(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034003
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240306BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 E
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022137975
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂口 勝俊
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061CQ43
5C062AA05
5C062AA31
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AE15
5C062AF16
5C062BA06
5C062BB02
(57)【要約】
【課題】画面内のオブジェクトに対して接触操作を行うモードと非接触操作を行うモードとを、画面に接触することなく、切り替える。
【解決手段】画像処理装置10は、CPU41を備える。CPU41は、画面内のオブジェクトに対して対象物による接触操作を行う第1画面を表示する第1モードと、非接触操作を行う第2画面であって、第1画面に対応し、かつ、第1画面とオブジェクトの表示形態が異なる第2画面を表示する第2モードとを、各モードに応じて画面に非接触の操作で切り替える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
画面内のオブジェクトに対して対象物による接触操作を行う第1画面を表示する第1モードと、非接触操作を行う第2画面であって、前記第1画面に対応し、かつ、前記第1画面とオブジェクトの表示形態が異なる前記第2画面を表示する第2モードとを、各モードに応じて前記画面に非接触の操作で切り替える
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記画面に対して直交する方向において前記画面と前記対象物との距離を検知し、前記距離が閾値以下の場合に、前記第1モードに切り替え、前記距離が前記閾値より大きい場合に、前記第2モードに切り替える
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第1モード又は前記第2モードに切り替えた場合に、操作中は切り替えた一方のモードを他方のモードに切り替えることを禁止し、予め定められた解除条件を満たした場合に、モード切り替えの禁止を解除する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第2モード中に、前記対象物が前記画面に接近する操作を検知した場合、前記第1モードに切り替える
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記接近する操作は、一定方向に移動する操作である
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1画面は、接触操作及び非接触操作を選択的に受け付けるモード切替領域を含み、
前記プロセッサは、前記第1モード中に、前記対象物が前記モード切替領域上に非接触で一定時間滞留する操作を検知した場合に、前記第2モードに切り替える
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記第1モード中に、前記対象物が前記モード切替領域に接触する操作を検知した場合、前記第2モードに切り替える
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記第1モード中に、前記対象物が非接触で前記画面に対する予め決められた操作を検知した場合、前記第2モードに切り替える
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記第1モード又は前記第2モードに切り替えた場合に、切替前のモードで設定された設定値を、切替後のモードに引き継ぐ
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
画面内のオブジェクトに対して対象物による接触操作を行う第1画面を表示する第1モードと、非接触操作を行う第2画面であって、前記第1画面に対応し、かつ、前記第1画面とオブジェクトの表示形態が異なる前記第2画面を表示する第2モードとを、各モードに応じて前記画面に非接触の操作で切り替えることを、
コンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、第1ウィンドウにおいて第2ウィンドウに覆われる隠蔽箇所が生じた場合、隠蔽箇所を手間なく表示可能な情報処理装置が記載されている。この情報処理装置は、表示部に表示されるウィンドウを操作するための操作体の位置を示す位置情報を入力する入力手段と、位置情報に基づいて表示部に表示されるウィンドウを操作する表示制御手段とを備える。この表示制御手段は、第1ウィンドウにおいて第2ウィンドウに覆われている隠蔽箇所が生じた場合、位置情報に示される操作体と表示部との距離が所定数値範囲になると、隠蔽箇所を視認不可状態から視認可能状態に切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画面内のオブジェクトに対して接触操作を行うモードと非接触操作を行うモードとを切り替える技術がある。この場合、非接触操作に切り替えるために、画面内の特定のボタンに接触する必要があり、画面に接触することなく切り替えることが望まれている。
【0005】
本開示は、画面内のオブジェクトに対して接触操作を行うモードと非接触操作を行うモードとを、画面に接触することなく、切り替えることができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサが、画面内のオブジェクトに対して対象物による接触操作を行う第1画面を表示する第1モードと、非接触操作を行う第2画面であって、前記第1画面に対応し、かつ、前記第1画面とオブジェクトの表示形態が異なる前記第2画面を表示する第2モードとを、各モードに応じて前記画面に非接触の操作で切り替える。
【0007】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記画面に対して直交する方向において前記画面と前記対象物との距離を検知し、前記距離が閾値以下の場合に、前記第1モードに切り替え、前記距離が前記閾値より大きい場合に、前記第2モードに切り替える。
【0008】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記第1モード又は前記第2モードに切り替えた場合に、操作中は切り替えた一方のモードを他方のモードに切り替えることを禁止し、予め定められた解除条件を満たした場合に、モード切り替えの禁止を解除する。
【0009】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記第2モード中に、前記対象物が前記画面に接近する操作を検知した場合、前記第1モードに切り替える。
【0010】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第4態様に係る情報処理装置において、前記接近する操作が、一定方向に移動する操作である。
【0011】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記第1画面が、接触操作及び非接触操作を選択的に受け付けるモード切替領域を含み、前記プロセッサが、前記第1モード中に、前記対象物が前記モード切替領域上に非接触で一定時間滞留する操作を検知した場合に、前記第2モードに切り替える。
【0012】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第6態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記第1モード中に、前記対象物が前記モード切替領域に接触する操作を検知した場合、前記第2モードに切り替える。
【0013】
また、第8態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記第1モード中に、前記対象物が非接触で前記画面に対する予め決められた操作を検知した場合、前記第2モードに切り替える。
