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特開2024-34058端末装置のためのコンピュータプログラム、端末装置、及び、端末装置によって実行される方法
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  • 特開-端末装置のためのコンピュータプログラム、端末装置、及び、端末装置によって実行される方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034058
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】端末装置のためのコンピュータプログラム、端末装置、及び、端末装置によって実行される方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20240306BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20240306BHJP
   H04W 4/80 20180101ALI20240306BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240306BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240306BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20240306BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W88/06
H04W4/80
H04W84/12
G06F3/12 336
G06F3/12 304
G06F3/12 392
G06F3/0484
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138057
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阮 竜竜
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 弘崇
【テーマコード(参考)】
5E555
5K067
【Fターム(参考)】
5E555AA07
5E555AA09
5E555AA76
5E555BA04
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA27
5E555BB04
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB27
5E555BC04
5E555BC13
5E555CA12
5E555CA17
5E555CA43
5E555CB12
5E555CB20
5E555CB33
5E555CB34
5E555DB41
5E555DD02
5E555DD03
5E555DD06
5E555DD08
5E555EA03
5E555EA09
5E555EA10
5E555FA00
5K067AA34
5K067DD23
5K067DD24
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
5K067FF23
(57)【要約】
【課題】通信装置が、制御部から独立している無線インターフェースを備えるのか、制御部から独立していない無線インターフェースを備えるのか、に応じた適切な処理を実行する端末装置を実現すること。
【解決手段】
端末装置は、端末装置の第1の無線インターフェースと通信装置の第3の無線インターフェースとの間に無線リンクが確立される場合に、第3の無線インターフェースの種別を示す種別情報を受信する。端末装置は、種別情報が、通信装置の制御部から独立している第1種の無線インターフェースを示す場合に、変更操作を示す操作画面を表示し、種別情報が、通信装置の制御部から独立していない第2種の無線インターフェースを示す場合に、操作画面を表示しない。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置は、
第1の通信規格に応じた無線通信を実行するための第1の無線インターフェースと、
前記第1の通信規格とは異なる第2の通信規格に応じた無線通信を実行するための第2の無線インターフェースと、
表示部と、
コンピュータと、を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、
前記端末装置が通信装置に近づけられることに応じて、前記第1の無線インターフェースと、前記通信装置の第3の無線インターフェースであって、前記第1の通信規格に応じた無線通信を実行するための前記第3の無線インターフェースと、の間に無線リンクが確立される場合に、前記無線リンクを利用して、前記第3の無線インターフェースから、前記第1の無線インターフェースを介して、特定情報を受信する特定情報受信部であって、前記特定情報は、前記第3の無線インターフェースの種別を示す種別情報を含む、前記特定情報受信部と、
前記種別情報が、前記通信装置の制御部から独立している第1種の無線インターフェースを示す場合に、前記通信装置の状態を、前記第2の通信規格の所定方式の機能が無効化されている無効化状態から、前記所定方式の前記機能が有効化されている有効化状態に変更するための変更操作を示す操作画面を前記表示部に表示させる第1の表示制御部であって、前記種別情報が、前記第1種の無線インターフェースとは異なる第2種の無線インターフェースであって、前記通信装置の前記制御部から独立していない前記第2種の無線インターフェースを示す場合に、前記操作画面は表示されない、前記第1の表示制御部と、
前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記変更操作が前記通信装置に実行される場合に、前記第2の無線インターフェースと、前記通信装置の第4の無線インターフェースであって、前記第2の通信規格に応じた無線通信を実行するための前記第4の無線インターフェースと、の間に、前記所定方式に従った第1の無線接続を確立させる第1の確立部と、
前記種別情報が前記第2種の無線インターフェースを示す場合に、前記変更操作が前記通信装置に実行されなくても、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に、前記所定方式に従った第2の無線接続を確立させる第2の確立部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示す場合に、前記特定情報は、さらに、前記通信装置のモデル名を示すモデル名情報を含み、
前記第1の表示制御部は、複数個のモデル名に対応する複数個の操作画面のうち、前記モデル名情報によって示される前記モデル名に対応する前記操作画面を前記表示部に表示させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の無線接続が切断された後に、前記第1の無線インターフェースと前記第3の無線インターフェースとの間に前記無線リンクが再確立される場合に、前記操作画面が前記表示部に表示されることなく、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に前記第1の無線接続を再確立させる再確立部として機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の無線接続が切断された後に、前記第1の無線インターフェースと前記第3の無線インターフェースとの間に前記無線リンクが再確立される場合に、前記通信装置において所定の接続操作を実行すべきことを促す通知画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御部であって、前記所定の接続操作は、前記第1の無線接続を再確立するための通信を前記通信装置に実行させるための操作である、前記第2の表示制御部として機能させ、
前記再確立部は、前記通信装置において前記所定の接続操作が実行される場合に、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に前記第1の無線接続を再確立させる、請求項3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記第1の確立部は、前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記変更操作が前記通信装置に実行され、かつ、前記第1の無線インターフェースと前記第3の無線インターフェースとの間に前記無線リンクが再確立される場合に、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に前記第1の無線接続を確立させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記変更操作が前記通信装置に実行されることなく、前記第1の無線インターフェースと前記第3の無線インターフェースとの間に前記無線リンクが再確立される場合に、第1のエラー画面を前記表示部に表示させる第3の表示制御部として機能させる、請求項5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記第1のエラー画面は、前記変更操作を示すメッセージを含む、請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記第1の表示制御部は、前記第1のエラー画面が前記表示部に表示された後に、前記第1の無線インターフェースと前記第3の無線インターフェースとの間に前記無線リンクが再確立される場合に、前記操作画面を前記表示部に表示させる、請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記種別情報が前記第2種の無線インターフェースを示し、かつ、前記通信装置の状態が前記有効化状態であり、かつ、前記通信装置が前記所定方式に従った無線接続を前記端末装置と確立不可能である場合に、前記特定情報は、さらに、エラー情報を含み、
前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記通信装置が前記所定方式に従った無線接続を前記端末装置と確立不可能である場合に、前記特定情報は、前記エラー情報を含まず、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記種別情報が前記第2種の無線インターフェースを示し、かつ、前記特定情報が前記エラー情報を含む場合に、第2のエラー画面を前記表示部に表示させる第4の表示制御部と、
前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記通信装置が前記所定方式に従った無線接続を前記端末装置と確立不可能であることに起因して前記第1の無線接続が確立されない場合に、第3のエラー画面を前記表示部に表示させる第5の表示制御部と、
として機能させる、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記第1の表示制御部は、前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に前記第1の無線接続が前回確立されてから所定時間が経過している場合に、前記操作画面を前記表示部に表示させ、
前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に前記第1の無線接続が前回確立されてから前記所定時間が経過していない場合に、前記操作画面は表示されない、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記第1の表示制御部は、前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に前記第1の無線接続が確立された回数が所定回数未満である場合に、前記操作画面を前記表示部に表示させ、
