(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033976
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】車両用灯具を取り付けるためのブラケット
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/26 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
B60Q1/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137936
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 祐啓
(74)【代理人】
【識別番号】100201514
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 悦
(72)【発明者】
【氏名】中林 道彦
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA25
3K339AA28
3K339AA29
3K339AA34
3K339BA14
3K339CA12
3K339CA13
3K339CA25
3K339FA06
3K339GA01
3K339GA08
3K339GA11
3K339GB21
3K339GC01
3K339GC02
3K339GC04
(57)【要約】
【課題】車両用灯具を取り付けるためのブラケットにおいて、取付部の段差の有無に関わらず使用でき、部品共通化の可能なブラケットを提供する。
【解決手段】本開示のブラケット1は、筐体よりなる本体2の側面26に切欠部21を形成し、切欠部21に着脱自在に装着されるスペーサ3を設ける。スペーサ3に爪部33を設け、本体2に爪受部23を設けることにより、スペーサ3を本体2に容易に着脱できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具を車体に取り付けるためのブラケットであって、
筐体よりなる本体の側面に切欠部を形成し、前記切欠部に着脱自在に装着されるスペーサを設けたことを特徴とするブラケット。
【請求項2】
前記スペーサが、前記本体と係合する爪部を含み、
前記本体が、前記爪部と係合する爪受部を含む、請求項1に記載のブラケット。
【請求項3】
前記本体が、第1開口部を含み、
前記スペーサが、前記第1開口部と略同一形状の第2開口部を含み、
前記爪部と前記爪受部とが係合状態である場合に、前記第1開口部と前記第2開口部とが正対向する、請求項1に記載のブラケット。
【請求項4】
前記スペーサが、該スペーサを前記本体の長手方向に沿ってスライドさせるガイド片を含む、請求項1に記載のブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用灯具を取り付けるためのブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラックの荷台の最上部、特に、コーナー部に取り付ける車両用灯具が開発されている。例えば、特許文献1には、トラックの荷台に取り付けるハイマウントストップランプにカメラを搭載し、さらに小型化した発明が紹介されている。また、特許文献2には、トラックの尾灯を多機能化し、組み立て容易に構成した発明が紹介されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-178319号公報
【特許文献2】特開2016-178009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、トラックの荷台のコーナー部は、車種によってはコーナー補強部材が設けられており(
図1参照)、車両用灯具の取付部に段差が生じているものが存在する。このため、段差の有無に応じて車両用灯具を取り付けるブラケットやアタッチメントを変更しなければならず、部品の共通化ができないという問題があった。
【0005】
そこで、本開示の目的は、荷台取付部の段差の有無に関係なく車両用灯具を取付可能なブラケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のブラケットは以下の特徴を有する。
【0007】
(1)車両用灯具を車体に取り付けるためのブラケットであって、筐体よりなる本体の側面に切欠部を形成し、切欠部に着脱自在に装着されるスペーサを設けたこと。
【0008】
(2)(1)に記載のブラケットにおいて、スペーサが、本体と係合する爪部を含み、本体が、爪部と係合する爪受部を含むこと。
【0009】
(3)(1)又は(2)に記載のブラケットにおいて、本体が、第1開口部を含み、スペーサが、第1開口部と略同一形状の第2開口部を含み、爪部と爪受部とが係合状態である場合に、第1開口部と第2開口部とが正対向すること。
【0010】
(4)(1)~(3)のいずれか一つに記載のブラケットにおいて、スペーサが、該スペーサを本体の長手方向に沿ってスライドさせるガイド片を含むこと。
【発明の効果】
【0011】
本開示のブラケットによれば、ブラケットを2部材で構成し、段差がある場合にはスペーサを取り外すこととしたため、取付部の段差に関係なく使用でき、ブラケットを共通化できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】車両用灯具及びブラケットの分解斜視図である。
【
図3】ブラケットの(a)本体及びスペーサ、(b)本体、(c)スペーサを各々示す、正面図(上)、及び、平面図(下)である。
【
図4】要部Cにおける、(a)本体の正面図、(b)スペーサの正面図である。
【
図5】(a)A-A線、(b)B-B線による、要部Cの拡大断面図である。
【
