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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034094
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/28 20060101AFI20240306BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
H01Q21/28
H01Q21/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138108
(22)【出願日】2022-08-31
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和4年度、国立研究開発法人情報通信研究機構「革新的情報通信技術研究開発委託研究/NTNノードのネットワーク化技術開発とカバレッジ拡張ユースケースのシステム開発・実証」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安達 尚季
【テーマコード(参考)】
5J021
【Fターム(参考)】
5J021AA02
5J021AA03
5J021AA05
5J021AA09
5J021AA11
5J021AB06
5J021HA10
5J021JA07
(57)【要約】
【課題】装置の大型化を抑制し、かつ、アンテナ特性の劣化を抑制する、マルチバンド対応のアンテナ装置を提供すること。
【解決手段】アンテナ装置は、第1周波数に対応する第1アンテナ電極と、第1周波数より小さい第2周波数に対応する第2アンテナ電極と、を備え、第1アンテナ電極は、第1周波数の半波長間隔における格子点上に配置され、第2アンテナ電極は、{(n・d)+(m・d)1/2で示される間隔における格子点上に配置される。ただし、dは、第1周波数の半波長、n,mは、1以上の正の整数である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1周波数に対応する第1アンテナ電極と、
前記第1周波数より小さい第2周波数に対応する第2アンテナ電極と、
を備え、
前記第1アンテナ電極は、前記第1周波数の半波長間隔における格子点上に配置され、
前記第2アンテナ電極は、次の式(1)
{(n・d)+(m・d)1/2 …(1)
(ただし、dは、前記第1周波数の半波長であり、n,mは、正の整数である。)
で示される間隔における格子点上に配置される、
アンテナ装置。
【請求項2】
前記第2アンテナ電極は、前記第1アンテナ電極とオーバーラップして配置される、
請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記第2アンテナ電極は、前記第1周波数におけるスプリアスを抑制する結合調整素子、を有する、
請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記第2アンテナ電極は、前記第2アンテナ電極に近接する4つの第1アンテナ電極の中央に配置される、
請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記第1周波数と前記第2周波数との周波数比は、概ね4:3である、
請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記式(1)のn及びmは1である、
請求項5に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記第1周波数と前記第2周波数との周波数比は、概ね4:1.8である、
請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記式(1)のnは2であり、mは1である、
請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
第1面側に前記第1アンテナ電極及び前記第2アンテナ電極が配置されるアンテナ基板と、
前記アンテナ基板の前記第1面側とは反対側の第2面側に配置され、前記第1周波数、及び、前記第2周波数に対応する第1基板と、
前記第1基板の前記アンテナ基板とは反対側の面側に配置され、前記第2周波数に対応する第2基板と、
前記アンテナ基板と前記第1基板との間に配置され、前記第1周波数に対応する信号、及び、前記第2周波数に対応する信号を伝送する同軸伝送路を有する第1インターポーザーと、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、前記第2周波数に対応する信号を伝送する同軸伝送路を有する第2インターポーザーと、
前記第1基板の前記アンテナ基板とは反対側の面に配置され、前記第1周波数に対応する信号を処理する第1回路と、
前記第2基板の前記第1基板とは反対側の面に配置され、前記第2周波数に対応する信号を処理する第2回路と、
を有する請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記第2周波数より小さい第3周波数に対応する第3アンテナ電極、をさらに備え、
前記第3アンテナ電極は、前記第1周波数の半波長の整数倍の間隔における格子点上に配置される、
請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
前記第3アンテナ電極は、前記第1アンテナ電極とオーバーラップして配置される、
請求項10に記載のアンテナ装置。
【請求項12】
前記第3アンテナ電極は、前記第1周波数におけるスプリアスを抑制する結合調整素子、を有する、
請求項10に記載のアンテナ装置。
【請求項13】
前記第3アンテナ電極は、前記第3アンテナ電極に近接する4つの第1アンテナ電極の中央に配置され、かつ、前記第2アンテナ電極とオーバーラップしないように配置される、
請求項10に記載のアンテナ装置。
【請求項14】
前記第1周波数と前記第2周波数と前記第3周波数との周波数比は、概ね4:3:2である、
請求項10に記載のアンテナ装置。
【請求項15】
前記式(1)のn及びmは1であり、
前記第3アンテナ電極は、前記第1周波数の半波長の2倍の間隔における格子点上に配置される、
請求項14に記載のアンテナ装置。
【請求項16】
第1面側に前記第1アンテナ電極、前記第2アンテナ電極、及び、前記第3アンテナ電極が配置されるアンテナ基板と、
前記アンテナ基板の前記第1面側とは反対側の第2面側に配置され、前記第1周波数、前記第2周波数、及び、前記第3周波数に対応する第1基板と、
前記第1基板の前記アンテナ基板とは反対側の面側に配置され、前記第2周波数、及び、第3周波数に対応する第2基板と、
前記第2基板の前記第1基板とは反対側の面側に配置され、前記第3周波数に対応する第3基板と、
前記アンテナ基板と前記第1基板との間に配置され、前記第1周波数に対応する信号、前記第2周波数に対応する信号、及び、前記第3周波数に対応する信号を伝送する同軸伝送路を有する第1インターポーザーと、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、前記第2周波数に対応する信号、及び、前記第3周波数に対応する信号を伝送する同軸伝送路を有する第2インターポーザーと、
