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特開2024-33932制御装置、制御方法、及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033932
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B60R 99/00 20090101AFI20240306BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20240306BHJP
【FI】
B60R99/00 320
B60W50/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137858
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 達朗
(72)【発明者】
【氏名】相良 真史
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA60
3D241BB03
3D241CE05
3D241DC33Z
3D241DC34Z
(57)【要約】
【課題】移動体の停止が必要な位置までの距離を把握しやすくすることが可能な制御装置を提供する。
【解決手段】車両10の周辺の認識結果を表す外界認識画像60を取得する外界認識部55と、外界認識画像60をタッチパネル42に表示させる表示制御部56と、を備える。表示制御部56は、車両10の移動停止が必要な位置を表す停止ガイド80a~80dを、外界認識画像60に重畳してタッチパネル42に表示させることが可能であり、停止ガイド80a~80dを外界認識画像60に重畳する場合において、外界認識画像60に含まれている車両10のバンパー180と停止ガイド80a~80dとが重なるか否かに応じて、停止ガイド80a~80dの表示態様を異ならせる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の周辺の認識結果を表す外界認識画像を取得する外界認識部と、
前記外界認識画像を表示装置に表示させる表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、
前記移動体の移動停止が必要な位置を表す停止ガイドを、前記外界認識画像に重畳して前記表示装置に表示させることが可能であり、
前記停止ガイドを前記外界認識画像に重畳する場合において、前記外界認識画像に含まれている前記移動体の特定部位と前記停止ガイドとが重なるか否かに応じて、前記停止ガイドの表示態様を異ならせる、
制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記表示制御部は、前記外界認識画像に含まれている前記特定部位と前記停止ガイドとが重なる場合、前記停止ガイドのうち前記特定部位と重なる領域と前記停止ガイドのうち他の領域とで前記表示態様を異ならせる、
制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の制御装置であって、
前記表示制御部は、前記外界認識画像に含まれている前記特定部位と前記停止ガイドとが重なる場合、前記停止ガイドのうち前記特定部位と重なる領域を非表示とする、
制御装置。
【請求項4】
請求項2に記載の制御装置であって、
前記表示制御部は、前記外界認識画像に含まれている前記特定部位と前記停止ガイドとが重なる場合、前記停止ガイドのうち前記特定部位と重なる領域の透過率を、前記停止ガイドのうち他の領域の透過率より低くする、
制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の制御装置であって、
前記外界認識画像に含まれている前記特定部位と前記停止ガイドとが重なる場合における前記停止ガイドのうち前記特定部位と重なる領域の透過率がユーザにより選択可能である、
制御装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置であって、
前記移動体の周辺における障害物を認識する障害物認識部を更に備え、
前記表示制御部は、前記障害物と前記移動体との接近に基づいて、前記外界認識画像に前記停止ガイドを重畳する、
制御装置。
【請求項7】
移動体の周辺の認識結果を表す外界認識画像を取得する外界認識部を備え、前記外界認識画像を表示装置に表示させる制御装置が、
前記移動体の移動停止が必要な位置を表す停止ガイドを、前記外界認識画像に重畳して前記表示装置に表示させることを可能にし、
前記停止ガイドを前記外界認識画像に重畳する場合において、前記外界認識画像に含まれている前記移動体の特定部位と前記停止ガイドとが重なるか否かに応じて、前記停止ガイドの表示態様を異ならせる、
制御方法。
【請求項8】
移動体の周辺の認識結果を表す外界認識画像を取得する外界認識部を備え、前記外界認識画像を表示装置に表示させる制御装置のプロセッサに、
前記移動体の移動停止が必要な位置を表す停止ガイドを、前記外界認識画像に重畳して前記表示装置に表示させることを可能にし、
前記停止ガイドを前記外界認識画像に重畳する場合において、前記外界認識画像に含まれている前記移動体の特定部位と前記停止ガイドとが重なるか否かに応じて、前記停止ガイドの表示態様を異ならせる、
処理を実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて運転支援技術に関する研究開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。
