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特開2024-34165業務支援装置、制御方法、プログラム及び業務支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034165
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】業務支援装置、制御方法、プログラム及び業務支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20240306BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138230
(22)【出願日】2022-08-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ▲1▼ウェブサイトの公開日:令和3年 9月 1日 ウェブサイトのアドレス:https://www.m-navi.info/login.html 公開者:株式会社テラ ▲2▼ウェブサイトの掲載日:令和3年 9月 1日 ウェブサイトのアドレス:https://www.terracom.co.jp/news/ https://m-navi.site/news/ 公開者:株式会社テラ ▲3▼ウェブサイトの掲載日:令和4年 7月 6日 ウェブサイトのアドレス:https://m-navi.site/features/ 公開者:株式会社テラ
(71)【出願人】
【識別番号】501066875
【氏名又は名称】株式会社テラ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】星 朋希
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】閲覧者の役割と接客業務の進行状況に応じた適切な情報を提供して好適な業務遂行を支援する。
【解決手段】業務支援システムにおいて、店舗における顧客の接客業務に関する表示用情報をユーザ210の通信端末200に提供するサーバ100は、接客業務について接客イベント情報を生成して当該接客業務の接客内容及び進行状況を管理する管理手段、接客イベント情報に関する表示用情報の提供要求を送信した通信端末を使用するユーザの役割を特定する第1の特定手段、提供要求の対応接客イベント情報を特定する第2の特定手段と、対応接客イベント情報に基づいて表示用情報を生成する生成手段及び表示用情報を提供要求を送信した通信端末に提供する提供手段を有する。管理手段は、ユーザ入力に基づいて、対応する接客イベント情報を更新し、生成手段は、ユーザの役割及び対応接客イベント情報の進行状況に応じて、生成する表示用情報の内容を異ならせる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗における顧客の接客業務に関する表示用情報を、ユーザの使用する通信端末に提供する業務支援装置であって、
行われる接客業務の各々について、接客イベント情報を生成して当該接客業務の接客内容及び進行状況を管理する管理手段と、
前記通信端末から、接客業務に係りなされたユーザ入力と、少なくとも1つの前記接客イベント情報に関する前記表示用情報の提供要求と、を受信する受信手段と、
前記提供要求を送信した前記通信端末を使用するユーザの役割を特定する第1の特定手段と、
前記管理手段により管理される前記接客イベント情報のうち、前記提供要求に対応する前記接客イベント情報である対応接客イベント情報を特定する第2の特定手段と、
前記受信手段による前記提供要求の受信を条件として、前記第2の特定手段により特定された前記対応接客イベント情報に基づいて前記表示用情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記表示用情報を、前記提供要求を送信した前記通信端末に提供する提供手段と、
を有し、
前記管理手段は、前記受信手段により受信された前記ユーザ入力に基づいて、対応する接客イベント情報を更新し、
前記生成手段は、前記第1の特定手段により特定された前記ユーザの役割、及び前記第2の特定手段により特定された前記対応接客イベント情報の前記進行状況に応じて、生成する前記表示用情報の内容を異ならせる
ことを特徴とする業務支援装置。
【請求項2】
前記受信手段は、行われる接客業務の接客開始前に、前記顧客の用件、属性及び契約状況の少なくともいずれかを示す事前情報を前記ユーザ入力として受信し、
前記進行状況が接客中である場合に提供される前記表示用情報は、顧客に提案する商材の選択肢を含み、
前記生成手段は、前記対応接客イベント情報に係る接客業務について受信された前記事前情報に基づいて、前記表示用情報に含める前記商材の選択肢を異ならせる
ことを特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記ユーザの役割には、接客業務を実際に担当する第1の役割と、接客業務の担当者を前記第1の役割のユーザのうちから決定する第2の役割と、が含まれ、
前記管理手段は、前記第2の役割のユーザの使用する前記通信端末から前記事前情報が受信されたことを条件として、前記接客イベント情報を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
前記第2の役割のユーザの使用する前記通信端末から受信される前記提供要求は、前記進行状況が接客中である1以上の接客業務の前記接客内容の閲覧を要求するものを含み、
前記生成手段は、前記接客内容の閲覧を要求する前記提供要求が受信された場合に、前記1以上の接客業務の各々について、当該接客業務を担当するユーザの情報、接客の経過時間、及び提案された商材の情報を含む前記表示用情報を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の業務支援装置。
【請求項5】
前記接客内容の閲覧を要求する前記提供要求に対して生成される前記表示用情報は、前記1以上の接客業務の各々について担当者の交代指示を受け付けるための要素を含むことを特徴とする請求項4に記載の業務支援装置。
【請求項6】
前記生成手段は、前記対応接客イベント情報の前記進行状況が接客中である場合に、前記第1の役割のユーザの使用する前記通信端末から、接客終了に係る前記ユーザ入力とともに前記提供要求を受信したことを条件として、当該対応接客イベント情報に係る接客業務で提案された商材について、提案結果の前記ユーザ入力を受け付けるための前記表示用情報を生成し、
前記業務支援装置は、前記受信手段により受信された前記提案結果のユーザ入力に基づいて、接客業務の実績を蓄積する蓄積手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項4に記載の業務支援装置。
【請求項7】