前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に前記第1の無線接続が確立された回数が所定回数以上である場合に、前記操作画面は表示されない、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記第1の通信規格は、NFC(Near Field Communicationの略)規格であり、
前記第2の通信規格は、Wi-Fi規格である、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記所定方式は、WFD(Wi-Fi Directの略)方式である、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
端末装置であって、
第1の通信規格に応じた無線通信を実行するための第1の無線インターフェースと、
前記第1の通信規格とは異なる第2の通信規格に応じた無線通信を実行するための第2の無線インターフェースと、
表示部と、
前記端末装置が通信装置に近づけられることに応じて、前記第1の無線インターフェースと、前記通信装置の第3の無線インターフェースであって、前記第1の通信規格に応じた無線通信を実行するための前記第3の無線インターフェースと、の間に無線リンクが確立される場合に、前記無線リンクを利用して、前記第3の無線インターフェースから、前記第1の無線インターフェースを介して、特定情報を受信する特定情報受信部であって、前記特定情報は、前記第3の無線インターフェースの種別を示す種別情報を含む、前記特定情報受信部と、
前記種別情報が、前記通信装置の制御部から独立している第1種の無線インターフェースを示す場合に、前記通信装置の状態を、前記第2の通信規格の所定方式の機能が無効化されている無効化状態から、前記所定方式の前記機能が有効化されている有効化状態に変更するための変更操作を示す操作画面を前記表示部に表示させる第1の表示制御部であって、前記種別情報が、前記第1種の無線インターフェースとは異なる第2種の無線インターフェースであって、前記通信装置の前記制御部から独立していない前記第2種の無線インターフェースを示す場合に、前記操作画面は表示されない、前記第1の表示制御部と、
前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記変更操作が前記通信装置に実行される場合に、前記第2の無線インターフェースと、前記通信装置の第4の無線インターフェースであって、前記第2の通信規格に応じた無線通信を実行するための前記第4の無線インターフェースと、の間に、前記所定方式に従った第1の無線接続を確立させる第1の確立部と、
前記種別情報が前記第2種の無線インターフェースを示す場合に、前記変更操作が前記通信装置に実行されなくても、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に、前記所定方式に従った第2の無線接続を確立させる第2の確立部と、
を備える、端末装置。
【請求項15】
端末装置によって実行される方法であって、
前記端末装置は、
第1の通信規格に応じた無線通信を実行するための第1の無線インターフェースと、
前記第1の通信規格とは異なる第2の通信規格に応じた無線通信を実行するための第2の無線インターフェースと、
表示部と、を備え、
前記方法は、
前記端末装置が通信装置に近づけられることに応じて、前記第1の無線インターフェースと、前記通信装置の第3の無線インターフェースであって、前記第1の通信規格に応じた無線通信を実行するための前記第3の無線インターフェースと、の間に無線リンクが確立される場合に、前記無線リンクを利用して、前記第3の無線インターフェースから、前記第1の無線インターフェースを介して、特定情報を受信する特定情報受信工程であって、前記特定情報は、前記第3の無線インターフェースの種別を示す種別情報を含む、前記特定情報受信工程と、
前記種別情報が、前記通信装置の制御部から独立している第1種の無線インターフェースを示す場合に、前記通信装置の状態を、前記第2の通信規格の所定方式の機能が無効化されている無効化状態から、前記所定方式の前記機能が有効化されている有効化状態に変更するための変更操作を示す操作画面を前記表示部に表示させる第1の表示制御工程であって、前記種別情報が、前記第1種の無線インターフェースとは異なる第2種の無線インターフェースであって、前記通信装置の前記制御部から独立していない前記第2種の無線インターフェースを示す場合に、前記操作画面は表示されない、前記第1の表示制御工程と、
前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記変更操作が前記通信装置に実行される場合に、前記第2の無線インターフェースと、前記通信装置の第4の無線インターフェースであって、前記第2の通信規格に応じた無線通信を実行するための前記第4の無線インターフェースと、の間に、前記所定方式に従った第1の無線接続を確立させる第1の確立工程と、
前記種別情報が前記第2種の無線インターフェースを示す場合に、前記変更操作が前記通信装置に実行されなくても、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に、前記所定方式に従った第2の無線接続を確立させる第2の確立工程と、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、端末装置と通信装置との間に無線接続を確立させる技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタと携帯端末とを備えるシステムが開示されている。プリンタは、NFC(Near Field Communicationの略)規格のICタグとして機能するNFCインターフェースを備える。携帯端末は、プリンタとのNFC接続を確立すると、NFC接続を利用して、プリンタから、WFD(Wi-Fi Direct(登録商標)の略)接続を確立するための情報を受信する。携帯端末は、当該情報を利用して、プリンタとのWFD接続を確立する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-107831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1のNFCインターフェースは、プリンタの制御部から指示を取得したり、通知を制御部に供給したりすることができる。特許文献1では、プリンタが、制御部から指示を取得したり通知を制御部に供給したりすることができないNFCインターフェース、即ち、制御部から独立しているNFCインターフェースを備える状況について、考慮されていない。
【0005】
本明細書では、通信装置が、通信装置の制御部から独立している無線インターフェースを備えるのか、制御部から独立していない無線インターフェースを備えるのか、に応じた適切な処理を実行する端末装置を実現可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、端末装置のためのコンピュータプログラムを開示する。前記端末装置は、第1の通信規格に応じた無線通信を実行するための第1の無線インターフェースと、前記第1の通信規格とは異なる第2の通信規格に応じた無線通信を実行するための第2の無線インターフェースと、表示部と、コンピュータと、を備えてもよい。前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、前記端末装置が通信装置に近づけられることに応じて、前記第1の無線インターフェースと、前記通信装置の第3の無線インターフェースであって、前記第1の通信規格に応じた無線通信を実行するための前記第3の無線インターフェースと、の間に無線リンクが確立される場合に、前記無線リンクを利用して、前記第3の無線インターフェースから、前記第1の無線インターフェースを介して、特定情報を受信する特定情報受信部であって、前記特定情報は、前記第3の無線インターフェースの種別を示す種別情報を含む、前記特定情報受信部と、前記種別情報が、前記通信装置の制御部から独立している第1種の無線インターフェースを示す場合に、前記通信装置の状態を、前記第2の通信規格の所定方式の機能が無効化されている無効化状態から、前記所定方式の前記機能が有効化されている有効化状態に変更するための変更操作を示す操作画面を前記表示部に表示させる第1の表示制御部であって、前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースとは異なる第2種の無線インターフェースであって、前記通信装置の前記制御部から独立していない前記第2種の無線インターフェースを示す場合に、前記操作画面は表示されない、前記第1の表示制御部と、前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記変更操作が前記通信装置に実行される場合に、前記第2の無線インターフェースと、前記通信装置の第4の無線インターフェースであって、前記第2の通信規格に応じた無線通信を実行するための前記第4の無線インターフェースと、の間に、前記所定方式に従った第1の無線接続を確立させる第1の確立部と、前記種別情報が前記第2種の無線インターフェースを示す場合に、前記変更操作が前記通信装置に実行されなくても、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に、前記所定方式に従った第2の無線接続を確立させる第2の確立部と、として機能させてもよい。
【0007】
上記の構成によると、端末装置は、種別情報が制御部から独立している第1種の無線インターフェースを示す場合に、操作画面を表示する。従って、通信装置への変更操作の実行をユーザに促すことができる。このため、端末装置は、変更操作が通信装置に実行される場合に、通信装置との第1の無線接続を確立することができる。一方、端末装置は、種別情報が制御部から独立していない第2種の無線インターフェースを示す場合に、変更操作が通信装置に実行されなくても、通信装置との第2の無線接続を確立することができる。このように、端末装置は、通信装置が第1種の無線インターフェースを備えるのか第2種の無線インターフェースを備えるのかに応じた適切な処理を実行することができる。
【0008】
上記のコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体、端末装置そのもの、及び、端末装置によって実行される方法も新規で有用である。また、端末装置と通信装置とを備える通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】多機能機の状態移行処理のシーケンス図を示す。
図3】端末装置のアプリ処理のフローチャートを示す。
図4】独立インターフェース処理のフローチャートを示す。
図5】端末装置に表示される各画面を示す。
図6】タグインターフェース処理のフローチャートを示す。
図7】ケースA1のシーケンス図を示す。
図8図7の続きのシーケンス図を示す。
図9】ケースA2のシーケンス図を示す。
図10】ケースA3のシーケンス図を示す。
図11】ケースB1のシーケンス図を示す。
図12】ケースB2のシーケンス図を示す。
図13】ケースB3のシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施例)
(通信システム2の構成:図1
図1に示されるように、通信システム2は、端末装置10と、アクセスポイント(以下では単に「AP」と記載する)60と、複数個の多機能機100,200と、を備える。本実施例では、端末装置10といずれかの多機能機100,200との間にWi-Fi規格に従った無線接続を確立させる状況を想定している。
【0011】
(端末装置10の構成)
端末装置10は、スマートフォン、PDA、タブレットPC等の可搬型の端末装置である。端末装置10は、操作部12と、表示部14と、NFC(Near Field Communicationの略)インターフェース20と、Wi-Fiインターフェース22と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。
【0012】
操作部12は、複数個のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示を端末装置10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部14は、ユーザから指示を受け付けるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。
