IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社インテージの特許一覧

特開2024-34118情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
<>
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図1
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図2
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図3
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図4
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図5
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図6
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図7
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図8
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図9
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034118
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20240306BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138157
(22)【出願日】2022-08-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-04
(71)【出願人】
【識別番号】313015432
【氏名又は名称】株式会社インテージ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100144440
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 一之
(72)【発明者】
【氏名】田中 朗
(72)【発明者】
【氏名】牧野 充芳
(72)【発明者】
【氏名】杉渕 和平
(72)【発明者】
【氏名】清板 智子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB02
(57)【要約】
【課題】消費者の傾向を的確に反映する商品プロファイルを生成すること。
【解決手段】情報処理システムは、(A)ライフスタイルに関するアンケートに対する複数のサンプル消費者の回答結果を記憶するアンケートデータベースから回答結果を取得し、(B)回答結果に対して因子分析を実行して、因子分析の結果を基に、複数のサンプル消費者のそれぞれについて、1以上の因子に対応する1以上の消費者因子スコアの集合を意識スコアとして算出し、(C)複数の消費者に対応する商品購入の履歴を示す購入履歴を記憶する購入履歴データベースを参照して、対象商品を購入した1以上のサンプル消費者を特定し、(D)特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの意識スコアに基づいて、対象商品について、1以上の因子に対応する1以上の商品因子スコアの集合を商品プロファイルとして算出する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
ライフスタイルに関するアンケートに対する複数のサンプル消費者の回答結果を記憶するアンケートデータベースから前記回答結果を取得し、
前記回答結果に対して因子分析を実行して、前記因子分析の結果を基に、前記複数のサンプル消費者のそれぞれについて、1以上の因子に対応する1以上の消費者因子スコアの集合を意識スコアとして算出し、
複数の消費者に対応する商品購入の履歴を示す購入履歴を記憶する購入履歴データベースを参照して、対象商品を購入した1以上の前記サンプル消費者を特定し、
前記特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの前記意識スコアに基づいて、前記対象商品について、前記1以上の因子に対応する1以上の商品因子スコアの集合を商品プロファイルとして算出する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれについて、該サンプル消費者の属性に基づいて重みを設定し、
前記特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの前記意識スコアおよび前記重みに基づいて、前記商品プロファイルを算出する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記1以上の因子のそれぞれについて、前記特定された1以上のサンプル消費者の、対応する前記消費者因子スコアの統計値を、前記商品因子スコアとして算出する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記アンケートデータベース内の前記回答結果と、前記購入履歴データベース内の前記購入履歴との少なくとも一方が更新されたことに応答して、前記商品プロファイルを更新する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
対象消費者に対応する前記購入履歴を前記購入履歴データベースから取得し、
前記取得された購入履歴に対応する1以上の前記商品プロファイルに基づいて、前記対象消費者の推定意識スコアを算出する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記少なくとも一つのプロセッサが、算出された前記推定意識スコアに基づいて、前記対象消費者が属するセグメントを判定する、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
少なくとも一つのプロセッサを備える情報処理システムにより実行される情報処理方法であって、
