(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034156
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】雪下ろし具
(51)【国際特許分類】
E04D 15/00 20060101AFI20240306BHJP
E01H 5/02 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
E04D15/00 X
E01H5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138217
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】522347081
【氏名又は名称】樺沢 亜紀
(74)【代理人】
【識別番号】100134706
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 俊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151161
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 彩
(72)【発明者】
【氏名】樺沢 亜紀
【テーマコード(参考)】
2D026
【Fターム(参考)】
2D026CA03
2D026CA05
(57)【要約】
【課題】効率良く車の除雪をすることができる雪下ろし具を提供する。
【解決手段】雪下ろし具10は、板状に形成された雪下ろし板12と、柄14とを備える。雪下ろし板12は、ブラシ21とスクレーパ23との少なくとも一方を有する。柄14は雪下ろし板12の一方の板面12Aに起立した姿勢で設けられている。柄14は、長手方向において雪下ろし板12に近い方から順に、第1曲り部36と第2曲り部37を有する。第1曲り部36は135°で曲がっており、第2曲り部37は第1曲り部36と反対側に90°で曲がっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシとスクレーパとの少なくともいずれか一方を有し、板状に形成された雪下ろし板と、
前記雪下ろし板の一方の板面に起立した姿勢で設けられた柄と
を備え、
前記柄は、長手方向において前記雪下ろし板に近い方から順に、135°の角度に曲がった第1曲り部と、前記第1曲り部と反対側に90°の角度に曲がった第2曲り部とを有する雪下ろし具。
【請求項2】
前記柄は、
前記雪下ろし板が設けられた一端から前記第1曲り部までの第1長さよりも、前記第1曲り部から前記第2曲り部までの第2長さが短く、
前記第2長さよりも、前記第2曲り部から他端までの第3長さが短い請求項1に記載の雪下ろし具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雪下ろし具に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の雪下ろしを行う道具(以下、雪下ろし具と称する)として、柄の先端にブラシやスクレーパが設けられたものがある。このような雪下ろし具を用いて自動車の例えば屋根(ルーフ)から雪を下ろす場合には、作業者は、ブラシやスクレーパを屋根上で動かすために、雪下ろし具を、上肢(腕)を高く上げた状態で強い力で前後に動かす。
【0003】
特許文献1には、長方形状の雪下ろし板と、雪下ろし板の一面の中央部に設けられた柄とを備える雪下ろし具が開示されている。柄の雪下ろし板の近くには角度調整部が設けられ、柄の中央部には長さ調整部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上肢を上げた姿勢で、強い力を要する上記のような雪下ろし作業は、非力な作業者には特に負担が大きく、除雪の効率が低い。また、特許文献1に記載される雪下ろし具は、車高が高い自動車では、屋根の中央部まで雪下ろし板が届きにくく、作業性が悪いことから除雪の効率が低い。またボンネット等の低い位置の除雪の作業では、全域に雪下ろし板が届いたとしても力が入りにくく作業性が悪い。
