(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033994
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】LED実装基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20240306BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20240306BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240306BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240306BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20240306BHJP
H05K 3/00 20060101ALN20240306BHJP
【FI】
G09F9/33
H01L33/62
G09F9/30 330
G09F9/30 348A
G09F9/00 338
H01L21/60 321Y
H05K3/00 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137963
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】浅田 圭介
(72)【発明者】
【氏名】山田 一幸
(72)【発明者】
【氏名】武政 健一
(72)【発明者】
【氏名】磯野 大樹
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA31
5C094AA43
5C094BA25
5C094DA15
5C094EA03
5C094FA01
5C094FB15
5F142AA41
5F142BA32
5F142CA11
5F142CA13
5F142CD02
5F142FA34
5F142GA01
5G435AA14
5G435AA19
5G435BB04
5G435HH18
5G435KK05
(57)【要約】
【課題】LEDの電極と実装基板の接続の品質を確認することができるLED実装基板を提供することを課題の一つとする。また、レーザの照射による加熱の温度管理ができるLED実装基板の製造方法を提供することを課題の一つとする。
【解決手段】LED実装基板は、基板上の絶縁表面に配置されLEDチップのアノード及びカソードと接続される第1電極パッド及び第2電極パッドと、絶縁表面に配置された第3電極パッド及び第4電極パッドと、第1絶縁層及び第2絶縁層を含む検査パターンと、を有し、検査パターンは、第1絶縁層が、第3電極パッドと接し、第4電極パッドから離隔して配置され、第2絶縁層が、第4電極パッドと接し、第3電極パッドから離隔して配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の絶縁表面に配置されLEDチップのアノード及びカソードと接続される第1電極パッド及び第2電極パッドと、
前記絶縁表面に配置された第3電極パッド及び第4電極パッドと、第1絶縁層及び第2絶縁層を含む検査パターンと、を有し、
前記検査パターンは、
前記第1絶縁層が、前記第3電極パッドと接し、前記第4電極パッドから離隔して配置され、
前記第2絶縁層が、前記第4電極パッドと接し、前記第3電極パッドから離隔して配置されている、
LED実装基板。
【請求項2】
前記第1絶縁層の融点と、前記第2絶縁層の融点とが異なっている、請求項1に記載のLED実装基板。
【請求項3】
前記第1絶縁層が、前記第3電極パッドの前記絶縁表面とは反対側の面に接して設けられ、前記第2絶縁層が、前記第4電極パッドの前記絶縁表面とは反対側の面に接して設けられている、請求項1に記載のLED実装基板。
【請求項4】
前記第1絶縁層が、前記絶縁表面と前記第3電極パッドとの間に設けられ、前記第2絶縁層が、前記絶縁表面と前記第4電極パッドとの間に設けられている、請求項1に記載のLED実装基板。
【請求項5】
前記第3電極パッドの面積と前記第1電極パッドの面積とが同じであり、
前記第4電極パッドの面積と前記第2電極パッドの面積とが同じである、
請求項1に記載のLED実装基板。
【請求項6】
前記第3電極パッドの形状と前記第1電極パッドの形状とが同じであり、
前記第4電極パッドの形状と前記第2電極パッドの形状とが同じである、
請求項1に記載のLED実装基板。
【請求項7】
前記第1電極パッド及び前記第2電極パッドの上に実装されたLEDチップを有し、
前記実装されたLEDチップのアノード及びカソードと、前記第1電極パッド及び第2電極パッドとの間に、それぞれ接合用導電体が設けられ、
前記接合用導電体の融点が、前記第1絶縁層の融点と前記第2絶縁層の融点との間にある、請求項2に記載のLED実装基板。
【請求項8】
前記基板は、前記第1電極パッド及び前記第2電極パッドが配置される第1領域と、前記検査パターンが配置される第2領域と、を含み、
前記第1領域と前記第2領域が分断可能とされている、請求項1に記載のLED実装基板。
【請求項9】
基板上の絶縁表面に、LEDチップのアノード及びカソードと接続される第1電極パッド及び第2電極パッドと、検査パターンを形成する第3電極パッド及び第4電極パッドを形成し、
前記第3電極パッドに接する第1絶縁層と、前記第4電極パッドを形成する第2絶縁層と、を形成し、
