(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033980
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20240306BHJP
G03G 21/14 20060101ALI20240306BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240306BHJP
B65H 85/00 20060101ALI20240306BHJP
B65H 15/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G03G15/00 413
G03G21/14
B41J29/38 206
B41J29/38 204
G03G15/00 463
B65H85/00
B65H15/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137943
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 崇之
【テーマコード(参考)】
2C061
2H072
2H270
3F100
3F102
【Fターム(参考)】
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061HJ02
2C061HJ03
2C061HJ10
2C061HK06
2C061HK11
2C061HN17
2H072AA22
2H072AA29
2H072AA32
2H072AB14
2H072AB15
2H072CA01
2H072JA02
2H270KA51
2H270KA57
2H270LA70
2H270LA75
2H270LC07
2H270LC12
2H270LC14
2H270MA35
2H270MC60
2H270MC67
2H270MD13
2H270PA07
2H270PA26
2H270ZC03
3F100AA02
3F100CA03
3F100CA12
3F100CA14
3F100EA02
3F100EA03
3F102AA07
3F102AA11
3F102AB01
3F102BA11
3F102CB01
3F102EA03
(57)【要約】
【課題】従来の画像形成装置よりも利便性を向上させること。
【解決手段】画像形成装置(1)の制御部(C)は、切断後の第1印刷媒体を第2搬送路(H2)に搬送し、前記第1印刷媒体を前記第2搬送路(H2)にて保持させる保持処理と、前記保持処理の後、画像形成部(4)にて、第2搬送路(H2)に保持された前記第1印刷媒体の一方の面に画像を形成するための再反転処理であって、第2搬送路(H2)に保持された前記第1印刷媒体を、再び第2搬送路(H2)に搬送して前記第1印刷媒体を反転させる再反転処理と、を含む処理を実行する
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光ドラムと、前記感光ドラム上にトナーを供給する現像ローラと、前記感光ドラム上に供給されたトナーを印刷媒体に転写する転写部と、前記印刷媒体に転写されたトナーを前記印刷媒体上に定着させる定着部と、を有する画像形成部と、
前記定着部よりも前記印刷媒体の搬送方向の下流に設けられ、前記印刷媒体を切断する切断部と、
前記定着部を通過した前記印刷媒体を排出するための排出トレイを有する本体筐体と、
前記定着部を通過した前記印刷媒体を前記排出トレイに向けて搬送するための第1搬送路と、
前記第1搬送路とは異なる第2搬送路であって、前記定着部を通過した前記印刷媒体を前記感光ドラムに向けて再搬送するための第2搬送路と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記画像形成部により、前記印刷媒体の一方の面に画像を形成する第1画像形成処理と、
前記第1画像形成処理の後、前記切断部により、前記印刷媒体を、第1印刷媒体と前記第1印刷媒体よりも前記搬送方向の下流に位置する第2印刷媒体とに切断する切断処理と、
前記切断処理の後、前記第1印刷媒体を前記第2搬送路に搬送し、前記第1印刷媒体を前記第2搬送路にて保持させる保持処理と、
前記保持処理の後、前記画像形成部にて、前記第2搬送路に保持された前記第1印刷媒体の一方の面に画像を形成するための再反転処理であって、前記第2搬送路に保持された前記第1印刷媒体を、再び前記第2搬送路に搬送して前記第1印刷媒体を反転させる再反転処理と、を含む処理を実行する、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記保持処理にて、前記第1画像形成処理により画像が形成されていない前記第1印刷媒体を前記第2搬送路にて保持させる、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記切断処理の後、且つ前記保持処理の前に、前記第2印刷媒体を前記排出トレイに排出する第1排出処理を更に実行する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記本体筐体は、
前記画像形成部よりも前記搬送方向の上流に設けられ、前記印刷媒体を収容可能な給送トレイを有し、
前記制御部は、
前記第1画像形成処理の後に、前記画像形成部にて、前記印刷媒体の他方の面に画像を形成するための第2画像形成処理と、
前記保持処理の後、且つ、前記第2画像形成処理の前に、前記給送トレイから取り出された前記印刷媒体に対して前記第1画像形成処理及び前記第2画像形成処理を実行する場合、前記画像形成部にて、前記第2搬送路に保持された前記第1印刷媒体に対して画像を形成することなく前記排出トレイに排出する第2排出処理と、を更に実行する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1印刷媒体が前記定着部を通過した回数を表す情報に基づいて、前記第1印刷媒体に対して前記再反転処理を実行するか否かを判定する判定処理を更に実行する、
請求項1または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記定着部よりも下流に設けられ、前記第1印刷媒体の通過を検知する検知部を更に備え、
前記制御部は、
前記判定処理において、前記第1印刷媒体が前記検知部を通過した回数が、予め定められた閾値以下であると判定した場合、前記再反転処理を実行する、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記定着部よりも下流に設けられ、前記第1印刷媒体の通過を検知する検知部を更に備え、
前記制御部は、
前記判定処理において、前記第1印刷媒体が前記検知部を通過した回数が、予め定められた閾値を超えていると判定した場合、前記再反転処理を実行しない、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記判定処理において、前記第1印刷媒体が前記検知部を通過した回数が、予め定められた閾値を超えていると判定した場合、前記第2排出処理を実行する、
請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記定着部は、前記印刷媒体を加熱する加熱ローラを有し、
前記制御部は、
前記再反転処理における、前記定着部の前記加熱ローラの温度を、前記第1画像形成処理における前記定着部の前記加熱ローラの温度よりも低くする、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記定着部は、前記印刷媒体を加熱する加熱ローラを有し、