【0003】
従来、駐車時等の車両移動時において、車載カメラ等で撮像した車両周辺の映像を車両の表示装置に表示することが知られている。また、周辺車両や障害物への接近に伴って、車両周辺映像に停止ガイドを重畳して表示することが知られている。特許文献1には、車両用視界モニタシステムの表示画面において、障害物検知センサが検知した検知情報と、車両の操舵角に対応して車両が進行する移動予測軌跡範囲の情報とが、路面上から垂直方向に起立する表示シンボルに変換されて車両周辺画像に重畳して表示されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-45602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、車両前方に設けられた前方カメラと、車両後方に設けられた後方カメラと、では取り付け位置、取付角度、画角等が異なることが多い。このため、例えば、後方カメラによる周辺画像においては自車両のバンパー(特定部位)が映り込んでおり、運転者は周辺画像における自車両のバンパーと停止ガイドとの関係を頼りに障害物までの距離を容易に把握できるが、前方カメラによる周辺画像においては自車両のバンパーが映り込んでおらず、障害物までの距離を容易に把握できずに不安を感じる場合がある。
【0006】
これに対して、前方カメラの取り付け位置、取付角度、画角等の変更により、前方カメラによる周辺画像においても自車両のバンパーが映り込むようにすることも考えられるが、自車両が障害物に最接近すると、周辺画像において停止ガイドと自車両のバンパーとが重なってしまう場合がある。この場合、停止ガイドは周辺画像に対して手前側に見えるように重畳されるため、運転者からは自車両のバンパーの手前に停止ガイドがあるように見え、障害物までの距離の把握が困難になる場合がある。
【0007】
このように、運転支援技術においては、移動体の停止が必要な位置を示す停止ガイドを周辺画像に重畳して表示することが提案されているが、望ましい表示態様についてはさらなる改善の余地がある。
【0008】
本発明は、移動体の停止が必要な位置までの距離を把握しやすくすることが可能な制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することを目的とする。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
移動体の周辺の認識結果を表す外界認識画像を取得する外界認識部と、
前記外界認識画像を表示装置に表示させる表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、
前記移動体の移動停止が必要な位置を表す停止ガイドを、前記外界認識画像に重畳して前記表示装置に表示させることが可能であり、
前記停止ガイドを前記外界認識画像に重畳する場合において、前記外界認識画像に含まれている前記移動体の特定部位と前記停止ガイドとが重なるか否かに応じて、前記停止ガイドの表示態様を異ならせる、
制御装置である。
【0010】
本発明は、
移動体の周辺の認識結果を表す外界認識画像を取得する外界認識部を備え、前記外界認識画像を表示装置に表示させる制御装置が、
前記移動体の移動停止が必要な位置を表す停止ガイドを、前記外界認識画像に重畳して前記表示装置に表示させることを可能にし、
前記停止ガイドを前記外界認識画像に重畳する場合において、前記外界認識画像に含まれている前記移動体の特定部位と前記停止ガイドとが重なるか否かに応じて、前記停止ガイドの表示態様を異ならせる、
制御方法である。
【0011】
本発明は、
移動体の周辺の認識結果を表す外界認識画像を取得する外界認識部を備え、前記外界認識画像を表示装置に表示させる制御装置のプロセッサに、
前記移動体の移動停止が必要な位置を表す停止ガイドを、前記外界認識画像に重畳して前記表示装置に表示させることを可能にし、
前記停止ガイドを前記外界認識画像に重畳する場合において、前記外界認識画像に含まれている前記移動体の特定部位と前記停止ガイドとが重なるか否かに応じて、前記停止ガイドの表示態様を異ならせる、
処理を実行させるための制御プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、移動体の停止が必要な位置までの距離を把握しやすくすることが可能な制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の制御装置によって移動制御される車両10の側面図である。
図2図1に示した車両10の上面図である。
図3図1に示した車両10の内部構成の一例を示すブロック図である。
図4】演算部52による処理の一例を示すフローチャートである。
図5】前方認識画像61(外界認識画像60)及び俯瞰画像65に重畳して表示される停止ガイドの第1の表示態様を示す図である。
図6】前方認識画像61(外界認識画像60)及び俯瞰画像65に重畳して表示される停止ガイドの第2の表示態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の制御装置、制御方法、及び制御プログラムの一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。また、本明細書等では説明を簡単かつ明確にするために、前後、左右、上下の各方向は、図1及び図2に示す車両10の運転者から見た方向に従って記載し、図面には、車両10の前方をFr、後方をRr、左方をL、右方をR、上方をU、下方をD、として示す。