前記第2基板と前記第3基板との間に配置され、前記第3周波数に対応する信号を伝送する同軸伝送路を有する第3インターポーザーと、
前記第1基板の前記アンテナ基板とは反対側の面に配置され、前記第1周波数に対応する信号を処理する第1回路と、
前記第2基板の前記第1基板とは反対側の面に配置され、前記第2周波数に対応する信号を処理する第2回路と、
前記第3基板の前記第2基板とは反対側の面に配置され、前記第3周波数に対応する信号を処理する第3回路と、
を有する請求項10に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチバンド通信システムに用いられるアンテナ装置として、例えば、フラットパネル状のフェイズドアレイアンテナがある。特許文献1の図1には、フェイズドアレイアンテナの開口ハウジング106上に、送信アンテナ開口102と受信アンテナ開口103とを設けることで、送信周波数バンドと受信周波数バンドとの2つの周波数に対応するアンテナ装置が開示される。特許文献2の図1には、第1の周波数バンド対応のアンテナ素子31を間隔D1で配置し、第2の周波数バンド対応のアンテナ素子32を間隔d1で配置することで、2つの周波数バンドに対応するアンテナ装置が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-200168号公報
【特許文献2】特開平5-308223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示のアンテナ装置では、対応する周波数バンド毎にアレイアンテナを備えるため、対応する周波数バンドの数に比例してアンテナ装置が大きくなるという問題がある。
【0005】
特許文献2に開示のアンテナ装置では、2つの周波数バンドの1つの周波数が、もう1つの周波数の整数倍とならない場合に、各周波数バンドに対応する2種類のアンテナ素子の距離が不均一となり、利得の周波数特性や、指向特性、サイドローブ特性といったアンテナ特性が劣化する場合があるという問題がある。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、装置の大型化を抑制し、かつ、アンテナ特性の劣化を抑制する、マルチバンド対応のアンテナ装置の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例に係るアンテナ装置は、第1周波数に対応する第1アンテナ電極と、前記第1周波数より小さい第2周波数に対応する第2アンテナ電極と、を備え、前記第1アンテナ電極は、前記第1周波数の半波長間隔における格子点上に配置され、前記第2アンテナ電極は、次の式(1)
{(n・d)+(m・d)1/2 …(1)
(ただし、dは、前記第1周波数の半波長であり、n,mは、正の整数である。)
で示される間隔における格子点上に配置される。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施例によれば、マルチバンドに対応するアンテナ装置は、装置の大型化が抑制され、かつ、アンテナ特性の劣化が抑制される。
【0009】
本開示の一実施例における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/又は効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つ又はそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の第1の実施の形態に係るアンテナ装置の一部上面図
図2】アンテナ素子の配置を説明する図
図3】アンテナ素子の配置を別の観点から説明する図
図4】第2アンテナ素子の透視斜視図
図5】第2アンテナ素子の上面図
図6】別の形態における第2アンテナ素子の上面図
図7】アンテナ装置のアンテナ基板、高周波回路基板、及び、インターポーザーの断面図
図8図4のA-A矢視断面図
図9図8の点線枠A8を拡大した図
図10】インターポーザーの斜視図
図11】第1の実施の形態に係るアンテナ装置の変形例を示した図
図12】アンテナ素子の配置を説明する図
図13】アンテナ素子の配置を別の観点から説明する図
図14】本開示の第2の実施の形態に係るアンテナ装置の一部上面図
図15】第2の実施の形態に係るアンテナ装置の変形例1を示した図
図16】第2の実施の形態に係るアンテナ装置の変形例2を示した図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0012】
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0013】
<第1の実施の形態>
図1は、本開示の第1の実施の形態に係るアンテナ装置の一部上面図である。図1に示すアンテナ装置1は、例えば、フラットパネル状のフェイズドアレイアンテナである。また、アンテナ装置1は、例えば、Ka帯又はQ帯に対応したマルチバンドのアンテナ装置である。
【0014】
図1の例では、アンテナ装置1は、第1周波数バンド、第2周波数バンド、及び、第3周波数バンドの3つの周波数バンドに対応する。第1周波数バンドと、第2周波数バンドと、第3周波数バンドとの比は、概ね2対3対4の関係を有する。
【0015】
以下では、説明を簡単にするため、第1周波数バンドと、第2周波数バンドと、第3周波数バンドとの比は、2対3対4の関係を有するとする。例えば、第1周波数バンドは20GHzであり、第2周波数バンドは30GHzであり、第3周波数バンドは40GHzであってもよい。
【0016】
図1に示すように、アンテナ装置1は、第1アンテナ素子2と、第2アンテナ素子3と、第3アンテナ素子4と、を有する。第1アンテナ素子2、第2アンテナ素子3、及び、第3アンテナ素子4は、例えば、パッチアンテナ素子であり、平面上に配置される。
【0017】
第1アンテナ素子2は、第3周波数バンドに対応する(第3周波数バンドの電波を送信及び/又は受信する)アンテナ素子である。第2アンテナ素子3は、第2周波数バンド及び第3周波数バンドに対応するアンテナ素子である。第3アンテナ素子4は、第1周波数バンド及び第3周波数バンドに対応するアンテナ素子である。第1アンテナ素子2、第2アンテナ素子3、及び、第3アンテナ素子4は、2種の偏波に対応する2偏波対応のアンテナ素子であってもよい。
【0018】
図1に示す点線枠は、アンテナ素子のサブアレイ5を示す。サブアレイ5は、図1に示すように、例えば、右上に第1アンテナ素子2を有し、左上及び右下に第2アンテナ素子3を有し、左下に第3アンテナ素子4を有する。アンテナ装置1は、サブアレイ5を2次元方向に繰り返し配置した2次元アレイアンテナと捉えてもよい。
【0019】
サブアレイ5の間隔は、第3周波数バンドの半波長である。例えば、図1に示す間隔d1は、サブアレイ5の間隔を示す。間隔d1は、第3周波数バンドの半波長である。
【0020】
サブアレイ5に含まれる第1アンテナ素子2、第2アンテナ素子3、及び、第3アンテナ素子4は、第3周波数バンドに対応する。従って、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子は、サブアレイ5が間隔d1で配置されることにより、図1の縦方向及び横方向において、第3周波数バンドの半波長の間隔で、格子状に配置される。
【0021】
