(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033939
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】サーバ装置
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137868
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中林 大樹
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208CA02
5D208CA11
5D208CG05
(57)【要約】
【課題】カラオケ演奏機能とカーナビゲーション機能を組み合わせたコンテンツを実行可能とするサーバ装置を提供する。
【解決手段】楽曲識別情報、歌唱音声データ、ヒッチハイクルート、及び端末識別情報を取得する第1の取得部、ヒッチハイク端末の端末識別情報を設定する設定部、ヒッチハイク端末から位置情報及び端末識別情報を取得する第2の取得部、ヒッチハイク端末の現在位置がヒッチハイクルート上にあるか否かを判定する判定部、ヒッチハイク端末の現在位置がヒッチハイクルート上にない場合、所定条件を満たす他の車載端末の端末識別情報をヒッチハイク端末の端末識別情報として更新する更新部、ヒッチハイク端末を搭載する車両が任意の地点に到着した場合、ある車載端末から取得した楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ及び歌唱音声データを配信する配信部を有するサーバ装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載端末と通信可能に接続されたサーバ装置であって、
ある利用者が操作するある車載端末のカラオケ演奏機能を用いてカラオケ演奏が行われた楽曲の楽曲識別情報、当該ある利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データ、カーナビゲーション機能を用いて設定された任意の地点を含む車両の移動ルートであるヒッチハイクルート、及び当該ある車載端末の端末識別情報を取得する第1の取得部と、
取得した前記ある車載端末の端末識別情報をヒッチハイク端末の端末識別情報として設定する設定部と、
前記ヒッチハイク端末から、所定のタイミング毎に取得した当該ヒッチハイク端末の現在位置を示す位置情報、及び当該ヒッチハイク端末の端末識別情報を取得し、他の車載端末から、カーナビゲーション機能を用いて設定された目的地を含む車両の移動ルート、所定のタイミング毎に取得した当該他の車載端末の現在位置を示す位置情報、及び当該他の車載端末の端末識別情報を取得する第2の取得部と、
取得された前記ヒッチハイク端末の位置情報が示す現在位置が前記ヒッチハイクルート上にあるか否かを判定する判定部と、
前記ヒッチハイク端末の現在位置が前記ヒッチハイクルート上にないと判定された場合、他の車載端末から取得した移動ルート及び位置情報が所定条件を満たす他の車載端末の端末識別情報を、前記ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新する更新部と、
前記ヒッチハイク端末を搭載する車両が、前記ヒッチハイクルートに含まれる任意の地点に到着したと判断した場合、当該ヒッチハイク端末に対し、前記ある車載端末から取得した楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを配信する配信部と、
を有するサーバ装置。
【請求項2】
前記ヒッチハイク端末の現在位置が前記ヒッチハイクルート上にあると判定された場合、当該現在位置をヒッチハイク位置として登録する登録部を有し、
前記更新部は、他の車載端末の現在位置が前記ヒッチハイク位置に対して所定範囲内にあり、当該他の車載端末から取得した移動ルート上に当該ヒッチハイク位置があり、且つ当該他の車載端末が未だ当該ヒッチハイク位置を通過していない場合に前記所定条件を満たすとして、当該他の車載端末の端末識別情報を、前記ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新することを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記更新部は、あるタイミングにおいて前記所定条件を満たす他の車載端末がない場合、別のタイミングで、他の車載端末から取得した移動ルート及び位置情報が所定条件を満たす他の車載端末の端末識別情報を、前記ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新することを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記ヒッチハイク端末の現在位置が前記ヒッチハイクルート上にないと判定された場合、前記ヒッチハイク端末及び/または前記ある車載端末に対して、前記ヒッチハイク位置を含む第1の情報を通知し、前記所定条件を満たす他の車載端末の端末識別情報が、前記ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新された場合、当該ヒッチハイク端末及び/または前記ある車載端末に対して、前記ヒッチハイク位置を含む第2の情報を通知する通知部を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどの携帯端末に専用のアプリケーションソフトウェアをインストールすることで、様々なサービスを利用することが可能となっている。
【0003】
たとえば、携帯端末でカラオケ演奏音を再生し、カラオケ歌唱に伴う歌唱音声を録音したり、歌唱者の録画を行う等、カラオケ装置と同様のサービスを利用できるカラオケアプリがある(非特許文献1参照)。また、車両の移動ルートの設定や道案内等、カーナビゲーション装置と同様のサービスを利用することができるカーナビゲーションアプリがある(非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】カラオケ@DAM fоr スマホ、[令和4年8月27日検索]、インターネット<URL:https://www.clubdam.com/spkdam/>
【非特許文献2】Yahoo!カーナビ、[令和4年8月27日検索]、インターネット<URL:https://carnavi.yahoo.co.jp/promo/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、カラオケ演奏機能とカーナビゲーション機能を組み合わせたコンテンツを実行可能とする新規なサーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための一の発明は、車両に搭載された車載端末と通信可能に接続されたサーバ装置であって、ある利用者が操作するある車載端末のカラオケ演奏機能を用いてカラオケ演奏が行われた楽曲の楽曲識別情報、当該ある利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データ、カーナビゲーション機能を用いて設定された任意の地点を含む車両の移動ルートであるヒッチハイクルート、及び当該ある車載端末の端末識別情報を取得する第1の取得部と、取得した前記ある車載端末の端末識別情報をヒッチハイク端末の端末識別情報として設定する設定部と、前記ヒッチハイク端末から、所定のタイミング毎に取得した当該ヒッチハイク端末の現在位置を示す位置情報、及び当該ヒッチハイク端末の端末識別情報を取得し、他の車載端末から、カーナビゲーション機能を用いて設定された目的地を含む車両の移動ルート、所定のタイミング毎に取得した当該他の車載端末の現在位置を示す位置情報、及び当該他の車載端末の端末識別情報を取得する第2の取得部と、取得された前記ヒッチハイク端末の位置情報が示す現在位置が前記ヒッチハイクルート上にあるか否かを判定する判定部と、前記ヒッチハイク端末の現在位置が前記ヒッチハイクルート上にないと判定された場合、他の車載端末から取得した移動ルート及び位置情報が所定条件を満たす他の車載端末の端末識別情報を、前記ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新する更新部と、前記ヒッチハイク端末を搭載する車両が、前記ヒッチハイクルートに含まれる任意の地点に到着したと判断した場合、当該ヒッチハイク端末に対し、前記ある車載端末から取得した楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを配信する配信部と、を有するサーバ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カラオケ演奏機能とカーナビゲーション機能を組み合わせたコンテンツを実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係るカラオケシステムを示す図である。
