(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034140
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】衣類処理システム、衣類処理機及びプログラム
(51)【国際特許分類】
D06F 33/30 20200101AFI20240306BHJP
D06F 95/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
D06F33/30
D06F95/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138194
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】川口 弘暁
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA01
3B167AD07
3B167AE03
3B167AE04
3B167AE05
3B167BA59
3B167BA78
3B167BA91
3B167BA92
3B167HA16
3B167HA32
3B167JC22
3B167LA10
3B167MA03
3B167MA12
(57)【要約】
【課題】衣類処理機の運転内容に関する設定情報を変更可能な衣類処理機の使い勝手を向上させることができる。
【解決手段】実施形態の衣類処理システムは、衣類処理機と、前記衣類処理機に対する外部の情報処理部とを含む。前記衣類処理機は、前記衣類処理機の特定の運転内容を示す第1設定情報を記憶する第1記憶部と、前記第1記憶部に記憶された前記第1設定情報に基づいて前記衣類処理機を運転可能である衣類処理機制御部と、を備え、前記情報処理部は、前記特定の運転内容を示す第2設定情報が記憶される第2記憶部を参照可能であり、前記情報処理部又は前記衣類処理機制御部は、前記第2記憶部に記憶された前記第2設定情報が無効化された場合に、前記第1記憶部に記憶された前記第1設定情報を無効化するための所定の処理を実施する。
【選択図】
図5B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類処理機と、前記衣類処理機に対する外部の情報処理部とを含む衣類処理システムであって、
前記衣類処理機は、
前記衣類処理機の特定の運転内容を示す第1設定情報を記憶する第1記憶部と、
前記第1記憶部に記憶された前記第1設定情報に基づいて前記衣類処理機を運転可能である衣類処理機制御部と、
を備え、
前記情報処理部は、前記特定の運転内容を示す第2設定情報が記憶される第2記憶部を参照可能であり、
前記情報処理部又は前記衣類処理機制御部は、
前記第2記憶部に記憶された前記第2設定情報が無効化された場合に、前記第1記憶部に記憶された前記第1設定情報を無効化するための所定の処理を実施する、
衣類処理システム。
【請求項2】
前記第2設定情報を無効化することは、前記第2記憶部から前記第2設定情報を削除することを含み、
前記第1設定情報を無効化することは、前記第1記憶部から前記第1設定情報を削除することを含む、
請求項1に記載の衣類処理システム。
【請求項3】
前記情報処理部は、
サーバ、または端末装置の特定機能部であり、
前記第2設定情報を無効化するための所定の操作が前記端末装置で検出された場合に、前記所定の処理を実施する、
請求項1に記載の衣類処理システム。
【請求項4】
前記第1記憶部は、前記特定の運転内容である第1運転内容を示す前記第1設定情報に加え、別の特定の運転内容である第2運転内容を示す第3設定情報を記憶可能であり、
前記所定の処理は、前記第3設定情報を前記第1記憶部に有効な状態で残しつつ、前記第1設定情報を無効化するための処理である、
請求項1に記載の衣類処理システム。
【請求項5】
前記情報処理部又は前記衣類処理機制御部は、所定の時機に、前記第2設定情報と前記第1設定情報とを比較するための処理を実施し、
前記情報処理部又は前記衣類処理機制御部は、前記第2設定情報と前記第1設定情報との比較結果が所定の条件を満たす場合に、前記比較結果に応じて前記第1記憶部に記憶された前記第1設定情報を無効化または変更するための処理を実施する、
請求項1に記載の衣類処理システム。
【請求項6】
前記衣類処理機制御部は、
前記衣類処理機の通電開始後または前記衣類処理機の操作部に対して所定の操作が行われた場合に、前記第2設定情報と前記第1設定情報とを比較するための処理を実施する、
請求項5に記載の衣類処理システム。
【請求項7】
前記衣類処理機制御部は、前記第2記憶部に記憶された前記第2設定情報を受信する場合に、受信した前記第2設定情報に基づき前記第1記憶部に記憶された前記第1設定情報を更新する、
請求項1に記載の衣類処理システム。
【請求項8】
前記衣類処理機は、
前記衣類処理機の運転状況に関する情報を表示可能な表示部
を備え、
前記衣類処理機制御部は、
前記第2記憶部に記憶された前記第2設定情報が無効化されたと判定された場合、前記第1記憶部に記憶された前記第1設定情報を無効化することを表示する、
請求項1に記載の衣類処理システム。
【請求項9】
前記第1記憶部は、前記第1設定情報を含む第1記憶部設定情報を記憶し、
前記第2記憶部は、前記第2設定情報を含む第2記憶部設定情報を記憶し、
前記衣類処理機制御部は、
前記衣類処理機に関する初期化処理によって、前記第1設定情報を含む前記第1記憶部設定情報が前記第1記憶部から削除され、前記第1設定情報を含まない新しい第1記憶部設定情報を生成される場合、前記新しい第1記憶部設定情報を前記情報処理部に送信し、
前記情報処理部は、受信した前記新しい第1記憶部設定情報に基づき、前記第2記憶部に記憶された前記第2記憶部設定情報を更新する、
請求項1に記載の衣類処理システム。
【請求項10】
外部の情報処理部とともに衣類処理システムに含まれる衣類処理機であって、
前記衣類処理機の特定の運転内容を示す第1設定情報を記憶する第1記憶部と、
前記第1記憶部に記憶された前記第1設定情報に基づいて前記衣類処理機を運転可能である衣類処理機制御部と、
を備え、
前記衣類処理機制御部は、
前記特定の運転内容を示す第2設定情報であって前記情報処理部が参照可能な第2記憶部に記憶された前記第2設定情報が無効化された場合に、前記第1記憶部に記憶された前記第1設定情報を無効化するための所定の処理を実施する、
衣類処理機。
【請求項11】
衣類処理機の特定の運転内容を示す第1設定情報を記憶する第1記憶部と、前記第1記憶部に記憶された前記第1設定情報に基づいて前記衣類処理機を運転可能である衣類処理機制御部とを備える衣類処理機があり、
前記衣類処理機の操作に係る端末装置のコンピュータに、
前記特定の運転内容を示す第2設定情報であって前記端末装置内の第2記憶部に記憶された前記第2設定情報が無効化された場合に、前記第1記憶部に記憶された前記第1設定情報を無効化するための所定の処理を実施するステップ、
を実行させるためのプログラム。
【請求項12】
前記端末装置のコンピュータに、
前記第2設定情報を無効化するための所定の操作を検出するステップ
を実行させるための請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記端末装置のコンピュータに、
前記衣類処理機の利用者を識別可能な識別情報を削除するための操作、または前記端末装置から所定のプログラムを削除するための操作が検出された場合に、前記第2記憶部に記憶された前記第2設定情報が無効化するためのステップ、
を実行させるための請求項11に記載のプログラム。
【請求項14】
前記端末装置のコンピュータに、
前記衣類処理機の利用者ごとに、前記特定の運転内容に関する処理を前記識別情報を用いて利用可能にするステップと、
前記第1設定情報と前記第2設定情報との中から無効化する情報を、前記識別情報を用いて決定するステップと
を実行させるための請求項13に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、衣類処理システム、衣類処理機及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
