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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034015
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】表示ドライバ及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
G09G3/20 623B
G09G3/20 623F
G09G3/20 612F
G09G3/20 641Q
G09G3/20 623R
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138000
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 文也
(72)【発明者】
【氏名】金 英基
【テーマコード(参考)】
5C080
【Fターム(参考)】
5C080AA06
5C080AA10
5C080CC03
5C080EE29
5C080GG11
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
(57)【要約】
【目的】消費電力の低減を図ることが可能な表示ドライバ及び当該表示ドライバを含む表示装置を提供することを目的とする。
【構成】本発明は、第1の電位を一端で受けると共に第1の電位よりも高い第2の電位を他端で受けることで、第1及び第2の電位間の電圧を複数に分圧した複数の電圧を生成する第1のラダー抵抗と、第1の電位を一端で受け、第2の電位を他端で受けると共に、第1のラダー抵抗で生成された複数の電圧のうちの一部の複数の電圧の各々を自身の抵抗同士の接続点で受けることで複数の階調基準電圧を生成する第2のラダー抵抗と、第1~第kのガンマ補正特性に夫々対応した第1~第kの直流ボトム電位を個別に増幅して第1~第kの増幅ボトム電位を生成する第1~第kの入力アンプと、第1~第kの増幅ボトム電位のうちの1つを順に選択し、これを上記第1の電位として第1のラダー抵抗の一端に供給する第1のセレクタと、を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータ線の各々に複数の表示セルが接続されている表示パネルを、映像信号にて示される輝度レベルを表す複数の画素データ片に基づき駆動する表示ドライバであって、
互いに異なる色成分に対する第1~第k(kは2以上の整数)のガンマ補正特性に沿った複数の階調基準電圧を生成する階調基準電圧生成部と、
前記複数の画素データ片の各々毎に、前記複数の階調基準電圧のうちから前記画素データ片にて表される輝度レベルに対応した階調基準電圧を選択しこれを階調電圧として出力するDA変換部と、を含み、
前記階調基準電圧生成部は、
第1の電位を一端で受けると共に前記第1の電位よりも高い第2の電位を他端で受けることで、前記第1の電位及び前記第2の電位間の電圧を複数に分圧した複数の電圧を生成する第1のラダー抵抗と、
前記第1の電位を一端で受け、前記第2の電位を他端で受けると共に、前記複数の電圧のうちの一部の複数の電圧の各々を自身の抵抗同士の接続点で受けることで前記複数の階調基準電圧を生成する第2のラダー抵抗と、
前記第1~第kのガンマ補正特性に夫々対応した第1~第kの直流ボトム電位を受け、前記第1~第kの直流ボトム電位を個別に増幅して第1~第kの増幅ボトム電位を出力する第1~第kの入力アンプと、
前記第1~第kの増幅ボトム電位を受け、前記第1~第kの増幅ボトム電位のうちの1の増幅ボトム電位を順に選択し、選択した前記1の増幅ボトム電位を前記第1の電位として前記第1のラダー抵抗の前記一端に供給する第1のセレクタと、を含むことを特徴とする表示ドライバ。
【請求項2】
前記第1~第kの増幅ボトム電位を受け、前記第1~第kの増幅ボトム電位のうちの1の増幅ボトム電位を順に選択し、選択した前記1の増幅ボトム電位を前記第1の電位として前記第2のラダー抵抗の前記一端に供給する第2のセレクタと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示ドライバ
【請求項3】
前記映像信号における各水平走査期間を複数に区切った複数の期間毎に、前記第1のセレクタ及び前記第2のセレクタが前記第1~第kの増幅ボトム電位のうちから選択する前記1の増幅ボトム電位を他の増幅ボトム電位に切り替えるように前記第1のセレクタ及び第2のセレクタを制御する切換制御部を含むことを特徴とする請求項2に記載の表示ドライバ。
【請求項4】
前記第2のセレクタが前記第1~第kの増幅ボトム電位のうちから選択する前記第1の増幅ボトム電位は、前記第1のセレクタが前記第1~第kの増幅ボトム電位のうちから選択する前記第1の増幅ボトム電位と同一であることを特徴とする請求項2又は3に記載の表示ドライバ。
【請求項5】
前記第1のセレクタが選択した前記1の増幅ボトム電位を前記第1のラダー抵抗の一端に供給する配線と、前記第2のセレクタが選択した前記1の増幅ボトム電位を前記第2のラダー抵抗の一端に供給する配線とは、互いに電気的に分離していることを特徴とする請求項4に記載の表示ドライバ。
【請求項6】
前記kは3であり、
前記第1のガンマ補正特性は、赤色成分に対するガンマ補正特性であり、第2のガンマ補正特性は、緑色成分に対するガンマ補正特性であり、第3のガンマ補正特性は、青色成分に対するガンマ補正特性であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1に記載の表示ドライバ。
【請求項7】
複数のデータ線の各々に複数の表示セルが接続されている表示パネルと、映像信号にて示される輝度レベルを表す複数の画素データ片に基づき前記表示パネルを駆動する表示ドライバと、を含む表示装置であって、
前記表示ドライバは、
互いに異なる色成分に対する第1~第k(kは2以上の整数)のガンマ補正特性に沿った複数の階調基準電圧を生成する階調基準電圧生成部と、
前記複数の画素データ片の各々毎に、前記複数の階調基準電圧のうちから前記画素データ片にて表される輝度レベルに対応した階調基準電圧を選択しこれを階調電圧として出力するDA変換部と、を含み、
前記階調基準電圧生成部は、
第1の電位を一端で受けると共に前記第1の電位よりも高い第2の電位を他端で受けることで、前記第1の電位及び前記第2の電位間の電圧を複数に分圧した複数の電圧を生成する第1のラダー抵抗と、
前記第1の電位を一端で受け、前記第2の電位を他端で受けると共に、前記複数の電圧のうちの一部の複数の電圧の各々を自身の抵抗同士の接続点で受けることで前記複数の階調基準電圧を生成する第2のラダー抵抗と、
前記第1~第kのガンマ補正特性に夫々対応した第1~第kの直流ボトム電位を受け、前記第1~第kの直流ボトム電位を個別に増幅して第1~第kの増幅ボトム電位を出力する第1~第kの入力アンプと、
前記第1~第kの増幅ボトム電位を受け、前記第1~第kの増幅ボトム電位のうちの1の増幅ボトム電位を順に選択し、選択した前記1の増幅ボトム電位を前記第1の電位として前記第1のラダー抵抗の前記一端に供給する第1のセレクタと、を含むことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号に応じて表示パネルを駆動する表示ドライバ及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶又は有機EL表示装置として、複数の走査線と複数の信号線(以下、データ線と称する)との各交叉部に表示セルが形成されている表示パネルと、この表示パネルの複数のデータ線を駆動する表示ドライバと、を有するものが一般的に知られている。