【0013】
NFCインターフェース20は、NFC規格に従った無線通信(以下では「NFC通信」と記載する)を実行するための無線インターフェースである。NFC規格は、例えば、ISO/IEC21481又は18092の国際標準に基づく無線通信規格である。NFCインターフェース20は、バス線(符号省略)を介して制御部30に接続されており、情報を制御部30に供給したり、制御部30から情報を取得したりすることができる。即ち、NFCインターフェース20は、制御部30との通信を実行可能である。NFCインターフェース20は、端末装置10の電源(図示省略)から電力の供給を受けることができる。
【0014】
Wi-Fiインターフェース22は、Wi-Fi規格に従った無線通信(以下では「Wi-Fi通信」と記載する)を実行するための無線インターフェースである。Wi-Fi規格は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers,Inc.の略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば802.11a,11b,11g,11n等)に従って、無線通信を実行するための無線通信規格である。Wi-Fiインターフェース22は、さらに、Wi-Fi Allianceによって策定されたWFD(Wi-Fi Direct(登録商標)の略)方式をサポートしている。WFD方式の詳細は、Wi-Fi Allianceによって作成された規格書「Wi-Fi Direct Specification Version1.9」に記述されている。
【0015】
ここで、NFC通信とWi-Fi通信との相違点を記述しておく。Wi-Fi通信の通信速度(例えば最大の通信速度が600Mbps)は、NFC通信の通信速度(例えば最大の通信速度が424kbps)よりも大きい。Wi-Fi通信における搬送波の周波数(即ち2.4GHz帯又は5.0GHz帯)は、NFC通信における搬送波の周波数(即ち13.56MHz)とは異なる。Wi-Fi通信を実行可能な最大の距離(例えば100m)は、NFC通信を実行可能な最大の距離(例えば約10cm)よりも大きい。
【0016】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36,40に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成され、OSプログラム36と、MFPアプリケーション40と、を記憶する。以下では、OSプログラム36、MFPアプリケーション40のことを、それぞれ、「OS36」、「アプリ40」と記載する。
【0017】
OS36は、端末装置10の基本的な動作を制御するためのプログラムであり、例えば、iOS(登録商標)、アンドロイド(登録商標)等である。アプリ40は、MFP100のベンダによって提供されるインターネット上のサーバから端末装置10にインストールされる。アプリ40は、WFDに従った無線接続を多機能機と確立したり、印刷又はスキャンを多機能機に実行させたりするためのプログラムである。
【0018】
(多機能機100の構成)
多機能機100は、印刷機能及びスキャン機能を実行可能な周辺装置(例えば、端末装置10の周辺装置)である。以下では、多機能機のことを「MFP(Multi-Function Peripheralの略)」と記載する。MFP100は、操作部112と、表示部114と、印刷実行部116と、スキャン実行部118と、NFC独立インターフェース120と、Wi-Fiインターフェース122と、制御部130と、を備える。
【0019】
操作部112は、複数個のキーを備える。ユーザは、操作部112を操作することによって、様々な指示をMFP100に入力することができる。表示部114は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部114は、ユーザから指示を受け付けるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。印刷実行部116は、インクジェット方式、レーザー方式等の印刷機構を備える。スキャン実行部118は、CCD方式、CIS方式等の読取機構を備える。
【0020】
NFC独立インターフェース120は、NFC通信を実行するための無線インターフェースである。NFC独立インターフェース120は、いわゆるシールタイプ、ラベルタイプ等と呼ばれるインターフェースである。NFC独立インターフェース120は、MFP100のバス線に接続されていない。従って、NFC独立インターフェース120は、情報を制御部130に供給したり、制御部130から情報を取得したりすることができない。即ち、NFC独立インターフェース120は、制御部130との通信を実行不可能である。一般的に言うと、NFC独立インターフェース120は、制御部130から独立している。NFC独立インターフェース120は、MFP100の電源(図示省略)から電力の供給を受けることができず、電磁誘導によって通信相手(例えば端末装置10)との通信を実行する。
【0021】
Wi-Fiインターフェース122は、端末装置10のWi-Fiインターフェース22と同様であり、MACアドレス「MAC1」を有する。Wi-Fiインターフェース122は、WFDをサポートしている。MFP100は、WFDのGroup Owner(即ち無線ネットワークの親局、以下では「G/O」と記載する)として動作することができる。MFP100がG/Oとして動作する状態では、MFP100は、WFDに従った無線接続(以下では「WFD接続」と記載する)を端末装置10と確立することができる。
【0022】
制御部130は、CPU132とメモリ134とを備える。CPU132は、メモリ134に格納されているプログラム136に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0023】
(多機能機200の構成)
MFP200は、NFCインターフェースの種類が異なる点と、Wi-FiインターフェースがMACアドレス「M2」を有する点と、を除いて、MFP100と同様の構成を備える。MFP200は、操作部212と、表示部214と、印刷実行部216と、スキャン実行部218と、NFCタグインターフェース220と、Wi-Fiインターフェース222と、制御部230と、を備える。
【0024】
NFCタグインターフェース220は、NFC通信を実行するための無線インターフェースである。NFCタグインターフェース220は、MFP200のバス線に接続されている。従って、NFCタグインターフェース220は、情報を制御部230に供給したり、制御部230から情報を取得したりすることができる。即ち、NFCタグインターフェース220は、制御部230との通信を実行不可能である。一般的に言うと、NFCタグインターフェース220は、制御部230から独立していない。NFCタグインターフェース220は、MFP200の電源(図示省略)から電力の供給を受けることができる。
【0025】
本実施例では、NFCタグインターフェース220は、NFC規格のカードのみとして機能するICタグインターフェースである。ただし、変形例では、NFCタグインターフェース220は、カードエミュレーションモード、リーダライタモード、及び、P2Pモードのいずれかで選択的に動作可能なインターフェースであってもよい。
【0026】
制御部230は、CPU232とメモリ234とを備える。CPU232は、メモリ234に格納されているプログラム236に従って、様々な処理を実行する。メモリ234は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0027】
(MFP100の状態移行処理:図2
図2を参照して、MFP100のCPU132によって実行される状態移行処理を説明する。MFP100の電源がONされることをトリガとして、図2の処理が開始される。
【0028】
S10において、CPU132は、まず、MFP100のWFD設定を「OFF」に設定する。WFD設定は、MFP100がWFDのG/Oとして動作する状態を意味する「ON」と、MFP100がG/Oとして動作しない状態を意味する「OFF」と、のどちらかを示す。
【0029】
S12において、CPU132は、ホーム画面SC0を表示部114に表示させる。ホーム画面SC0は、コピーボタン、スキャンボタン、WFD設定ボタン等の様々なボタンを含む。フローチャートでは図示省略しているが、CPU132は、コピーボタン又はスキャンボタンがユーザによって選択されると、原稿のコピー又はスキャンを実行する。
【0030】
S20において、CPU132は、ホーム画面SC0内のWFD設定ボタンがユーザによって選択されたのか否かを判断する。CPU132は、WFD設定ボタンが選択されたと判断する場合(S20でYES)に、S22に進む。一方、CPU132は、WFD設定ボタンが選択されなかったと判断する場合(S20でNO)に、S20の監視を継続する。なお、図2には、S20でNOの場合にS40に進むことが示されているが、S40の処理は、NFCタグインターフェース220を備えるMFP200のCPU232によって実行される処理であり、NFC独立インターフェース120を備えるMFP100のCPU132によって実行されない。
【0031】
S22において、CPU132は、設定変更画面SC1を表示部114に表示させる。設定変更画面SC1は、現在のWFD設定を示すメッセージと、WFD設定を変更するのか否かを問い合わせるメッセージと、YESボタンと、NOボタンと、を含む。
【0032】
S24において、CPU132は、設定変更画面SC1内のYESボタンがユーザによって選択されたのか否かを判断する。CPU132は、YESボタンが選択されたと判断する場合(S24でYES)に、S26に進む。一方、CPU132は、NOボタンが選択されなかったと判断する場合(S24でNO)に、S12に戻る。
【0033】
S26において、CPU132は、WFD設定を変更する。CPU132は、現在のWFD設定が「OFF」である場合には、S26において、WFD設定を「OFF」から「ON」に変更する。この場合、CPU132は、MFP100の状態を、WFDのG/Oとして動作しない状態(以下では「非G/O状態」と記載する)から、G/Oとして動作する状態(以下では「G/O状態」と記載する)に変更する。換言すると、非G/O状態は、MFP100におけるWFD方式の機能が無効化されている状態であり、G/O状態は、MFP100におけるWFD方式の機能が有効化されている状態である。S26の処理が実行されると、MFP100がG/O(即ち親局)として動作する無線ネットワークが形成される。CPU132は、WFD設定が「ON」から「OFF」にユーザによって変更されない限り、MFP100の状態をG/O状態に維持する。即ち、CPU132は、MFP100の状態をG/O状態に永続的に維持する。
【0034】
CPU132は、WFD設定を「OFF」から「ON」に変更する場合に、さらに、MFP100の状態を、WPS(Wi-Fi Protected Setupの略)が起動されていない状態(以下では「非WPS状態」と記載する)から、WPSが起動されている状態(以下では「WPS状態」と記載する)に変更する。これにより、MFP100は、WPSに従った通信を実行して他の装置とのWFD接続を確立することができる。CPU132は、非WPS状態からWPS状態に変更されてから第1の所定時間(例えば70秒)が経過するまで、MFP100の状態をWPS状態に維持する。即ち、CPU132は、第1の所定時間が経過すると、MFP100の状態をWPS状態から非WPS状態に戻す。
【0035】
CPU132は、現在のWFD設定が「ON」である場合には、S26において、WFD設定を「ON」から「OFF」に変更する。この場合、CPU132は、MFPの状態をG/O状態から非G/O状態に変更する。これにより、MFP100がG/Oとして動作する無線ネットワークが消滅する。S26が終了すると、S12に戻る。
【0036】
(MFP200の状態移行処理:図2