接客業務が接客開始前である場合に前記第2の役割のユーザの使用する前記通信端末に提供される前記表示用情報は、当該接客業務を担当させる前記第1の役割のユーザの選択肢を含み、
前記生成手段は、前記第2の役割のユーザの使用する前記通信端末から前記事前情報を受信した場合に、前記蓄積手段に当該事前情報に関連して蓄積された接客業務の実績に基づいて、前記表示用情報に含める前記第1の役割のユーザの選択肢を異ならせる
ことを特徴とする請求項6に記載の業務支援装置。
【請求項8】
店舗における顧客の接客業務に関する表示用情報を、ユーザの使用する通信端末に提供する業務支援装置の制御方法であって、
行われる接客業務の各々について、接客イベント情報を生成して当該接客業務の接客内容及び進行状況を管理する管理工程と、
前記通信端末から、接客業務に係りなされたユーザ入力と、少なくとも1つの前記接客イベント情報に関する前記表示用情報の提供要求と、を受信する受信工程と、
前記提供要求を送信した前記通信端末を使用するユーザの役割を特定する第1の特定工程と、
前記管理工程において管理される前記接客イベント情報のうち、前記提供要求に対応する前記接客イベント情報である対応接客イベント情報を特定する第2の特定工程と、
前記受信工程において前記提供要求の受信を条件として、前記第2の特定工程において特定された前記対応接客イベント情報に基づいて前記表示用情報を生成する生成工程と、
前記生成工程において生成された前記表示用情報を、前記提供要求を送信した前記通信端末に提供する提供工程と、
を有し、
前記管理工程では、前記受信工程において受信された前記ユーザ入力に基づいて、対応する接客イベント情報が更新され、
前記生成工程では、前記第1の特定工程において特定された前記ユーザの役割、及び前記第2の特定工程において特定された前記対応接客イベント情報の前記進行状況に応じて、生成する前記表示用情報の内容を異ならせる
ことを特徴とする制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の業務支援装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
ユーザの使用する通信端末と、店舗における顧客の接客業務に関する表示用情報を前記通信端末に提供する業務支援装置とを含む業務支援システムであって、
前記業務支援装置は、
行われる接客業務の各々について、接客イベント情報を生成して当該接客業務の接客内容及び進行状況を管理する管理手段と、
前記通信端末から、接客業務に係りなされたユーザ入力と、少なくとも1つの前記接客イベント情報に関する前記表示用情報の提供要求と、を受信する受信手段と、
前記提供要求を送信した前記通信端末を使用するユーザの役割を特定する第1の特定手段と、
前記管理手段により管理される前記接客イベント情報のうち、前記提供要求に対応する前記接客イベント情報である対応接客イベント情報を特定する第2の特定手段と、
前記受信手段による前記提供要求の受信を条件として、前記第2の特定手段により特定された前記対応接客イベント情報に基づいて前記表示用情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記表示用情報を、前記提供要求を送信した前記通信端末に提供する提供手段と、
を有し、
前記通信端末は、
前記ユーザ入力及び前記提供要求を送信する送信手段と、
前記提供手段により提供された前記表示用情報に基づく表示を行う表示手段と、
を有し、
前記管理手段は、前記受信手段により受信された前記ユーザ入力に基づいて、対応する接客イベント情報を更新し、
前記生成手段は、前記第1の特定手段により特定された前記ユーザの役割、及び前記第2の特定手段により特定された前記対応接客イベント情報の前記進行状況に応じて、生成する前記表示用情報の内容を異ならせる
ことを特徴とする業務支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、制御方法、プログラム及び業務支援システムに関し、特に接客業務を支援するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
来店履歴のある顧客に対して、過去に接客した販売員でなくとも好適なサービスを提供可能なよう、入店時に顧客が所持するカード等から取得した識別情報(顧客のID)に基づいて顧客を特定し、顧客の購買履歴及び過去の接客情報を接客する販売員の携帯端末に提示するシステムがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-326407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のシステムでは、都度、入店時に識別情報を取得させる手間を顧客に強いるものであり、煩雑な印象を与える可能性があった。また、一般に接客業務において個人を特定する情報が必要になるタイミングは、契約の手続きが開始される段階であり、当該段階に至っていない状態で個人を特定する識別情報を取得されることを快く思わない顧客もいる。故に、顧客の識別情報の取得を契約の手続きが開始される段階に行うとした場合、特許文献1のシステムでは、それ以前の段階の接客業務において好適なサービスを適用できない可能性があった。
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、閲覧者の役割と接客業務の進行状況に応じた適切な情報を提供して好適な業務遂行を支援する業務支援装置、制御方法、プログラム及び業務支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するために、本発明の業務支援装置は、店舗における顧客の接客業務に関する表示用情報を、ユーザの使用する通信端末に提供する業務支援装置であって、行われる接客業務の各々について、接客イベント情報を生成して当該接客業務の接客内容及び進行状況を管理する管理手段と、通信端末から、接客業務に係りなされたユーザ入力と、少なくとも1つの接客イベント情報に関する表示用情報の提供要求と、を受信する受信手段と、提供要求を送信した通信端末を使用するユーザの役割を特定する第1の特定手段と、管理手段により管理される接客イベント情報のうち、提供要求に対応する接客イベント情報である対応接客イベント情報を特定する第2の特定手段と、受信手段による提供要求の受信を条件として、第2の特定手段により特定された対応接客イベント情報に基づいて表示用情報を生成する生成手段と、生成手段により生成された表示用情報を、提供要求を送信した通信端末に提供する提供手段と、を有し、管理手段は、受信手段により受信されたユーザ入力に基づいて、対応する接客イベント情報を更新し、生成手段は、第1の特定手段により特定されたユーザの役割、及び第2の特定手段により特定された対応接客イベント情報の進行状況に応じて、生成する表示用情報の内容を異ならせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このような構成により本発明によれば、閲覧者の役割と接客業務の進行状況に応じた適切な情報を提供して好適な業務遂行を支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態及び変形例に係る業務支援システムの構成を示した図
