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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034117
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】可溶化組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/04 20060101AFI20240306BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20240306BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20240306BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
A61K8/04
A61K8/44
A61K8/39
A61K8/92
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138156
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】591057522
【氏名又は名称】旭化成ファインケム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 浩行
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC111
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC302
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC661
4C083AC662
4C083BB13
4C083CC04
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD38
4C083EE01
(57)【要約】
【課題】優れた可溶化能により油が水に可溶化されている組成物の提供。
【解決手段】アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩と、
モノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステルと、
油と、
水と、
を含み、
前記アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩が、カルボン酸基を2つ以上有する、
前記油が前記水に可溶化されている組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩と、
モノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステルと、
油と、
水と、
を含み、
前記アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩が、カルボン酸基を2つ以上有する、
前記油が前記水に可溶化されている組成物。
【請求項2】
前記アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩の量が、前記グリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として、0.001倍~5.0倍である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記グリセリン脂肪酸エステルが、前記モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、及びトリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記グリセリン脂肪酸エステルが、前記モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、及びトリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩が、下記一般式(A)で表される、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物
【化1】
(式(A)中、
1及びR2は、それぞれ独立して、飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝状の炭化水素基であり、
1、M2、及びM3は、それぞれ独立して、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸、コリン、アルミニウム、又は亜鉛であり、
1及びn2は、0及び2であるか、又は2及び0であり、
3及びn4は、0及び2であるか、又は2及び0である)。
【請求項6】
前記アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩が、アシル化グルタミン酸又はその塩である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩が溶液の形態であり、前記溶液のpHが4.0~9.0である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記グリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸が、飽和脂肪酸のみである、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記油の量が、前記グリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として、0.001倍~10倍である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
多価アルコールを更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記多価アルコールがグリセリンを含む、請求項10に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油が水に可溶化されている組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な種類の可溶化剤が知られており、その一例としてポリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。