MFP200のCPU232は、図2のS10~S26の処理を実行可能であると共に、S40において、NFCリンクが確立されることを監視する。CPU232は、NFCタグインターフェース220から、NFCリンクが確立されたことを示す確立通知を取得する場合に、S40でYESと判断して、S42に進む。上述したように、MFP100のNFC独立インターフェース120は、制御部130から独立している。このため、MFP100のCPU132は、NFC独立インターフェース120から確立通知を取得することができない。即ち、CPU132は、S40の処理を実行不可能である。
【0037】
S42において、CPU232は、現在のWFD設定が「ON」であるのか否かを判断する。CPU232は、現在のWFD設定が「ON」であると判断する場合(S42でYES)に、S44に進み、現在のWFD設定が「OFF」であると判断する場合(S42でNO)に、S46に進む。
【0038】
S44において、CPU232は、MFP200の状態を非WPS状態からWPS状態に変更する。CPU232は、非WPS状態からWPS状態に変更されてから第1の所定時間(例えば70秒)が経過するまで、MFP200の状態をWPS状態に維持する。S44が終了すると、S12に戻る。
【0039】
S46において、CPU232は、WFD設定を「OFF」に維持しつつ、MFP200の状態を非G/O状態からG/O状態に変更する。CPU232は、G/O状態であるMFP200がいずれの装置ともWFD接続を確立していない状態が第2の所定時間(例えば300秒)継続すると、MFP200の状態をG/O状態から非G/O状態に戻す。例えば、CPU232は、端末装置10とのWFD接続が確立された後に、当該WFD接続が切断されてから第2の所定時間が経過すると、MFP200の状態を非G/O状態に戻す。このように、S46の処理は、MFP200が一時的にG/O状態に変更される処理であるので、WFD設定は「OFF」に維持される。
【0040】
CPU232は、S46において、さらに、MFP200の状態を非WPS状態からWPS状態に変更する。CPU232は、非WPS状態からWPS状態に変更されてから第1の所定時間(例えば70秒)が経過するまで、MFP200の状態をWPS状態に維持する。S46が終了すると、S12に戻る。
【0041】
(端末装置10のアプリ処理:図3
続いて、図3を参照して、端末装置10のCPU32がアプリ40を実行することによって実現される処理を説明する。アプリ40が起動される操作が実行されると、図3の処理が開始される。以下では、端末装置10のCPU32がOS36に従って実行する処理を説明する際に、CPU32を主体として記載せず、OS36を主体として記載する。同様に、CPU32がアプリ40に従って実行する処理を説明する際に、アプリ40を主体として記載する。なお、以下では、アプリ40が何らかの処理の実行指示をOS36に供給することに応じて、OS36が当該処理を実行することがあり得る。この場合、当該処理は、アプリ40がOS36を介して実行する処理であると言える。換言すると、アプリ40は、処理の実行指示をOS36に供給することによって、当該処理を実行する処理実行部としてCPU32を機能させる。
【0042】
S110において、アプリ40は、ホーム画面SC10を表示部14に表示させる。ホーム画面SC10は、印刷アイコンとスキャンアイコンとを含む。
【0043】
S120,S130において、アプリ40は、ホーム画面SC10内の印刷アイコン又はスキャンアイコンがユーザによって選択されることを監視する。アプリ40は、印刷アイコンが選択される場合に、S120でYESと判断してS122に進み、スキャンアイコンが選択される場合に、S130でYESと判断してS132に進む。
【0044】
S122において、アプリ40は、画像選択画面SC12を表示部14に表示させる。画像選択画面SC12は、印刷対象の画像を表わすファイルを選択するための画面である。画像選択画面SC12は、例えば、メモリ34に記憶されている様々なファイルのファイル名(例えば「aaa.jpeg」等)を含む。
【0045】
S124において、アプリ40は、画像選択画面SC12内の1個のファイル(即ち画像)がユーザによって選択されることを監視する。アプリ40は、ファイルが選択される場合に、S124でYESと判断してS126に進む。
【0046】
S126において、アプリ40は、プレビュー画面SC14を表示部14に表示させる。プレビュー画面SC14は、S124で選択されたファイルによって表わされる画像、即ち印刷プレビュー画像を含む。プレビュー画面SC14は、さらに、MFPに印刷を実行させるために、端末装置10をMFPに近づけるべきことをユーザに促すメッセージを含む。S126が終了すると、S140に進む。
【0047】
S132において、アプリ40は、スキャン画面SC20を表示部14に表示させる。スキャン画面SC20は、スキャンをMFPに実行させるために、端末装置10をMFPに近づけるべきことをユーザに促すメッセージを含む。S126が終了すると、S140に進む。
【0048】
S140において、アプリ40は、MFPとのNFCリンクが確立されることを監視する。S126又はS132で表示される画面SC14又はSC20内のメッセージに応じて、端末装置10がMFPに近づけられると、NFCインターフェース20と、MFPのNFCインターフェース(例えば120又は220)と、の間にNFCリンクが確立される。この場合、アプリ40は、NFCインターフェース20から、NFCリンクが確立されたことを示す確立通知を取得し、S140でYESと判断してS142に進む。確立通知は、上記のNFCリンクを利用してMFPのNFCインターフェースから受信された情報(以下では「特定情報」と記載する)を含む。即ち、アプリ40は、NFCインターフェース20を介して、MFPから特定情報を受信する。特定情報の内容は、NFCリンクの確立先のMFPに依存する。
【0049】
MFP100とのNFCリンクが確立される場合には、特定情報は、MFP100のNFCインターフェース120がNFC独立インターフェースであることを示すインターフェース種別情報を含む。この場合、特定情報は、さらに、MFP100のMACアドレス「MAC1」と、MFP100のモデル名「M1」と、を含む。これらの情報は、MFP100の出荷段階から、NFC独立インターフェース120に予め記憶されている。
【0050】
一方、MFP200とのNFCリンクが確立される場合には、特定情報は、MFP200のNFCインターフェース220がNFCタグインターフェースであることを示すインターフェース種別情報を含む。この場合、特定情報は、さらに、MFP200のMACアドレス「MAC2」を含む。
【0051】
MFP200は、MFP200の電源がONされる際に、MFP200がG/Oとして動作する無線ネットワークを識別するSSID(Service Set Identifierの略)と、当該無線ネットワークで利用されるパスワードと、を生成して、それらの情報をNFCタグインターフェース220に記憶させる。そして、MFP200は、MFP200の電源がONされた後に、非G/O状態からG/O状態に移行すると、それらの情報が利用される無線ネットワークを形成する。また、MFP200は、G/O状態から非G/O状態に移行する際に、新たなSSID及び新たなパスワードを生成して、それらの情報をNFCタグインターフェース220に記憶させる。従って、特定情報は、さらに、SSIDとパスワードとを含む。
【0052】
MFP200は、AP60とのWi-Fi接続を確立する際に、AP60によって形成されている無線ネットワークで利用されるMFP200のIPアドレスをNFCタグインターフェース220に記憶させる。従って、MFP200がAP60とのWi-Fi接続を確立している場合には、特定情報は、さらに、MFP200のIPアドレスを含む。
【0053】
MFP200がG/Oとして動作する無線ネットワークに子局として参加可能な装置の上限数は予め決められている。本実施例では、当該上限数は「1」である。MFP200は、上記の無線ネットワークを形成しており、かつ、他の装置が上記の無線ネットワークに子局として参加している場合には、エラー情報をNFCタグインターフェース220に記憶させる。従って、この場合には、特定情報は、さらに、エラー情報を含む。当該エラー情報は、無線ネットワークの子局の数が上限に達しているので、無線ネットワークに参加することができないことを意味する。
【0054】
S142において、アプリ40は、受信済みの特定情報に含まれるインターフェース種別情報が、NFC独立インターフェースを示すのか、NFCタグインターフェースを示すのか、を判断する。アプリ40は、インターフェース種別情報がNFC独立インターフェースを示す場合に、S150に進み、独立インターフェース処理(図4参照)を実行する。アプリ40は、インターフェース種別情報がNFCタグインターフェースを示す場合に、S160に進み、タグインターフェース処理(図6参照)を実行する。S150又はS160が終了すると、S110に戻る。
【0055】
(独立インターフェース処理:図4
続いて、図4を参照して、図3のS150の独立インターフェース処理を説明する。以下では、S140で受信された特定情報に含まれるMACアドレスのことを「対象MACアドレス」と記載する。また、上述したように、NFC独立インターフェースを備えるMFPから受信される特定情報は、当該MFPのモデル名を含む。以下では、当該モデル名のことを「対象モデル名」と記載する。例えば、MFP100から受信される特定情報は、対象モデル名として「M1」を含む。
【0056】
S210において、アプリ40は、メモリ34内の接続履歴情報が対象MACアドレスを含むのか否かを判断する。接続履歴情報は、図4の処理によってWFD接続が確立されたMFPのMACアドレスを含む情報であり、後述のS272でメモリ34に記憶される。アプリ40は、接続履歴情報が対象MACアドレスを含む場合に、S210でYESと判断してS212に進み、接続履歴情報が対象MACアドレスを含まない場合に、S210でNOと判断してS240に進む。
【0057】
S212において、アプリ40は、デバイス検索指示をOS36に供給する。デバイス検索指示は、端末装置10の周囲に存在する無線ネットワークの親局の検索を指示するコマンドである。これにより、OS36は、Wi-Fiインターフェース22を介して、ブロードキャストのProbe要求を送信することによって、親局の検索を実行する。OS36は、Wi-Fiインターフェース22を介して、親局からProbe応答を受信する。当該親局は、AP、WFDのG/O等を含む。従って、例えば、MFP100又はMFP200がG/Oとして動作している場合には、OS36は、MFP100又はMFP200からProbe応答を受信する。Probe応答は、当該Probe応答の送信元の親局によって形成されている無線ネットワークのSSIDと、当該親局のMACアドレスと、を含む。OS36は、上記の検索によって受信された各Probe応答に含まれる各MACアドレスを含む検索結果をアプリ40に供給する。
【0058】
S220において、アプリ40は、OS36から取得された検索結果が対象MACアドレスを含むのか否かを判断する。アプリ40は、検索結果が対象MACアドレスを含む場合に、S220でYESと判断してS260に進み、検索結果が対象MACアドレスを含まない場合に、S220でNOと判断してS280に進む。
【0059】
S240において、アプリ40は、対象モデル名が「M1」であるのか「M2」であるのかを判断する。アプリ40は、対象モデル名が「M1」である場合に、S240でYESと判断してS242に進み、対象モデル名が「M2」である場合に、S240でNOと判断してS244に進む。
【0060】
S242において、アプリ40は、モデル名「M1」に対応する操作画面SC30を表示部14に表示させる。図5に示されるように、操作画面SC30は、MFPのホーム画面内のWFD設定を選択して、MFPのWFD設定を「OFF」から「ON」に変更すべきことをユーザに促すメッセージ300を含む。即ち、メッセージ300は、図2のS22で表示される設定変更画面SC1内のYESボタンを選択すべきことをユーザに促すメッセージである。図2に示されるように、NFC独立インターフェースを備えるMFPは、端末装置10とのNFCリンクが確立されても、非G/O状態からG/O状態に自動的に移行しない(即ちS40でYESを経たS46が実行されない)。従って、ユーザは、MFPに対する操作を実行して、MFPのWFD設定を「OFF」から「ON」に変更する必要がある。本実施例では、操作画面SC30が表示されるので、ユーザは、MFPのWFD設定を「ON」に変更するための操作を適切に実行することができる。操作画面SC30は、さらに、端末装置10をMFPに近づけるべきことをユーザに促すメッセージ302を含む。S242が終了すると、S250に進む。