図2】本発明の実施形態及び変形例に係る支援サーバ100のハードウェア構成を示したブロック図
図3】本発明の実施形態及び変形例に係る支援サーバ100において管理される各種情報のデータ構成を例示した図
図4】本発明の実施形態及び変形例に係る販売代理店に係る人員構成を例示した図
図5】本発明の実施形態及び変形例に係る支援サービスの、顧客来店時にフロアマネージャー401の通信端末200に表示される画面を例示した図
図6】本発明の実施形態及び変形例に係る支援サービスのスケジュール一覧画面を例示した図
図7】本発明の実施形態及び変形例に係る支援サービスの、接客時にスタッフ402の通信端末200に表示される画面を例示した図
図8】本発明の実施形態及び変形例に係る支援サービスの、接客終了時にスタッフ402の通信端末200に表示される画面を例示した図
図9】本発明の実施形態及び変形例に係る支援サービスの、接客時にフロアマネージャー401の通信端末200に表示される画面を例示した図
図10】本発明の実施形態及び変形例に係る支援サービスの、担当者交代時にフロアマネージャー401の通信端末200に表示される画面の遷移例を示した図
図11】本発明の実施形態及び変形例に係る支援サーバ100において実行される情報提供処理を例示したフローチャート
図12】本発明の実施形態及び変形例に係る第1生成処理を例示したフローチャート
図13】本発明の実施形態及び変形例に係る第2生成処理を例示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、業務支援装置の一例としての、店舗における接客業務に関する表示用情報を提供可能な支援サーバに、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、接客業務に関する表示用情報を提供することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0011】
《業務支援システムの構成》
図1は、本実施形態に係る支援サービスを提供する業務支援システムの構成を示した図である。図示されるように業務支援システムは、店舗において行われる接客業務の各々についての接客イベント情報を管理して接客業務に関する表示用情報を構成して提供する支援サーバ100と、ネットワーク300を介して支援サーバ100と通信可能に接続される複数の通信端末200を含む。複数の通信端末200は、各々異なるユーザが使用する端末であり、例えばスマートフォン、タブレット端末、PC等の任意の通信端末であってよい。
【0012】
詳細は後述するが、支援サービスを利用可能なユーザ210の各々には役割が割り当てられており、支援サーバ100は、通信端末200を使用するユーザの役割に応じた表示用情報を当該通信端末200に提供する。従って、本実施形態の業務支援システムにおいて、各ユーザ210の情報は予め登録されており、支援サーバ100は、通信接続した通信端末200について、当該通信端末200を使用するユーザ210を識別し、当該ユーザ210の役割を特定可能に構成される。
【0013】
なお、ネットワーク300は、本実施形態の業務支援システムでは通信端末200と支援サーバ100との通信接続を実現するため、インターネット等の広域ネットワークであるものとして説明する。しかしながら、支援サービスは、広域ネットワークを介して提供されるものに限定されるものではなく、例えば店舗内等の限定的なロケーションにおいて支援サービスが提供される態様では、ネットワーク300はLANであってもよい。
【0014】
以下、本発明に係る情報処理方法の実現に関与するハードウェア構成について、さらに図を参照して説明する。
【0015】
〈支援サーバ100のハードウェア構成〉
まず、本実施形態の支援サーバ100のハードウェア構成について、図2のブロック図を参照して説明する。
【0016】
制御部101は、CPUに代表されるプロセッサであり、記憶装置102に記録されたプログラムをメモリ103に展開して実行することにより、各ブロックの動作制御及び支援サービスの提供に係る各種処理を実行する。記憶装置102は、ROMやHDD等の恒久的な情報記憶が可能な不揮発性の記憶装置である。ここで、制御部101が実行するプログラムは、CD-ROM等の記憶媒体を介して支援サーバ100の記憶装置102にインストールされてもよい。またメモリ103は、RAM等の揮発性の記憶装置であり、プログラムの展開領域や機能の作業領域としてだけでなく、各ブロックの動作により出力された情報を一時的に記録する格納領域としても用いられる。通信I/F104は、外部装置との情報通信を行うためのインタフェースであり、本実施形態ではネットワーク300を介して、各通信端末200との間で情報通信を行う。
【0017】
記憶装置102は、制御部101により実行されるプログラムの他、支援サービスを利用するユーザに係る各種の情報(ユーザ情報)を管理するユーザDB110と、店舗において顧客に対して行われている接客業務についての情報(接客イベント情報)を管理する接客イベントDB120と、完了した接客業務の結果を示す情報(実績情報)を管理する実績DB130とを含む。本実施形態では、発明の理解を容易にする目的で、支援サーバ100が有する記憶装置102が、これらのデータベースとして機能するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。これらのデータベースの少なくとも一部は、支援サーバ100と情報通信可能に構成された外部の装置に実装されるものであってもよい。
【0018】
〈ユーザ情報〉
ユーザDB110の1件のレコードは、1人のユーザに関する情報を管理する。ユーザDB110で各ユーザについて管理されるユーザ情報は、例えば図3(a)に示されるようなデータ構成であってよい。
【0019】
ここで、ユーザID301は、ユーザを一意に特定する識別情報である。また名前302は、ユーザの氏名を示すテキスト情報である。所属店舗情報303は、ユーザの所属する店舗を一意に特定する識別情報である。役割情報304は、例えばフロアマネージャーやスタッフ等、ユーザに対して割り当てられた役割を示す情報である。特性情報305は、例えば対応可能言語や取得している資格の情報等、ユーザ固有の特性を示す情報である。
【0020】
〈接客イベント情報〉