例えば、特許文献1は、「水溶性低分子量有機物を分子膜により除去し、ガスクロマトグラフィーによる定量値で、グリセリンを含まず、ジグリセリンの含量が3質量%以下のポリグリセリンと脂肪酸とのエステルである高親水性の医薬用又は化粧用乳化剤又は可溶化剤」を開示している。
また、特許文献2は、「炭素数が6~22の脂肪酸から選択される1種以上の脂肪酸と、平均重合度が5~20であるポリグリセリンとをエステル化したポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と炭素数が8~16のアルキル基を有するアルキルポリグルコシド(B)を含有することを特徴とする可溶化剤」を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-100574号公報
【特許文献2】特開2018-90542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、優れた可溶化能により油が水に可溶化されている組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の実施形態を含む。
[1]
アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩と、
モノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステルと、
油と、
水と、
を含み、
前記アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩が、カルボン酸基を2つ以上有する、
前記油が前記水に可溶化されている組成物。
[2]
前記アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩の量が、前記グリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として、0.001倍~5.0倍である、[1]に記載の組成物。
[3]
前記グリセリン脂肪酸エステルが、前記モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、及びトリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種を含む、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]
前記アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩が、下記一般式(A)で表される、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物
【化1】
(式(A)中、
1及びR2は、それぞれ独立して、飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝状の炭化水素基であり、
1、M2、及びM3は、それぞれ独立して、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸、コリン、アルミニウム、又は亜鉛であり、
1及びn2は、0及び2であるか、又は2及び0であり、
3及びn4は、0及び2であるか、又は2及び0である)。
[5]
前記アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩が、アシル化グルタミン酸又はその塩である、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[6]
前記アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩が溶液の形態であり、前記溶液のpHが4.0~9.0である、[1]~[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]
前記グリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸が、飽和脂肪酸のみである、[1]~[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]
前記油の量が、前記グリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として、0.001倍~10倍である、[1]~[7]のいずれかに記載の組成物。
[9]
多価アルコールを更に含む、[1]~[8]のいずれかに記載の組成物。
[10]
前記多価アルコールがグリセリンを含む、[9]に記載の組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、優れた可溶化能により油が水に可溶化されている組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0008】
<可溶化組成物>
本発明の一実施形態は、アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩と、
モノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステルと、
油と、
水と、を含み、
前記アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩が、カルボン酸基を2つ以上有する、
前記油が前記水に可溶化されている組成物に関する。
【0009】
本実施形態に係る組成物は、カルボン酸基を2つ以上有するアシル基含有アミノ酸及び/又はその塩とグリセリン脂肪酸エステルとを組み合わせて使用することにより、優れた可溶化能を発揮することができる。
【0010】
本明細書において「可溶化」と「乳化」とは区別して使用される。
本明細書において「可溶化」とは、油をミセル中に取り込み、溶解し、会合コロイドを形成させることを意味する。
本明細書において「乳化」とは、油と水のように互いに溶け合わない液体の一方を、他の一方に微細な液滴として分散させることを意味する。
具体的には、油が水に可溶化された組成物と、油が水に乳化された組成物とは、例えば遠心分離機で8000rpmで30分以上遠心分離することによって区別することができ、外観上、変化しないものが、油が可溶化された組成物であり、クリーミングや凝集、合一、分離が起こるものが、油が乳化された組成物である。
【0011】
[アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩]