【0061】
S244において、アプリ40は、モデル名「M2」に対応する操作画面SC32を表示部14に表示させる。図5に示されるように、操作画面SC32は、MFPの正面の物理ボタンを押して、MFPのWFD設定を「OFF」から「ON」に変更すべきことをユーザに促すメッセージ310を含む。このように、モデル名「M2」を有するMFP(図示省略)は、モデル名「M1」を有するMFP100とは異なる手法によって、WFD設定が変更される。従って、アプリ40は、モデル名に応じた手法を示す操作画面SC30又はSC32を表示する。これにより、ユーザは、モデル名に応じた手法を利用して、MFPのWFD設定を変更することができる。S244が終了すると、S250に進む。
【0062】
S250において、アプリ40は、MFPとのNFCリンクが再確立されることを監視する。S250の処理は、図3のS140の処理と同様である。アプリ40は、NFCインターフェース20から確立通知を取得する場合に、S250でYESと判断してS260に進む。このように、アプリ40は、MFPとのNFCリンクが再確立される場合に、S260以降の処理において、MFPとのWFD接続を確立することができる。
【0063】
S260において、アプリ40は、対象MACアドレスを含む接続指示をOS36に供給する。接続指示は、対象MACアドレスを有するMFPとのWFD接続の確立を指示するコマンドである。これにより、OS36は、Wi-Fiインターフェース22を介して、G/Oとして動作するMFPとのWFD接続を確立することを試みる。
【0064】
S262において、アプリ40は、接続画面SC35を表示部14に表示させる。図5に示されるように、接続画面SC35は、MFPとのWFD接続を確立するための処理が実行されていることを示すメッセージ320を含む。接続画面SC35は、さらに、MFPに接続ボタンが表示されたら、接続ボタンを選択すべきことをユーザに促すメッセージ322を含む。接続ボタンは、MFP100を非WPS状態からWPS状態に変更するためのボタンである。
【0065】
上述したように、図2のS26において、MFP100が非WPS状態からWPS状態に変更されても、MFP100は、第1の所定時間(例えば70秒)が経過すると、WPS状態から非WPS状態に移行する。従って、例えば、S242で表示される操作画面SC30に応じた操作がMFP100に実行されてから第1の所定時間が経過した後に、MFP100とのNFCリンクが再確立され得る。この場合、MFP100が非WPS状態に戻っているので、MFP100とのWFD接続を確立するための処理がS260で実行されても、MFP100とのWFD接続が確立されず、接続ボタンがMFP100に表示される。ユーザは、接続画面SC35内のメッセージ322に応じて、MFP100に表示される接続ボタンを選択することができる。これにより、ユーザは、MFP100とのWFD接続を適切に確立させることができる。
【0066】
また、MFP100とのWFD接続が切断された後に、ユーザがMFP100とのWFD接続を再確立させるために、MFP100とのNFCリンクが再確立され得る。この場合も、MFP100が非WPS状態に戻っているので、MFP100とのWFD接続を確立するための処理がS260で実行されても、MFP100とのWFD接続が確立されず、接続ボタンがMFP100に表示される。ユーザは、接続画面SC35内のメッセージ322に応じて、MFP100に表示される接続ボタンを選択することができる。これにより、ユーザは、MFP100とのWFD接続を適切に再確立させることができる。
【0067】
S270において、アプリ40は、MFPとのWFD接続が確立されたのか否かを判断する。アプリ40は、OS36から、WFD接続が確立されたことを示す接続通知を取得する場合に、S270でYESと判断してS272に進み、OS36から、WFD接続が確立されなかったことを示すエラー通知を取得する場合に、S270でNOと判断してS280に進む。
【0068】
S272において、アプリ40は、接続履歴情報として対象MACアドレスを記憶済みでない場合に、対象MACアドレスを接続履歴情報に追加する。アプリ40は、接続履歴情報として対象MACアドレスを記憶済みである場合に、S272をスキップする。
【0069】
S274において、アプリ40は、S270で確立されたWFD接続を利用して、Wi-Fiインターフェース22を介して、印刷コマンド又はスキャンコマンドをMFPに送信する。アプリ40は、図3のS126を経た場合には、S124で選択された画像を表わす印刷データを含む印刷コマンドをMFPに送信する。これにより、MFPは、当該画像の印刷を実行する。一方、アプリ40は、図3のS132を経た場合には、スキャンコマンドをMFPに送信する。これにより、MFPは、原稿のスキャンを実行して、スキャンデータを生成する。当該スキャンデータは、上記のWFD接続を利用してMFPから端末装置10に送信されてもよいし、MFPのメモリ内に記憶されてもよいし、MFPに接続されている外部メモリ内に記憶されてもよい。
【0070】
図示省略しているが、S274が終了すると、端末装置10とMFPとの間のWFD接続が切断される。端末装置10が主体としてWFD接続が切断されてもよいし、MFPが主体としてWFD接続が切断されてもよい。S274が終了すると、図4の処理が終了する。
【0071】
S280において、アプリ40は、対象モデル名が「M1」であるのか「M2」であるのかを判断する。アプリ40は、対象モデル名が「M1」である場合に、S280でYESと判断してS282に進み、対象モデル名が「M2」である場合に、S280でNOと判断してS284に進む。
【0072】
S282において、アプリ40は、モデル名「M1」に対応するエラー画面SC40を表示部14に表示させる。図5に示されるように、エラー画面SC40は、WFD接続が確立されなかったことを示すメッセージ340を含む。エラー画面SC40は、さらに、MFPのホーム画面内のWFD設定を選択して、MFPのWFD設定を「OFF」から「ON」に変更すべきことをユーザに促すメッセージ342を含む。メッセージ342は、操作画面SC30内のメッセージ300と同様である。S242で操作画面SC30が表示されたにも関わらず、ユーザがMFPのWFD設定を「ON」に変更するための操作を実行しないことがあり得る。この場合、MFPとのWFD接続が確立されず(S270でNO)、メッセージ342を含むエラー画面SC40が表示される。このため、ユーザは、メッセージ342に応じて、MFPのWFD設定を「ON」に変更するための操作を実行することができる。S282が終了すると、図4の処理が終了する。
【0073】
S284において、アプリ40は、モデル名「M2」に対応するエラー画面SC42を表示部14に表示させる。図5に示されるように、エラー画面SC42は、WFD接続が確立されなかったことを示すメッセージ350を含む。エラー画面SC42は、さらに、MFPの正面の物理ボタンを押して、MFPのWFD設定を「OFF」から「ON」に変更すべきことをユーザに促すメッセージ352を含む。メッセージ352は、操作画面SC32内のメッセージ310と同様である。ユーザは、メッセージ352に応じて、MFPのWFD設定を「ON」に変更するための操作を実行することができる。特に、本実施例では、アプリ40は、モデル名に応じた手法を示すエラー画面SC40又はSC42を表示する。これにより、ユーザは、モデル名に応じた手法を利用して、MFPのWFD設定を変更することができる。S284が終了すると、図4の処理が終了する。
【0074】
(タグインターフェース処理:図6
続いて、図6を参照して、図3のS160のタグインターフェース処理を説明する。上述したように、NFCタグインターフェースを備えるMFP200から受信される特定情報は、MFP200のMACアドレス「MAC2」と、MFP200がG/Oとして動作する無線ネットワークのSSIDと、当該無線ネットワークのパスワードと、を含む。また、当該特定情報は、さらに、AP60によって形成されている無線ネットワークで利用されるMFP200のIPアドレスを含み得るし、エラー情報を含み得る。
【0075】
S310において、アプリ40は、特定情報がエラー情報を含むのか否かを判断する。アプリ40は、特定情報がエラー情報を含む場合に、S310でYESと判断してS312に進み、特定情報がエラー情報を含まない場合に、S310でNOと判断してS320に進む。
【0076】
S312において、アプリ40は、エラー画面SC50を表示部14に表示させる。エラー画面SC50は、MFP200がG/Oとして動作する無線ネットワークの子局の数が上限に達しているので、MFP200とのWFD接続を確立することができないことを示すメッセージを含む。従って、ユーザは、MFP200とのWFD接続を確立することができないことを知ることができる。S312が終了すると、図6の処理が終了する。
【0077】
S320において、アプリ40は、端末装置10及びMFP200が同じAP60とのWi-Fi接続を確立しているのか否かを判断する。具体的には、アプリ40は、まず、特定情報がIPアドレスを含むのか否かを判断し、特定情報がIPアドレスを含まない場合には、同じAP60とのWi-Fi接続を確立していないと判断して(S320でNO)、S330に進む。アプリ40は、特定情報がIPアドレスを含む場合には、当該IPアドレスを含む導通確認指示をOS36に供給する。導通確認指示は、当該IPアドレスを送信先IPアドレスとして含む確認信号の送信を指示するコマンドである。これにより、OS36は、Wi-Fiインターフェース22を介して確認信号を送信し、応答信号を受信する場合に、導通通知をアプリ40に供給する。OS36は、応答信号を受信しない場合に、未導通通知をアプリ40に供給する。アプリ40は、OS36から導通通知を取得する場合に、同じAP60とのWi-Fi接続を確立していると判断し(S320でYES)、S322に進む。アプリ40は、OS36から未導通通知を取得する場合に、同じAP60とのWi-Fi接続を確立していないと判断し(S320でNO)、S330に進む。
【0078】
S322において、アプリ40は、AP60とのWi-Fi接続を利用して、Wi-Fiインターフェース22を介して、印刷コマンド又はスキャンコマンドをMFPに送信する。どちらのコマンドが送信されるのかについては、図4のS274と同様である。S322が終了すると、図6の処理が終了する。
【0079】
S330、S340の処理は、それぞれ、図4のS260、S270の処理と同様である。アプリ40は、MFP200とのWFD接続が確立される場合(S340でYES)に、S342において、MFP200とのWFD接続を利用して、Wi-Fiインターフェース22を介して、印刷コマンド又はスキャンコマンドをMFPに送信する。どちらのコマンドが送信されるのかについては、図4のS274と同様である。S342が終了すると、図6の処理が終了する。
【0080】
アプリ40は、MFP200とのWFD接続が確立されない場合(S340でNO)にS344において、エラー画面SC52を表示部14に表示させる。エラー画面SC52は、WFD接続が確立されなかったことを示すメッセージと、WFD接続が確立されなかった原因を示すメッセージと、を含む。当該原因は、例えば、端末装置10とMFP200との間の通信環境が悪い可能性があることを示す。S344が終了すると、図6の処理が終了する。
【0081】
(具体的なケース:図7図13
続いて、図7図13を参照して、図2図4及び図6の処理によって実現される具体的なケースを説明する。図7図13では、NFC通信を太い破線の矢印で示し、Wi-Fi通信を細い破線の矢印で示す。
【0082】
(ケースA1:図7
図7のケースA1は、端末装置10がMFP100とのWFD接続を確立するケースである。図7の初期状態では、MFP100のWFD設定が「OFF」であり、MFP100が非G/O状態である。