【0003】
表示ドライバには、映像信号に基づく各画素の輝度レベルを表す画素データ片をその輝度レベルに対応した電圧値を有する階調電圧に変換するDA変換部と、複数の階調電圧を夫々増幅した駆動電圧を表示デバイスの複数のデータ線に供給する複数の出力アンプと、が含まれている。
【0004】
DA変換部は、各データ線に対応して設けられた複数のDA変換回路からなる。
【0005】
ここで、当該表示ドライバのDA変換部に含まれるDA変換回路の各々として、ラダー抵抗型を採用したものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1に記載のDA変換回路では、ラダー抵抗の複数のタップから出力される複数の電圧(基準電圧と称する)のうちから、画素データ片が示す輝度レベルに対応した電圧を選択し、これを階調電圧として出力している。
【0007】
この際、各DA変換回路では、表示セルが担う色(赤、緑、青)毎に、その色に対応したガンマ特性に沿った電圧値を有する階調電圧を生成する必要がある。
【0008】
そこで、特許文献1に記載のDA変換部では、赤色のガンマ特性に沿った複数の基準電圧のうちの最大の基準電圧(Vref-R)を、対応するDA変換回路の各々に含まれるラダー抵抗の一端に印加する。また、同様に、緑色のガンマ特性に沿った複数の基準電圧のうちの最大の基準電圧(Vref-G)を、対応するDA変換回路の各々に含まれるラダー抵抗の一端に印加する。更に、青色のガンマ特性に沿った複数の基準電圧のうちの最大の基準電圧(Vref-B)を、対応するDA変換回路の各々に含まれるラダー抵抗の一端に印加する。
【0009】
ところで、生成した基準電圧(Vref-R)、(Vref-G)及び(Vref-B)を個別にDA変換回路群に供給するには、夫々に対応した3系統のドライバが必要となり、装置規模が大きくなってしまう。
【0010】
そこで、特許文献1では、生成した基準電圧(Vref-R)、(Vref-G)及び(Vref-B)を水平走査期間内で順に切り替えるスイッチ(35)を設け、このスイッチの出力を1本の配線を介して全てのDA変換回路各々のラダー抵抗の一端に供給する構成(図15)を採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2005-148679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1の図15に示すようにスイッチ(35)の出力を単一の配線を介して全てのDA変換回路に供給するためには、実際には、スイッチ(35)の出力及び単一の配線間にアンプを設ける必要がある。
【0013】
しかしながら、スイッチ(35)の基準電圧の切替に追従して当該アンプの出力が安定するまでには、スイッチ(35)の素子遅延に、アンプの応答遅延が付加された遅延時間を要する。よって、近年の大画面及び高精細表示に対応するにはアンプのスルーレートを高くする必要があり、消費電力が増加するという問題があった。
【0014】
そこで、本発明は、消費電力の低減を図ることが可能な表示ドライバ及び当該表示ドライバを含む表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る表示ドライバは、複数のデータ線の各々に複数の表示セルが接続されている表示パネルを、映像信号にて示される輝度レベルを表す複数の画素データ片に基づき駆動する表示ドライバであって、互いに異なる色成分に対する第1~第k(kは2以上の整数)のガンマ補正特性に沿った複数の階調基準電圧を生成する階調基準電圧生成部と、前記複数の画素データ片の各々毎に、前記複数の階調基準電圧のうちから前記画素データ片にて表される輝度レベルに対応した階調基準電圧を選択しこれを階調電圧として出力するDA変換部と、を含み、前記階調基準電圧生成部は、第1の電位を一端で受けると共に前記第1の電位よりも高い第2の電位を他端で受けることで、前記第1の電位及び前記第2の電位間の電圧を複数に分圧した複数の電圧を生成する第1のラダー抵抗と、前記第1の電位を一端で受け、前記第2の電位を他端で受けると共に、前記複数の電圧のうちの一部の複数の電圧の各々を自身の抵抗同士の接続点で受けることで前記複数の階調基準電圧を生成する第2のラダー抵抗と、前記第1~第kのガンマ補正特性に夫々対応した第1~第kの直流ボトム電位を受け、前記第1~第kの直流ボトム電位を個別に増幅して第1~第kの増幅ボトム電位を出力する第1~第kの入力アンプと、前記第1~第kの増幅ボトム電位を受け、前記第1~第kの増幅ボトム電位のうちの1の増幅ボトム電位を順に選択し、選択した前記1の増幅ボトム電位を前記第1の電位として前記第1のラダー抵抗の前記一端に供給する第1のセレクタと、を含む。
【0016】
また、本発明に係る表示装置は、複数のデータ線の各々に複数の表示セルが接続されている表示パネルと、映像信号にて示される輝度レベルを表す複数の画素データ片に基づき前記表示パネルを駆動する表示ドライバと、を含む表示装置であって、前記表示ドライバは、互いに異なる色成分に対する第1~第k(kは2以上の整数)のガンマ補正特性に沿った複数の階調基準電圧を生成する階調基準電圧生成部と、前記複数の画素データ片の各々毎に、前記複数の階調基準電圧のうちから前記画素データ片にて表される輝度レベルに対応した階調基準電圧を選択しこれを階調電圧として出力するDA変換部と、を含み、前記階調基準電圧生成部は、第1の電位を一端で受けると共に前記第1の電位よりも高い第2の電位を他端で受けることで、前記第1の電位及び前記第2の電位間の電圧を複数に分圧した複数の電圧を生成する第1のラダー抵抗と、前記第1の電位を一端で受け、前記第2の電位を他端で受けると共に、前記複数の電圧のうちの一部の複数の電圧の各々を自身の抵抗同士の接続点で受けることで前記複数の階調基準電圧を生成する第2のラダー抵抗と、前記第1~第kのガンマ補正特性に夫々対応した第1~第kの直流ボトム電位を受け、前記第1~第kの直流ボトム電位を個別に増幅して第1~第kの増幅ボトム電位を出力する第1~第kの入力アンプと、前記第1~第kの増幅ボトム電位を受け、前記第1~第kの増幅ボトム電位のうちの1の増幅ボトム電位を順に選択し、選択した前記1の増幅ボトム電位を前記第1の電位として前記第1のラダー抵抗の前記一端に供給する第1のセレクタと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、ラダー抵抗の一端に第1の電位を印加すると共にこのラダー抵抗の他端に、当該第1の電位より高い第2の電位を印加することで、DA変換用の複数の階調基準電圧を生成するにあたり、上記した第1の電位の値を以下の構成で切り替えることで、γ補正特性の切替を行っている。
【0018】
すなわち、各色成分に夫々対応した複数の直流ボトム電位を複数の入力アンプで増幅し、得られた複数の増幅ボトム電位をセレクタに供給する。セレクタは、複数の増幅ボトム電位のうちの1つを順に選択し、選択した1つの増幅ボトム電位を上記第1の電位としてラダー抵抗の一端に供給する。
