(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033959
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】特装車両用フェンダ
(51)【国際特許分類】
B62D 25/18 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
B62D25/18 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137901
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】三浦 敬太
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA13
3D203BC02
3D203BC22
3D203CA07
3D203CB12
3D203CB32
3D203DA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単な構造で様々な特装車両に好適に取り付け可能な特装車両用フェンダを提供する。
【解決手段】タンク型の架装物を搭載した特装車両において車輪を上方から覆う特装車両用フェンダであって、支持部材30と、支持部材によって直接又は間接的に支持されるカバー部材21を備え、カバー部材は、弾性を有する可撓性部71と、可撓性部よりも剛性の高い剛性部70を有し、少なくとも一部が可撓性部によって形成される構造とする。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク型の架装物を搭載した特装車両において車輪を上方から覆う特装車両用フェンダであって、
支持部材と、前記支持部材によって直接又は間接的に支持されるカバー部材を備え、
前記カバー部材は、弾性を有する可撓性部と、前記可撓性部よりも剛性の高い剛性部を有し、少なくとも一部が前記可撓性部によって形成されることを特徴とする特装車両用フェンダ。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記車輪側の面である車輪側面と、前記車輪側面とは逆側の面となる逆側面を有し、前記逆側面が前記架装物と面する部分の少なくとも一部が前記可撓性部によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の特装車両用フェンダ。
【請求項3】
前記支持部材は、略水平に延びる水平部と、斜めに延びる傾斜部を有し、
前記カバー部材は、前記水平部と近接する部分が前記剛性部によって形成され、前記傾斜部と近接する部分の少なくとも一部が前記可撓性部によって形成されることを特徴とする請求項2に記載の特装車両用フェンダ。
【請求項4】
前記支持部材が前後方向に離れた位置にそれぞれ配され、
前後方向に離れた前記支持部材の間となる位置であり、前記可撓性部によって形成される部分の内側に隣接する位置に延設部材が配されることを特徴とする請求項2に記載の特装車両用フェンダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク型の架装物を備えた特装車両で使用される特装車両用フェンダに関する。
【背景技術】
【0002】
タンクローリー(タンク車)、粉粒体運搬車、ミキサ車のような特装車両が広く知られている。このような特装車両は、車両に対して架装物を取り付けて形成されるものであり、詳細には、運転室の後方であってシャシフレーム上となる位置に、直接、又はサブフレーム(タンクフレーム)等の取付用部材を介して架装物を取り付ける(搭載する)。
【0003】
タンクローリーは、固体、液体、気体を収容するタンクを架装物として取り付けた特装車両である。粉粒体運搬車は、鉱山物、樹脂ペレット等の粉粒体を収容するタンクを架装物として取り付けた特装車両である。また、ミキサ車は、回転可能な円筒形の容器であるミキシングドラムを架装物として取り付けた特装車両である。
つまり、これらはいずれも内部に気体、液体、固体の少なくともいずれかを収容可能な容器として機能する架装物を車両に取り付けて形成される特装車両である。
【0004】
ここで、特装車両を製造する際には、運転室とシャシフレームを有する車両に対して上記したタンク、ミキシングドラム等の主たる架装物の他、フェンダ、サイドバンパ等の装備品(副次的な架装物)を取り付ける場合がある。例えば、特許文献1には、ミキサ車におけるフェンダ取り付け構造が開示されている。
なお、ここでいう「主たる架装物」は、特装車両の種類を決定付ける架装物である。
【0005】
特許文献1に開示されたフェンダ取り付け構造では、車体より側方に突出する複数の支持枠を設け、指示枠の一部をミキシングドラムの下方に位置する後輪の上方に位置させている。そして、これらの指示枠に後輪の上方をカバ-する主フェンダを取り付けている。そして、主フェンダと車体の隙間を塞ぐように配した補助フェンダを設け、主フェンダと補助フェンダの重合部分に弾性部材を介在させている。
【0006】