【0083】
T10において、アプリ40を起動するための操作が端末装置10に実行されると、T12において、アプリ40が起動される(図3のトリガ)。アプリ40は、T14において、ホーム画面SC10を表示し(S110)、T20において、印刷アイコンの選択操作を受け付ける(S120でYES)。アプリ40は、T22において、画像選択画面SC12を表示し(S122)、T24において、印刷対象の画像の選択操作を受け付ける(S124でYES)。この場合、アプリ40は、プレビュー画面SC14を表示する(S126)。
【0084】
端末装置10がMFP100に近づけられると、T30において、端末装置10とMFP100との間にNFCリンクが確立され、アプリ40は、MFP100から特定情報を受信する(S140でYES)。当該特定情報は、NFC独立インターフェースを示すインターフェース種別情報と、MFP100のMACアドレス「MAC1」と、MFP100のモデル名「M1」と、を含む。この場合、アプリ40は、T32において、モデル名「M1」に対応する操作画面SC30を表示する(S142でYES、S150、図4のS210でNO、S240でYES、S242)。このように、アプリ40は、インターフェース種別情報がNFC独立インターフェースを示す場合に、操作画面SC30を表示する。従って、MFP100への操作の実行をユーザに促すことができる。このため、アプリ40は、上記の操作がMFP100に実行される場合に、MFP100とのWFD接続を確立することができる。
【0085】
ユーザは、操作画面SC30内のメッセージ300に応じて、T34において、MFP100に対する操作を実行する。具体的には、MFP100は、ホーム画面SC0を表示し(図2のS12)、WFD設定ボタンの選択操作を受け付け(S20)、設定変更画面SC1を表示する(S22)。そして、MFP100は、設定変更画面SC1内のYESボタンの選択操作を受け付け(S24)、T36において、WFD設定を「OFF」から「ON」に変更する(S26)。即ち、MFP100は、非G/O状態からG/O状態に移行し、非WPS状態からWPS状態に移行する。
【0086】
その後、操作画面SC30内のメッセージ302に応じて、端末装置10がMFP100に近づけられると、T40において、端末装置10とMFP100との間にNFCリンクが再確立され、アプリ40は、MFP100から特定情報を受信する(図4のS250でYES)。この場合、アプリ40は、T42において、MACアドレス「MAC1」を含む接続指示をOS36に供給し(S260)、T44において、接続画面SC35を表示する(S262)。
【0087】
OS36は、T42において、アプリ40から接続指示を取得すると、T50において、WPSに従った通信をMFP100と実行して、T52において、MFP100とのWFD接続を確立する。この場合、OS36は、T54において、接続通知をアプリ40に送信する。
【0088】
アプリ40は、T54において、OS36から接続通知を取得すると(S270でYES)、T56において、接続履歴情報としてMACアドレス「MAC1」を記憶する(S272)。そして、アプリ40は、T60において、印刷コマンドをMFP100に送信する(S274)。
【0089】
MFP100は、T60において、端末装置10から印刷コマンドを受信すると、T62において、印刷コマンドに応じた印刷を実行する。その後、T70において、端末装置10とMFP100との間のWFD接続が切断される。この場合、MFP100は、G/O状態を維持する。ただし、MFP100は、WPS状態から非WPS状態に移行する。
【0090】
図7の続き:図8
図8を参照して、図7の処理が実行された後に、ユーザがMFP100に印刷を再び実行させる状況を説明する。T110~T130の処理は、図7のT10~T30の処理と同様である。この場合、アプリ40は、T134において、MACアドレス「MAC1」を含むデバイス検索指示をOS36に供給する(図4のS210でYES、S212)。
【0091】
OS36は、T134において、アプリ40からデバイス検索指示を取得すると、T130において、ブロードキャストのProbe要求を送信し、T138において、G/OであるMFP100からProbe応答を受信する。当該Probe応答は、MFP100のMACアドレス「MAC1」と、MFP100がG/Oとして動作する無線ネットワークのSSID「SSID1」と、を含む。OS36は、T140において、当該Probe応答内のMACアドレス「MAC1」を含む検索結果をアプリ40に供給する。
【0092】
アプリ40は、T140において、OS36から検索結果を取得すると、T142において、MACアドレス「MAC1」を含む接続指示をOS36に供給し(S260)、T144において、接続画面SC35を表示する。
【0093】
OS36は、T142において、アプリ40から接続指示を取得すると、T146において、接続指示内のMACアドレス「MAC1」を送信先MACアドレスとして含む接続要求をMFP100に送信する。
【0094】
MFP100は、T146において、端末装置10から接続要求を受信する。ただし、MFP100は、非WPS状態であるので、WPSに従った通信を実行することができない。この場合、MFP100は、T147において、接続ボタンを表示する。ユーザは、接続画面SC35内のメッセージ322に応じて、T148において、MFP100に表示された接続ボタンを選択する。ここでの接続ボタンの選択操作は、WPSのPBC(Push Button Configurationの略)方式に従ったボタン操作に相当する。これにより、MFP100は、T149において、非WPS状態からWPS状態に移行する。
【0095】
その後、OS36は、T150において、WPSに従った通信をMFP100と実行して、T152において、MFP100とのWFD接続を確立する。このように、アプリ40は、1回目のWFD接続が切断された後(図7のT70)に、MFP100とのNFCリンクが再確立される場合(図8のT130)に、操作画面SC30を表示することなく、MFP100とのWFD接続を再確立することができる(T152)。その後のT154~T170の処理は、図7のT54~T70の処理と同様である。
【0096】
(ケースA2:図9
図9のケースA2は、MFP100のWFD設定を「ON」に変更するための操作が実行されないケースである。T210~T232の処理は、図7のT10~T32の処理と同様である。
【0097】
ユーザは、操作画面SC30が表示されても、MFP100のWFD設定を「ON」に変更するための操作を実行しない。そして、T240において、端末装置10とMFP100との間にNFCリンクが再確立される(図4のS250でYES)。この場合、アプリ40は、T242において、MACアドレス「MAC1」を含む接続指示をOS36に供給し(S260)、T244において、接続画面SC35を表示する(S262)。
【0098】
OS36は、T242において、アプリ40から接続指示を取得すると、T246において、ブロードキャストのProbe要求を送信する。しかしながら、MFP100が非G/O状態であるので、OS36は、MFP100からProbe応答を受信しない。このため、OS36は、MFP100とのWFD接続を確立することができず、T254において、エラー通知をアプリ40に供給する。
【0099】
アプリ40は、T254において、OS36からエラー通知を取得すると、T260において、エラー画面SC40を表示する(S270でNO、S280でYES、S282)。このように、アプリ40は、MFP100のWFD設定を「ON」に変更するための操作が実行されることなく、MFP100とのNFCリンクが再確立される場合(T240)に、エラー画面SC40を表示する(T260)。従って、ユーザは、MFP100とのWFD接続が確立されなかったことを知ることができる。特に、エラー画面SC40は、MFP100のWFD設定を「ON」に変更するための操作を示すメッセージ342を含む。従って、ユーザは、MFP100とのWFD接続が確立するためには当該操作を実行すべきことを知ることができる。
【0100】
図9のケースA2の後に、T210~T230の処理が再び実行されると、アプリ40は、T232にいて、操作画面SC30を表示する(S210でNO、S240でYES、S242)。従って、ユーザは、MFP100のWFD設定を「ON」に変更するための操作を実行すべきことを知ることができる。そして、アプリ40は、上記の操作がMFP100に実行される場合に、MFP100とのWFD接続を確立することができる(図7のT34~T52)。
【0101】
(ケースA3:図10
図10のケースA3は、G/O状態のMFP100が他の端末装置50とのWFD接続を確立しているケースである。MFP100のWFD設定が「ON」であり、MFP100がG/O状態かつ非WPS状態である。T310~T332の処理は、図7のT10~T32の処理と同様である。
【0102】
ユーザは、T332で表示される操作画面SC30内のメッセージ300に応じて、MFP100に対して操作を実行することを試みる。しかしながら、本ケースでは、MFP100のWFD設定が既に「ON」になっているために、ユーザは、MFP100のWFD設定を「ON」に変更するための操作を実行しない。そして、T340において、端末装置10とMFP100との間にNFCリンクが再確立される(図4のS250でYES)。この場合、アプリ40は、T342において、MACアドレス「MAC1」を含む接続指示をOS36に供給し(S260)、T344において、接続画面SC35を表示する(S262)。
【0103】
OS36は、T342において、アプリ40から接続指示を取得すると、WPSに従った通信をMFP100と実行することを試みる。しかしながら、MFP100が非WPS状態であり、かつ、MFP100がG/Oとして動作する無線ネットワークに所属する子局の数が上限であるので、OS36は、WPSに従った通信をMFP100と実行することができない。このため、OS36は、T354において、エラー通知をアプリ40に供給する。
【0104】
アプリ40は、T354において、OS36からエラー通知を取得すると、T360において、エラー画面SC40を表示する(S270でNO、S280でYES、S282)。従って、ユーザは、MFP100とのWFD接続が確立されなかったことを知ることができる。
【0105】
(ケースB1:図11
図11のケースB1は、端末装置10がMFP200とのWFD接続を確立するケースである。図11の初期状態では、MFP200のWFD設定が「OFF」であり、MFP200が非G/O状態である。MFP200は、AP60とのWi-Fi接続を確立している。端末装置10は、AP60とのWi-Fi接続を確立していない。
【0106】
T410~T426の処理は、図7のT10~T26の処理と同様である。T430において、端末装置10とMFP200との間にNFCリンクが確立され、アプリ40は、MFP200から特定情報を受信する(S140でYES)。当該特定情報は、NFCタグインターフェースを示すインターフェース種別情報と、MFP200のMACアドレス「MAC2」と、MFP200がG/Oとして動作する無線ネットワークのSSID「SSID2」と、当該無線ネットワークのパスワードと、AP60によって形成されている無線ネットワークで利用されるMFP200のIPアドレスと、を含む。アプリ40は、T440において、受信済みのIPアドレスを含む導通確認指示をOS36に供給する(S142でNO、S160、図6のS310でNO、S320)。
【0107】
MFP200は、T430において、端末装置10とのNFCリンクが確立されると(図2のS40でYES)、非G/O状態からG/O状態に移行し、非WPS状態からWPS状態に移行する(S42でNO、S46)。
【0108】
OS36は、T440において、アプリ40から導通確認指示を取得すると、導通確認指示内のIPアドレスを送信先IPアドレスとして含む確認信号を送信することを試みる。本ケースでは、端末装置10がAP60とのWi-Fi接続を確立していないので、OS36は、確認信号をMFP200に送信することができず、この結果、MFP200から応答信号を受信しない。このため、OS36は、T441において、未導通通知をアプリ40に供給する。