【0014】
また、第9態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記第1モード又は前記第2モードに切り替えた場合に、切替前のモードで設定された設定値を、切替後のモードに引き継ぐ。
【0015】
更に、上記目的を達成するために、第10態様に係る情報処理プログラムは、画面内のオブジェクトに対して対象物による接触操作を行う第1画面を表示する第1モードと、非接触操作を行う第2画面であって、前記第1画面に対応し、かつ、前記第1画面とオブジェクトの表示形態が異なる前記第2画面を表示する第2モードとを、各モードに応じて前記画面に非接触の操作で切り替えることを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
第1態様及び第10態様によれば、画面内のオブジェクトに対して接触操作を行うモードと非接触操作を行うモードとを、画面に接触することなく、切り替えることができる、という効果を有する。
【0017】
第2態様によれば、画面からの距離に応じてモードを切り替えることができる、という効果を有する。
【0018】
第3態様によれば、モード切り替えの禁止、及び、モード切り替えの禁止の解除を行うことができる、という効果を有する。
【0019】
第4態様によれば、接近する操作によって第2モードから第1モードに切り替えることができる、という効果を有する。
【0020】
第5態様によれば、一定方向に移動する操作によって第2モードから第1モードに切り替えることができる、という効果を有する。
【0021】
第6態様によれば、モード切替領域の非接触操作によって第1モードから第2モードに切り替えることができる、という効果を有する。
【0022】
第7態様によれば、モード切替領域の接触操作によって第1モードから第2モードに切り替えることができる、という効果を有する。
【0023】
第8態様によれば、モード切替領域がない場合であっても第1モードから第2モードに切り替えることができる、という効果を有する。
【0024】
第9態様によれば、切替前のモードの設定値を切替後のモードに引き継ぐことができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】ユーザが非接触で操作を行う非接触ユーザインタフェースを備えた情報処理装置を含む情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る画像処理装置の要部を示す斜視図である。
【
図3】(A)は操作パネルの断面図であり、(B)は操作パネルの表示面と対向する位置から操作パネルを眺めた場合の平面図である。
【
図4】実施形態に係る画像処理装置の機能構成例を示す図である。
【
図5】ユーザによる操作パネルの操作によって、操作パネルに表示される画面がどのように遷移するのかについて示した画面の遷移例を表す図である。
【
図6】ユーザがホーム画面においてオブジェクトの一例であるコピーボタンを選択する選択例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る画像処理装置の電気系統の要部構成例を示すブロック図である。
【
図8】実施形態に係る画像処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】実施形態に係る接触操作モードと非接触操作モードとを切り替えるモード切替処理の説明に供する図である。
【
図10】本実施形態に係る第2ホーム画面の別の例を示す正面図である。
【
図11】実施形態に係る非接触操作モードから接触操作モードに切り替えるモード切替処理の説明に供する図である。
【
図12】実施形態に係る接触操作モードから非接触操作モードに切り替えるモード切替処理の説明に供する図である。
【
図13】実施形態に係る接触操作モードから非接触操作モードに切り替える別のモード切替処理の説明に供する図である。
【
図14】実施形態に係るモード間での設定値引き継ぎ処理の説明に供する図である。
【
図15】実施形態に係る情報処理プログラムによるモード切替処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0027】
図1は、ユーザが非接触で操作を行う非接触ユーザインタフェースを備えた情報処理装置を含む情報処理システム1の構成例を示す図である。
【0028】
情報処理システム1における情報処理装置は、非接触ユーザインタフェースを備えていれば、何れの分野に適用される装置であってもよい。情報処理装置の一例として、画像処理装置、ATM(Automatic Teller Machine)、自動販売機、及び発券機等が含まれる。情報処理装置は、個人専用の装置であっても、不特定多数のユーザが使用する装置であってもよい。
【0029】
図1及び
図2を参照して、情報処理装置の一例として、職場等に設置された画像処理装置10について説明を行う。
【0030】
図2は、本実施形態に係る画像処理装置10の要部を示す斜視図である。
【0031】
画像処理装置10は、後ほど説明するように、ユーザの指示に従って画像に関する機能を実行する装置である。画像処理装置10は、例えば、各々のユーザが使用する複数の端末4と通信回線2で接続されている。
【0032】
ユーザは、端末4で生成した画像データを、通信回線2を通じて画像処理装置10へ送信することで、画像処理装置10に所望の画像処理を実行させる。又は、ユーザは、USB(Universal Serial Bus)メモリ若しくはメモリカード等の可搬型記憶媒体に画像データを記憶して画像処理装置10まで移動し、可搬型記憶媒体を画像処理装置10に接続することで、画像処理装置10に所望の画像処理を実行させてもよい。更に、ユーザは、文字及び画像の少なくとも一方が記載された原稿11を持って画像処理装置10まで移動し、原稿11を画像処理装置10に読み取らせることで、画像処理装置10に所望の画像処理を実行させてもよい。
【0033】
画像処理装置10と端末4を接続する通信回線2の接続形態に制約はなく、有線、無線、又は有線と無線が混在した形態の何れであってもよい。また、画像処理装置10に接続される端末4の数にも制限はなく、例えば、端末4が画像処理装置10に一台も接続されていなくてもよい。
【0034】
なお、端末4とは、ユーザが使用する情報機器のことである。端末4は、データ記憶機能及びデータ通信機能を備えていればどのような種類の情報機器であってもよい。端末4には、例えば、持ち運んで使用することを前提としていないコンピュータの他、スマートフォン及びウェアラブル装置のように持ち運んで使用することを前提とする携帯端末が含まれる。
【0035】
図2に示すように、画像処理装置10は一例として、用紙等の記録媒体に記載された画像を画像データとして読み込むスキャン機能、画像データによって表される画像を記録媒体に形成するプリント機能、及び記録媒体に形成された画像と同一の画像を他の記録媒体に形成するコピー機能を有する。コピー機能、プリント機能、及びスキャン機能は、画像処理装置10における画像処理の一例である。
【0036】
図2に示す画像処理装置10の上部には、例えば、原稿読み取りユニット12が設けられ、原稿読み取りユニット12の下方に画像形成ユニット14が配置されている。
【0037】
原稿読み取りユニット12は、図示しない光学読み取り装置と原稿カバー16内の原稿搬送装置18を含んで構成される。原稿搬送装置18は、原稿カバー16に設けられている原稿台16A上に載せられた原稿11を順に引き込んで、図示しない搬送原稿読み取りガラス上に搬送する。原稿読み取りユニット12は、この搬送原稿読み取りガラス上に搬送された原稿11の内容を、光学読み取り装置で画像データとして読み取る。その後、原稿搬送装置18は、記載内容の読み込みが終了した原稿11を原稿カバー16に設けられている排出台16B上に排出する。
【0038】
一方、画像形成ユニット14は、記録媒体の種別やサイズ毎に分類された収容棚19に収容される記録媒体上に、画像データによって表された画像を形成する。なお、画像形成ユニット14が記録媒体に形成する画像の色に制限はなく、カラー画像であってもモノクロ画像であってもよい。
【0039】
画像処理装置10の正面には、コピー機能、プリント機能、及びスキャン機能といった各種機能を実行するための操作をユーザから受け付ける操作表示ユニット13が設けられている。
【0040】