前記制御部は、
前記第2排出処理における、前記定着部の前記加熱ローラの温度を、前記第1画像形成処理における前記定着部の前記加熱ローラの温度よりも低くする、
請求項4に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙を切断する切断部を備えた画像形成装置がある。例えば、特許文献1の画像形成装置では、A3サイズのシートを二等分に切断することにより、A4サイズのシートを2枚生成する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1には、切断後の印刷媒体を画像形成装置内部にて保持し、その保持した切断後の印刷媒体に対して画像を形成することができなかった。
【0005】
本開示は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の画像形成装置よりも利便性を向上させた画像形成装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の第1態様の画像形成装置は、感光ドラムと、前記感光ドラム上にトナーを供給する現像ローラと、前記感光ドラム上に供給されたトナーを印刷媒体に転写する転写部と、前記印刷媒体に転写されたトナーを前記印刷媒体上に定着させる定着部と、を有する画像形成部と、前記定着部よりも前記印刷媒体の搬送方向の下流に設けられ、前記印刷媒体を切断する切断部と、前記定着部を通過した前記印刷媒体を排出するための排出トレイを有する本体筐体と、前記定着部を通過した前記印刷媒体を前記排出トレイに向けて搬送するための第1搬送路と、前記第1搬送路とは異なる第2搬送路であって、前記定着部を通過した前記印刷媒体を前記感光ドラムに向けて再搬送するための第2搬送路と、制御部と、を備える。前記制御部は、前記画像形成部により、前記印刷媒体の一方の面に画像を形成する第1画像形成処理と、前記第1画像形成処理の後、前記切断部により、前記印刷媒体を、第1印刷媒体と前記第1印刷媒体よりも前記搬送方向の下流に位置する第2印刷媒体とに切断する切断処理と、前記切断処理の後、前記第1印刷媒体を前記第2搬送路に搬送し、前記第1印刷媒体を前記第2搬送路にて保持させる保持処理と、前記保持処理の後、前記画像形成部にて、前記第2搬送路に保持された前記第1印刷媒体の一方の面に画像を形成するための再反転処理であって、前記第2搬送路に保持された前記第1印刷媒体を、再び前記第2搬送路に搬送して前記第1印刷媒体を反転させる再反転処理と、を含む処理を実行する。
【0007】
本開示の第2態様の画像形成装置は、第1態様の画像形成装置であって、前記制御部は、前記保持処理にて、前記第1画像形成処理により画像が形成されていない前記第1印刷媒体を前記第2搬送路にて保持させる構成としてもよい。
【0008】
本開示の第3態様の画像形成装置は、第1態様の画像形成装置であって、前記制御部は、前記切断処理の後、且つ前記保持処理の前に、前記第2印刷媒体を前記排出トレイに排出する第1排出処理を更に実行する構成としてもよい。
【0009】
本開示の第4態様の画像形成装置は、第1態様の画像形成装置であって、前記本体筐体は、前記画像形成部よりも前記搬送方向の上流に設けられ、前記印刷媒体を収容可能な給送トレイを有する構成としてもよい。前記制御部は、前記第1画像形成処理の後に、前記画像形成部にて、前記印刷媒体の他方の面に画像を形成するための第2画像形成処理と、前記保持処理の後、且つ、前記第2画像形成処理の前に、前記給送トレイから取り出された前記印刷媒体に対して前記第1画像形成処理及び前記第2画像形成処理を実行する場合、前記画像形成部にて、前記第2搬送路に保持された前記第1印刷媒体に対して画像を形成することなく前記排出トレイに排出する第2排出処理と、を更に実行してもよい。
【0010】
本開示の第5態様の画像形成装置は、第1態様または第4態様の画像形成装置であって、前記制御部は、前記第1印刷媒体が前記定着部を通過した回数を表す情報に基づいて、前記第1印刷媒体に対して前記再反転処理を実行するか否かを判定する判定処理を更に実行する構成としてもよい。
【0011】
本開示の第6態様の画像形成装置は、第5態様の画像形成装置であって、前記定着部よりも下流に設けられ、前記第1印刷媒体の通過を検知する検知部を更に備える。前記制御部は、前記判定処理において、前記第1印刷媒体が前記検知部を通過した回数が、予め定められた閾値以下であると判定した場合、前記再反転処理を実行してもよい。
【0012】
本開示の第7態様の画像形成装置は、第5態様の画像形成装置であって、前記定着部よりも下流に設けられ、前記印刷媒体の通過を検知する検知部を更に備える。前記制御部は、前記判定処理において、前記第1印刷媒体が前記検知部を通過した回数が、予め定められた閾値を超えていると判定した場合、前記再反転処理を実行しなくてもよい。
【0013】
本開示の第8態様の画像形成装置は、第7態様の画像形成装置であって、前記制御部は、前記判定処理において、前記第1印刷媒体が前記検知部を通過した回数が、予め定められた閾値を超えていると判定した場合、前記第2排出処理を実行する構成としてもよい。
【0014】
本開示の第9態様の画像形成装置は、第1態様の画像形成装置であって、前記定着部は、前記印刷媒体を加熱する加熱ローラを有する構成としてもよい。前記制御部は、前記再反転処理における、前記定着部の前記加熱ローラの温度を、前記第1画像形成処理における前記定着部の前記加熱ローラの温度よりも低くしてもよい。
【0015】
本開示の第10態様の画像形成装置は、第4態様の画像形成装置であって、前記定着部は、前記印刷媒体を加熱する加熱ローラを有する構成としてもよい。前記制御部は、前記第2排出処理における、前記定着部の前記加熱ローラの温度を、前記第1画像形成処理における前記定着部の前記加熱ローラの温度よりも低くしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
第1態様の画像形成装置によれば、再反転処理を行うことにより、第2搬送路にて保持されていた第1印刷媒体を、一度第1搬送路に搬送し、その後、第2搬送路を経由して再度第1搬送路に搬送する。再度第1搬送路に搬送された第1印刷媒体は、一方の面が画像形成装置の転写部と対向するように第1印刷媒体を搬送することができる。これにより、従来の画像形成装置よりも利便性を向上させた画像形成装置を提供することができる。
【0017】
第2態様の画像形成装置によれば、保持処理にて前記第1画像形成処理により画像が形成されていない前記第1印刷媒体を前記第2搬送路にて保持することにより、保持処理にて保持される第1印刷媒体には画像が形成されない。そのため、再反転処理を行った後、第1画像形成処理を行ったとしても、第1印刷媒体の一方の面に画像が二重に形成されることがない。これにより、第1印刷媒体の一方の面に形成される画像の質が低下する恐れを軽減することができる。
【0018】
第3態様の画像形成装置によれば、第1排出処理を実行することにより、保持処理を行う前に、第2印刷媒体が排出トレイに排出される。そのため、第2搬送路において第1印刷媒体のみ保持することができる。即ち、第2搬送路において、第1印刷媒体と第2印刷媒体とが衝突する恐れを低くすることができる。これにより、第2搬送路において、ジャムを起こしてしまう可能性を低くすることができる。
【0019】