本実施形態に係る組成物は、カルボン酸基を2つ以上有するアシル基含有アミノ酸及び/又はその塩を含む。アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩は、可溶化剤として機能することができる。
【0012】
アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩が有するカルボン酸基の数は、2つ以上であれば特に限定されないが、好ましくは2~5であり、より好ましくは2~4であり、更に好ましくは2又は3であり、特に好ましくは3である。複数のカルボン酸基は、それぞれ独立して、遊離のカルボン酸基でもよいし、塩を形成していてもよい。
【0013】
本明細書において「アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩」とは、アミノ酸(複数のアミノ酸の縮合物を含む)のアミノ基がアシル化されている化合物又はその塩を意味する。
【0014】
アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩に含まれるアミノ酸としては、例えば、α-アミノ酸、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、及びω-アミノ酸等の各種アミノ酸が挙げられる。アミノ酸は、例えば、N-メチル体、N-エチル体であってもよい。また、アミノ酸は、光学異性体、すなわち、D-体、L-体、ラセミ体であってもよい。具体的なアミノ酸としては、例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、β-オキシアスパラギン酸、β-オキシグルタミン酸、γ-オキシグルタミン酸、γ-メチルグルタミン酸、γ-メチレングルタミン酸、γ-メチル-γ-オキシグルタミン酸、α-アミノセバシン酸などが挙げられる。中でも、アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩は、グルタミン酸に対応する構造を有することが好ましく、アシル化されたグルタミン酸に対応する構造を有することがより好ましい。
【0015】
アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩としては、例えば、下記一般式(A)で表される化合物が挙げられる。
【化2】
(式(A)中、
1及びR2は、それぞれ独立して、飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝状の炭化水素基であり、
1、M2、及びM3は、それぞれ独立して、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機若しくは無機アミン、塩基性アミノ酸、コリン、アルミニウム、又は亜鉛であり、
1及びn2は、0及び2であるか、又は2及び0であり、
3及びn4は、0及び2であるか、又は2及び0である)
【0016】
一般式(A)におけるR1及びR2は、それぞれ独立して、飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝状の炭化水素基であり、好ましくは飽和の直鎖状又は分枝状の炭化水素基であり、より好ましくは飽和の直鎖状の炭化水素基である。
【0017】
1及びR2の炭化水素基の炭素数は、それぞれ独立して、好ましくは1~29であり、より好ましくは7~23であり、更に好ましくは7~17である。
【0018】
1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数9の炭化水素基、炭素数11の炭化水素基、炭素数13の炭化水素基、炭素数15の炭化水素基、炭素数17の炭化水素基、炭素数19の炭化水素基、又は炭素数21の炭化水素基であってもよい。
【0019】
一般式(A)におけるR1-C(=O)-構造、及びR2-C(=O)-構造(アシル基)は、それぞれ独立して、カプロイル基、ウンデリレノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、イソミリストイル基、パルミトイル基、イソパルミトイル基、ステアロイル基、イソステアロイル基、オレイル基、リノーリル基、リノレイル基、アラキジル基、又はベヘニル基であってもよく、ラウロイル基、又はミリストイル基であることが好ましい。
【0020】
一般式(A)における3つのカルボン酸部分(COOM1、COOM2、COOM3)は、全て遊離カルボン酸でもよいし、全てカルボン酸塩でもよいし、遊離カルボン酸とカルボン酸塩との組み合わせでもよい。カルボン酸塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、アルキルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、アミノメチルプロパノール塩等の有機若しくは無機アミン塩;リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩;コリン塩が挙げられる。
【0021】
アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩としては、例えば、アシル化グルタミン酸又はその塩が挙げられる。アシル化グルタミン酸又はその塩のアシル基としては、例えば、一般式(A)との関係で例示したアシル基が挙げられる。アシル化グルタミン酸の塩としては、例えば、一般式(A)との関係で例示した塩が挙げられる。
【0022】
アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩は、溶液(好ましくは水溶液)の形態で使用されることが好ましい。溶液のpHは、可溶化能を向上させる(これによって、組成物の光透過率を向上させ、べたつきを改善する)観点から、4.0~9.0が好ましく、5.0~7.0がより好ましい。
【0023】
アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩の量は、組成物の質量を基準として、好ましくは0.0005~20質量%であり、より好ましくは0.001~15質量%であり、更に好ましくは0.005~10質量%であり、特に好ましくは0.005~5質量%である。アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩の量を前記の範囲内とすることにより、可溶化能をより向上させることができる。
【0024】
アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩の量は、グリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として、好ましくは0.001倍~5.0倍であり、より好ましくは0.005倍~4.0倍であり、更に好ましくは0.05倍~3.0倍である。アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩の量を前記の範囲内とすることにより、可溶化能をより向上させることができる。
【0025】
モノ、ジ及びトリグリセリン脂肪酸エステルの合計量が、グリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として、21質量%以上であり、かつ、油の量がグリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として0.001倍~0.4倍のとき、アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩の量はグリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として0.001倍~5.0倍が好ましく、0.06倍~3.0倍がより好ましい。
モノ、ジ及びトリグリセリン脂肪酸エステルの合計量が、グリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として、21質量%以上であり、かつ、油の量がグリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として0.5倍~0.9倍のとき、アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩の量はグリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として0.001倍~1.0倍が好ましく、0.02倍~0.08倍がより好ましい。
モノ、ジ及びトリグリセリン脂肪酸エステルの合計量が、グリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として、21質量%以上であり、かつ、油の量がグリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として1倍~10倍のとき、アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩の量はグリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として0.001倍~0.04倍が好ましく、0.05倍~0.02倍がより好ましい。
【0026】
[グリセリン脂肪酸エステル]
本実施形態に係る組成物は、グリセリン脂肪酸エステルを含む。本明細書における「グリセリン脂肪酸エステル」との用語は、モノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルを包含する。グリセリン脂肪酸エステルは、可溶化剤として機能することができる。
【0027】
グリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種を含めばよく、モノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルの両方を含むことが好ましい。
【0028】
グリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、及びトリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、少なくとも2種を含むことがより好ましく、3種全てを含むことが更に好ましい。
【0029】
ポリグリセリン脂肪酸エステルが可溶化能を有することは知られていたが、それに含まれるジグリセリン脂肪酸エステル若しくはトリグリセリン脂肪酸エステル等の低重合物、又はモノグリセリン脂肪酸エステルの量を減らすことで、優れた可溶化能が発揮されると知られていた。一方で、本実施形態のように、アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩と組み合わせて使用する場合においては、低重合物及びモノグリセリン脂肪酸エステルが、優れた可溶化能を発揮させる。
【0030】
グリセリン脂肪酸エステルの量は、組成物の質量を基準として、好ましくは0.01~5.0質量%であり、より好ましくは0.05~3.0質量%であり、更に好ましくは0.1~2.0質量%である。グリセリン脂肪酸エステルの量を前記の範囲内とすることにより、可溶化能をより向上させることができる。
【0031】
モノ、ジ及びトリグリセリン脂肪酸エステルの合計量は、グリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として、好ましくは21質量%以上であり、より好ましくは21%質量以上かつジグリセリン脂肪酸エステルの量が4質量%以上であり、更に好ましくは21%質量以上かつジグリセリン脂肪酸エステルの量が4質量%以上かつモノグリセリン脂肪酸エステルを含む。モノ、ジ及びトリグリセリン脂肪酸エステルの合計量を前記の範囲内とすることにより、可溶化能をより向上させることができる。
【0032】
グリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は特に限定されないが、例えば飽和又は不飽和脂肪酸であり、好ましくは飽和脂肪酸である。複数種のグリセリン脂肪酸エステルが含まれる場合、それを構成する脂肪酸は、飽和脂肪酸のみであることが好ましい。
【0033】
グリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、例えば炭素数6~24の脂肪酸であり、好ましくは炭素数8~20の脂肪酸であり、より好ましくは炭素数10~18の脂肪酸である。
【0034】
[油]
本実施形態に係る組成物は、油を含む。油は、アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩並びにグリセリン脂肪酸エステルによって、水に可溶化されている。
【0035】
油の種類は特に限定されず、組成物の用途に応じて適宜選択すればよい。油の例としては、精油や香料としては、カシー油、アニス油、アリゲンカシード油、安息香、アンブレットシード油、スペアミント油、ゼラニウム油、ネロリ油、ハッカ油、ヒノキ油、ビターオレンジ油、ベチバー油、レモングラス油、ローズウッド油、ラベンダー油、ユーカリ油、ペパーミント油、ジャスミン油、ベルガモット油、イランイラン油、オレンジ油、レモン油、ジンジャー油、ローズマリー油、ローズ油、ティーツリー油、ライム油、サンダルウッド油、タイム油、カイリコウ、ジャコウ、リュウゼンコウ、レイビョウコウ、アニスアルデヒド、アネトール、酢酸ファルネシル、サンタロール、シクロペンタデカノン、シトロネラール、シトロネロール、テルピネオール、フェニルエチルアルコール、フェニル酢酸、ローズオキサイド、リナロール、リモネン、シトラール、ピネン、シトロネロール、オイゲノール、ゲラニオール、シンナミックアルデヒド、酢酸リナリル、酢酸ゲラニル、ケイヒ酸メチル、カンフェン、メントールが挙げられる。
