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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033956
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】表示装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240306BHJP
   H10K 59/123 20230101ALI20240306BHJP
   H10K 59/124 20230101ALI20240306BHJP
   H10K 59/82 20230101ALI20240306BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20240306BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H10K59/123
H10K59/124
H10K59/82
H10K77/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137897
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】児玉 拓海
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC33
3K107DD39
3K107EE04
3K107EE57
5C094AA04
5C094AA43
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DB04
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB19
5C094HA05
5C094HA08
(57)【要約】
【課題】画素ごとに容量ばらつきの発生を抑制する。
【解決手段】表示装置は、第1発光素子と、第2発光素子と、第1方向に沿って延在するドレイン・ソース領域、第1ゲート電極、および第1ドレイン・ソース領域を有し、前記第1発光素子に電流を供給する第1トランジスターと、前記第1ゲート電極と電気的に接続され、前記ドレイン・ソース領域と平面視で重なる第1容量電極と、前記ドレイン・ソース領域、第2ゲート電極、および第2ドレイン・ソース領域を有し、前記第2発光素子に電流を供給する第2トランジスターと、前記第2ゲート電極と電気的に接続され、前記ドレイン・ソース領域と平面視で重なる第2容量電極と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1発光素子と、
第2発光素子と、
第1方向に沿って延在するドレイン・ソース領域、第1ゲート電極、および第1ドレイン・ソース領域を有し、前記第1発光素子に電流を供給する第1トランジスターと、
前記第1ゲート電極と電気的に接続され、前記ドレイン・ソース領域と平面視で重なる第1容量電極と、
前記ドレイン・ソース領域、第2ゲート電極、および第2ドレイン・ソース領域を有し、前記第2発光素子に電流を供給する第2トランジスターと、
前記第2ゲート電極と電気的に接続され、前記ドレイン・ソース領域と平面視で重なる第2容量電極と、を備える、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記ドレイン・ソース領域から前記第1方向と交差する第2方向に突出する第1領域と、前記ドレイン・ソース領域から前記第2方向に突出し、前記第1領域と離間する第2領域と、を有し、
前記第1ゲート電極は、前記第1領域と平面視で重なり、
前記第1ドレイン・ソース領域は、前記第1領域に設けられ、
前記第2ゲート電極は、前記第2領域と平面視で重なり、
前記第2ドレイン・ソース領域は、前記第2領域に設けられる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1方向に延び、前記ドレイン・ソース領域と電気的に接続された定電位配線を、さらに備え、
前記第1容量電極は、平面視で前記定電位配線と前記第1ゲート電極との間に配置される、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
平面視で、前記定電位配線と前記第1ゲート電極との間に、前記第1容量電極と前記ドレイン・ソース領域とが重ならない領域が設けられる、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1容量電極と前記第1ゲート電極とは、同層に設けられる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1容量電極と前記第1ゲート電極とを電気的に接続する配線を、さらに有する、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1容量電極と前記第1ゲート電極とは、一体で形成される、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載の表示装置と、
前記表示装置の動作を制御する制御部と、を有することを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子等の発光素子を有する表示装置が知られている。かかる表示装置の一例として、特許文献1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置が挙げられる。当該装置では、発光素子と、トランジスターと、容量素子とが画素ごとに設けられる。
【0003】