前記第1電極パッド及び第2電極パッド上に、それぞれ接合用導電体を挟んでLEDチップを配置し、
前記検査パターンの前記第3電極パッド及び第4電極パッドを含む領域にレーザ光を照射し、
前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の外観変化を観察し、
前記LEDチップに照射するレーザ光の条件を設定し、
前記LEDチップを含む領域にレーザ光を照射する、
LED実装基板の製造方法。
【請求項10】
前記レーザ光の条件の設定は、前記第1絶縁層の消失の有無、および前記第2絶縁層の残存の有無に基づいて行われる、請求項9に記載のLED実装基板の製造方法。
【請求項11】
前記接合用導電体の融点が、前記第1絶縁層の融点と前記第2絶縁層の融点との間にあり、
前記第1絶縁層が消失し前記第2絶縁層の残存するレーザ光を前記レーザ光の条件として設定する、請求項10に記載のLED実装基板の製造方法。
【請求項12】
前記LEDチップへのレーザ光の照射は、前記設定されたレーザ光の条件で行われる、請求項9に記載のLED実装基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)実装基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、次世代ディスプレイとして、画素内に微小なマイクロLEDを配置した、いわゆるマイクロLEDディスプレイの開発が進められている。マイクロLEDは、OLED(Organic Light Emitting Diode)と同様の自発光型素子であるが、OLEDと異なり、ガリウム(Ga)またはインジウム(In)などを含む安定した無機化合物で構成されるため、OLEDディスプレイと比較すると、マイクロLEDディスプレイは高信頼性を確保しやすい。さらに、マイクロLEDは、発光効率が高く、高輝度を実現することができる。したがって、マイクロLEDディスプレイは、高信頼性、高輝度、および高コントラストを有する次世代ディスプレイとして期待されている。
【0003】
従来では、マイクロLEDをサファイアウェハ上に形成し、マイクロLED実装基板に移載してデバイスを製造する製造方法がある。マイクロLED実装基板とマイクロLEDを電気的に接続する方法として、レーザの照射による接合方法が知られている。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マイクロLEDチップが実装基板にフリップチップ実装されると、接続部がマイクロLEDチップに隠れてしまうため接続状態の品質検査が困難となる。マイクロLEDチップの電極と実装基板のパッド電極とを接続する方法としてレーザ照射による接合方法があるが、レーザ照射による極短時間の加熱プロセスは直接的な温度測定が難しく、接合状態の品質管理が困難であるという問題がある。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記問題に鑑み、LEDの電極と実装基板の接続の品質を確認することができるLED実装基板を提供することを課題の一つとする。また、レーザの照射による加熱の温度管理ができるLED実装基板の製造方法を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係るLED実装基板は、基板上の絶縁表面に配置されLEDチップのアノード及びカソードと接続される第1電極パッド及び第2電極パッドと、前記絶縁表面に配置された第3電極パッド及び第4電極パッドと、第1絶縁層及び第2絶縁層を含む検査パターンと、を有し、前記検査パターンは、前記第1絶縁層が、前記第3電極パッドと接し、前記第4電極パッドから離隔して配置され、前記第2絶縁層が、前記第4電極パッドと接し、前記第3電極パッドから離隔して配置されている。
【0008】
本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法は、基板上の絶縁表面に、LEDチップのアノード及びカソードと接続される第1電極パッド及び第2電極パッドと、検査パターンを形成する第3電極パッド及び第4電極パッドを形成し、前記第3電極パッドに接する第1絶縁層と、前記第4電極パッドを形成する第2絶縁層と、を形成し、前記第1電極パッド及び第2電極パッドの上に、それぞれ接合用導電層を挟んでLEDチップを配置し、前記検査パターンの前記第3電極パッド及び第4電極パッドを含む領域にレーザ光を照射し、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の外観変化を観察し、前記LEDチップに照射するレーザ光の条件を設定し、前記LEDチップを含む領域にレーザ光を照射する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の模式的な平面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の模式的な平面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の模式的な平面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の模式的な断面図である。
【
図5a】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図である。
【
図5b】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図である。
