(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033992
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】緩衝材
(51)【国際特許分類】
B65D 81/05 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
B65D81/05 500A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137960
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】門田 光史
(72)【発明者】
【氏名】服部 賢二
(72)【発明者】
【氏名】村方 将人
(72)【発明者】
【氏名】松田 洋平
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 祐輔
【テーマコード(参考)】
3E066
【Fターム(参考)】
3E066AA77
3E066BA06
3E066CA04
3E066FA03
3E066HA01
3E066JA03
3E066NA01
(57)【要約】
【課題】内容物を支持する部位の形状を保つことができ、内容物の保護性能を高めることができる緩衝材を提供する。
【解決手段】緩衝材1であって、底板10の縁部に連設された前後の端壁20,20および左右の側壁30,30を有している。側壁30は、底板10の縁部に連設された外側壁31と、外側壁31の上縁部に連設され、外側壁31の内面側に折り返された内側壁32と、を備えている。内側壁32の下部には、内容物Pを支持するための傾斜支持部50が形成されている。傾斜支持部50は、下方に向かうに連れて外側壁31から離れるように傾斜している。傾斜支持部50には、底板10に重ねられた第二フラップ34が連設され、第二フラップ34の端部34aは端壁20の窪み部26に差し込まれている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体内に収容される緩衝材であって、
底板と、
前記底板の前後の縁部に立ち上げられた前後の端壁と、
前記底板の左右の縁部に立ち上げられた左右の側壁と、を有し、
前記側壁は、
前記底板の縁部に連設された外側壁と、
前記外側壁の上縁部に連設され、前記外側壁の内面側に折り返された内側壁と、を備えており、
前記内側壁の下部には、内容物の下面を支持するための傾斜支持部が形成され、
前記傾斜支持部は、下方に向かうに連れて前記外側壁から離れるように傾斜しており、
前記傾斜支持部の下縁部には、前記底板の上面に重ねられたフラップが連設され、
前記フラップの前後方向の端部が、前記端壁の下縁部に形成された窪み部に差し込まれていることを特徴とする緩衝材。
【請求項2】
請求項1に記載の緩衝材であって、
前記端壁は、
前記底板の縁部に連設された外端壁と、
前記外端壁の上縁部に連設され、前記外端壁の内面側に折り返された内端壁と、を備えており、
前記内端壁の下縁部に前記窪み部が形成されていることを特徴とする緩衝材。
【請求項3】
請求項2記載の緩衝材であって、
前記外端壁の上縁部と前記内端壁の上縁部との間には中間板が形成され、
前記中間板には開口部が形成されるとともに、
前記開口部の開口縁部にリブ板が連設されており、
前記リブ板は、前記中間板に対して下方に向けて折り曲げられ、前記外端壁と前記内端壁との間に挟み込まれていることを特徴とする緩衝材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緩衝材に関する。
【背景技術】
【0002】
箱体内に収容するノートパソコンなどの電子機器を衝撃から保護するための段ボール製の緩衝材としては、中敷板の縁部から下方に向けて脚板が延びており、中敷板の上面に電子機器を保持させるように構成されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
前記した緩衝材を箱体内に収容すると、脚板によって中敷板は箱体の底面から離れた状態となり、電子機器と箱体の底面との間に空間が形成されるため、箱体に作用する衝撃から電子機器を保護できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来の緩衝材では、脚板が倒れ易いため、形状を保ち難いという問題がある。