【0019】
この際、入力アンプの各々に入力される各色成分に対応した直流ボトム電位は一定である。よって、入力アンプ各々の応答遅延は実質的にゼロとなるので、セレクタの切替が開始されてから、このセレクタから出力される電位の値が安定するまでに要する遅延時間は、当該セレクタ自身の素子遅延だけとなる。
【0020】
したがって、セレクタの後段に入力アンプが必要となる構成、つまり、セレクタの切替が開始されてから入力アンプの出力が安定するまでに、セレクタ自身の素子遅延にアンプの応答遅延を加えた時間を要する構成に比べて高速応答が可能となる。
【0021】
よって、本発明によれば、入力アンプのスルーレートを抑えることで、画質劣化を生じさせることなく消費電力の低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る表示ドライバを含む表示装置100の構成を示すブロック図である。
図2】データドライバ12の内部構成を示すブロック図である。
図3】データドライバ12及び表示パネル20の各々内から駆動信号G1~G4に関与する回路ブロックを抜粋して示すブロック図である。
図4A】階調基準電圧生成回路131におけるγ補正特性の切替動作を示すタイムチャートである。
図4B】階調基準電圧生成回路132におけるγ補正特性の切替動作を示すタイムチャートである。
図5】階調基準電圧生成回路131(132)の内部構成の一例を示す回路図である。
図6】階調基準電圧生成回路131(132)の他の構成としての階調基準電圧生成回路131A(132A)の内部構成の一例を示す回路図である。
図7A】階調基準電圧生成回路131Aにおけるγ補正特性の切替動作を示すタイムチャートである。
図7B】階調基準電圧生成回路132Aにおけるγ補正特性の切替動作を示すタイムチャートである。
図8】RGBストライプ配列を有する表示パネル20を駆動する場合に採用されるデータドライバ12及び表示パネル20の内部構成の一例を示すブロック図である。
図9図9に示す階調基準電圧生成回路131Aにおけるγ補正特性の切替動作を示すタイムチャートである。
図10】階調基準電圧生成回路131Bの内部構成を示す回路図である。
図11】階調基準電圧生成回路(131A、132A、131B)の他の構成としての階調基準電圧生成回路131Cの内部構成を示す回路図である
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例0024】
図1は、本発明に係る表示ドライバを含む表示装置100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、表示装置100は、表示制御部10、走査ドライバ11、データドライバ12、及び表示パネル20を含む。
【0025】
表示制御部10は、水平同期信号を含むと共に赤色、緑色及び青色の色成分毎に各画素の輝度レベルを表す映像信号VSを受ける。表示制御部10は、当該映像信号VSに含まれる水平同期信号に応じて走査信号を生成しこれを走査ドライバ11に供給する。更に、表示制御部10は、映像信号VSに基づき、赤色、緑色及び青色毎にその輝度レベルを例えば8ビットで表す画素データ片の系列を含む映像データ信号PDを、データドライバ12に供給する。
【0026】
走査ドライバ11は、表示制御部10から供給された走査信号に応じて走査パルスを生成し、これを表示パネル20に形成されている水平走査ラインS1~Snに順次択一的に印加する。
【0027】
データドライバ12は、単一又は複数の半導体ICに形成されている。データドライバ12は、上記した映像データ信号PDに基づき、当該映像データ信号PDに含まれる画素データ片の各々を、その輝度レベルに対応した電圧値を有する駆動信号G1~Gy(yは2以上でありm/2以下の整数)に変換し、夫々を表示パネル20に出力する。
【0028】
更に、データドライバ12は、映像データ信号PDに含まれる水平同期信号に基づき、水平走査期間毎に、その水平走査期間を2又は3つに区切った各期間でγ補正特性の切り替えを指示するγ特性切替信号SAを生成し、これを表示パネル20に出力する。
【0029】
表示パネル20は、ペンタイル配列の有機EL表示パネル、又はRGBストライプ配列の液晶表示パネルである。
【0030】
表示パネル20は、デマルチプレクサ部200と、2次元画面の水平方向に伸張するn(nは2以上の整数)個の水平走査ラインS1~Snと、2次元画面の垂直方向に伸張するm(mは2以上の整数)個のデータ線D1~Dmと、を含む。水平走査ライン及びデータ線の交叉部の領域(円で囲む領域)には、例えば赤色表示を担う赤表示セル、緑色表示を担う緑表示セル又は青色表示を担う青表示セルなど、カラー表示に必要な色成分ごとの表示セルが形成されている。
【0031】
デマルチプレクサ部200は、データドライバ12から出力された駆動信号G1~Gy及びγ特性切替信号SAを受ける。デマルチプレクサ部200は、γ特性切替信号SAに基づき、データドライバ12から出力された駆動信号G1~Gyをデータ線D1~Dmのうちのy個のデータ線に供給する。例えば、デマルチプレクサ部200は、γ特性切替信号SAが水平走査期間の前半期間を表す場合には、駆動信号G1~Gyを、データ線D1~Dmのうちの奇数番目のデータ線の各々に供給する。一方、γ特性切替信号SAが水平走査期間の後半期間を表す場合には、駆動信号G1~Gyを、データ線D1~Dmのうちの偶数番目のデータ線の各々に供給する。
【0032】
図2は、データドライバ12の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図2に示すように、データドライバ12は、出力切換制御部120、データ取込部121、DA変換部122及び出力部123を含む。
【0034】
出力切換制御部120は、映像信号VSに含まれる水平同期信号に基づき、各水平走査期間毎にその水平走査期間内の前半期間であるのか後半期間であるのかを示すγ特性切替信号SAを生成する。そして、出力切換制御部120は、当該γ特性切替信号SAをDA変換部122に供給すると共に表示パネル20(デマルチプレクサ部200)に出力する。更に、出力切換制御部120は、水平同期信号に基づき、1水平走査期間毎に論理レベル1又は0の状態が交互に切り替わる水平走査切替信号HSを生成し、これを出力部123に供給する。
【0035】
データ取込部121は、映像データ信号PDを受け、当該映像データ信号PDに含まれる画素データ片の系列を取り込む。データ取込部121は、取り込んだ画素データ片を1水平走査期間毎にy(yは2以上でありm/2以下の整数)個ずつを、画素データU1~UyとしてDA変換部122に供給する。
【0036】
DA変換部122は、画素データU1~Uyの各々を、その画素データによって示される輝度レベルを有し且つ色(赤、緑、青)毎のγ補正特性に沿った電圧値を有する階調電圧E1~Eyに変換し、夫々を出力部123に供給する。この際、DA変換部122は、γ特性切替信号SAに基づき、各水平走査期間を2つ又は3つに区切った分割期間毎に、γ補正特性の切替を行う。
【0037】