【
図5c】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図である。
【
図5d】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための平面図である。
【
図5e】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図である。
【
図5f】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための平面図である。
【
図5g】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図である。
【
図5h】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図である。
【
図6a】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための平面図である。
【
図6b】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図である。
【
図6c】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための平面図である。
【
図6d】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図である。
【
図7a】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図である。
【
図7b】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図である。
【
図7c】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図である。
【
図8a】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図である。
【
図8b】本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、各実施形態はあくまで一例にすぎず、当業者が、発明の主旨を保ちつつ適宜変更することによって容易に想到し得るものについても、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合がある。しかし、図示された形状はあくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0011】
本明細書において「αはA、BまたはCを含む」、「αはA,BおよびCのいずれかを含む」、「αはA,BおよびCからなる群から選択される一つを含む」、といった表現は、特に明示が無い限り、αがA~Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
【0012】
本明細書において、説明の便宜上、「上」または「上方」もしくは「下」または「下方」という語句を用いて説明するが、原則として、構造物が形成される基板を基準とし、基板から構造物に向かう方向を「上」または「上方」とする。逆に、構造物から基板に向かう方向を「下」または「下方」とする。したがって、基板上のLEDという表現において、LEDの基板側の面が下面となり、その反対側の面が上面となる。また、基板上のLEDという表現においては、基板とLEDとの上下関係を説明しているに過ぎず、基板とLEDとの間に他の部材が配置されていてもよい。さらに、「上」または「上方」もしくは「下」または「下方」の語句は、複数の層が積層された構造における積層順を意味するものであり、平面視において重畳する位置関係になくてもよい。
【0013】
本発明において、LEDとは、チップサイズが数μm以上100μm以下、ミニLEDとは、チップサイズが100μm以上のものをいうが、本発明の一実施形態はいずれのサイズのLEDも用いることができ、LEDモジュール及び表示装置の画素サイズに応じて使い分けることができる。
【0014】
以下の各実施形態は、技術的な矛盾を生じない限り、互いに組み合わせることができる。
<第1実施形態>
1.全体構成
本実施形態は、一実施形態に係るLED実装基板10の構造を示す。
図1は、本実施形態に係るLED実装基板の模式的な平面図である。
【0015】
図1に示すように、LED実装基板10は、基板100上に、画素領域110、駆動回路112、複数の端子113、検査パターン116を含む。LED実装基板10は、各画素領域110に設けられるLEDチップを駆動するための駆動回路基板であり、バックプレーン基板またはアクティブマトリックス基板とも呼ばれる。LED実装基板10は、図示しないが、複数のスイッチング素子、複数の容量および各種配線等を有する。
【0016】
図1に示すように、LED実装基板10は、第1領域102と第2領域104を有する。第1領域102は、表示領域106と表示領域106を囲む周辺領域108を有する。
【0017】
第1領域102と第2領域104は分断可能となっている。第2領域104は、LEDチップがLED実装基板10の第1領域102に実装された後、第1領域102から切り離される。
【0018】
表示領域106には、複数の画素領域110がX軸方向及びY軸方向に配列される。また、複数の画素領域110にはそれぞれLEDが設けられ、それらLEDチップを駆動するためのスイッチング素子を設けることができる。
