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特開2024-33975原因推定システム、プログラム、及び、モデル構築方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033975
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】原因推定システム、プログラム、及び、モデル構築方法
(51)【国際特許分類】
   F23N 5/24 20060101AFI20240306BHJP
   F23N 5/02 20060101ALI20240306BHJP
   F23N 5/08 20060101ALI20240306BHJP
   G01J 1/02 20060101ALI20240306BHJP
   G01J 1/42 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
F23N5/24 113Z
F23N5/02 343A
F23N5/08 C
F23N5/24 106A
G01J1/02 J
G01J1/42 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137933
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】奥村 大輔
(72)【発明者】
【氏名】石井 重樹
【テーマコード(参考)】
2G065
3K003
3K005
【Fターム(参考)】
2G065AA04
2G065BA01
2G065BC01
2G065DA06
3K003SB09
3K003SC01
3K005AB04
3K005AC01
3K005QA03
3K005QB09
3K005QC01
(57)【要約】
【課題】断火の検出の原因を精度良く推定する。
【解決手段】原因推定システム10は、燃焼システムのメインバーナの火炎の状態を示すフレーム電圧FVに基づいて断火が検出された際の当該断火の検出タイミングから遡った所定期間に燃焼システムでセンシングされたセンシングデータを説明変数とし、前記断火の検出の原因を目的変数とした教師データを取得する教師データ取得部11Aを備える。原因推定システム10は、教師データ取得部11Aにより取得した教師データに基づいて機械学習を行って、学習結果が反映された推定モデルを構築する機械学習部11Bと、新たな断火の検出タイミングから遡った所定期間に燃焼システムでセンシングされたセンシングデータを推定モデルに入力し、推定モデルから出力される前記新たな断火の検出の原因を取得する原因推定部11Cと、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼システムのバーナの火炎の状態を示す火炎状態データに基づいて断火が検出された際の当該断火の検出タイミングから所定時間遡った所定期間に前記燃焼システムでセンシングされたセンシングデータを説明変数とし、前記断火の検出の原因を目的変数とした教師データを取得する教師データ取得部と、
前記教師データ取得部により取得した前記教師データに基づいて機械学習を行って、学習結果が反映された推定モデルを構築する機械学習部と、
新たな断火の検出タイミングから前記所定時間遡った所定期間に前記燃焼システムでセンシングされたセンシングデータを前記推定モデルに入力し、前記推定モデルから出力される前記新たな断火の検出の原因を取得する原因推定部と、
を備える原因推定システム。
【請求項2】
前記火炎状態データは、火炎検出器の放電管が前記バーナの火炎により放電したときの放電電流が流れる抵抗の両端の電位差又は前記放電電流を積分した値であり、
前記センシングデータは、前記火炎状態データと、前記火炎検出器での放電の頻度を示すフレームレベルと、のうちの少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の原因推定システム。
【請求項3】
前記火炎状態データの値が所定の閾値未満となったときに前記断火が検出され、
前記センシングデータは、前記火炎状態データを少なくとも含み、
前記推定モデルは、前記所定期間における前記火炎状態データの値が所定範囲内で推移しているか否か、及び又は、前記火炎状態データの値が一定基準以下で推移しているか否かに応じて異なる前記原因を出力する、
請求項1に記載の原因推定システム。
【請求項4】
前記原因は、断火が誤検出されたときの誤検出の原因を含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の原因推定システム。
【請求項5】
前記教師データ取得部は、複数の燃焼システムから前記教師データを取得する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の原因推定システム。
【請求項6】
コンピュータに、