衣類を処理する衣類処理機の特定の運転内容について、端末装置のアプリケーションプログラムを利用して、所望の設定情報を衣類処理機に設定することで、その運転内容を変更できる衣類処理システムが知られている。衣類処理機の運転内容に関する設定情報を変更するときなどに、衣類処理システムの使い勝手が低下する場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、衣類処理機の運転内容に関する設定情報を変更可能な衣類処理機の使い勝手を向上させることができる衣類処理システム、衣類処理機及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の衣類処理システムは、衣類処理機と、前記衣類処理機に対する外部の情報処理部とを含む。前記衣類処理機は、前記衣類処理機の特定の運転内容を示す第1設定情報を記憶する第1記憶部と、前記第1記憶部に記憶された前記第1設定情報に基づいて前記衣類処理機を運転可能である衣類処理機制御部と、を備え、前記情報処理部は、前記特定の運転内容を示す第2設定情報が記憶される第2記憶部を参照可能であり、前記情報処理部又は前記衣類処理機制御部は、前記第2記憶部に記憶された前記第2設定情報が無効化された場合に、前記第1記憶部に記憶された前記第1設定情報を無効化するための所定の処理を実施する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】実施形態の衣類処理システムの全体構成を示す図。
【
図3A】実施形態の衣類処理機の操作パネルに表示される画面の例を示す第1の図。
【
図3B】実施形態の衣類処理機の操作パネルに表示される画面の例を示す第2の図。
【
図4A】実施形態のアプリコースの設定に関する処理を説明するための図。
【
図4B】実施形態の目的別のオリジナルコースを作成する処理を説明するための図。
【
図4C】実施形態の目的別のオリジナルコースを作成する処理を説明するための図。
【
図4D】実施形態の目的別のオリジナルコースを作成する処理を説明するための図。
【
図5A】実施形態のオリジナルコース設定情報の処理を示すフローチャート。
【
図5B】実施形態のオリジナルコース設定情報の処理を示すフローチャート。
【
図6】実施形態のアプリケーション上からオリジナルコースを削除する処理を説明するための図。
【
図7】実施形態のオリジナルコース情報の更新処理のシーケンス図。
【
図8】実施形態の衣類処理機の操作パネルの表示を説明するための図。
【
図9】実施形態の衣類処理機の操作パネルに表示される画面を説明するための図。
【
図10】実施形態の衣類処理機の記憶部の初期化手順について説明するための図。
【
図11】実施形態の「家電管理アプリAPP」から、登録洗濯機情報を削除する処理について説明するための図。
【
図12】実施形態の「家電管理アプリAPP」から、アカウント情報を削除する処理について説明するための図。
【
図13A】実施形態の衣類処理機を複数のユーザで共有するための処理について説明するための図。
【
図13B】実施形態の衣類処理機を複数のユーザで共有するための処理について説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の衣類処理システム、衣類処理機及びプログラムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一又は類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
以下の説明において、衣類処理機の運転に係る制御内容を、ユーザ(利用者)が指定することを可能にしたコースのことを「オリジナルコース」と呼び、また、端末装置からそのコースの情報(コース情報)を衣類処理機に送信して、設定する動作を「ダウンロード」と呼ぶ。以下の説明における「ダウンロード」の対象は、制御のための制御変数を含み、必ずしもプログラムを含まなくてもよい。
【0008】
図1Aは、実施形態の衣類処理システム1の全体構成を示す図である。衣類処理システム1は、例えば、衣類処理機2、サーバ5、及び端末装置3の家電管理アプリAPPを含む。なお、衣類処理システム1は、サーバ5を含まず、衣類処理機2と端末装置3の家電管理アプリAPPとにより実現されてもよい。家電管理アプリAPPは、衣類処理機の設定情報を管理するためのプログラムが含まれているとよい。これについては、後述する。
【0009】
衣類処理機2は、主として家庭で使用される電気機器である。「衣類処理機」とは、衣類に対して何らかの処理(例えば、洗濯、乾燥、しわ取り、折り目の強化、脱臭、花粉除去、埃除去、又は除菌などのうち1つ以上の処理)を行う装置を広く意味する。衣類処理機2は、例えば洗濯機であるが、クローゼット型クリーニング機なども該当する。衣類処理機2は、ユーザUの住居内に設置され、ユーザUの住居内に設置される無線ルータ4を介してネットワークNWと接続される。衣類処理機2は、ネットワークNWを介して、サーバ5又は端末装置3と通信可能である。ネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、LPWA(Low Power Wide Area)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、又はその他の公衆回線や専用回線などを状況に応じて利用すればよい。
【0010】
図1Bは、実施形態のサーバ5の機能ブロック図である。
サーバ5は、衣類処理機2などの各種家電機器を管理する管理サーバである。サーバ5は、1つ以上のサーバ装置(例えばクラウドサーバ)により構成される。サーバ5は、「サーバ5システム」と称されてもよい。サーバ5は、例えば、入出力装置51と、制御部52と、記憶部53と、通信部54とを有する。入出力装置51は、種々の情報を表示可能な出力部と、各種情報の入力部を有する。通信部54は、通信モジュールを含み、ネットワークNWと接続される。制御部52は、記憶部53に展開されたサーバ用プログラムを実行して、ネットワークNWを介して、衣類処理機2又は端末装置3と通信する。制御部52は、衣類処理機2又は端末装置3から取得した各種情報を、記憶部6に書き込み保持する。サーバ5の構成は上記に制限されず、一般的な構成を適宜適用してもよい。以下の説明において、制御部52による処理を、サーバ5による処理として説明することがある。なお、サーバ5は、ネットワークNW中のルータに含まれる情報処理部など、エッジコンピューティングやフォグコンピューティングを行う情報処理部を含んでもよい。サーバ5は、クラウドサーバに限定されず、ユーザUの住居にあるコンピュータでもよく、家庭内ルータ(例えば無線ルータ4)などでもよい。
【0011】
図1Cは、実施形態の端末装置3の機能ブロック図である。
端末装置3は、ユーザUが使用する端末装置である。端末装置3は、例えば、スマートフォン又はタブレット端末装置のような携帯端末装置である。ただし、端末装置3は、携帯端末装置に限定されず、パーソナルコンピュータなどでもよい。端末装置3は、例えば、入出力装置31と、制御部32と、記憶部33と、通信部34とを有する。入出力装置31は、種々の情報を表示可能な出力部である表示画面31aと、入力部31bを有する。入力部31bは、ユーザUの入力を受け付け可能である。入力部31bは、例えば入出力装置31の表示画面31aと重ねて設けられ、タッチパネルを形成する。入力部31bは、端末装置3に設けられたカメラやマイクなどを含み得る。通信部34は、無線通信可能な通信モジュールである。通信部34は、無線ルータ4を介して又は直接にネットワークNWと接続される。通信部34は、ネットワークNWを介して、衣類処理機2又はサーバ5と通信可能である。
【0012】
端末装置3には、アプリケーションプログラムPがインストールされ、以下に説明する機能がサポートされる。アプリケーションプログラムPは、例えば、衣類処理機2などの家電機器を管理するためのアプリケーションプログラムを含む。本実施形態では、アプリケーションプログラムPに係るアプリケーションソフトウェアを「家電管理アプリAPP」と称する。アプリケーションプログラムPは、「プログラム」の一例である。例えば、このアプリケーションプログラムPが実行することによって起動されるアプリケーションソフトウェアに、衣類処理機2を管理するためのアプリケーションソフトウェアが含まれる。このアプリケーションソフトウェアを「洗濯機アプリ」と称する。これについて後述する。例えば、記憶部33(第2記憶部)は、第2設定情報を含む第2記憶部設定情報を記憶するように構成されている。これについて後述する。
【0013】
次に、ドラム式の洗濯機を例として取り上げて、衣類処理機2について説明する。なお以下の説明は、本出願の「衣類処理機」又は「洗濯機」の範囲を限定するものではない。衣類処理機2は、ドラム式の洗濯機に限定されず、縦型式の洗濯機でもよい。
【0014】
端末装置3にインストールされた「家電管理アプリAPP」上で、ユーザUは、衣類処理機2の運転コースであるアプリコースを作成することができる。また、「家電管理アプリAPP」上で、ユーザUは、サーバ5に登録されている運転コースをカスタマイズして、アプリコースを作成することができる。ユーザUが作成したアプリコースのコース情報は、サーバ5の記憶部6に保存される。アプリコースは運転コースの一例である。
【0015】
図2は、実施形態の衣類処理機2の機能ブロック図である。衣類処理機2は、操作パネル21と、制御部22と、記憶部23と、通信部24と、駆動部25とを備える。
【0016】
操作パネル21は、例えば