また接客イベントDB120の1件のレコードは、1回の接客業務(来店した顧客に対して行われる一連の業務:以下、「接客イベント」として言及)に関する情報を管理する。接客イベントDB120で1回の接客イベントについて管理される接客イベント情報は、例えば図3(b)に示されるようなデータ構成であってよい。
【0021】
ここで、接客ID311は、該当の接客イベントを一意に特定する識別情報である。またエリアID312及び店舗ID313はそれぞれ、接客イベントが発生した店舗の存在する地域を一意に特定する識別情報と、店舗を一意に特定する識別情報である。担当者ID314は、接客イベントを実際に担当(応対)するスタッフ(担当者)を識別する識別情報であり、役割がスタッフであるユーザのユーザID301が格納される。
【0022】
スケジュール情報315は、接客イベントが行われる予定の時刻や実際に行われた時刻等の応対に係る期間を示す情報である。1回の接客イベントに係るスケジュール情報315は、開始予定時刻321及び終了予定時刻322等の担当者が実際に応対を開始する前に定められる予定の情報に加え、接客開始前、接客中、接客終了、あるいは接客保留中であるか等のステータスを示す応対ステータス323、担当者が応対を開始した開始時刻324、担当者が応対を開始してからの経過時間325を含むものであってよい。
【0023】
用件情報316は、接客イベントに係る顧客の当初の用件(来店目的)を示す情報である。顧客情報317は、顧客の人物属性や現在の各種契約状況の情報を示す情報である。また提案商材情報318は、接客イベントにおいて担当者が顧客に提案した商材を示す情報である。詳細は後述するが、本実施形態の業務支援システムは、フロアマネージャーの役割を有するユーザ210がまず来店した顧客の用件を聞き、当該用件に基づいて担当者(担当させるスタッフの役割を有するユーザ210)を指示し、その後、担当者のユーザ210が顧客に対する実際の接客業務を行う運用で利用されるものとして説明する。提案商材情報318は、商材を一意に特定する商材ID331と、提案の結果(獲得/失注)を示す結果情報332を含んで構成されるものであってよい。結果情報332は、獲得/失注の他、必要に応じて、顧客に需要があったか否かを示す情報等、他の情報を含むものであってもよい。
【0024】
売上情報319は、予め定められた商材以外の販売により計上された売上を示す情報である。また交代情報320は、詳細は後述するが、接客イベントの途中において担当者の変更が行われた場合に、その詳細を示す情報である。交代情報320には、例えば交代前に接客イベントを担当していたユーザ210について、ユーザID、所要時間等の情報を含んで構成されるものであってよい。
【0025】
〈実績情報〉
また実績DB130の1件のレコードは、接客終了となった1回の接客イベントについての結果の情報を管理する。実績DB130で1回の接客イベントについて管理される実績情報は、例えば図3(c)に示されるようなデータ構成であってよい。
【0026】
ここで、実績ID341は、該当の接客イベントを一意に特定する識別情報である。またエリアID342及び店舗ID343はそれぞれ、接客イベントが行われた店舗の存在する地域を一意に特定する識別情報と、店舗を一意に特定する識別情報である。担当者ID344は、接客イベントを実際に応対した担当者を識別する識別情報であり、役割がスタッフであるユーザのユーザID301が格納される。実績ID341、エリアID342、店舗ID343及び担当者ID344の情報は、同一の接客イベントについて接客イベントDB120に管理された接客イベント情報と同一であってよい。
【0027】
時期情報345は、接客イベントが行われた時期を示す情報である。詳細は後述するが、実績情報は、行われた接客イベントについての結果を集計する用途で用いられるものであるため、接客イベント情報のようにスケジュールの詳細を特定する情報を含む必要がない。即ち、実績情報は、集計が行われる時間単位の情報を時期情報345として有するものであればよく、接客イベント情報のスケジュール情報315よりも情報量が削減されて構成されるものであってよい。本実施形態では実績情報は、最小で日単位の集計が可能に構成され、時期情報345は接客イベントが行われた日を示す情報を格納する。換言すれば、本実施形態の実績情報の時期情報345は、時刻の情報や応対ステータス等の情報を含まず構成される。時期情報345は、この他、接客イベントの所要時間の情報は含んでいてもよい。
【0028】
獲得情報346は、接客終了となった1回の接客イベントにおいて例えば商材に係る契約を獲得できたことを示す情報である。獲得情報346は、対応する接客イベント情報の提案商材情報318に基づいて、結果情報332が獲得を示す情報をマージして得られる。即ち、獲得情報346は、該当の接客イベントにおいて担当者が契約を獲得した商材に係る実績を示す。
【0029】
対して、失注情報347は、接客終了となった1回の接客イベントにおいて提案した商材について契約に至らず、当該商材を失注したことを示す情報である。失注情報347は、対応する接客イベント情報の提案商材情報318に基づいて、結果情報332が失注を示す情報をマージして得られる。即ち、失注情報347は、該当の接客イベントにおいて担当者が失注した商材に係る実績を示す。
【0030】
また売上情報348及び交代情報349は、対応する売上情報319及び交代情報320と同様であってよい。また顧客情報350は、対応する顧客情報317と同様であってよい。
【0031】
なお、本実施形態の業務支援システムでは管理する情報のデータ量を削減するため、接客イベント情報は、対応する接客イベントが行われた日あるいは週にわたって接客イベントDB120に保持され、その期間の経過後は削除されるよう構成されるものとする。即ち、ユーザのスケジュール管理(接客状態、接客時刻や経過時間の確認等)用途でも用いられる接客イベント情報は、スケジュールの参照が想定される期間において保持されるものであればよいため、実績情報よりも情報量が多くてもよい。一方で、実績情報については、評価(各ユーザの業績管理や業務方針の決定等)用途で、接客イベントが行われた後に月単位や年単位等の長期にわたって参照され得るものであるため、接客イベント情報よりも情報量を低減させるよう構成されるものとする。つまり、接客イベントDB120は短期的な情報管理用途で、実績DB130は中長期的な情報管理用途で用いられる。
【0032】
接客イベント情報に基づく実績情報の生成は、本実施形態では接客イベントの接客終了後、全提案商材の結果情報332の格納がなされた後に行われたことを契機として行われるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、例えば店舗400の営業時間の終了後等の予め定められたタイミングに、まだ実績情報の生成がなされていない接客イベント情報を対象として、実績情報の生成が一括して行われるものであってもよい。
【0033】