具体的には、操作表示ユニット13には、操作を行うユーザの情報を取得するリーダー装置17、及びユーザの操作を受け付ける操作パネル15が含まれる。
【0041】
リーダー装置17は、例えば、ユーザが所有する社員証が近づけられると、社員証に内蔵されているICチップから、ユーザを一意に識別する識別情報(「ユーザID」という)を非接触で読み取る装置である。
【0042】
操作パネル15は、タッチパネルが重畳されたディスプレイであり、操作パネル15には、ユーザが所望する機能を実行するために操作対象となるオブジェクトがアイコン画像として表示される。ユーザの操作対象となるものであればオブジェクトの種類に制約はなく、オブジェクトには、例えば、ボタン、スクロールバー、チェックボックス、及びラジオボタン等が含まれる。オブジェクトに対してユーザの操作が行われると、操作内容に対して予め対応付けた処理が画像処理装置10で実行され、操作に対する応答が操作パネル15に表示される。
【0043】
図3は、ユーザの操作位置6を非接触で検知する操作パネル15の一例を示す図である。
図3(A)は、操作パネル15の断面図であり、
図3(B)は、操作パネル15の表示面と対向する位置から操作パネル15を眺めた場合の平面図である。
【0044】
操作パネル15は、ユーザの指の位置、すなわち、操作位置6を非接触で検知する。「操作位置6を非接触で検知する」とは、ユーザが操作パネル15の表示面に指を押し当てなくても、操作パネル15の表示面の範囲内における操作パネル15の表示面上の空間内で、操作パネル15の表示面から離れた場所に指をかざすだけで、ユーザの指の位置を検知することをいう。以降では、操作パネル15の表示面の範囲内における操作パネル15の表示面上の空間のことを、「操作パネル15上」という。また、ユーザが操作パネル15上に「指をかざす」とは、操作パネル15の表示面に触れることなく、ユーザが操作パネル15上を指差すことをいう。
【0045】
操作パネル15は、ユーザが操作パネル15上に指をかざすことによって生じる静電容量の変化から操作位置6を検知する、所謂、静電容量方式のタッチパネルを備えている。こうしたタッチパネルを備える操作パネル15では、ユーザの指から最も近い位置にある箇所の静電容量の変化が、他の箇所の静電容量の変化よりも大きくなる。したがって、操作パネル15は、操作パネル15の範囲内において、静電容量の変化が最も大きい箇所をユーザの操作位置6として出力する。
【0046】
操作パネル15におけるユーザの操作位置6を特定するため、操作パネル15には、ユーザの指の位置を非接触で検知する検知領域を規定するための操作座標系が定義付けられている。操作座標系は、操作パネル15の何れかの箇所を原点Pとする3次元座標系として表される。
図3(A)及び
図3(B)に示す操作パネル15の例では、矩形状の操作パネル15の輪郭上にある頂点の1つに原点Pが設定されている。更に、
図3(A)及び
図3(B)に示す操作パネル15の例では、原点Pに対して、操作パネル15の横方向に沿ってX軸が設定され、操作パネル15の縦方向に沿ってY軸が設定され、X軸及びY軸とそれぞれ直交するようにZ軸が設定されている。Z軸方向を操作パネル15の高さ方向という。
【0047】
操作パネル15におけるユーザの操作位置6は、操作パネル15の範囲内のうち、最も静電容量の変化が大きい箇所におけるX座標の座標値xと、Y座標の座標値yとの組み合わせである座標点(x,y)によって表される。
【0048】
操作パネル15にオブジェクトが表示されている場合、ユーザの操作位置6を含むように表示されているオブジェクトが、ユーザが操作を行っているオブジェクトとして認識される。
図3(B)に示す操作パネル15の例では、操作パネル15に表示されている画面30内に配置されたボタン8の領域内にユーザの操作位置6が含まれるため、ユーザはボタン8を操作していると認識される。以降では、ユーザの操作位置6を含むように表示されているオブジェクトのことを、「操作位置6に対応したオブジェクト」ということがある。また、操作位置6は、本実施形態に係る「ユーザによる操作が検知された検知位置」の一例である。
【0049】
図3(A)に示すように、操作パネル15上にかざされたユーザの指3から操作パネル15の表示面に下した垂線の長さ、すなわち、ユーザの指3から操作パネル15までの操作パネル15の高さ方向の距離を「操作距離D」とする。ユーザの指3は、ユーザが持つ対象物の一例である。この対象物は、ユーザの手、指以外の部位でもよく、あるいは、ユーザが所有するタッチペン等であってもよい。操作パネル15では、操作距離Dが短くなるにつれて、ユーザの操作位置6における静電容量の変化が大きくなる。反対に、操作パネル15では、操作距離Dが長くなるにつれて、ユーザの操作位置6における静電容量の変化が小さくなる。したがって、操作距離Dと静電容量の変化量の関係を予め対応付けておくことによって、操作パネル15における静電容量の変化量から操作距離Dが得られる。
【0050】
操作距離Dと静電容量の変化量の対応関係を用いることで、操作パネル15は、ユーザの操作位置6を、操作パネル15の表示面に沿った2次元的な操作位置6としてだけでなく、操作距離Dを考慮した3次元的な操作位置6として認識することもできる。すなわち、ユーザの操作位置6を3次元で表す場合、ユーザの操作位置6は、操作パネル15の高さ方向の操作位置6を表す座標値zを座標点(x,y)に組み合わせた座標点(x,y,z)によって表される。座標値zは、原点PからZ軸に沿って操作距離Dだけ離れた位置におけるZ軸の座標値である。
【0051】
なお、座標値z=0の場合は、ユーザが操作パネル15の表示面に指を接触して操作していることを意味する。したがって、画像処理装置10は、ユーザが操作パネル15を非接触で操作しているのか、それとも、操作パネル15に指を接触させて操作しているのかといった、ユーザの操作形態の違いについて認識することもできる。このように、操作パネル15は、ユーザが操作パネル15の表示面に指を接触して操作する接触操作、及びユーザが操作パネル15上に指をかざして操作する非接触操作の両方の操作に対応している。
【0052】
上述したように、操作パネル15では、操作距離Dが長くなるにつれて、ユーザの操作位置6における静電容量の変化が小さくなることから、操作距離Dには上限が存在する。ユーザが操作距離Dの上限を超える位置で操作パネル15上に指をかざしても、ユーザの操作位置6における静電容量は変化しなくなるため、操作パネル15はユーザの操作に反応しない。
【0053】
オブジェクトに対応する検知領域は、操作パネル15から例えば3cm程度離れた空間上の領域とされる。つまり、ユーザの指3を操作パネル15から3cm程度に近接させると、オブジェクト側の静電容量が変化し、非接触の入力が検知される。このとき、ユーザの指3の検知領域でのXYZ座標が操作位置6として取得される。そして、ユーザの指3を3cmより更に近接させると、その位置でのXYZ座標が取得される。
【0054】
図4は、本実施形態に係る画像処理装置10の機能構成例を示す図である。画像処理装置10は、制御部20、受付部21、表示部22、原稿読み取り部23、及び画像形成部24の各機能部を含む。
【0055】
受付部21は、操作表示ユニット13のリーダー装置17から、画像処理装置10を操作するユーザのユーザIDを受け付けると共に、操作表示ユニット13の操作パネル15から、操作パネル15におけるユーザの操作位置6を受け付ける。また、受付部21は、端末4又は画像処理装置10に接続された可搬型記憶媒体から画像データを受け付ける。受付部21は、受け付けたユーザID、ユーザの操作位置6、及び画像データを制御部20に通知する。
【0056】
制御部20は、受付部21からユーザIDが通知された場合、ユーザIDによって表されるユーザが、画像処理装置10の利用を許可されたユーザ(「登録ユーザ」という)であるか否かを判定する認証処理を行う。制御部20は、受付部21から操作パネル15におけるユーザの操作位置6が通知された場合、操作パネル15に表示される画面30内において、ユーザの操作位置6に表示されているオブジェクトが選択されたか否かを判定し、選択されたオブジェクトに予め対応付けられた処理を実行する。例えば、オブジェクトがプリント機能を開始するボタン8であれば、制御部20は、受付部21で受け付けた画像データによって表される画像を記録媒体に形成するプリント機能を開始する。
【0057】