【
図3】実施形態に係るサーバ装置の処理を示すフローチャートである。
【
図4】実施形態に係るヒッチハイクルート及び移動ルートを示した図である。
【
図5】実施形態に係るヒッチハイクルート及び移動ルートを示した図である。
【
図6】実施形態に係るヒッチハイクルート及び移動ルートを示した図である。
【
図7】実施形態に係るヒッチハイクルート及び移動ルートを示した図である。
【
図8】変形例1に係るヒッチハイクルート及び移動ルートを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
図1から
図7を参照して、実施形態に係るカラオケシステムについて説明する。
【0010】
==カラオケシステム==
カラオケシステムは、車載端末及びサーバ装置を含む。
【0011】
車載端末は、車両に搭載される端末である。車載端末は、利用者が所有するスマートフォンやタブレット端末、或いは車両に予め搭載されている専用のコンピュータである。利用者は、車両の運転手や同乗者等、ヒッチハイクコンテンツ(後述)を利用する者である。車載端末は、端末識別情報が付与されている。端末識別情報は、車載端末を識別するための端末ID等、各車載端末に固有の情報である。車載端末は、GPS機能やミュージックプレーヤ機能のような、一般的なスマートフォン等に備えられる機能を有する。また、車載端末は、ディスプレイ等の表示手段、マイク等の集音手段、スピーカ等の放音手段、カメラ等の撮影手段のような、一般的なスマートフォン等に備えられる手段を有する。
【0012】
本実施形態における車載端末には、カラオケ演奏機能とカーナビゲーション機能を組み合わせたヒッチハイクコンテンツを利用するための専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「コンテンツアプリ」)がインストールされている。カラオケ演奏機能は、車載端末においてカラオケ演奏を実行する機能である。カーナビゲーション機能は、車載端末において、現在位置から目的地までの移動ルートを設定し、移動ルートに沿った運転を支援する機能である。また、本実施形態において、カーナビゲーション機能は、現在位置から任意の地点までの移動ルート(ヒッチハイクルート)を設定することができる(詳細は後述)。ヒッチハイクコンテンツは、歌唱音声データに疑似的なヒッチハイクを行わせるコンテンツである(詳細は後述)。コンテンツアプリは、所定のWebサイトからダウンロードすることで入手できる。
【0013】
サーバ装置は、各種情報の管理や処理を行うコンピュータである。サーバ装置は、公衆電話回線網やインターネット回線等のネットワークを介して、車載端末と通信可能に接続される。車載端末において、コンテンツアプリを起動させることにより、当該車載端末とサーバ装置とは通信可能に接続される。
【0014】
本実施形態に係るサーバ装置Sは、ヒッチハイクコンテンツを実行する(詳細は後述)。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、複数の車載端末(
図1では車載端末M1、M2、M3のみを示している)、及びサーバ装置Sを含む。車載端末M1は運転手D1が操作し、車載端末M2は運転手D2が操作し、車載端末M3は運転手D3が操作する。車載端末M1は車両C1に搭載され、車載端末M2は車両C2に搭載され、車載端末M3は車両C3に搭載されている。各車載端末には、コンテンツアプリがインストールされている。
【0016】
==サーバ装置==
図2に示すように、サーバ装置Sは、記憶手段10、通信手段20、及び制御手段30を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0017】
[記憶手段]
記憶手段10は、各種のデータを記憶する記憶装置である。
【0018】
記憶手段10は、楽曲毎のカラオケ演奏データを記憶する。カラオケ演奏データは、カラオケ演奏を行うためのデータ(すなわち、カラオケ演奏音の元となるデータ)である。カラオケ演奏データは、車載端末が備えるミュージックプレーヤ機能やコンテンツアプリで再生可能な形式のデータである。カラオケ演奏データは、楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。
【0019】
[通信手段]
通信手段20は、各車載端末との通信を行うためのインターフェースを提供する。
【0020】
[制御手段]
制御手段30は、サーバ装置Sにおける各種の制御を行う。制御手段30は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0021】
本実施形態においてはCPUがヒッチハイクコンテンツのプログラムを実行することにより、制御手段30は、第1の取得部100、設定部200、第2の取得部300、判定部400、登録部500、更新部600、及び配信部700として機能する。
【0022】
(第1の取得部)
第1の取得部100は、ある利用者が操作するある車載端末から、カラオケ演奏機能を用いてカラオケ演奏が行われた楽曲の楽曲識別情報、当該ある利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データ、ヒッチハイクルート、及び当該ある車載端末の端末識別情報を取得する。
【0023】
ヒッチハイクルートは、カーナビゲーション機能を用いて設定された任意の地点を含む移動ルートである。任意の地点は、ある利用者が、疑似的なヒッチハイクにより歌唱音声データを到着させたいと考える地点である。任意の地点は、カーナビゲーション機能を用いて一般的に設定される目的地とは異なり、ある利用者が到着することを目的とした場所ではない。すなわち、ヒッチハイクルートを設定した車載端末を搭載する車両は、任意の地点に到着することはない。
【0024】
ヒッチハイクコンテンツの利用を希望するある利用者は、車両に乗車した後、ある車載端末を操作してコンテンツアプリを起動させる。
【0025】
ある利用者は、コンテンツアプリが提供するナビゲーション機能を用いて、任意の地点を選択する。ある車載端末は、GPS機能を用いて取得した現在位置(出発地)から、選択された任意の地点までの最適な移動ルート(すなわち、ヒッチハイクルート)を設定する。ある車載端末は、設定したヒッチハイクルートを、ある車載端末が備える記憶手段(図示なし)に記憶させる。ヒッチハイクルートには、任意の地点の位置を示す位置情報が含まれている。ヒッチハイクルートの設定は、公知のナビゲーションシステムで実施されている技術を利用することができる。
【0026】
車両の移動中、ある利用者は、ある車載端末を操作し、カラオケ歌唱を希望する楽曲を選曲する。ある車載端末は、選曲された楽曲の楽曲識別情報を、自己の端末識別情報と紐付けてサーバ装置Sに送信する。