出力部123は、DA変換部122から供給された階調電圧E1~Eyを個別に増幅して得られた信号群を、駆動信号G1~Gyとして出力する。尚、出力部123は、水平走査切替信号HSに基づき、階調電圧E1~Eyと駆動信号G1~Gyとの対応関係を変更する。例えば、出力部123は、水平走査切替信号HSが論理レベル0を表している間は、階調電圧E1~Eyを夫々増幅したものが駆動信号G1~Gyとなる。一方、水平走査切替信号HSが論理レベル1を表している間は、階調電圧E1~Eyのうちの奇数番目の階調電圧E1、E3、E5、・・・が、夫々駆動信号G1~Gyのうちの偶数番目の駆動信号G2、G4、G6、・・・となり、偶数番目の階調電圧E2、E4、E6、・・・が、夫々奇数番目の駆動信号G1、G3、G5、・・・となる。
【0038】
図3は、表示パネル20がペンタイル配列の有機EL表示パネルである場合における、データドライバ12の内部構成の一部を表すブロック図である。
【0039】
尚、図3では、データドライバ12の駆動信号G1~GyのうちからG1~G4に対応した4つの出力チャネルに関与する構成のみを抜粋して示している。
【0040】
DA変換部122には、図3に示すように、ペンタイル配列における最小グループ構成の4個のデコーダDE1~DE4と、階調基準電圧生成部130とが含まれている。なお、図3では、図面の都合上、DA変換部122、出力部123及びデマルチプレクサ部200の内部構成として、最小グループ構成に関与するものだけを示すが、実際には、出力切換制御部120及び階調基準電圧生成部130を除き、当該最小グループ構成を整数倍に拡張した構成となっている。
【0041】
階調基準電圧生成部130は、出力切換制御部120から供給されたγ特性切替信号SAを受ける、階調基準電圧生成回路131及び132を含む。
【0042】
階調基準電圧生成回路131は、γ特性切替信号SAに従って、赤色のγ補正特性に沿った電圧値を有する256階調分の階調基準電圧群、及び緑色のγ補正特性に沿った電圧値を有する256階調分の階調基準電圧群のうちの一方を生成する。そして、階調基準電圧生成回路131は、生成した階調基準電圧群を階調基準電圧VRG1~VRG256として、デコーダDE1~DE4のうちの奇数番目のデコーダDE1及びDE3に供給する。
【0043】
階調基準電圧生成回路132は、γ特性切替信号SAに従って、青色のγ補正特性に沿った電圧値を有する256階調分の階調基準電圧群、及び緑色のγ補正特性に沿った電圧値を有する256階調分の階調基準電圧群のうちの一方を生成する。そして、階調基準電圧生成回路132は、生成した階調基準電圧群を階調基準電圧VBG1~VBG256として、デコーダDE1~DE4のうちの偶数番目のデコーダDE2及びDE4に供給する。
【0044】
デコーダDE1(DE3)は、階調基準電圧VRG1~VRG256のうちから、画素データU1(U3)によって表される輝度レベルに対応した階調基準電圧を選択し、これを階調電圧E1(E3)として出力部123に供給する。デコーダDE2(DE4)は、階調基準電圧VBG1~VBG256のうちから、画素データU2(U4)によって表される輝度レベルに対応した階調基準電圧を選択し、これを階調電圧E2(E4)として出力部123に供給する。
【0045】
出力部123は、接続切替回路CCX及びアンプAQ1~AQ4を含む。
【0046】
接続切替回路CCXは、出力切換制御部120から供給された水平走査切替信号HSが例えば論理レベル0を表している間は、以下の対応関係にて階調電圧E1~E4を階調電圧P1~P4としてアンプAQ1~AQ4に夫々供給する。
【0047】
E1:P1
E2:P2
E3:P3
E4:P4
一方、水平走査切替信号HSが例えば論理レベル1を表している間は、接続切替回路CCXは、以下の対応関係にて階調電圧E1~E4を階調電圧P1~P4としてアンプAQ1~AQ4に供給する。
【0048】
E1:P2
E2:P1
E3:P4
E4:P3
アンプAQ1~AQ4は、上記した階調電圧P1~P4を受け、夫々個別に増幅した信号を駆動信号G1~G4として夫々を表示パネル20に出力する。
【0049】
表示パネル20に含まれるデマルチプレクサ部200には、図3に示すように、データドライバ12から出力されたγ特性切替信号SA及び駆動信号G1~G4を、夫々個別に受けるスイッチSW1~SW4が含まれている。
【0050】
スイッチSW1~SW4は、γ特性切替信号SAが、例えば水平走査期間を前半及び後半で区切った際の前半期間を表す場合には、駆動信号G1~G4を夫々、表示パネル20の奇数番目のデータ線D1、D3、D5及びD7に供給する。一方、γ特性切替信号SAが水平走査期間の後半期間を表す場合には、駆動信号G1~G4を夫々、表示パネル20の偶数番目のデータ線D2、D4、D6及びD8に供給する。
【0051】
尚、表示パネル20がペンタイル方式の有機EL表示パネルであることから、図3に示すように、各データ線と交叉する第N(Nは2以上の整数)行の水平走査ライン上では、赤表示セルPr、緑表示セルPg、青表示セルPb、緑表示セルPgの順に並置された4つの表示セルからなるセルグループPXで1つのカラー画素が構成される。一方、第(N+1)行の水平走査ライン上では、青表示セルPb、緑表示セルPg、赤表示セルPr、緑表示セルPgの順に並置された4つの表示セルからなるセルグループPXで1つのカラー画素が構成される。
【0052】
よって、図3に示す構成により、第(N)水平走査期間内の前半期間では、
赤色成分のγ補正特性に沿った階調電圧E1を有する駆動信号G1、
青色成分のγ補正特性に沿った階調電圧E2を有する駆動信号G2、
赤色成分のγ補正特性に沿った階調電圧E3を有する駆動信号G3、
青色成分のγ補正特性に沿った階調電圧E4を有する駆動信号G4、
が夫々、データ線D1、D3、D5及びD7を介して、第(N)行の
赤表示セルPr、
青表示セルPb、
赤表示セルPr、
青表示セルPb、
に夫々供給される。
【0053】
また、第(N)水平走査期間内の後半期間では、
緑色成分のγ補正特性に沿った階調電圧E2を有する駆動信号G1、
緑色成分のγ補正特性に沿った階調電圧E1を有する駆動信号G2、
緑色成分のγ補正特性に沿った階調電圧E4を有する駆動信号G3、
緑色成分のγ補正特性に沿った階調電圧E3を有する駆動信号G4、
が夫々、データ線D2、D4、D6及びD8を介して、第(N)行の
緑表示セルPg、
緑表示セルPg、
緑表示セルPg、
緑表示セルPg、
に夫々供給される。
【0054】
また、第(N+1)水平走査期間内の前半期間では、
青色成分のγ補正特性に沿った階調電圧E2を有する駆動信号G1、
赤色成分のγ補正特性に沿った階調電圧E1を有する駆動信号G2、
青色成分のγ補正特性に沿った階調電圧E4を有する駆動信号G3、
赤色成分のγ補正特性に沿った階調電圧E3を有する駆動信号G4、
が夫々、データ線D1、D3、D6及びD8を介して、第(N+1)行の
青表示セルPb、
赤表示セルPr、
青表示セルPb、
赤表示セルPr、
に夫々供給される。
【0055】
また、第(N+1)水平走査期間内の後半期間では、
緑色成分のγ補正特性に沿った階調電圧E1を有する駆動信号G1、
緑色成分のγ補正特性に沿った階調電圧E2を有する駆動信号G2、
緑色成分のγ補正特性に沿った階調電圧E3を有する駆動信号G3、
緑色成分のγ補正特性に沿った階調電圧E4を有する駆動信号G4、
が夫々、データ線D2、D4、D6及びD8を介して、第(N+1)行の
緑表示セルPg、
緑表示セルPg、
緑表示セルPg、
緑表示セルPg、
に夫々供給される。
【0056】