燃焼システムのバーナの火炎の状態を示す火炎状態データに基づいて断火が検出された際の当該断火の検出タイミングから所定時間遡った所定期間に前記燃焼システムでセンシングされたセンシングデータを説明変数とし、前記断火の検出の原因を目的変数とした教師データを取得する教師データ取得ステップと、
前記教師データ取得ステップにより取得した前記教師データに基づいて機械学習を行って、学習結果が反映された推定モデルを構築する機械学習ステップと、
新たな断火の検出タイミングから前記所定時間遡った所定期間に前記燃焼システムでセンシングされたセンシングデータを前記推定モデルに入力し、前記推定モデルから出力される前記新たな断火の検出の原因を取得する原因推定ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項7】
機械学習を行って推定モデルを構築するモデル構築装置により実行されるモデル構築方法であって、
燃焼システムのバーナの火炎の状態を示す火炎状態データに基づいて断火が検出された際の当該断火の検出タイミングから所定時間遡った所定期間に前記燃焼システムでセンシングされたセンシングデータを説明変数とし、前記断火の検出の原因を目的変数とした教師データを取得する教師データ取得ステップと、
前記教師データ取得ステップにより取得した前記教師データに基づいて機械学習を行って、学習結果が反映された推定モデルを構築する機械学習ステップと、
を有するモデル構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナの断火の検出の原因を推定するための原因推定システム、プログラム、及び、モデル構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、火炎検出器(熱電対)による検出値に基づいて断火状態を検出するとともに、当該断火状態の検出前の所定期間における検出値に基づいて、断火の原因を推定する技術が開示されている。断火の原因としては、吹き消え、煮こぼれによる断火などが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-108694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、前記断火の原因の判断基準が予め規定されているため、原因推定の精度に問題がある場合がある。
【0005】
本発明は、断火の検出の原因を精度良く推定することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る原因推定システムは、燃焼システムのバーナの火炎の状態を示す火炎状態データに基づいて断火が検出された際の当該断火の検出タイミングから所定時間遡った所定期間に前記燃焼システムでセンシングされたセンシングデータを説明変数とし、前記断火の検出の原因を目的変数とした教師データを取得する教師データ取得部と、前記教師データ取得部により取得した前記教師データに基づいて機械学習を行って、学習結果が反映された推定モデルを構築する機械学習部と、新たな断火の検出タイミングから前記所定時間遡った所定期間に前記燃焼システムでセンシングされたセンシングデータを前記推定モデルに入力し、前記推定モデルから出力される前記新たな断火の検出の原因を取得する原因推定部と、を備える。
【0007】
一例として、前記火炎状態データは、火炎検出器の放電管が前記バーナの火炎により放電したときの放電電流が流れる抵抗の両端の電位差又は前記放電電流を積分した値であり、前記センシングデータは、前記火炎状態データと、前記火炎検出器での放電の頻度を示すフレームレベルと、のうちの少なくとも一方を含む。
【0008】
一例として、前記火炎状態データの値が所定の閾値未満となったときに前記断火が検出され、前記センシングデータは、前記火炎状態データを少なくとも含み、前記推定モデルは、前記所定期間における前記火炎状態データの値が所定範囲内で推移しているか否か、及び又は、前記火炎状態データの値が一定基準以下で推移しているか否かに応じて異なる前記原因を出力する。
【0009】
一例として、前記原因は、断火が誤検出されたときの誤検出の原因を含む。
【0010】
一例として、前記教師データ取得部は、複数の燃焼システムから前記教師データを取得する。
【0011】
本発明に係るプログラムは、コンピュータに、燃焼システムのバーナの火炎の状態を示す火炎状態データに基づいて断火が検出された際の当該断火の検出タイミングから所定時間遡った所定期間に前記燃焼システムでセンシングされたセンシングデータを説明変数とし、前記断火の検出の原因を目的変数とした教師データを取得する教師データ取得ステップと、前記教師データ取得ステップにより取得した前記教師データに基づいて機械学習を行って、学習結果が反映された推定モデルを構築する機械学習ステップと、新たな断火の検出タイミングから前記所定時間遡った所定期間に前記燃焼システムでセンシングされたセンシングデータを前記推定モデルに入力し、前記推定モデルから出力される前記新たな断火の検出の原因を取得する原因推定ステップと、を実行させる。