【0036】
油として脂溶性ビタミンを使用してもよい。脂溶性ビタミンとしては、酢酸トコフェロール、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トリコエノール、β-トリコエノール、γ-トリコエノール、δ-トリコエノール等のビタミンE、レチノールとβ-カロテン等のビタミンA等が挙げられる。
【0037】
その他の油としては、サリチル酸、イソプロピルメチルフェノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、エチルヘキシルグリセリン、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、γ-オリザノール、オレンジラフィー油、ローズヒップ油、ツバキ油、ヘーゼルナッツ油、メドフォーム油、アボガド油、タートル油、トウモロコシ油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、サフラワー油、大豆油、パーシック油、ひまし油、ぶどう種子油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、ヤシ油、卵黄油、パーム油、パーム核油、小麦胚芽油、サザンカ油、アマニ油、月見草油、エノ油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギル油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、馬油、オレイン酸、イソステアリン酸、イソステアリルアルコール、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、トリカプリル酸グリセリル、トリエチルヘキサノイン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、流動パラフィン、スクワランが挙げられる。
【0038】
油の量は、組成物の質量を基準として、好ましくは0.0001質量%~10質量%であり、より好ましくは0.001質量%~5質量%であり、更に好ましくは0.01質量%~1質量%である。油の量を前記の範囲内とすることにより、水により可溶化されやすくなる。
【0039】
油の量は、グリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として、好ましくは0.001倍~10倍であり、より好ましくは0.01倍~5倍であり、更に好ましくは0.05倍~3倍である。油の量を前記の範囲内とすることにより、水により可溶化されやすくなる。
【0040】
[多価アルコール]
本実施形態に係る組成物は、多価アルコールを更に含んでいてもよい。多価アルコールは、溶媒として機能することができる。
【0041】
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ポリグリセリン、マルチトール、メチルグルセス-10、メチルグルセス-20、イソペンチルジオール、ペンチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
【0042】
多価アルコールの量は、グリセリン脂肪酸エステルの質量を基準として、好ましくは0.01~20倍であり、より好ましくは0.1~15倍であり、更に好ましくは0.3倍~10倍である。多価アルコールの量を前記の範囲内とすることにより、可溶化力が向上する。
【0043】
[その他の成分]
本実施形態の組成物は、本発明の目的が損なわれない限り、用途、目的に応じ、上記成分以外の成分を更に含んでいてもよい。
【0044】
その他の成分としては、例えば、以下の成分が挙げられる。
アラビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム類、サポニン等のグルコシド類、メチルセルロース、カルボキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン-アクリル酸共重合物の塩、ビニルナフタレン-マレイン酸共重合物の塩、β-ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、リン酸塩などの陰イオン性高分子やポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等のノニオン性高分子等の分散剤;
【0045】
高級脂肪酸塩(石鹸)、疎水基部の炭素数8~20の高級脂肪酸の塩、N-アシルアミノ酸型アニオン界面活性剤:アシル基としては、炭素数8~20のもので前記したようなものが挙げられ、構成アミノ酸としては、グルタミン酸やアスパラギン酸等の前記した酸性アミノ酸類、またはグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、メチオニン、システイン、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、オキシプロリン、β-アミノプロピオン酸、γ-アミノ酪酸、アントラニル酸、m-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸等のアミノ酸等、アルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩等、アルキル硫酸エステル塩(AS)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)、アルキルエーテル硫酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸塩、高級脂肪酸アルキロールアミドの硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、アルファ-オレフィンスルホン酸塩(AOS)、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩(SAS)、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルファースルホン化脂肪酸塩、アルカンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、アルファースルホン化脂肪酸塩、高級脂肪酸アミドのスルホン酸塩、N-アシル-N-アルキルタウリン塩、N-アシル-N-メチルタウリン塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ナフタリンスルフォン酸塩ホルマリン縮合物などのアニオン性界面活性剤;