第2アンテナ素子3の間隔は、第1アンテナ素子2の間隔の21/2倍であり、第2周波数バンドの概ね半波長(0.53波長)である。例えば、図1に示す間隔d2は、第2アンテナ素子3の間隔を示す。間隔d2は、第2周波数バンドの概ね半波長である。間隔d2は、第1アンテナ素子2の間隔の21/2倍(d1の21/2倍)である。
【0022】
サブアレイ5において、斜め方向に配置される2つの第2アンテナ素子3は、第3周波数バンドに対応するとともに、第2周波数バンドに対応する。従って、第2周波数バンドに対応するアンテナ素子は、サブアレイ5がd1の間隔で配置されることにより、図1の斜め方向(斜め45度方向)において、第2周波数バンドの半波長の間隔(図1に示すd2の間隔)で、格子状に配置される。
【0023】
第3アンテナ素子4の間隔は、第1アンテナ素子2の間隔の2倍であり、第1周波数バンドの半波長である。例えば、図1に示す間隔d3は、第3アンテナ素子4の間隔を示す。間隔d3は、第1周波数バンドの半波長である。間隔d3は、第1アンテナ素子2の間隔の2倍(d1の2倍)である。
【0024】
サブアレイ5の4隅のうち、1つの隅に配置される1つの第3アンテナ素子4は、第3周波数バンドに対応するとともに、第1周波数バンドに対応する。従って、第1周波数バンドに対応するアンテナ素子は、サブアレイ5がd1の間隔で配置されることにより、図1の縦方向及び横方向において、第1周波数バンドの半波長の間隔(図1に示すd3の間隔)で、格子状に配置される。
【0025】
なお、図1に示すサブアレイ5の右上及び左下を第2アンテナ素子3としてもよい。また、図1に示すサブアレイ5の左下を第1アンテナ素子2とし、右上を第3アンテナ素子4としてもよい。
【0026】
図2は、アンテナ素子の配置を説明する図である。図2の(A)には、間隔d1の格子が示してある。間隔d1は、第3周波数バンドの半波長である。
【0027】
図2の(B)には、間隔d1の21/2倍の間隔d2の格子が示してある。第2周波数バンドは、第3周波数バンドの3/4倍であり、間隔d2は、第2周波数バンドの概ね半波長(0.53波長)となる。図2の(B)の格子は、図2の(A)に示す格子の間隔d1の21/2倍であるので、図2の(B)の格子点は、図2の(B)の格子を45度回転させると、図2の(A)に示す黒丸の格子点に重なる。
【0028】
ここで、図2の(A)に示す黒丸の格子点上には、第2周波数バンド及び第3周波数バンドに対応する第2アンテナ素子3が配置される。従って、第2周波数バンドに対応するアンテナ素子は、第2周波数バンドの概ね半波長の間隔d2において配置される。
【0029】
図2の(C)には、間隔d1の2倍の間隔d3の格子が示してある。第1周波数バンドは、第3周波数バンドの1/2倍であり、間隔d3は、第1周波数バンドの半波長となる。図2の(C)の格子は、図2の(A)に示す格子の間隔d1の2倍であるので、図2の(C)の格子点は、回転せずに、図2の(A)に示す四角の格子点に重なる。
【0030】
ここで、図2の(A)に示す四角の格子点上には、第1周波数バンド及び第3周波数バンドに対応する第3アンテナ素子4が配置される。従って、第1周波数バンドに対応するアンテナ素子は、第1周波数バンドの半波長の間隔d3において配置される。
【0031】
図2の(A)には、第3周波数バンドの半波長の間隔d1の格子が示してある。図2の(A)の黒丸及び四角が示されていない格子点上には、第3周波数バンドに対応する第1アンテナ素子2が配置される。
【0032】
ここで、図2の(A)に示す黒丸及び四角の格子点上には、上記したように、第2周波数バンド及び第3周波数バンドに対応する第2アンテナ素子3と、第1周波数バンド及び第3周波数バンドに対応する第3アンテナ素子4とが配置される。従って、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子は、第3周波数バンドの半波長の間隔d1において配置される。
【0033】
つまり、アンテナ装置1は、第1周波数バンドに対応するアンテナ素子が、第1周波数バンドの半波長の間隔d3において、一様(正方形状の格子上に一様又は等間隔)に配置される。アンテナ装置1は、第2周波数バンドに対応するアンテナ素子が、第2周波数バンドの半波長(概ね半波長)の間隔d2において、一様に配置される。アンテナ装置1は、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子が、第3周波数バンドの半波長の間隔d1において、一様に配置される。
【0034】
図3は、アンテナ素子の配置を別の観点から説明する図である。上記例のように、第3周波数バンドが、第3周波数バンドより小さい第2周波数バンドに対し、整数倍にならない場合(上記例の場合、第3周波数バンドは、第2周波数バンドの4/3倍)、第2周波数バンドに対応するアンテナ素子は、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子が配置される格子の格子点を斜めに通過する第1格子線と、第1格子線に垂直な第2格子線とで構成される格子上において、等間隔かつ半波長(概ね半波長)となるように配置されると捉えてもよい。
【0035】
例えば、第2周波数バンドに対応するアンテナ素子は、図3の点線A3a及び点線A3bで示す格子において、一様かつ第2周波数バンドの概ね半波長となるように配置される。例えば、第2周波数バンドに対応する第2アンテナ素子3は、図3の黒丸に示すように、点線A3a及び点線A3bで示す格子の格子点上に配置される。
【0036】
なお、点線A3aは、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子が配置される格子点(図3に示す実線の交点)を斜めに通過している。点線A3bは、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子が配置される格子点を通過するとともに、点線A3aと垂直に交わっている。点線A3a及び点線A3bで示される格子の格子間隔d(すなわち、第2アンテナ素子3の間隔d2)は、次の式(1)で求まる。
【0037】
d=(d1+d11/2=21/2・d1 …(1)
【0038】
このように、第3周波数バンドが、第3周波数バンドより小さい第2周波数バンドに対し、整数倍にならない場合でも、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子は、第3周波数バンドの半波長において配置され、第2周波数バンドに対応するアンテナ素子は、第2周波数バンドの半波長(概ね半波長)において配置される。
【0039】
なお、第3周波数バンドが、第3周波数バンドより小さい第1周波数バンドに対し、整数倍となる場合(上記例の場合、第3周波数バンドは、第1周波数バンドの2倍)、第1周波数バンドに対応するアンテナ素子は、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子が配置される格子の格子点上に配置される。
【0040】
例えば、第1周波数バンドに対応するアンテナ素子は、図3の実線で示す格子において、一様かつ第1周波数バンドの半波長となるように配置される。例えば、第1周波数バンドに対応する第3アンテナ素子4は、図3に示す四角上に配置される。
【0041】
以上の構成により、第1周波数バンドに対応する2次元アレイアンテナと、第2周波数バンドに対応する2次元アレイアンテナと、第3周波数バンドに対応する2次元アレイアンテナとが、周波数バンド個別のアンテナ開口でなく、1つのアンテナ開口領域において形成される。これにより、アンテナ装置1は、大型化が抑制される。