【0027】
サーバ装置Sは、受信した楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データを記憶手段10から読み出し、ある車載端末に送信する。ある車載端末は、コンテンツアプリが提供するカラオケ演奏機能を用いて、受信したカラオケ演奏データに基づくカラオケ演奏を行う。カラオケ演奏の演奏音は、ある車載端末の放音手段(或いは、車両が備えるスピーカ等の放音手段)から放音される。ある利用者は、ある車載端末の集音手段(或いは、車載端末に取り付けられたヘッドセット等の集音手段)を用いてカラオケ歌唱を行う。ある車載端末は、ある利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データを、楽曲識別情報と紐付けて、ある車載端末が備える記憶手段(図示なし)に記憶させる。
【0028】
その後、ある利用者は、ある車載端末を操作し、表示手段上で「ヒッチハイクモード」を選択する。ヒッチハイクモードは、歌唱音声データをヒッチハイク端末(後述)に配信させるためのモードである。ヒッチハイクモードが選択された場合、ある車載端末は、記憶手段(図示なし)に記憶されている楽曲識別情報、歌唱音声データ、及びヒッチハイクルートを、端末識別情報と紐付けてサーバ装置Sに送信する。
【0029】
第1の取得部100は、ある車載端末から受信した、楽曲識別情報、歌唱音声データ、ヒッチハイクルート、及び端末識別情報を記憶手段10の歌唱音声テーブルに記憶させる。
【0030】
(設定部)
設定部200は、取得したある車載端末の端末識別情報を、ヒッチハイク端末の端末識別情報として設定する。
【0031】
ヒッチハイク端末は、ある車載端末から受信した楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データの配信を受ける端末である。
【0032】
設定部200は、取得部100がある車載端末から、楽曲識別情報、歌唱音声データ、ヒッチハイクルート、及び端末識別情報を取得した場合、当該端末識別情報を、記憶手段10の端末IDテーブルに記憶させることにより、ヒッチハイク端末の端末識別情報として設定する。このように、ヒッチハイクコンテンツの利用開始時において、ヒッチハイク端末の端末識別情報は、ある車載端末の端末識別情報となる。
【0033】
(第2の取得部)
第2の取得部300は、ヒッチハイク端末から、所定のタイミング毎に取得した当該ヒッチハイク端末の現在位置を示す位置情報、及び当該ヒッチハイク端末の端末識別情報を取得し、他の車載端末から、カーナビゲーション機能を用いて設定された目的地を含む車両の移動ルート、所定のタイミング毎に取得した当該他の車載端末の現在位置を示す位置情報、及び当該他の車載端末の端末識別情報を取得する。
【0034】
コンテンツアプリを起動した車載端末は、GPS機能を用いて、自己の現在位置を所定のタイミング毎に取得する。所定のタイミングは、たとえば5秒毎のように、予め一のタイミングが設定されている。
【0035】
ヒッチハイク端末は、GPS機能を用いて取得した現在位置を示す位置情報を、端末識別情報と紐付けてサーバ装置Sに送信する。第2の取得部300は、サーバ装置Sから送信されたヒッチハイク端末の位置情報を取得する。第2の取得部300は、取得した位置情報を判定部400、及び配信部700に出力する。
【0036】
他の車載端末は、楽曲識別情報、歌唱音声データ、ヒッチハイクルート、及び端末識別情報をサーバ装置Sに送信した車載端末以外の端末である。他の車載端末は、他の利用者が操作する。
【0037】
ヒッチハイクコンテンツの利用を希望する他の利用者は、車両に乗車した後、他の車載端末を操作してコンテンツアプリを起動させる。
【0038】
他の利用者は、コンテンツアプリが提供するナビゲーション機能を用いて、車両で移動する目的地を選択する。他の車載端末は、GPS機能を用いて取得した現在位置(出発地)から、選択された目的地まで移動する最適な移動ルートを設定する。他の車載端末は、設定した移動ルートを、他の車載端末が備える記憶手段(図示なし)に記憶させる。
【0039】
その後、他の利用者は、他の車載端末を操作し、表示手段上で「歌唱音声データ受信モード」を選択する。歌唱音声データ受信モードは、ある車載端末から取得した歌唱音声データの配信を受けるためのモードである。歌唱音声データ受信モードが選択された場合、他の車載端末は、記憶手段(図示なし)に記憶されている移動ルート、及びGPS機能を用いて取得した現在位置を示す位置情報を、端末識別情報と紐付けサーバ装置Sに送信する。
【0040】
第2の取得部300は、他の車載端末から受信した、移動ルート、位置情報、及び端末識別情報を記憶手段10の受信可能端末テーブルに記憶させる。第2の取得部300は、他の車載端末から位置情報を取得する都度、受信可能端末テーブルに記憶されている位置情報の更新を行う。なお、取得した現在位置と移動ルートに含まれる目的地が一致する場合、他の車載端末を搭載した車両は目的地に到着している。この場合、第2の取得部300は、当該他の車載端末から受信した移動ルート等を受信可能端末テーブルから削除する。
【0041】
(判定部)
判定部400は、取得されたヒッチハイク端末の位置情報が示す現在位置がヒッチハイクルート上にあるか否かを判定する。
【0042】
判定部400は、第2の取得部300で取得された、ヒッチハイク端末の位置情報が示す現在位置が、記憶手段10に記憶されているヒッチハイクルート上にあるか否かを判定する。具体的に、判定部400は、ヒッチハイクルートに対応する複数の座標値の中に、現在位置の座標値と一致するものが含まれているかどうかを確認する。一致する座標値が含まれている場合、ヒッチハイク端末が搭載されている車両は、ヒッチハイクルート上を走行していると判断できる。よって、判定部400は、現在位置がヒッチハイクルート上にあると判定する。この場合、判定部400は、現在位置を示す位置情報を含む判定結果を登録部500に出力する。
【0043】
一方、一致する座標値が含まれていない場合、ヒッチハイク端末が搭載されている車両は、ヒッチハイクルート上を走行していないと判断できる。よって、判定部400は、現在位置がヒッチハイクルート上にないと判定する。この場合、判定部400は、判定結果を更新部600に出力する。
【0044】
判定部400は、第2の取得部300から位置情報が出力される都度、上記処理を行う。
【0045】
(登録部)
登録部500は、ヒッチハイク端末の現在位置がヒッチハイクルート上にあると判定された場合、当該現在位置をヒッチハイク位置として登録する。
【0046】
登録部500は、判定部300から判定結果が出力された場合、記憶手段10の歌唱音声テーブルに記憶されているある車載端末から受信した、楽曲識別情報、歌唱音声データ、ヒッチハイクルート、及び端末識別情報に対して、第2の取得部300から出力されたヒッチハイク端末の現在位置を紐付けることで、ヒッチハイク位置の登録を行う。登録部500は、判定部400から判定結果が出力される都度、新たな現在位置を登録することにより、ヒッチハイク位置を更新する。
【0047】
(更新部)
更新部600は、ヒッチハイク端末の現在位置がヒッチハイクルート上にないと判定された場合、他の車載端末から取得した移動ルート及び位置情報が所定条件を満たす他の車載端末の端末識別情報を、ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新する。
【0048】
更新部600は、判定部400から判定結果が出力された場合、その時点において受信可能端末テーブルに記憶されている他の車載端末から取得した移動ルート、位置情報、及び端末識別情報を参照する。そして、更新部600は、他の車載端末から取得した移動ルート及び位置情報が所定条件を満たす他の車載端末の端末識別情報を、ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新する。