【0046】
アルキルベタイン類、アルキルアミドベタイン類、アルキルスルホベタイン類、イミダゾリニウムベタイン類、酢酸ベタイン類、レシチン類などの両性界面活性剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、ポリオキシアルキレン硬化ひまし油、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、等の酸化エチレン縮合型、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、アルキルポリグルコシド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ等脂肪酸エステル等の多価アルコールエステル、脂肪酸アルカノールアミド、糖アミンアシル化物、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアミンオキサイド、などのノニオン性界面活性剤;
【0047】
第1~第3級脂肪酸アミン塩、塩化アルキルアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、ジアルキルモルフォリニウム塩、アルキルイソキノリウム塩、ベンゼトニウム塩、ベンザルコニウム塩などのカチオン性界面活性剤;
【0048】
アルギン酸ナトリウム、デンプン誘導体、トラガントゴムなどの高分子界面活性剤;
リン脂質、レシチン、ラノリン、コレステロール、サポニンなどの天然界面活性剤;
【0049】
アボガド油、タートル油、トウモロコシ油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、パーシック油、ひまし油、ぶどう種子油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、モクロウ、ヤシ油、卵黄油、パーム油、パーム核油、トリイソオクタン酸グリセリン、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリルコレステロール脂肪酸エステル、小麦胚芽油、サザンカ油、アマニ油、月見草油、エノ油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギル油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、馬油、硬化やし油、牛脂、牛脚脂、羊脂、硬化牛脂、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ひまし油等の油脂;
【0050】
流動パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、イソパラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、スクワラン等の炭化水素;
ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナバロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カボックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングルコール、ポリオキシエチレン水素添加ラノリンアルコールエーテルおよびその誘導体等のロウ;
【0051】
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、軟質ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸;
ラウリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、へキシルデカノール、オクチルドデカノール等の高級アルコール;
コレステロール、フィトステロール等のステロール類;
【0052】
ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアレン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル-2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸-2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソプロピル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セパチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸-2-ヘキシルデシル、パルミチン酸-2-ヘキシルデシル、アジピン酸-2-ヘキシルデシル、セバチル酸ジイソプロピル、コハク酸-2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル等のエステル油;
【0053】
ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、高分子シリコーン、揮発性シリコーン、環状シリコーン等の揮発性および不揮発性シリコーン;
グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,3-ブタンジオール、プロパンジオール、ポリエチレングリコールなどのポリオール類;
【0054】
N-メチルグリシン、N,N-ジメチルグリシン、N,N,N-トリメチルグリシン、N-エチルグリシン、グリシルベタイン等のアルキルグリシン類、ソルビトール、ラフィノース、ピロリドンカルボン酸塩類、乳酸塩類、ヒアルロン酸塩類、セラミド類、トレハロース、キシロビオース、マルトース、ショ糖、ブドウ糖、植物性粘質多糖等の(多)糖類およびその誘導体、水溶性キチン、キトサン、ペクチン、コンドロイチン硫酸およびその塩等のグリコサミノグリカンおよびその塩、グリシン、セリン、スレオニン、アラニン、アスパラギン酸、チロシン、バリン、ロイシン、アルギニン、グルタミン、プロリン酸等のアミノ酸およびその塩等、アミノカルボニル反応物等の糖アミノ酸化合物、アロエ、マロニエ等の植物抽出液、尿素、尿酸、アンモニア、グルコサミン、クレアチニン、DNA、RNA等の核酸関連物質などの保湿剤;