【0042】
また、第1周波数バンド、第2周波数バンド、及び、第3周波数バンドにおけるアンテナ素子が、それぞれの周波数バンドの半波長間隔で配置され、かつ、一様に配置される。これにより、アンテナ装置1は、利得の周波数特性や、指向特性、サイドローブ特性といったアンテナ特性の劣化を抑制できる。また、アンテナ装置1は、アンテナ特性の劣化を抑制することで、良好なビーム制御性能を達成できる。
【0043】
なお、第1アンテナ素子2、第2アンテナ素子3、及び、第3アンテナ素子4が形成されるアンテナ基板には、アンテナ素子の小型化を考慮し、例えば、比誘電率が3以上のものを用いるのが好ましい。例えば、アンテナ基板の比誘電率が4程度の場合、第3アンテナ素子4の大きさ(例えば、四角形状のパッチアンテナの一辺の長さ)を、第1周波数バンドの4分の1波長程度に小型化できる。これにより、第1アンテナ素子2、第2アンテナ素子3、及び、第3アンテナ素子4が重ならないように、アンテナ素子を二次元配置できる。
【0044】
図4は、第2アンテナ素子の透視斜視図である。図4に示すように、第2アンテナ素子20は、基板21と、第1アンテナ電極22と、第2アンテナ電極23と、グランド電極24と、給電スルーホール25a,25b,26a,26bと、を有する。図4に示す第2アンテナ素子20は、図1に示した第2アンテナ素子3に対応する。
【0045】
第1アンテナ電極22は、第2周波数バンドに対応する電極である。第1アンテナ電極22は、第2周波数バンドの電波を送信及び/又は受信する。第1アンテナ電極22は、基板21上に形成される。
【0046】
第2アンテナ電極23は、第3周波数バンドに対応する電極である。第2アンテナ電極23は、第3周波数バンドの電波を送信及び/又は受信する。第2アンテナ電極23は、基板21の中に形成される(例えば、図8を参照)。第2アンテナ電極23は、第1アンテナ電極22と、グランド電極24との間に形成される。
【0047】
グランド電極24は、基板21の中に形成される(例えば、図8を参照)。グランド電極24は、例えば、基板21の全面にわたるように形成される。
【0048】
給電スルーホール25a,25bは、第1アンテナ電極22と、第2周波数バンドに対応する回路(後述する高周波IC(Integrated Circuit))とを接続するスルーホールである。給電スルーホール25a,25bは、直交する直線偏波に対応する給電を行う。
【0049】
給電スルーホール26a,26bは、第2アンテナ電極23と、第3周波数バンドに対応する回路(後述する高周波IC)とを接続するスルーホールである。給電スルーホール26a,26bは、直交する直線偏波に対応する給電を行う。
【0050】
第1アンテナ電極22は、結合調整素子27,28を有する(結合調整素子27,38が形成される)。
【0051】
図5は、第2アンテナ素子の上面図である。図5において、図4と同じ構成要素には同じ符号が付してある。第1アンテナ電極22は、結合調整素子27,28を有する。
【0052】
結合調整素子27は、第1アンテナ電極22の中心部に形成された四角形状の穴によって構成される。結合調整素子27は、第1アンテナ電極22に生じる二倍波モード電流等を遮断する。これにより、第3周波数バンド動作に対するスプリアス動作が抑圧される。
【0053】
結合調整素子28は、四角形状の結合調整素子27の四隅に形成されたスリットによって構成される。結合調整素子28は、第1アンテナ電極22上を周回するモード電流等を遮断する。これにより、第3周波数バンド動作に対するにスプリアス動作が抑圧される。
【0054】
図6は、別の形態における第2アンテナ素子の上面図である。図6において、図5と同じ構成要素には同じ符号が付してある。図6に示す第2アンテナ素子30は、図1に示した第2アンテナ素子3に対応する。
【0055】
第2アンテナ素子30の第1アンテナ電極22は、結合調整素子27を有する。結合調整素子27は、図5で説明した結合調整素子27と同様に、第1アンテナ電極22の中心部に形成された四角形状の穴によって構成される。結合調整素子27は、第1アンテナ電極22に生じる二倍波モード電流等を遮断する。これにより、第3周波数バンド動作に対するスプリアス動作が抑圧される。
【0056】
第2アンテナ素子30の第1アンテナ電極22は、結合調整素子31を有する。結合調整素子31は、四角形状の第1アンテナ電極22の四隅に形成された切り欠きによって構成される。結合調整素子31は、第1アンテナ電極22上を周回するモード電流等を遮断する。これにより、第3周波数バンド動作に対するにスプリアス動作が抑圧される。
【0057】
このように、第1アンテナ電極22及び第2アンテナ電極23は、1つの領域において(上面から見て)、オーバーラップするように形成される。そして、第1アンテナ電極22は、給電スルーホール25a,25bを経由して、第2周波数バンドの高周波回路に接続され、第2アンテナ電極23は、給電スルーホール26a,26bを経由して、第3周波数バンドの高周波回路に接続される。これにより、第2アンテナ素子20,30は、1つの領域を共有して第2周波数バンド及び第3周波数バンドの2つの周波数バンドで動作できる。
【0058】
また、第2アンテナ素子20,30は、スプリアス動作に関わるアンテナ電極上の電流モードを遮断する結合調整素子27,28,31を備える。これにより、第2アンテナ素子20,30は、2つの周波数バンド動作の相互結合を抑制し、利得の周波数特性や、指向特性等において、良好なアンテナ素子性能を達成できる。結合調整素子は、結合調整部と称されてもよい。
【0059】
また、第1周波数バンド及び第3周波数バンドに対応する第3アンテナ素子4も、上記で説明した第2アンテナ素子20,30と同様の構成を有する。例えば、第3アンテナ素子4は、1つの領域において、オーバーラップするように形成される2つのアンテナ電極を有する。2つのアンテナ電極各々は、第1周波数バンド及び第3周波数バンドに対応する。
【0060】
なお、第3周波数バンドに対応する第1アンテナ素子2は、2つのアンテナ電極を有する第2アンテナ素子3及び第3アンテナ素子4と異なり、第3周波数バンドに対応する1つのアンテナ電極を有する。
【0061】
図7は、アンテナ装置のアンテナ基板、高周波回路基板、及び、インターポーザーの断面図である。図7に示すように、アンテナ装置1は、アンテナ基板121と、高周波回路基板122,124,126と、高周波IC123,125,127と、インターポーザー128,129,130と、伝送路131,132,133,134,135と、を有する。
【0062】
アンテナ基板121の上面には、第1アンテナ素子2、第2アンテナ素子3、及び、第3アンテナ素子4が配置される。
【0063】
高周波回路基板122は、アンテナ基板121の第1アンテナ素子2、第2アンテナ素子3、及び、第3アンテナ素子4が配置される面とは反対側の面において、アンテナ基板121と接続される。高周波回路基板122は、インターポーザー128を介して、アンテナ基板121と接続される。高周波回路基板122は、第1周波数バンド、第2周波数バンド、及び、第3周波数バンドに対応した(信号を伝送する)回路基板である。
【0064】
高周波IC123は、高周波回路基板122のインターポーザー128が接続される面とは反対側の面に実装される。高周波IC123は、第3周波数バンドの信号を処理するICである。