図1に示すように、衣類処理機2本体の上面前側に設けられている。操作パネル21は、例えば、TFT(Thin-Film-Transistor Liquid-Crystal Display)液晶などからなる表示部を備え、その表示面に衣類処理機2の運転コースに係る複数種類の表示画面を含む画像を表示させる。これにより、ユーザUは、衣類処理機2の運転コースの設定や現在の運転状況を確認することができる。
【0017】
また、操作パネル21は、衣類処理機2の運転コースの設定および切り替えを指示するユーザの操作を受け付けるコース選択部を備える。コース選択部は、例えば、いわゆるタッチ式の操作パネルとして形成されていて、静電容量式スイッチによって構成されるタッチセンサを含む。このような構成により、ユーザUは、操作パネル21に表示される画面を利用して、衣類処理機2の運転を操作する。操作パネル21は、衣類処理機2の運転に関する各種操作を受け付ける。
【0018】
制御部22は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含む。制御部22の各処理は、プロセッサがプログラムを実行することにより実現される。なお、制御部22の各処理のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアが実行してもよい。制御部22は、衣類処理機2の運転制御を行ったり、記憶部23への入出力制御を行ったり、操作パネル21への表示制御、操作パネル21へ入力された操作を検出、処理する制御を行う。
【0019】
記憶部23は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrical Erasable ROM)などの半導体メモリーを有する。EEPROMは、電気的に消去可能な不揮発性半導体メモリーの一例であり、不揮発性の記憶領域として利用される。例えば、記憶部23は、サーバ5を介して取得したアプリコースの情報を不揮発性の記憶領域に保持することができる。また、衣類処理機2が運転した運転コースやアプリコースの運転履歴を記憶領域に保持することができる。換言すれば、記憶部23(第1記憶部)は、第1設定情報を含む第1記憶部設定情報を記憶するように構成されている。これについて後述する。
【0020】
通信部24は、例えば、無線ルータ4を介して、ネットワークNWに接続可能に形成されている。通信部24は、ネットワークNWを介して、サーバ5に接続される。例えば、通信部24は、アプリコースのコース情報を端末装置3に送信する。例えば、通信部24は、運転履歴の情報をサーバ5との間で送受信する。なお、通信部24は、ネットワークNWを介して、端末装置3と通信してもよい。通信部24は、ネットワークNWを介さずに、無線ルータ4を介して、あるいは、直接、端末装置3とデータの送受信が実行可能であってもよい。
【0021】
駆動部25は、衣類処理機2の衣類処理を実現するための機構部を備える。例えば、衣類処理機2が「洗濯機」又は「乾燥機」であれば、回転層とその駆動部、給水機構などを含む。駆動部25の構成は、これに制限されず、適宜加除してよい。
【0022】
衣類処理機2には、アプリコース以外の運転コースが、標準仕様の運転コースとして利用可能に設定されている。そのため、サーバ5からコース情報を所得しなくても、衣類処理機2は、標準仕様の運転コースによって運転を制御できる。これに対して、アプリコースは、ユーザUが所望の運転コースのコース情報をサーバ5から所得して衣類処理機2に登録することで選択可能になる。なお、サーバ5には、アプリコースとして選択可能な各種運転コースが予め登録されている。ユーザUは、端末装置3を用いて、サーバ5に登録されている運転コースの中から、所望の運転コースを選択して、衣類処理機2の運転制御に適用させることができる。
【0023】
次に
図3Aと
図3Bとを用いて、操作パネル21に表示される画面について説明する。以下に例示する画面例は、制御部22によって作成、表示される。
【0024】
図3Aは、実施形態の衣類処理機2の操作パネル21に表示される画面の例を示す第1の図である。
図3Aの(a)に示す画面例は、衣類処理機2の電源を入れたときに表示されるトップ画面P31である。
図3Aの(b)に示す画面例は、
図3Aの(a)のトップ画面P31に代えて表示される運転コース選択画面P32であり、元々洗濯機に設定されている複数の運転コースが表示されている。
図3Aの(c)に示す画面例は、
図3Aの(b)の運転コース選択画面P32に代えて表示される運転コース選択画面P33であり、アプリコースが表示されている。以下、これらについて順に説明する。
【0025】
図3Aの(a)に示すトップ画面P31には、中段に、洗濯運転(「洗濯:標準コース」)、洗濯乾燥運転(「洗濯・乾燥」)、乾燥運転(「乾燥」)といった運転種別を示すアイコン、下段に、コースボタン、スタートボタンなどが表示されている。制御部22は、トップ画面P31に表示されている運転種別を示すアイコンに対する操作を検出すると、この検出結果に応じた運転種別を選択する。例えば、ユーザUがトップ画面P31中の「洗濯運転」のアイコンを操作して、操作パネル21によってその操作が検出されると、制御部22は、運転種別を「洗濯運転」(「洗濯:標準コース」)と決定する。
【0026】
運転種別が選択された状態で、
図3Aの(a)のトップ画面P31に表示された「コース」ボタンを押下して選択する。制御部22は、ユーザによって押下されたことを検出すると、運転コースを選ぶステップへと移行させて、操作パネル21の表示を、例えば
図3Aの(b)に示す運転コース選択画面P32に遷移させる。操作パネル21に、ユーザの操作による所望の運転コース選択画面が表示される。このように、ユーザUは、運転コース選択画面に表示される複数のアプリコースの中から所望の運転コースを選ぶことができる。例えば、
図3Aの(c)に示す運転コース選択画面P33の例では、運転コースとして選択可能なアプリコースを計3つまで設定することができる。各アプリコースは、それぞれ「アプリ1」、「アプリ2」、「アプリ3」と記載されたアイコンで表示されている。各アプリコースは、夫々運転コースとして指定できる。ユーザUは、「アプリ1」コース、「アプリ2」コース、「アプリ3」コースの何れかをタップ操作によって選択する。
【0027】
図3Aの(c)に示す運転コース選択画面P33の下部には、「コース確認」と表記されたコース確認ボタン26が配置されている。ユーザUがコース確認ボタン26を押下すると、制御部22は、これを検出して、現在選択されているアプリコースのコース情報を、衣類処理機2と紐付いている外部の端末装置3に通知する。なお、コース確認ボタン26は、操作パネル21上に配置されていなくてもよく、例えば物理的な押しボタンスイッチであってもよい。
【0028】
上記の何れかの「運転コース選択画面」を操作したことにより、制御部22は、これに応じた所望の運転コースを実行して、実行した運転コースの運転履歴情報を記憶部23に記録する。運転履歴情報には、例えば、そのコースの名称や識別情報、運転内容、開始時刻、終了時刻、中断の有無などが含まれる。
【0029】
例えば、各アプリコースを機能させるプログラム本体は、予め記憶部23に登録されている。制御部22が、アプリコースとして設定された条件で衣類処理機2を機能させるには、アプリコースごとに個別の設定情報を記憶部23に登録することが必要になる。なお、これに制限されることなく、これに加えて、制御部22は、ユーザUが指定する所望の運転コースのプログラムなどを、サーバ5からダウンロードして記憶部23内に実装して、これをインストールしてもよい。
【0030】
図3Bは、実施形態の衣類処理機2の操作パネル21に表示される画面の例を示す第2の図である。「洗濯機アプリ」によって指定される条件で、衣類処理機2を稼働させる場合について、
図3Bに示す画面P33Aを参照して説明する。「アプリ1」、「アプリ2」、「アプリ3」の各アイコンに対し、オリジナルコースを夫々設定することで、夫々に対応する「洗濯機アプリ」が選択可能な状態に設定される。なお、上記の通り、この「洗濯機アプリ」に係る設定情報をダウンロードして設定してもよい。
【0031】
ところで、「洗濯機アプリ」に係る設定情報が記憶部23に登録されていないために、「アプリ1」、「アプリ2」、「アプリ3」の各アイコンに対する操作を利用できない場合がある。例えば、上記の設定情報が設定されないと、運転コースによる制御内容が未定義状態のままになる。そのため、設定情報が設定されていない運転コースのアイコンは、利用できない状態になる。
【0032】
例えば、設定情報が設定されていないコースのアイコンが選択されたとしても、制御部22は、これに係る衣類処理を実施することができない。制御部22は、このような設定情報の登録状況を示すため、
図3Bの(a)に示す画面P33A中の「スタート」ボタンを、グレイアウトして表示する。このような表示中にあるときに、制御部22は、「スタート」ボタンの押下を受け付けない。制御部22は、運転コースの説明文に、「スマートフォンからコースが送信されていません。」という注意を表記している。