【0012】
本発明に係るモデル構築方法は、機械学習を行って推定モデルを構築するモデル構築装置により実行されるモデル構築方法であって、燃焼システムのバーナの火炎の状態を示す火炎状態データに基づいて断火が検出された際の当該断火の検出タイミングから所定時間遡った所定期間に前記燃焼システムでセンシングされたセンシングデータを説明変数とし、前記断火の検出の原因を目的変数とした教師データを取得する教師データ取得ステップと、前記教師データ取得ステップにより取得した前記教師データに基づいて機械学習を行って、学習結果が反映された推定モデルを構築する機械学習ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、断火の検出の原因を精度良く推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施形態に係る原因推定システムの構成図である。
図2図2は、図1の原因推定システムと通信する燃焼システムの構成図である。
図3図3は、燃焼制御装置で実行される燃焼シーケンスのフローチャートである。
図4図4は、原因推定システムの構成図である。
図5図5は、断火の検出の推定及び機械学習のフローチャートである。
図6図6は、フレーム電圧の推移を示すグラフである。
図7図7は、フレームレベルの推移を示すグラフである。
図8図8は、フレーム電圧の推移を示すグラフである。
図9図9は、フレームレベルの推移を示すグラフである。
図10図10は、フレーム電圧の推移を示すグラフである。
図11図11は、フレームレベルの推移を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態及びその変形例について、図面を参照して説明する。
【0016】
(実施形態)
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る原因推定システム10は、通信ネットワークNWを介して複数の燃焼システム20と通信可能に構成されている。原因推定システム10は、複数の燃焼システム20のいずれかが断火を検出したときに、当該断火の検出の原因を推定するように構成されている。原因の推定には、後述の推定モデルML(図4)が利用される。以下、燃焼システム20について説明し、その後、原因推定システム10について説明する。複数の燃焼システム20は、同様の構成を有するので、以下では、そのうちの1つの燃焼システム20について説明する。
【0017】
図2に示すように、燃焼システム20は、燃焼を行う燃焼装置30と、燃焼装置30を制御する燃焼制御装置71と、燃焼制御装置71に各種指示を行う温調計75と、燃焼監視装置79と、を備えている。本実施形態における複数の燃焼システム20のそれぞれは、同様の構成を有する。
【0018】
燃焼装置30は、燃焼設備40と、燃料供給系統50と、空気供給系統60と、制御モータMと、開度センサMSと、を備えている。
【0019】
燃焼設備40は、燃焼室R内で燃料ガスを燃焼させる。燃焼設備40は、燃焼室Rを形成している燃焼炉41と、燃料ガスを燃焼させて燃焼室R内を加熱するメインバーナ42と、燃料を燃焼させてメインバーナ42を着火するパイロットバーナ43と、パイロットバーナ43を点火する点火装置(イグナイター)44と、を備えている。
【0020】
燃焼設備40は、さらに、メインバーナ42及びパイロットバーナ43の火炎を検出する火炎検出器45と、燃焼室R内の温度を検出する温度計46と、を備えている。火炎検出器45は、メインバーナ42又はパイロットバーナ43の火炎から放射される電磁波(例えば紫外線)を検出することで火炎を検出する。
【0021】
燃料供給系統50は、外部からの燃料ガスを燃焼設備40に供給する。燃料供給系統50は、燃焼設備40に供給される燃料ガスが流れる燃料流路51を備えている。燃料流路51は、外部から燃料ガスが供給される主流路51Aと、主流路51Aが分岐した第1流路51Bおよび第2流路51Cと、を含む。第1流路51Bはメインバーナ42に接続され、第2流路51Cはパイロットバーナ43に接続されている。
【0022】
燃料供給系統50は、さらに、第1流路51Bに設けられたメインバルブ54A及び54Bと、第2流路51Cに設けられたパイロットバルブ54C及び54Dと、を備える。メインバルブ54A及び54Bは、第1流路51Bを開閉する。パイロットバルブ54C及び54Dは、第2流路51Cを開閉する。燃料供給系統50は、主流路51Aに設けられた燃料流量調整用のダンパ55と、第1流路51Bを流れる、つまり、メインバーナ42に供給される燃料流量を検出する燃料流量計56と、をさらに備える。
【0023】
空気供給系統60は、燃焼設備40に空気を供給する。空気供給系統60は、燃焼設備40のメインバーナ42に空気を供給する空気流路61と、空気流路61に空気を流すブロワ62と、を備えている。空気供給系統60は、空気流路61に設けられた空気流量調整用のダンパ65と、空気流路61を流れる、つまり、メインバーナ42に供給される空気流量を検出する空気流量計66と、をさらに備える。