また、当該装置は、半導体基板にイオンを注入することで形成された能動領域と、能動領域に対して絶縁層を介して形成された容量電極と、を有する。当該能動領域を一方の電極とし、当該容量電極を他方の電極として、容量素子が構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-57512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の有機エレクトロルミネッセンス装置では、一方の電極として機能する能動領域と他方の電極として機能する容量電極とが画素ごとに個別に設けられている。このため、能動領域と容量電極との平面視での位置ずれが生じるおそれがある。すなわち、容量素子の一方の電極と他方の電極との平面視での位置ずれが生じるおそれがある。この結果、画素ごとに容量ばらつきが発生するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る表示装置は、第1発光素子と、第2発光素子と、第1方向に沿って延在するドレイン・ソース領域、第1ゲート電極、および第1ドレイン・ソース領域を有し、前記第1発光素子に電流を供給する第1トランジスターと、前記第1ゲート電極と電気的に接続され、前記ドレイン・ソース領域と平面視で重なる第1容量電極と、前記ドレイン・ソース領域、第2ゲート電極、および第2ドレイン・ソース領域を有し、前記第2発光素子に電流を供給する第2トランジスターと、前記第2ゲート電極と電気的に接続され、前記ドレイン・ソース領域と平面視で重なる第2容量電極と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の表示装置を模式的に示す平面図である。
図2図1に示すサブ画素の等価回路図である。
図3】駆動用トランジスターおよび容量素子の構成を示す断面図である。
図4】半導体層を示す平面図である。
図5】ゲート電極および容量電極の平面図である。
図6】第1定電位配線等の各種配線の平面図である。
図7】第2実施形態の駆動用トランジスターおよび容量素子の構成を示す断面図である。
図8】半導体層を示す平面図である。
図9】電極部の平面図である。
図10】第1定電位配線等の各種配線の平面図である。
図11】変形例の画素回路を説明するための平面図である。
図12】変形例の画素回路を説明するための平面図である。
図13】電子機器の一例である虚像表示装置の一部を模式的に示す図である。
図14】電子機器の一例であるパーソナルコンピューターを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法や縮尺は実際のものと適宜異なり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0009】
1.第1実施形態
1-1.表示装置100の基本構成
図1は、第1実施形態の表示装置100を模式的に示す平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を適宜用いて説明する。また、X軸に沿う一方向をX1方向とし、X1方向とは反対の方向をX2方向とする。同様に、Y軸に沿う一方向をY1方向とし、Y1方向とは反対の方向をY2方向とする。Z軸に沿う一方向をZ1方向とし、Z1方向とは反対の方向をZ2方向とする。Z1方向またはZ2方向みることを「平面視」とする。また、X1方向またはX2方向は「第1方向」の例示であり、Y1方向またはY2方向は第1方向に交差する「第2方向」の例示である。
【0010】
図1に示す表示装置100は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)を利用して画像を表示する。なお、画像には、文字情報のみを表示するものが含まれる。
【0011】
表示装置100は、平面視で表示領域A10と周辺領域A20とに区分される。表示領域A10は、画像を表示する領域である。周辺領域A20は、周辺回路が配置される領域である。表示領域A10は、四角形状である。周辺領域A20は、表示領域A10を囲む四角形の枠状である。
【0012】
表示領域A10には、複数の画素Pが設けられる。各画素Pは、赤色の波長域の光が得られるサブ画素PRと、緑色の波長域の光が得られるサブ画素PGと、青色の波長域の光が得られるサブ画素PBとを有する。サブ画素PB、サブ画素PGおよびサブ画素PRによって、カラー画像の1つの画素Pが構成される。以下では、サブ画素PB、サブ画素PGおよびサブ画素PRを区別しない場合、サブ画素P0と表記する。サブ画素P0は、独立して制御される最小単位である。複数のサブ画素P0は、X軸およびY軸に沿った行列状に配置される。また、表示領域A10には、X軸に沿って延びるM本の走査線11と、Y軸に沿って延びるN本の信号線12とが設けられる。M本の走査線11とN本の信号線12との各交差に対応してサブ画素P0が形成される。なお、詳細な図示はしないが、表示領域A10のうち周辺領域A20に近い部分には、画像の表示に寄与しない複数のダミー画素が設けられる。
【0013】
周辺領域A20には、制御回路201と、走査線駆動回路202と、信号線駆動回路203と、複数の外部端子204とが設けられる。制御回路201は、画像の表示を制御する。制御回路201は、図示しない上位回路から供給される同期信号に基づいて制御信号を生成し、これを走査線駆動回路202および信号線駆動回路203に供給する。また、制御回路201は、図示しない上位回路から供給される画像データに基づいてアナログの画像信号を生成し、これを信号線駆動回路203に対して供給する。また、走査線駆動回路202は、M本の走査線11に接続される。走査線駆動回路202は、制御信号に基づいてM本の走査線11を1本毎に順次選択するための走査信号を生成し、M本の走査線11に対して出力する。また、信号線駆動回路203は、N本の信号線12に接続される。信号線駆動回路203は、画像信号および制御信号に基づいて、表示すべき階調に応じたデータ信号を生成し、N本の信号線12に対して出力する。外部端子204には、図示しない、上位回路との電気的な接続を図るためのFPC(Flexible printed circuits)基板等が接続される。また、周辺領域A20には、図示しない電源回路が電気的に接続される。
【0014】
1-2.表示装置100の電気的な構成
図2は、図1に示すサブ画素P0の等価回路図である。図2では、1つのサブ画素P0とこれに対応する要素とが代表的に図示される。図2に示すように、サブ画素P0は、発光素子20と画素回路30とを含む。
【0015】