【0033】
図3Bの(b)に示す画面P33Bは、サーバ5からオリジナルコースの情報を受信したときに、制御部22が、操作パネル21に表示させる画面の一例である。制御部22は、オリジナルコースの情報を受信すると、操作パネル21に「アプリコースを受け付けました。」と表示させる。ユーザUはオリジナルコースの情報がダウンロードされたことを認知する。
オリジナルコースの情報がダウンロードされて、オリジナルコースが利用可能になると、グレイアウトされていた「スタート」ボタンの表示を、操作を受け付け可能な状態を示すような表示に遷移させる。これに応じて、運転コースの説明文の中にあった「スマートフォンからコースが送信されていません。」という表記が消える。この状態で「スタート」ボタンの押下が検出されると、衣類処理の運転が開始される。
【0034】
次に
図4Aから
図4Dを参照して、ユーザUが、衣類処理機2の運転に適用するオリジナルコースを作成する操作及びその処理について説明する。
【0035】
図4Aは、実施形態のアプリコースの設定に関する処理を説明するための図である。
図4Bから
図4Dは、実施形態の目的別のオリジナルコースを作成する処理を説明するための図である。
図4Bに「衣類別にコースを選ぶ」処理を、
図4Cに「目的別に洗い方を選ぶ」処理を、
図4Dに「お好みにカスタマイズする」処理を夫々示す。
【0036】
また、
図4Aの(a)、(b)、(f)などに例示する各画面と、
図4Bから
図4Dに例示する各画面は、端末装置3の制御部32が、「家電管理アプリAPP」中の「洗濯アプリ」を実行することにより、端末装置3の表示画面31aに表示させる画面の一例である。
【0037】
例えば、端末装置3において、「家電管理アプリAPP」のトップ画面に表示された「洗濯機xp1」アイコン(
図11(a)参照。)を、ユーザUが押下する。端末装置3の制御部32は、この押下を検出することに応じて「洗濯機xp1」アイコンに対応する「洗濯アプリ」を起動させて、「洗濯アプリ」の実行状態になる。この「洗濯アプリ」によって運転コースを作成するように、
図4Aの(a)の本体情報表示画面P41が端末装置3の表示画面31aに表示される。
【0038】
図4Aの(a)の本体情報表示画面P41が端末装置3に表示されている状態にあるとき、例えば、ユーザは、「アプリコース」タブをタップ操作する。「アプリコース」タブをタップ操作した場合、所望の「オリジナルコース」の処理の登録、変更及び削除が可能になる。
【0039】
端末装置3の制御部32は、この「アプリコース」タブのタップ操作を検出して、
図4Aの(b)のアプリコース選択画面P42を端末装置3の表示画面31aに表示させる。表示画面31aに表示するアプリコース選択画面P42には、「衣類別にコースを選ぶ」、「目的別に洗い方を選ぶ」、及び「お好みにカスタマイズする」などのコース選択用の各ボタンと、「本体記憶情報」ボタンの表示が含まれている。
端末装置3の制御部32は、その検出結果に基づいて、オリジナルコースを目的別に作成する処理に進める。例えば、目的別のオリジナルコースには、コース選択用の各ボタンに対応付けられた「衣類別にコースを選ぶ」、「目的別に洗い方を選ぶ」、及び「お好みにカスタマイズする」の各オリジナルコースが含まれる。これらのオリジナルコースは、各用途に適したものとして用意されている。以下、その概要を順に説明する。
【0040】
「衣類別にコースを選ぶ」場合(
図4B):
「衣類別にコースを選ぶ」場合には、端末装置3の制御部32は、例えば
図4Bの(c1)、(d1)、(e1)の各操作画面P43Aを、記載の順に表示画面31aに表示させる。
図4Bの(c1)に示すように、衣類別のコースとして、「ウォッシャブルスーツ・学生服」コース、「シーツ」コース、「スカート・スラックス」コース、「タオル」コース、「ベッドパット」コース、「キャップ」コース、「ジーンズ」コース、「ダウンジャケット」コース、「フリース」コース、「レースのカーテン」コースなどの各コースが、それぞれに分割された領域に割り当てられている。これらの各コースから選択した何れかのコースを利用できる。
【0041】
例えば、ユーザUは、「ウォッシャブルスーツ・学生服」コースの領域をタップ操作する。端末装置3の制御部32は、この「ウォッシャブルスーツ・学生服」コースの領域のタップ操作を検出して、その検出結果に基づいて、オリジナルコースを目的別に作成する処理に進める。
【0042】
端末装置3の制御部32は、
図4Bの(d1)に例示する画面を表示画面31aに表示させる。この画面には、「ウォッシャブルスーツ・学生服」コースがどのようなコース内容であるかなどの説明が表示される。ユーザUが、下部の「次へ」ボタンの領域をタップ操作すると、端末装置3の制御部32は、これを検出して、
図4Bの(e1)に例示する画面を表示画面31aに表示させる。
図4Bの(e1)の画面には、衣類処理機2に設定するオリジナルコースの内容と、設定先のコースの番号との組に関する情報、衣類処理機2に設定済みのオリジナルコースの内容と、設定先のコースの番号との組に関する情報、などの各情報が示される。まや、例えば、登録先の場所として、「洗濯アプリ第1コース」、「洗濯アプリ第2コース」、及び「洗濯アプリ第3コース」が例示されている。
【0043】
ユーザUが、「洗濯アプリ第1コース」ボタンの領域内をタップ操作する。端末装置3の制御部32は、この「洗濯アプリ第1コース」ボタンのタップ操作を検出して、その検出結果に基づいて、先に選択されていた「ウォッシャブルスーツ・学生服」コースの情報を、「洗濯アプリ第1コース」に関連付ける。端末装置3の制御部32は、これに応じて、「洗濯アプリ第1コース」ボタン内に、これが選択されたことを示すチェックマークを表示させる。
【0044】
さらに、ユーザUが、
図4Bの(e1)の画面の下部の「設定」ボタンの領域をタップ操作する。端末装置3の制御部32は、この「設定」ボタンのタップ操作を検出して、衣類処理機2の「洗濯アプリ第1コース」に「ウォッシャブルスーツ・学生服」コースの情報を対応付けて、衣類処理機2の「洗濯アプリ第1コース」にこれを設定する。
【0045】
例えば、
図4Aの(f)に例示するように、端末装置3の制御部32は、「ウォッシャブル・学生服」コースの情報の衣類処理機2へのダウンロードを実行して、それが終了すると、「アプリコースを受け付けました。」などの確認メッセージを表示させる。この確認メッセージの表示は、ポップアップ表示にするとよい。
【0046】
「目的別に洗い方を選ぶ」場合(
図4C):
「目的別にコースを選ぶ」場合には、端末装置3の制御部32は、例えば
図4Cの(c2)、(d2)、(e2)の各操作画面P43Bを、記載の順に表示画面31aに表示させる。
図4Cの(c2)に示すように、目的別のコースとして、「軽い汚れを短時間で落としたい」コース、「しっかり洗ってしっかりすすぎたい」コース、「給食着や体操着を短時間で選択・乾燥したい」コース、「黄ばみを落としたい」コース、「赤治安の衣類などを除菌したい」コース、「冬場でも水温をキープして洗いたい」コース、「手洗いの手間を省きたい」コースなどの各コースが、それぞれに分割された領域に割り当てられている。これらの各コースから選択した何れかのコースを利用できる。
【0047】
例えば、ユーザUは、「軽い汚れを短時間で落としたい」コースの領域をタップ操作する。端末装置3の制御部32は、この「軽い汚れを短時間で落としたい」コースの領域のタップ操作を検出して、その検出結果に基づいて、オリジナルコースを目的別に作成する処理に進める。
【0048】
すると、端末装置3の制御部32は、
図4Cの(d2)に例示する画面を表示画面31aに表示させる。この画面には、「軽い汚れを短時間で落としたい」コースがどのようなコース内容であるかなどの説明が表示される。ユーザUが、下部の「次へ」ボタンをタップ操作すると、端末装置3の制御部32は、これを検出して、
図4Cの(e2)に例示する画面を表示画面31aに表示させる。
図4Cの(e2)の画面には、衣類処理機2に設定するオリジナルコースの内容と、設定先のコースの番号との組、衣類処理機2に設定済みのオリジナルコースの内容と、設定先のコースの番号との組、などの情報が示される。例えば、登録先の場所として、「洗濯アプリ第1コース」、「洗濯アプリ第2コース」、及び「洗濯アプリ第3コース」が例示されている。
【0049】
ユーザUが、「洗濯アプリ第2コース」ボタンの領域内をタップ操作する。端末装置3の制御部32は、この「洗濯アプリ第2コース」ボタンのタップ操作を検出して、その検出結果に基づいて、先に選択されていた「ウォッシャブルスーツ・学生服」コースの情報を、「洗濯アプリ第2コース」に関連付ける。端末装置3の制御部32は、これに応じて、「洗濯アプリ第2コース」ボタン内に、選択されたことを示すチェックマークを表示させる。