【0024】
燃料又は空気流量調整用のダンパ55及び65は、制御モータMにより動作して、燃料流路51(第1流路51B)及び空気流路61の開度を制御する。ダンパ55及び65は、リンケージ機構により連動して動作する。これにより、ダンパ55及び65の各開度が連動する。ダンパ55及び65は、他の構成により連動するように構成されてもよい。例えば、ダンパ65を、空気供給系統60の空気流路61の空気の圧力が導入される均圧弁としてもよい。均圧弁であるダンパ65は、空気流路61の空気の圧力と燃料流路51の第1流路51Bの燃料の圧力とが均一になるように動作する。
【0025】
ダンパ55及び65の開度は、メインバーナ42に供給される燃料と空気との比である空燃比が所望の比率を維持するように連動する。ダンパ55及び65の各開度によって、メインバーナ42に供給される燃料量及び空気量が調整され、これにより、各バーナの火炎の状態、より具体的には、火炎の強さが調整され、その結果、燃焼室Rないし燃焼室R内に配置されるワークを加熱する加熱温度が制御される。
【0026】
制御モータMには、回転軸の回転角度などを検出することでダンパ55及び65の開度を検出する開度センサMSが設けられる。開度センサMSが検出する開度は、ダンパ55及び65の開度を制御するために制御モータMをフィードバック制御する際のフィードバック値として使用される。
【0027】
燃焼制御装置71は、PLC(Programmable Logic Controller)、パーソナルコンピュータ等の各種のコンピュータを含んで構成される。燃焼制御装置71は、コンピュータを構成するCPU(Central Processing Unit)などの他、後述の動作を実現可能な各種の回路(アナログ回路など)を備えてもよい。燃焼制御装置71は、バーナコントローラとも呼ばれる。
【0028】
燃焼制御装置71は、燃焼室R内を加熱するため、予め定められた図3の燃焼シーケンスに従って燃焼装置30を制御する。燃焼シーケンス開始時、燃料供給系統50のバルブ54A~54Dは閉じられているものとする。
【0029】
燃焼制御装置71は、プレバージ(ステップS1)において、制御モータMを駆動し、ダンパ65を高開度位置に制御するとともに、空気供給系統60のブロワ62を動作させる。これにより、メインバーナ42を介して燃焼室R内に新鮮な空気が送風される。
【0030】
燃焼制御装置71は、プレバージのあと、パイロット点火(ステップS2)を実行する。パイロット点火において、燃焼制御装置71は、まずダンパ55及び65を低開度位置に制御する。その後、燃焼制御装置71は、燃料供給系統50のパイロットバルブ54C及び54Dを開状態に制御してパイロットバーナ43への燃料供給を開始するとともに、点火装置44を動作させて点火スパークを発生させる。これにより、パイロットバーナ43が点火する。燃焼制御装置71は、火炎検出器45によりパイロットバーナ43の点火を検出すると、パイロットオンリー(ステップS3)を実行する。パイロットオンリーにおいて、燃焼制御装置71は、所定期間待機することでパイロットバーナ43の火炎を安定させる。
【0031】
パイロットオンリーのあと、燃焼制御装置71は、燃料供給系統50のメインバルブ54A及び54Bを開状態に制御してメインバーナ42への燃料供給を開始するメイン着火(ステップS4)を実行する。これにより、パイロットバーナ43の火炎を種火としてメインバーナ42が着火する。燃焼制御装置71は、メインバルブ54A及び54Bを開状態としてから一定期間経過後、メイン着火を終了したとしてメイン安定(ステップS5)を実行する。メイン安定では、燃料供給系統50のパイロットバルブ54C及び54Dが閉じられ、パイロットバーナ43の火炎が消される。さらに、メイン安定では、メインバーナ42の火炎を安定させるための待機も行われる。
【0032】
燃焼制御装置71は、メイン安定のあと、定常燃焼(ステップS6)に移行する。燃焼室R内は、メインバーナ42の定常燃焼により加熱される。燃焼制御装置71は、定常燃焼において、ダンパ55及び65の開度を制御モータMを介して制御することで、メインバーナ42への空気及び燃料の流量を制御し、これにより、メインバーナ42の火力つまり火炎の状態を制御する。燃焼制御装置71は、定常燃焼終了のタイミングにおいて、燃料供給系統50のメインバルブ54A及び54Bを閉じ、メインバーナ42の火炎を消す。定常燃焼後にポストバージが行われてもよい。
【0033】