また、本実施形態では発明の理解を容易にすべく、支援サーバ100が利用可能なデータベースとしてユーザDB110、接客イベントDB120及び実績DB130が設けられるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、支援サーバ100が利用可能なデータベースには、この他、例えば用件の種類を示すデータベースや、商材の種類を示すデータベース等、接客業務の内容に応じて適宜必要なものが含まれるものであってもよいことは言うまでもない。
【0034】
《支援サービスの概要》
以下、本実施形態の支援サービスが提供する機能、及び支援サービスを利用して行われる接客業務の概要を説明する。
【0035】
本実施形態では業務支援システムは、携帯電話端末の販売や回線契約をはじめとする、電気通信事業者が提供する各種サービスの販売・契約を代理する販売代理店において行われる接客業務を支援するために用いられるものとする。より詳しくは、業務支援システムは、販売代理店において接客業務に関与する従業者、あるいは販売代理店や販売代理店の属するエリアを統括する運営者等のユーザに対して、接客業務の業績向上や効率向上を支援する支援サービスを提供する。ユーザは、上述したようにユーザDB110に登録されて管理され、支援サーバ100は各ユーザが使用する通信端末200に対して、当該ユーザの役割に応じた情報を提供して販売代理店に係る業務を支援する。また支援サーバ100は、接客業務に係り取得された情報を管理し、必要に応じて接客イベントDB120や実績DB130に蓄積する。
【0036】
支援サービスに係るアプリケーションは、各ユーザ210が当該ユーザの使用する通信端末200においてブラウジングアプリケーション(ブラウザ)起動し、支援サービスに係るサービスサイトにアクセスし、サービスログインによりセッションが確立されることで利用可能になる。即ち、支援サービスに係るアプリケーションは、ブラウザベースのアプリケーションであり、ユーザ210は通信端末200に特定のアプリケーションをインストールせずとも支援サービスを利用することが可能に構成される。アプリケーションの利用中、当該アプリケーションに係る表示画面を構成するための表示用情報が、支援サーバ100により構成されて各通信端末200に提供される。また利用中に通信端末200において情報入力に係るユーザ操作がなされると、当該情報が支援サーバ100に伝送される。これにより、支援サーバ100は、支援サービスに係るユーザインタフェースを提供しつつ、当該ユーザインタフェースを操作して行われた接客業務に係る各種のユーザ入力を受信して、リアルタイムの情報管理を行うことができる。
【0037】
〈ユーザの種類〉
続いて、本実施形態の業務支援システムにおいてユーザに割り当てられる役割を説明する。発明の理解を容易にするべく、以下では支援サービスのユーザは、図4に示されるように「フロアマネージャー」、「スタッフ」、「エリアマネージャー」の3種類の役割いずれかに分類されるものとする。
【0038】
図4は、販売代理店に係る人員構成を例示した図であり、販売代理店の1つの店舗400には、当該店舗400に配属される従業員として、フロアマネージャー401とスタッフ402が属する。スタッフ402は、主として接客イベント(実務)を担当する担当者たり得る役割である。またフロアマネージャー401は、店舗400において来店した顧客の用件を聞き、同店舗に所属するスタッフ402のうちから当該用件に係る接客イベントを担当させる担当者を決定する裁量権を有する役割である。
【0039】
また販売代理店がチェーン展開していたり、系列店が存在したりする図4の態様では、複数の店舗400を統括するエリアマネージャー403の役割が設けられる。エリアマネージャー403は、1つの態様では、店舗400の運営元である企業(本部)に所属する本部担当者等、他の役職として設けられるものであってもよいが、本実施形態ではエリアマネージャー403と総称する。
【0040】
〈従前の業務フロー〉
まず、従前の販売代理店において行われる一般的な業務フローについて、概要を簡易に説明する。
【0041】
顧客が店舗400に来店すると、まずフロアマネージャー401が顧客の用件を簡単に聞く(ヒアリング)。用件には、例えば、新規/MNP契約、機種変更、契約内容変更、オプション品購入、故障/修理、解約やその他の相談等が想定される。このとき、フロアマネージャー401は、顧客の性別や年代層、また現在契約中である携帯電話回線の事業者(以下、携帯回線事業者として言及)の情報に基づいて、用件の対応に適切なスタッフ402を選択して接客イベントを担当させる。適切なスタッフ402が不在の場合や現在他の接客イベントを対応中の場合には、フロアマネージャー401は、別担当者を再選択したり、顧客に対応可能となる時刻の案内を行ったりする。
【0042】
担当者として選定されたスタッフ402は、フロアマネージャー401の事前のヒアリングにより用件等の情報が記入された用紙に基づいて、顧客をカウンター等に案内して接客業務を開始する。担当者の接客業務は、顧客の用件への対応に加え、顧客の環境や需要に合致した商材や、店舗400において実施中のキャンペーンに関連した商材の提案を含む。担当者は、例えば、接客中に顧客が契約中の携帯回線事業者と電気事業者とが異なることが判明した場合に、これを共通化させることで料金の割引が生じるのであれば、携帯回線事業者の提供する電力供給サービスの商材を提案する。また例えば、顧客と顧客の家族とが異なる携帯回線事業者を利用中である場合に、これを共通化することで料金の割引が生じるのであれば、担当者は顧客の家族のMNPでの移転契約を商材として提案する。この他、担当者は、主として顧客が契約する携帯回線事業者に応じて、固定通信回線、クレジットカード、オプションサービス等の商材や携帯電話のアクセサリの商材を、接客中に顧客から入手した情報や契約内容に基づいて提案する。
【0043】
担当者は、接客が終了すると、接客イベントの簡易報告をフロアマネージャー401に行い、また店舗400の営業終了後には、日報として、成約した商材についての報告書類を作成して提出する。フロアマネージャー401は、各スタッフ402の日報や成約した商材の情報(販売実績)に基づいて、スタッフ402の能力を評価し、次回以降の接客イベントの割り当ての際の参考にする、また店舗400としての経営戦略を決定することが行われていた。またエリアマネージャー403は、これらの情報に基づいてフロアマネージャー401が行う報告に基づいて、店舗400やフロアマネージャー401、スタッフ402の評価を行うものであった。
【0044】
一方で、このような従前の業務フローでは、販売実績で各スタッフ402の能力評価を行うことになるため、積極的に種々の商材の提案を行っているスタッフ402や、特別に労力を割いて顧客対応を行ったスタッフ402等、接客イベント中のプロセスを適切に評価することが難しかった。また、顧客や用件との相性が適切でないスタッフ402を割り当ててしまった場合に、当該スタッフ402がヘルプを求めるまで担当変更がなされず、顧客の店舗400に対する印象の悪化や業績低下が生じ得るものであった。また各種報告書類の作成にあたり、各ユーザの手間を要するものであった。