第4態様の画像形成装置によれば、第2排出処理を実行することにより、給送トレイから取り出された用紙の表裏に対して画像が形成される場合、第2搬送路にて保持されている第1印刷媒体を先に排出トレイに排出する。そのため、給送トレイから取り出された印刷媒体が第2搬送路に搬送されたとしても、印刷媒体が第1印刷媒体と衝突することがない。これにより、第2搬送路において、ジャムを起こしてしまう可能性を低くすることができる。また、給送トレイから取り出された印刷媒体のうら面に対して形成されるべき画像を、第1印刷媒体に形成してしまうことがない。これにより、印刷媒体に形成される画像の質の低下を軽減することができる。
【0020】
第5態様の画像形成装置によれば、判定処理を実行することにより、第1印刷媒体が定着部を通過する回数に基づいて、第1印刷媒体に対して再反転処理を実行するか否かが判定される。そのため、定着部の熱による第1印刷媒体への影響を考慮して、第1画像形成処理を実行することができる。これにより、第1印刷媒体に形成される画像の質の低下を軽減することができる。
【0021】
第6態様の画像形成装置によれば、検知部を通過した回数が予め定められた閾値以下であると判定した場合に前記再反転処理を実行することにより、定着部の熱による影響が少ないと判定された第1印刷媒体に対してのみ再反転処理が実行される。即ち、定着部の熱による影響の少ない第1印刷媒体に対して、第1画像形成処理が実行される。これにより、第1印刷媒体に形成される画像の質の低下を軽減することができる。
【0022】
第7態様の画像形成装置によれば、定着部を通過した回数が予め定められた閾値を超えていると判定した場合に前記再反転処理を実行しないことにより、定着部の熱による影響が大きいと判定された第1印刷媒体に対しては再反転処理が実行されない。即ち、定着部の熱による影響の大きい第1印刷媒体に対して、第1画像形成処理が実行されない。これにより、第1印刷媒体に形成される画像の質の低下を軽減することができる。
【0023】
第8態様の画像形成装置によれば、定着部を通過した回数が予め定められた閾値を超えていると判定した場合に前記第2排出処理を実行することにより、定着部の熱による影響が大きいと判定された第1印刷媒体に対しては、第2排出処理が実行される。そのため、熱による影響の高い第1印刷媒体に対して画像形成処理を実行することなく、第1印刷媒体を排出トレイに排出することができる。
【0024】
第9態様の画像形成装置によれば、再反転処理における前記定着部の前記加熱ローラの温度を低くすることにより、再反転処理において、第1印刷媒体が定着部を通過することによる第1印刷媒体の熱影響を少なくすることができる。これにより、第1印刷媒体に形成される画像の質の低下を軽減することができる。
【0025】
第10態様の画像形成装置によれば、第2排出処理における、前記定着部の前記加熱ローラの温度を低くすることにより、第2排出処理において、画像が形成されない第1印刷媒体が定着部を通過する際、加熱ローラに熱が加えられることがない。これにより、定着部における電力消費を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の実施形態1に係る画像形成装置の概略構成を説明する図である。
【
図2】画像形成装置の動作例を示すフローチャートであって、初期化処理時の制御部による制御の流れを示すフローチャートである。
【
図3】画像形成装置の動作例を示すフローチャートであって、印刷ジョブ受信時の制御部による制御の流れを示すフローチャートである。
【
図4】画像形成装置の動作例を示すフローチャートであって、印刷ジョブ受信時の制御部による制御の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図3に示す第1印刷媒体画像形成処理における制御部による制御の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図3に示す画像形成処理における制御部による制御の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
〔実施形態〕
以下、本開示の実施形態1について
図1を参照しつつ説明する。本実施形態では、画像形成装置1の一例として、トナーを用いて印刷媒体Sに画像を形成するレーザプリンタについて説明する。
【0028】
〔画像形成装置1の構成〕
図1は、本開示の実施形態1に係る画像形成装置1の概略構成を説明する図である。以下の説明では、
図1に示すように、画像形成装置1が使用可能に設置された状態を基準として、設置面側を下として上下方向を定義する。また、排出トレイTRが設けられている側を前として前後方向を定義する。
【0029】
尚、以下の説明では、画像形成装置1として、モノクロ画像の画像形成処理を行うモノクロプリンタを例示する。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではなく、例えば、フルカラー画像の画像形成処理を行うカラープリンタであってもよい。また、本開示は、画像形成機能、すなわちプリント機能以外の機能、例えば、スキャナ機能、コピー機能、またはファクシミリ機能などの他の機能を併せて備えるMFP(Multi-Function Printer)であってもよい。
【0030】
図1に示すように、画像形成装置1は、本体筐体10と、給送部3と、画像形成部4と、切断機構100と、排出トレイTRと、を備える。また、画像形成装置1は、中間排出ローラ37と、排出ローラ38と、メインモータM0と、制御部Cと、を備える。本実施形態1では、本体筐体10は、画像形成装置1の外容器を構成しており、例えば、給送部3、画像形成部4、及び切断機構100などを収容している。
【0031】
給送部3は、印刷媒体Sを供給する。給送部3は、給送トレイ31と、ピックアップローラ32と、押圧板33と、分離ローラ34と、給送ローラ35と、レジローラ36と、を備える。給送トレイ31は、上面が開放した箱状の部材であり、所定量の印刷媒体Sを収容する。なお、印刷媒体としては、印刷用紙などの紙媒体に限らず、他にも、例えばOHPシート等のプラスチックからなる樹脂媒体であってもよい。
【0032】
ピックアップローラ32は、給送トレイ31に収容された印刷媒体Sを送り出す。すなわち、印刷媒体Sが送り出される場合、給送トレイ31に収容された印刷媒体Sは、押圧板33によってピックアップローラ32に寄せられ、ピックアップローラ32の回転に伴い分離ローラ34に給送される。分離ローラ34は、ピックアップローラ32がピックアップした印刷媒体Sを1枚ずつ分離する。給送ローラ35は、印刷媒体Sをレジローラ36に向けて搬送する。レジローラ36は、印刷媒体Sの先端の位置を揃えた後、画像形成部4に向けて印刷媒体Sを搬送する。
【0033】
画像形成部4は、給送部3によって送り出された印刷媒体Sに画像形成処理を施して画像を形成する。画像形成部4は、感光ドラム46と、感光ドラム46上にトナーを供給する現像ローラ44Rと、感光ドラム46上に供給されたトナーを印刷媒体Sに転写する転写ローラを有する転写部42と、印刷媒体Sに転写されたトナーを印刷媒体S上に定着させる定着部45と、を有する。また、画像形成部4は、露光部41と、帯電器43と、を有する。
【0034】
露光部41は、図に一点鎖線にて示す所定の光ビームBを感光ドラム46に照射することにより、感光ドラム46を露光する。具体的にいえば、露光部41は、図示しないレーザ光源と、ポリゴンミラー41Gと、走査レンズ41Lと、ポリゴンモータ41Mと、反射鏡41Rと、を備える。
【0035】
ポリゴンミラー41Gは正六角柱の側面を6つの反射面とする回転多面鏡である。ポリゴンミラー41Gは、レーザ光源が出射した光ビームBを感光ドラム46に向かう方向へ偏向するためのものである。ポリゴンモータ41Mは、メインモータM0とは異なるモータであって、制御部Cからの動作指示に基づいて、メインモータM0とは独立してポリゴンミラー41Gを回転駆動する。