このような構造によると、走行中に車輪が泥や小石を跳ね上げても主フェンダや補助フェンダに当たるので、ミキシングドラムに当たることを防止できる。また、走行中に主フェンダが振動しても、主フェンダや補助フェンダに介在させた弾性部材によってこれらの間に隙間が形成されることを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、従来のフェンダ取り付け構造は、様々な特装車両に対して容易に取り付け可能とするという点で改良の余地があった。
詳細に説明すると、タンク、ミキシングドラム等の架装物(主たる架装物)は特装車両ごとに大きさや形状が異なる。そして、架装物が大きな特装車両では、フェンダを取り付けようとすると、架装物が取り付けの邪魔となり、架装物の一部を避けるようにフェンダを折り曲げ加工等する必要が生じる場合がある。すなわち、架装物の形状に合わせてフェンダを折り曲げ加工等する必要が生じる場合がある。この場合、取り付け作業が煩雑化してしまう。
【0009】
また、架装物が大きな特装車両では、架装物の一部がフェンダと極めて近い位置に配される場合がある。この場合、補助フェンダが奥まった位置に配されるため、フェンダの着脱が困難となる。なお、主フェンダ及び補助フェンダの上側に配管等の部材が配される場合も同様に、補助フェンダ等が奥まった位置に配され、フェンダの着脱が困難となる。
【0010】
そこで、本発明は、簡単な構造で様々な特装車両に好適に取り付け可能な特装車両用フェンダを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明の一つの様相は、タンク型の架装物を搭載した特装車両において車輪を上方から覆う特装車両用フェンダであって、支持部材と、前記支持部材によって直接又は間接的に支持されるカバー部材を備え、前記カバー部材は、弾性を有する可撓性部と、前記可撓性部よりも剛性の高い剛性部を有し、少なくとも一部が前記可撓性部によって形成されることを特徴とする特装車両用フェンダである。
なお、ここでいう「タンク型の架装物」は、内部に気体、液体、固体の少なくともいずれかを収容可能な架装物であればよい。したがって、「タンク型の架装物を搭載した特装車両」は、タンクローリー(タンク車)の他、粉粒体運搬車、ミキサ車を含む。
【0012】
本様相によると、本来であれば架装物や配管等が邪魔になって取り付けられない(取り付けが困難となる)場合であっても、可撓性部がこれらを避けるように変形することで、簡単に取り付けが可能となる。このため、様々な特装車両に好適に取り付けが可能となる。
【0013】
上記した様相は、前記カバー部材は、前記車輪側の面である車輪側面と、前記車輪側面とは逆側の面となる逆側面を有し、前記逆側面が前記架装物と面する部分の少なくとも一部が前記可撓性部によって形成されることが好ましい。
なお、ここでいう「面する」とは、架装物の一部に接触しつつ対向する場合と、架装物の一部と接触しつつ対向する場合と、架装物との間に隙間を挟んで対向する場合を含む。
【0014】
係る様相によると、タンク型の架装物と近接する奥まった部分が可撓性部によって形成され、取り付け作業時等にこの部分の変形が可能となり、取り付け作業が容易となる。また、可撓性部で形成した部分が取り付け作業時等に変形することにより、架装物等の形状や大きさの異なる様々な特装車両に応じた加工をしたりすることなく、特装車両用フェンダの取り付けが可能となる。このことから、様々な特装車両に対して好適に取り付けが可能となる。
【0015】
上記した様相は、前記支持部材は、略水平に延びる水平部と、斜めに延びる傾斜部を有し、前記カバー部材は、前記水平部と近接する部分が前記剛性部によって形成され、前記傾斜部と近接する部分の少なくとも一部が前記可撓性部によって形成されることが好ましい。
なお「略水平」とは、完全な水平方向に限らず、水平方向に対して所定の許容角度だけ傾斜した状態を含み、例えば、水平方向に対してプラスマイナス5度傾斜した状態を含む。
【0016】
上記した様相は、前記支持部材が前後方向に離れた位置にそれぞれ配され、前後方向に離れた前記支持部材の間となる位置であり、前記可撓性部によって形成される部分の内側に隣接する位置に延設部材が配されることが好ましい。
【0017】
係る様相によると、可撓性部材で形成される部分の少なくとも一部が意図せずに車輪側に近づくことを防止できる。すなわち、可撓性部材で形成される部分の少なくとも一部が車輪に巻き込まれてしまうことを防止できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、簡単な構造で様々な特装車両に好適に取り付け可能な特装車両用フェンダを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係るフェンダを備えた特装車両を模式的に示す側面図である。
【
図2】
図1のフェンダとその周辺を示す斜視図である。
【
図3】
図2のフェンダを示す平面図であり、カバー部材の下側に位置する骨格部材を点線で示す。
【
図4】
図3の骨格部材を模式的に示す斜視図である。
【
図6】
図5の支柱部の一部を模式的に示す図であり、(a)は支柱部本体を省略して示す斜視図であり、(b)は支柱部本体の大部分を省略すると共に支柱部本体を透過して示す正面図である。