【0049】
所定条件は、ヒッチハイク端末の端末識別情報を更新するか否かを判断するための条件である。たとえば、更新部600は、他の車載端末の現在位置がヒッチハイク位置に対して所定範囲内にあり、当該他の車載端末から取得した移動ルート上に当該ヒッチハイク位置があり、且つ当該他の車載端末が未だ当該ヒッチハイク位置を通過していない場合に所定条件を満たすとして、当該他の車載端末の端末識別情報を、ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新する。
【0050】
所定範囲は、ヒッチハイク位置と他の車載端末との位置関係を判断するための基準である。所定範囲は、たとえば「ヒッチハイク位置を中心として半径100m」のように、予め一の基準が設定されている。
【0051】
更新部600は、他の車載端末の位置情報が示す現在位置と、歌唱音声テーブルに記憶されているヒッチハイク位置とを比較し、ヒッチハイク位置に対して所定範囲内に位置する他の車載端末があるかどうかを判断する。
【0052】
ヒッチハイク位置に対して所定範囲内に位置する他の車載端末(以下、他の車載端末Mx)があると判断した場合、更新部600は、他の車載端末Mxから取得した移動ルート上にヒッチハイク位置があるかどうか、及び他の車載端末Mx(他の車載端末Mxを搭載した車両)が未だ当該ヒッチハイク位置を通過していないかどうかを判断する。
【0053】
具体的に、更新部600は、他の車載端末Mxから取得した移動ルートに対応する複数の座標値の中に、ヒッチハイク位置の座標値と一致するものが含まれているかどうかを確認する。一致する座標値が含まれている場合、更新部600は、移動ルート上にヒッチハイク位置があると判断できる。
【0054】
また、更新部600は、移動ルート上における現在位置とヒッチハイク位置とを比較する。移動ルートに沿った進行方向において、現在位置がヒッチハイク位置より手前にある場合、他の車載端末Mxが搭載されている車両は、後にヒッチハイク位置を通過する可能性がある。この場合、更新部600は、他の車載端末Mxが未だヒッチハイク位置を通過していないと判断できる。
【0055】
更新部600は、他の車載端末Mxから取得した移動ルート上にヒッチハイク位置があり、且つ他の車載端末Mxが未だ当該ヒッチハイク位置を通過していないと判断した場合、記憶手段10の端末IDテーブルにヒッチハイク端末の端末識別情報として記憶されている端末識別情報を、他の車載端末Mxの端末識別情報に更新する。すなわち、記憶手段10の端末IDテーブルは、ヒッチハイク端末の端末識別情報として、ヒッチハイク位置に対して所定範囲内に位置し、移動ルート上にヒッチハイク位置があり、且つ未だ当該ヒッチハイク位置を通過していない他の車載端末Mxの端末識別情報を記憶する。
【0056】
或いは、更新部600は、他の車載端末の現在位置がヒッチハイク位置に対して所定範囲内にあり、当該他の車載端末から取得した移動ルートの近傍(たとえば、移動ルートから100m以内)に当該ヒッチハイク位置があり、且つ当該他の車載端末が未だ当該ヒッチハイク位置の近傍(たとえばヒッチハイク位置から100m以内)を通過していない場合に所定条件を満たすとして、当該他の車載端末の端末識別情報を、ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新してもよい。
【0057】
(配信部)
配信部700は、ヒッチハイク端末を搭載する車両が、ヒッチハイクルートに含まれる任意の地点に到着したと判断した場合、当該ヒッチハイク端末に対し、ある車載端末から取得した楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを配信する。
【0058】
配信部700は、所定のタイミングで、ヒッチハイク端末を搭載する車両が、ヒッチハイクルートに含まれる任意の地点に到着したかどうかの判断を行う。たとえば、配信部700は、ヒッチハイク端末から位置情報を取得する都度、当該位置情報が示す現在位置と、ヒッチハイクルートに含まれる任意の地点の位置との距離を求める。求めた距離が一定以下(たとえば、500m以下)である場合、配信部700は、ヒッチハイク端末を搭載する車両が、ヒッチハイクルートに含まれる任意の地点に到着したと判断する。
【0059】
この場合、配信部700は、ある車載端末から取得した楽曲識別情報に基づいて、記憶手段10から当該楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データを読み出す。また、配信部700は、歌唱音声テーブルに記憶されている歌唱音声データを読み出す。配信部700は、読み出したカラオケ演奏データ及び歌唱音声データを、ヒッチハイク端末に対して配信する。
【0060】
ヒッチハイク端末は、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、受信したカラオケ演奏データを再生し、カラオケ演奏音を放音手段から放音させる。また、ヒッチハイク端末は、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、受信した歌唱音声データを再生し、ある利用者の歌唱音声を放音手段から放音させる。ヒッチハイク端末が搭載された車両に乗車している利用者は、ある利用者が選曲した楽曲のカラオケ演奏を、当該ある利用者の歌唱音声と合わせて試聴することができる。
【0061】
==サーバ装置の動作について==
次に、
図3から
図7を参照して本実施形態におけるサーバ装置Sの動作の具体例について述べる。
図3は、サーバ装置Sにおける動作を示すフローチャートである。
図4から
図7は、ヒッチハイクルートHR、車両C2の移動ルートR1、及び車両C3の移動ルートR2を模式的に示した図である。なお、
図4は、各ルートが把握しやすくなるよう別々に記載している。実際には
図5から
図7に示すように各ルートの一部は重複している。また、
図4において各ルートに付された矢印は、車両の進行方向を示す。
図1に示したように、車両C1は、運転手D1が操作する車載端末M1が搭載されており、車両C2は、運転手D2が操作する車載端末M2が搭載されており、車両C3は、運転手D3が操作する車載端末M3が搭載されている。車載端末M1~M3にはコンテンツアプリがインストールされている。
【0062】
第1の取得部100は、ある利用者が操作するある車載端末のカラオケ演奏機能を用いてカラオケ演奏が行われた楽曲の楽曲ID、当該ある利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データ、カーナビゲーション機能を用いて設定された任意の地点を含む車両の移動ルートであるヒッチハイクルート、及び当該ある車載端末の端末IDを取得する(ある車載端末から楽曲ID、歌唱音声データ、ヒッチハイクルート、及び端末IDを取得。ステップ10)。
【0063】
設定部200は、ステップ10で取得したある車載端末の端末IDを、ヒッチハイク端末の端末IDとして設定する(ヒッチハイク端末の端末IDを設定。ステップ11)。
【0064】
第2の取得部300は、ヒッチハイク端末から、所定のタイミング毎に取得した当該ヒッチハイク端末の現在位置を示す位置情報、及び当該ヒッチハイク端末の端末IDを取得する(ヒッチハイク端末から位置情報及び端末IDを取得。ステップ12)。
【0065】
また、第2の取得部300は、他の車載端末から、カーナビゲーション機能を用いて設定された目的地を含む車両の移動ルート、所定のタイミング毎に取得した当該他の車載端末の現在位置を示す位置情報、及び当該他の車載端末の端末IDを取得する(他の車載端末から移動ルート、位置情報、及び端末IDを取得。ステップ13)。
【0066】
配信部700は、ヒッチハイク端末を搭載する車両が、ヒッチハイクルートに含まれる任意の地点に到着したかどうかを判断する。
【0067】