【0036】
露光部41は、光ビームBをポリゴンミラー41Gにより偏向して、ポリゴンミラー41Gから走査レンズ41L及び反射鏡41Rを介して感光ドラム46の表面に光ビームBを出射する。露光部41は、光ビームBによって感光ドラム46の表面を走査して感光ドラム46を露光する。これにより、後述のトナー像を構成する静電潜像が感光ドラム46の表面に形成される。ポリゴンモータ41Mは、例えば、ブラシレスDCモータである。
【0037】
転写部42は、感光ドラム46との間で印刷媒体Sを挟む転写ローラを備えており、感光ドラム46からトナー像を印刷媒体Sに転写する。帯電器43は、例えば、図示しない帯電ワイヤ及びグリッド部を有するスコロトロン型の帯電器を含む。この帯電器43では、図示しない高電圧生成回路により、帯電ワイヤに帯電電圧が印加され、グリッド部にグリッド電圧が印加されることでコロナ放電が発生し、感光ドラム46の表面が一様に帯電される。
【0038】
なお、例えば、転写ローラに代えて、転写ベルトを転写部42が含む構成でもよい。また、例えば、スコロトロン型の帯電器に代えて、帯電ローラを帯電器43が含む構成でもよい。
【0039】
現像ローラ44Rは、現像剤としてのトナーを収容したトナー収容部44Aとともに、トナーカートリッジ44として一体的に構成されている。このトナーカートリッジ44は、本体筐体10に対して、本体筐体10の前面側に設けられた開口10Bから着脱可能になっている。
【0040】
また、感光ドラム46と帯電器43とは、ドラムカートリッジ47として一体的に構成されている。このドラムカートリッジ47は、本体筐体10に対して、開口10Bから着脱可能になっている。具体的には、本体筐体10には、
図1に二点鎖線にて例示するように、開口10Bを開閉可能なフロントカバーFCが前面側に設けられている。フロントカバーFCが開口10Bを開放している場合、ユーザは、トナーカートリッジ44またはドラムカートリッジ47を着脱し得る。また、フロントカバーFCには、フロントカバーFCの開閉状態を検知するセンサK5が設けられている。センサK5は、フロントカバーFCの開閉状態を制御部Cに出力するよう構成されている。
【0041】
なお、トナーカートリッジ44とドラムカートリッジ47とが互いに分離可能なプロセスカートリッジを用いた場合について説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではなく、例えば、トナーカートリッジ44とドラムカートリッジ47とが分離不可能な一体的なプロセスカートリッジを用いることもできる。
【0042】
画像形成部4では、感光ドラム46の表面が帯電器43により一様に帯電された後、露光部41からの光ビームBにより、制御部Cからの印刷データに基づいた静電潜像が感光ドラム46の表面に形成される。また、現像ローラ44Rは、トナーカートリッジ44の内部からトナーを静電潜像が形成された感光ドラム46の表面に供給する。これにより、静電潜像が可視像化され、感光ドラム46の表面上にトナー像が形成される。その後、給送部3から給送された印刷媒体Sが、感光ドラム46と転写部42との間である転写位置に搬送されることによって感光ドラム46の表面上に形成されたトナー像が印刷媒体S上に転写される。
【0043】
トナー像が転写された印刷媒体Sは、感光ドラム46及び転写部42によって、定着部45に搬送される。定着部45は、印刷媒体Sに形成されたトナー像を定着する。具体的には、定着部45は、感光ドラム46及び転写部42から搬送される印刷媒体S上のトナー像を熱定着させる。トナー像が熱定着された印刷媒体Sは、中間排出ローラ37及び排出ローラ38によって排出トレイTR上に排出される。
【0044】
排出トレイTRは、
図1に実線にて示すように、本体筐体10の上面の露出部分に設けられている。また、排出トレイTRは、定着部45を通過した印刷媒体Sを排出するための第1排出部を構成している。
【0045】
また、定着部45は、例えば、トナー像が形成された印刷媒体Sに接して印刷媒体Sを加熱する加熱ローラ45HRと、図示しない押圧部によって加熱ローラ45HR側に押圧される加圧ローラ45PRと、加熱ローラ45HRを加熱するヒータ45Hと、を備える。また、定着部45では、加熱ローラ45HRと加圧ローラ45PRの間に所定の圧力が加えられた状態で、印刷媒体Sに対するトナー像の定着処理が行われる。
【0046】
また、加熱ローラ45HRの内部には、例えば、2つのヒータ45Hが設けられている。また、ヒータ45Hは、例えば、ハロゲンランプを用いて構成されている。さらに、ヒータ45Hは、通電によって発光するとともに発熱し、輻射熱によって加熱ローラ45HRを内側から加熱する。
【0047】
具体的には、制御部Cは、図示しない通電回路の制御を行うことにより、通電回路からヒータ45Hへの供給電流を制御する。これにより、ヒータ45Hから加熱ローラ45HRへの加熱が、制御部Cによって制御される。また、制御部Cは、メインモータM0の制御を行うことにより、加圧ローラ45PRの回転駆動も制御する。そして、定着部45では、トナー像が転写された印刷媒体Sが、加熱ローラ45HRと加圧ローラ45PRとの間に搬送されることで、トナー像が印刷媒体S上に熱定着される。
【0048】
なお、加熱ローラ45HR及び加圧ローラ45PRを有する定着部45を用いた場合について説明したが、本開示の定着部45はこれに限定されない。例えば、加熱ローラ45HRに代えて、基板と基板上に設けられた抵抗発熱体とを有するヒータを備えた加熱ユニットを定着部に用いることができる。また、例えば、印刷媒体Sを加熱ローラ45HRとで挟持する無端ベルトと、無端ベルトを加熱ローラ45HR側に加圧する加圧パッドを有するニップ形成部材とを設けた加圧パッド方式の定着部を用いることができる。
【0049】
また、本体筐体10は、後側開口10Cを有している。後側開口10Cは、本体筐体10の後面側に設けられている。また、本体筐体10は、
図1に二点鎖線にて例示するように、後側開口10Cを開閉可能なリアカバーRCを有している。リアカバーRCは、本体筐体10の後面側に設けられている。このリアカバーRCは、後側開口10Cを閉塞する閉塞部材を構成する。更には、リアカバーRCは、定着部45を通過した印刷媒体Sを排出するための第2排出部としての第2排出トレイも構成している。
【0050】
換言すれば、リアカバーRCは、後側開口10Cを閉塞することにより、第2排出トレイも閉塞可能となっている。一方、リアカバーRCは、後側開口10Cを開放することにより、定着部45及び中間排出ローラ37によって搬送された印刷媒体Sを収容する第2排出トレイとして機能し得る。これにより、定着部45を通過した印刷媒体Sを折り曲げることなく第2排出トレイに排出可能となる。また、リアカバーRCは、リアカバーRCの開閉状態を検知するセンサK6を有している。センサK6は、リアカバーRCの開閉状態を制御部Cに出力するよう構成されている。
【0051】
切断機構100は、定着部45よりも印刷媒体Sの搬送方向の下流に設けられている。切断機構100は、例えば、排出ローラ38と下流搬送ローラ40Bとの間で、第1搬送路H1に設けられている。切断機構100は、周知のカッター機構である。切断機構100は、ブレード100A及びブレード100Bを備える。また、切断機構100は、図示しないキャリッジと、キャリッジを駆動するキャリッジモータM1とを備える。キャリッジは、切断刃(カッター)としてのブレード100A及びブレード100Bを保持する。キャリッジは、キャリッジモータM1により、所定方向に移動可能に構成されている。
【0052】