【
図7】
図3の支柱部の基端側部分の周辺を模式的に示す説明図であり、支柱部本体の大部分を省略して示す。
【
図8】
図2のカバー部材を別方向からみた様子を模式的に示す斜視図である。
【
図9】
図1のフェンダ周辺を模式的に示す側面図である。
【
図10】
図9のフェンダをA-A面で切断して矢印方向にみた様子を模式的に示す図であり、要部とは異なる部分を省略して示す説明図である。
【
図11】
図9のフェンダをB-B面で切断して矢印方向にみた様子を模式的に示す図であり、要部とは異なる部分を省略して示す説明図である。
【
図12】
図1とは異なる実施形態に係るフェンダを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係るフェンダ1(特装車両用フェンダ)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、前後方向は、運転席側を前側とし、その逆側を後側とする。また、上下方向、左右方向は、
図1の姿勢を基準とし、
図1の手前側を左方とし、奥側を右方とする。
【0021】
本実施形態のフェンダ1は、
図1で示されるように、特装車両2の一部を形成する。本実施形態の特装車両2は、車両本体3にタンク4(架装物)を架装して(取り付けて)形成された所謂タンクローリーである。
【0022】
車両本体3は、運転室10と、車両本体3の骨格をなすシャシフレーム11(車体フレーム)と、前輪12と、後輪13を有しており、自走可能である。
【0023】
タンク4は、内部に固体、液体、気体の少なくとも一部を収容可能な容器として機能する部材であり、例えば、液化天然ガスを収容可能な部材である。このタンク4は、タンクフレーム5(架装物用取付部材)を介してシャシフレーム11に取り付けられている。このため、タンク4とシャシフレーム11の間には、タンク4用の取付部材であるタンクフレーム5が介在している。
【0024】
したがって、タンク4は、運転室10よりも後方であり、シャシフレーム11の上側となる位置に配される。また、タンク4は、大部分(80パーセント以上の部分)又は全体が後輪13よりも上方に位置する。
【0025】
本実施形態の車両本体3は、
図1、
図2で示されるように、後輪13が前後方向で並んだ2軸を有しており、1軸につき長手方向(左右方向)の片側に2つ、両側で4つのタイヤ13a(車輪)が取り付けられている。つまり、車両本体3の後輪13は、左右方向の一方側と他方側のそれぞれに2×2行列状に並んだ4つのタイヤ13aを有する(
図1の奥側に位置する4つのタイヤ13aは図示しない)。
【0026】
本実施形態のフェンダ1は、
図1、
図2で示されるように、左右方向の両側のそれぞれで後輪13を上方から覆う部材である(
図1の奥側に位置するフェンダ1は図示しない)。つまり、フェンダ1は、リアフェンダであり、2×2行列状(複数行及び複数列の行列状)に並んだ複数のタイヤ13aを上方から覆う部材である。なお、左右方向の一方側(左舷側)のフェンダ1と、他方側(右舷側)のフェンダ1は、左右対称の部材となっている。
【0027】
本実施形態のフェンダ1は、
図2、
図3、
図4で示されるように、骨格部材20と、カバー部材21を有し、骨格部材20にカバー部材21が取り付けられて形成されている。つまり、カバー部材21は、骨格部材20によって支持されている。
【0028】
骨格部材20は、各部が金属で形成された金属性の部材であり、
図3、
図4で示されるように、複数(本実施形態では3つ)の支柱部30(支持部材)と、連結部31と、前側支持部32と、後側支持部33を有している。
なお、上記したように、左右方向の一方側のフェンダ1と他方側のフェンダ1は、左右対称の部材となっている。このことから、左右方向の一方側のフェンダ1の骨格部材20と他方側のフェンダ1の骨格部材20もまた、左右対称の部材となっている。以下の説明では、特に断りのない限り
図3、
図4等で示す左側の骨格部材20について説明し、右側の骨格部材20の詳細な説明を省略する。
【0029】
支柱部30は、
図5で示されるように、支柱部本体40と、取付片部材41と、支柱部本体40と取付片部材41の間に介在する基端側部材42を有している。
支柱部本体40は、断面形状が略コ字状で延びる部材であり、斜め方向に延びる傾斜部50と、水平方向に延びる水平部51とが一体に形成されている。すなわち、支柱部本体40は、前後方向で離間対向する2つの立壁部40a,40aと、2つの立壁部40a,40aの上側部分同士の間で延びる上板部40bを有している。
【0030】
傾斜部50は、左右方向の外側に向かうにつれて上方に向かうように伸びる部分である。水平部51は、傾斜部50のうちで最も左右方向の外側に位置する部分から延びる部分であり、左右方向で外側(車両本体3及びタンク4から離れる方向)に向かって伸びている。
【0031】
取付片部材41は、平板状の土台板部41aと立板状の立板部41bを有し、これらが略L字状に連続して形成される部材である。
【0032】
基端側部材42は、