【0065】
高周波回路基板124は、高周波回路基板122のインターポーザー128が接続される面とは反対側の面において、高周波回路基板122と接続される。高周波回路基板124は、インターポーザー129を介して、高周波回路基板122と接続される。高周波回路基板124は、第1周波数バンド、及び、第2周波数バンドに対応した回路基板である。
【0066】
高周波IC125は、高周波回路基板124のインターポーザー129が接続される面とは反対側の面に実装される。高周波IC125は、第2周波数バンドの信号を処理するICである。
【0067】
高周波回路基板126は、高周波回路基板124のインターポーザー129が接続される面とは反対側の面において、高周波回路基板124と接続される。高周波回路基板126は、インターポーザー130を介して、高周波回路基板124と接続される。高周波回路基板126は、第1周波数バンドに対応した回路基板である。
【0068】
高周波IC127は、高周波回路基板126のインターポーザー130が接続される面とは反対側の面に実装される。高周波IC127は、第1周波数バンドの信号を処理するICである。
【0069】
インターポーザー128は、同軸伝送路を備え、第1周波数バンド、第2周波数バンド、及び、第3周波数バンドの信号を伝送する。
【0070】
インターポーザー129は、同軸伝送路を備え、第1周波数バンド及び第2周波数バンドの信号を伝送する。
【0071】
インターポーザー130は、同軸伝送路を備え、第1周波数バンドの信号を伝送する。
【0072】
伝送路131は、高周波IC123と第1アンテナ素子2との間で送受信される第3周波数バンドの信号を伝送する。伝送路132は、高周波IC123と第2アンテナ素子3との間で伝送される第3周波数バンドの信号を伝送する。伝送路133は、高周波IC123と第3アンテナ素子4との間で伝送される第3周波数バンドの信号を伝送する。
【0073】
伝送路134は、高周波IC125と第2アンテナ素子3との間で送受信される第2周波数バンドの信号を伝送する。
【0074】
伝送路135は、高周波IC127と第3アンテナ素子4との間で送受信される第1周波数バンドの信号を伝送する。
【0075】
縦積みにされたアンテナ基板121、インターポーザー128、高周波回路基板122、及び、伝送路131,132,133は、第3周波数バンドの信号系統を構成する。第1アンテナ素子2、第2アンテナ素子3、及び、第3アンテナ素子4と、高周波IC123との間で送受信される第3周波数バンドの信号は、第3周波数バンドの信号系統を介し、伝送される。
【0076】
縦積みにされたアンテナ基板121、インターポーザー128、高周波回路基板122、インターポーザー129、高周波回路基板124、及び、伝送路134は、第2周波数バンドの信号系統を構成する。第2アンテナ素子3と、高周波IC125との間で送受信される第2周波数バンドの信号は、第2周波数バンドの信号系統を介し、伝送される。
【0077】
縦積みにされたアンテナ基板121、インターポーザー128、高周波回路基板122、インターポーザー129、高周波回路基板124、インターポーザー130、高周波回路基板126、及び、伝送路135は、第1周波数バンドの信号系統を構成する。第3アンテナ素子4と、高周波IC127との間で送受信される第1周波数バンドの信号は、第1周波数バンドの信号系統を介し、伝送される。
【0078】
なお、図7の例では、高周波IC123は、第1アンテナ素子2、第2アンテナ素子3、及び、第3アンテナ素子4の3つのアンテナ素子と接続されているが、4以上のアンテナ素子と接続されてもよい。高周波IC125は、1つの第2アンテナ素子3と接続されているが、2以上の第2アンテナ素子3と接続されてもよい。高周波IC127は、1つの第3アンテナ素子4と接続されているが、2以上の第3アンテナ素子4と接続されてもよい。
【0079】
図8は、図4のA-A矢視断面図である。図8には、図4に示した第2アンテナ素子20の他に、接地スルーホール41と、高周波IC42,43と、インターポーザー44と、信号スルーホール46と、接続固定材47と、基板48と、が示してある。
【0080】
なお、図7では、高周波回路基板122の下面に、第3周波数バンドに対応する高周波IC123を配置する例を示したが、図8では、第2アンテナ素子20の基板21の下面に第3周波数バンドに対応する高周波IC42を配置する例を示している。また、図7では、第3周波数バンドに対応する高周波IC123と、インターポーザー128とが、異なる層に配置する例を示したが、図8では、第3周波数バンドに対応する高周波IC42と、インターポーザー44とが、同じ層に配置する例を示している。図7に示したアンテナ基板121は、図4に示した第2アンテナ素子20の基板21が載置される基板であってもよいし、第2アンテナ素子20の基板21に対応してもよい(基板21あってもよい)。
【0081】
接地スルーホール41は、基板21,48に形成される。接地スルーホール41は、基板21に実装された高周波IC42のグランドと、基板21内に形成されたグランド電極24とを接続する。また、接地スルーホール41は、基板48に実装された高周波IC43のグランドと、基板21内に形成されたグランド電極24とを接続する。
【0082】
高周波IC42は、第3周波数バンドに対応する高周波ICである。高周波IC43は、第2周波数バンドに対応する高周波ICである。
【0083】
インターポーザー44は、基板21と基板48とを電気的に接続する。インターポーザー44は、例えば、高周波IC42を囲むように、枠形状を有してもよい(例えば、図10を参照)。
【0084】
図9は、図8の点線枠A8を拡大した図である。図9において、図8と同じ構成要素には同じ符号が付してある。図9に示すように、インターポーザー44は、本体51と、同軸絶縁部52と、同軸伝送路53と、保持部54と、を有する。
【0085】
本体51は、表面が金属層で形成される。同軸絶縁部52は、本体51に形成された空洞である。同軸絶縁部52は、絶縁材料で形成されてもよい。
【0086】
同軸伝送路53は、同軸絶縁部52を貫通するように形成される。同軸伝送路53は、本体51の内面の金属層(金属面)と、同軸絶縁部52とにより、高周波特性に優れた同軸伝送路を形成する。同軸伝送路53は、第2周波数バンドの信号を伝送する導体であり、給電スルーホール25aと信号スルーホール46とを接続する。保持部54は、同軸伝送路53を同軸絶縁部52の中心に保持する部材である。
【0087】
図10は、インターポーザーの斜視図である。図10には、インターポーザー44の他に、図8に示した基板48も示してある。図10において、図9と同じ構成要素には同じ符号が付してある。
【0088】
図10に示すように、インターポーザー44は、枠形状を有してもよい。図8に示した高周波IC42は、図10の矢印A10に示すインターポーザー44の枠内に配置されてもよい。
【0089】
なお、インターポーザー44は、図10に示す四角形状の枠形状に限定されない。インターポーザー44は、U字形状又は立法形状を有してもよい。
【0090】
図8の説明に戻る。信号スルーホール46は、基板48に形成され、インターポーザー44と、高周波IC43との間で送受信される第2周波数バンドの信号を伝送する。
【0091】