キャリッジモータM1は、メインモータM0とは異なるモータである。キャリッジモータM1は、制御部Cからの動作指示に基づいて、メインモータM0とは独立してキャリッジを駆動する。キャリッジモータM1は、例えば、ブラシレスDCモータである。
【0053】
具体的にいえば、キャリッジモータM1の回転力を用いてキャリッジを、所定方向としての印刷媒体Sの幅方向に移動させることで、ブレード100A及びブレード100Bは、印刷媒体Sを幅方向に切断する。これにより、印刷媒体Sに対してブレード100A及びブレード100Bによる切断処理が実行されて、印刷媒体Sは、搬送方向で前後する、第1印刷媒体と第2印刷媒体とに完全に分けられる。
【0054】
なお、ブレード100Aまたはブレード100Bの少なくとも一方は、キャリッジモータM1が回転してキャリッジを移動させることにより、キャリッジとともに移動して切断処理を実行する。また、切断機構100は、ブレード100A及びブレード100Bのいずれか一方だけを有する構成であってもよい。
【0055】
また、画像形成装置1は、
図1に点線にて示すように、印刷媒体Sを搬送するための空間である搬送路を備えている。具体的にいえば、本実施形態1の画像形成装置1は、給送部3から画像形成部4に向けて印刷媒体Sを搬送するための供給搬送路H0と、定着部45を通過した印刷媒体Sを排出トレイTRに向けて搬送するための第1搬送路H1と、を備える。また、本実施形態1の画像形成装置1は、定着部45を通過した印刷媒体Sであって、いずれかの面に画像形成部4による画像形成処理が施された印刷媒体Sを感光ドラム46に向けて再搬送するための第2搬送路H2を備える。
【0056】
詳細にいえば、供給搬送路H0では、ピックアップローラ32の設置箇所が印刷媒体Sの搬送開始地点であり、後述の後レジセンサK3の設置箇所が印刷媒体Sの搬送終了地点である。また、供給搬送路H0には、印刷媒体Sを搬送するための搬送ローラとして、例えば、ピックアップローラ32、分離ローラ34、給送ローラ35、及びレジローラ36が設置されている。これらのピックアップローラ32、分離ローラ34、給送ローラ35、及びレジローラ36は、例えば、メインモータM0からの駆動力により、回転するように構成されている。
【0057】
また、供給搬送路H0には、フロントカバーFC側に分岐路H00が設けられている。フロントカバーFCが開口10Bを開放している状態において、例えば、ユーザは、画像形成装置1の外部から手差しによって印刷媒体Sを分岐路H00に挿入することが可能である。そのため、ユーザは、分岐路H00を介して印刷媒体Sを供給搬送路H0に搬入することが可能である。
【0058】
供給搬送路H0は、トレイセンサK1と、前レジセンサK2と、後レジセンサK3とを有している。トレイセンサK1は、給送トレイ31の近傍に設けられている。トレイセンサK1は、給送トレイ31の有無を検知する。トレイセンサK1は、例えば、光センサを用いて構成されている。トレイセンサK1は、給送トレイ31の有無を制御部Cに出力するよう構成されている。
【0059】
前レジセンサK2は、印刷媒体Sの後端を検知する。後レジセンサK3は、印刷媒体Sの前端を検知する。前レジセンサK2及び後レジセンサK3は、各々印刷媒体Sが当接することで揺動するアクチュエータを有するセンサや、光センサ等を用いることができる。前レジセンサK2及び後レジセンサK3により、搬送方向における印刷媒体Sの長さが検知される。
【0060】
また、前レジセンサK2及び後レジセンサK3は、検知結果を制御部Cに出力する。具体的には、前レジセンサK2は、制御部Cに対して、印刷媒体Sの前端が前レジセンサK2の位置に到達したタイミングから印刷媒体Sの後端が前レジセンサK2の位置を通過するまでの間はON信号を出力し、それ以外の間はOFF信号を出力する。同様に、後レジセンサK3は、制御部Cに対して、印刷媒体Sの前端が後レジセンサK3の位置に到達したタイミングから印刷媒体Sの後端が後レジセンサK3の位置を通過するまでの間はON信号を出力し、それ以外の間はOFF信号を出力する。
【0061】
第1搬送路H1では、供給搬送路H0の搬送終了地点が印刷媒体Sの搬送開始地点であり、排出ローラ38の搬送方向の下流に設けられて排出トレイTRに連結された連結箇所が印刷媒体Sの搬送終了地点である。つまり、第1搬送路H1は、後レジセンサK3の設置箇所と、排出トレイTRにおける、本体筐体10の上面側で露出されてユーザが印刷媒体Sを回収可能な端部である連結箇所G4との間の搬送路である。また、第1搬送路H1には、印刷媒体Sを搬送するための搬送ローラとして、例えば、中間排出ローラ37、上流搬送ローラ40A、排出ローラ38、及び下流搬送ローラ40Bが設置されている。これらの中間排出ローラ37、上流搬送ローラ40A、排出ローラ38、及び下流搬送ローラ40Bは、例えば、メインモータM0からの駆動力により、回転するように構成されている。
【0062】
第1搬送路H1には、排紙センサK4が定着部45と中間排出ローラ37との間に設けられている。排紙センサK4は検知部の一例である。排紙センサK4は、例えば、光センサを用いて構成されている。排紙センサK4は、定着部45と中間排出ローラ37との間において、印刷媒体Sの有無を検知するように構成されている。排紙センサK4は、印刷媒体Sの有無を制御部Cに出力するよう構成されている。換言すれば、排紙センサK4は、印刷媒体Sが定着部45を通過したか否かについて検知して、制御部Cに通知する。
【0063】
第2搬送路H2の印刷媒体Sの搬送開始地点は、第1搬送路H1との合流箇所G1である。合流箇所G1は、中間排出ローラ37の搬送方向の下流に設けられている。一方、第2搬送路H2の印刷媒体Sの搬送終了地点は、第1搬送路H1との合流箇所G3である。合流箇所G3は、合流箇所G1とは異なる箇所である。合流箇所G3は、レジローラ36の搬送方向の上流に設けられている。
【0064】
第2搬送路H2には、印刷媒体S及び第1印刷媒体を搬送するための搬送ローラとして、例えば、第2搬送路H2での搬送方向に沿って反転搬送ローラ39A及び反転搬送ローラ39Bが順次設けられている。これらの反転搬送ローラ39A及び反転搬送ローラ39Bは、例えば、メインモータM0からの駆動力により、回転するように構成されている。
【0065】
第2搬送路H2では、排出ローラ38によって合流箇所G1からスイッチバックされてきた印刷媒体Sに対し、反転搬送ローラ39A及び反転搬送ローラ39Bにより、合流箇所G3に向けて順次搬送するように構成されている。また、第2搬送路H2では、反転搬送ローラ39A及び反転搬送ローラ39Bにより第1印刷媒体が保持される。第2搬送路H2での搬送方向における反転搬送ローラ39Aと反転搬送ローラ39Bとの間の距離は、A5サイズの第1印刷媒体を保持することが可能な距離である。
【0066】
また、第2搬送路H2は、
図1に示すように、第1搬送路H1とは異なる搬送路であって、第1搬送路H1の下方に設置されている。また、第2搬送路H2は、合流箇所G1及び合流箇所G3で第1搬送路H1と連結されることにより、第1搬送路H1とともに、印刷媒体Sをループ状に搬送する搬送路を構成している。これにより、画像形成装置1では、印刷媒体Sに対して、排出ローラ38によるスイッチバックを行うこととも相まって、両面印刷を確実に施すことが可能となる。
【0067】