【0015】
<本発明の制御装置によって移動制御される車両10>
図1は、本発明の制御装置によって移動制御される車両10の側面図である。図2は、図1に示した車両10の上面図である。車両10は、本発明の移動体の一例である。
【0016】
車両10は、駆動源(図示略)と、駆動源の動力によって駆動される駆動輪及び転舵可能な転舵輪を含む車輪と、を有する自動車である。本実施形態では、車両10は、左右一対の前輪及び後輪を有する四輪の自動車である。車両10の駆動源は、例えば電動機である。なお、車両10の駆動源は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であってもよいし、電動機と内燃機関との組み合わせであってもよい。また、車両10の駆動源は、左右一対の前輪を駆動してもよいし、左右一対の後輪を駆動してもよいし、左右一対の前輪及び後輪の四輪を駆動してもよい。前輪及び後輪は、双方が転舵可能な転舵輪であってもよいし、いずれか一方が転舵可能な転舵輪であってもよい。
【0017】
車両10は、さらにサイドミラー11L,11Rを備える。サイドミラー11L,11Rは、車両10の前席ドアの外側に設けられた、運転者が後方及び後側方を確認するためのミラー(バックミラー)である。サイドミラー11L,11Rは、それぞれ垂直方向に延びる回転軸によって車両10の本体に固定されており、この回転軸を中心に回転することにより開閉可能である。
【0018】
車両10は、さらに前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rを備える。前方カメラ12Frは、車両10の前方に設けられ、車両10の前方を撮像するデジタルカメラである。後方カメラ12Rrは、車両10の後方に設けられ、車両10の後方を撮像するデジタルカメラである。左側方カメラ12Lは、車両10の左のサイドミラー11Lに設けられ、車両10の左側方を撮像するデジタルカメラである。右側方カメラ12Rは、車両10の右のサイドミラー11Rに設けられ、車両10の右側方を撮像するデジタルカメラである。
【0019】
<車両10の内部構成>
図3は、図1に示した車両10の内部構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、車両10は、センサ群16と、ナビゲーション装置18と、制御ECU(Electronic Control Unit)20と、EPS(Electric Power Steering)システム22と、通信部24と、を有する。車両10は、さらに駆動力制御システム26と、制動力制御システム28と、を有する。
【0020】
センサ群16は、制御ECU20による制御に用いられる各種の検出値を取得する。センサ群16には、前方カメラ12Frと、後方カメラ12Rrと、左側方カメラ12Lと、右側方カメラ12Rとが含まれる。また、センサ群16には、前方ソナー群32aと、後方ソナー群32bと、左側方ソナー群32cと、右側方ソナー群32dとが含まれる。また、センサ群16には、車輪センサ34a,34bと、車速センサ36と、操作検出部38とが含まれる。なお、センサ群16にはレーダを含めてもよい。
【0021】
前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rは、車両10の周辺を撮像することにより、車両10の周辺を認識するための認識データ(例えば、外界認識画像)を取得する。前方カメラ12Frによって撮像される外界認識画像は前方認識画像と称される。後方カメラ12Rrによって撮像される外界認識画像は後方認識画像と称される。左側方カメラ12Lによって撮像される外界認識画像は左側方認識画像と称される。右側方カメラ12Rによって撮像される外界認識画像は右側方認識画像と称される。左側方認識画像と右側方認識画像とによって構成される画像を側方認識画像と称してもよい。前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、右側方カメラ12Rの各撮像データを合成することにより生成される外界認識画像を車両10の俯瞰画像と称してもよい。
【0022】
前方ソナー群32aと、後方ソナー群32bと、左側方ソナー群32cと、右側方ソナー群32dとは、車両10の周辺に音波を発射すると共に、他物体からの反射音を受信する。前方ソナー群32aは、例えば4つのソナーを含む。前方ソナー群32aを構成するソナーは、車両10の左斜め前方、前方左側、前方右側及び右斜め前方にそれぞれ設けられている。後方ソナー群32bは、例えば4つのソナーを含む。後方ソナー群32bを構成するソナーは、車両10の左斜め後方、後方左側、後方右側及び右斜め後方にそれぞれ設けられている。左側方ソナー群32cは、例えば2つのソナーを含む。左側方ソナー群32cを構成するソナーは、車両10の左側部前方及び左側部後方にそれぞれ設けられている。右側方ソナー群32dは、例えば2つのソナーを含む。右側方ソナー群32dを構成するソナーは、車両10の右側部前方及び右側部後方にそれぞれ設けられている。
【0023】
車輪センサ34a,34bは、車両10の車輪の回転角度を検出する。車輪センサ34a,34bは、角度センサによって構成されていてもよいし、変位センサによって構成されていてもよい。車輪センサ34a,34bは、車輪が所定角度回転する毎に検出パルスを出力する。車輪センサ34a,34bから出力される検出パルスは、車輪の回転角度及び車輪の回転速度の算出に用いられる。車輪の回転角度に基づいて、車両10の移動距離が算出される。車輪センサ34aは、例えば、左後輪の回転角度θaを検出する。車輪センサ34bは、例えば、右後輪の回転角度θbを検出する。