【0055】
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩、グアーガム、ローカストビンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、両性メタクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、シリコーンレジン等の水溶性および油溶性高分子;
【0056】
カチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル第4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、4級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、ポリグリコール/アミン縮合物、4級化コラーゲンポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンコポリマー、ポリアミノポリアミド、カチオン性キチン誘導体、4級化ポリマー等のカチオン性高分子ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルメチルグリコシド、テトラデセンスルホン酸塩等の増粘、増泡成分;
【0057】
デキストリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸等の油ゲル化剤;
エチレンジアミン四酢酸およびその塩類、ヒドロキシエチレンジアミン3酢酸およびその塩類、リン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルコン酸、ポリリン酸塩類、メタリン酸塩、ヒノキチール類などの金属イオン封鎖剤;
【0058】
パラオキシ安息香酸エステル類、安息香酸およびその塩類、フェノキシエタノール、ヒノキチール、サリチル酸およびその塩類、ソルビン酸およびその塩、デヒドロ酢酸およびその塩、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、ホウ酸、レゾルシン、トリブロムサラン、オルトフェニルフェノール、チラム、感光素201号、ハロカルバン、トリクロロカルバニド、酢酸トコフェロール、ジンクピリチオン、フェノール、イソプロピルメチルフェノール、2,4,4-トリクロロ-2-ヒドロキシフェノール、ヘキサクロロフェン、クロルヘキシジン、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム、トリクロサン、ビオゾール等の防腐・抗菌剤;
【0059】
クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等のpH調整剤;
その他トリクロロルカルバニリド、サリチル酸、ジンクピリチオン、イソプロピルメチルフェノールなどのふけ・かゆみ防止剤;
ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体その他の紫外線吸収剤;
【0060】
アスコルビン酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の他、アンモニウム塩、アミノ酸塩等)、アスコルビン酸誘導体(L-アスコルビン酸アルキルエステル、L-アスコルビン酸リン酸エステル及びその塩、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステル及びその塩、L-アスコルビン酸グルコシド等)、アルコキシサリチル酸及びその塩(アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、ハイドロキノン配糖体及びその誘導体(アルブチン等)、コウジ酸及びその誘導体、エラグ酸、カミツレエキス、アルテアエキス、カンゾウエキス、ソウハクヒエキス、ラズベリーエキス、リンゴフラボノイド、フスマエキス、ビタミンEおよびその誘導体、ヒノキチオール、プラセンタエキス、ルシノール、カモミラET、グルタチオン、チョウジエキス、茶抽出物、アスタキサンチン、牛胎盤エキス、トラネキサム酸およびその誘導体、レゾルシンの誘導体、アズレン、γ―ヒドロキシ酪酸などの美白剤;
【0061】
センブリエキス、セファランチン、ビタミンEおよびその誘導体、ガンマーオリザノールなどの血行促進剤;
トウガラシチンキ、ショオウキョウチンキ、カンタリスチンキ、ニコチン酸ベンジルエステルなどの局所刺激剤;
各種ビタミンやアミノ酸などの栄養剤;
女性ホルモン剤;
毛根賦活剤;
【0062】
グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレン、アミノカプロン酸、ヒドロコルチゾンなどの抗炎症剤;
酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸、クエン酸、乳酸などの収斂剤;
メントール、カンフルなどの清涼剤;
塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸誘導体などの抗ヒスタミン剤;
【0063】
トコフェロール類、BHA、BHT、没食子酸、NDGAなどの酸化防止剤;
エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオールなどの皮脂抑制剤;
イオウ、サリチル酸、レゾルシンなどの角質剥離・溶解剤;
グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のα-ヒドロキシ酸;
サリチル酸等のβ-ヒドロキシル酸;
【0064】