そこで、本発明は、前記した問題を解決し、内容物を支持する部位の形状を保つことができ、内容物の保護性能を高めることができる緩衝材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は、箱体内に収容される緩衝材であって、底板と、前記底板の前後の縁部に立ち上げられた前後の端壁と、前記底板の左右の縁部に立ち上げられた左右の側壁と、を有している。前記側壁は、前記底板の縁部に連設された外側壁と、前記外側壁の上縁部に連設され、前記外側壁の内面側に折り返された内側壁と、を備えている。前記内側壁の下部には、内容物の下面を支持するための傾斜支持部が形成されている。前記傾斜支持部は、下方に向かうに連れて前記外側壁から離れるように傾斜している。前記傾斜支持部の下縁部には、前記底板の上面に重ねられたフラップが連設されている。前記フラップの前後方向の端部は、前記端壁の下縁部に形成された窪み部に差し込まれている。
【0006】
本発明の緩衝材では、傾斜支持部に連設されたフラップの端部が、端壁の窪み部に差し込まれることで、傾斜支持部の下縁部が固定されるため、傾斜支持部を傾斜した状態に保つことができる。
そして、本発明の緩衝材では、上部空間に収容した内容物を、側壁から張り出した傾斜支持部によって、底板から離れた状態で支持できるため、内容物と底板との間に空間が形成される。
このように、本発明の緩衝材では、内容物と底板との間に空間を形成することができるとともに、内容物を支持する傾斜支持部の形状を保つことができるため、箱体に作用する衝撃に対する内容物の保護性能を高めることができる。
【0007】
前記した緩衝材の前記端壁が、前記底板の縁部に連設された外端壁と、前記外端壁の上縁部に連設され、前記外端壁の内面側に折り返された内端壁と、を備えている場合には、前記内端壁の下縁部に前記窪み部を形成する。このようにすると、窪み部にフラップの端部を差し込んだときに、フラップの端部が端壁の外面に露出するのを防ぐことができる。
【0008】
前記した緩衝材において、前記外端壁の上縁部と前記内端壁の上縁部との間に中間板が形成されている場合には、前記中間板に開口部を形成するとともに、前記開口部の開口縁部にリブ板を連設する。そして、前記リブ板を前記中間板に対して下方に向けて折り曲げ、前記外端壁と前記内端壁との間に挟み込む。このようにすると、端壁の強度を高めることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の緩衝材では、内容物を底板から離した状態で箱体内に収容することができ、内容物を支持する傾斜支持部の形状を保つことができるため、箱体に作用する衝撃から内容物を確実に保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る緩衝材を後方右上から見た斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る緩衝材のブランクシートを示した図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る緩衝材を示した
図1のIII-III断面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る緩衝材の使用形態を示した斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る緩衝材を組み立てる手順を示した図で、内側壁を底板に対して立ち上げた状態を示した斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る緩衝材を組み立てる手順を示した図で、端壁を組み立てた状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、上下前後左右方向とは、本実施形態の緩衝材を説明する上で便宜上設定したものであり、緩衝材の構成や使用状態を限定するものではない。
【0012】
本実施形態の緩衝材1は、
図1に示すように、底板10と、底板10の前後の縁部に立ち上げられた前後の端壁20,20と、底板10の左右の縁部に立ち上げられた左右の側壁30,30と、を備えている。
本実施形態の緩衝材1は、
図3に示すように、箱体3内に収容するノートパソコンやモニターなどの電子機器である内容物Pを保護するものである。本実施形態の緩衝材1は、
図4に示すように、上面に収納トレイ2を重ねた状態で箱体3内に収容される。
【0013】
緩衝材1は、
図2に示すように、段ボール製のシートを切り抜いたブランクシートSを各折れ線において山折りまたは谷折りすることで形成される。