【0019】
周辺領域108には、各画素領域110に設けられるLEDチップの発光状態を制御するための駆動回路112を設けることができる。また、周辺領域108の第2領域に隣接する一端には、複数の端子113を設けられる。複数の端子113は、駆動回路112を駆動するための制御信号及び電力を入力するためのフレキシブルプリント基板(FPC)等を電気的に接続する端子として機能する。
【0020】
第2領域104には、複数の検査パターン116が配置される。検査パターン116の配置は、第2領域104内であればよく、第1領域102と第2領域104を分断する際の弊害とならない配置であればよい。検査パターン116は、LEDチップをLED実装基板10に実装後に第1領域102から第2領域104を切り離すことで、LED実装基板10から切り離すことができる。検査パターン116は、第2領域104が切り離された後に複数の端子113が周辺領域108の一端に位置するように配置されるため、従来の表示領域106および周辺領域108の設計を大きく変更することなく、検査パターン116をLED実装基板10に設けることができる。
【0021】
次に、
図2を参照し、画素領域110の説明をする。
図2は、本発明の一実施形態に係るLED実装基板の模式的な平面図であり、
図1に示す画素領域110の拡大図である。
【0022】
図2は、LED実装基板10にLEDチップ114を実装した例を示す。画素領域110には、絶縁表面118に第1電極パッド120、第2電極パッド122、LEDチップ114が配置される。
【0023】
第1電極パッド120および第2電極パッド122は、LEDチップ114のアノード124及びカソード126と接続される。第1電極パッド120および第2電極パッド122は、各画素領域110に実装されるLEDチップ114を駆動するためスイッチング素子と接続される。
【0024】
第1電極パッド120および第2電極パッド122には、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、錫(Sn)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、金(Au)及びこれらの合金又は化合物が用いられる。また、第1電極パッド120および第2電極パッド122として、上記の材料が単層で用いられてもよく積層で用いられてもよい。
【0025】
LEDチップ114は、2端子型の素子であり、所謂フリップチップ実装が可能なようにアノード124及びカソード126を有する。例えば、LEDチップ114は、LED実装基板10に実装するとき、第1電極パッド120及び第2電極パッド122に対向する面に、アノード124及びカソード126が設けられる。アノード124及びカソード126の一方はp型半導体層と接続され、他方はn型半導体層と接続される。このような接続の態様から、アノード124及びカソード126の一方はp電極、他方はn電極とも呼ばれる。流動性を有する導電性材料とぬれ性を良くするためにアノード124及びカソード126は金属材料を用いて形成され、流動性を有する導電性材料とのぬれ性をよくするために、金(Au)、銀(Ag)等の金属表面を有していることが好ましい。このようなアノード124及びカソード126は、1μm~5μm程度の厚さで形成される。
【0026】
次に、
図3を参照し、検査パターン116の説明をする。
図3は、本発明の一実施形態に係るLED実装基板の模式的な平面図であり、
図1に示す検査パターン116の拡大図である。
【0027】
検査パターン116は、平面視において絶縁表面118に第3電極パッド128、第4電極パッド130、第1絶縁層132、第2絶縁層134を含む。
【0028】
第3電極パッド128は、第4電極パッド130と隣り合って配置される。第3電極パッド128は、画素領域110に配置する第1電極パッド120と同じであることが好ましい。第3電極パッド128の面積および平面視における形状の一方または両方が第1電極パッド120と同じであることが好ましい。ここで、第1電極パッド120および第3電極パッド128の面積および形状が同じとは、寸法誤差等により両者が完全に同じ形状および面積とならない場合も含む。具体的には、第1電極パッド120の面積と第3電極パッド128の面積の差が、±10%以下であり、さらに±5%以下であることがより好ましい。
【0029】
第4電極パッド130は、画素領域110に配置する第2電極パッド122と同じであることが好ましい。第4電極パッド130の面積および平面視における形状の一方または両方が第2電極パッド122と同じであることが好ましい。ここで、第2電極パッド122および第4電極パッド130が同じとは、第1電極パッド120の面積と第3電極パッド128に関する同じと同様である。
【0030】
第3電極パッド128および第4電極パッド130は、第1電極パッド120および第2電極パッド122に用いられる合金または化合物および構造が用いられる。例えば、第1電極パッド120および第2電極パッド122にAlとTiの順の積層構造が用いられた場合、第3電極パッド128および第4電極パッド130もAlとTiの順の積層構造が用いられる。
【0031】
第1絶縁層132と第2絶縁層134は、隣り合って配置される。第3電極パッド128と第4電極パッド130は隣り合って配置される。第1絶縁層132は、第3電極パッドと重畳する。第2絶縁層134は、第4電極パッド130と重畳する。第1絶縁層132は、第4電極パッド130から離隔して配置される。第2絶縁層134は、第3電極パッド128から離隔して配置される。