画像処理装置10はコピー機能、プリント機能、及びスキャン機能を備えるため、制御部20には、スキャン機能を制御するスキャン制御部20A、プリント機能を制御するプリント制御部20B、及びコピー機能を制御するコピー制御部20Cがそれぞれ含まれる。ユーザによって操作されたオブジェクトと対応付けられている処理の内容に応じて、スキャン制御部20A、プリント制御部20B、及びコピー制御部20Cの何れかによる制御が行われる。なお、図示は省略するが、画像処理装置10はファクシミリ機能を備えていてもよく、この場合、制御部20にはファクシミリ機能を制御するファクシミリ制御部が含まれる。
【0058】
オブジェクトを介したユーザの操作内容がスキャン機能に関する操作の場合、スキャン制御部20Aは、原稿読み取り部23を制御することによりスキャン機能を実行する。オブジェクトを介したユーザの操作内容がプリント機能に関する操作の場合、プリント制御部20Bは、画像形成部24を制御することによりプリント機能を実行する。オブジェクトを介したユーザの操作内容がコピー機能に関する操作の場合、コピー制御部20Cは、原稿読み取り部23を制御することにより、原稿11の画像データを生成する。その後、コピー制御部20Cは、画像形成部24を制御することにより、生成した画像データによって表される画像を記録媒体に形成する。
【0059】
原稿読み取り部23は、スキャン制御部20A及びコピー制御部20Cの制御に従って原稿読み取りユニット12を駆動し、例えば、原稿台16A上に載せられた原稿11の搬送、及び搬送した原稿11の画像データの生成を行う。
【0060】
画像形成部24は、プリント制御部20B及びコピー制御部20Cの制御に従って画像形成ユニット14を駆動し、例えば、収容棚19に収容された記録媒体の搬送、及び搬送した記録媒体への画像データによって表される画像の形成を行う。
【0061】
表示部22は、制御部20の指示に従い、例えば、ユーザに対する認証処理の結果、及びオブジェクトを介したユーザの操作に対して制御部20が実行した処理の結果を、操作表示ユニット13内の操作パネル15に表示する。
【0062】
図5は、ユーザによる操作パネル15の操作によって、操作パネル15に表示される画面30がどのように遷移するのかについて示した画面30の遷移例を表す図である。
【0063】
なお、操作パネル15への画面30の表示は表示部22が行うが、表示部22は制御部20の指示に従って画面30を表示することから、制御部20が操作パネル15に画面30を表示するとも言える。また、操作パネル15に表示された画面30の表示範囲を底面とするZ軸に沿った空間のことを「画面30上」と表し、画面30内に表示されたオブジェクトの表示範囲を底面とするZ軸に沿った空間のことを「オブジェクト上」と表す。「画面30上」及び「オブジェクト上」という表記も「操作パネル15上」の表記と同じく、実空間における上下左右に基づいた上側という意味ではなく、それぞれ画面30と相対する方向の空間、及びオブジェクトと相対する方向の空間のことを指す。
【0064】
説明の便宜上、画面30の種類を区別して説明する場合、画面30の種類毎に対応付けたアルファベットの符号を「画面30」の後ろに付加する。画面30の種類を区別して説明する必要がない場合には、各々の種類の画面30を総称して「画面30」と表す。また、オブジェクトの一例であるボタン8の種類を区別して説明する場合、ボタン8の種類毎に対応付けたアルファベットの符号を「ボタン8」の後ろに付加する。ボタン8の種類を区別して説明する必要がない場合には、各々の種類のボタン8を総称して「ボタン8」と表す。
【0065】
制御部20は、認証処理によって、操作を行うユーザが登録ユーザであると判定した場合、操作パネル15にスタート画面30Aを表示する。スタート画面30Aには、例えば、「画面の上に手をかざしてください Touch Lessをはじめよう!」といったユーザへの指示が表示される。
【0066】
ユーザがスタート画面30A上に指をかざすと、スタート画面30Aにおけるユーザの操作位置6にカーソルが表示される。
図5に示すスタート画面30Aの例では、手の形をしたカーソルが表示されているが、カーソルの形状は一例であり、例えば、円形のカーソルを表示してもよい。ユーザがスタート画面30A上に指をかざすことで、ホーム画面30Bが表示される。なお、スタート画面30Aにおけるユーザへの指示は、ユーザに操作パネル15での操作方法を教える意味合いも兼ねる。
【0067】
ホーム画面30Bには、例えば、画像処理装置10が有する各種機能を選択するためのボタン8と、ユーザが操作を行う上で有益な情報を表示するナビゲーションバー9が表示される。画像処理装置10は、コピー機能、プリント機能、及びスキャン機能を有するため、ホーム画面30Bにはコピー機能を選択するコピーボタン8A、プリント機能を選択するプリントボタン8B、及びスキャン機能を選択するスキャンボタン8Cが表示される。ナビゲーションバー9には、例えば、「ユーザA」のように認証を行ったユーザの名前、「ホーム」のように操作パネル15に表示している画面名、及び「Touch Less」のように、操作パネル15が非接触での操作モードとなっていることをユーザに知らせる情報等が表示される。
【0068】
ユーザがコピーボタン8A上に指をかざすと、コピーボタン8Aが選択される。コピーボタン8Aが選択されると、操作パネル15にコピー画面30Dが表示される。コピー画面30Dには、コピー条件を設定するボタン8D~8Gと、設定されたコピー条件でコピーを開始するコピー開始ボタン8Hが表示される。
【0069】
図5に示すコピー画面30Dには、コピー条件を設定するボタン8の例として、例えば、コピーの色を選択するカラーモードボタン8D、コピー面を選択する両面/片面選択ボタン8E、記録媒体への画像の割り付け方法を選択するNアップボタン8F、及びコピーする部数を選択する部数ボタン8Gが表示されている。
【0070】
コピー条件を設定するボタン8D~8Gのうち、ユーザが何れかのボタン8上に指をかざすと、ユーザの操作位置6に対応したボタン8が選択され、選択されたボタン8に対応したコピー条件を設定する画面30が表示される。コピー画面30Dで両面/片面選択ボタン8Eが選択された場合、コピー画面30Dにコピー面を選択する両面/片面選択画面30Gが重畳された形態で操作パネル15に表示される。
【0071】
図5に示す両面/片面選択画面30Gには、例えば、原稿11の両面の内容を、記録媒体の両面に順次コピーする両面→両面選択ボタン8S、片面だけに文章等が記載されている原稿11の内容を、記録媒体の両面に順次コピーする片面→両面選択ボタン8T、及び片面だけに文章等が記載されている原稿11の内容を、記録媒体の片面に順次コピーする片面→片面選択ボタン8Uが表示される。
【0072】
両面/片面選択画面30Gにおけるボタン8S~8Uのうち、ユーザが何れかのボタン8S~8U上に指をかざすと、ユーザの操作位置6に対応したボタン8が選択され、選択されたボタン8に対応したコピー面が設定される。
図5に示す両面/片面選択画面30Gの例は、ユーザによって両面→両面選択ボタン8Sが選択された状態を示している。
【0073】
両面/片面選択画面30Gでコピー面が設定されると、コピー画面30Dが操作パネル15に表示される。コピー面設定後におけるコピー画面30Dの両面/片面選択ボタン8E内には、両面/片面選択画面30Gで選択したコピー面が表示される。
【0074】
上記では、ユーザがコピー画面30Dにおいて両面/片面選択ボタン8Eを選択した例について説明した。ユーザがコピー画面30Dにおいてカラーモードボタン8D、Nアップボタン8F、及び部数ボタン8Gの何れかを選択した場合にも、両面/片面選択画面30Gのような各ボタン8に対応したコピー条件を選択する選択画面が操作パネル15に表示される。
【0075】
コピー画面30Dにおいてユーザがコピー開始ボタン8H上に指をかざすと、コピー開始ボタン8Hが選択される。コピー開始ボタン8Hが選択されると、設定されたコピー条件に従って、原稿11の記載内容を記録媒体にコピーするコピー処理が実行される。なお、コピー条件を設定する前のコピー画面30Dにおけるボタン8D~8Gには、予め設定されたコピー条件の初期設定が表示される。
【0076】
一方、ホーム画面30Bにおいて、ユーザがプリントボタン8B上に指をかざすと、プリントボタン8Bが選択される。プリントボタン8Bが選択されると、操作パネル15にプリント画面30Eが表示される。
【0077】
プリント画面30Eには、プリント対象となる画像データの情報を表示したプリント情報ボタン8Jと、各々のプリント情報ボタン8Jに対応したすべての画像データのプリントを開始する全プリント開始ボタン8Mが表示される。