図6】(a)スペーサ装着前、(b)スペーサ装着後の状態を示す、平面模式図(上)、及び、断面模式図(下)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示を車両用灯具11をトラックの車体(荷台12)に取り付けるためのブラケット1に具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、車両用灯具11のアウターカバー11a側を正面側とし、灯具ハウジング11b側を背面側とする。なお、車両用灯具11は、テール&ストップランプ、バックアップランプ、又は、ターンシグナルランプのいずれか一つ以上の機能を備え、灯室内には、光源や、光源を搭載する回路基板等を備えている。
【0014】
図1~5に示すように、ブラケット1は、本体2と、本体2に着脱自在に装着されるスペーサ3とを備える。ブラケット1は、反転させることによって、左右の車両用灯具11に共通して使用することができる。
【0015】
本体2は、背面側に向けて開口する筐体であり、本体2の側面26には、スペーサ3を嵌め込み可能な切欠部21が形成されている。切欠部21の高さhは、荷台12のコーナー部を補強するコーナー補強部材13による段差s(
図1参照)と同程度、即ち、3mm程度とすることができる。本体2にスペーサ3を装着した場合には、ブラケット1の背面側は平坦となり、車両用灯具11を段差sの無い荷台12に取り付けるためのブラケット1として機能する。一方、スペーサ3を取り外した場合には、切欠部21がコーナー補強部材13による段差sと組み合わされ、車両用灯具11を段差sを有する荷台12に取り付けるためのブラケット1として機能する。
【0016】
また、本体2は、車両用灯具11を荷台12にネジ止めするためのネジ受け部25と、車両用灯具11の配線ケーブルを挿通するケーブル穴27と、スペーサ3の爪部33を挿通する爪用穴22と、爪部33と係合する爪受部23と、正円形の第1開口部24とを備える。
【0017】
スペーサ3は、本体2の切欠部21の高さhと同じ厚みdに形成されたベース部31と、ネジ受け部25を受け入れる長丸穴35と、本体の爪受部23と係合する爪部33とを備える。爪部33を爪用穴22に挿通し、爪部33を爪受部23と係合させることにより、スペーサ3を本体2に装着することができる。また、爪部33と爪受部23との係合を解除し、爪部33を爪用穴22から抜き取ることにより、スペーサ3を本体2から取り外すことができる。
【0018】
スペーサ3は、第1開口部24と略同一形状である正円形の第2開口部34をさらに備える。スペーサ3を着脱する際、爪部33は、爪用穴22に挿通した位置(解除位置、
図6(a)参照)と、爪受部23と係合した位置(係合位置、
図6(b)参照)とを移動する。ブラケット1は、スペーサ3が係合位置にある場合に、第1開口部24と第2開口部34とが正対向するように設けられている。このため、スペーサ3が係合位置にある場合には、ブラケット1の正面視において、第1開口部24と第2開口部34との重複部が正円形に視認される。一方、スペーサ3が解除位置にある場合には、第1開口部24と第2開口部34とが位置ずれしているため、ブラケット1の正面視において、第1開口部24と第2開口部34との重複部は正円形に視認されない。このように、第1開口部24及び第2開口部34を設けたことにより、スペーサ3が正しく装着されたことを確認することができる。
【0019】
スペーサ3は、スペーサ3を本体2の長手方向に沿ってスライドさせるガイド片36を備える。ガイド片36は、スペーサ3の長辺に沿って本体2に向けて突出するように形成され、本体2の内側面に沿ってスライド可能に設けられている。ガイド片36を本体2の内側面に沿ってスライドさせることにより、スペーサ3を解除位置及び係止位置まで容易に導くことができる。
【0020】
続いて、上記構成のブラケット1において、本体2にスペーサ3を装着する動作について
図6に基づいて説明する。
図6(a)に示すように、スペーサ3を本体2の長手方向に沿ってスライドさせ、スペーサ3を解除位置に配置すると、爪部33が爪用穴22の背面側に配置される。このとき、ガイド片36が本体2の内側面に沿ってスライドするため、スペーサ3を解除位置に正確に導くことができる。この段階では、ブラケット1の正面視において、第1開口部24と第2開口部34は位置ずれしているため、第1開口部24と第2開口部34との重複部は正円形に視認されない。
【0021】
図6(b)に示すように、スペーサ3を本体2に向けて押し込み、爪部33を爪用穴22に挿通し、スペーサ3を係合位置に配置すると、爪部33と爪受部23とが係合する。このとき、ブラケット1の正面視において、第1開口部24と第2開口部34は正対向し、第1開口部24と第2開口部34との重複部は正円形に視認される。。
【0022】
したがって、この実施形態のブラケット1によれば、本体2の側面26に切欠部21を形成し、切欠部21に着脱自在に装着されるスペーサ3を設けたため、荷台12の段差sの有無に関わらず、ブラケット1を共通化することができる。また、爪部33を爪受部23に係合させることとしたため、高所作業となる取付時においてもスペーサ3の脱落を防止できる一方で、スペーサ3を取り外す際には、容易に取り外すことができる。さらに、第1開口部24と第2開口部34の重なり具合を確認することにより、スペーサ3の装着状態を確認することができる。
【0023】
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状や構成を適宜に変更して実施することも可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 ブラケット
2 本体
3 スペーサ
11 車両用灯具(a:アウターカバー、b:灯具ハウジング)
12 荷台
13 コーナー補強部材
21 切欠部
22 爪用穴
23 爪受部
24 第1開口部
25 ネジ受け部
26 側面
27 ケーブル穴
31 ベース部
33 爪部
34 第2開口部
35 長丸穴
36 ガイド片
h 高さ
d 厚み
s 段差