図6で示されるように、内部が中空となる略角筒状の本体部42aと立板状の立板状部42bを有する。立板状部42bは、本体部42aの左右方向における外側端部と一体に形成され、上端部分が本体部42aの上端部分よりも上方に位置している。言い換えると、立板状部42bの上側部分は、本体部42aの上方に突出する部分となっている。
【0033】
ここで、本実施形態では、取付片部材41に対して基端側部材42が溶接等の適宜な固定手段によって固定されている。具体的には、土台板部41aの上側に本体部42aの一部が載置され、本体部42aの左右方向の内側端部(立板状部42bと連続する端部とは逆側の端部)が立板部41bと接触した状態で固定されている。
【0034】
また、支柱部本体40(傾斜部50)の下端側部分(延び方向の基端側部分)が基端側部材42に溶接等の適宜な固定手段によって固定されている。このとき、支柱部本体40の2つの立壁部40aの間に基端側部材42の一部が配されている(
図5、
図6(b)参照)。
詳細には、2つの立壁部40aによって基端側部材42の一部が挟まれた状態となっている。このとき、一方の立壁部40aの内側面と基端側部材42の前側面(
図5では左手前側の面)とが接触し、もう一方の立壁部40aの内側面と基端側部材42の後側面とが接触している。そして、一方の立壁部40aと基端側部材42の前側部分が固定され、他方の立壁部40aと基端側部材42の後側部部分が固定されている。
【0035】
ここで、本実施形態では、
図4で示されるように、第一支柱部30a、第二支柱部30b、第三支柱部30cからなる3つの支柱部30を有しており、これらが前後方向で間隔をあけて(
図1参照)並んだ状態で配置されている。これらの支柱部30には、
図7で示されるように、棒状部材55(延設部材)が固定されている。
【0036】
棒状部材55は、細長い丸棒状の部材であり、前後方向に沿うように延びた(延設された)部材である。ここで、本実施形態では、第一棒状部材55a乃至第四棒状部材55dからなる複数(4つ)の棒状部材55のそれぞれが、3つの支柱部30から選択される1つ又は2つの支柱部30に対して取り付けられている。
【0037】
具体的には、第一棒状部材55aは、第一支柱部30aに片持ち状に取り付けられており、第一支柱部30aが位置する部分から前方に延びている。すなわち、第一棒状部材55aの後端側部分(固定端側部分)が第一支柱部30aに固定され、第一棒状部材55aの前端が自由端となっている。
第二棒状部材55bは、第一支柱部30aと第二支柱部30bに掛け渡された状態で取り付けられている。すなわち、第二棒状部材55bは、長手方向の一端側(前端側)が第一支柱部30aに固定され、他端側(後端側)が第二支柱部30bに固定されている。
第三棒状部材55cは、第二支柱部30bと第三支柱部30cに掛け渡された状態で取り付けられている。すなわち、第三棒状部材55cは、長手方向の一端側(前端側)が第二支柱部30bに固定され、他端側(後端側)が第三支柱部30cに固定されている。
そして、第四棒状部材55dは、第三支柱部30cに片持ち状に取り付けられており、第三支柱部30cが位置する部分から後方に延びている。すなわち、第四棒状部材55dの前端側部分(固定端側部分)が第三支柱部30cに固定され、第四棒状部材55dの後端が自由端となっている。
【0038】
本実施形態の棒状部材55は、長手方向の端部を支柱部30の基端側部材42に固定している。詳細には、基端側部材42の前面側部分又は後面側部分に棒状部材55の端部が固定されている。また、本実施形態の4つの棒状部材55は、左右方向及び上下方向の位置が同一(又は略同一)となるように配されており、前後方向で直線状に並んだ状態となっている。
【0039】
連結部31は、
図3、
図4で示されるように、2つの支柱部30の間で前後方向に延びる部材である。すなわち、前後方向の一端側が一の支柱部30に固定され、他端側が他の支柱部30に固定されている。このことにより、2つの支柱部30が連結部31によって連結された状態となる。本実施形態では、2つの支柱部30にそれぞれ属する水平部51同士の間で連結部31が延びており、2つの水平部51が連結部31によって連結されている。より詳細には、2つの水平部51の左右方向(
図3では上下方向)の内側端部同士が連結部31によって連結されている。
本実施形態では、2つの連結部31が設けられており、一方が第一支柱部30aと第二支柱部30bを連結し、他方が第二支柱部30bと第三支柱部30cを連結している。
【0040】
前側支持部32は、
図3、
図4で示されるように、2つの支持片部32aと、支持片連結部32bと、補助片部32cを有している。
2つの支持片部32aは、第一支柱部30aの水平部51の前側部分から前方に延びる部分であり、詳細には、
図4で示されるように、前方(
図4では左方手前側)に向かうにつれて下方に向かうように斜め方向に延びる部分である。この2つの支持片部32aは、互いに平行となるように延びている。
【0041】
支持片連結部32bは、左右方向に延びる部分であり、長手方向の一端側が一方の支持片部32aに固定され、他端側が他方の支持片部32aに固定されている。つまり、支持片連結部32bは、2つの支持片部32aの間で延びており、これら2つの支持片部32aを連結している。