発光素子20は、第1定電位配線13と第2定電位配線14とを連結する経路上に配置される。第1定電位配線13は、「定電位配線」に相当する。第1定電位配線13には、図示しない電源回路から高位側の電源電位Velが供給される。第2定電位配線14には、図示しない電源回路から低位側の電源電位Vctが供給される。また、発光素子20は、OLED(有機発光ダイオード)で構成される。発光素子20は、発光層21と、画素電極22と、共通電極23とを含む。発光層21は、発光材料を含み、画素電極22と共通電極23との間に介在する。画素電極22が陽極として機能し、共通電極23が陰極として機能する。画素電極22は、サブ画素P0ごとに個別に形成され、他の画素電極22とは独立して制御される。共通電極23は、複数のサブ画素P0にわたり連続する。かかる発光素子20は、画素電極22から供給される正孔と、共通電極23から供給される電子とが発光層21で再結合する。これにより、発光層21が発光する。
【0016】
画素回路30は、駆動用トランジスター31と、選択トランジスター32と、容量素子33とを有する。駆動用トランジスター31は、ゲート-ソース間またはゲート-ドレイン間の電圧に応じた電流量の駆動電流を生成する。駆動用トランジスター31は、第1定電位配線13と第2定電位配線14とを連結する経路上で発光素子20に対して直列に配置される。具体的には、駆動用トランジスター31のソースまたはドレインのうちの一方が、第1定電位配線13に電気的に接続され、他方が、画素電極22に電気的に接続される。
【0017】
選択トランジスター32は、信号線12と駆動用トランジスター31のゲートとの導通および非導通を制御するスイッチとして機能する。選択トランジスター32のゲートは、走査線11に電気的に接続される。選択トランジスター32のソースまたはドレインのうちの一方が、信号線12に電気的に接続され、他方が、駆動用トランジスター31のゲートに電気的に接続される。
【0018】
容量素子33は、駆動用トランジスター31のゲート-ソース間またはゲート-ドレイン間の電圧を保持する保持容量である。容量素子33の一方の電極は、駆動用トランジスター31のゲートに接続され、他方の電極は、第1定電位配線13に接続される。
【0019】
かかる表示装置100では、信号線駆動回路203は、サブ画素P0ごとに指定する階調に応じたデータ信号を書込期間ごとに複数の信号線12に対して並列に供給する。走査線駆動回路202は、各走査線11に走査信号を出力することで複数の走査線11を書込期間ごとに順次選択する。走査線駆動回路202が選択した走査線11に対応するサブ画素P0の選択トランジスター32がオンすると、駆動用トランジスター31のゲートにはデータ信号に応じた階調電位が供給され、容量素子33には階調電位に応じた電圧が保持される。したがって、階調電位に応じた駆動電流が駆動用トランジスター31から発光素子20に供給される。以上のように各発光素子20が階調電位に応じた輝度で発光することで、画像信号が指定する任意の画像が表示領域A10に表示される。また、書込期間が終了した後においても、容量素子33に保持された電圧に応じた駆動電流が駆動用トランジスター31から発光素子20に供給される。このため、各発光素子20は階調電位に応じた輝度での発光を維持する。
【0020】
1-3.駆動用トランジスター31および容量素子33の構成
以下では、表示装置100が有する駆動用トランジスター31および容量素子33の具体的な構成について説明する。図3は、駆動用トランジスター31および容量素子33の構成を示す断面図である。図4、5および6には、図3に示す各層の平面図が図示されている。図4中のI-I‘線を含む断面、図5中のJ-J‘線を含む断面、および図6中のK-K‘線を含む断面に対応した断面図が、図3に示される。
【0021】
図4、5および6は、1つの画素Pに着目した図である。図4、5および6には、1つの画素Pが有する3つのサブ画素P0が示される。3つのサブ画素P0は、例えば、サブ画素PR,PGおよびPBである。以下では、3つのサブ画素P0は、図中の左から順に、第1サブ画素P1、第2サブ画素P2および第3サブ画素P3とする。また、第1サブ画素P1に設けられる駆動用トランジスター31を第1トランジスター31aとし、第1サブ画素P1に設けられる容量素子33を第1容量素子33aとする。第2サブ画素P2に設けられる駆動用トランジスター31を第2トランジスター31bとし、第2サブ画素P2に設けられる容量素子33を第2容量素子33bとする。第3サブ画素P3に設けられる駆動用トランジスター31を第3トランジスター31cとし、第3サブ画素P3に設けられる容量素子33を第3容量素子33cとする。また、本実施形態では、各駆動用トランジスター31は、LLD(Lightly Doped Drain)構造を含む。
【0022】
また、詳細な図示はしないが、第1サブ画素P1に設けられる発光素子20を「第1発光素子」とする場合、第1トランジスター31aは、当該「第1発光素子」に電流を供給する。同様に、第2サブ画素P2に設けられる発光素子20を「第2発光素子」とする場合、第2トランジスター31bは、当該「第2発光素子」に電流を供給する。また、第3サブ画素P3に設けられる発光素子20を「第3発光素子」とする場合、第3トランジスター31cは、当該「第3発光素子」に電流を供給する。
【0023】
図3に示すように、表示装置100は、基板41と、複数の絶縁層42、43および44とを有する。複数の絶縁層42、43および44は、この順に基板41上に積層される。基板41は、例えば、シリコン等の半導体材料で形成される。絶縁層42、43および44は、例えば、酸化シリコンまたは窒化シリコン等で形成される。また、基板41には、半導体層35が形成される。
【0024】
図4は、半導体層35を示す平面図である。図4に示す半導体層35は、3つのサブ画素P0で共通である。別の言い方をすると、各サブ画素P0の駆動用トランジスター31が有するアクティブエリアは一体で形成される。
【0025】
半導体層35は、ソース領域350と、第1領域351と、第2領域352と、第3領域353とを有する。ソース領域350は、X1方向に延びる。ソース領域350は、第1トランジスター31aのソースと第2トランジスター31bのソースと第3トランジスター31cのソースとを含む。すなわち、ソース領域350には、各サブ画素P0の駆動用トランジスター31が有するソースが設けられる。ソース領域350は、特許請求の範囲でいう「ドレイン・ソース領域」に相当する。
【0026】
第1領域351、第2領域352および第3領域353は、ソース領域350からY2方向に延び、互いに離間する。第1領域351は、第1トランジスター31aの一部である。第2領域352は、第2トランジスター31bの一部である。第3領域353は、第3トランジスター31cの一部である。