【0024】
車速センサ36は、車両10の車体の速度、すなわち車速Vを検出し、検出した車速Vを制御ECU20に出力する。車速センサ36は、例えば、トランスミッションのカウンタシャフトの回転に基づいて車速Vを検出する。
【0025】
操作検出部38は、操作入力部14を用いて行われるユーザによる操作内容を検出し、検出した操作内容を制御ECU20に出力する。操作入力部14には、例えばサイドミラー11L,11Rの開閉状態を切り替えるサイドミラースイッチや、シフトレバー(セレクトレバーやセレクタ)など各種のユーザインタフェースが含まれる。
【0026】
ナビゲーション装置18は、例えばGPS(Global Positioning System)を用いて車両10の現在位置を検出すると共に、目的地までの経路をユーザに案内する。ナビゲーション装置18は、地図情報データベースが備えられた不図示の記憶装置を有する。
【0027】
ナビゲーション装置18には、タッチパネル42と、スピーカ44とが備えられている。タッチパネル42は、制御ECU20の入力装置及び表示装置として機能する。スピーカ44は、車両10のユーザに対して各種の案内情報を音声で出力する。
【0028】
タッチパネル42は、制御ECU20に対する各種の指令を入力することができるように構成されている。例えば、ユーザは、タッチパネル42を介して、車両10の外界認識画像を表示させる指令を入力することが可能である。また、タッチパネル42は、制御ECU20の制御内容に関する各種の画面を表示するように構成されている。例えば、タッチパネル42には、車両10の外界認識画像が表示される。なお、タッチパネル42以外の構成要素、例えばHUD(Head-Up Display)、スマートフォン、タブレット端末等を入力装置又は表示装置として用いるようにしてもよい。
【0029】
制御ECU20は、入出力部50と、演算部52と、記憶部54とを有する。演算部52は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって構成される。演算部52は、記憶部54に記憶されているプログラムに基づいて各部を制御することにより各種の制御を行う。また、演算部52は、入出力部50を介して、制御ECU20に接続される各部との間で信号を入出力する。
【0030】
演算部52は、外界認識画像を認識する外界認識部55と、外界認識画像を表示制御する表示制御部56と、車両10周辺の障害物を認識する障害物認識部57と、を有する。演算部52は、本発明の制御装置の一例である。
【0031】
外界認識部55は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、右側方カメラ12Rによって撮像された車両10の周辺画像の認識結果を表す外界認識画像を各カメラから取得する。
【0032】
表示制御部56は、外界認識部55によって取得された外界認識画像を車両10の表示装置に表示させる。具体的には、表示制御部56は、前方カメラ12Frによって撮像される前方認識画像、後方カメラ12Rrによって撮像される後方認識画像、左側方カメラ12Lによって撮像される左側方認識画像、及び右側方カメラ12Rによって撮像される右側方認識画像をタッチパネル42に表示させる。また、表示制御部56は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、右側方カメラ12Rの各撮像データを合成することにより生成される車両10の俯瞰画像をタッチパネル42に表示させる。
【0033】
また、表示制御部56は、車両10の移動停止が必要な位置を表す停止ガイドを、外界認識画像に重畳してタッチパネル42に表示させる。停止ガイドは、例えば、車両10の停止が必要であることを表すガイド、すなわち障害物に接近したことを警告するガイドであり、例えば、縦看板のように表示される。停止ガイドは、透過性を有する。
【0034】
表示制御部56は、停止ガイドを外界認識画像に重畳する場合において、外界認識画像に含まれている車両10の特定部位と停止ガイドとが重なるか否かに応じて、停止ガイドの表示態様を異ならせる。車両10の特定部位は、一例としては車両10のバンパーである。具体的には、表示制御部56は、外界認識画像に含まれている車両10のバンパーと停止ガイドとが重なる場合、停止ガイドのうち車両10のバンパーと重なる領域と停止ガイドのうち他の領域とで、停止ガイドの表示態様を異ならせる。
【0035】
例えば、表示制御部56は、外界認識画像に含まれている車両10のバンパーと停止ガイドとが重なる場合、停止ガイドのうち車両10のバンパーと重なる領域を非表示とする。これにより、当該領域には車両10のバンパーが表示され、運転者からは、車両10のバンパーの奥に停止ガイドがあるように見える。
【0036】
又は、表示制御部56は、外界認識画像に含まれている車両10のバンパーと停止ガイドとが重なる場合、停止ガイドのうち車両10のバンパーと重なる領域の透過率を、停止ガイドのうち他の領域の透過率より低くしてもよい。これにより、当該領域において停止ガイドが視認しにくくなり、運転者からは、車両10のバンパーの奥に停止ガイドがあるように見える。一例として、表示制御部56は、停止ガイドのうち車両10のバンパーと重ならない領域の透過率を50%程度とし、停止ガイドのうち車両10のバンパーと重なる領域の透過率を90%程度とする。なお、この場合の停止ガイドのうち車両10のバンパーと重なる領域の透過率は、ユーザからの操作により選択可能としてもよい。
【0037】