補助片部32cは、一方の支持片部32aから左右方向の内側に向かって片持ち状に延びた部分である。
【0042】
後側支持部33は、
図3で示されるように、2つの支持片部33aと、支持片連結部33bと、補助片部33cを有している。
後側支持部33は、
図3、
図4で示されるように、前側支持部32と略同様の部分であるので詳細な説明を省略する。なお、前側支持部32は、全体として前側に向かうにつれて下方に向かうように傾斜した状態となっているのに対し、後側支持部33は、全体として後側に向かうにつれて下方に向かうように傾斜した状態となっている点が異なる。すなわち、後側支持部33は、第三支柱部30cの水平部51の後側部分から後方下側へ向かって延びる部分である。
【0043】
カバー部材21は、
図2、
図3、
図8で示されるように、天板部60(剛性部)と、前方板部61(剛性部)と、後方板部62(剛性部)と、内側傾斜部63を有している。また、本実施形態のカバー部材21は、
図2で示されるように、折返壁部67と後方側補助部68を有する。このカバー部材21は、フェンダ1の本体部分を形成する部材である。本実施形態のカバー部材21は、金属板を適宜折り曲げ加工することで、天板部60、前方板部61、後方板部62、内側傾斜部63の一部(後述する内側剛性板部70)、折返壁部67、後方側補助部68が形成されるものである。
【0044】
天板部60は、鉄、アルミ等の適宜な金属で形成された金属製の部分であり、厚さ方向が上下方向となる平板状の部分であって、カバー部材21の上端部分を形成している。また、本実施形態の天板部60は、平面視形状が前後方向に延びる略長方形状となる部分でもある。
この天板部60は、
図10、
図11で示されるように、下面(下側の主面)が後輪13のタイヤ13aに面する車輪側面(内側面)となる。また、下面とは厚さ方向で逆側に位置する主面である上面が、タイヤ13a側とは逆側の逆側面(外側面)となる。また、天板部60は、支柱部30の水平部51の上側(外側)に近接する位置に配されている。そして、天板部60は、ボルトナット等の取付用部材(一時締結要素)を介して水平部51に取り付けられている(詳細な図示を省略する)。言い換えると、天板部60は、骨格部材20の水平部51と対応する位置に配される部分である。
なお、ここでいう一時締結要素とは、締結要素の一種であって、被締結物を取り外せるように結合する機械構成要素の総称であり、ねじ、ボルトナット等である。
【0045】
前方板部61は、鉄、アルミ等の適宜な金属で形成された金属製の部分であり、
図2、
図8等で示されるように、天板部60、内側剛性板部70の前端部分と連続すると共に、これらの部分から前方下側に向かって延びる板状の部分である。この前方板部61は、厚さ方向の両側に位置する上面(外側面)及び下面(内側面)がいずれも前側に向かうにつれて下り勾配となる傾斜面となる。また、前方板部61では、下面が車輪側面(内側面)となり、上面が逆側面(外側面)となる。
この前方板部61は、
図3で示されるように、前側支持部32の上側(外側)に近接する位置に配されており、ボルトナット等の取付用部材を介して前側支持部32に取り付けられている(詳細な図示を省略する)。言い換えると、前方板部61は、骨格部材20の前側支持部32と対応する位置に配される部分である。
【0046】
後方板部62は、鉄、アルミ等の適宜な金属で形成された金属製の部分であり、
図2、
図8等で示されるように、天板部60、内側剛性板部70の後端部分と連続すると共に、これらの部分から後方下側に向かって延びる板状の部分である。この後方板部62は、厚さ方向の両側に位置する上面(外側面)及び下面(内側面)がいずれも後側に向かうにつれて下り勾配となる傾斜面となる。また、後方板部62では、下面が車輪側面(内側面)となり、上面が逆側面(外側面)となる。この後方板部62は、
図3で示されるように、後側支持部33の上側(外側)に近接する位置に配されており、ボルトナット等の取付用部材を介して後側支持部33に取り付けられている(詳細な図示を省略する)。言い換えると、後方板部62は、骨格部材20の後側支持部33と対応する位置に配される部分である。
【0047】
折返壁部67は、
図2で示されるように、天板部60、前方板部61、後方板部62の左右方向における外側端部(
図2では手前側の端部)と連続する部分であり、これらを下方側に折り返して形成される部分である。すなわち、これらの外側端部に沿って延びている。具体的には、
図10、
図11等で示されるように、左右方向の外側(
図10、
図11では左側)に向かうにつれて下方へ向かう斜め方向に延びる部分と、その下端から下方に延びる部分が連続して形成される。なお、折返壁部67では、斜め方向に延びる部分においては、下面(傾斜面となる下側の主面)が車輪側面(内側面)となり、上面(傾斜面となる上側の主面)が逆側面(外側面)となる。そして、立板状となる下方に延びる部分では、左右方向の内側(
図10等では右側)の主面が車輪側面(内側面)となり、左右方向の外側(
図10等では左側)の主面が逆側面(外側面)となる。
【0048】
後方側補助部68は、
図2、