ライフスタイルに関するアンケートに対する複数のサンプル消費者の回答結果を記憶するアンケートデータベースから前記回答結果を取得するステップと、
前記回答結果に対して因子分析を実行して、前記因子分析の結果を基に、前記複数のサンプル消費者のそれぞれについて、1以上の因子に対応する1以上の消費者因子スコアの集合を意識スコアとして算出するステップと、
複数の消費者に対応する商品購入の履歴を示す購入履歴を記憶する購入履歴データベースを参照して、対象商品を購入した1以上の前記サンプル消費者を特定するステップと、
前記特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの前記意識スコアに基づいて、前記対象商品について、前記1以上の因子に対応する1以上の商品因子スコアの集合を商品プロファイルとして算出するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項8】
ライフスタイルに関するアンケートに対する複数のサンプル消費者の回答結果を記憶するアンケートデータベースから前記回答結果を取得するステップと、
前記回答結果に対して因子分析を実行して、前記因子分析の結果を基に、前記複数のサンプル消費者のそれぞれについて、1以上の因子に対応する1以上の消費者因子スコアの集合を意識スコアとして算出するステップと、
複数の消費者に対応する商品購入の履歴を示す購入履歴を記憶する購入履歴データベースを参照して、対象商品を購入した1以上の前記サンプル消費者を特定するステップと、
前記特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの前記意識スコアに基づいて、前記対象商品について、前記1以上の因子に対応する1以上の商品因子スコアの集合を商品プロファイルとして算出するステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
消費者のアンケート回答結果に基づいて、消費者が購入した商品の商品プロファイルを算出する情報処理システムが知られている。例えば、特許文献1には、商品の販売数を予測するシステムが記載されている。このシステムは、新車の販売予測台数を求める販売台数予測処理部を有する。販売台数予測処理部は該当の車両に対して魅力度を計算する。魅力度は、新車においてはプレテストデータファイルの項目毎のN個の評価点の平均値であり、新車と同じ車両分類に属する車両においては各車両の購入アンケートデータファイルに登録されている購入動機の項目毎の全評価点の平均値である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-200260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、購入商品そのものに対する消費者の意識だけを用いて該商品の商品プロファイルを生成するので、潜在的な価値観及び意識を含む消費者の傾向がその商品プロファイルに反映されない。そこで、消費者の傾向を的確に反映する商品プロファイルを生成することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面に係る情報処理システムは、少なくとも一つのプロセッサを備え、少なくとも一つのプロセッサが、ライフスタイルに関するアンケートに対する複数のサンプル消費者の回答結果を記憶するアンケートデータベースから回答結果を取得し、回答結果に対して因子分析を実行して、因子分析の結果を基に、複数のサンプル消費者のそれぞれについて、1以上の因子に対応する1以上の消費者因子スコアの集合を意識スコアとして算出し、複数の消費者に対応する商品購入の履歴を示す購入履歴を記憶する購入履歴データベースを参照して、対象商品を購入した1以上の前記サンプル消費者を特定し、特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの意識スコアに基づいて、対象商品について、1以上の因子に対応する1以上の商品因子スコアの集合を商品プロファイルとして算出する。
【0006】
本開示の一側面に係る情報処理方法は、少なくとも一つのプロセッサを備える情報処理システムにより実行される。この情報処理方法は、ライフスタイルに関するアンケートに対する複数のサンプル消費者の回答結果を記憶するアンケートデータベースから回答結果を取得するステップと、回答結果に対して因子分析を実行して、因子分析の結果を基に、複数のサンプル消費者のそれぞれについて、1以上の因子に対応する1以上の消費者因子スコアの集合を意識スコアとして算出するステップと、複数の消費者に対応する商品購入の履歴を示す購入履歴を記憶する購入履歴データベースを参照して、対象商品を購入した1以上のサンプル消費者を特定するステップと、特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの意識スコアに基づいて、対象商品について、1以上の因子に対応する1以上の商品因子スコアの集合を商品プロファイルとして算出するステップと、を含む。
【0007】
本開示の一側面に係る情報処理プログラムは、ライフスタイルに関するアンケートに対する複数のサンプル消費者の回答結果を記憶するアンケートデータベースから回答結果を取得するステップと、回答結果に対して因子分析を実行して、因子分析の結果を基に、複数のサンプル消費者のそれぞれについて、1以上の因子に対応する1以上の消費者因子スコアの集合を意識スコアとして算出するステップと、複数の消費者に対応する商品購入の履歴を示す購入履歴を記憶する購入履歴データベースを参照して、対象商品を購入した1以上のサンプル消費者を特定するステップと、特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの意識スコアに基づいて、対象商品について、1以上の因子に対応する1以上の商品因子スコアの集合を商品プロファイルとして算出するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0008】