また、表示制御部56は、例えば、車両10の周辺に検出された障害物と車両10との距離が所定以下に近づいたときに、停止ガイドを外界認識画像に重畳して表示する。
【0038】
障害物認識部57は、車両10の周辺に存在する障害物を認識する。障害物認識部57は、例えば、車両10を駐車する際に、車両10の目標となる駐車位置の周辺に障害物が存在するか否か、あるいは車両10を出庫する際に、現在の車両10の駐車位置の周辺に障害物が存在するか否か認識する。障害物とは車両10の走行の妨げになる物、例えば、壁、柱、他車両、人間等が挙げられる。障害物認識部57としては、例えば、ソナー群32a~32d、カメラ12Fr,12Rr,12L,12R、ライダ(LiDAR)等である。
【0039】
EPSシステム22は、舵角センサ100と、トルクセンサ102と、EPSモータ104と、レゾルバ106と、EPS ECU108と、を有する。舵角センサ100は、ステアリング110の舵角θstを検出する。トルクセンサ102は、ステアリング110に加わるトルクTQを検出する。
【0040】
EPSモータ104は、ステアリング110に連結されたステアリングコラム112に対して駆動力又は反力を付与することにより、乗員によるステアリング110の操作支援や駐車支援時の自動操舵を可能とする。レゾルバ106は、EPSモータ104の回転角度θmを検出する。EPS ECU108は、EPSシステム22の全体の制御を司る。EPS ECU108には、入出力部(図示せず)と、演算部(図示せず)と、記憶部(図示せず)とが備えられている。
【0041】
通信部24は、他の通信装置120との間で無線通信を行うことを可能とするものである。他の通信装置120とは、基地局や、他車両の通信装置や、車両10のユーザが携帯するスマートフォンあるいはタブレット端末などである。
【0042】
駆動力制御システム26には、駆動ECU130が備えられている。駆動力制御システム26は、車両10の駆動力制御を実行する。駆動ECU130は、不図示のアクセルペダルに対するユーザによる操作に基づいて、不図示のエンジン等を制御することによって、車両10の駆動力を制御する。
【0043】
制動力制御システム28には、制動ECU132が備えられている。制動力制御システム28は、車両10の制動力制御を実行する。制動ECU132は、不図示のブレーキペダルに対するユーザによる操作に基づいて、不図示のブレーキ機構等を制御することによって、車両10の制動力を制御する。
【0044】
<演算部52による処理>
次に、車両10の演算部52による停止ガイドの表示処理の一例について図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0045】
例えば、車両10を運転するユーザが駐車場で車両10を駐車スペースに駐車させようとしている。車両10は、例えば、低速走行(例えば、15km/h以下)している状態、あるいは停止した状態であるとする。車両10の演算部52は、例えば、車速センサ36の検出値に基づいて車両10の走行状態を検知すると、図4に示す処理を開始する。
【0046】
演算部52の表示制御部56は、外界認識部55により取得される外界認識画像をナビゲーション装置18のタッチパネル42に表示するか否か判定する(ステップS11)。外界認識画像は、例えば、タッチパネル42上に表示される駐車ボタン(図示省略)がタップ操作されると表示される。したがって、表示制御部56は、例えば、ユーザによって駐車ボタンがタップ操作されたか否か判定する。
【0047】
ステップS11において、外界認識画像をタッチパネル42に表示しない場合、すなわち駐車ボタンがタップ操作されていない場合(ステップS11:No)、表示制御部56は、駐車ボタンがタップ操作されるまでステップS11の処理を繰り返して待機する。
【0048】
ステップS11において、外界認識画像をタッチパネル42に表示する場合、すなわち駐車ボタンがタップ操作された場合(ステップS11:Yes)には、表示制御部56は、外界認識画像をタッチパネル42に表示する(ステップS12)。なお、表示制御部56は、例えば、車両10のギヤがリバースにセットされている場合には、後方カメラ12Rrによって撮像された後方認識画像をタッチパネル42に表示する。また、表示制御部56は、例えば、車両10のギヤがドライブ、ニュートラル、パーキング等にセットされている場合には、前方カメラ12Frによって撮像された前方認識画像をタッチパネル42に表示する。
【0049】
次に、表示制御部56は、車両10が障害物に近接しているか否かを判定する(ステップS13)。上述したように、車両10の周辺の障害物は、障害物認識部57によって認識される。障害物に近接しているとは、一例としては、車両10の前端及び後端と車両10周辺の障害物との距離が1m以下となったことをいう。
【0050】
ステップS13において、車両10が障害物に近接していない場合(ステップS13:No)には、表示制御部56は、停止ガイドを外界認識画像に重畳せずに、車両10が障害物に近接するまでステップS13の処理を繰り返して待機する。
【0051】
ステップS13において、車両10が障害物に近接している場合(ステップS13:Yes)には、表示制御部56は、停止ガイドを外界認識画像に重畳すると、停止ガイドと外界認識画像のバンパーとが重なるか否かを判断する(ステップS14)。具体的には、表示制御部56は、外界認識画像のうちの車両10のバンパーが映り込む領域と、車両10と障害物との間の距離等に基づいて算出した停止ガイドの表示領域と、に基づいてステップS14の判断を行う。
【0052】