図2に戻り、温調計75は、定常燃焼において、温度計46が検出した温度をフィードバック値として、燃焼室R内の温度が目標温度となるよう燃焼制御装置71に対して指示を行う。温調計75は、定常燃焼での燃料及び空気の各流量などを、フィードバック値と目標温度との関係で指示する。燃焼制御装置71は、指示された各流量に基づいて各ダンパ55及び65の目標開度を設定し、開度センサMSからの開度をフィードバック値としたフィードバック制御を制御モータMに対して行う。燃焼制御装置71は、流量計56及び66によりそれぞれ検出されるメインバーナ42への燃料量及び空気量をフィードバック値としたフィーバック制御により前記開度及び流量を制御してもよい。
【0034】
燃焼機器40に含まれる火炎検出器45は、火炎から放出される電磁波(例えば、紫外線)を受けたときに放電する放電管(例えば、紫外線チューブ)を有する。放電により発生する放電電流は燃焼制御装置71に入力される。
【0035】
燃焼制御装置71は、火炎検出器45からの放電電流が流れる任意の抵抗の両端の電位差(所定期間分の電位差)を積分して火炎の状態を表すフレーム電圧FV(放電電流の電流値を積分したフレーム電流でもよい。以下同じ)を生成する。この積分は、例えば、積分回路により行われる。フレーム電圧FVは、0V~5Vの間で変化する電圧値を有する。上記燃焼シーケンスなどにおいて、燃焼制御装置71は、フレーム電圧FVを監視する。燃焼制御装置71は、フレーム電圧FVが予め定められた閾値FVth以上となったときに、火炎の存在(着火乃至点火)を検出する。燃焼制御装置71は、フレーム電圧FVが閾値FVth未満となったときに、火炎の消炎を検出する。フレーム電圧FVが閾値FVth未満となったときとは、ここでは、フレーム電圧FVが、燃焼制御装置71のCPUなどに予め設定された所定期間(フレームレスポンス時間ともいう)以上の期間、閾値FVth未満になったときをいう。つまり、燃焼制御装置71は、フレーム電圧FVが閾値FVth未満となった期間がフレームレスポンス時間に達したことを条件として消炎を検出するように構成されているものとする。消炎とは、火炎が消されたことを意味する。消炎には、メインバルブ54A及び54Bを閉じることによる消火、及び、メインバルブ54A及び54Bが開いたまま意図せず火炎が消える断火が含まれる。
【0036】
燃焼制御装置71は、燃焼シーケンスのメイン安定、定常燃焼などのサブシーケンスにおいて、フレーム電圧FVが閾値FVth未満となって消炎を検出したときに、断火を検出したとして、メインバルブ54A及び54Bにバルブを閉じる閉信号を供給する。これにより、燃料ガスの供給がストップする。火炎の存在の検出と消炎の検出とで閾値が異なってもよい。
【0037】
さらに、燃焼制御装置71は、火炎検出器45からの放電電流が流れる任意の抵抗の両端の電位差(又は放電電流の電流値など)に基づいて放電を示す放電パルス信号(例えば電圧信号)を生成する。燃焼制御装置71は、放電パルス信号から火炎検出器45の放電管の放電の頻度を示す数値であるフレームレベルFLを生成する。具体的に、燃焼制御装置71は、放電パルス信号に基づいて一定時間(例えば、0.1秒)当たりの放電パルスの数つまり放電回数Nをカウントする。燃焼制御装置71は、カウントした放電回数Nに基づきフレームレベルFLを導出する。フレームレベルFLの導出方法は任意であるが、ここでは下記式(1)により導出されるものとする。式中、Nmaxは、前記の一定時間当たりの最大放電回数である。
FL=(N/Nmax)*100・・・(1)
【0038】
フレームレベルFLは、ここでは100分率で表されるが、N/Nmax、又は、Nのみで表されてもよい。フレームレベルFLの用途は後述する。
【0039】
フレーム電圧FV、フレームレベルFLは、いずれも火炎の状態(ここでは強度)を示す数値である。フレーム電圧FVは、上記積分により得られる値であるため、フレームレベルFLよりも、火炎の変化(紫外線量ないし放電電流の変化)に対する応答性が緩慢である。これによって、火炎検出器45への電磁波の入射が一時的に途絶える火炎のリフティング又はフラッシュバックなどが生じても、フレーム電圧FVは、消炎の判断基準となる閾値FVthをフレームレスポンス時間以上下回らない。換言すると、フレーム電圧FV及びフレームレスポンス時間は、上記リフティングなどを消炎(特に断火)と誤検出しないように生成又は設定される。他方、フレームレベルFLは、上記リフティングを検出できる。このように、フレーム電圧FV及びフレームレベルFLには、一長一短がある。
【0040】
燃焼監視装置79は、パーソナルコンピュータ等の各種のコンピュータを含んで構成されている。燃焼監視装置79は、燃焼制御装置71及び温調計75と通信し、これらから、燃焼システム20でセンシングされる各種のセンシングデータをリアルタイムで定期的(例えば、0.1秒ごと)に順次取得するデータコレクタとして機能する。センシングデータは、フレームレベルFL、フレーム電圧FV、温度計46により検出された温度、流量計56及び66により検出された燃料流量及び空気流量などの少なくとも1つを含む。燃料流量及び空気流量は、開度センサMSが検出した弁開度などにより表されてもよい。
【0041】