【0027】
第1領域351には、第1トランジスター31aが有する第1ドレイン領域3511、第1チャネル領域3512、第1低濃度ソース領域3513および第1低濃度ドレイン領域3514が設けられる。第1低濃度ソース領域3513、第1チャネル領域3512、第1低濃度ドレイン領域3514および第1ドレイン領域3511は、ソース領域350からこの順に並ぶ。第1ドレイン領域3511は、特許請求の範囲でいう「第1ドレイン・ソース領域」に相当する。
【0028】
第2領域352には、第2トランジスター31bが有する第2ドレイン領域3521、第2チャネル領域3522、第2低濃度ソース領域3523および第2低濃度ドレイン領域3524が設けられる。第2低濃度ソース領域3523、第2チャネル領域3522、第2低濃度ドレイン領域3524および第2ドレイン領域3521は、ソース領域350からこの順に並ぶ。第2ドレイン領域3521は、特許請求の範囲でいう「第2ドレイン・ソース領域」に相当する。
【0029】
第3領域353には、第3トランジスター31cが有する第3ドレイン領域3531、第3チャネル領域3532、第3低濃度ソース領域3533および第3低濃度ドレイン領域3534が設けられる。第3低濃度ソース領域3533、第3チャネル領域3532、第3低濃度ドレイン領域3534および第3ドレイン領域3531は、ソース領域350からこの順に並ぶ。本実施形態において、駆動用トランジスター31は、共通のソース領域350と、それぞれの駆動用トランジスター31において第1ドレイン領域3511、第2ドレイン領域3521、第3ドレイン領域3531を有するが、ソース領域とドレイン領域は、逆であってもよい。
【0030】
かかる半導体層35は、基板41の表面に不純物をドープすることにより形成される。具体的には、半導体層35はのうち第1チャネル領域3512、第2チャネル領域3522および第3チャネル領域3532を除く領域には、導電性を高める不純物がドープされる。また、第1低濃度ソース領域3513、第2低濃度ソース領域3523および第3低濃度ソース領域3533には、ソース領域350よりも低濃度の不純物がドープされる。第1低濃度ドレイン領域3514、第2低濃度ドレイン領域3524および第3低濃度ドレイン領域3534には、第1ドレイン領域3511、第2ドレイン領域3521および第3ドレイン領域3531よりも低濃度の不純物がドープされる。
【0031】
図3に示すように、絶縁層42上には第1トランジスター31aが有する第1ゲート電極310aが配置される。また、絶縁層42上には第1容量電極330aが配置される。したがって、第1容量電極330aと第1ゲート電極310aとは、同層に設けられる。同様に、図3には示さないが、絶縁層42上には第2トランジスター31bが有する第2ゲート電極310bと、第2容量電極330bとが配置される。したがって、第2容量電極330bと第2ゲート電極310bとは、同層に設けられる。また、絶縁層42上には第3トランジスター31cが有する第3ゲート電極310cと、第3容量電極330cとが配置される。したがって、第3容量電極330cと第3ゲート電極310cとは、同層に設けられる。なお、以下では、第1ゲート電極310a、第2ゲート電極310bおよび第3ゲート電極310cを区別しない場合、ゲート電極310と表記する。また、第1容量電極330a、第2容量電極330bおよび第3容量電極330cを区別しない場合、容量電極330と表記する。
【0032】
図5は、ゲート電極310および容量電極330の平面図である。図5に示すように、第1ゲート電極310aは、平面視で第1領域351に重なる。具体的には、第1ゲート電極310aは、平面視で第1チャネル領域3512に重なる。また、図示はしないが、第1ゲート電極310aと第1チャネル領域3512との間には、ゲート絶縁膜が配置される。また、第2ゲート電極310bは、平面視で第2領域352に重なる。具体的には、第2ゲート電極310bは、平面視で第2チャネル領域3522に重なる。また、図示はしないは、第2ゲート電極310bと第2チャネル領域3522との間には、ゲート絶縁膜が配置される。また、第3ゲート電極310cは、平面視で第3領域353に重なる。具体的には、第3ゲート電極310cは、平面視で第3チャネル領域3532に重なる。また、図示はしないは、第3ゲート電極310cと第3チャネル領域3532との間には、ゲート絶縁膜が配置される。
【0033】
なお、前述の各ゲート絶縁膜は、例えば、熱酸化またはCVD法等で成膜される酸化ケイ素膜で構成される。また、ゲート電極310は、例えば、ポリシリコンに導電性を高める不純物がドープされることにより形成される。また、ゲート電極310は、タングステン、チタン、クロム、鉄よびアルミニウム等の金属、金属シリサイドおよび金属化合物の導電性を有する材料を用いて形成されてもよい。
【0034】
図5に示すように、第1容量電極330a、第2容量電極330bおよび第3容量電極330cは、互いに離間し、X1方向に並ぶ。したがって、第1容量電極330a、第2容量電極330bおよび第3容量電極330cは、ソース領域350が延びる方向と同じ方向に並ぶ。また、第1容量電極330a、第2容量電極330bおよび第3容量電極330cは、平面視で、ソース領域350と重なる。
【0035】
第1容量電極330aは、平面視で第1ゲート電極310aのY1方向に位置し、第1ゲート電極310aと離間する。同様に、第2容量電極330bは、平面視で第2ゲート電極310bのY1方向に位置し、第2ゲート電極310bと離間する。第3容量電極330cは、平面視で第3ゲート電極310cのY1方向に位置し、第3ゲート電極310cと離間する。
【0036】
第1容量電極330aとソース領域350とで、第1容量素子33aが形成される。第1容量電極330aが上部電極として機能し、ソース領域350が下部電極として機能する。なお、図3に示す絶縁層42のうち第1容量電極330aとソース領域350との間の部分は、誘電体として機能する。同様に、第2容量電極330bとソース領域350とで、第2容量素子33bが形成される。第2容量電極330bが上部電極として機能し、ソース領域350が下部電極として機能する。なお、絶縁層42のうち第2容量電極330bとソース領域350との間の部分は、誘電体として機能する。また、第3容量電極330cとソース領域350とで、第3容量素子33cが形成される。第3容量電極330cが上部電極として機能し、ソース領域350が下部電極として機能する。なお、絶縁層42のうち第3容量電極330cとソース領域350との間の部分は、誘電体として機能する。