外界認識画像のうちの車両10のバンパーが映り込む領域は、例えば、制御ECU20において予め設定されている。この領域は、外界認識画像の生成方法毎に設定されていてもよい。外界認識画像の生成方法とは、撮像に用いるカメラ(前方カメラ12Fr又は後方カメラ12Rr)や、そのカメラの設定(撮像方向や画角等)などである。又は、外界認識画像のうちの車両10のバンパーが映り込む領域は、表示制御部56が画像認識によって外界認識画像からバンパーが映り込んでいる領域を認識することによって取得されてもよい。
【0053】
ステップS14において、停止ガイドとバンパーとが重ならない場合(ステップS14:No)は、表示制御部56は、車両10と障害物との間の距離等に基づいて生成した停止ガイドの全体を外界認識画像に重畳してタッチパネル42に表示し(ステップS15)、ステップS17へ移行する。
【0054】
ステップS14において、停止ガイドとバンパーとが重なる場合(ステップS14:Yes)は、表示制御部56は、車両10と障害物との間の距離等に基づいて生成した停止ガイドであって、外界認識画像においてバンパーと重なる部分を非表示とした停止ガイドを外界認識画像に重畳してタッチパネル42に表示し(ステップS16)、ステップS17へ移行する。
【0055】
ステップS15又はステップS16により、停止ガイドが外界認識画像に重畳して表示された状態となり、ユーザは、停止ガイドを参照しながら目標の駐車スペースに車両10を駐車させることが可能になる。
【0056】
ステップS15又はステップS16で停止ガイドを重畳表示した後、表示制御部56は、タッチパネル42に表示している外界認識画像を非表示にするか否か判定する(ステップS17)。外界認識画像は、例えば、タッチパネル42上に表示される終了ボタン(図示省略)がタップ操作される、あるいは車両10の駐車移動が停止されると非表示となる。したがって、表示制御部56は、例えば、ユーザによって終了ボタンがタップ操作されたか否か、あるいは駐車移動が停止されたか否か判定する。また、表示制御部56は、車両10の車速(移動速度)が所定の閾値以上になった場合にも、外界認識画像を非表示にしてもよい。これにより、例えば車両10の運転者が駐車をやめて車両10が通常走行に戻った時などにも外界認識画像を非表示にすることができる。
【0057】
ステップS17において、外界認識画像を非表示にしない場合、例えば終了ボタンがタップ操作されていない場合(ステップS17:No)には、表示制御部56は、ステップS13に戻って各ステップの処理を繰り返し実行する。
【0058】
ステップS17において、外界認識画像を非表示にする場合、例えば終了ボタンがタップ操作された場合(ステップS17:Yes)には、表示制御部56は、外界認識画像をタッチパネル42から非表示にし(ステップS18)、本表示処理を終了する。
【0059】
なお、ステップS16において、外界認識画像においてバンパーと重なる部分を非表示とした停止ガイドを外界認識画像に重畳する処理について説明したが、上述したように、表示制御部56は、外界認識画像においてバンパーと重なる部分の透過率を他の部分の透過率より高くした停止ガイドを外界認識画像に重畳して表示してもよい。
【0060】
<表示制御部56によるガイド表示>
次に、表示制御部56によりタッチパネル42に表示される停止ガイドの一例について図5及び図6を参照して説明する。
【0061】
<第1の表示態様>
図5は、前方認識画像61(外界認識画像60)及び俯瞰画像65に重畳して表示される停止ガイドの第1の表示態様を示す図である。
【0062】
図5に示すように、表示制御部56は、タッチパネル42上に、例えば、第1表示領域42aと第2表示領域42bを生成する。表示制御部56は、第1表示領域42aに、前方カメラ12Frにより撮像された前方認識画像61を表示する。前方認識画像61には、車両10の前方に停車する他車両90の画像が含まれている。また、表示制御部56は、第1表示領域42aに表示される外界認識画像60の種類(前方認識画像、後方認識画像、左側方認識画像、右側方認識画像)を切り替える視点切替ボタン62a,62bを、例えば、第1表示領域42aの下側に表示する。表示制御部56は、第2表示領域42bに、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rの各撮像画像に基づいて生成された車両10の周囲の俯瞰画像65を表示する。
【0063】
図5に示すように、車両10と他車両90との距離が一定未満に近づいた場合、表示制御部56は、前方認識画像61及び俯瞰画像65のそれぞれに、例えば4枚の停止ガイド80a~80dを重畳して表示する。停止ガイド80a~80dは、他車両90の位置に対応するように表示される。停止ガイド80a~80dは、上述したように、車両10の停止が必要であることを表すガイド、すなわち障害物に接近したことを警告するガイドであり、横方向に並列する4枚の縦看板のように表示される。
【0064】
バンパー180は、前方認識画像61に映り込んだ車両10のバンパー(特定部位)である。図5に示す状態では、前方認識画像61におけるバンパー180の領域と、車両10と他車両90との間の距離等に基づいて生成した停止ガイド80a~80dの領域と、が重なっていない。このため、表示制御部56は、停止ガイド80a~80dの全体を前方認識画像61に重畳して第1表示領域42aに表示している。
【0065】
<第2の表示態様>
図6は、前方認識画像61(外界認識画像60)及び俯瞰画像65に重畳して表示される停止ガイドの第2の表示態様を示す図である。
【0066】