燃焼監視装置79は、順次取得したセンシングデータを、時系列順に、各センシングデータのセンシングの時刻とともに記憶部に記録する。燃焼監視装置79は、センシングの時刻として、センシングデータを取得した時刻を取得してもよいし、燃焼制御装置71などの送信元側でセンシングデータにタイムスタンプとして付与された時刻を取得してもよい。センシングデータは、現在から遡った最新の一定期間分、記憶部に記録されればよい。
【0042】
燃焼監視装置79は、燃焼制御装置71と通信し、燃焼制御装置71による断火の検出タイミングを監視する。断火の検出があった場合、燃焼監視装置79は、記憶部が記憶している、前記断火の検出タイミングから所定時間(例えば、3分)遡った所定期間内にセンシングされたセンシングデータを取得する。前記所定期間内のセンシングデータの特定は、センシングデータとともに記憶部に記憶されたセンシングの時刻に基づいて行われればよい。燃焼監視装置79は、取得したセンシングデータを、断火の検出の原因の問い合わせとともに通信ネットワークNWを介して原因推定システム10に供給する。
【0043】
次に、図1の原因推定システム10について説明する。原因推定システム10は、CPU等のプロセッサ11と、プロセッサ11のメインメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)12と、プロセッサ11により実行されるプログラムを記憶する不揮発性の記憶装置13と、を備える。記憶装置13は、下記の処理で使用される各種データ、後述の推定モデルMLを構成するデータ(係数及び又は重みなど)なども記憶する。原因推定システム10は、さらに、各種画面を表示するディスプレイ14と、操作入力を受け付ける操作装置15と、通信ネットワークNWに接続された通信モジュール16と、を備える。
【0044】
プロセッサ11は、記憶装置13に記憶されたプログラムを実行することで、図4に示す、教師データ取得部11Aと、機械学習部11Bと、原因推定部11Cと、及び、推定モデルMLとして動作する。
【0045】
推定モデルMLは、断火の検出タイミングから所定時間遡った所定期間に燃焼システム20にてセンシングされたセンシングデータを入力とし、その断火の検出の原因を出力とする。断火の検出の原因と、所定期間におけるセンシングデータの推移とには、因果関係があり、推定モデルMLには、この因果関係が反映される。初期の推定モデルMLは、任意の方法で構築され、その後、後述の教師データによる機械学習によって再構築される。つまり、後述の教師データにより新たな推定モデルMLが構築される。これにより、推定モデルMLの推定精度が向上する。推定モデルMLは、ニューラルネットワーク、サポートベクタ―マシン、ランダムフォレストなど、任意の種類のモデルであればよい。
【0046】
1つの推定モデルMLは、同じタイプ、例えば、少なくとも後述の燃焼装置30が同じ仕様の燃焼システム20に使用される。このため、複数の燃焼システム20が、互いに異なる複数のタイプの燃焼システムを含む場合、タイプごとに推定モデルMLが用意され使用される。説明の便宜上、ここでは、複数の燃焼システム20が同じタイプであるものとし、1つの推定モデルMLが使用されるものとする。
【0047】
推定モデルMLにより扱われる断火の検出の原因は、実際に生じた断火の原因の他、実際には断火が生じていないが火炎検出器45の不調などにより断火が誤検出されたときの当該誤検出の原因も含まれる。
【0048】
次に、教師データ取得部11A、機械学習部11B、及び、原因推定部11Cの動作を、図5を参照して説明する。
【0049】
まず、原因推定部11Cは、燃焼監視装置79から、断火の検出の原因の問い合わせとともに供給されたセンシングデータ(ステップS20)を推定モデルMLに入力する(ステップS11)。推定モデルMLは、センシングデータに基づいて断火の検出の原因を推定して出力する。原因推定部11Cは、推定モデルMLが出力する断火の検出の原因を取得する(ステップS12)。
【0050】
推定モデルMLに入力されるセンシングデータとしてのフレーム電圧FV及びフレームレベルFLのうちのフレーム電圧FVが、断火の検出タイミング(例えば、フレーム電圧FVが閾値FVthをフレームレスポンス時間より長く下回ったタイミング)前に所定範囲Z内で安定して推移していた場合(このときのフレーム電圧FVを図6に、フレームレベルFLを図7に示す))、火炎の消炎、放電電流の検出不良が考えられる。この場合、推定モデルMLは、前記の原因の候補として、メインバルブ54A及び54Bの意図しない閉状態、火炎検出器45と燃焼制御装置71との間の配線異常、燃焼制御装置71のフレーム電圧FVなどを導出する回路の故障、突発的な空燃比の異常、及び、燃料及び又は空気の流速の異常、を出力する。なお、フレーム電圧FVに加え又は代えてフレームレベルFLと所定範囲とを比較してもよい。
【0051】