【0006】
そこで、効率良く自動車の除雪をすることができる雪下ろし具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の雪下ろし具は、雪下ろし板と、柄とを備える。雪下ろし板は、ブラシとスクレーパとの少なくともいずれか一方を有し、板状に形成されている。柄は、雪下ろし板の一方の板面に起立した姿勢で設けられている。柄は、長手方向において雪下ろし板に近い方から順に、135°に曲がった第1曲り部と、第1曲り部と反対側に90°に曲がった第2曲り部とを有する。
【0008】
柄は、雪下ろし板が設けられた一端から第1曲り部までの第1長さよりも、第1曲り部から第2曲り部までの第2長さが短く、第2長さよりも、第2曲り部から他端までの第3長さが短いことが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、効率良く自動車の除雪をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】別の実施形態である雪下ろし具の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示す雪下ろし具10は、本発明の実施形態の一例である。雪下ろし具10は自動車11に積もった雪を下ろすために使用される。なお、雪下ろし具10は、自動車11の例えばガラス11gに付着している氷を掻き落とすために使用されることもある。雪下ろし具10は、板状に形成された雪下ろし板12と、雪下ろし板12の一方の板面12Aに起立した姿勢で設けられた柄14とを備える。
【0012】
雪下ろし板12は、ブラシ21と、スクレーパ23と、ブラシ21及びスクレーパ23を支持する支持部材25とを有する。支持部材25は平板がコの字状に曲がった形状を有し、概ね長方形の板状に形成されたスクレーパ23をコの字状の隙間に入れた状態に支持する。スクレーパ23は、
図1における紙面奥行き方向に延びた刃先23aが支持部材25のコの字状の開放端25oから突出した状態となっている。なお、刃先23aは、先端の形状が鋭利でなくてもよく、本例でも断面矩形状となっている。ブラシ21は、支持部材25に、刃先23aが配された側と反対側において支持され、刃先23aと逆向きに毛27の毛先27tが向いている。雪下ろし板12は、ブラシ21又はスクレーパ23のいずれか一方のみを有するものであってもよい。
【0013】
雪下ろし板12はプラスチック製である。すなわち、ブラシ21とスクレーパ23と支持部材25とは、いずれもプラスチック製である。雪下ろし板12の素材はプラスチックに限定されるものではなく、雪下ろし板12の機能、すなわちブラシ21とスクレーパ23を固定し除雪に用いることができるものであれば、例えば、アルミニウムなどの金属、ゴムなどでもよい。
【0014】
柄14は、S字状に曲がっている。柄14は、真っ直ぐ、すなわち直線状に延びた第1棒31と第2棒32と第3棒33とを有し、雪下ろし板12側から、第1棒31、第2棒32、第3棒33の順に配されている。第1棒31~第3棒33のそれぞれは断面円形の管形状とされているが、円柱状でもよい。第1棒31~第3棒33はプラスチック製である。第1棒31~第3棒33の素材はプラスチックに限定されるものではなく、柄14としての機能すなわち、作業者が把持することができれば、例えば、アルミニウムなどの金属、木などでもよい。
【0015】
柄14は、円弧状に曲がった管形状の第1曲り部36及び第2曲り部37を有する。柄14の長さ方向において、雪下ろし板12に近い方から順に、第1曲り部36、第2曲り部37が位置する。第1曲り部36は、第1棒31と第2棒32とを所定の第1角度θ1をなすように連結する連結具となっている。第2曲り部37は、第2棒32と第3棒33とを所定の第2角度θ2をなすように連結し、かつ、第3棒33が第2棒32に対して、第1棒31に対する第2棒32の向きと反対側の向きとなるよう連結する連結具となっている。第1曲り部36は、一端側に第1棒31が挿入、他端側に第2棒32がそれぞれ挿入された状態で、ビス41によって、第1棒31及び第2棒32と固定される。第2曲り部37も同様に、一端側に第2棒32が挿入、他端側に第3棒33がそれぞれ挿入された状態で、ビス42によって、第2棒32及び第3棒33と固定される。