【0032】
第1絶縁層132の面積は、第3電極パッド128の面積より大きい。第2絶縁層134の面積は、第4電極パッド130の面積より大きい。したがって、第1絶縁層132は、平面視において第3電極パッド128から外へ出る一部を有する。また、第2絶縁層134も、平面視において第4電極パッド130から外へ出る一部を有する。平面視において第3電極パッド128の枠から外へ出る第1絶縁層132の一部は、第3電極パッド128側に位置する。平面視において第4電極パッド130の枠から外へ出る第2絶縁層134の一部は、第4電極パッド130側に位置する。このように各絶縁層の面積が電極パッドの面積より大きいことで、後述するレーザ光の照射による焼失の観察がより容易となる。また、各電極パッドの枠から外へ出る絶縁層の一部が隣接する位置にあることで、後述するが、第1絶縁層132および第2絶縁層134に同時のレーザ光を照射することが容易となる。
【0033】
第1絶縁層132は、第2絶縁層134と異なる材料が用いられる。第1絶縁層132の融点は、第2絶縁層134の融点と異なる。第1絶縁層132の融点と第2絶縁層の融点は、100℃以上の差があることが好ましく、さらに、50℃以上の差があることが好ましい。さらに、第1絶縁層132および第2絶縁層134は、後述する接合用導電体の融点が第1絶縁層132の融点と第2絶縁層134の融点の間になる融点であることが好ましい。例えば、第1絶縁層132の融点Aは、第2絶縁層134の融点Bより低く、接合用導電体の融点Cは、第1絶縁層132の融点Aより高く第2絶縁層134の融点Bより低い。
【0034】
第1絶縁層132及び第2絶縁層134には、基板100の準備工程に用いられる材料を用いることができる。第1絶縁層132には、例えば、平坦化膜に用いられるポジ型感光性樹脂などの有機絶縁材料等を用いればよく、具体的には、融点が200℃から300℃未満のアクリル系の有機絶縁材料を用いることができる。第2絶縁層134には、例えば、無機絶縁材料等を用いればよく、具体的には、融点が第1絶縁層132に用いられる材料の融点より高いシリコン系の無機絶縁材料を用いることができる。ただし、後述する接合用導電体の融点が、上述したように、第1絶縁層132の融点より高く第2絶縁層134の融点より低ければよく、第1絶縁層132および第2絶縁層134に用いられる材料はこの限りではない。
【0035】
第1絶縁層132および第2絶縁層134の膜厚は、レーザ光の照射により熱容量を設けられる程度であればよい。
【0036】
次に、
図4を参照し、第1電極パッド120、第2電極パッド122、検査パターン116の断面構造について説明をする。
図4は、本発明の一実施形態に係るLED実装基板の模式的な断面図である。
【0037】
図4は、
図1に示すA1-A2で切断した断面図である。
図4に示すように、LEDチップ114が設けられる第1電極パッド120および第2電極パッド122は、基板100上の絶縁表面118に配置される。絶縁表面118は、絶縁性を有する基板によって形成される。絶縁表面118は、
図4に示すように、基板100上に設けられた絶縁膜136によって形成されてもよい。
【0038】
絶縁膜136には、シリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(SiN)又はシリコン酸化窒化膜(SiON)等の無機絶縁材料が用いられる。また、各無機絶縁膜は、単層に限定されず積層膜であってもよい。
【0039】
第1電極パッド120および第2電極パッド122上に、LEDチップ114が実装される。第1電極パッド120および第2電極パッド122上に、LEDチップ114のアノード124およびカソード126が配置される。第1電極パッド120および第2電極パッド122とLEDチップ114のアノード124およびカソード126との間には、それぞれ接合用導電体138が設けられる。アノード124およびカソード126と第1電極パッド120および第2電極パッド122とそれぞれ接合用導電体138を介して接続し、LEDチップ114は、第1電極パッド120および第2電極パッド122と電気的に接続されることでLED実装基板10に実装される。
【0040】
接合用導電体138には、第1電極パッド120および第2電極パッド122の融点より小さい材料を用いることができる。例えば、接合用導電体138にはスズ(Sn)を主成分とした金属を用いることができる。第1電極パッド120に、例えば、Al、Tiの順に積層された金属積層体を用い、接合用導電体138は、第1電極パッド120の表面の材料であるAlよりも、融点が小さいSnを用いる。第2電極パッド122に関しても同様に、第2電極パッド122には、例えば、Al、Tiの順に積層された金属積層体を用い、接合用導電体138は、例えば、Snを主成分とした金属を用い、接合用導電体138には、第2電極パッド122の表面の材料であるAlよりも融点が小さいSnを用いる。
【0041】