図5に示すプリント画面30Eの例は、プリント対象となる画像データを2つ受け付けた場合のプリント画面30Eを表している。すなわち、プリント画面30Eには、プリント対象としてユーザから受け付けた画像データの数だけ、各々の画像データに対応したプリント情報ボタン8Jが表示される。
【0078】
対応するプリント情報ボタン8Jを一度にプリント画面30E内に表示しきれない数の画像データが存在する場合には、ユーザがプリント情報ボタン8Jの上下方向に指を移動させるジェスチャを行うと、操作パネル15が操作位置6の移動を検知して、プリント情報ボタン8Jをスクロールさせる。これにより、プリント画面30E内に表示しきれていないプリント情報ボタン8Jもプリント画面30E内に表示される。
【0079】
各々のプリント情報ボタン8Jには、プリント対象となる画像データのファイル名と、画像データに対してユーザが予め設定したプリント条件が表示される。例えば、ユーザが端末4から画像処理装置10に画像データを送信した場合には、ユーザが端末4から設定したプリント条件がプリント情報ボタン8Jに表示される。
【0080】
ユーザが全プリント開始ボタン8M上に指をかざすと、全プリント開始ボタン8Mが選択される。全プリント開始ボタン8Mが選択されると、設定されたプリント条件に従って、画像データによって表される画像を記録媒体にプリントするプリント処理が実行される。
【0081】
また、ユーザが何れかのプリント情報ボタン8J上に指をかざすと、指をかざしたプリント情報ボタン8Jが選択される。プリント情報ボタン8Jが選択されると、操作パネル15にプリント編集画面30Hが表示される。
図5に示すプリント編集画面30Hは、ユーザが「資料B.pdf」の画像データに対応したプリント情報ボタン8Jを選択した場合の表示例を表している。
【0082】
プリント編集画面30Hには、例えば、選択されたプリント情報ボタン8Jに対応する画像データを削除する削除ボタン8V、選択されたプリント情報ボタン8Jに対応する画像データのプリント条件を変更する変更ボタン8W、及び、選択されたプリント情報ボタン8Jに対応する画像データのみをプリントする個別プリント開始ボタン8Xが表示されている。
図5に示すプリント編集画面30Hでは、変更ボタン8Wの例として、プリントする部数の変更を行う変更ボタン8Wが表示されている。なお、例えば、プリントする画像の色といった他のプリント条件を変更する変更ボタン8Wもプリント編集画面30Hに表示されるが、図示を省略している。
【0083】
一方、ホーム画面30Bにおいて、ユーザがスキャンボタン8C上に指をかざすと、スキャンボタン8Cが選択される。スキャンボタン8Cが選択されると、操作パネル15にスキャン画面30Fが表示される。
【0084】
スキャン画面30Fには、スキャン条件を設定するスキャン設定ボタン8Nと、設定されたスキャン条件で原稿11の読み取りを開始するスキャン開始ボタン8Rが表示される。
【0085】
ユーザがスキャン設定ボタン8N上に指をかざすと、ユーザの操作位置6に対応したスキャン設定ボタン8Nが選択され、選択されたスキャン設定ボタン8Nに対応したスキャン条件の選択を行う選択画面(図示省略)が表示される。すなわち、ユーザは、コピー画面30Dからコピー条件を設定する操作と同じ要領で、スキャン設定ボタン8Nと対応付けられたスキャン条件の設定を行う。ユーザがスキャン開始ボタン8R上に指をかざすと、スキャン開始ボタン8Rが選択される。スキャン開始ボタン8Rが選択されると、設定されたスキャン条件に従って、原稿11の記載内容を画像データに変換するスキャン処理が実行される。
【0086】
一方、ホーム画面30Bにおいて、ユーザがナビゲーションバー9上に指をかざすと、ナビゲーションバー9が選択される。ナビゲーションバー9が選択されると、認証されたユーザのログアウト処理が行われ、画面30Cに示すように、ナビゲーションバー9にログアウトが完了したことを示す表示が行われる。
【0087】
ここまで、ユーザがボタン8上に指をかざすことでボタン8が選択される例について説明してきた。非接触操作の場合、指が操作パネル15に接しないため、指がふらつくことがある。したがって、領域内に操作位置6が含まれるからと言って、領域内に操作位置6が含まれるオブジェクトを単純にユーザが選択したオブジェクトとしてしまうと、指のふらつきに伴い、操作しようとしているオブジェクトの隣にある他のオブジェクトが誤って選択されることがある。また、操作しようとしているオブジェクト上まで指を移動させる過程において、指が操作対象ではない他のオブジェクト上を通過することがあるため、この場合においても他のオブジェクトが誤って選択されることがある。
【0088】
したがって、例えば、オブジェクト上で予め定めた時間(一定時間)に亘り継続して指がかざされた場合に、指がかざされたオブジェクトをユーザが意図的に選択したオブジェクトとして判定してもよい。換言すれば、操作パネル15において、ユーザの操作位置6が特定のオブジェクトの領域内に予め定めた時間(一定時間)に亘って留まり続けている場合に、ユーザが当該オブジェクトを選択したと判定される。なお、本実施形態では、上記予め定めた時間として3秒を適用している。しかし、この例に限られない。例えば、上記予め定めた時間として3秒以外の時間を適用してもよい。なお、操作位置6を検知する方法は、静電容量方式のタッチパネルである操作パネル15により検知する方法に限られない。例えば、操作位置6を検知する方法として、ToF(Time of Flight)カメラ等を用いた方法を適用してもよい。
【0089】
図6は、ユーザがホーム画面30Bにおいてオブジェクトの一例であるコピーボタン8Aを選択する選択例を示す図である。
【0090】
ユーザがコピーボタン8A上に指をかざすと、コピーボタン8Aの領域内で操作位置6が検知される。このように、アイコン画像の領域内で操作位置6が検知されていない状態から操作位置6が検知された状態に移行することを「選択開始」又は「ホバー」という。アイコン画像が選択開始の状態にある期間は、アイコン画像はまだ選択されていない。
【0091】
ユーザがコピーボタン8A上に指をかざし続け、検知された操作位置6がコピーボタン8Aの領域内に予め定めた時間(一定時間)に亘って留まり続けると、
図6に示すようにコピーボタン8Aが選択され、操作パネル15にコピー画面30Dが表示される。このように、アイコン画像の選択が確定することを「選択完了」又は「ホールド」という。また、アイコン画像の選択が完了することを、アイコン画像を選択したという。
【0092】
したがって、選択開始中にコピーボタン8A上から別の場所に指が移動すると、コピーボタン8Aに対する選択開始が解除される。このように、選択開始中にアイコン画像上から別の場所に指が移動してしまうことを「選択解除」という。アイコン画像に対する選択が解除された場合、ユーザは、選択解除されたアイコン画像上に改めて予め定めた時間(一定時間)に亘り指をかざし続けると、選択解除されたアイコン画像の選択が完了する。
【0093】
なお、コピー開始ボタン8Hが選択されるとコピー処理が実行されるように、画面30内のオブジェクトの各々には、オブジェクトが選択された場合に実行される処理が予め対応付けられている。オブジェクトには、どのような処理を実行するオブジェクトであるかをユーザに知らせるため、例えば、コピー開始ボタン8Hに「コピー」というような、オブジェクトを選択することで実行される処理の内容を示唆する情報が表示される。ユーザは、オブジェクトが選択された場合に実行される処理の内容を表す情報、すなわち、オブジェクトに対応付けられた項目を見ることで、オブジェクトがどのような処理を実行するオブジェクトであるかを把握する。このように、オブジェクトは、処理する内容を表す項目と対応付けられて画面30に表示される。したがって、各々のオブジェクトは、本実施形態に係る「画面に表示される項目」の一例である。
【0094】
次に、
図7を参照しながら、画像処理装置10の電気系統の要部構成について説明する。画像処理装置10は、例えば、コンピュータ40を用いて構成される。
【0095】
コンピュータ40では、CPU(Central Processing Unit)41、RAM(Random Access Memory)42、ROM(Read Only Memory)43、不揮発性メモリ44、及び入出力インタフェース(I/O)45がバス46を介して各々接続される。
【0096】
CPU41は、