【0037】
容量電極330の材料としては、タングステン、チタン、クロム、鉄よびアルミニウム等の金属、金属窒化物ならびに金属シリサイド等の導電性を有する材料が挙げられる。
【0038】
図3に示すように、絶縁層43上には、第1定電位配線13等の各種配線が配置される。具体的には、絶縁層43上には、第1定電位配線13、接続配線15、ゲート接続配線16、およびドレイン接続配線17がサブ画素P0ごとに設けられる。
【0039】
図6は、第1定電位配線13等の各種配線の平面図である。図6に示すように、第1定電位配線13は、X1方向に延びる。したがって、第1定電位配線13は、ソース領域350が延びる方向と同じ方向に延びる。また、第1定電位配線13は、平面視でソース領域350に重なる。第1定電位配線13は、平面視で、容量電極330よりもY1方向に位置する。また、第1定電位配線13は、複数のコンタクト51を介してソース領域350に電気的に接続される。なお、コンタクト51は、サブ画素P0ごとに設けられる。
【0040】
また、平面視で、第1定電位配線13とゲート電極310との間には、ソース領域350と容量電極330とが重ならない領域35Sが存在する。別の言い方をすると、ソース領域350のゲート電極310側の縁部は、容量電極330と重なっていない。
【0041】
また、接続配線15は、第1定電位配線13よりもY2方向に配置される。接続配線15は、ゲート電極310と容量電極330とを電気的に接続するために用いられる。接続配線15は、サブ画素P0ごとに設けられたコンタクト52を介して容量電極330に電気的に接続される。また、接続配線15は、サブ画素P0ごとに設けられたコンタクト53を介してゲート電極310に電気的に接続される。したがって、第1容量電極330aは、コンタクト52、接続配線15およびコンタクト53を介して第1ゲート電極310aに電気的に接続される。同様に、第2容量電極330bは、コンタクト52、接続配線15およびコンタクト53を介して第2ゲート電極310bに電気的に接続される。第3容量電極330cは、コンタクト52、接続配線15およびコンタクト53を介して第3ゲート電極310cに電気的に接続される。
【0042】
ゲート接続配線16は、接続配線15よりもY2方向に配置される。ゲート接続配線16は、コンタクト54を介してゲート電極310に電気的に接続される。図示の例では、ゲート接続配線16は、平面視で、コンタクト54からX2方向に延びた後、Y2方向に延びる。図示はしないが、かかるゲート接続配線16のコンタクト54とは反対の端は、選択トランジスター32に電気的に接続される。
【0043】
ドレイン接続配線17は、ゲート接続配線16に対してX1方向に配置される。第1サブ画素P1に設けられたドレイン接続配線17は、コンタクト54を介して第1ドレイン領域3511に電気的に接続される。詳細な図示はしないが、第1サブ画素P1に設けられたドレイン接続配線17のコンタクト54とは反対の端は、「第1発光素子」としての発光素子20の画素電極22に電気的に接続される。同様に、第2サブ画素P2に設けられたドレイン接続配線17は、コンタクト54を介して第2ドレイン領域3521に電気的に接続される。第2サブ画素P2に設けられたドレイン接続配線17のコンタクト54とは反対の端は、「第2発光素子」としての発光素子20の画素電極22に電気的に接続される。また、第3サブ画素P3に設けられたドレイン接続配線17は、コンタクト54を介して第3ドレイン領域3531に電気的に接続される。第3サブ画素P3に設けられたドレイン接続配線17のコンタクト54とは反対の端は、「第3発光素子」としての発光素子20の画素電極22に電気的に接続される。なお、図示はしないが、図3に示す絶縁層44の上方には、サブ画素P0ごとに画素電極22が配置される。
【0044】
以上説明のように、第1トランジスター31aは、ソース領域350、第1ゲート電極310a、および第1ドレイン領域3511を有する。また、第2トランジスター31bは、ソース領域350、第2ゲート電極310b、および第2ドレイン領域3521を有する。第3トランジスター31cは、ソース領域350、第3ゲート電極310c、および第3ドレイン領域3531を有する。ソース領域350は、第1方向であるX1方向に沿って延在しており、第1トランジスター31aと第2トランジスター31bと第3トランジスター31cとで共通である。
【0045】
また、前述のように、第1容量電極330aは、ソース領域350と平面視で重なる。同様に、第2容量電極330bは、ソース領域350と平面視で重なる。第3容量電極330cは、ソース領域350と平面視で重なる。また、第1容量電極330aとソース領域350とで、第1容量素子33aが形成される。第2容量電極330bとソース領域350とで、第2容量素子33bが形成される。第3容量電極330cとソース領域350とで、第3容量素子33cが形成される。
【0046】
前述のように、サブ画素P0ごとに容量電極330が設けられていることに対し、ソース領域350は、3つのサブ画素P0で共通である。このため、ソース領域350と、各容量電極330との平面的な位置ずれが低減される。すなわち、容量素子33の一方の電極と他方の電極との平面的な位置ずれを低減することができる。よって、サブ画素P0ごとに容量ばらつきが発生するおそれを抑制することができる。
【0047】
また、前述のように、半導体層35は、第1領域351と第2領域352と第3領域353とを有する。第1ドレイン領域3511は、第1領域351に設けられる。第2ドレイン領域3521は、第2領域352に設けられる。第3ドレイン領域3531は、第3領域353に設けられる。したがって、第1トランジスター31aのソースおよびドレインと、第2トランジスターのソースおよびドレインと、第2トランジスターのソースおよびドレインとは、同一の半導体層35に形成されている。すなわち、各駆動用トランジスター31のアクティブエリアが同一の半導体層35で形成されている。
【0048】