さらに、接合用導電体138には、検査パターン116の第1絶縁層132の融点と第2絶縁層134の融点との間にある材料を用いる。つまり、接合用導電体138の融点は、検査パターン116の第1絶縁層132の融点と第2絶縁層134の融点との間にある。例えば、第1絶縁層132には、融点が200℃から300℃未満の有機樹脂材料を用いることが好ましい。有機樹脂材料としては、例えば、アクリル系有機化合物を用いることができる。第2絶縁層134には、第1絶縁層132の融点より高い融点を有する材料を用いることが好ましい。第2絶縁層134は、例えば、窒化ケイ素、窒酸化ケイ素、酸化ケイ素などの無機材料を用いることができる。接合用導電体138は、融点が第1絶縁層132の融点より高く第2絶縁層134の融点より低い導電性材料を用いることが好ましく、例えば、接合用導電体138の導電性材料としてSn又はSn合金(例えば、SnAg合金)を用いることができる。
【0042】
また別言すると、第1絶縁層132および第2絶縁層134には、接合用導電体138の融点が第1絶縁層132の融点と第2絶縁層134の融点との間になるような材料を用いる。例えば、接合用導電体138にSnを用い、接合用導電体138の融点が第1絶縁層132の融点と第2絶縁層134の融点との間になるように、第1絶縁層132には有機樹脂を用い、第2絶縁層134には無機化合物である窒化ケイ素を用いる。
【0043】
検査パターン116は、絶縁膜136上に配置される。検査パターン116は、第3電極パッド128、第4電極パッド130、第1絶縁層132、第2絶縁層134を含む。第3電極パッド128および第4電極パッド130は、絶縁膜136上に配置される。第1絶縁層132は、第3電極パッド128の絶縁表面118とは反対側の面に接して設けられる。第2絶縁層134は、第4電極パッド130の絶縁表面118とは反対側の面に接して設けられる。上述したように、検査パターン116は、絶縁膜136上に、第3電極パッド128、第1絶縁層132の順の積層構造および第4電極パッド130、第2絶縁層134の順の積層構造を有する。また、後述する変形例のように、これら積層構造の積層順は、逆となっていてもよい。検査パターン116は、絶縁膜136上に、第1絶縁層132、第3電極パッド128の順の積層構造および第2絶縁層134、第4電極パッド130の順の積層構造を有することができる。
【0044】
第1絶縁層132の一部は、第3電極パッド128の側面を覆うように設けられる。第1絶縁層132の一部は、絶縁膜136と接する。第1絶縁層132の一部は、絶縁膜136上に位置する。第1絶縁層132が覆う第3電極パッド128の側面は、第4電極パッド130の側面と対向する。第2絶縁層134は、第4電極パッド130の側面を覆うように設けられる。第2絶縁層134の一部は、第4電極パッド130の側面を覆うように設けられる。第2絶縁層134の一部は、絶縁膜136と接する。第2絶縁層134の一部は、絶縁膜136上に位置する。第2絶縁層134が覆う第4電極パッド130の側面は、第3電極パッド128の側面と対向する。第1絶縁層132および第2絶縁層134をこのように配置してレーザ光を照射し、照射後の第1絶縁層132及び第2絶縁層134の状態を観察することで、レーザ光の照射により加熱される温度を知ることができる。
【0045】
LED実装基板10では、検査パターン116がLEDチップ114の第1電極パッド120及び第2電極パッド122が設けられる絶縁表面上に設けられ、検査パターン116でLEDチップ114が実装される際のレーザ光によって瞬間的に加熱される温度を確認することができる。このため、本実施形態を適用することで、LEDチップ114の実装に用いられるレーザ光による極短時間の加熱プロセスの温度管理ができるLED実装基板10が提供される。
【0046】
<第2実施形態>
本実施形態では、本発明の実施形態の一つに係るLED実装基板10の製造方法を記述する。第1実施形態と同一、類似する構成については説明を割愛することがある。
【0047】
図5aから
図5hは、本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図および平面図である。基板100を準備する基板準備工程の後、
図5aから
図5hに示すように、予め準備した基板100に検査パターン116が形成され、LEDチップ114が実装される工程が行われる。
【0048】
図5aに示すように、基板100上の絶縁表面118に、LEDチップ114のアノード124及びカソード126と接続される第1電極パッド120および第2電極パッド122、検査パターン116を形成する第3電極パッド128及び第4電極パッド130を形成する。
【0049】
次に、
図5bに示すように、第3電極パッド128および第4電極パッド130上に第1絶縁層132及び第2絶縁層134を形成し、検査パターン116は形成される。
【0050】
その次に、
図5cに示すように、第1電極パッド120及び第2電極パッド122上に、それぞれ接合用導電体138を挟んでLEDチップ114を配置する。
【0051】
LEDチップ114の配置後、LEDチップ114の接合工程前に、検査パターン116にてレーザ光の照射により加熱される温度を確認する。
図5dおよび
図5eを参照し、レーザ光の照射により加熱される温度の確認工程について説明する。
【0052】
図5dおよび
図5eに示すように、第3電極パッド128及び第4電極パッド130を含む照射領域140にレーザ光(矢印に示す)を照射する。このとき、照射領域140に含まれる第1絶縁層132及び第2絶縁層134も同時にレーザ光(矢印に示す)が照射される。レーザ光が照射される第1絶縁層132は、第3電極パッド128および第3電極パッド128と第4電極パッド130との間の絶縁表面に接する第1絶縁層132を含む。レーザ光が照射される第2絶縁層134は、第4電極パッド130および第3電極パッド128と第4電極パッド130との間の絶縁表面に接する絶縁膜136を含む。