図4に示した画像処理装置10の各機能部の処理を担うプロセッサの一例である。RAM42は、CPU41の一時的な作業領域として使用される記憶媒体の一例である。ROM43は、CPU41で実行される情報処理プログラムを記憶する記憶媒体の一例である。不揮発性メモリ44は、不揮発性メモリ44に供給される電力が遮断されても、記憶した情報が維持される記憶媒体の一例であり、例えば半導体メモリが用いられるがハードディスクを用いてもよい。不揮発性メモリ44は、必ずしもコンピュータ40に内蔵されている必要はなく、例えばメモリカードのようにコンピュータ40に着脱される記憶媒体であってもよい。
【0097】
I/O45には、例えば、原稿読み取りユニット12、画像形成ユニット14、入力ユニット31、表示ユニット32、及び通信ユニット33が接続される。
【0098】
原稿読み取りユニット12及び画像形成ユニット14は、既に説明した通りの動作を行う装置である。入力ユニット31は、ユーザの指示及びユーザIDを受け付けてCPU21に通知する装置であり、操作パネル15を構成するタッチパネル及びリーダー装置17は入力ユニット31の一例である。表示ユニット32は、CPU41によって処理された情報を視覚的に表示する装置であり、操作パネル15を構成するディスプレイは表示ユニット32の一例である。通信ユニット33は通信回線2に接続され、端末4と通信を行う通信プロトコルを備える。なお、I/O45に接続されるユニットは
図7に例示したユニットに限定されない。I/O45には、画像処理装置10が有する機能に応じて、機能の実現に必要となるユニットが接続される。
【0099】
ところで、上述したように、画面内のオブジェクトに対して接触操作を行うモードと非接触操作を行うモードとを切り替える場合、非接触操作に切り替えるために、画面内の特定のボタンに接触する必要があり、画面に接触することなく切り替えることが望まれている。
【0100】
このため、本実施形態に係る画像処理装置10では、画面内のオブジェクトに対して対象物による接触操作を行う第1画面を表示する第1モードと、非接触操作を行う第2画面を表示する第2モードとを、各モードに応じて画面に非接触の操作で切り替える。第2画面は、第1画面に対応し、かつ、第1画面とオブジェクトの表示形態が異なる画面である。以下では、第1モードを接触操作モードといい、第2モードを非接触操作モードという。
【0101】
この画像処理装置10は、複数のユーザによって共用で利用される場合があるが、例えば、衛生上の観点から、ユーザによっては別のユーザが触った画面をできるだけ触らずに操作したい場合がある、本実施形態によれば、接触操作モードと非接触操作モードとを、各モードに応じて画面に非接触の操作で切り替えることができるため、画面に触ることなく操作することが可能とされる。
【0102】
具体的に、本実施形態に係る画像処理装置10のCPU41は、ROM43に記憶されている情報処理プログラムをRAM42に書き込んで実行することにより、
図8に示す各部として機能する。
【0103】
図8は、本実施形態に係る画像処理装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0104】
図8に示すように、本実施形態に係る画像処理装置10のCPU41は、切替部41A、表示制御部41B、及び操作処理部41Cとして機能する。
【0105】
切替部41Aは、接触操作を行う第1画面を表示する接触操作モードと、非接触操作を行う第2画面を表示する非接触操作モードとを、各モードに応じて画面に非接触の操作で切り替える。
【0106】
表示制御部41Bは、切替部41Aにより接触操作モードに切り替えられた場合に、接触操作を行う第1画面を表示する制御を行い、一方、非接触操作モードに切り替えられた場合に、非接触操作を行う第2画面を表示する制御を行う。
【0107】
操作処理部41Cは、表示制御部41Bにより第1画面が表示された場合、第1画面に含まれるオブジェクトのうちユーザにより選択されたオブジェクトの処理内容を実行し、一方、第2画面が表示された場合、第2画面に含まれるオブジェクトのうちユーザにより選択されたオブジェクトの処理内容を実行する。
【0108】
次に、
図9~
図13を参照して、本実施形態に係る接触操作モードと非接触操作モードとを切り替える切替処理について具体的に説明する。
【0109】
図9は、本実施形態に係る接触操作モードと非接触操作モードとを切り替えるモード切替処理の説明に供する図である。なお、
図9において、第1ホーム画面51は第1画面の一例であり、第2ホーム画面52は第2画面の一例である。
【0110】
図9に示すように、第1ホーム画面51には、オブジェクトの一例として、コピーボタン51A、ファクシミリ(FAX)ボタン51B、及びメールボタン51Cが表示されている。第1ホーム画面51では、1ページに表示し切れないオブジェクトを、画面のスクロールによって表示させることが可能とされる。また、第1ホーム画面51には、モード切替ボタン51Dが表示される。モード切替ボタン51Dは、接触操作及び非接触操作を選択的に受け付けるモード切替領域の一例である。モード切替ボタン51Dを接触操作とするか、あるいは、非接触操作とするかは予め設定可能とされる。モード切替ボタン51Dが操作されると、第1ホーム画面51から第2ホーム画面52に切り替わる。
【0111】
第2ホーム画面52は、第1ホーム画面51に対応し、かつ、第1ホーム画面51とオブジェクトの表示形態が異なる画面である。第2ホーム画面52には、オブジェクトの一例として、コピーボタン52A、FAXボタン52B、及びメールボタン52Cが表示されている。また、第2ホーム画面52には、ページ切替ボタン52Dが表示される。ページ切替ボタン52Dは、オブジェクトを表示するページを切り替えるボタンである。コピーボタン52A、FAXボタン52B、及びメールボタン52Cの表示形態は、それぞれコピーボタン51A、FAXボタン51B、及びメールボタン51Cの表示形態と異なっている。
図9の例では、ボタンのサイズが異なっている。非接触操作では、接触操作と比較して、誤操作が発生し易いため、誤操作の発生を抑制するために、接触操作よりもボタンのサイズが大きいことが望ましい。
【0112】
ここで、操作モードの初期値は、例えば、装置管理者等によって接触操作モード及び非接触操作モードの何れかに設定される。ユーザ毎に操作モードの初期値を設定し、各ユーザのログイン時にユーザ毎の初期値を適用してもよい。操作モードを切り替える場合、
図9に示すように、切替部41Aは、画面に対して直交する方向において画面とユーザの指3との操作距離Dを検知し、操作距離Dが閾値以下の場合に、接触操作モードに切り替え、操作距離Dが閾値より大きい場合に、非接触操作モードに切り替える。例えば、ユーザの指3が画面に接触した場合、つまり、Z座標=0の場合、接触操作モードに切り替える。なお、閾値は、Z座標=0以外であってもよく、ユーザにより適切な値が設定される。
【0113】
切替部41Aは、操作モードの初期値から接触操作モード又は非接触操作モードに切り替えられた場合に、操作中は切り替えた一方のモードを他方のモードに切り替えることを禁止し、予め定められた解除条件を満たした場合に、モード切り替えの禁止を解除する。ここでいう解除条件としては、例えば、ユーザによる操作が一定時間検知されない等の条件が挙げられる。具体的に、一例として、オートクリアタイマによって直前の操作を起点として操作がない状態が一定時間カウントされた場合、ログアウトされた場合、節電モードに移行した場合等の条件が挙げられる。モード切り替えの禁止が解除された場合、現在の操作モードは解除され、例えば、操作モードの初期値に切り替わる。また、接触操作モード中に、モード切替ボタン51Dが接触操作又は非接触操作された場合に、非接触操作モードに切り替えるようにしてもよい。
【0114】
図10は、本実施形態に係る第2ホーム画面52の別の例を示す正面図である。
【0115】
図10に示す第2ホーム画面52には、コピーボタン52A、FAXボタン52B、メールボタン52C、及びページ切替ボタン52Dに加えて、更に、モード切替ボタン52Eが表示される。モード切替ボタン52Eは、上述の
図9に示すモード切替ボタン51Dと同様に、接触操作及び非接触操作を選択的に受け付けるモード切替領域の一例である。モード切替ボタン52Eが操作されると、第2ホーム画面52から第1ホーム画面51に切り替わる。
【0116】
また、切替部41Aは、非接触操作モード中に、ユーザの指3が第2ホーム画面52に接近する操作を検知した場合、接触操作モードに切り替えるようにしてもよい。ここでいう接近する操作は、