このような側面においては、ライフスタイルに関するアンケートへの回答結果に対して因子分析が実行され、因子分析の結果を基に、個々の消費者の意識スコアが算出される。また、対象商品を購入した消費者が購入履歴に基づいて特定される。そして、特定された消費者の意識スコアに基づいて対象商品の商品プロファイルが算出される。回答結果は消費者の意識の現れであるので、因子分析によって回答結果から得られる意識スコアは消費者の傾向を的確に示すといえる。したがって、対象商品の購入者の意識スコアに基づいて該対象商品の商品プロファイルを求めることで、該対象商品の消費者の傾向がその商品プロファイルに的確に反映される。すなわち、消費者の傾向を的確に反映する商品プロファイルを生成することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一側面によれば、消費者の傾向を的確に反映する商品プロファイルを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2】サーバとして機能するコンピュータハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】消費者データベースの構成の一例を示す図である。
図4】商品データベースの構成の一例を示す図である。
図5】アンケートデータベースの構成の一例を示す図である。
図6】購入履歴データベースの構成の一例を示す図である。
図7】商品プロファイルを算出する処理の一例を示すフローチャートである。
図8】対象消費者の推定意識スコアの算出及びセグメントを推定する処理の一例を示すフローチャートである。
図9】対象消費者の消費者属性を推定する処理の一例を示すフローチャートである。
図10】属性推定モデルの生成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
[システムの構成]
実施形態に係る情報処理システム1は、ライフスタイルに関するアンケートに対する複数のサンプル消費者の回答結果と、該複数のサンプル消費者に対応する商品購入の履歴とに基づいて、1以上の商品のそれぞれについて商品プロファイルを生成するコンピュータシステムである。情報処理システム1は、1以上の商品プロファイルと、対象消費者に対応する商品購入の履歴とに基づいて、該対象消費者に関する消費者情報を推定してもよい。商品プロファイルとは、商品の性質又は特徴を1以上の指標によって表す情報である。商品とは、有償又は無償で取引される有体物又は無体物をいい、従ってサービスを含む概念である。そのため、商品購入の履歴には、サービス利用の履歴の概念が含まれる。ライフスタイルに関するアンケートとは、生活についての人の考え方を知るためのアンケートをいい、例えば、人生観、価値観、習慣、又は意識を知るためのアンケートである。サンプル消費者とは、商品プロファイルを生成する際にアンケート回答及び購入履歴が参照される人をいう。対象消費者とは、商品プロファイルに基づいて消費者情報を推定する対象となる人をいう。
【0013】
図1は情報処理システム1の構成の一例を示す図である。この例では、情報処理システム1はサーバ10を備える。サーバ10はインターネット、イントラネットなどの通信ネットワークを介してデータベース群20と接続してデータの読み出し又は書き込みを実行する。
【0014】
サーバ10は、情報処理システム1の主たる機能を実行するコンピュータである。一例では、サーバ10は機能要素として意識スコア算出部11、商品プロファイル算出部12、推定意識スコア算出部13、セグメント判定部14、及び属性推定部15備える。意識スコア算出部11は、アンケートに回答したサンプル消費者の意識スコアを算出する機能モジュールである。意識スコアとは、サンプル消費者の顕在的な又は潜在的な意識、価値観、又は志向を1以上の指標によって表す情報をいい、消費者情報の一種である。商品プロファイル算出部12は、サンプル消費者の意識スコア及び購入履歴に基づいて商品プロファイルを算出する機能モジュールである。推定意識スコア算出部13は、対象消費者の購入履歴と商品プロファイルとに基づいて、該対象消費者の推定意識スコアを算出する機能モジュールである。セグメント判定部14は、対象消費者の推定意識スコアに基づいて、該対象消費者が属するセグメントを判定する機能モジュールである。セグメントとは、対象消費者をグルーピングするために設けられた区分をいい、消費者情報の一種である。属性推定部15は、サンプル消費者の消費者属性に基づいて、対象消費者の消費者属性を推定する機能モジュールである。消費者属性とは消費者の性質又は特徴を示す情報であり、消費者情報の一種である。本開示では、消費者属性は、推定意識スコア及びセグメントでは表されない情報を表すものとする。
【0015】
図2は、サーバ10として機能するコンピュータ100のハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ100は、オペレーティングシステム及びアプリケーション・プログラムを実行するプロセッサ101と、ROM及びRAMで構成される主記憶部102と、ハードディスク、フラッシュメモリ等で構成される補助記憶部103と、ネットワークカード又は無線通信モジュールで構成される通信制御部104と、キーボード、マウス等の入力装置105と、モニタ等の出力装置106とを備える。補助記憶部103は、少なくとも1台のコンピュータを情報処理システム1(サーバ10)として機能させるための情報処理プログラムを記憶する。
【0016】
サーバ10の各機能要素は、プロセッサ101又は主記憶部102の上に情報処理プログラムを読み込ませてそのプログラムを実行させることで実現される。プロセッサ101はそのプログラムに従って、通信制御部104、入力装置105、又は出力装置106を動作させ、主記憶部102又は補助記憶部103におけるデータの読み出し及び書き込みを行う。処理に必要なデータ又はデータベースは主記憶部102又は補助記憶部103内に格納される。
【0017】
情報処理プログラムは、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等の有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、情報処理プログラムは、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0018】