図8で示されるように、後方板部62の下方側に位置する立板状の部分である。なお、後方側補助部68では、前面(前側の主面)が車輪側面(内側面)となり、後面(後側の主面)が逆側面(外側面)となる。
【0049】
内側傾斜部63は、
図3で示されるように、フェンダ1(カバー部材21)の幅方向で中心となる位置よりも内側(
図3では上側)に形成されている。なお、フェンダ1の幅方向は、左右方向であり、特装車両2の車幅方向でもある。
この内側傾斜部63は、
図2、
図3、
図8で示されるように、左右方向の内側(タンク4側)に向かうにつれて高さが低くなる部分である。本実施形態の内側傾斜部63は、
図3、
図8で示されるように、比較的剛性が高い内側剛性板部70(剛性部)と、内側剛性板部70と比べて剛性が低い可撓性部71によって構成されている。
【0050】
内側剛性板部70は、鉄、アルミ等の適宜な金属で形成された金属製の板状部分であり、平面視形状が略台形状となっている。すなわち、内側剛性板部70は、厚さ方向の両側に位置する上面(外側面)及び下面(内側面)がいずれも左右方向の内側に向かうにつれて下り勾配となる傾斜面となり、下方に向かうにつれて前後方向の長さが長くなる。内側剛性板部70では、下面が車輪側面となり、上面が逆側面となる。そして、可撓性部71の上側板部71a(詳しくは後述する)と重なる部分を除いた外側面は、内側傾斜部63の外側面(逆側面)となる。
【0051】
可撓性部71は、弾性を有するゴム等の適宜な樹脂材料で形成された弾性変形可能な部分であり、
図8、
図10で示されるように、上側板部71aと下側板部71bを有する。
上側板部71aと下側板部71bは、いずれも左右方向の内側に向かうにつれて下り勾配となるように傾斜した板状部分である。より詳細には、下側板部71bは、上側板部71aよりも傾斜が急となる。つまり、下側板部71bは、上側板部71aよりも水平面に対する傾斜角度が大きい。
なお、ここでいう「傾斜角度」は、上側板部71a、下側板部71bそれぞれの傾斜方向と水平面のなす角であり、上側板部71a、下側板部71bそれぞれの外側面又は内側面と水平面のなす角でもある。
【0052】
このため、可撓性部71では、上側板部71aと下側板部71bが境界部分で屈曲しつつ延びた状態となっている。また、下側板部71bの傾斜方向における長さは、上側板部71aの傾斜方向における長さよりも長くなっている。
【0053】
本実施形態の可撓性部71は、
図8、
図10で示されるように、内側剛性板部70の一部と上側板部71aの一部を重ねた状態とし、これらをボルトナット等の一時締結要素を介して取り付けている。このことから、可撓性部71は、内側剛性板部70に片持ち状に取り付けられ、斜め下方に位置する下端側部分が自由端となっている。
【0054】
このため、可撓性部71の一部は、内側剛性板部70の外側に位置し、内側剛性板部70の外側で内側傾斜部63の外側面(逆側面)を形成している。詳細には、上側板部71aの一部が内側剛性板部70の外側で内側傾斜部63の外側面(逆側面)を形成している。
内側剛性板部70の一部と上側板部71aの一部が重なる部分では、内側剛性板部70の外側面(上側面)と上側板部71aの内側面(下側面)とが面接触しており、密着した状態となっている。したがって、内側剛性板部70の傾斜角度と上側板部71aの傾斜角度は同じ(略同じ)角度となっている。
【0055】
そして、可撓性部71の他の一部は、内側剛性板部70よりも左右方向の内側で内側傾斜部63の外側面(逆側面)を形成している。詳細には、上側板部71aの一部と、下側板部71bとが内側剛性板部70よりも左右方向の内側で内側傾斜部63の外側面(逆側面)を形成している。なお、以上のことから、内側剛性板部70の下面と、上側板部71aの下面(下側で傾斜面となる主面)の一部と、下側板部71bの下面(下側で傾斜面となる主面)とが、内側傾斜部63の車輪側面となる。
すなわち、
図10等で示されるように、上側板部71aの下端部分は、内側剛性板部70の下端部分よりも左右方向の内側に位置し、且つ、下側に位置している。したがって、上側板部71aの斜め下側の部分が、内側剛性板部70よりも左右方向の内側で内側傾斜部63の外側面(逆側面)を形成する。そして、上側板部71aの斜め下側の部分よりもさらに左右方向の内側で、下側板部71bが内側傾斜部63の外側面(逆側面)を形成する。
以上のように、内側傾斜部63は、斜め上側の部分が内側剛性板部70によって形成され、斜め下側の部分が可撓性部71によって形成されており、全体として左右方向の内側に向かうにつれて下側に向かうように傾斜した状態となっている。そして、
図10、
図11で示されるように、内側剛性板部70の外側面の一部、上側板部71aの外側面の一部、下側板部71bの外側面の一部がタンク4に面する。
【0056】
ここで、内側傾斜部63の大部分(半分以上の部分)は、支柱部30の傾斜部50の上側(外側)に近接する位置に配されている。詳細には、内側剛性板部70と上側板部71aの一部とが傾斜部50の上側(外側)に近接する位置に配されている。そして、内側傾斜部63の一部(内側剛性板部70の一部と上側板部71aの一部)が、ボルトナット等の取付用部材(一時締結要素)を介して傾斜部50に取り付けられている(詳細な図示を省略する)。言い換えると、内側傾斜部63は、骨格部材20の傾斜部50と対応する位置に配される部分である。本実施形態では、内側剛性板部70、上側板部71aの傾斜角度と、傾斜部50の傾斜角度が同じ(又は略同じ)となっている。