【0053】
次に、レーザ光を照射した検査パターン116の外観変化を光学顕微鏡等で観察する。具体的には、第1絶縁層132および第2絶縁層134の外観変化を光学顕微鏡で観察する。
図5fおよび
図5gは、第1絶縁層132のレーザ光が照射された部分が焼失した場合の検査パターン116を示す。
【0054】
図5fおよび
図5gに示すように、第1絶縁層132のレーザ光が照射された部分142は焼失し、第2絶縁層134のレーザ光が照射された部分の外観は大きく変化をせず、残存する。または、第1絶縁層132のレーザ光が照射された部分は炭化し、黒く色変化や収縮による形状変化が起きる。このような外観変化により、レーザ光の照射により加熱される温度は、第1絶縁層132の融点より高く第2絶縁層134の融点より低いことが分かり、レーザ光の照射により加熱される温度を管理することができる。また、接合用導電体138の融点は、第1絶縁層132の融点より高く第2絶縁層134の融点より高いため、レーザ光の照射により加熱される温度は、接合用導電体138を溶融できる温度であり、第1電極パッド120および第2電極パッド122とアノード124およびカソード126とがそれぞれ接合用導電体138を介して電気的に接続できると判断される。
【0055】
第1絶縁層132および第2絶縁層134の外観変化が観察されない場合は、レーザ光の照射により加熱される温度が第1絶縁層132の融点より低いと推測することができる。また、第1絶縁層132および第2絶縁層134の外観変化が観察される場合は、レーザ光の照射により加熱される温度が第1絶縁層132の融点より高いと推測することができる。これらの場合は、
図5fおよび
図5gで示した場合と異なり、レーザ光の照射により加熱される温度が、適切な範囲内にないと判断することができる。したがって、このような場合は、レーザ光の照射により加熱される温度が、LEDチップ114とLED実装基板10との実装に適した温度ではないと判断することができる。本実施形態では、融点が異なる第1絶縁層132及び第2絶縁層134を用い、レーザ光の照射による外観変化を代替特性として用いることで、LEDチップ114とLED実装基板10との実装に適した温度を適切に管理することができる。
【0056】
次に、LEDチップ114に照射するレーザ光の条件を設定する。レーザ光の条件は、レーザ光が照射された第1絶縁層132および第2絶縁層134の外観変化の観察より判断され、設定される。具体的な第1絶縁層132および第2絶縁層134の外観変化は、上述したように、第1絶縁層132の焼失の有無、色変化、または形状変化の外観変化および第2絶縁層134の残存の有無、色変化、または形状変化の外観変化に基づいて行われる。具体的には、第1絶縁層132の焼失、色変化、または形状変化および第2絶縁層134の残存、または外観の変化が見られないレーザ光の条件が、LEDチップ114に照射するレーザ光の条件に設定される。
【0057】
設定されたレーザ光の条件のもと、
図5hに示すように、LED実装基板10に配置されたLEDチップ114を含む領域にレーザ光を照射する。
【0058】
<変形例>
図6aから
図6dを参照し、LED実装基板10の変形例の製造方法を説明する。
図2から
図5に示すLED実装基板10と異なる点は、検査パターン116の第3電極パッド128および第4電極パッド130と第1絶縁層132および第2絶縁層134との積層する順番が異なる点である。なお、
図2から
図5に示すLED実装基板10と同一、または類似する構成については、説明を割愛することがある。
【0059】
図6aから
図6dは、本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図および平面図である。基板100を準備する基板準備工程の後、
図5aから
図5hに示すように、予め準備した基板100に検査パターン116が形成され、LEDチップ114が実装される工程が行われる。
【0060】
図6aおよび
図6bに示すように、基板100上の絶縁表面118に、第1絶縁層132および第2絶縁層134が形成される。第1絶縁層132および第2絶縁層134上に、第3電極パッド128および第4電極パッド130が形成される。第1絶縁層132は、絶縁表面118と第3電極パッド128との間に設けられる。第2絶縁層134は、絶縁表面118と第4電極パッド130との間に設けられる。
【0061】
次に、LEDチップ114が基板100に配置され、
図6aおよび
図6bに示すように、第3電極パッド128及び第4電極パッド130を含む照射領域140にレーザ光(矢印に示す)を照射する。第1絶縁層132は、第3電極パッド128を介してレーザ光が照射される部分を有する。第2絶縁層134は、第3電極パッド128を介してレーザ光が照射される部分を有する。
【0062】
次に、レーザ光を照射した検査パターン116の外観変化を観察する。具体的には、第1絶縁層132および第2絶縁層134の外観変化を観察する。
図6cおよび
図6dは、第1絶縁層132のレーザ光が照射された部分が焼失した場合の検査パターン116を示す。
【0063】
図6cおよび
図6dに示すように、レーザ光が照射された第1絶縁層132は焼失し、第3電極パッド128は第1絶縁層132と接しない部分を有する。第2絶縁層134のレーザ光が照射された部分に大きな外観変化はみられない。
【0064】
<プロセス変形例1>
次に、
図7aから
図7cを参照し、LED実装基板10にレーザ光を照射する工程(プロセス)の変形例を説明する。