図2に示すブランクシートSは内面側が見えるように配置されている。
ブランクシートSの折れ線は、ブランクシートSの表面を線状に押し込んで形成された罫線(押罫)である。なお、罫線に断続的な切れ込みを形成してもよい。このようにすると、罫線においてブランクシートSを折り曲げ易くなる。
また、シートの表面のみを切断したハーフカットの切れ込みやシートを貫通した切れ込みを断続して線状に形成することで折れ線を構成してもよい。
【0014】
底板10は、
図5に示すように、四角形の平板である。底板10は、緩衝材1を箱体3(
図4参照)内に収容したときに、箱体3の底面(
図4において下側に示されている面)に重ね合わされる部位であり、箱体3の底面と同じ形状および大きさに形成されている。
底板10の前部および後部において、左右方向の中央部には、前後の第一係合穴11,11(
図2参照)が貫通している。また、底板10の左部および右部において、前後方向の中央部には、左右の第二係合穴12,12(
図2参照)が貫通している。
【0015】
前側の端壁20は、
図6に示すように、底板10の前縁部に連設された外端壁21と、外端壁21の内側に配置された内端壁22と、外端壁21の上縁部と内端壁22の上縁部との間に形成された第一中間板23と、を備えている。また、内端壁22の下縁部には、第一フラップ24が連設されている。
【0016】
外端壁21は、折れ線を介して底板10の前縁部に連設されている。外端壁21は四角形に形成されている(
図2参照)。外端壁21は、底板10に対して垂直に立ち上げられている。
外端壁21の上縁部には、折れ線を介して第一中間板23が連設され、さらに、第一中間板23には、折れ線を介して内端壁22が連設されている。内端壁22は、四角形に形成されている。
【0017】
内端壁22は、外端壁21の内面側に折り返されており、底板10に対して垂直に配置されている。内端壁22と外端壁21とは間隔を空けて配置されており、端壁20は中空な二重壁に形成されている。
内端壁22の下縁部は、底板10の上面に当接している。内端壁22の下縁部から突出した第一係合部25が、底板10の第一係合穴11に差し込まれることで、内端壁22の下縁部が底板10に固定されている。
【0018】
また、内端壁22の下縁部には、左右の窪み部26,26が形成されている。両窪み部26,26は、内端壁22の左右方向の中央部を挟んで間隔を空けて配置されている。窪み部26は、内端壁22の下縁部を窪ませた部位であり、略四角形に形成されている。
【0019】
内端壁22の下縁部において、第一係合部25および両窪み部26,26以外の部位には、折れ線を介して第一フラップ24が連設されている。第一フラップ24は、左右方向に延びている帯状の部位である。第一フラップ24は、内端壁22に対して内側に折り曲げられており、底板10の上面に重ねられている。
【0020】
第一中間板23は、外端壁21の上縁部と内端壁22の上縁部との間に形成されている。第一中間板23は、左右方向に延びている帯状の部位である。
第一中間板23には、左右の開口部27,27が開口している。両開口部27,27は、第一中間板23の左右方向の中央部を挟んで間隔を空けて配置されている。開口部27の前後方向の長さは、第一中間板23の前後方向の長さと同じ大きさに形成されている。
【0021】
開口部27の開口縁部において、第一中間板23の中央側の縁部には、折れ線を介してリブ板28が連設されている。リブ板28は、第一中間板23に対して下方に向けて折り曲げられており、外端壁21と内端壁22との間に挟み込まれている。
【0022】
後側の端壁20は、前側の端壁20に対して前後対称に形成されている。後側の端壁20は、底板10の後縁部に連設された外端壁21と、外端壁21の内側に折り返された内端壁22と、を備え、内端壁22の下縁部に左右の窪み部26,26が形成されている。
【0023】
左側の側壁30は、
図1に示すように、底板10の左縁部に連設された外側壁31と、外側壁31の内側(右側)に配置された内側壁32と、外側壁31の上縁部と内側壁32の上縁部との間に形成された第二中間板33と、を備えている。また、内側壁32の下縁部には第二フラップ34が連設されている。
【0024】
外側壁31は、
図5に示すように、折れ線を介して底板10の左縁部に連設されている。外側壁31は四角形に形成されている。外側壁31は、底板10に対して垂直に立ち上げられている。
外側壁31の前後の縁部には、折れ線を介して内フラップ35,35がそれぞれ連設されている。また、内フラップ35の上縁部には、折れ線を介して上フラップ36が連設されている。