ここで、図3に示す階調基準電圧生成部130の階調基準電圧生成回路131及び132は、γ特性切替信号SAに従って、上記したように、水平走査期間内の前半期間と後半期間とでγ補正特性の切り替えが行われる構成を採用している。
【0057】
つまり、階調基準電圧生成回路131は、図4Aに示すように、各水平走査期間を前半期間と後半期間とに2分した際の前半期間中は、赤γ補正特性に沿った階調基準電圧VRG1~VRG256を生成する。一方、後半期間中は、階調基準電圧生成回路131は、緑γ補正特性に沿った階調基準電圧VRG1~VRG256を生成する。
【0058】
階調基準電圧生成回路132は、図4Bに示すように、各水平走査期間内の前半期間中は、青γ補正特性に沿った階調基準電圧VBG1~VBG256を生成し、後半期間中は、緑γ補正特性に沿った階調基準電圧VBG1~VBG256を生成する。
【0059】
図5は、階調基準電圧生成回路131(132)の構成を示す回路図である。
【0060】
図5に示すように、階調基準電圧生成回路131(132)は、セレクタSEL、γ特性調整回路SX、ラダー抵抗LD1及びLD2、並びに、夫々がボルテージフォロワのオペアンプからなる入力アンプAM0~AM2及び出力アンプAP0~AP6を含む。
【0061】
入力アンプAM0は、階調基準電圧における最高電位を有する直流トップ電位VTを受け、当該直流トップ電位VTを増幅した電位をトップ電位VHとして、これをラインL0を介してラダー抵抗LD1、及び出力アンプAP0の入力端に供給する。
【0062】
ラダー抵抗LD1は、直列に接続されている抵抗RD0~RD160を含む。この際、ラダー抵抗LD1の一端n0には、直列接続されている抵抗RD0~RD160のうちの最後尾に接続されている抵抗RD160が接続されており、ラダー抵抗LD1の他端n1には先頭の抵抗RD0が接続されている。また、ラダー抵抗LD1の一端n0はラインL6に接続されており、他端n1はラインL0に接続されている。かかる構成により、ラダー抵抗LD1は、ラインL0に印加されているトップ電位VHと、ラインL6に印加されているボトム電位VLとの間の電圧を分圧した160個の電圧を生成し、γ特性調整回路SXに供給する。
【0063】
入力アンプAM1、特に階調基準電圧生成回路131の入力アンプAM1は、赤γ補正特性に沿った最低の電位を有する赤色用の直流ボトム電位VBrを受ける。そして、階調基準電圧生成回路131の入力アンプAM1は、赤色用の直流ボトム電位VBrを増幅した電位を増幅ボトム電位VLrとして、セレクタSELに供給する。階調基準電圧生成回路132の入力アンプAM1は、青γ補正特性に沿った最低の電位を有する青色用の直流ボトム電位VBbを受ける。そして、階調基準電圧生成回路132の入力アンプAM1は、青色用の直流ボトム電位VBbを増幅した電位を増幅ボトム電位VLbとして、セレクタSELに供給する。
【0064】
入力アンプAM2は、緑γ補正特性に沿った最低の電位を有する緑色用の直流ボトム電位VBgを受ける。そして、入力アンプAM2は、緑色用の直流ボトム電位VBgを増幅した電位を増幅ボトム電位VLgとして、セレクタSELに供給する。
【0065】
セレクタSELは、制御部SCY、トランスミッションゲートTG1及びTG2を有する。
【0066】
トランスミッションゲートTG1は、増幅ボトム電位VLr(VLb)を受け、制御部SCYによってオン状態に設定された場合に、当該増幅ボトム電位VLr(VLb)をボトム電位VLとしてラインL6に出力する。トランスミッションゲートTG2は、増幅ボトム電位VLgを受け、制御部SCYによってオン状態に設定された場合に、当該増幅ボトム電位VLgをボトム電位VLとしてラインL6に出力する。
【0067】
制御部SCYは、γ特性切替信号SAを受け、当該γ特性切替信号SAが各水平走査期間の前半期間を示す場合にはトランスミッションゲートTG1をオン状態に設定し、γ特性切替信号SAが各水平走査期間の後半期間を示す場合にはトランスミッションゲートTG2をオン状態に設定する。
【0068】
かかる構成により、セレクタSELは、γ特性切替信号SAに従って、赤色(又は青色)γ補正特性に沿った最低の電位である増幅ボトム電位VLr(又はVLb)、及び緑γ補正特性に沿った最低の電位である増幅ボトム電位VLgのうちの一方を選択する。そして、セレクタSELは、増幅ボトム電位VLr(又はVLb)、及び増幅ボトム電位VLgのうちから選択した方を上記したボトム電位VLとし、これをラインL6を介してラダー抵抗LD1の一端n0及び出力アンプAP6の入力端に供給する。
【0069】
これにより、階調基準電圧生成回路131では、ラダー抵抗LD1の一端n0に印加されるボトム電位VLの値は、図4Aに示すように、各水平走査期間の前半期間では赤色用の直流ボトム電位VBrとなり、後半期間では緑色用の直流ボトム電位VBgとなる。
【0070】
一方、階調基準電圧生成回路132では、ラダー抵抗LD1に印加されるボトム電位VLの値が、図4Bに示すように、各水平走査期間の前半期間では青色用の直流ボトム電位VBbとなり、後半期間では緑色用の直流ボトム電位VBgとなる。
【0071】
γ特性調整回路SXは、ラダー抵抗LD1から出力された160個の電圧のうちから、γ調整信号CTによって指定された5つの電圧を選択し、夫々をラインL1~L5を介して出力アンプAP1~AP5各々の入力端子に供給する。
【0072】
ラダー抵抗LD2は、直列に接続されている抵抗R0~R254を含む。この際、ラダー抵抗LD2の一端n2には、直列接続されている抵抗R0~R254のうちの最後尾に接続されている抵抗R254が接続されており、ラダー抵抗LD2の他端n3には先頭の抵抗R0が接続されている。
【0073】
出力アンプAP0は、ラインL0に印加されているトップ電位VHを増幅して得た出力電圧を、ラダー抵抗LD2の他端n3に供給する。出力アンプAP1は、ラインL1の電圧を増幅して得た出力電圧を、ラダー抵抗LD2における抵抗R0及びR1同士の接続点に供給する。出力アンプAP2~AP4は、ラインL2~L4の電圧を夫々増幅した電圧を、ラダー抵抗LD2における3か所の抵抗同士による接続点に供給する。出力アンプAP5は、ラインL5の電圧を増幅して得た出力電圧を、ラダー抵抗LD2における抵抗R253及びR254同士の接続点に供給する。出力アンプAP6は、ラインL6に印加されているボトム電位VLを増幅して得た出力電圧を、ラダー抵抗LD2の一端n2に供給する。
【0074】
これにより、ラダー抵抗LD2は、その一端n2で、出力アンプAP6から出力されたボトム電位VLに対応した出力電圧を受けると共に、その他端n3で出力アンプAP0から出力されたトップ電位VHに対応した出力電圧を受ける。更に、ラダー抵抗LD2は、出力アンプAP1~AP5から出力された出力電圧の各々を自身の抵抗同士の接続点で受ける。よって、階調基準電圧生成回路131のラダー抵抗LD2は、出力アンプAP0~AP6の各々の出力電圧を受けることで抵抗R0~R254各々の一端で生じた電圧を、赤色又は緑色のγ補正特性に沿った階調基準電圧VRG1~VRG256として出力する。一方、階調基準電圧生成回路132のラダー抵抗LD2は、出力アンプAP0~AP6各々の出力電圧を受けることで抵抗R0~R254各々の一端で生じた電圧を、青色又は緑色のγ補正特性に沿った階調基準電圧VRG1~VRG256として出力する。
【0075】