【0016】
第1棒31は雪下ろし板12の一方の板面12Aに対して垂直に起立している。第2棒32は、第1棒31側とは反対側の端部32Aが毛先27tが向いた方向に、第1棒31に対して第1角度θ1としての135°をもって連結されている。第3棒33は、第2棒32側とは反対側の端部33Aが、刃先23aが向いた方向に、第2棒32に対して第2角度θ2としての90°をもって連結されている。なお、第1棒31に対する第2棒32の向きと第2棒32に対する第3棒33の向きとは逆向きでも良い。すなわち端部32Aを刃先23aが向いた方向、及び、端部33Aを毛先27tが向いた方向となるように第2棒32及び第3棒33を配してもよい。
【0017】
第1曲り部36は、第1角度θ1としての135°に曲がっている。第2曲り部37は、第1曲り部36と反対側に、第2角度θ2としての90°に曲がっている。雪下ろし具10は、第1角度θ1が135°、第2角度θ2が90°である柄14を備えるので、例えばブラシ21を下方に向けて除雪に用いる場合には、第3棒33の長手方向が一方の板面12Aに対して45°の上向きの角度になり、端部33Aが作業者側に向く。その結果、作業者にとって第3棒33が握りやすいとともに、身体の前方及び側方の両方において、上肢が下がった状態及び上がった状態のいずれであっても作業者の前後方向にブラシ21をより弱い力で移動させやすく、効率的に除雪が行われる。さらに、雪下ろし板12はブラシ21とは反対側にスクレーパ23が設けられており、スクレーパ23を下方に向けて用いる場合にも、第3棒33の長手方向は一方の板面12Aに対して45°の角度になる。第3棒33は、ブラシ21を下方に向けた場合と反対側の下向きになるが、第3棒33の長手方向は一方の板面12Aに対して45°の角度になり、端部33Aが作業者に向く点はブラシ21を用いる場合と同じである。したがって、作業者にとって第3棒33が握りやすいとともに、身体の前方及び側方の両方において、上肢が下がった状態及び上がった状態のいずれであっても作業者の前後方向にブラシ21をより弱い力で移動させやすく、効率的に除雪が行われる。
【0018】
第1角度θ1は厳密に135°でなくともよい。例えば、ビス41、42の位置の精度、ビス穴(図示なし)の大きさ及び位置の精度、第1曲り部36の寸法の精度などによって、±5°程度の誤差が生じる場合があるので、第1角度θ1は、誤差分を考慮して、130°以上140°以下の範囲内であれば135°とみなしてよい。第2角度θ2についても同様であり、厳密に90°でなくともよく、±5°程度の誤差を考慮して、85°以上95°以下の範囲内であれば90°とみなしてよい。
【0019】
また、雪下ろし具10は、第1角度θ1が135°よりも小さな角度である場合に比べて除雪の作業中に柄14が自動車11にぶつかりにくく、135°よりも大きな角度である場合に比べて作業者の意図した場所に雪下ろし板12を移動しやすくなる。雪下ろし具10は、第2角度θ2が90°よりも小さな角度である場合に比べて作業者が自然な姿勢で除雪を行うことができ、90°よりも大きな角度である場合に比べて作業者が雪下ろし具10に力を伝えやすくなる。
【0020】
柄14を構成する棒の本数は何本でもよい。例えば、本例の連結具としての第1曲り部36及び第2曲り部37を用いることなく、上記の第1角度θ1及び第2角度θ2をもってS字状に曲がった1本の棒で柄14を構成してもよい。このように、第1曲り部及び第2曲り部は、本例の第1曲り部36及び第2曲り部37のように第1棒31~第3棒33とは別部材でなくてもよい。この場合の第1曲り部及び第2曲り部は、135°及び90°で屈曲した部分であり、第1棒31~第3棒33のように直線状に延びた部分との境界を視認することができるものではない。また、後述のように、折り畳み自在に第1棒31~第3棒33を連結する連結具(図示無し)を用いる場合も同様に、当該連結具自体が135°及び90°に曲がっているものでなくても、直線状の第1棒31~第3棒33が135°及び90°の角度をなしている部分をそれぞれ第1曲り部及び第2曲り部としてみなす。