図6に示す状態では、図5に示した状態から車両10と他車両90とが更に近づき、車両10と他車両90との間の距離等に基づいて生成した停止ガイド80a~80dの領域が、図5に示した状態よりも手前側に見える領域となっている。その結果、前方認識画像61におけるバンパー180の領域と、車両10と他車両90との間の距離等に基づいて生成した停止ガイド80a~80dの領域と、が重なっている。
【0067】
このため、表示制御部56は、停止ガイド80a~80dのうちバンパー180の領域と重なる領域を非表示として、前方認識画像61に重畳して第1表示領域42aに表示している。これにより、運転者から、バンパー180の手前に停止ガイド80a~80dがあるように見えることを防止することができる。このため、他車両90(障害物)までの距離の把握が運転者にとって困難になることを防止することができる。
【0068】
以上説明したように、演算部52の表示制御部56は、停止ガイド80a~80dを前方認識画像61(外界認識画像60)に重畳する場合において、前方認識画像61に含まれている車両10のバンパー180と停止ガイド80a~80dとが重なるか否かに応じて、停止ガイド80a~80dの表示態様を異ならせる。具体的には、表示制御部56は、前方認識画像61に含まれているバンパー180と停止ガイド80a~80dとが重なる場合、停止ガイド80a~80dのうちバンパー180と重なる領域と停止ガイド80a~80dのうち他の領域とで表示態様を異ならせる。
【0069】
これにより、前方認識画像61に含まれている車両10のバンパー180と停止ガイド80a~80dとが重なる場合の停止ガイド80a~80dの視認性を向上させることが可能になる。このため、車両10の停止が必要な位置までの距離が把握になり、車両10の安全性を向上させることが可能となる。また、車両10の的確な駐車が可能となる。
【0070】
例えば、表示制御部56は、前方認識画像61に含まれているバンパー180と停止ガイド80a~80dとが重なる場合、停止ガイド80a~80dのうちバンパー180と重なる領域を、非表示又は相対的に高い透過率で表示する。これにより、運転者から車両10のバンパー180の手前に停止ガイド80a~80dがあるように見えることを防止し、前方認識画像61に含まれている車両10のバンパー180と停止ガイド80a~80dとが重なる場合の停止ガイド80a~80dの視認性をより向上させることが可能になる。
【0071】
また、前方認識画像61に含まれているバンパー180と停止ガイド80a~80dとが重なる場合における停止ガイド80a~80dのうち停止ガイド80a~80dと重なる領域の透過率は、ユーザ(例えば運転者)により選択可能であってもよい。これにより、ユーザによってガイドの見え方が異なる(見にくい、見やすい)場合でもユーザが停止ガイド80a~80dの透過率を選択できるので、停止ガイド80a~80dの視認性を向上でき、さらに車両10の的確な駐車が可能となる。
【0072】
また、表示制御部56は、他車両90(障害物)と自車両10との接近に基づいて、前方認識画像61に停止ガイド80a~80dを重畳して表示する。これにより、他車両90(障害物)と自車両10が接触する事態を未然に抑制することが可能となり、さらに車両10の的確な駐車が可能となる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
【0074】
例えば、表示制御部56は、停止ガイド(例えば停止ガイド80a~80d)とともに、車両10の進行方向の所定位置を表す移動ガイドを、外界認識画像(例えば前方認識画像61や俯瞰画像65)に重畳してタッチパネル42に表示させてもよい。移動ガイドは、例えば、車両10の幅や車両10の前端及び後端を表すガイドである。移動ガイドは、車両10から一定の距離を開けて常時固定して表示されるガイドである。なお、移動ガイドが表示される固定位置は、車両10の走行速度に応じて変化させるようにしてもよい。具体的には、走行速度が速いほど車両10から開ける一定の距離を大きくしてもよい。
【0075】
また、前方カメラ12Frにより撮像された前方認識画像61に停止ガイドを重畳して表示する場合の処理について説明したが、表示制御部56は、後方カメラ12Rrにより撮像された後方認識画像に停止ガイドを重畳して表示する場合も同様の処理を実行してもよい。
【0076】
なお、前述した実施形態で説明した制御方法は、予め用意された制御プログラムをコンピュータで実行することにより実現できる。本制御プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録され、記憶媒体から読み出されることによって実行される。また、本制御プログラムは、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体に記憶された形で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。本制御プログラムを実行するコンピュータは、制御装置に含まれるものであってもよいし、制御装置と通信可能なスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等の電子機器に含まれるものでもあってもよいし、これら制御装置及び電子機器と通信可能なサーバ装置に含まれるものであってもよい。
【0077】
また、本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0078】
