縦糸および横糸は、合成樹脂材料や天然材料の繊維から形成され得る。この網状シート12は、法面の土砂の流出などを抑える法面の保護効果を発揮し得る。網状シート12の網目模様や目合いは任意に選択され得る。種子付シート13は、複数の種子が貼り付けられた、平面状に延在するシート体から構成されている。種子付シート13は、緑化材の1種として植生マット10に保持されている。種子付シート13は、紙、織布または不織布から形成され得る。この種子付シート13は、降雨によって消失する水解性または水溶性を有してもよい。
【0034】
また、植生シート11には、植生袋100を収容するための複数の収容部14が設けられている。各収容部14は、長手方向に延伸する網状の長筒体から構成され、植生袋100を内部に保持可能に構成されている。収容部14は、縦方向に位置する複数の縦糸と、該縦糸を連結する横糸とにより構成されて、横糸を表裏に分割してこれら各横糸のそれぞれに各縦糸を横方向に対して交互に編み込むことにより筒状を形成したものである。つまり、収容部14は、2枚のネットが重ね合わされた袋状に形成されている。そして、収容部14は、その長手方向が植生シート11の横方向に沿うように一端から他端に亘って延在している。該収容部14の長手方向の端部の一端又は両端が開口し、筒状の植生袋100を開口から挿入可能に構成されている。
【0035】
植生袋100は、収容部14に収容されることにより、種子付シート13の表面上に載置される。植生袋100は、収容部14に収容されるとともに、ピンやアンカーなどで植生シート11に固定されてもよい。また、植生袋100は、その羽根体105が収容部14内部で表面側に浮き上がり変形できるように保持されている。特には、収容部104の幅は、植生袋100の(羽根体105を含めた)全幅よりも大きく、羽根体105を上から押さえ付けないように構成されている。そして、植生袋100の長手方向が、植生シート11の横方向に沿って配置されている。
【0036】
図5を参照して、本実施形態の植生袋100および植生マット10を法面Gに設置した設置構造について説明する。設置構造において、植生マット10は、その縦方向が法面Gの傾斜方向に沿うように配置され、ピンとしての固定部材18(
図3,4参照)によって法面Gに固定されている。また、固定部材18は、植生袋100を貫通するように配置されている。これにより、植生袋100がずれることなく植生シート11および法面Gに連結され得る。また、植生袋100は、その長手方向が植生マット10の横方向に沿って植生マット10に装着されていることから、斜面の等高線方向に沿って配列している。そして、複数の植生袋100が、法面Gの傾斜方向に配置される。このように、複数の植生袋100が法面Gの傾斜方向に直交する方向に延在することにより、法面流水を堰止めて、より効率的に吸水することができる。
【0037】
また、設置構造において、通水領域をなす底壁部102が法面Gの地面方向および(地面近傍で)傾斜方向を向き、遮水領域をなす頂壁部103が法面Gの地面の反対方向(上方向)および(地面から離隔して)傾斜方向を向いている。すなわち、頂壁部103が、袋体101の内部空間の上半分の緑化材110を上方および側方(傾斜方向または幅方向)から覆っている。頂壁部103が、傘のように緑化材110を覆うことにより、降雨や散水の際、鉛直上方からの降水が袋体101の内部に直接的に流れ込むことが防止される。また、法面Gを流れ落ちる法面流水が、袋体101の内部空間の上半分を直接通過することも防止される。一方で、法面流水は、法面近傍で側方を向く底壁部102を介して、植生袋100の内部に入り込む。水分は、まず、袋体101の内部空間の下半分の緑化材110に吸収され、緩やかに上半分へと浸透する。例えば、降雨や散水の後の晴天時において、植生袋100に吸水された水分は、底壁部102を介して、植生植物の生育を補助するために地面へと徐々に供給される。
【0038】
また、各植生袋100の羽根体105は、収容部14内部で種子付シート13の表面に接触するように垂れ下がっている。つまり、羽根体105は、底壁部102と隣接または近接する位置で種子付シート13(または地面)に接触している。羽根体105は、その延出方向が法面Gの傾斜方向と直交する方向(等高線)に沿うとともに、その長手方向が法面Gの等高線に沿うように配置されている。そして、羽根体105は、可動部107が植生シート11表面に接することで、植生シート11および土壌表面を植生マット10の横方向全体に亘って上方から覆っている。このように、遮水性の羽根体105が植生シート11および土壌表面を覆うことにより、降雨等によって土壌に蓄えられた水分が法面Gの土壌表面から蒸散することを抑えるように機能する。
【0039】