この場合の第1曲り部及び第2曲り部も、直線状の部分との境界が存在するものではない。第1曲り部36及び第2曲り部37は、前述のようにビス41、42によって第1棒31~第3棒33を固定しているが、ビス留め以外の方法で固定しても良い。例えば、接着剤を用いて固定してもよく、また金属製の棒で構成する場合には溶接して固定してもよい。第1曲り部36及び第2曲り部37は、より高い強度で固定するために、金属製の連結具となっているが、素材は金属以外の例えばプラスチック、プラスチックと無機材料との複合材料などでもよい。
【0021】
第1曲り部36および第2曲り部37の代わりに、柄14を折り畳み自在に第1棒31~第3棒33を連結する連結具(図示無し)を用いてもよい。折り畳むことができることによって、収納するための場所の確保がより容易になる。そのため、雪下ろし具10は、例えば降雪のシーズン(以下、降雪シーズンと称する)においては車内に、降雪シーズン以外の時期には車外の例えば車庫の小さなスペースに収められる。
【0022】
柄14の、雪下ろし板12側の一端14Aから第1曲り部36までの長さを第1長さL1、第1曲り部36から第2曲り部37までの長さを第2長さL2、第2曲り部37から端部33Aまでの長さを第3長さL3とする。第1長さL1は、具体的には、一端14Aから第1交点P1までの長さである。第1交点P1は、第1棒31の断面円形の中心を通る線、すなわち軸心CL1と、第2棒32の軸心CL2との交点である。第2長さL2は、具体的には、第1交点P1から第2交点P2までの長さである。第2交点P2は第2棒32の軸心CL2と、第3棒33の軸心CL3との交点である。第3長さL3は、具体的には、第2交点P2から端部33Aまでの長さである。第1長さL1に比べて第2長さL2が短く、第2長さL2に比べて第3長さL3が短い。これにより、雪下ろし具10は作業者が意図した位置への雪下ろし板12の移動が容易であり、除雪の効率に優れる。第1長さL1と第2長さL2と第3長さL3の比がこの順で4対2対1であることがより好ましい。これにより、作業者の意図した位置への雪下ろし板12の移動がより容易となり、除雪の効率により優れる。
【0023】
柄14は伸縮することのできる構造を有してもよく、後述するように本例でもそのようにしている。例えば、柄14が伸びた状態になることにより、低身長の作業者では届きにくい部分、例えば車高が高く雪下ろし板12が届きにくい自動車11の屋根(ルーフ)の除雪がより容易となる。
【0024】
柄14が最も短い状態における第1長さL1は60cm以上80cm以下の範囲内、第2長さL2は30cm以上40cm以下の範囲内、第3長さL3は15cm以上20cm以下の範囲内であることが好ましい。第1長さL1及び第2長さL2がそれぞれ上記範囲内であることにより、自動車11(
図1参照)の屋根全体やボンネット全体に、より確実に雪下ろし板12が届くとともに、雪下ろし板12を余計な力を入れずとも移動させやすい。第3長さL3が上記範囲内であることにより、成人の手の甲幅の2倍程度に長さが確保される。この結果、一方の手から他方の手への持ち替えがしやすい、一方の手で第3棒33を把持した場合に他方の手を添えやすい、重い雪を除く場合に片手での把持はもちろんのこと両手でも把持することができる、などの利点がある。本例でも柄14が最も短い状態における第1長さL1~第3長さL3を上記範囲にしており、具体的には第1長さL1は70cm、第2長さL2は35cm、第3長さL3は17.5cmである。
【0025】
図2に示すように、雪下ろし板12は長方形の板状であり、長方形の長辺に対応する一方の縁部においてスクレーパ23の刃先23aが、他方の縁部においてブラシ21が配されている。本例の柄14は、前述のように伸縮自在となっており、具体的には第1棒31が伸縮自在となっている。第1棒31は、外管51と内管52との二重管構造を有する。内管52は外管51の中空部において長手方向にスライド移動可能となっており、内管52の外管51に対するスライド移動可能をロックするロック部材54が設けられている。このロック部材54のロックを解除することにより、外管51と内管52とは長手方向において移動可能になり、ロックすることにより外管51と内管52との長手方向におけるスライド移動が規制されて第1棒31は目的とする長さにされる。