【0045】
〈支援サービスにおける情報管理と情報提供〉
本実施形態の業務支援システムが提供する支援サービスでは、このような従前の業務フローにおける課題を解決すべく、接客イベントに係り行われる一連の業務の各工程において、担当者の対応内容をリアルタイムに取得し、都度、適切な情報を好適に参照可能なようにユーザの役割に応じて該当の通信端末200に提供する情報を異ならせる。また行われた接客イベントについては、担当者がいずれを提案して契約獲得/失注したのか、接客業務にどの程度の時間を要したのか等、各接客イベントのプロセスを評価するべく、接客中に入力された情報も含めて接客イベント情報や実績情報が管理される。以下、接客イベントの進行状況ごとに、ユーザ210の役割に応じて提供される、支援サービスのアプリケーションに関する表示用の情報(画面を構成するための表示用情報:GUI及び当該GUIの選択状態や表示される数値やテキストの情報を含む)を、図を参照して説明する。
【0046】
(顧客来店時)
顧客の来店時には、フロアマネージャー401が使用する通信端末200に、図5に示される画面500が表示される。画面500は例えば、フロアマネージャー401が、使用する通信端末200において来店対応に係る操作入力を行ったことを契機として表示されるものであってよい。
【0047】
図示されるように、画面500は、大きく分けて、接客イベントを識別する接客IDが自動入力される接客ID部501、顧客に関する情報が入力される顧客情報エリア502、接客イベントに関するスケジュールを入力するスケジュールエリア503、顧客や接客イベントについての特記事項が入力される特記事項ボックス504、及び各種入力の反映や担当者への接客イベント割り当てに用いられる更新ボタン505を具備する。
【0048】
フロアマネージャー401により、新規の接客イベントについて画面500の表示指示がなされると、支援サーバ100において当該接客イベントに対して自動採番した接客IDが接客ID部501に入力された状態で画面500が表示される。フロアマネージャー401は、まず顧客からヒアリングを行い、画面500の顧客情報エリア502に必要な情報を入力する。
【0049】
顧客情報エリア502は、用件ボックス511、顧客属性エリア512、契約情報エリア513を具備し、顧客の用件や人物属性、現在の各種契約状況の情報を入力可能に構成される。用件ボックス511に対する操作がなされると、予め定められた種類の用件が選択候補として表示される。フロアマネージャー401は、当該選択候補の一覧から、来店した顧客の用件に対応する候補を選択することで、用件ボックス511の入力を行うことができる。また顧客属性エリア512には、年齢や性別、使用言語等の顧客の属性の選択肢が設けられ、フロアマネージャー401は、ヒアリングから判明している範囲で該当する選択肢を選択することができる。また契約情報エリア513には、顧客の現在契約する携帯電話回線やプランの内容、固定電話回線、インターネット回線、料金支払方法等の、販売代理店の事業に関連する主要な顧客環境情報について、顧客の契約状況を入力可能に構成される。また契約情報エリア513には、顧客の家族が契約している携帯回線事業者の情報を入力可能に構成されていてもよい。フロアマネージャー401は、ヒアリングから判明している範囲で、各顧客環境情報についての該当する項目を選択することができる。
【0050】
顧客情報エリア502の情報が入力されると、更新ボタン505の操作入力が可能に制御される。更新ボタン505は、1つの側面として、通信端末200におけるユーザ入力に関する情報を支援サーバ100に送信し、行われる接客イベントについて管理されている該当の情報(顧客情報エリア502の情報については用件情報316及び顧客情報317)を更新するために用いられる。また更新ボタン505は、別の側面として、更新後の情報に基づいた状態の画面500の表示に必要な情報の提供要求を支援サーバ100に行うために用いられる。なお、接客イベントの設定のために、顧客情報エリア502では用件ボックス511の候補選択は必須であるが、それ以外の情報は接客イベントの設定に必須に構成されなくてよい。用件ボックス511以外の情報は、顧客からのヒアリングで判明する範囲で入力されるものであればよく、未選択(未入力)であることを条件として更新ボタン505の操作入力が不可能にされることはない。
【0051】
続いて、フロアマネージャー401は、画面500のスケジュールエリア503について情報入力を行う。スケジュールエリア503は、開始予定時刻ボックス521、終了予定時刻部522、担当者ボックス523、所要時間ボックス524を具備し、接客イベントのスケジュール管理に必要な各種情報を入力可能に構成される。開始予定時刻ボックス521には、現在の時刻以降の任意の時刻が入力可能に構成され、例えばフロアマネージャー401による数値入力や時刻増減入力に基づいて開始予定時刻を入力することができる。
【0052】
開始予定時刻の入力時には、フロアマネージャー401は、既に登録されている接客イベント情報に基づいて構成される、図6のようなスタッフ402のスケジュール一覧画面600を参照することもできる。当該スケジュール一覧画面600は、該当の店舗400に関連する全てのユーザが参照可能な画面であり、各ユーザは当該画面を参照して自身に割り当てられた接客イベントや他のユーザに割り当てられた接客イベント等を把握することができる。スケジュール一覧画面600についての詳細は、後述する。
【0053】
担当者ボックス523は、初期状態では店舗400に所属する全てのスタッフ402または当日出勤中の全てのスタッフ402が選択候補としてに設けられ、選択可能に表示される。一方で、用件ボックス511及び開始予定時刻ボックス521の入力がなされた状態で更新ボタン505の操作入力がなされた場合には、担当者ボックス523の選択候補は、行われる接客イベントの担当に適切なスタッフ402に限定される。
【0054】