サーバ10は1台のコンピュータ100で構成されてもよいし、複数台のコンピュータ100で構成されてもよい。複数台のコンピュータ100を用いる場合には、これらのコンピュータ100がインターネット、イントラネットなどの通信ネットワークを介して接続されることで、論理的に一つのサーバ10が構築される。
【0019】
データベース群20は1以上のデータベースの集合である。一例では、データベース群20は消費者データベース21、商品データベース22、アンケートデータベース23、及び購入履歴データベース24を有する。
【0020】
消費者データベース21は、個々の消費者に関する消費者データを記憶する装置である。図3は消費者データベース21の構成の一例を示す図である。この例では、消費者データベース21の各レコードは、個々の消費者を一意に特定する消費者IDと、消費者属性と、意識スコアとを含む。消費者属性は、例えば、性別、年齢、所有物の情報、趣味などの様々なデータ項目を含む。意識スコアは、消費者の意識を示す1以上の指標である1以上の因子についてのスコアを含む。それぞれの因子(指標)は、「簡便」、「健康」、「品質」などのような、意識、価値観、志向などに関連する要素又は観点を表す。この意識、価値観、又は志向には潜在的なものも含まれる。本開示では、意識スコアの因子のスコアを消費者因子スコアという。例えば、消費者因子スコアが大きいほど、対応する因子の影響が大きい。一例では、個々の消費者因子スコアは負の数値範囲と正の数値範囲とが等しくなるように設定され、例えば-1~+1の範囲で設定される。図3に示すように、消費者データベース21は、サンプル消費者の消費者データを記憶するサンプル消費者データベース21aと、対象消費者の消費者データを記憶する対象消費者データベース21bとを含んでもよい。
【0021】
商品データベース22は、個々の商品に関する商品データを記憶する装置である。図4は商品データベース22の構成の一例を示す図である。この例では、商品データベース22の各レコードは、個々の商品を一意に特定する商品IDと、商品属性と、商品プロファイルとを含む。商品属性は、商品プロファイルでは表されない商品の特徴又は性質を示す情報であり、例えば商品名と、商品の分類を示すカテゴリとを含む。カテゴリは、例えば、日本標準商品分類に従った分類項目である。商品プロファイルの1以上の因子は、消費者因子スコアの1以上の因子と同じである。本開示では、商品プロファイルの因子のスコアを商品因子スコアという。例えば、商品因子スコアが大きいほど、対応する因子の影響が大きい。一例では、個々の商品因子スコアの数値範囲は消費者因子スコアと同様に設定される。
【0022】
アンケートデータベース23は、ライフスタイルに関するアンケートに対するサンプル消費者の回答結果を示す回答データを記憶する装置である。図5はアンケートデータベース23の構成の一例を示す図である。この例では、アンケートデータベース23の各レコードは、サンプル消費者の消費者IDと、サンプル消費者によるアンケートの回答結果とを含む。各サンプル消費者の回答結果は、1以上のアンケート項目に対応する1以上の回答を含む。図5の例では、アンケートの回答は1(あてはまらない)、2(どちらかというと当てはまらない),3(どちらでもない)、4(どちらかというとあてはまる)、及び5(あてはまる)の5段階の場合で表される。
【0023】
購入履歴データベース24は、消費者による商品購入の記録を示す購入データを記憶する装置である。図6は購入履歴データベース24の構成の一例を示す図である。この例では、購入履歴データベース24の各レコードは、消費者ID及び購入履歴を含む。購入履歴は、図6の例では、消費者が商品を購入した日付と、購入場所と、購入金額と、購入個数と、該商品の商品IDとを含む。購入履歴は、少なくとも該商品の商品IDを含んでいればよく、それ以外の項目を必ずしも含む必要はない。
【0024】
[システムの動作]
図7を参照しながら、商品プロファイルを生成する処理について説明する。図7はその処理の一例を処理フローS1として示すフローチャートである。
【0025】
まず処理フローS1を説明する。ステップS11では、意識スコア算出部11が、アンケートデータベース23から複数のサンプル消費者の回答結果を取得する。意識スコア算出部11は、情報処理システム1のユーザによる操作に応答して回答結果を取得してもよいし、指定された実行時刻が到来したことに応答して回答結果を取得してもよい。
【0026】
ステップS12では、意識スコア算出部11が、取得された回答結果に対して、多変量解析の一例である因子分析を実行し、因子分析の結果を基に、複数のサンプル消費者のそれぞれの意識スコアを算出する。
【0027】
因子分析について詳細に説明する。因子分析のモデルは式1のように示される。
【数1】

式1において、nはアンケートの項目数を示し、mは共通因子の個数を示す。Q(i=1~n)はi番目のアンケート項目に対応する変数を示す。本実施形態においては、アンケート項目に対応する回答結果を変数Qで表すこととする。F(j=1~m)は共通因子を示す。fQiFjは、共通因子Fが変数Qへ及ぼす影響力を表す因子負荷量を示す。因子分析は因子負荷量fQiFjを求めることを目標とする。C(i=1~n)は共通因子で説明できない独自因子を示す。
【0028】
因子負荷量fQiFjを算出するために、因子分析の基礎方程式を用いる。この基礎方程式は式2のように示される。
【数2】

式2において、Rは相関行列を示し、Fは因子負荷行列を示し、F’は因子負荷行列の転置行列を示し、Cは独自因子負荷行列を示す。
【0029】
まず、相関行列Rにおける各相関係数を求める。二つの変数Q、Qについての相関係数は式3のように示される。
【数3】

式3において、SQaはa番目(a=1~n)のアンケート項目の変数Qの標準偏差を示し、SQbはb番目(b=1~n、b≠a)のアンケート項目の変数Qの標準偏差を示し、SQaQbは共分散を示す。各相関係数は-1~+1の範囲の値である。相関係数が1に近いほど正の相関が強く、相関係数が-1に近いほど負の相関が強く、相関係数が0に近いほど相関がない。そのため、同じ項目の変数同士の相関係数(例えば、RQaQa)は1である。
【0030】
続いて、式2を式4のように変換する。
【数4】
【0031】