【0026】
内管52は雪下ろし板12の一方の板面12Aに起立した姿勢で固定されている。雪下ろし板12に設けられた孔(図示無し)に内管52が挿入されて固定されることにより、柄14が一方の板面12Aに起立した姿勢で固定される。雪下ろし板12と柄14の固定の方法はこの例に限定されない。例えば、柄14の雪下ろし板12の孔を貫通した部分をクランプなどの固定具(図示無し)を用いて柄14と雪下ろし板12とが固定されていてもよい。また、雪下ろし板12に設けられた孔の内径を支持部材25の内部に向かうほど狭まるよう形成し、内管52が孔へ十分に挿入されたときに固定されるようにしてもよい。
【0027】
本例では長方形の雪下ろし板12の長辺に対応する各縁部にブラシ21の毛先27t又はスクレーパ23の刃先23aが自動車11(
図1参照)の屋根やボンネットなどの除雪される面に対して水平となるよう設けられる。
【0028】
雪下ろし板12は柄14に対して着脱可能であってもよい。雪下ろし板12が着脱可能であることにより雪下ろし板12のブラシ21とスクレーパ23とを逆配置にすること、及び雪下ろし板12を他の雪下ろし板12に付け替えることができる。
【0029】
図3に示す雪下ろし具70は、握りやすさを向上させるグリップ72Aが柄14の第1棒31に、グリップ72Bが第2棒32に、グリップ72Cが第3棒33に設けられている。グリップ72A~72Cは寒冷地においても作業者が雪下ろし具70を手に持ったときに冷たく感じず握りやすい素材で出来ていればよい。グリップ72A~72Cは、スポンジで構成され、柄14の長手方向における一部を覆っている。グリップ72A~72Cの素材は、雪下ろし具70を手に持ったときに冷たく感じず握りやすい素材であればよく、スポンジに限定されない。グリップ72A~72Cが備えられることにより、作業者が除雪を始める際の雪下ろし具70を持ったときに感じる冷たさが軽減され、作業者はしっかりと握ることができる。
【0030】
グリップ72A~72Cはより握りやすいように加工がしてあってもよい。握りやすさの向上により、除雪の効率がより向上する。加工された加工部の例として、握る手指に合わせた段状形状、あるいは複数の小さなくぼみが挙げられるがこれらに限定されるものではない。本例では、グリップ72Cは段状形状の凹部のピッチが大きめに、グリップ72A及びグリップ72Bはグリップ72Cと比較して段状形状の凹部のピッチが小さく形成してある。グリップ72Cは、掌でよりしっかりと握りやすいようにするためである。グリップ72A及びグリップ72Bは、握っている一方の手とは反対側の手で指を掛けるようにすることが多いと想定されるからである。
【0031】
グリップ72A~72Cのように握りやすさを向上するグリップは、柄14を部分的に覆っていても良いし、柄14の全体を覆っていても良い。柄14に対して部分的に設けられる場合には、少なくとも、第2棒32における第1曲り部36に近い部分に、すなわち第1曲り部36に寄せた位置に設けられることが好ましく、本例のグリップ72Bもそのように設けられている。これにより、万一第2棒32が自動車11(
図1参照)に当たっても、車体に傷をつけることが避けられる。グリップが柄14の長手方向における全体を覆うように設けられた場合には、作業者は作業中における雪下ろし具70の姿勢に応じて任意の位置を握りやすい。このため除雪がよりしやすく、効率が良い。また、除雪中に手を滑らせて雪下ろし具70を自動車11に落としてしまった場合であっても、第1棒31~第3棒33及び第1曲り部36~第2曲り部37が自動車11に直接接触せずに済む。
【符号の説明】
【0032】
10 雪下ろし具
12 雪下ろし板
12A 一方の板面
14 柄
21 ブラシ
23 スクレーパ
31 第1棒
32 第2棒
32A 端部
33 第3棒
33A 端部
36 第1曲り部
37 第2曲り部
70 雪下ろし具
72A~C グリップ
L1 第1長さ
L2 第2長さ
L3 第3長さ
θ1 135°
θ2 90°