【0109】
アプリ40は、T441において、OS36から未導通通知を取得すると(図6のS320でNO)、MACアドレス「MAC2」を含む接続指示をOS36に供給する(S330)。その後のT450~T470の処理は、MFP200が対象である点を除き、図7のT50~T70と同様である。このように、アプリ40は、インターフェース種別情報がNFCタグインターフェースを示す場合に、WFD設定を「ON」に変更するための操作がMFP200に実行されなくても、MFP200とのWFD接続を確立することができる。
【0110】
MFP200は、T470において、端末装置10とのWFD接続が切断されると、WPS状態から非WPS状態に移行する。MFP200は、さらに、WFD接続が切断されてから第2の所定時間(例えば300秒)が経過すると、G/O状態から非G/O状態に移行する。ここで、MFP200がG/O状態から非G/O状態に移行する点が、図7のケースA1において、MFP100がG/O状態を維持する点とは異なる。図7のケースA1では、MFP100に対する操作がユーザによって実行されることに応じて、MFP100がG/O状態に移行する(T34、T36)。従って、MFP100は、ユーザがMFP100のWFD設定を「ON」に変更したいという意図に応じて、G/O状態を維持する。一方、図11のケースB1では、MFP200に対する操作がユーザによって実行されない。このため、MFP200は、G/O状態に一時的に移行し、端末装置10とのWFD接続が切断されると、非G/O状態に戻る。
【0111】
(ケースB2:図12
図12のケースB2は、端末装置10がAP60を介して印刷コマンドをMFP200に送信するケースである。図12の初期状態では、端末装置10及びMFP200は、同じAP60とのWi-Fi接続を確立している。
【0112】
T510~T540の処理は、図11のT410~T440の処理と同様である。OS36は、T540において、アプリ40から導通確認指示を取得すると、T542において、導通確認指示内のIPアドレスを送信先IPアドレスとして含む確認信号を送信する。これにより、OS36は、T542において、AP60を介して確認信号をMFP200に送信し、T544において、AP60を介してMFP200から応答信号を受信する。このため、OS36は、T546において、導通通知をアプリ40に供給する。
【0113】
アプリ40は、T546において、OS36から導通通知を取得すると(図6のS320でYES)、AP60を介して印刷コマンドをMFP200に送信する(S322)。このように、アプリ40は、端末装置10及びMFP200が同じAP60に接続している場合に、MFP200とのWFD接続を確立することなく、AP60を介して印刷コマンドをMFP200に送信することができる。
【0114】
MFP200は、T546において、AP60を介して端末装置10から印刷コマンドを受信すると、印刷コマンドに従った印刷を実行する。そして、MFP200は、T536でWPS状態に移行してから第1の所定時間(例えば70秒)が経過すると、非WPS状態に移行する。また、MFP200は、T536でG/O状態に移行してからWFD接続が確立されることなく第2の所定時間(例えば300秒)が経過すると、非G/O状態に移行する。
【0115】
(ケースB3:図13
ケースB3は、G/O状態のMFP200が他の端末装置50とのWFD接続を確立しているケースである。MFP200のWFD設定が「ON」であり、MFP200がG/O状態かつ非WPS状態である。
【0116】
T610~T626の処理は、図11のT410~T426の処理と同様である。T630において、端末装置10とMFP200との間にNFCリンクが確立され、アプリ40は、MFP200から特定情報を受信する(S140でYES)。当該特定情報は、エラー情報を含む。この場合、アプリ40は、T632において、エラー画面SC50を表示する(図6のS310でYES、S312)。従って、ユーザは、MFP200がG/Oとして動作する無線ネットワークの子局の数が上限に達していることに起因して、MFP200とのWFD接続を確立することができないことを知ることができる。
【0117】
(本実施例の効果)
本実施例によると、端末装置10は、インターフェース種別情報がNFC独立インターフェースを示す場合に、操作画面SC30を表示する(図7のT32)。従って、MFP100への操作の実行をユーザに促すことができる。このため、端末装置10は、当該操作がMFP100に実行される場合(T34)に、MFP100とのWFD接続を確立することができる(T52)。一方、端末装置10は、インターフェース種別情報がNFCタグインターフェースを示す場合に、上記の操作がMFP200に実行されなくても、MFP200とのWFD接続を確立することができる(図11のT452)。このように、端末装置10は、MFPがNFC独立インターフェースを備えるのかNFCタグインターフェースを備えるのかに応じた適切な処理を実行することができる。
【0118】
(対応関係)
MFP100,200が、「通信装置」の一例である。NFC規格、Wi-Fi規格が、それぞれ、「第1の通信規格」、「第2の通信規格」の一例である。WFD方式が、「所定方式」の一例である。端末装置10のNFCインターフェース20、Wi-Fiインターフェース22が、それぞれ、「第1の無線インターフェース」、「第2の無線インターフェース」の一例である。MFP100又はMFP200のNFCインターフェース120又は220が、「第3の無線インターフェース」の一例である。MFP100又はMFP200のWi-Fiインターフェース122又は222が、「第4の無線インターフェース」の一例である。NFC独立インターフェース、NFCタグインターフェースが、それぞれ、「第1種の無線インターフェース」、「第2種の無線インターフェース」の一例である。操作画面SC30,SC32が、「複数個の操作画面」の一例である。接続画面SC35が、「通知画面」の一例である。接続ボタンの選択操作が、「所定の接続操作」の一例である。エラー画面SC40(又はSC42)が、「第1のエラー画面」の一例である。エラー画面SC40内のメッセージ342が、「変更操作を示すメッセージ」の一例である。エラー画面SC50、エラー画面SC40(又はSC42)が、それぞれ、「第2のエラー画面」、「第3のエラー画面」の一例である。
【0119】
図3のS140が、「特定情報受信部」によって実行される処理の一例である。図4のS242及びS244が、「第1の表示制御部」によって実行される処理の一例である。S242又はS244を経て実行されるS260が、「第1の確立部」によって実行される処理の一例である。図6のS330が、「第2の確立部」によって実行される処理の一例である。図4のS210でYESを経て実行されるS260が、「再確立部」によって実行される処理の一例である。S262が、「第2の表示制御部」によって実行される処理の一例である。S282及びS284が、「第3の表示制御部」によって実行される処理の一例である。図6のS312が、「第4の表示制御部」によって実行される処理の一例である。図4のS282及びS284が、「第5の表示制御部」によって実行される処理の一例である。
【0120】
(第2実施例)
続いて、第2実施例を説明する。本実施例では、アプリ40は、図4のS272において、接続履歴情報として、対象MACアドレスとWFD接続が確立された日時とを対応付けて記憶する。そして、アプリ40は、図4のS210でYESの場合に、対象MACアドレスに対応付けられている日時から所定時間(例えば1ヵ月)が経過しているのか否かを判断する。アプリ40は、所定時間が経過していると判断する場合に、S240に進み、所定時間が経過していないと判断する場合に、S212に進む。
【0121】
例えば、端末装置10とMFP100との間にWFD接続が確立されてから長時間が経過していると、ユーザが設定変更画面SC1に応じた操作を実行することによってMFP100のWFD設定が「ON」から「OFF」に変更されたり、MFP100が初期化されることによってMFP100のWFD設定が「ON」から「OFF」に変更されたりしている可能性がある。このため、アプリ40は、接続履歴情報として対象MACアドレスを記憶している場合であっても、上記の所定時間が経過している場合には、操作画面SC30又はS32を表示する(S242、S244)。これにより、アプリ40は、MFP100とのWFD接続を適切に確立することができる。
【0122】
(第3実施例)
続いて、第3実施例を説明する。本実施例では、アプリ40は、図4のS272において、接続履歴情報として、対象MACアドレスとWFD接続が確立された日時とを対応付けて記憶する。そして、アプリ40は、図4のS210でYESの場合に、対象MACアドレスに対応付けられている日時の個数、即ち、WFD接続が確立された回数である接続回数を特定し、接続回数が所定回数(例えば3回)未満であるのか否かを判断する。アプリ40は、接続回数が所定回数未満であると判断する場合に、S240に進み、接続回数が所定回数以上であると判断する場合に、S212に進む。
【0123】
接続回数が所定回数未満である場合には、MFP100に関するユーザの知識に乏しい可能性がある。そして、接続履歴情報としてMFP100のMACアドレスが記憶されている場合には、MFP100のWFD設定が「ON」に一旦変更されたはずであるが、その後、知識に乏しいユーザが、MFP100のWFD設定を「OFF」に変更している可能性がある。このため、アプリ40は、接続履歴情報として対象MACアドレスを記憶している場合であっても、接続回数が所定回数未満である場合には、操作画面SC30又はS32を表示する(S242、S244)。これにより、アプリ40は、MFP100とのWFD接続を適切に確立することができる。
【0124】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。以下に変形例を列挙する。
【0125】
(変形例1)NFC独立インターフェースを備える様々なモデルのMFPにおいて、WFD設定を「ON」に変更するための操作が共通である場合には、いずれのモデルのMFPのNFC独立インターフェースも、特定情報としてモデル名を記憶していなくてもよい。この場合、アプリ40は、図4のS240の判断を実行することなく、いずれのモデルのMFPにも共通する操作画面を表示すればよい。一般的に言うと、「特定情報」は、モデル名情報を含まなくてもよい。また、「第1の表示制御部」は、1種類の操作画面のみを表示部に表示させるものであってもよい。
【0126】
(変形例2)図4のS210~S220の処理が省略されてもよい。一般的に言うと、「再確立部」は、第1の無線接続が切断された後に、無線リンクが再確立される場合に、操作画面が表示された後に、第1の無線接続を再確立させてもよい。
【0127】
(変形例3)図4のS262の処理が省略されてもよい。本変形例では。「第2の表示制御部」を省略可能である。
【0128】
(変形例4)図4のS250の処理が省略されてもよい。この場合、例えば、アプリ40は、所定のボタンの操作がユーザによって実行されることを監視し、当該操作が実行される場合に、S260に進んでもよい。また、例えば、アプリ40は、S242又はS252で操作画面SC30又はSC32を表示した後に、S260に直ちに進んでもよい。一般的に言うと、「第1の確立部」は、無線リンクが再確立されなくても、第1の無線接続を確立させてもよい。
【0129】
(変形例5)図4のS280~S284の処理が省略されてもよい。本変形例では、「第3の表示制御部」及び「第5の表示制御部」を省略可能である。
【0130】
(変形例6)エラー画面SC40は、メッセージ342を含んでいなくてもよいし、エラー画面SC42は、メッセージ352を含んでいなくてもよい。一般的に言うと、「第1のエラー画面」は、変更操作を示すメッセージを含んでいなくてもよい。
【0131】
(変形例7)MFP200がG/Oとして動作する無線ネットワークに所属する子局の数が上限に達していても、MFP200のNFCタグインターフェース220は、エラー情報を記憶しなくてもよい。即ち、MFP200から受信される特定情報は、エラー情報を含まなくてもよい。この場合、図6のS310及びS312の処理が省略されてもよい。本変形例では、「第4の表示制御部」を省略可能である。