【0050】
このような状態で、さらに、ユーザUが、
図4Cの(e2)の画面の下部の「設定」ボタンをタップ操作する。端末装置3の制御部32は、この「設定」ボタンのタップ操作を検出して、
図4Cの(e2)に例示する画面に表示させる。
図4Cの(e2)の画面では、衣類処理機2に設定するオリジナルコースの内容と、設定先のコースの番号との組、衣類処理機2に設定済みのオリジナルコースの内容と、設定先のコースの番号との組、などの情報が示されているとよい。
【0051】
「お好みにカスタマイズする」場合(
図4D):
「お好みにカスタマイズする」場合には、端末装置3の制御部32は、例えば
図4Dの(c3)、(d3)、(e3)の各操作画面P43Cを、記載の順に表示画面31aに表示させる。
図4Dの(c3)に示すように、お好みに応じたコースとして、「軽い汚れを短時間で落としたい」コース、「しっかり洗ってしっかりすすぎたい」コース、「給食着や体操着を短時間で選択・乾燥したい」コース、「黄ばみを落としたい」コース、「赤治安の衣類などを除菌したい」コース、「冬場でも水温をキープして洗いたい」コース、「手洗いの手間を省きたい」コースなどの各コースが、それぞれに分割された領域に割り当てられている。これらの各コースから選択した何れかのコースを利用できる。
【0052】
例えば、ユーザUは、「軽い汚れを短時間で落としたい」コースの領域をタップ操作する。端末装置3の制御部32は、この「軽い汚れを短時間で落としたい」コースの領域のタップ操作を検出して、その検出結果に基づいて、オリジナルコースを目的別に作成する処理に進める。
【0053】
すると、端末装置3には、
図4Dの(d3)に例示する画面が表示される。この画面では、「軽い汚れを短時間で落としたい」コースがどのようなコース内容であるかが表示される。ユーザUが、下部の「次へ」ボタンをタップ操作すると、
図4Dの(e3)に例示する画面が表示される。
図4Dの(e3)の画面には、衣類処理機2に設定するオリジナルコースの内容と、設定先のコースの番号との組、衣類処理機2に設定済みのオリジナルコースの内容と、設定先のコースの番号との組、などの情報が示される。例えば、登録先の場所として、「洗濯アプリ第1コース」、「洗濯アプリ第2コース」、及び「洗濯アプリ第3コース」が例示されている。
【0054】
ユーザUが、「洗濯アプリ第3コース」ボタン内をタップ操作する。端末装置3の制御部32は、この「洗濯アプリ第3コース」ボタンのタップ操作を検出して、その検出結果に基づいて、先に選択されていた「黄ばみ落とし」コースの情報を、「カスタマイズ選択」コースに更新して、これを「洗濯アプリ第3コース」に関連付ける。端末装置3の制御部32は、これに応じて、「洗濯アプリ第3コース」ボタン内に、選択されたことを示すチェックマークを表示させる。
【0055】
このような状態で、さらに、ユーザUが、
図4Dの(e3)の画面の下部の「設定」ボタンをタップ操作する。端末装置3の制御部32は、この「設定」ボタンのタップ操作を検出して、
図4Dの(e3)に例示する画面に表示させる。
図4Dの(e3)の画面では、衣類処理機2に設定するオリジナルコースの内容と、設定先のコースの番号との組、衣類処理機2に設定済みのオリジナルコースの内容と、設定先のコースの番号との組、などの情報が示されているとよい。
【0056】
図5Aと
図5Bは、実施形態のオリジナルコース設定情報の処理を示すフローチャートである。
図5Aと
図5Bを参照して、ユーザUが、
図6に示した画面操作を行ったときのオリジナルコース設定情報に係る処理について説明する。
【0057】
まず、
図5Aを示して、衣類処理機2(「洗濯機」)に対して、ユーザUが指定するオリジナルコースの設定情報(オリジナルコース設定情報)を登録する場合について説明する。ここで例示する衣類処理機2は、通電状態にある。
ユーザUがオリジナルコース設定情報を登録するための一連の操作を、端末装置3を用いて行うと、端末装置3は、衣類処理機2に対するオリジナルコース設定指令をサーバ5に通知する(ステップS601)。
【0058】
サーバ5は、この衣類処理機2に対するオリジナルコース設定指令を受信すると、衣類処理機2のオリジナルコース設定命令を記憶部6に追加する。また、サーバ5は、オリジナルコース設定記憶情報を衣類処理機2に対して送信する(ステップS603)。
【0059】
衣類処理機2は、通信部24を介して制御部22からのオリジナルコース設定記憶情報を取得する。衣類処理機2は、記憶部23の指定された記憶領域、例えば、衣類処理機2の記憶部内の1番目のオリジナルコース設定記憶情報が記録されている領域へ、サーバ5から取得した運転履歴情報を記録する(ステップS605)。
【0060】
次に、
図5Bを示して、衣類処理機2に対して、ユーザUが指定するオリジナルコース設定情報を削除(変更)する場合について説明する。
ユーザUがオリジナルコース設定情報の登録を削除(変更)するための一連の操作を、端末装置3を用いて行うと、端末装置3は、衣類処理機2のオリジナルコース削除指令をサーバ5に通知する(ステップS602)。この操作は、オリジナルコース(特定の運転コース)の利用の中止を要求するものであり、これが検出されたことにより上記のステップS602の処理が実際されるとよい。
【0061】
サーバ5は、この衣類処理機2のオリジナルコース削除指令を受信すると、衣類処理機2のオリジナルコース削除命令に基づいて、記憶部6から、そのオリジナルコース設定情報を削除する。また、サーバ5は、オリジナルコース削除指令を衣類処理機2に対して送信する(ステップS604)。
【0062】
衣類処理機2は、通信部24を介して制御部22からオリジナルコース削除指令に関するオリジナルコース設定情報を取得する。衣類処理機2は、記憶部23cの指定された記憶領域、例えば、衣類処理機2の記憶部内の1番目のオリジナルコース設定記憶情報が記録されている領域から、関連するオリジナルコース設定情報を削除する(ステップS606)。
【0063】
図6は、実施形態のアプリケーション上からオリジナルコースを削除する処理を説明するための図である。
図6の(a)に示す画面P61は、前述の
図4Aの(b)と同じものである。同様に
図6の(a)の画像の下方に「本体記憶情報」ボタンが設けられている。ユーザUが「本体記憶情報」ボタンの領域をタップ操作する。端末装置3の制御部32は、この「本体記憶情報」ボタンのタップ操作を検出して、その検出結果に基づいて、現在登録されているオリジナルコースを一覧にした画面P62を表示させる(
図6の(b))。そのうち1つの「オリジナルコース」ボタンの領域内をタップ操作すると、タップ操作の対象にしたオリジナルコースの詳細な設定内容を示す画面P63を表示させることができる(
図6の(c))。
【0064】
加えて
図6の(c)に示す画面P63の下部には「編集」ボタンと、「削除」ボタンとが配置されている。ユーザUが、この「編集」ボタンの領域内をタップ操作する。端末装置3の制御部32は、この「編集」ボタンのタップ操作を検出して、その検出結果に基づいて、
図6の(d)の画面P64を表示させる。このとき、前述の
図5Bで示したように、端末装置3の制御部32が実行しているアプリケーションから、サーバ5を経てオリジナルコース削除指令が通知される。
【0065】
図7を参照して、衣類処理機2におけるオリジナルコース設定情報の更新について説明する。
図7は、実施形態のオリジナルコースの情報の更新処理のシーケンス図である。この
図7に示す範囲は、衣類処理機2(洗濯機)の電源投入(電源ON)から、衣類処理機2の記憶部23内のオリジナルコース情報を更新するまでである。
【0066】
衣類処理機2は、その運転を終えると、基本的にその電源をオフにする家電機器である。この電源をオフにより通信機能を司る通信部24(Wi-Fiモジュール)への通電も遮断されるため、次に電源が投入されるまでは通信できない。従って、電源がオフの期間に、更新されたオリジナルコースの情報がサーバ5に通知されたとしても、衣類処理機2側では、リアルタイムにその情報を更新することができない。そのため、衣類処理機2は、端末装置3の記憶部33又はサーバ5に係る記憶部6に記憶されたオリジナルコースの情報を問い合わせて、その最新情報を入手して、これを反映することが望ましい。
【0067】
さて、
図7に示すように、衣類処理機2の電源投入(電源ON)がなされると(S701)、衣類処理機2内の回路に電源が供給される。制御部22は、通信部24(通信モジュール)を活性化して起動させる(S702)。
【0068】
制御部22は、通信部24(通信モジュール)から、無線ルータ4を介してサーバ5に通信連携問い合わせを送り、サーバ5との通信接続を試みる(S703)。サーバ5は、通信連携問い合わせを受けて、これに応答して通信連携応答を返信する(S704)。