ヒッチハイク端末を搭載する車両が、ヒッチハイクルートに含まれる任意の地点に到着していない場合(ステップ14でNの場合)、判定部400は、ステップ12で取得された位置情報が示す現在位置がヒッチハイクルート上にあるか否かを判定する(ヒッチハイク端末の現在位置がヒッチハイクルート上にあるかを判定。ステップ15)。
【0068】
ヒッチハイク端末の現在位置がヒッチハイクルート上にあると判定された場合(ステップ16でYの場合)、登録部500は、当該現在位置をヒッチハイク位置として登録する(ヒッチハイク位置を登録。ステップ17)。
【0069】
一方、ヒッチハイク端末の現在位置がヒッチハイクルート上にないと判定された場合(ステップ16でNの場合)、更新部600は、ステップ13で取得した他の車載端末の移動ルート及び位置情報が所定条件を満たす他の車載端末の端末IDを、ヒッチハイク端末の端末IDとして更新する(ヒッチハイク端末の端末IDを更新。ステップ18)。
【0070】
その後、ヒッチハイク端末を搭載する車両が、ヒッチハイクルートに含まれる任意の地点に到着した場合(ステップ14でYの場合)、配信部700は、ヒッチハイク端末に対し、ある車載端末から取得した楽曲IDに対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを配信する(ヒッチハイク端末にカラオケ演奏データ及び歌唱音声データを配信。ステップ19)。本実施形態に係るサーバ装置Sは、ヒッチハイク端末を搭載する車両が、ヒッチハイクルートに含まれる任意の地点に到着する前に少なくとも1回、ヒッチハイク端末の端末IDの更新を行う。すなわち、ある車載端末に対してカラオケ演奏データ等が配信されることはない。
【0071】
具体的に、ヒッチハイクコンテンツの利用を希望する運転手D1は、車両C1に乗車した後、車載端末M1を操作してコンテンツアプリを起動させる。運転手D1は「ある利用者」に相当し、車載端末M1は「ある車載端末」に相当する。
【0072】
運転手D1は、コンテンツアプリが提供するナビゲーション機能を用いて、任意の地点APを選択する。車載端末M1は、GPS機能を用いて取得した出発地OR1から、運転手D1により選択された任意の地点APまで移動する最適な移動ルートをヒッチハイクルートHRとして設定する(
図4参照)。車載端末M1は、設定したヒッチハイクルートHRを、車載端末M1が備える記憶手段(図示なし)に記憶させる。その後、運転手D1は車両C1の運転を開始する。
【0073】
車両C1の移動中、運転手D1は、車載端末M1を操作し、カラオケ歌唱を希望する楽曲Xを選曲する。車載端末M1は、コンテンツアプリが提供するカラオケ演奏機能を用いて、楽曲Xのカラオケ演奏を行う。運転手D1は、車載端末M1に取り付けられたヘッドセットを用いてカラオケ歌唱を行う。車載端末M1は、運転手D1のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データSDを、楽曲Xの楽曲ID***Xと紐付けて、車載端末M1が備える記憶手段(図示なし)に記憶させる。
【0074】
その後、運転手D1は、車載端末M1を操作し、表示手段上で「ヒッチハイクモード」を選択する。車載端末M1は、記憶手段(図示なし)に記憶されている楽曲ID***X、歌唱音声データSD、及びヒッチハイクルートHRを、端末ID***M1と紐付けてサーバ装置Sに送信する。
【0075】
第1の取得部100は、車載端末M1から受信した、楽曲ID***X、歌唱音声データSD、ヒッチハイクルートHR、及び端末ID***M1を記憶手段10の歌唱音声テーブルに記憶させる。
【0076】
設定部200は、車載端末M1から、楽曲ID***X、歌唱音声データSD、ヒッチハイクルートHR、及び端末ID***M1を取得した場合、端末ID***M1を、記憶手段10の端末IDテーブルに記憶させることにより、ヒッチハイク端末mの端末IDとして設定する。
【0077】
ヒッチハイク端末mに相当する車載端末M1は、現在位置を示す位置情報を、端末ID***M1と紐付けてサーバ装置Sに送信する。第2の取得部300は、車載端末M1の位置情報及び端末ID***M1を取得する。
【0078】
一方、ヒッチハイクコンテンツの利用を希望する運転手D2は、車両C2に乗車した後、車載端末M2を操作してコンテンツアプリを起動させる。運転手D2は「他の利用者」に相当し、車載端末M2は「他の車載端末」に相当する。
【0079】
運転手D2は、コンテンツアプリが提供するナビゲーション機能を用いて、車両C2で移動する目的地DST1を選択する。車載端末M2は、GPS機能を用いて取得した出発地OR2から、選択された目的地DST1まで移動する最適な移動ルートR1を設定する(
図4参照)。車載端末M2は、設定した移動ルートR1を、車載端末M2が備える記憶手段(図示なし)に記憶させる。
【0080】
その後、運転手D2は、車載端末M2を操作し、表示手段上で「歌唱音声データ受信モード」を選択する。車載端末M2は、記憶手段(図示なし)に記憶されている移動ルートR1、及びGPS機能を用いて取得した現在位置CL2を示す位置情報を、端末ID***M2と紐付けサーバ装置Sに送信する。
【0081】
第2の取得部300は、車載端末M2から受信した、移動ルートR1、位置情報及び端末ID***M2を記憶手段10の受信可能端末テーブルに記憶させる。
【0082】
同様に、ヒッチハイクコンテンツの利用を希望する運転手D3は、車両C3に乗車した後、車載端末M3を操作してコンテンツアプリを起動させる。運転手D3は「他の利用者」に相当し、車載端末M3は「他の車載端末」に相当する。
【0083】
運転手D3は、コンテンツアプリが提供するナビゲーション機能を用いて、車両C3で移動する目的地DST2を選択する。車載端末M3は、GPS機能を用いて取得した出発地OR3から、選択された目的地DST2まで移動する最適な移動ルートR2を設定する(
図4参照)。車載端末M3は、設定した移動ルートR2を、車載端末M3が備える記憶手段(図示なし)に記憶させる。
【0084】
その後、運転手D3は、車載端末M3を操作し、表示手段上で「歌唱音声データ受信モード」を選択する。車載端末M3は、記憶手段(図示なし)に記憶されている移動ルートR2、及びGPS機能を用いて取得した現在位置CL3を示す位置情報を、端末ID***M3と紐付けサーバ装置Sに送信する。
【0085】
第2の取得部300は、車載端末M3から受信した、移動ルートR2、位置情報及び端末ID***M3を記憶手段10の受信可能端末テーブルに記憶させる。
【0086】
ここで、第2の取得部300が車載端末M1から新たな位置情報を取得した場合、配信部700は、当該位置情報が示す現在位と、車載端末M1から取得したヒッチハイクルートHRに含まれる任意の地点APの位置との距離を求める。この例では、求めた距離が一定以上であったとする。この場合、配信部700は、車載端末M1を搭載する車両C1が、車載端末M1から取得したヒッチハイクルートHRに含まれる任意の地点APに到着していないと判断する。
【0087】
判定部400は、車載端末M1からの新たな位置情報が示す現在位置がヒッチハイクルート上にあるか否かを判定する。
【0088】
たとえば、車両C1がヒッチハイクルートHR上を走行しているとする。この場合、ヒッチハイクルートHRに対応するある座標値と、車両C1の現在位置CL1-1(
図5参照)の座標値とが一致する。よって、判定部400は、現在位置CL1-1がヒッチハイクルートHR上にあると判定する。判定部400は、現在位置CL1-1を示す位置情報を含む判定結果を登録部500に出力する。
【0089】
登録部500は、記憶手段10の歌唱音声テーブルに記憶されている車載端末M1から受信した、楽曲ID***X、歌唱音声データSD、ヒッチハイクルートHR、及び端末ID***M1に対して、現在位置CL1-1をヒッチハイク位置HLとして紐付けることで登録を行う。登録部500は、判定部400から判定結果が出力される都度、新たな現在位置を登録することにより、ヒッチハイク位置を更新する。