タルク、カオリン、セリサイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化クロム、水酸化クロム、タール系色素等、マイカ、(合成)セリサイト、炭化ケイ素、窒化硼素、二酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、赤酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄、群青、チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、ベンガラ、粘結顔料、グンジョウピンク、グンジョウバイオレット、水酸化クロム、雲母チタン、酸化クロム、酸化アルミニウムコバルト、カーボンブラック、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ベントナイト、(合成)マイカ、酸化ジルコニウム、(メタ)ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸カルシウム、ポリエチレン粉末、ナイロン粉末、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート-ポリメチルメタクリレート積層末、アクリロニトリル-メタクリル酸共重合粉末、塩化ビニリデン-メタクリル酸共重合粉末、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N-アシルリジン、ポリメチルシルセスキオキサン粉末、植物の実や皮を粉末状にしたもの、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、カルミン、β-カロチン、金属石鹸、クロロフィル、サンセットエローFCF、ポンソーSX、エオシンYS、テトラブロモフルオレセイン、ローダミンB、キノリンエローSS、キノリンエローWS、アリザニンシアニングリーン、キニザリングリーン、リソールビンB、リソールビンBCA、パーマトンレッド、ヘリンドンピンクCN、フタロシアニンブルー、β-アポ-8-カロチナール、カプサンチン、リロピン、ビキシン、クロシン、カンタキサンチン、シソニン、ラファニン、ニノシアニン、カルサミン、サフロールイエロー、ルチン、クエルセチン、カカオ色素、リポフラビン、ラッカイン酸、カルミン酸、ケルメス酸、アリザニン、シコニン、アルカニン、ニキノクローム、血色素、クルクミン、ベタニン、等の化粧品用色材:
【0065】
精製水、その他、カキョクエキス、N-メチル-L-セリン、ホエイ、ニコチン酸アミド、ジイソプロピルアミンジクロロ酢酸、メバロン酸、γ-アミノ酪酸(γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸を含む)、アルテアエキス、アロエエキス、アンズ核エキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、海水乾燥物、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カロットエキス、キューカンバエキス、ゲンチアナエキス、酵母エキス、米胚芽油、コンフリーエキス、サボンソウエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シラカバエキス、セイヨウハッカエキス、センブリエキス、ビサボロ-ル、プロポリス、ヘチマエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、海草、米ヌカ、カンゾウ、チンピ、トウキ、モモノハの粉砕物、スフィンゴ脂質、グアイアズレン、ビタミンC等。
【実施例0066】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
【0067】
<成分>
[アシル基含有アミノ酸及び/又はその塩]
・ぺリセア L-30(ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム29%、水70%;旭化成ファインケム株式会社製)
・アミノフォーマーALMS-P1(N-ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウム;旭化成ファインケム株式会社製)
・サルコシネートLN(ラウロイルサルコシン;日光ケミカルズ株式会社製)
・サルコシネートOHV(オレイルサルコシン;日光ケミカルズ株式会社製)
【0068】
[グリセリン脂肪酸エステル]
・NIKKOL Decaglyn 1-L(ラウリン酸ポリグリセリル-10;日光ケミカルズ株式会社製)
・NIKKOL Decaglyn 1-LVEX(ラウリン酸ポリグリセリル-10;日光ケミカルズ株式会社製)
【0069】
[油]
・ラベンダー油(ラベンダー油;山本香料株式会社)
【0070】
[多価アルコール]
・濃グリセリン(グリセリン;花王株式会社)
【0071】
[その他]
・NIKKOL HCO-40(PEG-40水添ヒマシ油;日光ケミカルズ株式会社製)
・NIKKOL HCO-60(PEG-60水添ヒマシ油;日光ケミカルズ株式会社製)
・NIKKOL BC-20(セテス-20;日光ケミカルズ株式会社製)
・クエン酸(クエン酸;関東化学株式会社)
・クエン酸三ナトリウム(クエン酸Na;富士フイルム和光純薬株式会社)
【0072】
<組成物の調製>
下記表に示す成分を混合して、各組成物を調製した。なお、表中の成分の数値は質量%を意味する。実施例5ではクエン酸を用いてpHを5.5に調製したペリセアL-30を使用した。実施例6ではクエン酸を用いてpHを5.5に調製したペリセアL-30を使用し、クエン酸Na以外全ての原料を混合した後に、最後にクエン酸NaでpH7.5に調製した。表4の組成物は、水より下の行に記載しているペリセアL-30、HCO-40、HCO-60、BC-20を、その他の成分を混合した後、最後に添加して調製した。表6、表7の組成物はその他の原料を混合した後、最後にクエン酸Naを用いてpH6.0に調製した。
【0073】
表中の「比率([カルボン酸基を2つ以上有するアシル基含有アミノ酸及び/又はその塩]/[グリセリン脂肪酸エステル])は、カルボン酸基を2つ以上有するアシル基含有アミノ酸及び/又はその塩の純分を、グリセリン脂肪酸エステルの純分で割った値である。
【0074】
<組成物の評価>
[透過率(初期)]
組成物の透過率を、調製した翌日に、分光光度計(日本分光株式会社製:JASCO-V670)を使用して、660nmの波長にて測定した。評価基準は以下のとおりであり、結果を下記表に示す。
【0075】
(評価基準)
A:95.0%以上
B:90.0%以上95.0%未満
C:80.0%以上90.0%未満
D:80.0%未満
【0076】
[透過率(安定性)]
組成物を、5℃、室温、又は50℃で1月保存し、上記方法で透過率を測定した。評価基準は上記のとおりであり、結果を下記表に示す。
【0077】
[官能評価]
5名のパネラーが、組成物の性質(なじませた後のべたつきのなさ)について官能評価を行い、その平均値を評価点とした。評価基準は以下のとおりであり、結果を下記表に示す。
【0078】
(評価基準)
5:べたつきがない
4:ほとんどべたつかない
3:僅かにべたつく
2:べたつく
1:とてもべたつく
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】
【表6】
【0085】
【表7】
【0086】
[透過率(初期)]及び[透過率(安定性)]の評価がC以上であり、かつ、[官能評価]の評価が2以上であると、優れた可溶化能があると言える。