接続固定材47は、基板21、高周波IC42、インターポーザー44、基板48、及び、高周波IC43を電気的に接続し、固定する。接続固定材47は、例えば、半田、導電性接着剤、又は、導電性エラストマーであってもよい。
【0092】
このように、アンテナ装置1は、アンテナ素子、高周波回路、及び、高周波ICが、インターポーザーを介して、アンテナ素子が形成される平面に対し垂直方向において接続される。これにより、アンテナ装置1は、アンテナ素子、高周波回路基板、及び、高周波ICが層状に配置され、装置の大型化が抑制される。
【0093】
また、アンテナ装置1は、アンテナ素子と高周波ICとの接続経路長の相違が抑制され、良好な高周波特性を実現できる。また、周波数バンドが大きくなると、高周波ICの大きさに対しアンテナ素子の間隔が狭くなり、高周波ICの占める面積が、アンテナ素子が占める面積より大きくなる、しかし、アンテナ装置1は、高周波ICが層状に配置されるので、高周波ICの占める面積が抑制され、大型化が抑制される。また、アンテナ装置1は、アンテナ素子がフェイズドアレイアンテナに適する半波長間隔において配置されるので、周波数特性が狭くなるのを抑制できる。
【0094】
また、アンテナ装置1は、同軸伝送路を有するインターポーザーを介して、アンテナ素子、高周波回路基板、及び、高周波ICを多層状の構造にすることで、アンテナ素子と高周波ICとの接続経路の距離が抑制され、良好な高周波特性を実現できる。
【0095】
なお、図7に示したインターポーザー129も、図10に示したように、枠形状を有してもよい。第3周波数バンドに対応する高周波IC123は、インターポーザー129の枠内に配置されてもよい。また、図7に示したインターポーザー130も、図10に示したように、枠形状を有してもよい。第2周波数バンドに対応する高周波IC125は、インターポーザー130の枠内に配置されてもよい。
【0096】
<第1の実施の形態のまとめ>
以上説明したように、アンテナ装置1は、第1アンテナ素子2の第3周波数バンドに対応するアンテナ電極と、第2アンテナ素子3の第3周波数バンドに対応する第2アンテナ電極23と、第3アンテナ素子4の第3周波数バンドに対応するアンテナ電極とが、第3周波数バンドの半波長の間隔d1における格子点上に配置される。すなわち、アンテナ装置1は、第3周波数バンドに対応するアンテナ電極が、第3周波数バンドの半波長の間隔d1における格子点上に配置される。
【0097】
また、アンテナ装置1は、第2アンテナ素子3の第2周波数バンドに対応する第1アンテナ電極22が、次の式(2)における間隔d2の格子点上に配置される。
【0098】
d2={(n・d1)+(m・d1)1/2 …(2)
【0099】
ここで、n,mは、正の整数であり、間隔d2が第2周波数バンドの概ね半波長(例えば、0.5波長以上0.7波長以下)となるように選択する。
【0100】
また、アンテナ装置1は、第3アンテナ素子4の第1周波数バンドに対応するアンテナ電極が、間隔d1の整数倍における格子点上に配置される。
【0101】
そして、第2アンテナ素子3の第3周波数バンドに対応する第2アンテナ電極23と、第2アンテナ素子3の第2周波数バンドに対応する第1アンテナ電極22とが、オーバーラップするように配置され、第3アンテナ素子4の第3周波数バンドに対応するアンテナ電極と、第3アンテナ素子4の第1周波数バンドに対応するアンテナ電極とが、オーバーラップするように配置される。
【0102】
これにより、3つの周波数バンドに対応するアンテナ電極各々を、半波長の間隔で、1つの領域に一様に配置することが可能となり、アンテナ装置1は、装置の大型化が抑制され、かつ、アンテナ特性の劣化が抑制される。
【0103】
例えば、第1周波数バンド、第2周波数バンド、及び、第3周波数バンドの周波数比を、2:3:4とする。第3周波数バンドに対応するアンテナ電極の配置間隔d1を、第3周波数バンドの半波長とする。n=m=1とすると、第2周波数バンドのアンテナ電極が配置される間隔d2は、式(2)より、21/2・d1となり、第2周波数バンドの概ね半波長(0.53波長)となる。また、第3アンテナ電極の間隔は、2・d1とする。この場合、3つの周波数バンドに対応するアンテナ電極各々は、半波長の間隔(第2周波数バンドに対応するアンテナ電極は概ね半波長(0.53波長)の間隔)で、1つの領域に一様に配置され、アンテナ装置1は、装置の大型化が抑制され、かつ、アンテナ特性の劣化が抑制される。
【0104】
<変形例>
上記のアンテナ装置1は、3つの周波数バンドに対応したが、周波数比が整数倍にならない2つの周波数バンドに対応してもよい。
【0105】
図11は、第1の実施の形態に係るアンテナ装置の変形例を示した図である。図11に示すように、アンテナ装置92は、第1アンテナ素子2と、第4アンテナ素子94と、を有する。
【0106】
第1アンテナ素子2は、1つの第3周波数バンドに対応する。
【0107】
第4アンテナ素子94は、第3周波数バンドと第4周波数バンドとの2つの周波数バンドに対応する。第4アンテナ素子94は、例えば、図4で説明した第2アンテナ素子20と同様に、2つのアンテナ電極を備え、第3周波数バンドと第4周波数バンドとの2つの周波数バンドに対応する。
【0108】
第3周波数バンドと、第4周波数バンドとの比は、概ね4対1.8の関係を有する。例えば、第1周波数バンドは40GHzであり、第4周波数バンドは18GHzであってもよい。以下では、説明を簡単にするため、第1周波数バンドと、第4周波数バンドとの比は、4対1.8とする。
【0109】
第1アンテナ素子2は、間隔d1の格子点上に配置される。間隔d1は、第3周波数バンドの半波長である。ただし、第4アンテナ素子94が第3周波数バンドにも対応するため、第1アンテナ素子2は、第4アンテナ素子94が配置される格子点上には、配置されない。例えば、第1アンテナ素子2は、図11に示すハッチングされた四角の場所には、配置されない。
【0110】
第4アンテナ素子94は、間隔d4の格子点上に配置される。間隔d4は、第1アンテナ素子2の間隔d1の51/2倍であり、第4周波数バンドの概ね半波長(0.503波長)である(間隔d4は、上記の式(2)において、n=2,m=1で求まる)。
【0111】
第4アンテナ素子94は、上記したように、第3周波数バンドと第4周波数バンドとの2つの周波数バンドに対応する。従って、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子は、第3周波数バンドの半波長の間隔で一様に配置される。また、第4周波数バンドに対応するアンテナ素子は、第4周波数バンドの概ね半波長の間隔で一様に配置される。これにより、アンテナ装置92は、第3周波数バンドの電波と、第4周波数バンドの電波とを、効率的に送信及び/又は受信できる。
【0112】
図12は、アンテナ素子の配置を説明する図である。図12の(A)には、間隔d1の格子が示してある。間隔d1は、第3周波数バンドの半波長である。
【0113】
図12の(B)には、間隔d1の51/2倍の間隔d4の格子が示してある。第4周波数バンドは、第3周波数バンドの1.8/4倍であり、間隔d4は、第2周波数バンドの概ね半波長(0.503波長)となる。図12の(B)の格子は、図12の(A)に示す格子の間隔d1の51/2倍であるので、図12の(B)の格子点は、図12の(B)の格子を反時計回りに約27度回転(sin-1(1/51/2))させると、図12の(A)に示す黒丸の格子点に重なる。
【0114】