このとき、支援サーバ100では、用件ボックス511及び開始予定時刻ボックス521に応じて、開始予定時刻に接客対応が可能であり、かつ、該当用件の対応に係る成績が良好なスタッフ402の情報を抽出し、担当者ボックス523の選択候補用にフロアマネージャー401の通信端末200に提供する。ここで、用件の対応に係る成績とは、例えば過去の同用件の接客イベントにおける特定の商材に係る契約獲得率等であってよく、所定の基準値を閾値として良好であるか否かの判断がなされるものであってよい。本実施形態では、用件の種類に応じて、当該用件の接客イベントにおいて提案されることが想定される商材の情報が予め定められており、用件の対応に係る成績は、当該商材の契約獲得率に基づいて成績が良好であるか否かの判断が行われるものとする。スタッフ402の成績は、実績DB130に蓄積された実績情報に基づいて導出することができる。また、顧客情報エリア502の顧客属性エリア512や契約情報エリア513の入力がなされている状態では、スタッフ402の成績だけでなく、特性情報305に含まれる対応可能言語が合致するスタッフ402や、顧客の年齢層に対する成績が良好なスタッフ402等を担当者ボックス523の選択候補用に抽出することもできる。このようにすることで、顧客来店時におけるフロアマネージャー401の担当者選択を、効率化しつつ、適任のスタッフ402に割り当てやすくできる。
【0055】
なお、本実施形態では、用件ボックス511及び開始予定時刻ボックス521の入力がなされた場合に、担当者ボックス523の選択候補を該当のスタッフ402に限定するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。フロアマネージャー401の担当者選択の効率化は、例えば、該当のスタッフ402が担当者ボックス523の選択候補一覧の先頭に並ぶよう表示順序を変更(ソート)することで実現されてもよい。
【0056】
所要時間ボックス524は、任意の時間を設定可能に構成される。所要時間ボックス524は、例えば15分刻みの所要時間を設定可能に構成されていればよい。なお、担当者ボックス523において担当者となるスタッフ402が選択されると、所要時間ボックス524の値は、当該担当者の能力に応じた目安の所要時間に変更(自動入力)されるものであってよい。目安の所要時間は、例えば、該当の担当者の直近の所定数回の同用件に係る実績情報に基づいて導出されるものであればよい。ここで、担当者の選択により担当者ボックス523に自動入力される値は、あくまでも実績情報に基づいた参考値であり、フロアマネージャー401はその後任意の時間に変更可能であってよい。また開始予定時刻ボックス521及び所要時間ボックス524の入力がなされると、終了予定時刻部522には開始予定時刻に所要時間を加えた時刻が自動入力される。
【0057】
担当者を決定して、顧客情報エリア502及びスケジュールエリア503に必要な情報を入力した後、フロアマネージャー401による更新ボタン505への操作入力がなされたことを契機として、支援サーバ100において当該画面500に係る接客イベントについて正式に接客イベント情報が接客イベントDB120に登録される。顧客の来店時にフロアマネージャー401が通信端末200に画面500を表示させて顧客情報エリア502及びスケジュールエリア503に対する入力を行っている状態では、接客IDは採番されているものの、まだ対応する接客イベント情報の接客イベントDB120への格納は行われていない状態である。従って、画面500において上記ボックスへの入力を行っている状態では、暫定的な接客イベント情報が支援サーバ100のメモリ103等に保持され、当該情報に基づいてフロアマネージャー401の通信端末200に提供する情報の構成が行われているものとする。なお、このとき登録される接客イベント情報の応対ステータス323は、接客開始前に設定される。
【0058】
支援サーバ100は、新たな接客イベント情報を接客イベントDB120に登録すると、接客イベントの担当者であるユーザ(スタッフ402)の通信端末200に接客イベントの通知を行う。当該通知は、簡素に接客イベントに係る顧客の用件及び開始予定時刻を知らしめる内容であってもよいし、接客イベントに係る他の詳細な情報を確認可能に構成されるものであってもよい。また接客イベント情報が登録されると、図6に示したスケジュール一覧画面600に当該接客イベント情報に係るスケジュールを示す矩形が配置される。より詳しくは、接客イベントの担当者のカラムに、接客イベント情報に係る予定の矩形が配置された態様で、スケジュール一覧画面600が構成され、各ユーザが確認可能となる。
【0059】
(案内まで)
来店した顧客についての接客イベント情報の登録が完了すると、顧客を担当者が応対するカウンターに案内する開始予定時刻までに、フロアマネージャー401は必要に応じて顧客に更なるヒアリングを行い、画面500の顧客情報エリア502の情報をさらに更新することができる。このとき、フロアマネージャー401は、携帯回線事業者への情報照会に必要な情報を顧客から取得可能であれば、情報照会の結果得られたより詳細な情報で顧客情報エリア502の情報を更新してもよい。
【0060】
(接客時)
接客イベントの担当者に割り当てられたスタッフ402は、使用するカウンターへの顧客の案内が完了すると、使用する通信端末200において接客開始の入力を行う。担当者は、使用する通信端末200において自身の支援サービスに係るスケジュール一覧画面を表示させ、応対を行う接客イベントに係る予定を選択することで、通信端末200の表示を図7に示される画面700に遷移させることができる。そして、当該画面700において接客開始の入力を行うことができる。
【0061】
画面700は、顧客来店時にフロアマネージャー401が情報入力を行った画面500と類似した構成であるが、接客中に顧客に提案する商材を入力可能に構成される。図示されるように画面700は、来店時に入力された情報が表示される事前情報エリア701と、実際に担当者が接客を開始した時刻を入力するための開始ボタン702及び終了した時刻を入力するための終了ボタン703と、提案する商材を選択する商材選択エリア704と、各種入力の接客イベント情報への反映に用いられる更新ボタン705とを具備する。
【0062】
事前情報エリア701には、該当の接客イベントについて、接客ID711、担当者名712、用件713、開始予定時刻714、終了予定時刻715、契約情報716及び特記事項717が表示される。事前情報エリア701に表示される各種の情報は事前確定された情報であるため、接客時には変更不可能に構成されていてよい。
【0063】
開始ボタン702及び終了ボタン703は、操作入力を受け付け可能なタイミングが排他制御されており、接客イベントの開始前は開始ボタン702のみが、接客イベントの開始後は終了ボタン703のみが操作入力を受け付け可能に制御される。これらボタンに対する操作入力がなされたことを契機として、支援サーバ100に更新要求が伝送され、接客イベントのステータスを示す情報(応対ステータス323、開始時刻324)の更新が行われる。従って、担当者は、画面700において開始ボタン702に対する操作入力を行うことで、接客開始の入力を行うことができる。このとき支援サーバ100には、担当者の通信端末200からその旨を示す情報が送信され、対応する接客イベント情報の応対ステータス323が接客中に変更され、開始時刻324に現在時刻が格納される。また経過時間325の情報は、現在時刻と開始時刻324との差分の時間に例えば所定の時間間隔で更新される。