例えば、制御部22は、サーバ5に通信連携問い合わせを送ってから、所定時間の間に通信連携応答の返信があれば、通信状態が確立されたと識別し、所定時間の間に通信連携応答の返信がなければ、通信状態が確立されなかったと識別する。制御部22は、上記の方法で、通信連携応答の返信結果に基づいて、通信状態の確立を識別する(S705)。
【0069】
サーバ5との通信状態が確立された場合、制御部22は、オリジナルコースの情報を、サーバ5に問い合わせる(S706)。サーバ5は、オリジナルコースの情報に関する問い合わせを識別して、この識別に対して応答(オリジナルコース応答)する(S707)。
【0070】
制御部22は、サーバ5にオリジナルコースの情報に関する問い合わせを送ってから、所定時間の間に通信連携応答の返信があれば、通信状態が確立されたと識別する。例えば、制御部22は、オリジナルコース応答の返信結果に基づいて、オリジナルコースが更新されたか否かを識別する(S708)。オリジナルコースが更新されている場合には、制御部22は、受信したオリジナルコース応答の返信結果に基づいて、オリジナルコースの情報を更新して(S709)、一連の処理を終える。これに対し、オリジナルコースが更新されていない場合には、制御部22は、一連の処理を終える。
なお、上記のサーバ5にオリジナルコースの情報に関する問い合わせを送ってから、所定時間の間に通信連携応答の返信がない場合には、サーバ5との通信を初期化して、再度試みるとよい。
【0071】
上記の処理により、オリジナルコース情報が更新されていれば、衣類処理機2の制御部22は、記憶部23に記憶されたオリジナルコースを更新する。本実施例によれば、衣類処理機2の電源ONからオリジナルコース受信までが、制御部22の制御によって自動で進行される。
【0072】
図8を参照して、衣類処理機2の記憶部23におけるオリジナルコース設定情報の更新について説明する。
図8は、実施形態の衣類処理機2の操作パネル21の表示を説明するための図である。前述の
図3Bと同様に、ユーザUは、「アプリ1」コース、「アプリ2」コース、「アプリ3」コースの何れかをタップ操作によって選択する。
【0073】
ところで、
図7を参照して先に説明したものは、衣類処理機2の電源投入後に、制御部22が自動的にサーバ5に問い合わせを実施する事例であった。これに対し、
図8に示す事例は、ユーザUが手動でオリジナルコース設定情報の更新状況を、サーバ5に問い合わせる事例である。
【0074】
図8の(a)に示す画面P81は、サーバ5にオリジナルコースの情報が登録されている場合の一例である。
制御部22は、「アプリ1」コース、「アプリ2」コース、「アプリ3」コースの各ボタンの領域のタップ操作を検出して、その検出結果を保持して、当該領域の表示を変えるとともに、画面内の「コース確認」ボタンの下側に「更新」ボタンを表示させる。
【0075】
制御部22は、この「更新」ボタンのタップ操作を検出して、その検出をトリガにして、サーバ5に最新のオリジナルコースの情報を問い合わせるとよい。これにより、制御部22は、サーバ5に最新のオリジナルコースの情報を問い合わることができ、サーバ5からの応答をもって、最新のオリジナルコースの情報として識別するとよい。
【0076】
図8の(b)に示す画面P82は、ユーザUが指定するアプリコースについて、サーバ5にオリジナルコースの情報が登録されていない場合の一例である。
前述の
図8の(a)と同様に、制御部22は、「アプリ1」コース、「アプリ2」コース、「アプリ3」コースの各ボタンの領域のタップ操作を検出して、その検出結果を保持して、当該領域の表示を変えるとともに、画面内の「コース確認」ボタンの下側に「更新」ボタンを表示させる。
【0077】
制御部22は、この「更新」ボタンのタップ操作を検出して、その検出をトリガにして、サーバ5に最新のオリジナルコースの情報を問い合わせる。制御部22は、サーバ5から、これに対する応答を受信する。制御部22は、サーバ5からの応答には、オリジナルコースの情報が登録されていない状況を識別して、その結果を画面内に示す。
このように、衣類処理機2から、その操作パネル21の操作に応じて、オリジナルコースの情報を取得することができる。その際に、サーバ5に最新のオリジナルコースの情報が登録状況についての情報を取得できる。
【0078】
図9を参照して、ダウンロードの完了時に、衣類処理機2の操作パネル21に表示される画面P91について説明する。
図9は、実施形態の衣類処理機2の操作パネル21に表示される画面P91を説明するための図である。新しいアプリコースの情報について、サーバ5から衣類処理機2へのダウンロードが完了すると、操作パネル21には、
図9に例示する画面P91が表示される。図示するように、この画面P91の表示から、新しいアプリコースの情報をダウンロードして、その情報の更新ができたことを確認することができる。
【0079】
例えば、衣類処理機2が、このダウンロードによってオリジナルコースの情報を削除した場合に、「アプリコースを更新しました。」の情報が表示される。これにより、衣類処理機2に設定されていたオリジナルコースの情報が削除されたことを、ユーザUが認知できる。
【0080】
図10を参照して、衣類処理機2の記憶部23に記憶されたオリジナルコースの情報を削除する事例について説明する。
図10は、実施形態の衣類処理機2の記憶部23の初期化手順について説明するための図である。
【0081】
図10の(a)に、衣類処理機2に電源が投入された後に、制御部22が操作パネル21に表示させるTOP画面P101の一例を示す。制御部22は、同
図10の(a)のTOP画面P101内の左下に配置された「設定・その他」ボタンの押下を検出すると、操作パネル21の表示を
図10の(b)に示す画面P102に、その表示を遷移させる。制御部22は、
図10の(b)の画面P102に表示された「本体設定」ボタンの押下を検出すると、操作パネル21の表示を
図10の(c)に示す画面P103に、その表示を遷移させる。
【0082】
制御部22は、この
図10の(c)の画面P103内に表示される「初期化」ボタンの押下を検出すると、衣類処理機2の記憶部23に対する初期化処理を実行して、これにより衣類処理機2の記憶部23に記憶された情報が、オリジナルコース情報を含めて削除される。
これに続いて、制御部22は、前述の
図8と同様のオリジナルコース設定情報を、端末装置3又はサーバ5に送信する。端末装置3又はサーバ5は、衣類処理機2のオリジナルコース設定記憶情報を衣類処理機2から受信すると、端末装置3の記憶部33又はサーバ5の記憶部6に記憶されたオリジナルコースの情報を更新する。これにより、衣類処理機2と端末装置3のオリジナルコース情報が同期され、又は衣類処理機2とサーバ5のオリジナルコース情報が同期される。
【0083】
上記によれば、制御部22は、記憶部23に記憶された第1記憶部設定情報(オリジナルコース情報)を、初期化処理によって新たな第1記憶部設定情報に更新し、新たな第1設定情報を外部装置に送信する。この外部装置は、新たな第1記憶部設定情報を受信して、受信に応じて外部装置に記憶された第1記憶部設定情報を更新することができる。
【0084】
次に、「家電管理アプリAPP」に係る家電機器の管理について説明する。
上記の通り、「家電管理アプリAPP」は、端末装置3にインストールされた後、各家電機器を管理する機能が有効化される。この「家電管理アプリAPP」に、管理対象の家電機器の情報を設定することで、管理対象の家電機器の管理が可能になる。ここで設定される管理対象の家電機器の情報(設定情報)のことを、登録家電機器情報又は登録洗濯機情報という。
【0085】
第1のケース:
図11を参照して、端末装置3にインストールされた「家電管理アプリAPP」に関わる登録洗濯機情報を削除する処理について説明する。
図11は、実施形態の「家電管理アプリAPP」から、登録洗濯機情報を削除する処理について説明するための図である。
この
図11の(a)から(e)に、「家電管理アプリAPP」に設定された登録洗濯機情報を削除するための処理を、これに関する衣類処理機2の操作パネル21に表示する画像を順に示して説明する。
【0086】
図11の(a)に示すトップ画面P111を利用して、端末装置3の家電管理アプリAPPに、7個の家電機器が既に登録されている状況を示す。この登録状況の一例として、家電機器に対応する7個のアイコンと、さらに家電機器を追加するための1個のアイコン(「家電を追加」)が表示されている。例えば、通信手段によって外部機器と通信可能な状態となった家電機器は、「家電コントロール」の領域内のアイコンに対応付けられていて、アイコンとして個別に識別されるように表示されている。登録されている家電機器の個数は、任意であり、1個以上の家電機器を登録できる。家電機器が未登録状態であれば、登録された家電機器は0個になる。
【0087】
図11の(a)に示すトップ画面P111の下段には、メニューバーが配置されている。そのメニューバーの中に、「ホーム」ボタン、「サービス一覧」ボタン、「メニュー」ボタンが配置されている。
【0088】