また、第1ゲート電極310aは、第1領域351と平面視で重なる。第2ゲート電極310bは、第2領域352と平面視で重なる。第3ゲート電極310cは、第3領域353と平面視で重なる。前述のように各駆動用トランジスター31のアクティブエリアが同一の半導体層35に設けられているため、第1ゲート電極310aと第1領域351との平面的な位置ずれ、第2ゲート電極310bと第2領域352との平面的な位置ずれ、および第3ゲート電極310cと第3領域353との平面的な位置ずれを抑制し易くなる。したがって、第1ゲート電極310aと第1チャネル領域3512との平面的な位置ずれ、第2ゲート電極310bと第2チャネル領域3522との平面的な位置ずれ、および第3ゲート電極310cと第3チャネル領域3532との平面的な位置ずれを抑制することができる。
【0049】
また、前述のように、第1定電位配線13は、ソース領域350の延びる方向であるXX1方向に延びており、コンタクト51を介してソース領域350と電気的に接続される。第1定電位配線13がソース領域350の延びる方向であるX1方向に延びていることで、サブ画素P0ごとに、第1定電位配線13とソース領域350とを導通させ易くなる。
【0050】
また、各サブ画素P0において、容量電極330は、平面視で第1定電位配線13とゲート電極310との間に配置される。このため、第1定電位配線13が、各ゲート電極310と各容量電極330との間に配置される場合に比べ、ゲート電極310と容量電極330との接続配線15を用いた電気的な接続が容易である。
【0051】
さらに、容量素子33の一方の電極に相当する容量電極330が平面視で第1定電位配線13とゲート電極310との間に配置されることに加え、第1定電位配線13よりも下層に容量素子33の他方の電極に相当するソース領域350が設けられる。ここで、第1定電位配線13から駆動用トランジスター31への電流の経路上に容量素子33があると、電流が阻害されかねない。しかし、容量電極330、第1定電位配線13、ゲート電極310およびソース領域350が前述の配置であることで、第1定電位配線13から駆動用トランジスター31への電流の経路が容量素子33によって阻害されることが回避される。
【0052】
さらに、第1定電位配線13とゲート電極310との間には、平面視で、容量電極330とソース領域350とが重ならない領域35Sが設けられる。したがって、領域35Sが存在するように容量電極330を配置することで、平面視で容量電極330の全域をソース領域350に確実に重ねることができる。つまり、容量電極330が平面視でソース領域350に包含された状態になる。このため、容量ばらつきが発生するおそれを効果的に抑制することができる。
【0053】
また、前述のように、容量電極330とゲート電極310とは、同層に設けられる。そして、容量電極330とゲート電極310とは、接続配線15により電気的に接続される。本実施形態では、ホットキャリア対策として駆動用トランジスター31は、LDD構造を有する。このため、容量電極330とゲート電極310とが別個に形成され、これらが接続配線15で電気的に接続されている。また、容量電極330とゲート電極310とが同層に設けられていることで、これらの電気的な接続が容易である。
【0054】
以上の表示装置100によれば、容量ばらつきが発生するおそれを抑制することができる。よって、信頼性に優れ、かつ品質が良好な表示装置100を提供することができる。
【0055】
2.第2実施形態
以下、第2実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が前述の第1実施形態と同様である要素については、前述の第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0056】
第2実施形態では、ゲート電極310と容量電極330とが一体的に形成されることが、主に第1実施形態と異なる。
【0057】
図7は、第2実施形態の駆動用トランジスター31Aおよび容量素子33Aの構成を示す断面図である。図8は、半導体層35Aを示す平面図である図9は、電極部3の平面図である。図10は、第1定電位配線13等の各種配線の平面図である。なお、駆動用トランジスター31Aおよび容量素子33Aについて、第1実施形態の駆動用トランジスター31および容量素子33と同様の事項は適宜に省略する。
【0058】
図7および図8に示すように、半導体層35Aは、ソース領域350と、第1領域351Aと、第2領域352Aと、第3領域353Aとを有する。また、本実施形態では、各駆動用トランジスター31は、SD(Single Drain)構造を含む。
【0059】
第1領域351A、第2領域352A、および第3領域353Aは、ソース領域350からY2方向に延び、互いに離間する。第1領域351Aは、第1トランジスター31aAの一部である。第2領域352Aは、第2トランジスター31bAの一部である。第3領域353は、第3トランジスター31cAの一部である。
【0060】
第1領域351Aには、第1トランジスター31aAが有する第1ドレイン領域3511および第1チャネル領域3512が設けられる。第1チャネル領域3512、および第1ドレイン領域3511は、ソース領域350からこの順に並ぶ。また、第2領域352Aには、第2トランジスター31bAが有する第2ドレイン領域3521および第2チャネル領域3522が設けられる。第2チャネル領域3522、および第2ドレイン領域3521は、ソース領域350からこの順に並ぶ。また、第3領域353Aには、第3トランジスター31cが有する第3ドレイン領域3531および第3チャネル領域3532が設けられる。第3チャネル領域3532、および第3ドレイン領域3531は、ソース領域350からこの順に並ぶ。
【0061】
図7に示すように、絶縁層42上には、電極部3が配置される。なお、図9に示すように、第1トランジスター31aを第1電極部3aとし、第2トランジスター31bを第2電極部3bとし、第3トランジスター31cを第3電極部3cとする。第1電極部3a、第2電極部3bおよび第3電極部3cを区別しない場合、電極部3と表記する。
【0062】