図11に示すように、一定方向に移動する操作である。
【0117】
図11は、本実施形態に係る非接触操作モードから接触操作モードに切り替えるモード切替処理の説明に供する図である。
【0118】
図11の(S1)では、非接触操作モードで第2ホーム画面50を表示させて、ユーザの指3が第2ホーム画面52から操作距離Dだけ離れた位置で非接触操作を行う。
【0119】
(S2)では、ユーザの指3が第2ホーム画面52に向けて一定方向に接近するように、つまり、操作距離Dが一定方向に短くなるように移動させる。
【0120】
(S3)では、非接触操作モード中に、ユーザの指3が第2ホーム画面52に接近する操作を検知すると、接触操作モードに切り替え、第1ホーム画面51を表示させる。
【0121】
つまり、非接触操作モードから接触操作モードに切り替える場合は、非接触操作モードの第2ホーム画面52の上方からユーザの指3を第2ホーム画面52に近づける操作(Z軸方向にユーザの指3を移動させる操作)を行い、操作モードを切り替える。この場合、Z軸方向へユーザの指3を移動する操作は第2ホーム画面52を操作するのではなく、操作モードを切り替える操作と認識する必要があるため、ユーザの指3が示す座標である操作座標を無視する。ただし、非接触操作モードでのタップ操作(少量のZ座標の変化)を実現する際は、一定の座標変化をユーザ操作とみなしてもよい。また、上述の
図10に示すように、非接触操作モードの第2ホーム画面52上にモード切替ボタン52Eを用意し、一定時間滞留させる操作により操作モードを切り替えてもよい。
【0122】
また、切替部41Aは、
図12に示すように、接触操作モード中に、ユーザの指3が第1ホーム画面51のモード切替ボタン51D上に非接触で一定時間滞留する操作を検知した場合に、非接触操作モードに切り替えるようにしてもよい。
【0123】
図12は、本実施形態に係る接触操作モードから非接触操作モードに切り替えるモード切替処理の説明に供する図である。
【0124】
図12に示すように、接触操作モードから非接触操作モードに切り替える場合は、接触操作モードの第1ホーム画面51に配置されたモード切替ボタン51D上で、ユーザの指3を一定時間滞留させる操作を行うことで、非接触操作モードに切り替え、第2ホーム画面52を表示させる。但し、切替部41Aは、接触操作モード中に、ユーザの指3がモード切替ボタン51Dに接触する操作を検知した場合に、非接触操作モードに切り替えてもよい。また、誤操作を防止するために、ユーザの指3がモード切替ボタン51Dに接触した場合、接触操作を無視するようにしてもよい。
【0125】
また、
図13に示すように、第1ホーム画面51にモード切替ボタン51Dを用意しなくてもよい。この場合、切替部41Aは、接触操作モード中に、ユーザの指3が非接触で第1ホーム画面51に対する予め決められた操作を検知した場合、非接触操作モードに切り替える。
【0126】
図13は、本実施形態に係る接触操作モードから非接触操作モードに切り替える別のモード切替処理の説明に供する図である。
【0127】
図13に示すように、例えば、ユーザの指3が非接触状態で第1ホーム画面51上を横切る操作を検知した場合に、接触操作モードから非接触操作モードに切り替えるようにしてもよい。但し、第1ホーム画面51に対する予め決められた操作は、第1ホーム画面51上を横切る操作に限定されない。
【0128】
また、切替部41Aは、
図14に示すように、接触操作モード又は非接触操作モードに切り替えた場合に、切替前のモードで設定された設定値を、切替後のモードに引き継ぐようにしてもよい。
【0129】
図14は、本実施形態に係るモード間での設定値引き継ぎ処理の説明に供する図である。
【0130】
図14の(S11)では、非接触操作モードの第2ホーム画面52が表示される。第2ホーム画面52では、ユーザの指3によってコピーボタン52Aが非接触で操作される。
【0131】
(S12)では、コピーボタン52Aに応じて、非接触操作モードのコピー設定画面53が表示される。コピー設定画面53では、カラーモードボタン53A、用紙トレイボタン53B、両面/片面設定ボタン53C、及びページ切替ボタン53Dが表示される。コピー設定画面53では、ユーザの指3によってカラーモードボタン53Aが非接触で操作される。
【0132】
(S13)では、カラーモードボタン53Aに応じて、非接触操作モードのカラーモード設定画面54が表示される。カラーモード設定画面54では、自動ボタン54A、カラーボタン54B、及び白黒ボタン54Cが表示される。カラーモード設定画面54では、ユーザの指3によって白黒ボタン54Cが非接触で操作される。
【0133】
(S14)では、白黒ボタン54Cに応じて、非接触操作モードのコピー設定画面53が表示される。コピー設定画面53では、上記(S12)と同様に、カラーモードボタン53A、用紙トレイボタン53B、両面/片面設定ボタン53C、及びページ切替ボタン53Dが表示されるが、カラーモードの設定値が「自動」から「白黒」に変更されている。このとき、操作モードを接触操作モードに切り替える。
【0134】
(S15)では、非接触操作モードのコピー設定画面53に応じて、接触操作モードのコピー設定画面55が表示される。接触操作モードのコピー設定画面55では、コピー設定ボタン55A、各種設定ボタン55B、及びモード切替ボタン55Cが表示される。接触操作モードのコピー設定ボタン55Aでは、非接触操作モードで設定された「白黒」がそのまま引き継がれている。
【0135】
次に、
図15を参照して、本実施形態に係る画像処理装置10の作用を説明する。
【0136】
図15は、本実施形態に係る情報処理プログラムによるモード切替処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図15の例では、非接触操作モードから接触操作モードに切り替える場合について説明する。
【0137】
まず、操作パネル15におけるモード切替処理の実行が指示されると、CPU41により情報処理プログラムが起動され、以下の各ステップを実行する。
【0138】
図15のステップS101では、CPU41が、非接触操作モードの第2ホーム画面52において座標変化を検知し、一例として、上述の
図11に示すように、ユーザの指3のXY座標が操作パネル15内にあるか否かを判定する。ユーザの指3のXY座標が操作パネル15内にあると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS102に移行し、ユーザの指3のXY座標が操作パネル15内にないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS108に移行する。
【0139】
ステップS102では、CPU41が、ユーザの指3のZ座標が前回のZ座標から変化しているか否かを判定する。ユーザの指3のZ座標が前回のZ座標から変化していると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS103に移行し、ユーザの指3のZ座標が前回のZ座標から変化していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS108に移行する。
【0140】
ステップS103では、CPU41が、ユーザの指3のZ座標が前回のZ座標以上であるか否かを判定する。ユーザの指3のZ座標が前回のZ座標以上であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS104に移行し、ユーザの指3のZ座標が前回のZ座標未満であると判定した場合(否定判定の場合)、ステップS105に移行する。
【0141】
ステップS104では、CPU41が、非接触操作モードの画面操作を実行し、ステップS108に移行する。
【0142】
一方、ステップS105では、CPU41が、ユーザの指3のZ座標が一定方向に変化しているか否かを判定する。ユーザの指3のZ座標が一定方向に変化していると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS106に移行し、ユーザの指3のZ座標が一定方向に変化していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS104に移行する。
【0143】