【0090】
一方、車両C1がヒッチハイクルートHRから外れて走行しているとする。この場合、ヒッチハイクルートHRに対応するある座標値と、車両C1の現在位置CL1-2(
図6参照)の座標値とは一致しない。よって、判定部400は、現在位置CL1-2がヒッチハイクルートHR上にないと判定する。判定部400は、判定結果を更新部600に出力する。
【0091】
更新部600は、他の車載端末から取得した移動ルート及び位置情報が所定条件を満たす他の車載端末の端末識別情報を、ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新する。
【0092】
たとえば、更新部600は、登録されているヒッチハイク位置HLと、記憶手段10に記憶されている車載端末M2の位置情報が示す現在位置CL2及び車載端末M3の位置情報が示す現在位置CL3とを比較し、ヒッチハイク位置HLに対して所定範囲PR内(たとえばヒッチハイク位置HLを中心として半径100m)に車載端末M2または車載端末M3の少なくとも一方があるかどうかを判断する。
【0093】
ここで、
図7の例によれば、ヒッチハイク位置HLに対して所定範囲PR内に車載端末M2及び車載端末M3がある(すなわち、所定範囲PR内に車載端末M2の現在位置CL2及び車載端末M3の現在位置CL3がある)。この場合、更新部600は、車載端末M2から取得した移動ルートR1または車載端末M3から取得した移動ルートR2上にヒッチハイク位置HLがあるかどうか、及び車載端末M2または車載端末M3が未だヒッチハイク位置HLを通過していないかどうかを判断する。
【0094】
図7の例によれば、ヒッチハイク位置HLは、移動ルートR1上及び移動ルートR2上にある。また、車載端末M2(車載端末M2を搭載した車両C2)の現在位置CL2は、進行方向においてヒッチハイク位置HLよりも手前に位置する。すなわち、車載端末M2は、未だヒッチハイク位置HLを通過していない。一方、車載端末M3(車載端末M3を搭載した車両C3)の現在位置CL3は、進行方向においてヒッチハイク位置HLよりも先に位置する。すなわち、車載端末M3は、既にヒッチハイク位置HLを通過している。
【0095】
よって、更新部600は、記憶手段10の端末IDテーブルに一の車載端末mの端末IDとして記憶されている端末ID***M1を、車載端末M2の端末ID***M2に更新する。
【0096】
その後、第2の取得部300が車載端末M2から新たな位置情報を取得した場合、配信部700は、当該位置情報が示す現在位置CL2と、車載端末M1から取得したヒッチハイクルートHRに含まれる任意の地点APの位置との距離を求める。この例では、求めた距離が一定以下であったとする。この場合、配信部700は、車載端末M2を搭載する車両C2が、車載端末M1から取得したヒッチハイクルートHRに含まれる任意の地点APに到着したと判断する。
【0097】
配信部700は、車載端末M1から取得した楽曲ID***Xに基づいて、記憶手段10から当該楽曲IDに対応する楽曲Xのカラオケ演奏データを読み出す。また、配信部700は、歌唱音声テーブルに記憶されている歌唱音声データSDを読み出す。配信部700は、読み出した楽曲Xのカラオケ演奏データ及び歌唱音声データSDを、車載端末M2に対して配信する。
【0098】
車載端末M2は、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、受信した楽曲Xのカラオケ演奏データを再生し、カラオケ演奏音を放音手段から放音させる。また、車載端末M2は、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、受信した歌唱音声データSDを再生し、運転手D1の歌唱音声を放音手段から放音させる。車載端末M2が搭載された車両C2の運転手D2は、運転手D1が選曲した楽曲Xのカラオケ演奏を、運転手D1の歌唱音声と合わせて試聴することができる。
【0099】
以上から明らかなように、本実施形態に係るサーバ装置Sは、車両に搭載された車載端末と通信可能に接続される。サーバ装置Sは、ある利用者が操作するある車載端末のカラオケ演奏機能を用いてカラオケ演奏が行われた楽曲の楽曲識別情報、当該ある利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データ、カーナビゲーション機能を用いて設定された任意の地点を含む車両の移動ルートであるヒッチハイクルート、及び当該ある車載端末の端末識別情報を取得する第1の取得部100と、取得したある車載端末の端末識別情報をヒッチハイク端末の端末識別情報として設定する設定部200と、ヒッチハイク端末から、所定のタイミング毎に取得した当該ヒッチハイク端末の現在位置を示す位置情報、及び当該ヒッチハイク端末の端末識別情報を取得し、他の車載端末から、カーナビゲーション機能を用いて設定された目的地を含む車両の移動ルート、所定のタイミング毎に取得した当該他の車載端末の現在位置を示す位置情報、及び当該他の車載端末の端末識別情報を取得する第2の取得部300と、取得されたヒッチハイク端末の位置情報が示す現在位置がヒッチハイクルート上にあるか否かを判定する判定部400と、ヒッチハイク端末の現在位置がヒッチハイクルート上にないと判定された場合、他の車載端末から取得した移動ルート及び位置情報が所定条件を満たす他の車載端末の端末識別情報を、ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新する更新部600と、ヒッチハイク端末を搭載する車両が、ヒッチハイクルートに含まれる任意の地点に到着したと判断した場合、当該ヒッチハイク端末に対し、ある車載端末から取得した楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを配信する配信部700と、を有する。
【0100】
サーバ装置Sは、ヒッチハイク端末を搭載した車両がヒッチハイクルートから外れた場合、他の車載端末から取得した移動ルート及び位置情報に基づいて、一の他の車載端末の端末識別情報を、ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新する。その後、ヒッチハイク端末を搭載した車両が、ある車載端末から取得したヒッチハイクルートに含まれる任意の地点に到着したと判断した場合、サーバ装置Sは、ある車載端末から受信した楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、及び歌唱音声データを、当該ヒッチハイク端末に対して配信する。このように、サーバ装置Sは、ヒッチハイク端末の端末識別情報を更新し、歌唱音声データを配信する車載端末を逐次変更することで、歌唱音声データに疑似的なヒッチハイクを行わせるという新しいコンテンツを提供することができる。すなわち、本実施形態に係るサーバ装置Sによれば、カラオケ演奏機能とカーナビゲーション機能を組み合わせたコンテンツを実行できる。
【0101】
また、本実施形態に係るサーバ装置Sは、ヒッチハイク端末の現在位置がヒッチハイクルート上にあると判定された場合、当該現在位置をヒッチハイク位置として登録する登録部500を有し、更新部600は、他の車載端末の現在位置がヒッチハイク位置に対して所定範囲内にあり、当該他の車載端末から取得した移動ルート上に当該ヒッチハイク位置があり、且つ当該他の車載端末が未だ当該ヒッチハイク位置を通過していない場合に所定条件を満たすとして、当該他の車載端末の端末識別情報を、ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新する。このようなサーバ装置Sによれば、ヒッチハイク位置を通過する可能性が高い車載端末をヒッチハイク端末とすることができる。よって、サーバ装置Sは、上述の疑似的なヒッチハイクをより確実に行うことができる。