推定モデルMLに入力されるセンシングデータとしてのフレーム電圧FV及びフレームレベルFLのうちのフレーム電圧FVが、断火の検出タイミング前に所定範囲Zに収まらず不安定に推移していた場合(このときのフレーム電圧FVを図8に、フレームレベルFLを図9に示す)、火炎の揺れ又はリフト、又は、火炎検出器45の不安定が考えられる。この場合、推定モデルMLは、前記の原因の候補として、突発的な空燃比の異常、突発的な燃料及び又は空気の流速の異常、火炎検出器45の放電管の放電面の劣化、及び、放電管の封入ガスの漏れ、を出力する。なお、フレーム電圧FVに加え又は代えてフレームレベルFLと所定範囲とを比較してもよい。
【0052】
推定モデルMLに入力されるセンシングデータとしてのフレーム電圧FV及びフレームレベルFLが、断火の検出タイミング前に、一定基準Th1及びTh2以下の低い値で推移していた場合(図10及び図11参照)、フレーム電圧FV及びフレームレベルFLが慢性的に低いことによる断火の誤検出が考えられる。なお、前記の場合、フレーム電圧FVが、断火の検出タイミング前に、フレームレスポンス期間よりも短い期間だけ閾値FVthを下回ってもよい。フレーム電圧FV及びフレームレベルFLが前記低い値で推移していた場合、推定モデルMLは、前記の原因の候補として、慢性的な空燃比の異常、慢性的な燃料及び又は空気の流速の異常、火炎検出器45の放電管の放電面の劣化、放電管の封入ガスの漏れ、及び、火炎検出器45が備える放電管への紫外線を透過させる窓の汚れを出力する。
【0053】
なお、モデルMへの入力は、フレーム電圧FV及びフレームレベルFLのうちの前者のみとしてもよいが、両者は火炎の変化に対する応答性が上記のように異なるので、両者をモデルMへの入力とすることで、原因の推定精度がより向上する。
【0054】
原因推定部11Cは、推定モデルMLから取得した断火の検出の原因を、センシングデータの送信元の燃焼システム20の燃焼監視装置79に返信する(ステップS13)。
【0055】
燃焼監視装置79は、返信された原因を任意の表示装置などに表示する(ステップS21)。燃焼システム20のユーザは、表示装置に表示された原因を参考にして、断火の検出の実際の原因を特定するとともに、特定した原因を解消しようと、燃焼システム20を検査、保守、修理などする。
【0056】
燃焼監視装置79には、ユーザにより特定された実際の原因が入力される(ステップS22)。燃焼監視装置79は、入力された原因を目的変数とし、上記問い合わせとともに原因推定システム10に送信したセンシングデータを説明変数とした教師データを生成して、ネットワークNWを介して原因推定システム10に供給する(ステップS23)。なお、目的変数又は説明変数として、上記で推定モデルMLから出力され、燃焼監視装置79に返信された原因又は当該原因と前記実際の原因との正誤が含まれてもよい。
【0057】
教師データ取得部11Aは、燃焼監視装置79から供給される教師データを取得する(ステップS15)。
【0058】
機械学習部11Bは、教師データ取得部11Aにより取得した前記教師データに基づいて機械学習を行い、学習結果が反映された新たな推定モデルMLを構築する(ステップS16)。このようにして、推定モデルMLは、最新の教師データに基づいて更新ないし再構築され、原因推定の精度が向上する。構築された推定モデルMLは、次回以降の原因推定に使用される。教師データ取得部11Aは、取得した教師データを記憶装置13に蓄積し、ある程度の数の教師データが蓄積された段階で、機械学習を行ってもよい。
【0059】
上記では、推定モデルMLについての機会学習と運用とを同時に行っているが、機械学習の段階と、運用の段階とを分けてもよい。機械学習の段階では、前記問い合わせを行わず、ユーザにより特定された断火の検出の実際の原因を目的変数とした教師データの原因推定システム10への供給が行わればよい。教師データ取得部11Aは、教師データを記憶装置13に蓄積し、ある程度の数に達したときに、機械学習を行って推定モデルMLを構築してもよい。運用の段階では、前記問い合わせのみが行われてもよい。上記機械学習の段階で初期の推定モデルMLを構築し、その後、推定モデルMLについての機会学習と運用とを同時に行ってもよい。
【0060】
以上説明したように、この実施の形態では、機械学習により推定モデルMLを構築(生成)し、当該推定モデルにより断火の検出の原因を推定するので、精度良く断火の検出の原因を推定できる。
【0061】
推定モデルMLに入力されるセンシングデータが、フレーム電圧FV(フレーム電流でもよい)と、フレームレベルと、のうちの少なくとも一方を含むことにより、これらは上記原因との関係が深いため、精度の高い原因推定が可能となる。なお、温度計46により検出された温度、流量計56及び66により検出された燃料流量及び空気流量なども、断火の検出の原因と関係があるので、推定モデルMLに入力されるセンシングデータが、これら情報を含むことで、原因の推定精度がより向上し得る。
【0062】