メインモータM0は、制御部Cからの動作指示に基づいて、上述したように、供給搬送路H0、第1搬送路H1、及び第2搬送路H2に各々設けられた搬送ローラを駆動する。また、メインモータM0は、制御部Cからの動作指示に基づいて、例えば、感光ドラム46、現像ローラ44R、転写部42の転写ローラ、または定着部45の加圧ローラ45PRを駆動する。換言すれば、メインモータM0には、その回転力を伝達するギヤなどの伝達機構が接続されており、メインモータM0は、例えば、搬送ローラ及び画像形成部4に含まれた感光ドラム46などの動力源として機能するようになっている。メインモータM0は、例えば、ブラシレスDCモータである。
【0068】
制御部Cは、例えば、CPU、RAM、ROM、及び入出力回路を備えている。制御部Cは、ROMに記憶されたプログラムやデータなどに基づいて演算処理を行うことによって、画像形成制御を実行する。また、制御部Cは、例えば、トレイセンサK1、前レジセンサK2、後レジセンサK3、排紙センサK4、センサK5~K7から取得した情報に応じて、画像形成制御以外の制御処理も適宜実行する。
【0069】
〔画像形成装置1の動作例〕
以下、
図2~
図6を参照して、本実施形態の画像形成装置1の動作例について具体的に説明する。
図2は、画像形成装置1の動作例を示すフローチャートであって、初期化処理時の制御部Cによる制御の流れを示すフローチャートである。
図3及び
図4は、画像形成装置の動作例を示すフローチャートであって、印刷ジョブ受信時の制御部による制御の流れを示すフローチャートである。
図5は、
図3に示す第1印刷媒体画像形成処理(S112)における制御部Cによる制御の流れを示すフローチャートである。
図6は、
図3に示す画像形成処理(S119)における制御部Cによる制御の流れを示すフローチャートである。
【0070】
図2を参照して、初期化処理時における制御部Cによる制御の流れについて説明する。
図2に示すように、先ず、制御部Cは、画像形成装置1の電源がオンされると、画像形成装置1の初期化処理を行う(S100)。ステップS100において、制御部Cの制御に基づいて、メインモータM0を駆動させることにより搬送ローラの動作確認、画像形成部の動作確認、その他画像形成装置1に関する動作の確認が行われる。
【0071】
次に、制御装置Cは、後レジセンサK3がONとなったか否かを判定する(S101)。第2搬送路H2にて保持されている第1印刷媒体は、ステップS100におけるメインモータM0の駆動により、第2搬送路H2から第1搬送路H1へ搬送される。後レジセンサK3は、ステップS100の処理により第1搬送路H1に搬送された第1印刷媒体の前端を検知する。なお、ステップS101において、前レジセンサK2の検知結果に基づいて第1印刷媒体の通過の判定を行ってもよいし、前レジセンサK2の検知結果と後レジセンサK3の検知結果を組み合わせて第1印刷媒体の通過の判定を行ってもよい。
【0072】
後レジセンサK3がONとならなかった場合(S101:NO)、制御部Cは後述するステップS105を実行する。後レジセンサK3がONとなった場合(S101:YES)、制御部Cは、定着部45のヒータ45Hを制御し、定着部45の加熱ローラ45HRの温度を温度αにする(S102)。ここで、温度αは、後述する画像形成処理における加熱ローラ45HRの温度である温度βよりも低い温度である。制御部Cは、ヒータ45Hへの供給電流を少なくすることにより、又はヒータ45Hを停止することにより、加熱ローラ45HRの温度を温度αにする。温度αは、一例として摂氏130度の目標温度である。温度βは、一例として摂氏180度の目標温度である。
【0073】
次に、制御部Cは、第1印刷媒体の排紙が完了したか否かを判定する(S103)。第1印刷媒体の排紙が完了した場合(S103:YES)、制御部Cは第1印刷媒体が定着部45を通過した回数Nを0(ゼロ)とする(S104)。ここで、本願において、第1印刷媒体が定着部45を通過した回数Nには、切断機構100により切断される前の印刷媒体Sが定着部45を通過した回数を含むものとする。即ち、切断前の印刷媒体Sの第1印刷媒体に対応する部分が、定着部45を通過していることを考慮している。なお、以下の説明において、第1印刷媒体が定着部45を通過した回数Nを単に「回数N」と称することがある。また、本実施形態において、第1印刷媒体が排紙センサK4を通過した回数を回数Nとしている。排紙センサK4を通過した回数は、定着部45を通過した回数Nの一例である。
【0074】
次に、制御部Cは、初期化処理が終了したか否かを判定する(S105)。初期化処理が終了していない場合(S105:NO)、制御部CはステップS101を実行する。初期化処理が終了した場合(S105:YES)、制御部Cは処理を終了する。
【0075】
図3~
図6を参照して、印刷ジョブ受信時における制御部Cによる制御の流れについて説明する。
図3に示すように、先ず、制御部Cは、印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブの印刷データにより指定された印刷媒体のサイズが給送トレイ31に収容された印刷媒体Sのサイズ以上であるか否かを判定する(S110)。
【0076】
印刷データにより指定された印刷媒体のサイズが給送トレイ31に収容された印刷媒体Sのサイズ以上である場合(S110:YES)、制御部Cは後述するステップS119を実行する。印刷データにより指定された印刷媒体のサイズが給送トレイ31に収容された印刷媒体Sのサイズ以上ではない場合(S110:NO)、制御部Cは第2搬送路H2に第1印刷媒体が保持されているか判定する(S111)。第2搬送路H2に第1印刷媒体が保持されていない場合(S111:NO)、制御部Cは後述するステップS119を実行する。第2搬送路H2に第1印刷媒体が保持されている場合(S111:YES)、制御部Cは第1印刷媒体画像形成処理(S112)を実行する。
【0077】
図5を参照して、第1印刷媒体画像形成処理(S112)について説明する。第1印刷媒体画像形成処理(S112)において、先ず制御部Cは、第1印刷媒体のサイズが適切であるか否かを判定する(S140)。ステップS140において、制御部Cは、印刷ジョブの印刷データが第1印刷媒体に対して印刷可能なデータであるかを判定する。また、ステップS140において、制御部Cは、制御部Cの記憶領域に記憶された印刷媒体Sのサイズに基づいて、第1印刷媒体のサイズが適切であるか否かを判定する。なお、制御部Cの記憶領域に記憶される印刷媒体Sのサイズは、前レジセンサK2及び後レジセンサK3の検知結果に基づき検知された印刷媒体Sのサイズであってもよいし、給送トレイ31と対応付けられたデフォルト値のサイズであってもよい。
【0078】
第1印刷媒体のサイズが適切ではない場合(S140:NO)、制御部Cは第1印刷媒体に画像を形成することなく第1印刷媒体画像形成処理(S112)を終了する。第1印刷媒体のサイズが適切である場合(S140:YES)、制御部Cは印刷ジョブにより指定された印刷が両面印刷であるか否かを判定する(S141)。
【0079】
両面印刷ではない場合(S141:NO)、制御部Cは第1印刷媒体が定着部45を通過した回数Nに+2する(S142)。両面印刷である場合(S141:YES)、制御部Cは第1印刷媒体が定着部45を通過した回数Nに+3する(S143)。ステップS142及びステップS143において、回数Nに対して制御部Cにより追加される数値は、第1印刷媒体に対して画像形成処理が行われる際に、定着部45を通過すると考えられる推測値である。第1印刷媒体の搬送については後述するが、片面印刷の場合、第1印刷媒体は定着部45を2回通過することになる。また、両面印刷の場合、第1印刷媒体は定着部45を3回通過することになる。
【0080】
なお、ステップS142及びステップS143において、定着部45の加熱ローラ45HRの温度が温度βのとき、第1印刷媒体が定着部45を通過すると考えられる推測値を追加してもよい。この場合、制御部Cは、ステップS142において回数Nに+1し、及びステップS143において回数Nに+2する。このとき、後述するステップS143における閾値γはγ=3である。