図9に示すように、第1電極部3aは、第1容量電極330aおよび第1ゲート電極310aを含み、これらは一体で形成される。第2電極部3bは、第2容量電極330bおよび第2ゲート電極310bを含み、これらは一体で形成される。第3電極部3cは、第3容量電極330cおよび第3ゲート電極310cを含み、これらは一体で形成される。本実施形態の半導体層35Aは、SD構造である。このため、容量電極330とゲート電極310とは、一体で形成されている。容量電極330とゲート電極310が一体で形成されることで、容量電極330とゲート電極310の形成が容易であり、各サブ画素P0の微小化が図り易い。
【0063】
電極部3は、ポリシリコンに導電性を高める不純物がドープされることにより形成される。また、電極部3は、タングステン、チタン、クロム、鉄よびアルミニウム等の金属、金属シリサイドおよび金属化合物の導電性を有する材料を用いて形成されてもよい。
【0064】
図7に示すように、絶縁層43上には、第1定電位配線13、ゲート接続配線16、およびドレイン接続配線17がサブ画素P0ごとに設けられる。前述のように、本実施形態では、容量電極330とゲート電極310とが一体で形成されている。このため、第1実施形態の接続配線15を省略することができる。
【0065】
以上の本実施形態においても第1実施形態と同様に、サブ画素P0ごとに容量電極330が設けられていることに対し、ソース領域350は、3つのサブ画素P0で共通である。このため、ソース領域350と、各容量電極330との平面的な位置ずれが低減される。すなわち、容量素子33の一方の電極と他方の電極との平面的ないずれを低減することができる。よって、サブ画素P0ごとに容量ばらつきが発生するおそれを抑制することができる。したがって、本実施形態においても、信頼性に優れ、かつ品質が良好な表示装置100を提供することができる。
【0066】
3.変形例
前述の各実施形態は、例えば、以下に述べる各種の変形が可能である。また、各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0067】
前述の説明の画素回路30の構成は一例であり、図2に示す構成以外であってもよい。図11は、変形例の画素回路30を説明するための平面図である。例えば、図11に示す平面図のように画素回路30は、画素電極22と駆動用トランジスター31との間の導通を制御する制御トランジスター36をさらに備えてもよい。図示の例では、第1トランジスター31aのドレイン接続配線17に、第1制御トランジスター36aが、第2トランジスター31bのドレイン接続配線17に、第2制御トランジスター36bが、第3トランジスター31cのドレイン接続配線17に、第3制御トランジスター36cが、それぞれ電気的に接続される。第1制御トランジスター36a、第2制御トランジスター36bおよび第3制御トランジスター36cのそれぞれに、画素電極22が電気的に接続されている。第1制御トランジスター36a、第2制御トランジスター36b、および第3制御トランジスター36cのそれぞれのゲート電極は共通であり、ゲート電極310と同層に制御線37として設けられている。
【0068】
図12は、変形例の画素回路30を説明するための平面図である。また、例えば、図12の平面図に示すように、第1定電位配線と駆動用トランジスター31との間の導通を制御する制御用トランジスター36Aをさらに備えてもよい。図示の例では、半導体層35と第1トランジスター31aとの間に第1制御トランジスター36aAが、半導体層35と第2トランジスター31bとの間に第2制御トランジスター36bAが、半導体層35と第3トランジスター31cとの間に第3制御トランジスター36cAが、それぞれ電気的に接続されている。第1制御トランジスター36aA、第2制御トランジスター36bA、および第3制御トランジスター36cAのそれぞれのゲート電極は共通であり、ゲート電極310と同層に制御線37Aとして設けられている。この場合、第1制御トランジスター36aA、第2制御トランジスター36bA、第3制御トランジスター36cAのそれぞれは、共通のソース領域350を有する。また、図示はしないが、接続配線15は、ゲート電極310に接続されず、駆動用トランジスター31と制御用トランジスター36Aとが共有するドレイン・ソース領域354と電気的に接続されていてもよい。さらにこの場合、ドレイン・ソース領域354とゲート電極310との間に第4容量素子が電気的に接続されていてもよい。第4容量素子は、2つの容量電極を有し、一方の容量電極が、ゲート電極310に電気的に接続され、他方の容量電極が、ドレイン・ソース領域354に電気的に接続されていてもよい。また、他方の容量電極は、ドレイン・ソース領域354であってもよい。
【0069】
また、前述の説明では、1つの画素Pは3つのサブ画素P0を有するが、1つの画素Pが有するサブ画素P0の数は3つに限定されない。例えば、1つの画素Pは、4つのサブ画素P0を有してもよい。この場合、例えば、1つの画素Pは、サブ画素PR、サブ画素PGおよびサブ画素PBのいずれかを複数有してもよい。また、1つの画素Pが4つのサブ画素P0を有する場合、サブ画素P0の配列としては、ベイヤー配列等が挙げられる。サブ画素P0の配列は図1に示す例に限定されず任意である。
【0070】
また、前述の説明では、1つの画素Pでソース領域350が共通であったが、複数の画素Pでソース領域350が共通であってもよい。また、前述の説明では、複数の容量電極330の平面積は互いに等しいが、互いに異なっていてもよい。
【0071】
4.電子機器
前述の各実施形態または各変形例の表示装置100は、各種の電子機器に適用することができる。
【0072】
4-1.ヘッドマウントディスプレイ
図13は、電子機器の一例である虚像表示装置700の一部を模式的に示す図である。図13に示す虚像表示装置700は、観察者の頭部に装着されて画像の表示を行うヘッドマウントディスプレイ(HMD)である。虚像表示装置700は、前述した表示装置100と、コリメーター71と、導光体72と、第1反射型体積ホログラム73と、第2反射型体積ホログラム74と、制御部79と、を備える。なお、表示装置100から発せられる光は、映像光LLとして発せられる。
【0073】
制御部79は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、表示装置100の動作を制御する。コリメーター71は、表示装置100と導光体72との間に配置される。コリメーター71は、表示装置100から出射された光を平行光にする。コリメーター71は、コリメーターレンズ等で構成される。コリメーター71で平行光に変換された光は、導光体72に入射する。