ステップS106では、CPU41が、ユーザの指3のZ座標=0であるか否かを判定する。ユーザの指3のZ座標=0であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS107に移行し、ユーザの指3のZ座標=0ではないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS108に移行する。
【0144】
ステップS107では、CPU41が、接触操作モードに切り替え、第1ホーム画面51を表示させ、本情報処理プログラムによるモード切替処理を終了する。
【0145】
ステップS108では、CPU41が、操作パネル15の座標変化待ち状態とし、ステップS109に移行する。
【0146】
ステップS109では、CPU41が、終了タイミングが到来したか否かを判定し、終了タイミングが到来していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS101に戻り処理を繰り返し、終了タイミングが到来したと判定した場合(肯定判定の場合)、本情報処理プログラムによるモード切替処理を終了する。なお、ここでいう終了タイミングとは、例えば、電源がオフされた場合、スリープモードに移行した場合等が想定される。
【0147】
このように本実施形態によれば、接触操作モードと非接触操作モードとを、各モードに応じて画面に非接触の操作で切り替えることができる。このため、画面にできるだけ触りたくないユーザであっても非接触の操作でモードを切り替えることが可能とされる。
【0148】
なお、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0149】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0150】
以上、実施形態に係る情報処理装置として画像処理装置を例示して説明した。実施形態は、情報処理装置の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、これらのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体の形態としてもよい。
【0151】
その他、上記実施形態で説明した情報処理装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0152】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0153】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【0154】
以上の実施形態に関し、更に以下を開示する。
【0155】
(((1)))に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサが、画面内のオブジェクトに対して対象物による接触操作を行う第1画面を表示する第1モードと、非接触操作を行う第2画面であって、前記第1画面に対応し、かつ、前記第1画面とオブジェクトの表示形態が異なる前記第2画面を表示する第2モードとを、各モードに応じて前記画面に非接触の操作で切り替える。
【0156】
(((2)))に係る情報処理装置は、(((1)))に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記画面に対して直交する方向において前記画面と前記対象物との距離を検知し、前記距離が閾値以下の場合に、前記第1モードに切り替え、前記距離が前記閾値より大きい場合に、前記第2モードに切り替える。
【0157】
(((3)))に係る情報処理装置は、(((2)))に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記第1モード又は前記第2モードに切り替えた場合に、操作中は切り替えた一方のモードを他方のモードに切り替えることを禁止し、予め定められた解除条件を満たした場合に、モード切り替えの禁止を解除する。
【0158】
(((4)))に係る情報処理装置は、(((1)))に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記第2モード中に、前記対象物が前記画面に接近する操作を検知した場合、前記第1モードに切り替える。
【0159】
(((5)))に係る情報処理装置は、(((4)))に係る情報処理装置において、前記接近する操作が、一定方向に移動する操作である。
【0160】
(((6)))に係る情報処理装置は、(((1)))~(((5)))の何れか1に係る情報処理装置において、前記第1画面が、接触操作及び非接触操作を選択的に受け付けるモード切替領域を含み、前記プロセッサが、前記第1モード中に、前記対象物が前記モード切替領域上に非接触で一定時間滞留する操作を検知した場合に、前記第2モードに切り替える。
【0161】
(((7)))に係る情報処理装置は、(((6)))に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記第1モード中に、前記対象物が前記モード切替領域に接触する操作を検知した場合、前記第2モードに切り替える。
【0162】
(((8)))に係る情報処理装置は、(((1)))~(((5)))の何れか1に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記第1モード中に、前記対象物が非接触で前記画面に対する予め決められた操作を検知した場合、前記第2モードに切り替える。
【0163】
(((9)))に係る情報処理装置は、(((1)))~(((8)))の何れか1に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記第1モード又は前記第2モードに切り替えた場合に、切替前のモードで設定された設定値を、切替後のモードに引き継ぐ。
【0164】
(((10)))に係る情報処理プログラムは、画面内のオブジェクトに対して対象物による接触操作を行う第1画面を表示する第1モードと、非接触操作を行う第2画面であって、前記第1画面に対応し、かつ、前記第1画面とオブジェクトの表示形態が異なる前記第2画面を表示する第2モードとを、各モードに応じて前記画面に非接触の操作で切り替えることを、コンピュータに実行させる。
【0165】
(((1)))及び(((10)))によれば、画面内のオブジェクトに対して接触操作を行うモードと非接触操作を行うモードとを、画面に接触することなく、切り替えることができる、という効果を有する。
【0166】
(((2)))によれば、画面からの距離に応じてモードを切り替えることができる、という効果を有する。
【0167】
(((3)))によれば、モード切り替えの禁止、及び、モード切り替えの禁止の解除を行うことができる、という効果を有する。
【0168】
(((4)))によれば、接近する操作によって第2モードから第1モードに切り替えることができる、という効果を有する。
【0169】
(((5)))によれば、一定方向に移動する操作によって第2モードから第1モードに切り替えることができる、という効果を有する。
【0170】
(((6)))によれば、モード切替領域の非接触操作によって第1モードから第2モードに切り替えることができる、という効果を有する。
【0171】
(((7)))によれば、モード切替領域の接触操作によって第1モードから第2モードに切り替えることができる、という効果を有する。
【0172】
(((8)))によれば、モード切替領域がない場合であっても第1モードから第2モードに切り替えることができる、という効果を有する。
【0173】
(((9)))によれば、切替前のモードの設定値を切替後のモードに引き継ぐことができる、という効果を有する。
【符号の説明】
【0174】
1 情報処理システム
2 通信回線
3 ユーザの指
4 端末
6 操作位置
8 ボタン
8A コピーボタン
8B プリントボタン
8C スキャンボタン
9 ナビゲーションバー
10 画像処理装置
11 原稿
12 原稿読み取りユニット
13 操作表示ユニット
14 画像形成ユニット
15 操作パネル
20 制御部
21 受付部
22 表示部
23 原稿読み取り部
24 画像形成部
30 画面
30B ホーム画面
31 入力ユニット
32 表示ユニット
33 通信ユニット
40 コンピュータ
41 CPU
41A 切替部
41B 表示制御部
41C 操作処理部
42 RAM
43 ROM
44 不揮発性メモリ
45 I/O
51 第1ホーム画面
52 第2ホーム画面