ところで、階調基準電圧生成部130では、γ補正特性に沿って上記した256階調分の階調基準電圧を生成するにあたり、各水平走査期間内で以下のようにγ補正特性を切り替える2系統の階調基準電圧生成回路131及び132を採用している。つまり、階調基準電圧生成回路131は、ラダー抵抗LD1に印加するボトム電位VLの値を、図4Aに示すように、各水平走査期間内において、VBrからVBgに切り替えることで、赤γ補正特性から緑γ補正特性への切替を行う。一方、階調基準電圧生成回路132は、ラダー抵抗LD1に印加するボトム電位VLの値を、図4Bに示すように、各水平走査期間内において、VBbからVBgに切り替えることで、青γ補正特性から緑γ補正特性への切替を行う。
【0076】
よって、各色(赤、青、緑)毎に専用の階調基準電圧生成回路、つまり3系統の階調基準電圧生成回路を用いた構成を採用した場合に比べて、回路規模を縮小化することが可能となる。
【0077】
更に、図5に示す構成では、直流の赤色(青色)用の直流ボトム電位VBr(VBb)を入力アンプAM1で増幅した増幅ボトム電位VLr(VLb)と、緑色用の直流ボトム電位VBgを入力アンプAM2で増幅した増幅ボトム電位VLgのうちで、セレクタSELが選択した方を、ボトム電位VLとしてラダー抵抗LD1に印加するようにしている。
【0078】
よって、γ特性切替信号SAに拘わらず、入力アンプAM1及びAM2の各々に入力される直流ボトム電位(VBr、VBb、VBg)が一定であることから、入力アンプAM1及びAM2各々の応答遅延は実質的にゼロとなる。つまり、γ特性切替信号SAによる切替が開始されてから、セレクタSELが出力するボトム電位VLの値が安定するまでに要する遅延時間は、セレクタSELの素子遅延だけとなる。
【0079】
したがって、セレクタSELの後段に入力アンプが必要となる構成、つまり、切替が開始されてから入力アンプの出力が安定するまでに、セレクタSELの素子遅延にアンプの応答遅延を加えた遅延時間を要するものに比べて、高速応答が可能となる。
【0080】
よって、図5に示す構成によれば、入力アンプAM1及びAM2のスルーレートを抑えることで、画質劣化を生じさせることなく消費電力を低減させることが可能となる。
【実施例0081】
図6は、階調基準電圧生成部130に含まれる階調基準電圧生成回路131及び132の他の構成としての階調基準電圧生成回路131A及び132Aの内部構成を示す回路図である。
【0082】
尚、図6に示す構成では、上記したセレクタSELに代えてセレクタSELAを採用すると共に、入力アンプAM3を新たに加えた点を除く他の構成については、図5に示す階調基準電圧生成回路131及び132の内部構成と同一である。
【0083】
そこで、以下に、セレクタSELA及び入力アンプAM3の構成、並びにセレクタSELA及び入力アンプAM3に関与する部分の動作について説明する。
【0084】
図6において、入力アンプAM1は、赤γ補正特性に沿った最低の電位を有する赤色用の直流ボトム電位VBrを受け、これを増幅した電位を、増幅ボトム電位VLrとしてセレクタSELAに供給する。
【0085】
入力アンプAM2は、緑γ補正特性に沿った最低の電位を有する緑色用の直流ボトム電位VBgを受け、これを増幅した電位を、増幅ボトム電位VLgとしてセレクタSELAに供給する。
【0086】
入力アンプAM3は、青γ補正特性に沿った最低の電位を有する青色用の直流ボトム電位VBgを受け、これを増幅した電位を、増幅ボトム電位VLgとしてセレクタSELAに供給する。
【0087】
セレクタSELAは、例えば図6に示すように、制御部SCX、トランスミッションゲートTG1~TG3を有する。
【0088】
トランスミッションゲートTG1は、増幅ボトム電位VLrを受け、制御部SCXによってオン状態に設定された場合に、当該増幅ボトム電位VLrをボトム電位VLとしてラインL6に出力する。トランスミッションゲートTG2は、増幅ボトム電位VLgを受け、制御部SCXによってオン状態に設定された場合に、当該増幅ボトム電位VLgをボトム電位VLとしてラインL6に出力する。トランスミッションゲートTG3は、増幅ボトム電位VLbを受け、制御部SCXによってオン状態に設定された場合に、当該増幅ボトム電位VLbをボトム電位VLとしてラインL6に出力する。
【0089】
制御部SCXは、γ特性切替信号SAを受け、当該γ特性切替信号SAに従って、トランスミッションゲートTG1~TG3のうちの1つをオン状態に設定する。
【0090】
かかる構成により、セレクタSELAは、γ特性切替信号SAに従って、赤γ補正特性に沿った最低の電位である増幅ボトム電位VLr、緑γ補正特性に沿った最低の電位である増幅ボトム電位VLg、及び青γ補正特性に沿った最低の電位である増幅ボトム電位VLbのうちの1つを選択する。そして、セレクタSELは、上記した増幅ボトム電位VLr、VLg、及びVLbのうちから選択した1つをボトム電位VLとし、これをラインL6を介してラダー抵抗LD1の一端n0及び出力アンプAP6の入力端に供給する。
【0091】
具体的には、階調基準電圧生成回路131Aの制御部SCXは、図7Aに示すように、連続する2つの水平走査期間毎に、各水平走査期間の前半期間及び後半期間の各々で、以下のようにトランスミッションゲートTG1~TG3のうちの1つをオン状態に設定する。
【0092】
先頭の水平走査期間の前半期間:TG1をオン
先頭の水平走査期間の後半期間:TG2をオン
後続の水平走査期間の前半期間:TG3をオン
後続の水平走査期間の後半期間:TG2をオン
これにより、階調基準電圧生成回路131Aでは、図7Aに示すように、ラダー抵抗LD1の一端n0に印加されるボトム電位VLの値が以下のように切り替わり、それに伴い階調基準電圧生成回路131Aのγ補正特性も以下のように切り替わる。
【0093】
先頭の水平走査期間の前半期間:VBr、赤γ補正特性
先頭の水平走査期間の後半期間:VBg、緑γ補正特性
後続の水平走査期間の前半期間:VBb:青γ補正特性
後続の水平走査期間の後半期間:VBg:緑γ補正特性
一方、階調基準電圧生成回路132Aの制御部SCXは、図7Bに示すように、連続する2つの水平走査期間毎に、各水平走査期間の前半期間及び後半期間の各々で、以下のようにトランスミッションゲートTG1~TG3のうちの1つをオン状態に設定する。
【0094】
先頭の水平走査期間の前半期間:TG3をオン
先頭の水平走査期間の後半期間:TG2をオン
後続の水平走査期間の前半期間:TG1をオン
後続の水平走査期間の後半期間:TG2をオン
これにより、階調基準電圧生成回路132Aでは、図7Bに示すように、ラダー抵抗LD1の一端n0に印加されるボトム電位VLの値が以下のように切り替わり、それに伴い階調基準電圧生成回路132Aのγ補正特性も以下のように切り替わる。
【0095】
先頭の水平走査期間の前半期間:VBb、青γ補正特性
先頭の水平走査期間の後半期間:VBg、緑γ補正特性
後続の水平走査期間の前半期間:VBr:赤γ補正特性
後続の水平走査期間の後半期間:VBg:緑γ補正特性
このように、図6に示す階調基準電圧生成回路131A及び132Aにおいても、図3に示す階調基準電圧生成回路131及び132と同様に2系統の階調基準電圧生成回路により、各色(赤、緑、青)毎のγ補正特性に沿った256階調分の階調基準電圧群の生成が可能である。
【0096】