式4における1-c は、変数Qについての共通性の値といわれる。例えば、共通性の値はSMC(Squared Multiple Correlation)法を用いて算出される。SMC法とは、回帰分析で得られる決定係数の値を共通性の値として利用する方法である。それぞれの共通性の値を求めることで式4の左辺が得られる。
【0032】
続いて、式4における右辺を求める。F*F’の各行列要素は、例えば、主因子法を用いて算出される。主因子法では、まず、R-Cの固有値λ(c=1~n)、及びその固有ベクトルω(d=1~n)を求める。続いて、R-Cを固有値及び固有ベクトルを用いた行列式に変換し、Fa*Fa’をその行列式に合わせた表現とする。変換後の行列式は式5のように示される。
【数5】

式5において、ωdQiは、固有ベクトルωの成分を示す。式5に基づいて左辺の各値と右辺の各値とを対応させることで、因子負荷量fQiFjを求める。例えば、因子負荷量はfQ1F1=√λ*ω1Q1により算出される。因子負荷量fQiFjは-1~+1の値であり、因子負荷量の絶対値が1に近いほど、その因子に対する影響度が大きくなる。
【0033】
意識スコア算出部11は、上記の因子分析によって因子負荷量fQiFjを算出し、その因子負荷量fQiFjに基づいて、複数のサンプル消費者の意識スコアを算出する。意識スコアを構成する消費者因子スコアの算出式は、式6のように示される。
【数6】

式6において、FS(j=1~m)は、第1因子~第m因子のそれぞれに対する消費者因子スコアを示し、K(i=1~n)は、n個のアンケート項目のそれぞれに対するアンケートスコアを示す。図5の例では、個々のアンケートスコアKは1~5の5段階の場合の数値である。R-1は相関行列Rの逆行列である。逆行列R-1*Fを因子スコア係数とみなすと、各消費者因子スコアは、アンケートスコアと、対応する因子スコア係数とを乗算することによって得られる。
【0034】
意識スコア算出部11は、算出された消費者因子スコアの集合である意識スコアをサンプル消費者データベース21a内の対応するレコードに格納する。
【0035】
一例では、意識スコア算出部11は意識スコアを定期的に又は特定の時期に更新する。例えば、サンプル消費者に対するアンケートが1年に1回行われることによって、アンケートデータベース23内のアンケートデータが更新される。あるいは、アンケートの実施間隔よりも長い期間毎に、例えば5年に1回、アンケート項目又は共通因子が変更され得る。意識スコア算出部11はこれらの更新又は変更に応答して意識スコアを更新してもよい。
【0036】
ステップS13では、商品プロファイル算出部12が、購入履歴データベース24を参照し、対象商品を購入した1以上のサンプル消費者を特定する。対象商品とは、商品プロファイルを算出する対象となる商品をいう。商品プロファイル算出部12は、ユーザ操作によって指定された対象商品を取得してもよいし、所定のアルゴリズムに選択された対象商品を取得してもよい。
【0037】
ステップS14では、商品プロファイル算出部12が、特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの意識スコアに基づいて対象商品の商品プロファイルを算出する。一例では、商品プロファイル算出部12は商品プロファイルのそれぞれの因子について、対応する1以上の消費者因子スコアの統計値を商品因子スコアとして算出してもよい。例えば、その統計値は平均値又は中央値でもよい。
【0038】
商品プロファイル算出部12は、他の例として、複数のサンプル消費者のそれぞれに重みを設定し、この重みを用いて各商品因子スコア、すなわち商品プロファイルを算出してもよい。重みとは、サンプル消費者の属性、購入金額、購入個数などに基づいて設定される係数である。例えば、複数のサンプル消費者における男性の割合が女性に対して多い場合には、男性の重みが女性の重みよりも小さく設定されてもよい。商品プロファイル算出部12はそれぞれのサンプル消費者について、該サンプル消費者の属性に基づいて重みを設定し、この重みを各消費者因子スコアに乗じて、1以上の消費者因子スコアを調整する。そして、商品プロファイル算出部12は商品プロファイルのそれぞれの因子について、1以上の調整された消費者因子スコアの統計値を商品因子スコアとして算出する。統計値として平均値を採用する場合には、j番目の商品因子スコアGSは式(7)によって表される。
【数7】

式7において、kはサンプル消費者の人数を示し、FS(i=1~k)はサンプル消費者の消費者因子スコアを示し、w(i=1~k)はサンプル消費者の重みを示す。
【0039】
商品プロファイル算出部12は、算出された商品因子スコアの集合である商品プロファイルを、商品データベース22内の対応するレコードに格納する。
【0040】
一例では、商品プロファイル算出部12は複数の対象商品のそれぞれについてステップS13,S14を実行して、それぞれの対象商品の商品プロファイルを計算及び格納する。
【0041】
一例では、商品プロファイル算出部12は商品プロファイルを定期的に又は特定の時期に更新する。例えば、複数のサンプル消費者の購入履歴が毎日蓄積されることに応答して、商品プロファイルを毎日更新する。あるいは、商品プロファイル算出部12は、意識スコアが更新されたことに応答して、それぞれの商品プロファイルを更新してもよい。すなわち、商品プロファイル算出部12は、アンケートデータベース23内の回答結果と、購入履歴データベース24内の購入履歴との少なくとも一方が更新されたことに応答して、商品プロファイルを更新してもよい。
【0042】
図8を参照しながら、対象消費者の推定意識スコアを算出しセグメントを推定する処理について説明する。図8はその処理の一例を処理フローS2として示すフローチャートである。処理フローS2は、1以上の対象商品のそれぞれの商品プロファイルが商品データベース22に格納された後に実行される。
【0043】
ステップS21では、推定意識スコア算出部13が、購入履歴データベース24を参照し、対象消費者により購入された商品を特定する。推定意識スコア算出部13は、ユーザ操作によって指定された対象消費者を取得してもよいし、所定のアルゴリズムに選択された対象消費者を取得してもよい。いずれにしても、推定意識スコア算出部13はその対象消費者の消費者IDに対応する1以上の商品を購入履歴データベース24から特定する。
【0044】
ステップS22では、推定意識スコア算出部13が、特定された1以上の商品のそれぞれの商品プロファイルを商品データベース22から取得する。