【0057】
可撓性部71には、
図8で示されるように、複数(本実施形態では3つ)の切欠部75が設けられている。本実施形態では、第一切欠部75a、第二切欠部75b、第三切欠部75cの3つの切欠部75が設けられている。
【0058】
切欠部75は、側面視で上下方向に延びる部分である縦長部76と、側面視で前後方向に部分延びる横長部77を有しており、1つの縦長部76と2つの横長部77が連続して形成されている。
縦長部76は、上側板部71aの上端から下方に向かって延びており、上側板部71aの下端及び下側板部71bの上端を経て、下側板部71bの下端部分まで延びている。
横長部77は、下側板部71bの下側部分と連続しており、一方が前方に向かって延び、もう一方が後方に向かって延びている(
図8では、一方が右方奥側に延び、他方が左方手前側に延びている)。
【0059】
本実施形態では、それぞれの切欠部75が可撓性部71の上端から下端までの間に形成されている。このため、可撓性部71は、3つの切欠部75によって4つの形成片に分割されている。言い換えると、可撓性部71は、前後方向で間隔を開けて並ぶ4つの形成片によって形成される。切欠部75は、
図9等で示されるように、支柱部30の下側部分が配される空隙部分となる。
【0060】
本実施形態のフェンダ1は、
図1、
図9等で示されるように、取付片部材41(
図4等参照)をシャシフレーム11に固定し、骨格部材20をシャシフレーム11に取り付けている。そして、骨格部材20にカバー部材21を取り付けている。つまり、本実施形態のフェンダ1は、シャシフレーム11に取り付けられている。
【0061】
本実施形態のフェンダ1では、
図9、
図10、
図11で示されるように、下側板部71bの内側に棒状部材55が位置している。このため、下側板部71bの傾斜方向の長さを長くしても、下側板部71bの自由端側の部分が不意にタイヤ13a側へ移動してしまい、タイヤ13aに巻き込まれてしまうといった問題の発生を防止(抑制)できる。
【0062】
本実施形態の特装車両2では、
図10、
図11で示されるように、内側傾斜部63の外側面からタンク4までの距離をLとしたとき、内側傾斜部63の前側部分(
図10参照)では後側部分(
図11参照)よりも距離Lが小さくなる。すなわち、内側傾斜部63は、前側部分が後側部分よりも外側面がタンク4と近接する位置に配される。
【0063】
ここで、本実施形態では、内側剛性板部70の前側部分の内側(タイヤ13a側)となる位置に緩衝部材80を設けている。すなわち、支柱部本体40(傾斜部50)と内側傾斜部63(内側剛性板部70)の間の隙間部分のうち、内側傾斜部63の外側面がタンク4と近接している部分の内側に緩衝部材80を設けている。この緩衝部材80は、ゴム製の部材であり、内側剛性板部70と支柱部本体40(傾斜部50)の間に配されることとなる。
このことから、仮に内側剛性板部70とタンク4の隙間に異物等が入り込んでしまい、内側剛性板部70が内側(タイヤ13a側)に窪むように変形したとしても、内側剛性板部70と傾斜部50が直接接触してしまうことがなく、部材の破損を防止できる。
【0064】
上記した実施形態では、内側傾斜部63を内側剛性板部70(剛性部)と可撓性部71によって形成した例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、
図12で示されるフェンダ101(特装車両用フェンダ)のように、内側傾斜部163の全体を可撓性部171によって形成してもよい。
【0065】
この可撓性部171は、上記した可撓性部71と同様に、弾性を有するゴム等の適宜な樹脂材料で形成されている。
本実施形態のフェンダ101は、傾斜部50の外側に近接する部分の全体が可撓性部171によって形成される。このような構成によると、フェンダ101を車両本体3に取り付けるとき、タンク4(
図12では図示しない
図10等参照)の一部がより傾斜部50側(タイヤ13a側)に近接する位置にあって取り付けの邪魔になるような場合でも、容易に取り付け可能となる。すなわち、可撓性部171をタンク4の外側面に沿うように変形させることで、タンク4を避けるようにフェンダ101の金属部分を加工したり、フェンダ101の一部を欠落させたりすることなく、容易に取り付けが可能となる。
【0066】
さらに、
図13で示されるフェンダ201(特装車両用フェンダ)のように、内側傾斜部263の大部分を可撓性部271によって形成してもよい。
本実施形態では、内側傾斜部263の上端側部分が内側剛性板部270(剛性部)によって形成され、上端側部分を除く90パーセント以上の部分が可撓性部271によって形成されている。詳細には、内側傾斜部263の上端からやや斜め下側の部分(やや左右方向の内側であって下方に位置する部分)の外側面が内側剛性板部270の外側面によって形成されている。そして、内側傾斜部263のうち、内側剛性板部270と可撓性部271上側部分が厚さ方向で重なる部分と、内側傾斜部263よりも左右方向の内側に位置する部分の外側面が可撓性部271によって形成されている。