(1) 移動体(車両10)の周辺の認識結果を表す外界認識画像(外界認識画像60)を取得する外界認識部(外界認識部55)と、
前記外界認識画像を表示装置(タッチパネル42)に表示させる表示制御部(表示制御部56)と、を備え、
前記表示制御部は、
前記移動体の移動停止が必要な位置を表す停止ガイド(停止ガイド80a~80d)を、前記外界認識画像に重畳して前記表示装置に表示させることが可能であり、
前記停止ガイドを前記外界認識画像に重畳する場合において、前記外界認識画像に含まれている前記移動体の特定部位と前記停止ガイドとが重なるか否かに応じて、前記停止ガイドの表示態様を異ならせる、
制御装置。
【0079】
(1)によれば、外界認識画像に含まれている移動体の特定部位と停止ガイドとが重なる場合の停止ガイドの視認性を向上させることが可能になる。このため、移動体の停止が必要な位置までの距離が把握になり、移動体の安全性を向上させることが可能となる。
【0080】
(2) (1)に記載の制御装置であって、
前記表示制御部は、前記外界認識画像に含まれている前記特定部位と前記停止ガイドとが重なる場合、前記停止ガイドのうち前記特定部位と重なる領域と前記停止ガイドのうち他の領域とで前記表示態様を異ならせる、
制御装置。
【0081】
(2)によれば、停止ガイドのうち移動体の特定部位と重なる領域のみの表示態様を異ならせることで、外界認識画像に含まれている移動体の特定部位と停止ガイドとが重なる場合の停止ガイドの視認性をより向上させることが可能になる。
【0082】
(3) (2)に記載の制御装置であって、
前記表示制御部は、前記外界認識画像に含まれている前記特定部位と前記停止ガイドとが重なる場合、前記停止ガイドのうち前記特定部位と重なる領域を非表示とする、
制御装置。
【0083】
(3)によれば、運転者から移動体の特定部位の手前に停止ガイドがあるように見えることを防止し、外界認識画像に含まれている移動体の特定部位と停止ガイドとが重なる場合の停止ガイドの視認性をより向上させることが可能になる。
【0084】
(4) (2)に記載の制御装置であって、
前記表示制御部は、前記外界認識画像に含まれている前記特定部位と前記停止ガイドとが重なる場合、前記停止ガイドのうち前記特定部位と重なる領域の透過率を、前記停止ガイドのうち他の領域の透過率より低くする、
制御装置。
【0085】
(4)によれば、運転者から移動体の特定部位の手前に停止ガイドがあるように見えることを防止し、外界認識画像に含まれている移動体の特定部位と停止ガイドとが重なる場合の停止ガイドの視認性をより向上させることが可能になる。
【0086】
(5) (4)に記載の制御装置であって、
前記外界認識画像に含まれている前記特定部位と前記停止ガイドとが重なる場合における前記停止ガイドのうち前記特定部位と重なる領域の透過率がユーザにより選択可能である、
制御装置。
【0087】
(5)によれば、外界認識画像に含まれている移動体の特定部位と停止ガイドとが重なる場合の停止ガイドの表示態様を柔軟に選択可能とすることができる。
【0088】
(6) (1)から(5)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記移動体の周辺における障害物を認識する障害物認識部(障害物認識部57)を更に備え、
前記表示制御部は、前記障害物と前記移動体との接近に基づいて、前記外界認識画像に前記停止ガイドを重畳する、
制御装置。
【0089】
(6)によれば、障害物と移動体が接触する事態を未然に抑制することが可能となり、移動体の安全性を向上させることが可能となる。
【0090】
(7) 移動体の周辺の認識結果を表す外界認識画像を取得する外界認識部を備え、前記外界認識画像を表示装置に表示させる制御装置が、
前記移動体の移動停止が必要な位置を表す停止ガイドを、前記外界認識画像に重畳して前記表示装置に表示させることを可能にし、
前記停止ガイドを前記外界認識画像に重畳する場合において、前記外界認識画像に含まれている前記移動体の特定部位と前記停止ガイドとが重なるか否かに応じて、前記停止ガイドの表示態様を異ならせる、
制御方法。
【0091】
(7)によれば、外界認識画像に含まれている移動体の特定部位と停止ガイドとが重なる場合の停止ガイドの視認性を向上させることが可能になる。このため、移動体の停止が必要な位置までの距離が把握になり、移動体の安全性を向上させることが可能となる。
【0092】
(8) 移動体の周辺の認識結果を表す外界認識画像を取得する外界認識部を備え、前記外界認識画像を表示装置に表示させる制御装置のプロセッサに、
前記移動体の進行方向の所定位置を表す移動ガイドと、前記移動体の移動停止が必要な位置を表す停止ガイドとを、前記外界認識画像に重畳して前記表示装置に表示させることを可能にし、
前記停止ガイドを前記外界認識画像に重畳する場合において、前記外界認識画像に含まれている前記移動体の特定部位と前記停止ガイドとが重なるか否かに応じて、前記停止ガイドの表示態様を異ならせる、
処理を実行させるための制御プログラム。
【0093】
(8)によれば、外界認識画像に含まれている移動体の特定部位と停止ガイドとが重なる場合の停止ガイドの視認性を向上させることが可能になる。このため、移動体の停止が必要な位置までの距離が把握になり、移動体の安全性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0094】
10 車両(移動体)
42 タッチパネル(表示装置)
55 外界認識部
56 表示制御部
57 障害物認識部
60 外界認識画像
80a~80d 停止ガイド
180 バンパー(特定部位)
図1
図2
図3
図4
図5
図6