【0074】
導光体72は、平板状をなし、コリメーター71を介して入射する光の方向と交差する方向に延在して配置される。導光体72は、その内部で光を反射して導光する。導光体72のコリメーター71と対向する面721には、光が入射する光入射口と、光を発する光出射口が設けられる。導光体72の面721とは反対の面722には、回折光学素子としての第1反射型体積ホログラム73および回折光学素子としての第2反射型体積ホログラム74が配置される。第1反射型体積ホログラム73は、第2反射型体積ホログラム74よりも光出射口側に設けられる。第1反射型体積ホログラム73および第2反射型体積ホログラム74は、所定の波長域に対応する干渉縞を有し、所定の波長域の光を回折反射させる。
【0075】
かかる構成の虚像表示装置700では、光入射口から導光体72内に入射した映像光LLが、反射を繰り返して進み、光出射口から観察者の瞳EYに導かれることで、映像光LLにより形成された虚像で構成される画像を観察者が観察することができる。
【0076】
虚像表示装置700は、前述の表示装置100を備える。前述の表示装置100は容量ばらつきが発生するおそれを抑制されている。このため、信頼性に優れており、品質が良好である。それゆえ、表示装置100を備えることで、表示品質の高い虚像表示装置700を提供することができる。
【0077】
4-2.パーソナルコンピューター
図14は、本発明の電子機器の一例であるパーソナルコンピューター400を示す斜視図である。図14に示すパーソナルコンピューター400は、表示装置100と、電源スイッチ401およびキーボード402が設けられた本体部403と、制御部409とを備える。制御部409は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、表示装置100の動作を制御する。パーソナルコンピューター400は、前述の表示装置100は容量ばらつきが発生するおそれを抑制されている。このため、信頼性に優れており、品質が良好である。それゆえ、表示装置100を備えることで、表示品質の高いパーソナルコンピューター400を提供することができる。
【0078】
なお、表示装置100を備える「電子機器」としては、図13に例示した虚像表示装置700および図14に例示したパーソナルコンピューター400の他、デジタルスコープ、デジタル双眼鏡、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラなど眼に近接して配置する機器が挙げられる。また、表示装置100を備える「電子機器」は、携帯電話機、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistants)、カーナビゲーション装置、および車載用の表示部として適用される。さらに、表示装置100を備える「電子機器」は、光を照らす照明、または光を用いたセンサーとして適用される。
【0079】
以上、本発明について図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。また、本発明の各部の構成は、前述した実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。また、本発明は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
3…電極部、3a…第1電極部、3b…第2電極部、3c…第3電極部、11…走査線、12…信号線、13…第1定電位配線、14…第2定電位配線、15…接続配線、16…ゲート接続配線、17…ドレイン接続配線、20…発光素子、21…発光層、22…画素電極、23…共通電極、30…画素回路、31…駆動用トランジスター、31A…駆動用トランジスター、31a…第1トランジスター、31aA…第1トランジスター、31b…第2トランジスター、31bA…第2トランジスター、31c…第3トランジスター、31cA…第3トランジスター、32…選択トランジスター、33…容量素子、33a…第1容量素子、33b…第2容量素子、33c…第3容量素子、35…半導体層、35A…半導体層、35S…領域、36…制御用トランジスター、36A…制御用トランジスター、36a…第1制御用トランジスター、36aA…第1制御用トランジスター、36b…第2制御用トランジスター、36bA…第2制御用トランジスター、36c…第3制御用トランジスター、36cA…第3制御用トランジスター、37…制御線、37A…制御線、41…基板、42…絶縁層、43…絶縁層、44…絶縁層、51…コンタクト、52…コンタクト、53…コンタクト、54…コンタクト、71…コリメーター、72…導光体、73…第1反射型体積ホログラム、74…第2反射型体積ホログラム、79…制御部、100…表示装置、201…制御回路、202…走査線駆動回路、203…信号線駆動回路、204…外部端子、310…ゲート電極、310a…第1ゲート電極、310b…第2ゲート電極、310c…第3ゲート電極、330…容量電極、330a…第1容量電極、330b…第2容量電極、330c…第3容量電極、350…ソース領域、351…第1領域、351A…第1領域、352…第2領域、352A…第2領域、353…第3領域、353A…第3領域、354…ドレイン・ソース領域、400…パーソナルコンピューター、401…電源スイッチ、402…キーボード、403…本体部、409…制御部、700…虚像表示装置、721…面、722…面、3511…第1ドレイン領域、3512…第1チャネル領域、3513…第1低濃度ソース領域、3514…第1低濃度ドレイン領域、3521…第2ドレイン領域、3522…第2チャネル領域、3523…第2低濃度ソース領域、3524…第2低濃度ドレイン領域、3531…第3ドレイン領域、3532…第3チャネル領域、3533…第3低濃度ソース領域、3534…第3低濃度ドレイン領域、A10…表示領域、A20…周辺領域、EY…瞳、LL…映像光、P…画素、P0…サブ画素、P1…第1サブ画素、P2…第2サブ画素、P3…第3サブ画素、PB…サブ画素、PG…サブ画素、PR…サブ画素。
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