【0045】
ステップS23では、推定意識スコア算出部13が、取得された商品プロファイルに基づいて、対象消費者の推定意識スコアを算出する。一例では、推定意識スコア算出部13は意識スコアのそれぞれの因子について、対応する1以上の商品因子スコアの統計値を消費者因子スコアとして算出してもよい。例えば、その統計値は平均値又は中央値でもよい。商品プロファイル算出部12は、算出された消費者因子スコアの集合である意識スコアを、対象消費者データベース21b内の対応するレコードに格納する。
【0046】
ステップS24では、セグメント判定部14が、算出された推定意識スコアに基づいて、対象消費者が属するセグメントを判定する。一例では、セグメント判定部14は、利便性重視型、高付加価値型などのような複数の所定のセグメントと推定意識スコアとの対応表に基づいて、算出された推定意識スコアに対応する一つのセグメントを判定する。セグメント判定部14は判定されたセグメントを消費者属性として、対象消費者データベース21b内の対応するレコードに格納してもよい。
【0047】
図9を参照しながら、対象消費者の消費者属性を推定する処理について説明する。図9はその処理の一例を処理フローS3として示すフローチャートである。
【0048】
ステップS31では、属性推定部15が、サンプル消費者の消費者属性及び購入商品に基づいて、購入商品から消費者属性を推定する計算モデルである属性推定モデルを生成する。属性推定部15はサンプル消費者データベース21a及び購入履歴データベース24を参照して、サンプル消費者によって購入された1以上の商品を特定し、該1以上の商品のそれぞれについて、該商品を購入した各サンプル消費者の消費者属性を特定する。一例では、属性推定部15はそれぞれの商品について、特定された消費者属性の集合を処理して該商品の個々の消費者属性を算出し、この計算結果に基づいて属性推定モデルを生成する。属性推定部15は、商品と消費者属性との対応表を属性推定モデルとして生成してもよいし、機械学習によって属性推定モデルを生成してもよい。
【0049】
図10は属性推定モデルの生成の一例を示す図である。この例では、属性推定部15は、商品と消費者属性との対応表を生成する。説明を簡単にするために、図10の例では、購入商品として商品Pa,Pbが特定され、それぞれの購入商品について3人のサンプル消費者が特定されたとする。消費者属性として性別、及び所有車のメーカ名を示す。属性推定部15はそれぞれの消費者属性について、該属性における個々の値の割合を算出してもよい。あるいは、属性推定部15はその割合に基づいて、消費者属性の値を示すフラグを設定してもよい。図10の例では、フラグは‘0’及び‘1’の二値で表される。フラグ‘1’は値が商品の代表的な属性値であることを示し、フラグ‘0’は値がその属性値でないことを示す。商品Paについては、2人の男性及び1人の女性がこの商品を購入したので、属性推定部15は属性値「男性」にフラグ‘1’を設定し、属性値「女性」にフラグ‘0’を設定する。商品Paを購入した3人の消費者の所有車のメーカは「メーカV」、「メーカX」、及び「メーカY」であり、確率を基準にするとこれら三つのメーカは同率1位である。図10の例では、属性推定部15はそれらの確率に基づいて、三つの属性値「メーカV」、「メーカX」、及び「メーカY」にフラグ‘1’を設定し、属性値「メーカZ」にフラグ‘0’を設定する。したがって、商品Paについては、性別の代表的な属性値は「男性」であり。所有車のメーカ名の代表的な属性値は「メーカV」、「メーカX」、又は「メーカY」である。属性推定部15は算出された属性値に基づいて、商品と消費者属性との対応表を属性推定モデルとして生成する。
【0050】
属性推定部15は、個々の商品についての消費者属性の集合を教師データとして用いる機械学習を実行して、購買商品の商品IDから消費者属性を推定する属性推定モデルを生成してもよい。この例では、属性推定モデルは学習済みモデルである。
【0051】
ステップS32では、属性推定部15が、属性推定モデルに基づいて、対象消費者の購入商品から該対象消費者の消費者属性を推定する。属性推定部15は、属性推定モデルとして生成された対比表を参照して、購入商品に対応する消費者属性を推定結果として取得してもよい。あるいは、属性推定部15は、属性推定モデルとして生成された学習済みモデルに購入商品の商品IDを入力して、この学習済みモデルから出力される消費者属性を取得してもよい。属性推定部15は、推定された消費者属性を対象消費者データベース21b内の対応するレコードに格納してもよい。
【0052】
[変形例]
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0053】
情報処理システムは、因子分析の結果を基に、意識スコアを算出することなく、回答結果に基づいて商品プロファイルを算出してもよい。例えば、情報処理システムは1以上のアンケート項目に対応する1以上の商品スコアの集合を商品プロファイルとして算出する。情報処理システムはそれぞれの商品スコアとして、対応するアンケート項目のアンケートスコアの統計値を算出してもよい。
【0054】
情報処理システムは推定意識スコア算出部13、セグメント判定部14、及び属性推定部15のうちの少なくとも一つを備えなくてもよい。
【0055】
上記の例では、属性推定部15が、サンプル消費者の消費者属性及び購入商品に基づいて属性推定モデルを生成し、この属性推定モデルを用いて対象消費者の消費者属性を推定する。しかし、属性推定部15は、対象消費者の消費者属性及び購入商品に基づいて属性推定モデルを生成し、この属性推定モデルを用いてサンプル消費者の消費者属性を推定してもよい。
【0056】
少なくとも一つのプロセッサにより実行される情報処理方法の処理手順は上記の例に限定されない。例えば、上述したステップ(処理)の一部が省略されてもよいし、別の順序で各ステップが実行されてもよい。また、上述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正又は削除されてもよい。あるいは、上記の各ステップに加えて他のステップが実行されてもよい。
【0057】