【0081】
ステップS142及びステップS143の後、制御部Cは、第1印刷媒体が定着部45を通過した回数Nが閾値γよりも大きいか否かを判定する(S144)。ステップS144は、第1印刷媒体が定着部45を通過した回数を表す情報に基づいて、第1印刷媒体に対して後述する再反転処理を実行するか否かを判定する処理である。ステップS144は、本願の判定処理に相当する。閾値γは、一例としてγ=4である。回数Nが閾値γよりも大きい場合(S144:YES)、制御部Cは第1印刷媒体に画像を形成することなく第1印刷媒体画像形成処理(S112)を終了する。即ち、この場合、制御部Cは後述する再反転処理を実行することがない。回数Nが閾値γよりも大きくない場合(S144:NO)、制御部Cは定着部45の加熱ローラ45HRの温度を温度αにする(S145)。
【0082】
次に、制御部Cは、第1印刷媒体を第1搬送路H1に搬送する(S146)。ステップS146において、制御部Cは、メインモータM0を制御することにより搬送ローラを動作させ、供給搬送路H0を経由して第1印刷媒体を第1搬送路H1に搬送する。ステップS146の後、制御部Cは第1印刷媒体が排紙センサK4を通過したか否かを判定する(S147)。
【0083】
第1印刷媒体が排紙センサK4を通過していない場合(S147:NO)、制御部CはステップS147を繰り返し実行する。第1印刷媒体が排紙センサK4を通過した場合(S147:YES)、制御部Cは第1印刷媒体を第2搬送路H2に搬送する(S148)。ステップS148において、制御部CはメインモータM0を制御し、排出ローラ38及び上流搬送ローラ40Aにより第1印刷媒体を第1搬送路H1からスイッチバックして第2搬送路H2に搬送する。
【0084】
次に、制御部Cは、定着部45の加熱ローラ45HRの温度を温度βにする(S149)。ステップS149の後、制御部Cは、メインモータM0を制御して、第2搬送路H2に搬送された第1印刷媒体を第1搬送路H1に搬送する(S150)。ステップS145~S150における処理は、本願の再反転処理に相当する。なお、ステップS149については、再反転処理から省略する構成としてもよい。この場合、制御部Cは、ステップS150の後に、ステップ149を実行する。
【0085】
ステップS150の後、制御部Cは、画像形成部4を制御して、第1印刷媒体のおもて面に画像を形成する(S151)。なお、第1印刷媒体のおもて面は、印刷媒体Sのおもて面と対応する。また、第1印刷媒体のうら面は、印刷媒体Sのうら面と対応する。次に、制御部Cは、印刷ジョブにより指定された印刷が両面印刷であるか否かを判定する(S152)。
【0086】
両面印刷ではない場合(S152:NO)、制御部Cは第1印刷媒体を排出トレイTRに排出する(S153)。ステップS153の後、制御部Cは第1印刷媒体が定着部45を通過した回数Nを0(ゼロ)とする(S154)。ステップS154の後、制御部Cは第1印刷媒体画像形成処理(S112)を終了する。
【0087】
両面印刷である場合(S152:YES)、制御部CはステップS155を実行する。ステップS155は、ステップS147と同様のステップである。ステップS155にてNOの場合、制御部CはステップS155を繰り返し実行する。ステップS155にてYESの場合、制御部CはステップS156及びS157を順次実行する。ステップS156はステップS148と同様の処理であり、ステップS157はステップS150と同様の処理である。ステップS157の後、制御部Cは、画像形成部4を制御して、第1印刷媒体のうら面に画像を形成する(S158)。ステップS158の後、制御部Cは、ステップS153を実行する。
【0088】
図3に戻り、次に制御部Cは、次に印刷するページがあるか否かを判定する(S113)。次に印刷するページがない場合(S113:NO)、制御部Cは印刷ジョブ受信時の処理を終了する。次に印刷するページがある場合(S113:YES)、制御部Cは印刷ジョブにて指定された印刷が両面印刷であるか否かを判定する(S114)。両面印刷ではない場合(S114:NO)、制御部Cは後述するステップS119を実行する。両面印刷である場合(S114:YES)、制御部Cは第2搬送路H2にて第1印刷媒体が保持されているか否かを判定する(S115)。
【0089】
第2搬送路H2にて第1印刷媒体が保持されていない場合(S115:NO)、制御部Cは後述するステップS119を実行する。第2搬送路H2にて第1印刷媒体が保持されている場合(S115:YES)、制御部Cは定着部45の加熱ローラ45HRの温度を温度αにする(S116)。ステップS115においてYESとなる場合は、(i)印刷ジョブに含まれる印刷データが第1印刷媒体のサイズに適していなかった場合、(ii)ステップS144により回数Nが閾値γを超えている場合である。ステップS116の後、制御部Cは、第2搬送路H2に保持された第1印刷媒体を排出トレイTRに排出する(S117)。ステップS117において、制御部Cは、画像形成部4にて、第2搬送路H2に保持された第1印刷媒体に対して画像を形成することなく、第1印刷媒体を排出トレイTRに排出する。ステップS115~S117は、本願の第2排出処理に相当する。ステップS117の後、制御部Cは、第1印刷媒体が定着部45を通過した回数Nを0(ゼロ)とする(S118)。
【0090】
次に、制御部Cは、画像形成処理(S119)を実行する。
図6を参照して、画像形成処理(S119)について説明する。
図6に示すように、画像形成処理(S119)において、先ず、制御部Cは定着部45の加熱ローラの温度を温度βにする(S160)。次に、制御部Cは、メインモータM0を制御し、給送トレイ31に収容されている印刷媒体Sを、供給搬送路H0を経由して第1搬送路H1に搬送する(S161)。ステップS161の後、制御部Cは、画像形成部4を制御して、印刷媒体Sのおもて面に画像を形成する(S162)。ステップS162は、本願の第1画像形成処理に相当する。なお、印刷媒体Sのおもて面は、印刷媒体Sの一方の面の一例である。また、印刷媒体Sのうら面は、印刷媒体Sの他方の面の一例である。
【0091】
次に、制御部Cは、印刷ジョブにより指定された印刷が両面印刷であるか否かを判定する(S163)。両面印刷ではない場合(S163:NO)、制御部Cは画像形成処理(S119)を終了する。両面印刷である場合(S163:YES)、制御部Cは、第1搬送路H1において、印刷媒体Sを搬送する(S164)。
【0092】
次に、制御部Cは、印刷媒体Sが排紙センサK4を通過したか否かを判定する(S165)。印刷媒体Sが排紙センサK4を通過したしていない場合(S165:NO)、制御部Cは、ステップS164を実行する。印刷媒体Sが排紙センサK4を通過した場合(S165:YES)、制御部Cは、制御部Cは、メインモータM0を制御し、印刷媒体Sをスイッチバックさせて第2搬送路H2に搬送する(S166)。
【0093】
次に、制御部Cは、メインモータM0を制御し、印刷媒体Sを第1搬送路H1に搬送する(S167)。続いて、制御部Cは、画像形成部4を制御し、印刷媒体Sのうら面に画像を形成する(S168)。ステップS168は、本願の第2画像形成処理に相当する。制御部Cは、ステップS168の後、画像形成処理(S119)を終了する。
【0094】
図3に戻り、ステップS119の後、制御部Cは、印刷ジョブに切断指示が有るか否かを判定する(S120)。切断指示がない場合(S120:NO)、制御部Cは、印刷媒体Sを排出トレイTRに排出する(S122)。切断指示が有る場合(S120:YES)、制御部Cは、切断機構100を制御して、印刷媒体Sを第1印刷媒体と第2印刷媒体とに切断する切断処理を実行する(S121)。