このような構成においても、フェンダ201を車両本体3に取り付ける際に可撓性部271が変形することで容易に取り付けが可能となる。また、上記した内側傾斜部163の全体を可撓性部171によって形成する構成と比べて、内側傾斜部263の強度を高くすることができる。
【0067】
上記した実施形態では、可撓性部71が3つの切欠部75によって4つの形成片に分割されている例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。可撓性部の上側部分が前後方向でつながった形状(切欠部の上端が可撓性部の上端よりも低位置となる形状)とし、1つの可撓性部によって内側傾斜部の斜め下側の部分を形成してもよい。
【0068】
上記した実施形態では、フェンダ1をシャシフレーム11に取り付けた例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。フェンダ1は、タンクフレーム5に取り付けてもよい。
【0069】
本実施形態では、延設部材として丸棒状の棒状部材55を採用した例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、棒状ではなく筒状の部材であってもよい。すなわち、所定方向(前後方向)成分を含む方向に延びる部材であり、可撓性部71の一部のタイヤ13a側への移動を阻止できればよい。したがって、例えば、前方に向かうにつれて上方又は下方に向かうように斜め方向に延びていてもよい。
【0070】
上記した実施形態では、棒状部材55の長手方向の端部が基端側部材42に固定されている例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、棒状部材55の端部側部分は、支柱部30の他の部分である支柱部本体40や取付片部材41に固定されていてもよい。
また、棒状部材55は、直線状に延びるものに限らず、屈曲しつつ延びていてもよい。この場合、棒状部材55の端部側部分は、タンクフレーム5とシャシフレーム11の一方に取り付けてもよい。例えば、棒状部材を平面視で略コ字状に延設されるものとし、2つの延設方向の端部側部分をシャシフレーム11に固定する。そして、棒状部材は、左右方向の外側に向かって直線状に延びた後、屈曲して前後方向に沿って直線状に延び、さらに屈曲して左右方向の内側に向かって直線状に延びるものとする、といった具合である。
なお、この場合、棒状部材55の端部側部分は、タンクフレーム5とシャシフレーム11の一方に取り付ける他、タンクフレーム5とシャシフレーム11に跨るようにこれらの双方に取り付けてもよい。
【0071】
上記した実施形態では、4つの棒状部材55を前後方向で直線状に並んだ状態とした例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。それぞれの棒状部材55は、左右方向の位置及び又は上下方向の位置が異なっていてもよい。可撓性部71の外側(左右方向で外側でありタイヤ13a側)に位置しており、可撓性部71の一部のタイヤ13a側への不意の移動を阻止できればよい。
【0072】
上記した実施形態では、下側板部71bが上側板部71aの下端からさらに左右方向の内側であって下方へ延びる構造とした。このような構造によると、下側板部71bの少なくとも下側部分がシャシフレーム11(車両本体3)と当接(又は近接)し、これらの間に隙間が形成されない状態(又はこれらの間の隙間がごく小さくなる状態)となる。このことから、特装車両2が走行して泥や小石を跳ね上げてもシャシフレーム11(車両本体3)等が傷つかないので好ましい。
しかしながら、本発明はこれに限るものではない。
例えば、下側板部は、上側板部71aの下端から鉛直下方に延びていてもよい。すなわち、下側板部の下端側がよりタイヤ13aに近い位置に配されるように形成してもよい。この場合、下側板部の外側面(シャシフレーム11側の面)と、シャシフレーム11(車両本体3)の間に形成される隙間を塞ぐ隙間閉塞部材を設けてもよい。この隙間閉塞部材は、ゴム等の適宜な樹脂材料で形成された可撓性(弾性)を有する部材であってもよい。また、隙間閉塞部材は、下側板部の外側面に取り付けてもよく、シャシフレーム11(車両本体3)に取り付けてもよい。
【0073】
上記した実施形態では、カバー部材21の剛性部(天板部60、前方板部61、後方板部62、内側剛性板部70)を金属性の部材としたが、本発明はこれに限るものではない。剛性部は、硬質の樹脂で形成してもよい。すなわち、剛性部は、可撓性部71よりも剛性が高ければよい。
【符号の説明】
【0074】
1,101,201 フェンダ(特装車両用フェンダ)
2 特装車両
4 タンク(架装物)
13a タイヤ(車輪)
21 カバー部材
30 支柱部30(支持部材)
50 傾斜部
51 水平部
55 棒状部材(延設部材)
60 天板部(剛性部)
61 前方板部(剛性部)
62 後方板部(剛性部)
70,270 内側剛性板部(剛性部)
71,171,271 可撓性部