【0102】
<変形例1>
実施形態の例において、ヒッチハイク端末の現在位置がヒッチハイクルート上にないと判定された場合であっても、他の車載端末の現在位置がヒッチハイク位置から大きく離れている場合や、他の車載端末から取得した移動ルート上にヒッチハイク位置がない場合等、移動ルート及び位置情報が所定条件を満たす他の車載端末がないことがありうる。
【0103】
このような場合、更新部600は、別のタイミングで改めて更新する処理を実行することができる。
【0104】
たとえば、あるタイミングにおける各車載端末の位置関係が
図8のようであったとする。この場合、車載端末M1の現在位置CL1-3は、ヒッチハイクルートHR上にない。一方、他の車載端末M2及びM3の現在位置CL2及びCL3は、ヒッチハイク位置HLに対していずれも所定範囲内にない。よって、更新部600は、このタイミングではヒッチハイク端末の端末識別情報を更新しない。
【0105】
その後、車載端末M2を搭載した車両C2及び車載端末M3を搭載した車両C3がそれぞれ移動した結果、各車載端末の位置関係が
図7のようになったとする。この場合、更新部600は、実施形態で述べた処理と同様の処理を実行することにより、ヒッチハイク端末の端末識別情報を更新する。
【0106】
以上から明らかなように、本変形例に係る更新部600は、あるタイミングにおいて所定条件を満たす他の車載端末がない場合、別のタイミングで、他の車載端末から取得した移動ルート及び位置情報が所定条件を満たす他の車載端末の端末識別情報を、ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新することができる。このような更新部600を有するサーバ装置Sによれば、適切なタイミング(たとえば、他の車載端末がヒッチハイク位置の近傍にいるタイミング)でヒッチハイク端末の端末識別情報を更新できる。
【0107】
<変形例2>
実施形態の例において、ヒッチハイク端末の現在位置がヒッチハイクルート上にないと判定された場合やヒッチハイク端末の端末識別情報として更新された場合に、車載端末に対して情報を通知することも可能である。
【0108】
==サーバ装置==
[制御手段]
本変形例においてはCPUがヒッチハイクコンテンツのプログラムを実行することにより、制御手段30は、第1の取得部100、設定部200、第2の取得部300、判定部400、登録部500、更新部600、配信部700、及び通知部800として機能する(
図9参照)。
【0109】
(通知部)
通知部800は、ヒッチハイク端末の現在位置がヒッチハイクルート上にないと判定された場合、当該ヒッチハイク端末及び/またはある車載端末に対して、ヒッチハイク位置を含む第1の情報を通知し、所定条件を満たす他の車載端末の端末識別情報が、ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新された場合、更新後のヒッチハイク端末及び/またはある車載端末に対して、ヒッチハイク位置を含む第2の情報を通知する。
【0110】
第1の情報は、ヒッチハイク端末を搭載した車両がヒッチハイクルートから外れた場合に通知される情報である。第1の情報は、ヒッチハイクルートから外れたヒッチハイク端末(端末識別情報が更新される前のヒッチハイク端末)及びある車載端末の少なくとも一方に対して通知される。ヒッチハイク端末として設定されている車載端末を搭載した車両がヒッチハイクルートから外れた場合、当該車載端末はヒッチハイク端末として機能しない。すなわち、当該車載端末に歌唱音声データ等が配信されることはない。従って、第1の情報を通知することにより、ヒッチハイク端末の利用者は、歌唱音声データ等が(疑似的に)降車したものと認識することができる。一方、第1の情報を通知することにより、ある車載端末の利用者は、自分がカラオケ歌唱した歌唱音声データ等が(擬似的に)降車したものと認識することができる。
【0111】
第2の情報は、ヒッチハイク端末の端末識別情報が更新された場合に通知される情報である。第2の情報は、更新後のヒッチハイク端末及びある車載端末の少なくとも一方に対して通知される。ヒッチハイク端末の端末識別情報が他の車載端末の端末識別情報に更新された場合、当該他の車載端末はヒッチハイク端末となる。すなわち、当該他の車載端末に歌唱音声データ等が配信される可能性がある。従って、第2の情報を通知することにより、当該他の車載端末の利用者は、歌唱音声データ等が(疑似的に)乗車したものと認識することができる。一方、第2の情報を通知することにより、ある車載端末の利用者は、自分がカラオケ歌唱した歌唱音声データ等が(疑似的に)他の車載端末に乗車したものと認識することができる。
【0112】
第1の情報及び第2の情報の通知は、様々な方法で行うことができる。たとえば、通知部800は、第1の情報または第2の情報のメッセージを表示するための文字データを対象となる車載端末に送信する。文字データを受信した車載端末は、表示手段に文字データに基づく文字(たとえば、「ヒッチハイクルートから外れたため歌唱音声データの配信が受けられなくなりました」)を表示させる。或いは、通知部800は、第1の情報または第2の情報のメッセージを放音するための音声データを対象となる車載端末に送信する。音声データを受信した車載端末は、放音手段から音声データに基づく音声(たとえば、「〇〇のヒッチハイク位置で歌唱音声データをヒッチハイクしました」)を出力させる。
【0113】
以上から明らかなように本変形例に係るサーバ装置Sは、ヒッチハイク端末の現在位置がヒッチハイクルート上にないと判定された場合、当該ヒッチハイク端末及び/またはある車載端末に対して、ヒッチハイク位置を含む第1の情報を通知し、前記所定条件を満たす他の車載端末の端末識別情報が、ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新された場合、更新後のヒッチハイク端末及び/またはある車載端末に対して、ヒッチハイク位置を含む第2の情報を通知する通知部800を含む。このようなサーバ装置Sによれば、ヒッチハイク端末の更新に伴う情報を通知することができる。
【0114】
<変形例3>
実施形態の例において、所定の条件を満たす他の車載端末が複数ある場合もありうる。この場合、更新部600は、複数の他の車載端末から一の車載端末を選び、当該一の車載端末の端末識別情報を、ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新する。
【0115】
たとえば、更新部600は、他の車載端末の現在位置がヒッチハイク位置に対して所定範囲内にあり、当該他の車載端末から取得した移動ルート上に当該ヒッチハイク位置があり、且つ当該他の車載端末が未だ当該ヒッチハイク位置を通過していないという所定条件を満たす他の車載端末が複数あった場合、現在位置がヒッチハイク位置に最も近い他の車載端末の端末識別情報を、ヒッチハイク端末の端末識別情報として更新する。
【0116】
<変形例4>
配信部600は、所定の条件を満たす場合にのみ、ヒッチハイク端末に対してカラオケ演奏データ及び歌唱音声データを配信してもよい。
【0117】
具体的に、配信部600は、ヒッチハイク端末を操作する利用者の歌唱履歴に、ある車載端末から取得した楽曲識別情報に対応する楽曲が含まれている場合にのみ、カラオケ演奏データ等を配信することができる。
【0118】
歌唱履歴は、利用者が過去にカラオケ装置等を利用してカラオケ歌唱を行った際に得られた各種情報を含む。各種情報は、たとえば、カラオケ歌唱を行った楽曲名、歌手名、楽曲識別情報、採点結果、歌唱日時である。歌唱履歴は、たとえば、サーバ装置Sの記憶手段10に記憶されている。歌唱履歴は、利用者識別情報が紐付けられている。利用者識別情報は、利用者を識別するための利用者ID等、各利用者に固有の情報である。
【0119】