【0132】
(変形例8)MFP200がエラー情報を含む特定情報を端末装置10に送信する状況は、MFP200がG/Oとして動作する無線ネットワークに所属する子局が上限数に達している状況に限られない。例えば、MFP200は、WFDのクライアントとして動作している場合も、端末装置10とのWFD接続を確立することができない。この場合、特定情報は、MFP200がWFDのクライアントとして動作していることを示すエラー情報を含んでいてもよい。そして、図6のS312では、MFP200がWFDのクライアントとして動作していることを示すエラー画面が表示されてもよい。
【0133】
(変形例9)「第1の通信規格」は、NFC規格に限定されず、例えば、TransferJet規格であってもよい。「第2の通信規格」は、Wi-Fi規格に限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)規格であってもよい。
【0134】
(変形例10)「所定方式」は、WFD方式に限定されず、SoftAP方式であってもよい。
【0135】
(変形例11)「通信装置」は、MFPに限定されず、プリンタ、スキャナ、端末装置、PC、サーバ等の他のデバイスであってもよい。
【0136】
(変形例11)上記の実施例では、図2図4及び図6図13の各処理がソフトウェア(例えばアプリ40)によって実行されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0137】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0138】
本特許出願時の特許請求の範囲において、各請求項が一部の請求項のみに従属している場合であっても、各請求項が当該一部の請求項のみに従属可能であることに限定されない。技術的に矛盾しない範囲において、各請求項は、出願時に従属していない他の請求項にも従属可能である。即ち、各請求項の技術は以下のように様々に組み合わせることができる。
(項目1)
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置は、
第1の通信規格に応じた無線通信を実行するための第1の無線インターフェースと、
前記第1の通信規格とは異なる第2の通信規格に応じた無線通信を実行するための第2の無線インターフェースと、
表示部と、
コンピュータと、を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、
前記端末装置が通信装置に近づけられることに応じて、前記第1の無線インターフェースと、前記通信装置の第3の無線インターフェースであって、前記第1の通信規格に応じた無線通信を実行するための前記第3の無線インターフェースと、の間に無線リンクが確立される場合に、前記無線リンクを利用して、前記第3の無線インターフェースから、前記第1の無線インターフェースを介して、特定情報を受信する特定情報受信部であって、前記特定情報は、前記第3の無線インターフェースの種別を示す種別情報を含む、前記特定情報受信部と、
前記種別情報が、前記通信装置の制御部から独立している第1種の無線インターフェースを示す場合に、前記通信装置の状態を、前記第2の通信規格の所定方式の機能が無効化されている無効化状態から、前記所定方式の前記機能が有効化されている有効化状態に変更するための変更操作を示す操作画面を前記表示部に表示させる第1の表示制御部であって、前記種別情報が、前記第1種の無線インターフェースとは異なる第2種の無線インターフェースであって、前記通信装置の前記制御部から独立していない前記第2種の無線インターフェースを示す場合に、前記操作画面は表示されない、前記第1の表示制御部と、
前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記変更操作が前記通信装置に実行される場合に、前記第2の無線インターフェースと、前記通信装置の第4の無線インターフェースであって、前記第2の通信規格に応じた無線通信を実行するための前記第4の無線インターフェースと、の間に、前記所定方式に従った第1の無線接続を確立させる第1の確立部と、
前記種別情報が前記第2種の無線インターフェースを示す場合に、前記変更操作が前記通信装置に実行されなくても、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に、前記所定方式に従った第2の無線接続を確立させる第2の確立部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
(項目2)
前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示す場合に、前記特定情報は、さらに、前記通信装置のモデル名を示すモデル名情報を含み、
前記第1の表示制御部は、複数個のモデル名に対応する複数個の操作画面のうち、前記モデル名情報によって示される前記モデル名に対応する前記操作画面を前記表示部に表示させる、項目1に記載のコンピュータプログラム。
(項目3)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の無線接続が切断された後に、前記第1の無線インターフェースと前記第3の無線インターフェースとの間に前記無線リンクが再確立される場合に、前記操作画面が前記表示部に表示されることなく、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に前記第1の無線接続を再確立させる再確立部として機能させる、項目1又は2に記載のコンピュータプログラム。
(項目4)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の無線接続が切断された後に、前記第1の無線インターフェースと前記第3の無線インターフェースとの間に前記無線リンクが再確立される場合に、前記通信装置において所定の接続操作を実行すべきことを促す通知画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御部であって、前記所定の接続操作は、前記第1の無線接続を再確立するための通信を前記通信装置に実行させるための操作である、前記第2の表示制御部として機能させ、
前記再確立部は、前記通信装置において前記所定の接続操作が実行される場合に、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に前記第1の無線接続を再確立させる、項目3に記載のコンピュータプログラム。
(項目5)
前記第1の確立部は、前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記変更操作が前記通信装置に実行され、かつ、前記第1の無線インターフェースと前記第3の無線インターフェースとの間に前記無線リンクが再確立される場合に、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に前記第1の無線接続を確立させる、項目1から4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目6)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記変更操作が前記通信装置に実行されることなく、前記第1の無線インターフェースと前記第3の無線インターフェースとの間に前記無線リンクが再確立される場合に、第1のエラー画面を前記表示部に表示させる第3の表示制御部として機能させる、項目5に記載のコンピュータプログラム。
(項目7)
前記第1のエラー画面は、前記変更操作を示すメッセージを含む、項目6に記載のコンピュータプログラム。
(項目8)
前記第1の表示制御部は、前記第1のエラー画面が前記表示部に表示された後に、前記第1の無線インターフェースと前記第3の無線インターフェースとの間に前記無線リンクが再確立される場合に、前記操作画面を前記表示部に表示させる、項目6又は7に記載のコンピュータプログラム。
(項目9)
前記種別情報が前記第2種の無線インターフェースを示し、かつ、前記通信装置の状態が前記有効化状態であり、かつ、前記通信装置が前記所定方式に従った無線接続を前記端末装置と確立不可能である場合に、前記特定情報は、さらに、エラー情報を含み、
前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記通信装置が前記所定方式に従った無線接続を前記端末装置と確立不可能である場合に、前記特定情報は、前記エラー情報を含まず、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記種別情報が前記第2種の無線インターフェースを示し、かつ、前記特定情報が前記エラー情報を含む場合に、第2のエラー画面を前記表示部に表示させる第4の表示制御部と、
前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記通信装置が前記所定方式に従った無線接続を前記端末装置と確立不可能であることに起因して前記第1の無線接続が確立されない場合に、第3のエラー画面を前記表示部に表示させる第5の表示制御部と、
として機能させる、項目1から8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目10)
前記第1の表示制御部は、前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に前記第1の無線接続が前回確立されてから所定時間が経過している場合に、前記操作画面を前記表示部に表示させ、
前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に前記第1の無線接続が前回確立されてから前記所定時間が経過していない場合に、前記操作画面は表示されない、項目1から9のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目11)
前記第1の表示制御部は、前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に前記第1の無線接続が確立された回数が所定回数未満である場合に、前記操作画面を前記表示部に表示させ、
前記種別情報が前記第1種の無線インターフェースを示し、かつ、前記第2の無線インターフェースと前記第4の無線インターフェースとの間に前記第1の無線接続が確立された回数が所定回数以上である場合に、前記操作画面は表示されない、項目1から10のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目12)
前記第1の通信規格は、NFC(Near Field Communicationの略)規格であり、
前記第2の通信規格は、Wi-Fi規格である、項目1から11のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目13)
前記所定方式は、WFD(Wi-Fi Directの略)方式である、項目1から12のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0139】
2:通信システム、10:端末装置、12:操作部、14:表示部、20:NFCインターフェース、22:Wi-Fiインターフェース、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:OSプログラム、40:MFPアプリケーション、50:端末装置、60:AP、100:多機能機、112:操作部、114:表示部、116:印刷実行部、118:スキャン実行部、120:NFC独立インターフェース、122:Wi-Fiインターフェース、130:制御部、132:CPU、134:メモリ、136:プログラム、200:多機能機、212:操作部、214:表示部、216:印刷実行部、218:スキャン実行部、220:NFCタグインターフェース、222:Wi-Fiインターフェース、230:制御部、232:CPU、234:メモリ、236:プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13