次に、植生マット10を法面Gに設置した設置構造の経時変化について説明する。
図6は、植生マット10の法面G設置後の発芽期の形態を示す模式図である。
図7は、植生マット10の法面G設置後の生育前期の形態を示す模式図である。
図8は、植生マット10の法面G設置後の生育後期の形態を示す模式図である。
【0040】
図6に示す植生マット10の設置構造では、数回の降雨などを経て、植生シート11の種子付シート13の種子から植生植物Pが発芽している。この発芽期において、羽根体105の下側には、比較的多くの水分が蓄えられていることから、植生植物Pが発芽し易い。そして、羽根体105の下側で植生シート11表面から発芽した植生植物Pによって、羽根体105の可動部107が、収容部14の内部で上側に持ち上げられる。つまり、発芽期の設置構造では、羽根体105が植生シート11表面から浮き上がっている。発芽した植生植物Pの生長に必要な通気性や日照を確保しつつ、羽根体105が植生シート11を近接した位置で上方から覆うことで、法面Gの土壌表面からの水分の蒸散を抑えることができる。また、羽根体105が植生植物Pに対面して接触または近接していることから、羽根体105には、土壌表面や植生植物Pから蒸発した水分が露Dとして付着する。つまり、羽根体105は、植生植物Pから蒸発する水分を水滴としてその表面に保持することができる。これにより、生育環境における水切れを抑え、羽根体105付近の植生植物Pの生長を促進することができる。
【0041】
図7に示す植生マット10の設置構造では、植生植物Pが発芽期の後の生育前期にある。
図7に示すように、この段階では、植生植物Pが比較的大きく生長し、それに伴い、羽根体105の可動部107が収容部14の内部で反り上がるように変形している。このとき、羽根体105が、植生植物Pに側方から対面して接触または近接しているので、この段階でも同様に、羽根体105には、土壌表面や植生植物Pから蒸発した水分が露Dとして付着する。露Dは、羽根体105表面だけでなく、羽根体105に隣接する植生植物Pの表面にも付着している。
【0042】
図8に示す植生マット10の設置構造では、植生植物Pが生育前期からさらに生長した生育後期にある。
図8に示す段階では、植生植物Pが繁茂し、それに伴い、羽根体105が植生植物Pの茂みに隠れるとともに、可動部107が収容部14の内部で法面Gに略直角に立ち上がるように変形している。このとき、羽根体105が植生植物Pに側方から対面して接触または近接しているので、植生植物Pが繁茂しても継続的に、羽根体105が植生植物Pから蒸発した水分を表面に保持することができる。露Dは、羽根体105表面に加え、より広い範囲の植生植物Pの表面にも付着している。つまり、露Dは、隣接する植生植物Pを伝って全体に広がる。
【0043】
このように、本実施形態の植生袋100を装着した植生マット10は、羽根体105が植生植物Pから蒸発した水分を露Dとして捕集し、植生植物Pに水分を継続的に補給することを可能とする。そして、羽根体105の表面に保持された水滴により、羽根体105の周辺領域の湿度が結果的に上昇し、植生植物Pの表面へと露Dの形成が連鎖的に拡大する。したがって、植生マット10は、降雨の頻度が少ない環境であっても、植生植物Pから蒸散した水分を再利用するべく露の生成を促進させることで、植生植物Pへの乾燥害を効果的に抑え、植生緑化の早期化を実現することが可能である。
【0044】
続いて、植生マット10を用いて法面Gを緑化する方法について説明する。まず、法面Gの緑化すべき領域の面積に合わせて、所定の寸法の1または複数の植生シート11を準備する。植生シート11の縦方向が法面Gの傾斜方向に沿うように、植生シート11を法面Gに敷設する。そして、植生シート11の収容部14の一部または全部に、複数の植生袋100を差し込む。なお、複数の植生袋100は、植生シート11に敷設前に予め装着されていてもよいが、植生シート11の敷設後に装着されてもよい。次に、複数の固定部材18を植生マット10を貫通させて法面Gに打設する。いくつかの固定部材18は、植生袋100を貫通するように打設されることが好ましい。以上の工程を経て、植生マット10を法面Gに設置し、法面Gの保護および緑化を促進することができる。
【0045】
発明者らは、上述した本発明の植生マットの作用効果を確認するために実証試験を行った。実証試験は、法面と同様の環境を擬似的に構築するように、約45度傾斜させて設置したトレイに土壌を形成し、土壌表面に各種形態の植生マットを設置し、そして、その経時変化を観察することによって実施された。この実証試験は、外部からの立ち入りが禁止された完全に非公開の敷地内において、3月上旬~4月下旬の植物の生育に適切な気候の下、屋外にて実施された。