よって、3系統の階調基準電圧生成回路を用いることで各色毎のγ補正特性に沿った256階調分の階調基準電圧群を生成する構成を採用した場合に比べて、回路規模を縮小化することが可能となる。
【0097】
更に、図6に示す構成では、図3に示す構成と同様に、直流の赤色、緑色、及び青色用の直流ボトム電位VBr、VBg、VBbを夫々入力アンプAM1~AM3で増幅した増幅ボトム電位VLr、VLg、VLbを、γ特性切替信号SAによって制御されるセレクタSELAに供給している。
【0098】
よって、γ特性切替信号SAに拘わらず、入力アンプAM1~AM3の各々に入力される直流ボトム電位VBr、VBb及びVBgは一定であるので、入力アンプAM1~AM3各々の応答遅延は実質的にゼロとなる。つまり、γ特性切替信号SAによる切替が開始されてから、セレクタSELAが出力するボトム電位VLが安定するまでに要する遅延時間は、セレクタSELAの素子遅延だけとなる。
【0099】
したがって、セレクタSELAの後段に入力アンプが必要となる構成、つまり、切替が開始されてから入力アンプの出力が安定するまでに、セレクタSELの素子遅延にアンプの応答遅延を加えた遅延時間を要するものに比べて、高速応答が可能となる。
【0100】
よって、図6に示す構成によれば、入力アンプAM1~AM3のスルーレートを抑えることで、画質劣化を生じさせることなく消費電力を低下させることが可能となる。
【0101】
尚、図6に示す階調基準電圧生成回路131Aを含む階調基準電圧生成部130は、図3に示すようなペンタイル配列の表示パネルを駆動するデータドライバのみならず、RGBストライプ配列の表示パネルを駆動するデータドライバにも適用可能である。
【0102】
図8は、RGBストライプ配列を有する表示パネル20を駆動する場合に採用されるデータドライバ12及び表示パネル20の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0103】
尚、図8では、図面の都合上、データドライバ12の駆動信号G1~GyのうちからG1及びG2に対応した2つの出力チャネルに関与する構成のみを抜粋して示している。つまり、実際のデータドライバ12内には、図8に示す出力切替制御部120A及び階調基準電圧生成部130を除き、y個の出力チャネルに夫々対応した構成が含まれている。
【0104】
図8において、階調基準電圧生成部130は、γ補正特性に沿った電圧値を有する256階調分の階調基準電圧V1~V256を生成する階調基準電圧生成回路131Bを含む。階調基準電圧生成回路131Bは、生成した階調基準電圧V1~V256をデコーダDE1及びDE2に供給する。
【0105】
尚、階調基準電圧生成回路131Bは、出力切替制御部120Aから供給されたγ特性切替信号SAaに従って、各水平走査期間内において、そのγ補正特性の切替を行う。
【0106】
例えば、図9に示すように、各水平走査期間を3つの第1~第3期間に区切り、その第1期間では、階調基準電圧生成回路131Bは、赤色のγ補正特性に沿った階調基準電圧V1~V256を生成する。また、階調基準電圧生成回路131Bは、各水平走査期間内の第2期間では緑色のγ補正特性に沿った階調基準電圧V1~V256を生成し、第3期間では青色のγ補正特性に沿った階調基準電圧V1~V256を生成する。
【0107】
デコーダDE1は、階調基準電圧V1~V256のうちから、画素データU1によって表される輝度レベルに対応した階調基準電圧を選択し、これを階調電圧E1として出力部123に供給する。デコーダDE2は、階調基準電圧V1~V256のうちから、画素データU2によって表される輝度レベルに対応した階調基準電圧を選択し、これを階調電圧E2として出力部123に供給する。
【0108】
出力部123は、アンプAQ1及びAQ2を含む。アンプAQ1は、階調電圧E1を受け、これを増幅した信号を駆動信号G1として表示パネル20に出力する。アンプAQ2は、階調電圧E2を受け、これを増幅した信号を駆動信号G2として表示パネル20に出力する。
【0109】
表示パネル20に含まれるデマルチプレクサ部200には、図8に示すように、データドライバ12から出力されたγ特性切替信号SAaと共に上記した駆動信号G1及びG2を個別に受けるスイッチSU1及びSU2が含まれている。
【0110】
スイッチSU1(SU2)は、γ特性切替信号SAaに基づき、例えば図9に示す各水平走査期間内の第1期間では、駆動信号G1(G2)を表示パネル20のデータ線D1(D4)に供給する。また、スイッチSU1(SU2)は、図9に示す各水平走査期間内の第2期間では、駆動信号G1(G2)をデータ線D2(D5)に供給する。また、スイッチSU1(SU2)は、図9に示す各水平走査期間内の第3期間では、駆動信号G1(G2)をデータ線D3(D6)に供給する。
【0111】
尚、表示パネル20がRGBストライプ配列を採用している場合、データ線D1及びD4には赤表示セルPr群が並置されており、データ線D2及びD5には緑表示セルPg群が並置されており、データ線D3及びD6には緑表示セルPg群が並置接続されている。ここで、RGBストライプ配列では、水平走査ラインS1~Snの各々上において、互いに隣接する3つの表示セル(Pr、Pg、Pb)からなるセルグループPXにて1つのカラー画素が構成される。
【0112】
図10は、階調基準電圧生成回路131Bの内部構成を示す回路図である。
【0113】
尚、図10に示す構成では、セレクタSELAに含まれる制御部SCXに代えて制御部SCWを採用すると共に、出力する階調基準電圧VRG1~VRG256の名称を階調基準電圧V1~V256に変更した点を除く他の構成は、図6に示すものと同一である。
【0114】
そこで、以下に、制御部SCWの動作について詳細に説明する。
【0115】
制御部SCWは、γ特性切替信号SAaを受け、当該γ特性切替信号SAaに従って、トランスミッションゲートTG1~TG3のうちの1つをオン状態に設定する。
【0116】
具体的には、制御部SCWは、図9に示すように、各水平走査期間を3つに区切った第1~第3期間の各々で、以下のようにトランスミッションゲートTG1~TG3のうちの1つをオン状態に設定する。
【0117】
第1期間:TG1をオン
第2期間:TG2をオン
第3期間:TG3をオン
これにより、階調基準電圧生成回路131Bでは、図9に示すように、ラダー抵抗LD1の一端n0に印加されるボトム電位VLの値及び階調基準電圧生成回路131Bのγ補正特性が以下のように切り替わる。
【0118】
第1期間:VBb、青γ補正特性
第2期間:VBg、緑γ補正特性
第3期間:VBr:赤γ補正特性
【実施例0119】
図11は、図6又は図10に示す階調基準電圧生成回路(131A、132A、131B)の他の構成としての階調基準電圧生成回路131Cの内部構成を示す回路図である。
【0120】
尚、図11に示す構成では、セレクタSELBを新たに追加し、セレクタSELAの出力を出力アンプAP6には接続せず、セレクタSELBの出力を出力アンプAP6に接続した点を除く他の構成及び接続形態は、図6又は図10に示すものと同一である。
【0121】
そこで、以下に、セレクタSELBの構成、及び当該セレクタSELBに関与する部分の動作について説明する。
【0122】
図11において、入力アンプAM1は、赤γ補正特性に沿った最低の電位を有する赤色用の直流ボトム電位VBrを受け、これを増幅した電位を増幅ボトム電位VLrとして、セレクタSELA及びSELBに供給する。