制御部32は、この「メニュー」ボタンが押下されたことを検出すると、画面の表示を
図11の(b)に示すものに遷移させる。
図11の(b)に示す画面P112には、「アカウントの編集」ボタン、「家電設定の編集」ボタン、「登録家電の共有」ボタンなどが示されている。制御部32は、この画面内の「家電設定の編集」ボタンが押下されたことを検出すると、画面P112の表示を
図11の(c)に示す画面P113に遷移させる。
【0089】
図11の(c)に示す画面P113には、複数の登録済みの家電機器に夫々対応付けられた選択用ボタンと、複数の共有されている家電機器に夫々対応付けられた選択用ボタンと、が示されている。制御部32は、この画面P113内の複数の登録済みの家電機器のボタンのうちの1つが押下されたことを検出すると、画面の表示を
図11の(d)に示す画面P114に遷移させる。
【0090】
図11の(d)に示す画面P114には、上記の操作によって選択された家電機器に関する各種情報と、「二次元コードのスキャン」ボタンと、「この家電を削除する」ボタンと、が示されている。「二次元コード」の一例がQRコード(登録商標)である。制御部32は、「この家電を削除する」ボタンが押下されたことを検出すると、
図11の(e)に示すように、ポップアップ表示を行う。
【0091】
図11の(e)に示す画面P115中のポップアップ表示には、上記の操作によって選択された洗濯機について、その登録を削除することに関する注意が示されている。制御部32は、ポップアップ表示内の「OK」ボタンが押下されたことを検出すると、上記の操作によって選択された家電機器の設定情報を削除する。
【0092】
上記の操作を行って該当する衣類処理機2(洗濯機)を管理の対象から削除することによって、外部の装置であるサーバ5と端末装置3から、該当する衣類処理機2と通信する手段が失われる。再度、該当する衣類処理機2と通信させたい場合には、該当する衣類処理機2を、端末装置3の「家電管理アプリAPP」に再登録する必要がある。
【0093】
ここで、衣類処理機2(洗濯機)を共有するユーザが設定されている場合について説明する。
図11の(b)、(c)に示したように、衣類処理機2(洗濯機)の共有登録が可能である。衣類処理機2(洗濯機)を共有登録することで、その衣類処理機2(洗濯機)を、複数のユーザが夫々共有して利用することが可能になる。
【0094】
ところで、この共有登録がなされた衣類処理機2(洗濯機)を、端末装置3の「家電管理アプリAPP」から削除する場合に、削除するユーザの権限によって異なる状況が生じる。「家電管理アプリAPP」を用いて衣類処理機2(洗濯機)をサーバ5に登録したユーザをオーナーユーザOUと呼び、その衣類処理機2(洗濯機)の共有者であるユーザをサブユーザSUと呼ぶ。
【0095】
オーナーユーザOUが「家電管理アプリAPP」から特定の衣類処理機を削除する場合:
オーナーユーザOUが自ら登録した衣類処理機2(洗濯機)を、そのオーナーユーザOUが削除する場合には、サーバ5における衣類処理機2(洗濯機)の情報が残さず削除される。そのため、オーナーユーザOUだけでなくサブユーザSUにおいてもサーバ5を介して通信する手段が失われる。
【0096】
例えば、オーナーユーザOUが、利用する端末装置3の「家電管理アプリAPP」から衣類処理機2(洗濯機)の情報を削除する。端末装置3の制御部32(「家電管理アプリAPP」)は、オーナーユーザOUが衣類処理機2(洗濯機)の情報を削除したことを検出して、サーバ5に対して、この衣類処理機2(洗濯機)の情報の削除要求を通知する。サーバ5は、この通知を受けて、その記憶部6に記憶されたこの衣類処理機2(洗濯機)に関するオリジナルコースの情報を削除する。上記の場合、衣類処理機2(洗濯機)に紐づけされている端末装置3又はサーバ5の記憶部6に記憶されたオリジナルコースの情報が削除される。これにより、衣類処理機2(洗濯機)から、端末装置3又はサーバ5の記憶部6に記憶されたオリジナルコースの情報への紐づけが解消される。
【0097】
換言すれば、オーナーユーザOUが衣類処理機2(洗濯機)を一旦削除して、削除した衣類処理機2(洗濯機)が再びサーバ5に登録された場合であっても、削除前の設定情報などが既に削除されていることにより、再登録後に削除前の設定情報などを参照することができない。
【0098】
サブユーザSUが「家電管理アプリAPP」から特定の衣類処理機を削除する場合:
共有登録されている衣類処理機2(洗濯機)を、サブユーザUが削除する場合には、サーバ5における衣類処理機2(洗濯機)の共用登録の情報が削除されるが、これを除く衣類処理機2(洗濯機)の情報が残る。そのため、サブユーザUが利用する端末装置からサーバ5を介して通信する手段が失われるが、オーナーユーザOUが利用する端末装置3からサーバ5を介して通信する手段が維持される。
【0099】
上記のように、ユーザの権限によって、衣類処理機2(洗濯機)の情報を削除した後に利用可能な情報の項目が異なるものになる。
【0100】
上記の「家電管理アプリAPP」は、例えば、記憶部6に記憶されたオリジナルコースの情報(外部装置設定情報)と、記憶部23に記憶されたオリジナルコースの情報(第1設定情報)との中から無効化する情報を、ユーザに係るアカウント情報を用いて決定するように構成されている。このユーザに係るアカウント情報は、衣類処理機2のユーザを識別可能な識別情報の一例である。
この場合、端末装置3にインストールされた「家電管理アプリAPP」は、ユーザに係るアカウント情報(識別情報)を用いて、オリジナルコース(特定の運転コース)に関する処理が活性化されている。「家電管理アプリAPP」に実行によって、制御部32は、オリジナルコースに関する記憶部23に記憶された第1設定情報を削除して、これを無効化する要求と、アカウント情報の削除して、これを無効化する要求とのうちの何れかの要求を検出する。制御部23は、この要求を通知したユーザのアカウント情報を用いて、要求の検出に応じて、上記の無効化処理を実施して、当該要求に衣類処理機2の衣類の処理に関する特定の運転コースを無効化させることができる。
【0101】
第2のケース:
図12を参照して、端末装置3にインストールされた「家電管理アプリAPP」におけるアカウント情報を削除する場合の処理について説明する。
図12は、実施形態の端末装置3にインストールされた「家電管理アプリAPP」から、アカウント情報を削除する処理について説明するための図である。
この
図12の(a)から(d)に、「家電管理アプリAPP」に設定されたアカウント情報(識別情報)を削除するための処理の手順を示し、これに関する衣類処理機2の操作パネル21に表示する画像を順に示して説明する。
図12の(a)と(b)は、前述の
図11の(a)と(b)に相当する。
【0102】
図12の(b)に示す画面の中の「アカウントの編集」ボタンが押下されたことを検出すると、画面の表示を
図12の(c)に示すものに遷移させる。
【0103】
図12の(c)に示す画面には、「ログインIDの変更」ボタンと、「パスワードの変更」ボタンと、「サービス利用の終了(退会)」ボタンと、「スマートフォンの登録情報削除」ボタンと、「ユーザ情報」ボタンと、「ログアウト」ボタンと、が示されている。制御部32は、この画面内の「サービス利用の終了(退会)」ボタンが押下されたことを検出すると、画面の表示を
図12の(d)に示すものに遷移させる。
【0104】
図12の(d)に示す「サービス利用の終了(退会)」のための画面には、ログインID(識別情報)、パスワードを受け付けるための入力欄と、「サービス利用を終了する」ボタンと、が示されている。制御部32は、この画面内の「サービス利用を終了する」ボタンが押下されたことを検出すると、登録されていたアカウントを削除する。
【0105】
アカウントを削除する場合、これに応じて、端末装置3から衣類処理機2(洗濯機)に対して通信する手段と、サーバ5から衣類処理機2(洗濯機)に対して通信する手段とが、夫々失われることになる。これらの通信する手段が失われる前に、その通信する手段を利用して、衣類処理機2(洗濯機)側の情報を書き換えるとよい。
【0106】
例えば、制御部32は、そのアカウントを用いて衣類処理機2(洗濯機)の記憶部23に登録させていたオリジナルコース情報を、この通信を利用して削除するとよい。このように、衣類処理機2(洗濯機)の記憶部23に登録させていたオリジナルコース情報の削除は、上記のアカウントを削除の前に実施するとよい。
【0107】
なお、上記のようにアカウントを削除したのちに残っているオリジナルコース情報を利用することがない不要なものであるから、アカウントの削除に合わせて衣類処理機2(洗濯機)側の情報を書き換えるとよい。
【0108】
第3のケース:
図13Aと
図13Bとを参照して、特定の衣類処理機2(洗濯機)を複数のユーザで共有する手順について説明する。
図13Aと
図13Bは、実施形態の衣類処理機2(洗濯機)を複数のユーザで共有するための処理について説明するための図である。