推定モデルMLは、上述のように、所定期間におけるフレーム電圧FV(フレーム電流でもよい)の値が所定範囲Z内で推移しているか否か、又は、フレーム電圧FV(フレーム電流でもよい)の値が一定基準(Th1)以下で推移しているか否かに応じて異なる原因を出力する。なお、前者の判別と後者の判別との両者の結果の組合せに応じて異なる原因が出力されてもよい。これにより、精度良く原因が推定される。
【0063】
上記のように、推定モデルMLから出力される原因は、断火が誤検出されたときの誤検出の原因を含むとよい。フレーム電圧FVに基づく断火の検出は、実際には誤検出を含むため、前記構成により、原因推定の精度が向上する。
【0064】
上記のように、教師データ取得部11Aは、複数の燃焼システム20から教師データを取得するとよい。断火の検出は、通常生じ難い現象なので、複数の燃焼システム20から教師データを収集することで、精度の良い推定モデルMLが得られる。
【0065】
(変形例)
上記実施の形態の構成は、任意に変更可能である。以下変形例を例示する。各変形例は、少なくとも一部同士組み合わせることもできる。
【0066】
(変形例1)
教師データは、1つの燃焼システムから取得されてもよい。この場合、原因推定システム10は、燃焼監視装置79の一部として設けられてもよい。また、推定精度が大きく低下しなければ、1つの推定モデルMLの構築のための機械学習に、異なるタイプの燃焼システム10からの教師データが使用されてもよい。
【0067】
(変形例2)
断火の検出のために使用する、メインバーナ42の火炎の状態を示す火炎状態データとして、上記ではフレーム電圧を使用しているが、他の物理量のデータが火炎状態データとして使用されてもよい。火炎状態データとして、フレームレベルが使用されてもよい。
【0068】
(変形例3)
原因推定部11Cは、推定モデルMLから取得した前記原因を外部に出力すればよく、当該原因を、燃焼監視装置79に送信する他、例えば、任意の表示装置(例えば、原因推定システム10が燃焼監視装置79の一部として設けられた場合の当該燃焼監視装置79の表示装置など)に直接表示してもよい。原因推定部11Cは、ユーザの端末などに、前記原因を出力し、当該原因を当該端末に表示させてもよい。
【0069】
(変形例4)
上記で説明した各装置及びシステムのハードウェア構成も任意である。教師データ取得部11A、機械学習部11B、原因推定部11C、又は、推定モデルMLの少なくとも一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及び、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの各種の論理回路から構成されてもよい。
【0070】
上記の各装置は、その構成要素が一つの筐体にまとめられた装置の他、その構成要素が複数の筐体に分散して収容されたシステムを含む。システムは、その構成要素が複数の筐体に分散して収容されたシステムの他、その構成要素が一つの筐体にまとめられた装置を含む。プログラムは、上記記憶装置13など、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記憶媒体に記録されればよい。上記状態値などは、揮発性の記憶装置であるRAMなどの他の記憶部に一定期間のみ記録されてもよい。
【0071】
例えば、燃焼装置30は、パイロットバーナ43がないメインバーナ42のみを有するタイプであってもよい。また、燃焼装置30は、パイロットバーナ43を常時点火させた状態としてもよい。この場合、メインバーナ42用の火炎検出器と、パイロットバーナ43用の火炎検出器と、を用意してもよい。
【0072】
(変形例5)
燃料ガスに替えて、液体燃料、気液混合燃料などの他の燃料が使用されてもよい。
【0073】
(本発明の範囲)
以上、実施形態及び変形例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、本発明には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る、上記実施形態及び変形例に対する様々な変更が含まれる。上記実施形態及び変形例に挙げた各構成は、矛盾の無い範囲で適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0074】
10…原因推定システム、11…プロセッサ、11A…教師データ取得部、11B…機械学習部、11C…原因推定部、13…記憶装置、14…ディスプレイ、15…操作装置、16…通信モジュール、20…燃焼システム、30…燃焼装置、40…燃焼機器、41…燃焼炉、42…メインバーナ、43…パイロットバーナ、44…点火装置、45…火炎検出器、46…温度計、50…燃料供給系統、54A,54B…メインバルブ、54C,54D…パイロットバルブ、55…ダンパ、56…燃料流量計、60…空気供給系統、65…ダンパ、66…空気流量計、71…燃焼制御装置、75…温調計、79…燃焼監視装置、M…制御モータ、MS…開度センサ、ML…推定モデル。
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