【0123】
入力アンプAM2は、緑γ補正特性に沿った最低の電位を有する緑色用の直流ボトム電位VBgを受け、これを増幅した電位を増幅ボトム電位VLgとして、セレクタSELA及びSELBに供給する。
【0124】
入力アンプAM3は、青γ補正特性に沿った最低の電位を有する青色用の直流ボトム電位VBgを受け、これを増幅した電位を増幅ボトム電位VLgとして、セレクタSELA及びSELBに供給する。
【0125】
セレクタSELAは、制御部SCW(SCX)、トランスミッションゲートTG1~TG3を有する。
【0126】
トランスミッションゲートTG1は、増幅ボトム電位VLrを受け、制御部SCW(SCX)によってオン状態に設定された場合に、当該増幅ボトム電位VLrをボトム電位VLとし、これをラインL6を介してラダー抵抗LD1の一端n0に印加する。トランスミッションゲートTG2は、増幅ボトム電位VLgを受け、制御部SCW(SCX)によってオン状態に設定された場合に、当該増幅ボトム電位VLgをボトム電位VLとし、これをラインL6を介して上記抵抗RD160の一端に印加する。トランスミッションゲートTG3は、増幅ボトム電位VLbを受け、制御部SCW(SCX)によってオン状態に設定された場合に、当該増幅ボトム電位VLbをボトム電位VLとし、これをラインL6を介して上記抵抗RD160の一端に印加する。
【0127】
制御部SCW(SCX)は、γ特性切替信号SAa(SA)に従って、図9図7A図7B)に示されるシーケンスにて、トランスミッションゲートTG1~TG3を順に択一的にオン状態に設定する。
【0128】
かかる構成により、セレクタSELAは、γ特性切替信号SA(SA)に従って、赤γ補正特性に沿った最低の電位である増幅ボトム電位VLr、緑γ補正特性に沿った最低の電位である増幅ボトム電位VLg、及び青γ補正特性に沿った最低の電位である増幅ボトム電位VLbのうちの1つを選択する。そして、セレクタSELAは、上記した増幅ボトム電位VLr、VLg、及びVLbのうちから選択した1つをボトム電位VLとし、これをラインL6を介してラダー抵抗LD1の一端n0に供給する。
【0129】
セレクタSELBは、セレクタSELAと同一の内部構成、つまり、制御部SCW(SCX)、及びトランスミッションゲートTG1~TG3を有する。セレクタSELBでは、セレクタSELAと同様にトランスミッションゲートTG1~TG3にて増幅ボトム電位VLr、VLg及びVLbを夫々受ける。更に、セレクタSELBの制御部SCW(SCX)も、セレクタSELAの制御部SCW(SCX)と同様に、図9図7A図7B)に示されるシーケンスにて、トランスミッションゲートTG1~TG3を順に択一的にオン状態に設定する。
【0130】
ただし、セレクタSELBでは、上記した増幅ボトム電位VLr、VLg、及びVLbのうちから選択した1つをボトム電位VLxとし、これをラインL7を介して、出力アンプAP6の入力端に印加する。尚、出力アンプAP6は、ラダー抵抗LD2の一端n2に、ボトム電位VLxを増幅した電位を印加する役目を担う。
【0131】
このように、図11に示す階調基準電圧生成回路131Cでは、入力アンプAM1~AM3で増幅された増幅ボトム電位VLr、VLg及びVLbを、互いに同一の構成であり且つ同一動作を行うセレクタSELA及びSELBの各々で受ける。つまり、γ特性切替信号SA(SA)に従ってセレクタSELA及びSELBの各々が、増幅ボトム電位VLr、VLg、及びVLbのうちから選択した1つは同一となる。ここで、セレクタSELAにて選択された1つの電位をラダー抵抗LD1に印加するボトム電位VLとし、これをラインL6を介してラダー抵抗LD1の一端n0に印加する。更に、セレクタSELBにて選択された1つの電位をラダー抵抗LD2に印加するボトム電位VLxとし、これをラインL7及び出力アンプAP6を介して、ラダー抵抗LD2の一端n2に印加する。尚、ラインL7はラインL6とは電気的に分離している。
【0132】
かかる構成によれば、ラダー抵抗LD2には、入力アンプ(AM1、AM2、AM3)で増幅されたVLr、VLg又はVLbがボトム電位VLxとして、ラダー抵抗LD1の一端n0を介さずに、直接、出力アンプAP6を介してラダー抵抗LD2の一端n2に供給される。
【0133】
これにより、ラダー抵抗LD1と、トランスミッションゲートTG1(又はTG2、TG3)のオン抵抗とによってラインL6に生じる電圧が、ボトム電位VLに対する誤差分として、ラダー抵抗LD2に印加するボトム電位(VLx)に重畳されることはない。
【0134】
よって、図11に示す構成によれば、当該誤差分が、ラダー抵抗LD2で生成される階調基準電圧群(VRG1-VRG256、VBG1ーVBG256、又はV1ーV256)に重畳されることによる画質劣化を防止することが可能となる。
【0135】
尚、上記実施例1~3では、γ補正特性の対象とする色成分を赤、緑及び青の3色としているが、この3色に限定されない。
【0136】
要するに、複数のデータ線の各々に複数の表示セルが接続されている表示パネルを、映像信号にて示される輝度レベルを表す複数の画素データ片に基づき駆動する表示ドライバとして、以下の階調基準電圧生成部、及びDA変換部を含むものであれば良い。
【0137】
すなわち、階調基準電圧生成部(130)は、互いに異なる色成分に対する第1~第k(kは2以上の整数)のガンマ補正特性に沿った複数の階調基準電圧を生成する。DA変換部(122)は、複数の画素データ片の各々毎に、階調基準電圧生成部で生成された複数の階調基準電圧のうちから、画素データ片にて表される輝度レベルに対応した階調基準電圧を選択しこれを階調電圧として出力する。
【0138】
ここで、階調基準電圧生成部は、以下の第1及び第2のラダー抵抗、第1~第kの入力アンプ、及び第1のセレクタを含むものである。
【0139】
第1のラダー抵抗(LD1)は、第1の電位(VL)を一端(n0)で受けると共にこの第1の電位よりも高い第2の電位(VH)を他端(n1)で受けることで、当該第1及び第2の電位間の電圧を複数に分圧した複数の電圧を生成する。
【0140】
第2のラダー抵抗(LD2)は、第1の電位(VL)を一端(n2)で受け、第2の電位(VH)を他端で受けると共に、第1のラダー抵抗で生成された複数の電圧のうちの一部の複数の電圧の各々を自身の抵抗同士の接続点で受けることで、複数の階調基準電圧を生成する。
【0141】
第1~第kの入力アンプ(AM1~AM3)は、第1~第kのガンマ補正特性に夫々対応した第1~第kの直流ボトム電位(VBr、VBg、VBb)を受け、夫々を個別に増幅した第1~第kの増幅ボトム電位(VLr、VLg、VLb)を出力する。
【0142】
第1のセレクタ(SEL、SELA)は、第1~第kの増幅ボトム電位を受け、これら第1~第kの増幅ボトム電位のうちの1の増幅ボトム電位を順に選択し、選択した1の増幅ボトム電位を、上記した第1の電位(VL)として第1のラダー抵抗の一端に供給する。
【符号の説明】
【0143】
12 データドライバ
122 DA変換部
130 階調基準電圧生成部
131、131A~131C 階調基準電圧生成回路
AM1~AM3 入力アンプ
LD1、LD2 ラダー抵抗
SELA、SELB セレクタ
TG1~TG3 トランスミッションゲート
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11