ここで、図12の(A)に示す黒丸の格子点上には、第3周波数バンド及び第4周波数バンドに対応する第4アンテナ素子94が配置される。従って、第4周波数バンドに対応するアンテナ素子は、第4周波数バンドの概ね半波長の間隔d4において配置される。
【0115】
図12の(A)の黒丸が示されていない格子点上には、第3周波数バンドに対応する第1アンテナ素子2が配置される。
【0116】
ここで、図12の(A)に示す黒丸の格子点には、上記したように、第3周波数バンド及び第4周波数バンドに対応する第4アンテナ素子94が配置される。従って、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子は、第3周波数バンドの半波長の間隔d1において配置される。
【0117】
つまり、アンテナ装置92は、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子が、第3周波数バンドの半波長の間隔d1において、一様に配置される。アンテナ装置92は、第4周波数バンドに対応するアンテナ素子が、第4周波数バンドの半波長(概ね半波長)の間隔d4において、一様に配置される。
【0118】
図13は、アンテナ素子の配置を別の観点から説明する図である。第4周波数バンドに対応する第4アンテナ素子94は、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子が配置される格子の格子点を斜めに通過する第1格子線と、第1格子線に垂直な第2格子線とで構成される格子上において、等間隔かつ半波長(概ね半波長)となるように配置されると捉えてもよい。
【0119】
例えば、第4周波数バンドに対応するアンテナ素子は、図13の点線A13a及び点線A13bで示す格子において、一様かつ第4周波数バンドの概ね半波長となるように配置される。例えば、第4周波数バンドに対応する第4アンテナ素子94は、図13の黒丸に示すように、点線A13aに示す第1格子線及び点線A13bで示す第2格子線の格子の格子点上に配置される。
【0120】
なお、点線A13aに示す第1格子線は、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子が配置される格子の第1格子点(図13の矢印A13cを参照)を通過し、第1格子点に対し、水平方向に2・d1移動し、垂直方向に1・d1移動した第2格子点(図13の矢印A13dを参照)を通過する。
【0121】
このように、アンテナ装置92は、周波数比が整数倍にならない2つの周波数バンドに対応することができる。
【0122】
なお、第1格子線は、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子が配置される格子の第1格子点を通過し、第1格子点に対し、水平方向にn・d1、垂直方向にm・d1移動した第2格子点を通過してもよい。n,mの値を変えることにより、アンテナ装置は、様々な非整数倍の周波数バンドに対応できる。例えば、n=3,m=1であってもよい。なお、図1に示したアンテナ装置1の第1格子線は、n=1,m=1である(例えば、図3及び式(1)を参照)。
【0123】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、1つのアンテナ素子が、2つ周波数バンドに対応した。例えば、第2アンテナ素子3は、第2周波数バンド及び第3周波数バンドに対応し、第3アンテナ素子4は、第1周波数バンド及び第3周波数バンドに対応した。第2の実施の形態では、1つのアンテナ素子は、1つの周波数バンドに対応する。
【0124】
図14は、本開示の第2の実施の形態に係るアンテナ装置の一部上面図である。図14において、図1と同じ構成要素には同じ符号が付してある。
【0125】
図14に示すように、アンテナ装置60は、第3周波数バンドに対応する第1アンテナ素子2と、第2周波数バンドに対応する第2アンテナ素子62と、第1周波数バンドに対応する第3アンテナ素子63と、を有する。第1アンテナ素子2、第2アンテナ素子62、及び、第3アンテナ素子63は、各々が重ならないように、一様に配置される。
【0126】
第1周波数バンドと、第2周波数バンドと、第3周波数バンドとの比は、概ね2対3対4の関係を有する。以下では、説明を簡単にするため、第1周波数バンドと、第2周波数バンドと、第3周波数バンドとの比は、2対3対4の関係を有するとする。
【0127】
第1アンテナ素子2は、間隔d1の格子点上に配置される。間隔d1は、第3周波数バンドの半波長である。
【0128】
第2アンテナ素子62は、間隔d2の格子点上に配置される。間隔d2は、第1アンテナ素子2の間隔d1の21/2倍であり、第2周波数バンドの概ね半波長(0.53波長)である。これにより、アンテナ装置60は、周波数バンド比が3:4の第2周波数バンドの電波と、第3周波数バンドの電波とを、効率的に送信及び/又は受信できる。
【0129】
第3アンテナ素子63は、間隔d3の格子点上に配置される。間隔d3は、第1アンテナ素子2の間隔d1の2倍であり、第1周波数バンドの半波長である。これにより、アンテナ装置60は、周波数バンド比が1:2の第1周波数バンドの電波と、第3周波数バンドの電波とを、効率的に送信及び/又は受信できる。
【0130】
図14に示す点線枠は、アンテナ素子のサブアレイ64を示す。サブアレイ64は、図14に示すように、例えば、左下部分に、4つの第1アンテナ素子2を有する。サブアレイ64は、4つの第1アンテナ素子2の中心に第3アンテナ素子63を有する。サブアレイ64は、第3アンテナ素子63の上方と右方とに第2アンテナ素子62を有する。アンテナ装置60は、サブアレイ64を2次元方向に繰り返し配置した2次元アレイアンテナと捉えてもよい。
【0131】
図14に示す第2アンテナ素子62は、図2の(B)に示した間隔d2の格子を45度回転させ、45度回転させた格子の格子点上(図2の(B)の黒丸上)に配置されると捉えてもよい。そして、45度回転させた格子の格子点上に配置された第2アンテナ素子62は、図14に示すように、第1アンテナ素子2と重ならないように配置されると捉えてもよい。例えば、1つの第2アンテナ素子62は、近接する4つの第1アンテナ素子2の中心に配置されると捉えてもよい。
【0132】
図14に示す第3アンテナ素子63は、図2の(C)に示した間隔d3の格子の格子点上(図2の(C)の四角上)に配置されると捉えてもよい。そして、第3アンテナ素子63は、図14に示すように、第1アンテナ素子2及び第2アンテナ素子62と重ならないように配置されると捉えてもよい。例えば、1つの第3アンテナ素子63は、近接する4つの第1アンテナ素子2の中心に配置されるとともに、近接する4つの第2アンテナ素子62の中心に配置されると捉えてもよい。
【0133】
第3周波数バンドが、第3周波数バンドより小さい第2周波数バンドに対し、整数倍にならない場合(上記例の場合、第3周波数バンドは、第2周波数バンドの4/3倍)、第2周波数バンドに対応するアンテナ素子は、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子が配置される格子の格子点を斜めに通過する第1格子線と、第1格子線に垂直な第2格子線とで構成される格子上において、等間隔かつ半波長(概ね半波長)となるように配置されると捉えてもよい。ただし、第1格子線と第2格子線とで構成される格子の格子点は、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子が配置される格子の格子点と重ならないように配置される。