【0046】
実施例1の植生マットは、
図1および
図2に示した植生袋を植生シートに装着したものであり、
図3および
図4に示した植生マットと同様の形態を有するように準備された。具体的には、種子付シート表面に2重織ネットからなる網状シートが貼り合わされることで植生シートが形成され、網状シートの収容部に植生袋が挿入された。袋体の頂壁部と羽根体が、遮水性および断熱性を有する所定厚の発泡ポリエチレンシートで一体的に形成されたとともに、底壁部が透水性を有する不織布から形成された。また、袋体の内部には、土壌改良材を充填した。そして、ピンによって植生袋および植生シートが土壌に固定された。本実施例では、羽根体の延出長さを20mmとし、羽根体の厚みを1.0mm(面積当たりの重量26g/m
2)とした。
【0047】
図9(a)、(b)は、実証試験における比較例1、2の植生袋および植生マットの形態を模式的に示している。なお、各要素の符番は
図5に対応するように付された。比較例の植生シートは、実施例のものと同じものが用いられた。
図9(a)に示す比較例1の植生袋は、袋体全体が透水性を有する不織布から形成された。
図9(b)に示す比較例2の植生袋は、袋体の頂壁部が、遮水性および断熱性を有する所定厚の発泡ポリエチレンシートで一体的に形成されたとともに、底壁部が透水性を有する不織布から形成された。比較例2の発泡ポリエチレンシートの厚みは、実施例のものと同じである。つまり、実施例の植生袋と、比較例2の植生袋とでは、羽根体の有無について相違するだけである。
【0048】
図10は、設置直後の状態の実施例および比較例1,2の植生マットの写真を示している。評価方法として、植生マットを
図10の設置直後の状態から4週経過後および6週経過後に種子付シートからの種子の発芽状態および植生植物の生育状態を撮影および観察して、実施例および比較例を目視により比較した。また、4週経過後および6週経過後の試料について、目視による観察により、植生シート表面の植生植物の割合に基づいて緑化被覆率を計測し、さらに、植生植物の草丈の最大値を測定した。
【0049】
図11および
図12は、それぞれ、実証試験の試験結果として、植生マットを設置してから4週および6週経過後の実施例および比較例1,2の植生マットの写真を示している。
図11および
図12に示すように、4週および6週経過した試料において、実施例と比較例1、2との間で植生植物の生長の差が有意に観察された。その観察結果を以下の表1に示す。
【0050】
【0051】
図11および表1に示すように、4週経過後の観察結果によれば、実施例の緑化被覆率が5~10%であるのに対し、比較例1,2の緑化被覆率が5%未満である。また、最大草丈の結果から、実施例の方が比較例1,2よりも生長が早いことがわかる。つまり、実施例1の植生袋(または植生マット)は、斜面の植生緑化において、比較例1、2の植生袋に対して有利な結果を示している。そして、実施例1では、羽根体が、植生植物の生長に伴い、反り上がるように変形していることが観察された。
【0052】
図12および表1に示すように、6週経過後の観察結果によれば、4週経過後の観察結果よりも、実施例、比較例1,2の間の差異がより顕著に出ている。実施例の緑化被覆率が30~40%であるのに対し、比較例1,2の緑化被覆率がそれぞれ、20%未満、30%未満である。また、最大草丈の結果から、実施例の方が比較例1,2よりも生長が早いことがわかる。つまり、実施例1の植生袋(または植生マット)は、斜面の植生緑化において、比較例1、2の植生袋に対して有利な結果を示している。そして、実施例では、羽根体が、植生植物の繁茂に伴い、ほぼ斜面に対して略直角に立ち上がるように変形していることが観察された。
【0053】
以上の観察結果を考察すると、従来の袋体全体を透水シート(不織布)とした植生袋(比較例1)に対して、袋体の一部を遮水シートとした植生袋(比較例2)の方が、植生植物の生長が効果的に促進されることが分かった。さらに、比較例2と実施例とを比較すると、羽根体の有無によって、緑化被覆率に顕著な差異が生じることが分かった。したがって、本試験により、実施例の植生袋(または植生マット)は、比較例1、2の植生マットと対比して、羽根体が発芽期から生育後期に亘って植生植物に対して水分を継続的に補給するように機能することにより、植生植物の乾燥害を抑えるとともに植生植物の早期導入が可能となることが実証された。
【0054】
以上を踏まえ、本発明の一実施形態の植生袋100の作用効果について説明する。
【0055】