【0095】
図4に示すように、ステップS121の後、制御部Cは、第2印刷媒体を排出トレイTRに排出する(S123)。ステップS123は、本願の第1排出処理に相当する。次に、制御部Cは、第1印刷媒体に画像が形成されているか否かを判定する(S124)。第1印刷媒体に画像が形成されている場合(S124:YES)、制御部Cは、排出トレイTRに第1印刷媒体を排出する。第1印刷媒体に画像が形成されていない場合(S124:NO)、制御部Cは第1印刷媒体のサイズが第2搬送路H2にて保持可能であるか否かを判定する(S125)。
【0096】
第1印刷媒体のサイズが第2搬送路H2にて保持可能ではない場合(S125:NO)、制御部CはステップS126を実行する。第1印刷媒体のサイズが第2搬送路H2にて保持可能である場合(S125:YES)、制御部Cは印刷ジョブにて第1印刷媒体を保持する設定がされているか否かを判定する(S127)。第1印刷媒体を保持する設定がされていない場合(S127:NO)、制御部CはステップS126を実行する。第1印刷媒体を保持する設定がされている場合(S127:YES)、制御部CはメインモータM0を制御して第1印刷媒体を第2搬送路H2に搬送する(S128)。続いて、制御部Cは、第2搬送路H2にて、第1印刷媒体を保持する(S129)。ステップS124~S129は、本願の保持処理に相当する。なお、ステップS124及びS125は、保持処理から省略する構成としてもよい。
【0097】
次に制御部Cは、第2印刷媒体の両面に画像が形成されたか否かを判定する(S130)。第2印刷媒体の両面に画像が形成されていない場合(S130:NO)、制御部Cは、第1印刷媒体が定着部45を通過した回数Nに+1する(S131)。第2印刷媒体の両面に画像が形成された場合(S130:YES)、制御部Cは、第1印刷媒体が定着部45を通過した回数Nに+2する(S132)。ステップS131及びステップS132における回数Nは、切断前の印刷媒体Sの第1印刷媒体に対応する部分が定着部45を実際に通過した回数である。ステップS131及びステップS132の後、制御部Cは印刷ジョブ受信時の処理を終了する。
【0098】
〔本実施形態の作用効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、制御部Cは、保持処理を実行した後、再反転処理を実行する。上記構成によれば、第2搬送路H2にて保持されていた第1印刷媒体を、一度第1搬送路H1に搬送し、その後、第2搬送路H2を経由して再度第1搬送路H1に搬送する。再度第1搬送路H1に搬送された第1印刷媒体は、おもて面が画像形成部4の転写部42と対向するように第1印刷媒体を搬送することができる。これにより、従来の画像形成装置よりも利便性を向上させた画像形成装置を提供することができる。
【0099】
また、制御部Cは、保持処理にて、第1画像形成処理により画像が形成されていない第1印刷媒体を第2搬送路H2にて保持させる。上記構成によれば、保持処理にて保持される第1印刷媒体には画像が形成されない。そのため、再反転処理を行った後、第1画像形成処理を行ったとしても、第1印刷媒体のおもて面に画像が二重に形成されることがない。これにより、第1印刷媒体のおもて面に形成される画像の質が低下する恐れを軽減することができる。
【0100】
上記構成によれば、保持処理を行う前に、第2印刷媒体が排出トレイTRに排出される。そのため、第2搬送路において第1印刷媒体のみ保持することができる。即ち、第2搬送路において、第1印刷媒体と第2印刷媒体とが衝突する恐れを低くすることができる。これにより、第2搬送路において、ジャムを起こしてしまう可能性を低くすることができる。
【0101】
また、制御部Cは、保持処理の後、且つ、第2画像形成処理の前に、第2排出処理を実行する。上記構成によれば、給送トレイ31から取り出された印刷媒体Sの表裏に対して画像が形成される場合、第2搬送路にて保持されている第1印刷媒体を先に排出トレイTRに排出する。そのため、給送トレイ31から取り出された印刷媒体Sが第2搬送路H2に搬送されたとしても、印刷媒体Sが第1印刷媒体と衝突することがない。これにより、第2搬送路H2において、ジャムを起こしてしまう可能性を低くすることができる。また、給送トレイ31から取り出された印刷媒体Sのうら面に対して形成されるべき画像を、第1印刷媒体に形成してしまうことがない。これにより、印刷媒体Sに形成される画像の質の低下を軽減することができる。
【0102】
また、制御部Cは、判定処理を実行する。上記構成によれば、第1印刷媒体が定着部45を通過する回数に基づいて、第1印刷媒体に対して再反転処理を実行するか否かが判定される。そのため、定着部45の熱による第1印刷媒体への影響を考慮して、第1画像形成処理を実行することができる。これにより、第1印刷媒体に形成される画像の質の低下を軽減することができる。
【0103】
また、制御部Cは、判定処理において、回数Nが閾値γ以下であると判定した場合、再反転処理を実行する。上記構成によれば、定着部45の熱による影響が少ないと判定された第1印刷媒体に対してのみ再反転処理が実行される。即ち、定着部45の熱による影響の少ない第1印刷媒体に対して、第1画像形成処理が実行される。これにより、第1印刷媒体に形成される画像の質の低下を軽減することができる。
【0104】
また、制御部Cは、判定処理において、回数Nが閾値γを超えていると判定した場合、再反転処理を実行しない。上記構成によれば、定着部45の熱による影響が大きいと判定された第1印刷媒体に対しては再反転処理が実行されない。即ち、定着部45の熱による影響の大きい第1印刷媒体に対して、第1画像形成処理が実行されない。これにより、第1印刷媒体に形成される画像の質の低下を軽減することができる。
【0105】
また、制御部Cは、判定処理において、回数Nが閾値γを超えていると判定した場合、第2排出処理を実行する。上記構成によれば、定着部45の熱による影響が大きいと判定された第1印刷媒体に対しては、第2排出処理が実行される。そのため、熱による影響の高い第1印刷媒体に対して画像形成処理を実行することなく、第1印刷媒体を排出トレイTRに排出することができる。
【0106】
また、制御部Cは、再反転処理における、定着部45の加熱ローラ45HRの温度を温度αにする。上記構成によれば、再反転処理において、第1印刷媒体が定着部45を通過することによる第1印刷媒体の熱影響を少なくすることができる。これにより、第1印刷媒体に形成される画像の質の低下を軽減することができる。
【0107】
また、制御部Cは、第2排出処理における、定着部45の加熱ローラ45HRの温度を温度αにする。上記構成によれば、第2排出処理において、画像が形成されない第1印刷媒体が定着部45を通過する際、加熱ローラ45HRに熱が加えられることがない。これにより、定着部45における電力消費を軽減することができる。
【0108】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0109】
1 画像形成装置
3 給送部
4 画像形成部
10 本体筐体
34 分離ローラ
35 給送ローラ
36 レジローラ
37 中間排出ローラ
38 排出ローラ
39A 反転搬送ローラ
39B 反転搬送ローラ
40A 上流搬送ローラ
40B 下流搬送ローラ
42 転写部
44R 現像ローラ
45 定着部
45HR 加熱ローラ
46 感光ドラム
100 切断機構
H1 第1搬送路
H2 第2搬送路