図6に示すように、内フラップ35は、外側壁31に対して折り曲げられており、端壁20の外端壁21の内面に重ねられている。また、上フラップ36は、内フラップ35に対して折り曲げられており、端壁20の第一中間板23の下面に重ねられている。
このように、側壁30の外側壁31に連設された内フラップ35および上フラップ36が、端壁20の外端壁21と内端壁22との間に配置されることで、端壁20と側壁30とが連結されている。
【0025】
図1に示すように、外側壁31の上縁部の前後の端部には、上方に向けて突出した突出部37,37が形成されている。
外側壁31の上縁部において、両突出部37,37の間には、折れ線を介して第二中間板33が連設され、さらに、第二中間板33には折れ線を介して内側壁32が連設されている。内側壁32は、四角形に形成されている。内側壁32の前後方向の長さは、前後の内端壁22,22の間隔よりも僅かに小さく形成されている。
【0026】
内側壁32は、外側壁31の内面側に折り返されている。内側壁32は、前後二つの内端壁22,22の間に入り込んでいる。内側壁32と外側壁31とは間隔を空けて配置されている。つまり、側壁30は中空な二重壁に形成されている。
【0027】
第二中間板33は、外側壁31の上縁部と内側壁32の上縁部との間に形成されている。第二中間板33は、前後方向に延びている帯状の部位である。
側壁30の第二中間板33の前後方向の長さは、内側壁32の前後方向の長さよりも大きく形成されている。そして、第二中間板33の前後の端部は、前後の端壁20,20の第一中間板23,23の上面にそれぞれ重ねられている。
【0028】
内側壁32の上部全体および下部の中央部は、底板10の上面に対して垂直に配置されている。内側壁32の下縁部は、底板10の上面に当接している。内側壁32の下縁部から突出した第二係合部38が、底板10の第二係合穴12に差し込まれることで、内側壁32の下縁部が底板10に固定されている。
【0029】
内側壁32の下部の前部および後部には、前後の傾斜支持部50,50がそれぞれ形成されている。
両傾斜支持部50,50の上縁部は、折れ線を介して内側壁32の上部に連設されている。傾斜支持部50は、内側壁32の上部に対して折り曲げられており、下方に向かうに連れて外側壁31から離れるように傾斜している。傾斜支持部50の下縁部は、底板10の上面に当接している。
傾斜支持部50は、
図3に示すように、内側壁32から内部空間に張り出しており、緩衝材1の上部空間に収容された内容物Pの下面を支持するための部位である。
【0030】
前後の傾斜支持部50,50の下縁部には、
図1に示すように、折れ線を介して第二フラップ34が連設されている。第二フラップ34は、前後方向に延びている帯状の部位である。第二フラップ34は、傾斜支持部50に対して内側に折り曲げられており、底板10の底面に重ねられている。
【0031】
第二フラップ34の前後方向の長さは、内側壁32の前後方向の長さよりも大きく形成されている。そして、第二フラップ34の前後の端部34a,34aは、前後の内端壁22,22の下縁部に形成された窪み部26,26にそれぞれ差し込まれている。
第二フラップ34の中間部34bと端部34aとの間には、左右方向に延びている折れ線L1が形成されている(
図2参照)。
【0032】
右側の側壁30は、左側の側壁30に対して左右対称に形成されている。右側の側壁30は、底板10の右縁部に連設された外側壁31と、外側壁31の内側に配置された内側壁32と、を備え、内側壁32に前後の傾斜支持部50,50が形成されている。また、傾斜支持部50の下縁部には第二フラップ34が連設され、第二フラップ34の前後の端部34a,34aが、前後の内端壁22,22の窪み部26,26にそれぞれ差し込まれている。
【0033】
次に、本実施形態の緩衝材1の組み立て方法について説明する。
まず、
図2に示すブランクシートSの状態から、
図5に示すように、底板10に対して左右の外側壁31,31を立ち上げる。また、外側壁31に対して前後の内フラップ35,35を折り曲げるとともに、内フラップ35に対して上フラップ36を折り曲げる。
続いて、
図6に示すように、底板10に対して前後の外端壁21,21を立ち上げる。さらに、外端壁21に対して内端壁22を折り返し、内端壁22の第一係合部25を底板10の第一係合穴11に差し込んで、内端壁22の下縁部を底板10に固定する。
【0034】
その後、