図5および
図6に示すレーザ光を照射する工程と異なる点は、LEDチップ114を基板100上に配置する前に、検査パターン116にレーザ光を照射する点である。なお、
図2から
図6に示すLED実装基板10と同一、または、類似する構成については、説明を割愛することがある。
【0065】
図7aから
図7cは、本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図である。基板100を準備する基板準備工程の後、
図5aから
図5bに示すように、予め準備した基板100に検査パターン116が形成される工程が行われる。
【0066】
基板100に検査パターン116が形成された後、LEDチップ114の配置前に、検査パターン116にてレーザ光の照射により加熱される温度を確認する。
図7aから
図7cに示すように、第3電極パッド128及び第4電極パッド130を含む照射領域(
図5d参照)にレーザ光(矢印に示す)を照射する。
【0067】
次に、レーザ光を照射した検査パターン116の外観変化を観察する。
図7bに示すように、第1絶縁層132のレーザ光が照射された部分142は焼失し、第2絶縁層134のレーザ光が照射された部分の外観は大きく変化をせず残存した場合、レーザ光の照射により加熱される温度は、第1絶縁層132の融点より高く第2絶縁層134の融点より低いことが分かり、上述したように、レーザ光の照射により加熱される温度は、第1電極パッド120および第2電極パッド122とLEDチップ114のアノード124およびカソード126とがそれぞれ接合用導電体138を介して電気的に接続できる適正な温度と判断される。
【0068】
レーザ光の照射により加熱される温度が適正であると判断された後、
図7cに示すように、LEDチップ114は、第1電極パッド120及び第2電極パッド122上に、それぞれ接合用導電体138を挟んで配置される。
【0069】
LEDチップ114の配置後、適正な温度と判断されたレーザ光の条件のもと、LED実装基板10に配置されたLEDチップ114を含む領域にレーザ光を照射する(
図5hを参照)。
【0070】
<プロセス変形例2>
さらに、
図8aおよび
図8bを参照し、LED実装基板10にレーザ光を照射する工程(プロセス)の変形例を説明する。
図5および
図6に示すレーザ光を照射する工程と異なる点は、LEDチップ114を基板100上に配置した後に、検査パターン116およびLEDチップ114にレーザ光を同時に照射する点である。なお、
図2から
図6に示すLED実装基板10と同一、または、類似する構成については、説明を割愛することがある。
【0071】
図8aおよび
図8bは、本発明の一実施形態に係るLED実装基板の製造方法を模式的に説明するための断面図である。基板100を準備する基板準備工程の後、
図5aから
図5cに示すように、予め準備した基板100に検査パターン116が形成され、LEDチップ114が実装される工程が行われる。
【0072】
基板100に検査パターン116が形成され、LEDチップ114が配置された後、
図8aに示すように、検査パターン116およびLEDチップ114にレーザ光を照射する。検査パターン116にレーザ光を照射する領域は、
図5bと同様の領域である。また、LEDチップ114にレーザ光を照射する領域は、
図5hと同様の領域であればよい。
【0073】
レーザ光を検査パターン116およびLEDチップ114に照射後、検査パターン116の外観変化を観察する。検査パターン116の外観変化を観察した際に、
図8bに示すような検査パターン116の外観変化がみられない場合は、レーザ光を検査パターン116およびLEDチップ114に再度照射を行う。レーザ光を検査パターン116およびLEDチップ114に再度照射を行った後、検査パターン116の外観変化を再度観察する。
図8bに示すように、検査パターン116の外観変化がみられるまで、レーザ光の照射と外観変化の観察を繰り返す。検査パターン116の外観変化が
図8bに示すようにみられた場合、LEDチップ114は第1電極パッド120及び第2電極パッド122に十分に接合されたと判断することができる。
【0074】
以上、説明したように、LED実装基板10の製造方法では、LEDチップ114を基板100にレーザ光を用いて接合する工程の前に、検査パターン116にレーザ光を照射し、検査パターン116の外観変化を観察することで、レーザ光の照射により加熱される温度を確認することができる。そのレーザ光の照射により加熱される温度を確認することにより、レーザ光の照射条件によるレーザ光の照射により加熱される温度の管理をすることができる。したがって、LEDチップ114の接合に必要なレーザ光の条件を温度管理によって設定することで、その条件のレーザ光を接合に用いるとLEDチップ114と基板100とが電気的に接続することができる。
【0075】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0076】
10:実装基板、100:基板、102:第1領域、104:第2領域、106:表示領域、108:周辺領域、110:画素領域、112:駆動回路、113:端子、114:チップ、116:検査パターン、118:絶縁表面、120:第1電極パッド、122:第2電極パッド、124:アノード、126:カソード、128:第3電極パッド、130:第4電極パッド、132:第1絶縁層、134:第2絶縁層、136:絶縁膜、138:接合用導電体、140:照射領域、142:部分