【0134】
以上の構成により、アンテナ装置60は、第1周波数バンドに対応するアンテナ素子が、第1周波数バンドの半波長の間隔d3において、一様に配置される。アンテナ装置60は、第2周波数バンドに対応するアンテナ素子が、第2周波数バンドの半波長(概ね半波長)の間隔d2において、一様に配置される。アンテナ装置60は、第3周波数バンドに対応するアンテナ素子が、第3周波数バンドの半波長の間隔d1において、一様に配置される。
【0135】
なお、第1アンテナ素子2、第2アンテナ素子62、及び、第3アンテナ素子63が形成される基板の比誘電率には、間隔d1、d2、d3に対して、第1、第2および第3のアンテナ素子のサイズが十分小さくなる比誘電率を採用する。また、説明を省略するが、第2の実施の形態のアンテナ装置60においても、第1の実施の形態で説明した多層状構造が適用される。
【0136】
<第2の実施の形態のまとめ>
以上説明したように、アンテナ装置1は、第1アンテナ素子2の第3周波数バンドに対応するアンテナ電極が、第3周波数バンドの半波長の間隔d1における格子点上に配置される。
【0137】
また、アンテナ装置1は、第2アンテナ素子62の第2周波数バンドに対応するアンテナ電極が、上記の式(2)で示される間隔d2における格子点上に配置される。
【0138】
また、アンテナ装置1は、第3アンテナ素子63の第1周波数バンドに対応するアンテナ電極が、間隔d1の整数倍における格子点上に配置される。
【0139】
そして、第2アンテナ素子62の第2周波数バンドに対応するアンテナ電極は、前記アンテナ電極に近接する第1アンテナ素子2の4つのアンテナ電極の中央に配置される。
【0140】
また、第3アンテナ素子63の第1周波数バンドに対応するアンテナ電極は、前記アンテナ電極に近接する第1アンテナ素子2の4つのアンテナ電極の中央に配置され、かつ、第2アンテナ素子62のアンテナ電極とオーバーラップしないように配置される。
【0141】
これにより、3つの周波数バンドに対応するアンテナ電極各々を、半波長の間隔で、1つの領域に一様に配置することが可能となり、アンテナ装置1は、装置の大型化が抑制され、かつ、アンテナ特性の劣化が抑制される。
【0142】
<変形例1>
図14で説明したアンテナ装置60は、3つの周波数バンドに対応したが、周波数比が整数倍にならない2つの周波数バンドに対応してもよい。
【0143】
図15は、第2の実施の形態に係るアンテナ装置の変形例1を示した図である。図15において、図14と同じ構成要素には同じ符号が付してある。
【0144】
図15に示すように、アンテナ装置80は、第1アンテナ素子2と、第2アンテナ素子62と、を有する。アンテナ装置80は、図14に示した第3アンテナ素子63を有していない。
【0145】
このように、アンテナ装置80は、周波数比が整数倍にならない2つの周波数バンドに対しても、良好なアンテナ特性を実現できる。
【0146】
<変形例2>
上記では、周波数比が整数倍にならない2つの周波数バンド周波数比が、3対4であったが、これに限られない。
【0147】
図16は、第2の実施の形態に係るアンテナ装置の変形例2を示した図である。図16に示すように、アンテナ装置90は、第1アンテナ素子2と、第4アンテナ素子91と、を有する。
【0148】
第1アンテナ素子2は、第3周波数バンドに対応する。第4アンテナ素子91は、第4周波数バンドに対応する。
【0149】
第3周波数バンドと、第4周波数バンドとの比は、概ね4対1.8の関係を有する。例えば、第1周波数バンドは40GHzであり、第4周波数バンドは18GHzであってもよい。以下では、説明を簡単にするため、第1周波数バンドと、第4周波数バンドとの比は、4対1.8とする。
【0150】
第1アンテナ素子2は、間隔d1の格子点上に配置される。間隔d1は、第3周波数バンドの半波長である。
【0151】
第4アンテナ素子91は、間隔d4の格子点上に配置される。間隔d4は、第1アンテナ素子2の間隔d1の51/2倍であり、第4周波数バンドの概ね半波長(0.503波長)である。第4アンテナ素子94は、近隣の4つの第1アンテナ素子2の中央に配置される。
【0152】
第4アンテナ素子91は、図12の(B)に示した格子を反時計回りに約27度回転させ、その回転させた格子点上であって、図12の(A)に示した間隔d1の格子の、4つの格子点の中央に位置するよう配置されると捉えてもよい。
【0153】
また、第4アンテナ素子91は、図13の点線A13a及び点線A13bで示される格子を平行移動した格子の格子点上に配置されると捉えてもよい。点線A13a及び点線A13bで示される格子は、その格子点が、間隔d1の格子(実線で示す格子)の、4つの格子点の中央に位置するように平行移動される。
【0154】
このように、アンテナ装置90は、周波数比が整数倍にならない2つの周波数バンドに対応することができる。
【0155】
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明した。上記で説明した周波数バンドの比は、アンテナ素子の間隔が、例えば、0.5波長(半波長)以上0.7波長以下を満たすように決定されてもよい。また、周波数バンドは、単に周波数と称されてもよい。
【0156】
また、本開示は、上記で説明した例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかである。そのような変更例又は修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素は任意に組み合わされてよい。
【0157】
上述の実施の形態においては、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・アッセンブリ」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本開示に係るアンテナ装置は、複数の周波数バンドに対応するフェイズドアレイアンテナ装置の大型化を抑える効果を有し、マルチバンド通信装置用のフラットパネル状フェイズドアレイアンテナ装置として有用である。また、マルチバンド移動通信システムや、衛星通信システム、マルチバンド可搬無線局、マルチバンドレーダー等のアンテナ装置の用途にも応用できる。
【符号の説明】
【0159】
1,60,80,90,92 アンテナ装置
2 第1アンテナ素子
3,20,30,62 第2アンテナ素子
4,63 第3アンテナ素子
5 サブアレイ
21,48 基板
22 第1アンテナ電極
23 第2アンテナ電極
24 グランド電極
25a,25b,26a,26b 給電スルーホール
27,28,31 結合調整素子
41 接地スルーホール
44 インターポーザー
46 信号スルーホール
47 接続固定材
51 本体
52 同軸絶縁部
53 同軸伝送路
54 保持部
91,94 第4アンテナ素子
121 アンテナ基板
122,124,126 高周波回路基板
42,43,123,125,127 高周波IC
128,129,130 インターポーザー
131,132,133,134,135 伝送路
図1
図2
図3
図4
図5
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図15
図16