図1に示すように、外側壁31に対して内側壁32を折り返し、内側壁32の第二係合部38を底板10の第二係合穴12に差し込んで、内側壁32の下縁部を底板10に固定する。
また、内側壁32の下縁部に連設された第二フラップ34の両端部34a,34aを、前後の内端壁22,22の窪み部26,26にそれぞれ差し込む。このとき、第二フラップ34の中間部34bに対して端部34aを折れ線L1において折り曲げることで、端部34aを窪み部26に容易に差し込むことができる。
【0035】
これにより、
図3に示すように、第二フラップ34は、内側壁32よりも内側で底板10の上面に重なり、底板10に対して固定される。
第二フラップ34を底板10上に位置決めすると、両傾斜支持部50,50は、下方に向かうに連れて外側壁31から離れるように傾斜した状態となる。
このようにして、
図1に示す緩衝材1を組み立てることができる。
【0036】
以上のような緩衝材1では、
図3に示すように、上部空間に内容物Pを収容すると、内容物Pの下面が各傾斜支持部50によって支持される。本実施形態では、緩衝材1の上部空間に内容物Pが嵌め込まれるように構成されているため、内容物Pの下面の左右の縁部が、左右の傾斜支持部50,50の上縁部に支持される。
【0037】
このように、本実施形態の緩衝材1では、上部空間に内容物Pを、側壁30から張り出した各傾斜支持部50によって、底板10から離れた状態で支持できるため、内容物Pと底板10との間に空間が形成される。また、本実施形態の緩衝材1では、
図1に示すように、端壁20および側壁30が中空な二重壁である。
以上のような本実施形態の緩衝材1では、箱体3(
図4参照)に作用する衝撃に対する内容物Pの保護性能を高めることができる。
【0038】
本実施形態の緩衝材1では、
図1に示すように、傾斜支持部50に連設された第二フラップ34の端部34aが端壁20の窪み部26に差し込まれることで、傾斜支持部50の下縁部が固定されるため、傾斜支持部50を傾斜した状態に保つことができる。このように、本実施形態の緩衝材1では、傾斜支持部50の形状を保つことができる。
【0039】
また、本実施形態の緩衝材1の端壁20では、
図1に示すように、リブ板28を第一中間板23に対して下方に向けて折り曲げ、外端壁21と内端壁22との間に挟み込むことで、横方向からの圧力に対する端壁20の強度を高めることができる。
【0040】
なお、本実施形態では、
図3に示すように、緩衝材1の上側に収納トレイ2を重ねた状態で、緩衝材1および収納トレイ2を箱体3内に収容するように構成されている。本実施形態の緩衝材1に収納トレイ2を重ねたときには、両外側壁31,31の上縁部から突出した各突出部37によって、収納トレイ2の側面を押さえることができるため、緩衝材1に対して収納トレイ2がずれ難くなる。これにより、緩衝材1と収納トレイ2とを重ねた状態で箱体3内に挿入し易くなる。
【0041】
また、本実施形態の緩衝材1では、二重壁である端壁20の内端壁22の下縁部に窪み部26が形成されているため、窪み部26に第二フラップ34の端部34aを差し込んだときに、第二フラップ34の端部34aが端壁20の外面に突出しない。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
本実施形態の緩衝材1では、
図3に示すように、電子機器である内容物Pを収容可能であるが、本発明の緩衝材に収容可能な内容物の種類や数は限定されるものではない。
そして、傾斜支持部50の数や傾斜角度は限定されるものではなく、収容する内容物の形状に合わせて適宜に設定される。
【0043】
本実施形態の緩衝材1では、
図1に示すように、端壁20が外端壁21と内端壁22とによって二重壁に形成され、外端壁21と内端壁22との間にリブ板28が挟み込まれているが、リブ板28を設けなくてもよい。更には、端壁20を一枚の壁体に形成してもよい。
【0044】
本実施形態の緩衝材1は段ボール製であるが、各種公知の板紙によって緩衝材を形成してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 緩衝材
2 収納トレイ
3 箱体
10 底板
11 第一係合穴
12 第二係合穴
20 端壁
21 外端壁
22 内端壁
23 第一中間板
24 第一フラップ
25 第一係合部
26 窪み部
27 開口部
28 リブ板
30 側壁
31 外側壁
32 内側壁
33 第二中間板
34 第二フラップ
34a 端部
34b 中間部
35 内フラップ
36 上フラップ
37 突出部
38 第二係合部
50 傾斜支持部
L1 折れ線
P 内容物
S ブランクシート