たとえば、実施形態で述べたように、配信部700は、車載端末M2を搭載する車両C2が、車載端末M1から取得したヒッチハイクルートHRに含まれる任意の地点APに到着したと判断する。
【0120】
この場合、本変形例に係る配信部700は、車載端末M2を操作する運転手D2の利用者IDに基づいて、運転手D2の歌唱履歴を記憶手段10から読み出す。
【0121】
配信部700は、読み出した歌唱履歴に楽曲ID***Xに対応する楽曲Xが含まれているかどうかを確認する。
【0122】
楽曲Xが含まれていた場合、配信部700は、車載端末M1から取得した楽曲ID***Xに基づいて、記憶手段10から当該楽曲IDに対応する楽曲Xのカラオケ演奏データを読み出す。また、配信部700は、歌唱音声テーブルに記憶されている歌唱音声データSDを読み出す。配信部700は、読み出した楽曲Xのカラオケ演奏データ及び歌唱音声データSDを、車載端末M2に対して配信する。
【0123】
一方、楽曲Xが含まれていなかった場合、配信部700は、楽曲Xのカラオケ演奏データの読み出しを行わない。
【0124】
このようなサーバ装置Sによれば、ヒッチハイク端末を操作する利用者が知っている可能性が高い楽曲のカラオケ演奏データのみを配信することができる。
【0125】
<変形例5>
配信部700は、カラオケ演奏データ及び歌唱音声データを配信したヒッチハイク端末から受信した歌唱音声データを、ある車載端末に対して配信することができる。
【0126】
たとえば実施形態で述べたように、配信部700は、車載端末M2を搭載する車両C2が、車載端末M1から取得したヒッチハイクルートHRに含まれる任意の地点APに到着したと判断し、楽曲Xのカラオケ演奏データ及び歌唱音声データSDを、車載端末M2に対して配信する。
【0127】
車載端末M2は、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、受信した楽曲Xのカラオケ演奏データを再生し、カラオケ演奏音を放音手段から放音させる。また、車載端末M2は、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、受信した歌唱音声データSDを再生し、運転手D1の歌唱音声を放音手段から放音させる。
【0128】
ここで、車載端末M2が搭載された車両C2の運転手D2は、運転手D1が選曲した楽曲Xのカラオケ演奏、及び運転手D1の歌唱音声に合わせて、自らがカラオケ歌唱を行う。この場合、車載端末M2は、運転手D2のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データSD1をサーバ装置Sに送信する。
【0129】
配信部700は、車載端末M1に対し、受信した歌唱音声データSD1を配信する。車載端末M1は、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、楽曲Xのカラオケ演奏データ、運転手D1のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データSD、及び受信した歌唱音声データSD1を再生し、カラオケ演奏音、運転手D1の歌唱音声、及び運転手D2の歌唱音声を放音手段から放音させる。車載端末M1が搭載された車両C1の運転手D1は、自らの歌唱音声と合わせて運転手D2の歌唱音声をデュエット形式で試聴することができる。
【0130】
このようなサーバ装置Sによれば、歌唱音声データが配信された車載端末を操作する利用者によるカラオケ歌唱の歌唱音声を、当該歌唱音声データを送信したある車載端末において試聴することができる。
【0131】
<変形例6>
配信部700は、カラオケ演奏データ及び歌唱音声データと合わせて、カラオケ歌唱を行っているある利用者を撮影して得られた映像データを配信してもよい。
【0132】
(第1の取得部)
本変形例に係る第1の取得部100は、ある利用者が操作するある車載端末のカラオケ演奏機能を用いてカラオケ演奏が行われた楽曲の楽曲識別情報、当該ある利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データ、当該カラオケ歌唱を行う当該ある利用者を撮影して得られた映像データ、カーナビゲーション機能を用いて設定された任意の地点を含む車両の移動ルートであるヒッチハイクルート、及び当該ある車載端末の端末識別情報を取得する。
【0133】
実施形態で述べたように、ある車載端末は、コンテンツアプリが提供するカラオケ演奏機能を用いて、受信したカラオケ演奏データに基づくカラオケ演奏を行う。カラオケ演奏の演奏音は、ある車載端末の放音手段(或いは、車両が備えるスピーカ等の放音手段)から放音される。ある利用者は、ある車載端末の集音手段(或いは、車載端末に取り付けられたヘッドセット等の集音手段)を用いてカラオケ歌唱を行う。また、ある車載端末の撮影手段(或いは、車載端末に取り付けられたカメラ等の撮影手段)は、カラオケ歌唱を行うある利用者を撮影する。ある車載端末は、ある利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する歌唱音声データ、及びカラオケ歌唱を行うある利用者を撮影して得られた映像データを、楽曲識別情報と紐付けて、ある車載端末が備える記憶手段(図示なし)に記憶させる。
【0134】
その後、ヒッチハイクモードが選択された場合、ある車載端末は、記憶手段(図示なし)に記憶されている楽曲識別情報、歌唱音声データ、映像データ、及びヒッチハイクルートを、端末識別情報と紐付けてサーバ装置Sに送信する。
【0135】
第1の取得部100は、ある車載端末から受信した、楽曲識別情報、歌唱音声データ、映像データ、ヒッチハイクルート、及び端末識別情報を記憶手段10の歌唱音声テーブルに記憶させる。
【0136】
(配信部)
本変形例に係る配信部700は、ヒッチハイク端末を搭載する車両が、ヒッチハイクルートに含まれる任意の地点に到着したと判断した場合、当該ヒッチハイク端末に対し、ある車載端末から取得した楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データ、歌唱音声データ及び映像データを配信する。
【0137】
実施形態で述べたように、配信部700は、ヒッチハイク端末を搭載する車両が、ある車載端末から取得したヒッチハイクルートに含まれる任意の地点に到着したと判断した場合、ある車載端末から受信した楽曲識別情報に基づいて、記憶手段10から当該楽曲識別情報に対応するカラオケ演奏データを読み出す。また、配信部700は、歌唱音声テーブルに記憶されている歌唱音声データ及び映像データを読み出す。配信部700は、読み出したカラオケ演奏データ、歌唱音声データ、及び映像データを、ヒッチハイク端末に対して配信する。
【0138】
ヒッチハイク端末は、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、受信したカラオケ演奏データを再生し、カラオケ演奏音を放音手段から放音させる。また、ヒッチハイク端末は、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、受信した歌唱音声データを再生し、ある利用者の歌唱音声を放音手段から放音させる。また、ヒッチハイク端末は、コンテンツアプリのカラオケ機能を用いて、受信した映像データを再生し、ある利用者がカラオケ歌唱を行っている映像を表示手段に表示させる。ヒッチハイク端末が搭載された車両に乗車している利用者は、ある利用者が選曲した楽曲のカラオケ演奏を、当該ある利用者の歌唱音声及び映像と合わせて視聴することができる。
【0139】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0140】
1 カラオケシステム
100 第1の取得部
200 設定部
300 第2の取得部
400 判定部
500 登録部
600 更新部
700 配信部
800 通知部
C1~C3 車両
M1~M3 車載端末
S サーバ装置