本開示において、「少なくとも一つのプロセッサが、第1の処理を実行し、第2の処理を実行し、…第nの処理を実行する。」との表現、又はこれに対応する表現は、第1の処理から第nの処理までのn個の処理を実行するプロセッサが途中で変わる場合を含む概念を示す。すなわち、この表現は、n個の処理のすべてが同じプロセッサで実行される場合と、n個の処理においてプロセッサが任意の方針で変わる場合との双方を含む概念を示す。
【0058】
情報処理システム内で二つの数値の大小関係を比較する際には、「以上」及び「よりも大きい」という二つの基準のどちらを用いてもよく、「以下」及び「未満」の二つの基準のうちのどちらを用いてもよい。
【0059】
[付記]
上記の様々な例から把握されるとおり、本開示は以下に示す態様を含む。
<項目1>
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
ライフスタイルに関するアンケートに対する複数のサンプル消費者の回答結果を記憶するアンケートデータベースから前記回答結果を取得し、
前記回答結果に対して因子分析を実行して、前記因子分析の結果を基に、前記複数のサンプル消費者のそれぞれについて、1以上の因子に対応する1以上の消費者因子スコアの集合を意識スコアとして算出し、
複数の消費者に対応する商品購入の履歴を示す購入履歴を記憶する購入履歴データベースを参照して、対象商品を購入した1以上の前記サンプル消費者を特定し、
前記特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの前記意識スコアに基づいて、前記対象商品について、前記1以上の因子に対応する1以上の商品因子スコアの集合を商品プロファイルとして算出する、
情報処理システム。
<項目2>
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれについて、該サンプル消費者の属性に基づいて重みを設定し、
前記特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの前記意識スコアおよび前記重みに基づいて、前記商品プロファイルを算出する、
項目1に記載の情報処理システム。
<項目3>
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記1以上の因子のそれぞれについて、前記特定された1以上のサンプル消費者の、対応する前記消費者因子スコアの統計値を、前記商品因子スコアとして算出する、
項目1又は2に記載の情報処理システム。
<項目4>
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記アンケートデータベース内の前記回答結果と、前記購入履歴データベース内の前記購入履歴との少なくとも一方が更新されたことに応答して、前記商品プロファイルを更新する、
項目1~3のいずれか一つに記載の情報処理システム。
<項目5>
前記少なくとも一つのプロセッサが、
対象消費者に対応する前記購入履歴を前記購入履歴データベースから取得し、
前記取得された購入履歴に対応する1以上の前記商品プロファイルに基づいて、前記対象消費者の推定意識スコアを算出する、
項目1~4のいずれか一つに記載の情報処理システム。
<項目6>
前記少なくとも一つのプロセッサが、算出された前記推定意識スコアに基づいて、前記対象消費者が属するセグメントを判定する、
項目5に記載の情報処理システム。
<項目7>
少なくとも一つのプロセッサを備える情報処理システムにより実行される情報処理方法であって、
ライフスタイルに関するアンケートに対する複数のサンプル消費者の回答結果を記憶するアンケートデータベースから前記回答結果を取得するステップと、
前記回答結果に対して因子分析を実行して、前記因子分析の結果を基に、前記複数のサンプル消費者のそれぞれについて、1以上の因子に対応する1以上の消費者因子スコアの集合を意識スコアとして算出するステップと、
複数の消費者に対応する商品購入の履歴を示す購入履歴を記憶する購入履歴データベースを参照して、対象商品を購入した1以上の前記サンプル消費者を特定するステップと、
前記特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの前記意識スコアに基づいて、前記対象商品について、前記1以上の因子に対応する1以上の商品因子スコアの集合を商品プロファイルとして算出するステップと、
を含む情報処理方法。
<項目8>
ライフスタイルに関するアンケートに対する複数のサンプル消費者の回答結果を記憶するアンケートデータベースから前記回答結果を取得するステップと、
前記回答結果に対して因子分析を実行して、前記因子分析の結果を基に、前記複数のサンプル消費者のそれぞれについて、1以上の因子に対応する1以上の消費者因子スコアの集合を意識スコアとして算出するステップと、
複数の消費者に対応する商品購入の履歴を示す購入履歴を記憶する購入履歴データベースを参照して、対象商品を購入した1以上の前記サンプル消費者を特定するステップと、
前記特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの前記意識スコアに基づいて、前記対象商品について、前記1以上の因子に対応する1以上の商品因子スコアの集合を商品プロファイルとして算出するステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【0060】
項目1,7,8においては、ライフスタイルに関するアンケートへの回答結果に対して因子分析が実行されて個々の消費者の意識スコアが算出される。また、対象商品を購入した消費者が購入履歴に基づいて特定される。そして、特定された消費者の意識スコアに基づいて対象商品の商品プロファイルが算出される。回答結果は消費者の意識の現れであるので、因子分析によって回答結果から得られる意識スコアは消費者の傾向を的確に示すといえる。したがって、対象商品の購入者の意識スコアに基づいて該対象商品の商品プロファイルを求めることで、該対象商品の消費者の傾向がその商品プロファイルに的確に反映される。すなわち、消費者の傾向を的確に反映する商品プロファイルを生成することができる。
【0061】
項目2によれば、サンプル消費者の属性を反映した商品プロファイルが算出されるので、消費者の傾向をより的確に反映する商品プロファイルを生成することができる。
【0062】