本実施形態の植生袋100によれば、袋体101が地面に設置された状態で、植生植物Pが地面(または植生シート11)から発芽または生長すると、植生植物Pによって、羽根体105が地面から浮き上がるように持ち上げられる。そして、持ち上げられた羽根体105は、発芽または生長した植生植物Pに近接または接触するとともに、植生植物Pの上方および/または側方から対向するように延在し得る。このとき、羽根体105が遮水性であることから、羽根体105が植生植物から蒸散した水蒸気から露の形成を促し、羽根体105の表面に露が水滴として付着する。羽根体105表面に付着した水滴によって、羽根体105の周囲領域の湿度が上昇し、少なくとも羽根体105の周囲領域において、植生植物Pの表面への露の形成が連鎖的に拡がる。これにより、植生袋100は、植生植物Pに継続的に水分を供給し、植生植物Pの乾燥害を効果的に抑えることが可能である。したがって、本実施形態の植生袋100は、地面をより早期かつ効率的に緑化することを可能とするものである。
【0056】
本発明は、上記実施形態に限定されず、さらなる実施形態および種々の変形例を取り得る。以下、本発明の別実施形態および変形例を説明する。なお、別実施形態および各変形例において、符番が共通する構成要素は、説明がない限り、同一又は類似の特徴を有し、その説明を一部省略する。
【0057】
(1)本発明の植生袋は、上記実施形態に限定されず、種々の形態を取り得る。
図13に示す植生袋100Aのように、羽根体105は、袋体101の幅方向のいずれか一方から延び出るように形成されてもよい。
図11および
図12に示されるように、植生袋の斜面の下方よりも上方に植生植物が繁茂し易いことから、植生袋100Aは、斜面に設置される際、羽根体105が上方に位置するように配置されることが好ましいといえる。本実施形態の植生袋100Aも同様に、1つの羽根体105が地面を覆って保水性を発揮することで、従来技術と比べて地面をより早期かつ効率的に緑化することを可能とするものである。
【0058】
(2)本発明の植生袋は、上記実施形態に限定されず、種々の形態を取り得る。
図14に示す植生袋100Bのように、袋体101Bを通水シートのみで形成し、別体として、羽根体105を袋体101Bに連結するようにしてもよい。羽根体105は、袋体101Bに対して、接着剤、テープ、縫合などの任意の手段によって連結され得る。本実施形態の植生袋100Bも同様に、羽根体105が地面を覆って保水性を発揮することで、従来技術と比べて地面をより早期かつ効率的に緑化することを可能とするものである。
【0059】
(3)本発明の植生袋は、上記実施形態に限定されず、種々の形態を取り得る。
図15に示す植生袋100Cのように、袋体101Cの底壁部102が遮水性材料で形成され、頂壁部103が透水性材料で形成され、そして、遮水性の羽根体105が底壁部102と一体的に形成されてもよい。本実施形態の植生袋100Cも同様に、羽根体105が地面を覆って保水性を発揮することで、従来技術と比べて地面をより早期かつ効率的に緑化することを可能とするものである。
【0060】
(4)本発明の植生袋は、上記実施形態に限定されず、種々の形態を取り得る。上記実施形態では、植生袋は、植生マットの一部として植生シートに装着されて使用されたが、地面に直接配置されて使用されてもよい。
【0061】
(4)本発明の植生袋は、上記実施形態に限定されず、種々の形態を取り得る。上記実施形態では、植生袋の袋体は、長筒形状を有しているが、袋体の形状は、長筒形状に限定されず、設置される環境に応じて、当業者によってその形状が適宜選択または変更されてもよい。
【0062】
(5)本発明の植生マットは、上記実施形態に限定されず、種々の形態を取り得る。上記実施形態では、植生シートは、網状シートと種子付シートとの組みあわせによって形成されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、植生シートは、種子付シートを含まずに、網状シートのみで構成されてもよい。あるいは、植生シートは、網状シートを含まずに、単層状または多層状の不織布、織布、紙等で構成されてもよい。そして、植生袋は、植生シート上に載置され、ピンや接着剤などで固定されて配置されてもよい。
【0063】
(6)上記実施形態では、植生袋および植生マットが法面の緑化に用いられているが、本発明の植生袋および植生マットは法面以外の緑化にも使用されてもよい。
【0064】
なお、本発明は上述した複数の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
【符号の説明】
【0065】
10 植生マット
11 植生シート
12 網状シート
13 種子付シート
14 収容部
18 固定部材
100 植生袋
101 袋体
102 底壁部
103 頂壁部
105 羽根体
106 連結部
107 可動部
110 緑化材
G 法面
P 植生植物
D 水滴