この
図13Aの(a)から(e)と、
図13Bの(f)と(i)とに、ユーザAの端末装置3aに表示される各画面の一例を示し、
図13Bの(g)と(h)とに、ユーザBの端末装置3bに表示される各画面の一例を示す。衣類処理機2(洗濯機)を複数のユーザで共有するための処理の手順を示して説明する。
図13Aの(a)と(b)は、前述の
図11の(a)と(b)に相当する。
【0109】
図13Aの(b)に示す画面の中の「登録家電の共有」ボタンが押下されたことを検出すると、画面の表示を
図13Aの(c)に示すものに遷移させる。
【0110】
図13Aの(c)に示す画面には、「共有する家電の選択」に係り、登録済みの家電に対応するボタンが一覧で表示され、さらに「次へ」ボタンが示されている。制御部32は、この画面内の何れかの登録済みの家電に対応するボタンが押下されたことを検出すると、画面の表示を
図13Aの(d)に示すものに遷移させる。
【0111】
図13Aの(d)に示す「共有する家電の確認」のための画面には、その登録家電に関する各種情報と、「次へ」ボタンと、が示されている。制御部32は、この画面内の「次へ」ボタンが押下されたことを検出すると、
図13Aの(e)に示すものに遷移させる。
【0112】
図13Aの(e)に示す画面には、新たに家電を共有する家族のアカウント名を入力する欄が表示され、さらに「確認メッセージを送る」ボタンが示されている。制御部32は、この画面内の「確認メッセージを送る」ボタンが押下されたことを検出すると、画面の表示を
図13Bの(f)に示すように、前述の
図13Aの(a)に示した画面に戻して、さらにポップアップ表示を行う。
【0113】
図13Bの(f)に示すポップアップ表示には、上記の操作によって、「メッセージを送信」したことの通知が示されている。制御部32は、ポップアップ表示内の「OK」ボタンが押下されたことを検出して、ポップアップ表示を閉じる。
【0114】
ところで、共有者であるユーザBの端末装置3Bには、ユーザAの端末装置3と同様に、「家電管理アプリAPP」がインストールされている。端末装置3Bは、前述と端末装置3と同様のものであってよい。例えば、
図13Bの(g)に示すトップ画面P137が端末装置3Bに表示される。
図13Bの(g)に示すトップ画面P137は、
図11の(a)に示したトップ画面P111と同様に構成される。
図13Bの(g)に示すトップ画面P137には、3個の家電機器が既に登録されている状況を示す。この登録状況の一例として、家電機器に対応する3個のアイコンと、さらに家電機器を追加するための1個のアイコン(「家電を追加」)が表示されている。
【0115】
図13Bの(g)に示す画面には、「メッセージを受信」したことの通知が示されている。端末装置3Bは、ポップアップ表示内の「OK」ボタンが押下されたことを検出して、ポップアップ表示を閉じる。これにより、端末装置3Bの画面には、
図13Bの(h)に示す画面が表示される。
【0116】
図13Bの(i)に示す画面は、上記の通り、端末装置3Aに表示されるものである。新たに共有するものとして設定された端末装置3Bが端末装置3Aからのメッセージを受信して、端末装置3BのユーザUが、その共有を承認したことを示すポップアップ表示させる。
【0117】
本実施形態によれば、衣類処理システム1は、衣類処理機2と、衣類処理機2に対する外部の情報処理部とを含む。衣類処理機2は、衣類処理機2の特定の運転内容を示す第1設定情報を記憶する記憶部23(第1記憶部)と、記憶部23に記憶された第1設定情報に基づいて衣類処理機2を運転可能である制御部22(衣類処理機制御部)と、を備える。上記の情報処理部は、特定の運転内容を示す第2設定情報が記憶される第2記憶部(記憶部33、記憶部6)を参照可能である。情報処理部又は制御部22は、第2記憶部に記憶された第2設定情報が無効化された場合に、記憶部23に記憶された第1設定情報を無効化するための所定の処理を実施する。なお、「家電管理アプリAPP」を実行するコンピュータは、外部の情報処理部の一例である。情報処理部の一例は、サーバ5、または端末装置3の特定機能部である。例えば、「家電管理アプリAPP」を実行する端末装置3の制御部32が適用される。これにより、設定情報の変更が可能な運転コースを利用して衣類を処理する衣類処理機2の使い勝手を向上させることができる。
なお、第1設定情報及び第2設定情報は、衣類処理機2の制御の内容を規定した「オリジナルコース」に関する情報を含む。これにより、制御部22によって、「オリジナルコース」の内容で衣類処理機2の制御を可能にしている。
【0118】
なお、上記の第2設定情報を無効化することは、第2記憶部(記憶部33、記憶部6)から第2設定情報を削除することを含む。第1設定情報を無効化することは、記憶部23から第1設定情報を削除することを含む。第1設定情報及び第2設定情報が無効化されると、これに係る内容の「オリジナルコース」に基づく制御に支障が生じることになる。何らかの理由で第1設定情報と第2設定情報が不揃いになった場合には、例えば上記の手順で、記憶部23に記憶された第1設定情報を無効化するための所定の処理を実施するとよい。これに制限されず、下記する所定の処理を実施してよい。
【0119】
さらに、情報処理部が、サーバ5、または端末装置3の特定機能部である場合には、第2設定情報を無効化するための所定の操作が端末装置3で検出された場合に、情報処理部は上記の所定の処理を実施するとよい。
このように、衣類処理システム1は、第2記憶部に記憶された第2設定情報が無効化された場合に対する所定の処理を実施可能に構成されている。
【0120】
記憶部23は、特定の運転内容である第1運転内容を示す第1設定情報に加え、別の特定の運転内容である第2運転内容を示す第3設定情報を記憶可能である。換言すれば、衣類処理機2の記憶部23に、互いに異なる複数種類の運転内容を登録できる。この場合の上記の所定の処理には、第3設定情報を第1記憶部に有効な状態で残しつつ、第1設定情報を無効化するための処理が含まれてよい。このように、複数種類の運転内容のうち、特定の運転内容の設定情報を、設定情報を単位にして、その設定情報を無効化することができる。
【0121】
情報処理部又は制御部22は、所定の時機に、第2設定情報と第1設定情報とを比較するための処理を実施する。情報処理部又は制御部22は、第2設定情報と第1設定情報との比較結果が所定の条件を満たす場合を、所定の時機とすることができる。情報処理部又は制御部22は、この場合の所定の時機に、比較結果に応じて記憶部23に記憶された第1設定情報を無効化または変更するための処理を実施するとよい。
【0122】
制御部22は、衣類処理機2の通電開始後または衣類処理機2の操作パネル21(操作部)に対して所定の操作が行われた場合に、第2設定情報と第1設定情報とを比較するための処理を実施するとよい。なお、制御部22は、第2記憶部に記憶された第2設定情報を受信する場合に、受信した第2設定情報に基づき記憶部23に記憶された第1設定情報を更新するとよい。
【0123】
衣類処理機2の操作パネル21(表示部)は、衣類処理機2の運転状況に関する情報を表示可能である。制御部22は、第2記憶部に記憶された第2設定情報が無効化されたと判定された場合、記憶部23に記憶された第1設定情報を無効化することを操作パネル21に表示する。
【0124】
上記の通り、記憶部23は、第1設定情報を含む第1記憶部設定情報を記憶する。上記の第2記憶部は、第2設定情報を含む第2記憶部設定情報を記憶する。衣類処理機2に関する初期化処理によって、第1設定情報を含む第1記憶部設定情報が記憶部23から削除される。この場合、制御部22は、第1設定情報を含まない新しい第1記憶部設定情報が生成される場合には、その新しい第1記憶部設定情報を情報処理部に送信するとよい。
【0125】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、衣類処理システムは、衣類処理機と、前記衣類処理機に対する外部の情報処理部とを含む。前記衣類処理機は、前記衣類処理機の特定の運転内容を示す第1設定情報を記憶する第1記憶部と、前記第1記憶部に記憶された前記第1設定情報に基づいて前記衣類処理機を運転可能である衣類処理機制御部と、を備え、前記情報処理部は、前記特定の運転内容を示す第2設定情報が記憶される第2記憶部を参照可能であり、前記情報処理部又は前記衣類処理機制御部は、前記第2記憶部に記憶された前記第2設定情報が無効化された場合に、前記第1記憶部に記憶された前記第1設定情報を無効化するための所定の処理を実施する。これにより、設定情報の変更が可能な運転コースを利用して衣類を処理する衣類処理機の使い勝手を向上させることができる。
【0126】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0127】
1…洗濯機システム、2…衣類処理機(洗濯機)、3…端末装置、4…無線ルータ、5…サーバ、6…記憶部。