項目3によれば、消費者因子スコアの統計値によって商品因子スコアが表されるので、複数のサンプル消費者の傾向をより的確に反映する商品プロファイルを生成することができる。
【0063】
項目4によれば、回答結果または購入履歴が更新されたことに応じて商品プロファイルが更新されるので、消費者の最近の傾向を反映する商品プロファイルを生成することができる。例えば、消費者の価値観または嗜好の変化を商品プロファイルに反映させたり、新商品の商品プロファイルを適切なタイミングで生成したりすることができる。
【0064】
項目5によれば、商品プロファイルに基づいて、対象消費者の推定意識スコアが算出されるので、対象消費者に対してライフスタイルに関するアンケートを実施することなく、該対象消費者の傾向を把握することができる。
【0065】
項目6によれば、対象消費者がどのセグメントに属するかを把握することができる。
【符号の説明】
【0066】
1…情報処理システム、10…サーバ、11…意識スコア算出部、12…商品プロファイル算出部、13…推定意識スコア算出部、14…セグメント判定部、15…属性推定部、20…データベース群、21…消費者データベース、22…商品データベース、23…アンケートデータベース、24…購入履歴データベース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-11-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
ライフスタイルに関するアンケートに対する複数のサンプル消費者の回答結果を記憶するアンケートデータベースから前記回答結果を取得し、
前記回答結果に対して因子分析を実行して、前記因子分析の結果を基に、前記複数のサンプル消費者のそれぞれについて、1以上の因子に対応する1以上の消費者因子スコアの集合を意識スコアとして算出し、
複数の消費者に対応する商品購入の履歴を示す購入履歴を記憶する購入履歴データベースを参照して、対象商品を購入した1以上の前記サンプル消費者を特定し、
前記特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの前記意識スコアに基づいて、前記対象商品について、前記1以上の因子に対応する1以上の商品因子スコアの集合を商品プロファイルとして算出し、
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記1以上の因子のそれぞれについて、前記特定された1以上のサンプル消費者の、対応する前記消費者因子スコアの統計値を、前記商品因子スコアとして算出する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれについて、該サンプル消費者の属性に基づいて重みを設定し、
前記特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの前記意識スコアおよび前記重みに基づいて、前記商品プロファイルを算出する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記アンケートデータベース内の前記回答結果と、前記購入履歴データベース内の前記購入履歴との少なくとも一方が更新されたことに応答して、前記商品プロファイルを更新する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
対象消費者に対応する前記購入履歴を前記購入履歴データベースから取得し、
前記取得された購入履歴に対応する1以上の前記商品プロファイルに基づいて、前記対象消費者の推定意識スコアを算出する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記少なくとも一つのプロセッサが、算出された前記推定意識スコアに基づいて、前記対象消費者が属するセグメントを判定する、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
少なくとも一つのプロセッサを備える情報処理システムにより実行される情報処理方法であって、
ライフスタイルに関するアンケートに対する複数のサンプル消費者の回答結果を記憶するアンケートデータベースから前記回答結果を取得するステップと、
前記回答結果に対して因子分析を実行して、前記因子分析の結果を基に、前記複数のサンプル消費者のそれぞれについて、1以上の因子に対応する1以上の消費者因子スコアの集合を意識スコアとして算出するステップと、
複数の消費者に対応する商品購入の履歴を示す購入履歴を記憶する購入履歴データベースを参照して、対象商品を購入した1以上の前記サンプル消費者を特定するステップと、
前記特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの前記意識スコアに基づいて、前記対象商品について、前記1以上の因子に対応する1以上の商品因子スコアの集合を商品プロファイルとして算出するステップと、
前記1以上の因子のそれぞれについて、前記特定された1以上のサンプル消費者の、対応する前記消費者因子スコアの統計値を、前記商品因子スコアとして算出するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
ライフスタイルに関するアンケートに対する複数のサンプル消費者の回答結果を記憶するアンケートデータベースから前記回答結果を取得するステップと、
前記回答結果に対して因子分析を実行して、前記因子分析の結果を基に、前記複数のサンプル消費者のそれぞれについて、1以上の因子に対応する1以上の消費者因子スコアの集合を意識スコアとして算出するステップと、
複数の消費者に対応する商品購入の履歴を示す購入履歴を記憶する購入履歴データベースを参照して、対象商品を購入した1以上の前記サンプル消費者を特定するステップと、
前記特定された1以上のサンプル消費者のそれぞれの前記意識スコアに基づいて、前記対象商品について、前記1以上の因子に対応する1以上の商品因子スコアの集合を商品プロファイルとして算出するステップと、
前記1以上の因子のそれぞれについて、前記特定された1以上のサンプル消費者の、対応する前記消費者因子スコアの統計値を、前記商品因子スコアとして算出するステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。