【0064】
接客中、担当者は、用件の対応を行いながら、画面700の商材選択エリア704に表示される情報を適宜参照して、商材の提案を行う。商材選択エリア704には、キャンペーン展開中の商材や利益率の高い商材等、店舗400や携帯回線事業者等が重点的にプロモーションしている重点商材721と、その他の一般商材722とが配置される。図の例では、重点商材721としては、インターネット(光回線)接続サービス、電力供給サービス、及びクレジットカードの商材が配列され、一般商材722には、基本的にはオプションに相当するような、付随的な商材が配列されている。ここで、重点商材721は、一般商材722に比べ、より積極的に提案され得る商材であるため、複数種類の選択肢がそれぞれ分離して配列されている。対して、一般商材722は、例えば顧客の好みや価値観等に応じて提案される部類の商材であり、重点商材721に比べて提案の機会が少ないことが想定されるため、画面700の画面において細かなサブオプションは配列されず、大分類の商材が配置され、例えばサブオプションの組み合わせについては、一般商材722の項目の選択後に表示される不図示の別画面にて選択可能に構成されるものであってよい。
【0065】
ところで、販売代理店において提案可能な商材は多岐に渡るため、接客業務に係るプロセスの評価のために、提案した/する商材を多様な商材の中から選択して入力することを、接客中の担当者に強いることは現実的ではない。このため、商材選択エリア704に配置される商材の項目は、接客開始前にフロアマネージャー401により入力された顧客情報エリア502の情報に応じて変更される。顧客に需要がある、あるいは契約獲得に繋がり得る商材は、顧客の用件や契約している携帯回線事業者等に応じてある程度限定できる、あるいは、過去の契約実績から顧客の年齢層や家族構成等について傾向を分析できる。故に、支援サーバ100は、接客開始前に顧客情報エリア502に係り取得された情報に応じて、接客時に担当者の通信端末200に表示される画面700において、商材選択エリア704に配置される商材を異ならせる制御を行う。この制御は、重点商材721として配置される各項目(光回線接続サービス、電力供給サービス、クレジットカード等)の表示有無の切り替えも含む。
【0066】
図7の例では、用件が「機種変更」で、顧客が契約中の携帯回線事業者(キャリア)が「B社」であるため、商材選択エリア704の重点商材721には、全重点商材のうち、B社の利用料金への割引がある光回線接続サービス、電力供給サービス、及びクレジットカードの商材の項目のみが配置されている。また一般商材722には、B社の提供するオプションの項目のみが配置されている。
【0067】
担当者は、このように商材選択エリア704に配置された商材から、提案する商材について選択して更新ボタン705に対する操作入力を行うことで、自身の評価に繋がる業務内容の情報を支援サーバ100に送信することができる。図7の例では、担当者により選択された商材の項目は、提案を行った商材として明示するために、着色状態が異なって示されている(図では、項目にハッチングが付されている)。
【0068】
このようにすることで、担当者の情報入力に係る手間が削減されるため、接客中であってもプロセス管理に必要な情報を好適に収集することができる。また別の観点では、顧客への提案が有効な商材のみが商材選択エリア704に並ぶため、接客時間の短縮、担当者の提案(案内)忘れの防止、経験の浅いスタッフの教育促進の面で、接客業務を効率化することができる。また顧客側の観点では、不要な商材や関心のない商材の提案が減り、より顧客にとって有益な商材の提案がなされるため、満足度の高い接客サービスを受けることができる。
【0069】
(接客終了時)
用件を含む各種商材の契約や必要な手続きが完了して接客が終了すると、担当者は、使用する通信端末200において接客終了の入力を行う。接客終了の入力は、画面700の終了ボタン703に対する操作入力によって受け付けられる。支援サーバ100には、担当者に依る終了ボタン703への操作入力がなされたことを契機としてその旨の情報が送信され、対応する接客イベント情報の応対ステータス323が接客終了に変更され、経過時間325は現在の時刻で固定される。
【0070】
その後、担当者の通信端末200の表示は、画面700から図8に示される画面800に遷移する。画面800は、今回の接客イベントにおいて契約の獲得(成約)に至った商材を入力する、実績入力用の画面である。図8に示されるように、画面800は、画面700の事前情報エリア701と同様の事前情報エリア801と、提案した商材についての提案結果を入力する実績入力エリア802と、各種入力の接客イベント情報への反映に用いられる更新ボタン803とを具備する。実績入力エリア802には、提案した重点商材について契約を獲得したか失注したかを入力する重点商材結果811と、提案した一般商材について契約を獲得したか失注したかを入力する一般商材結果812とが含まれる。
【0071】
重点商材結果811は、提案した重点商材が提案重点商材821に表示され、担当者は、当該重点商材についての提案結果を獲得ボタン822と失注ボタン823のいずれを選択状態とするかによって入力することができる。獲得ボタン822と失注ボタン823は、いずれも初期状態において未選択の状態となっており、いずれか一方のみを選択状態に変更可能に制御される。つまり、獲得ボタン822が選択状態の場合に失注ボタン823の選択操作がなされた場合には、失注ボタン823が選択状態になる一方で、獲得ボタン822が未選択状態になるよう制御される。従って、担当者は、接客イベントについて提案した重点商材について、契約の獲得に至ったのか、失注したのかを簡易に入力することができる。
【0072】
一方で、一般商材結果812には、提案した一般商材の項目が配置され、担当者は当該一般商材のうちの契約を獲得した商材の項目に対する操作入力を行うことでその着色状態を変更(例えば項目の色を変更)し、その状態によって契約の獲得に至ったのか失注したのかを入力することができる。
【0073】
担当者は、画面800において応対した接客イベントについての商材の提案結果を入力後、更新ボタン705に対する操作入力を行うことで、当該接客イベントに係る実績の情報を支援サーバ100に送信することができる。なお、画面800の例では発明の理解を容易にするために省略しているが、接客イベントに係り携帯電話端末のアクセサリ等の販売を行った場合の売上の情報を、画面800において入力可能としてもよい。支援サーバ100では、提案結果の情報が受信されると、当該情報に基づいて該当の接客イベント情報の提案商材情報318の結果情報332や売上情報319の情報が更新される。また提案された全ての商材について接客イベント情報に結果情報332が格納されると、当該接客イベント情報に基づいて接客イベントに係る実績情報が生成されて実績DB130に登録される。
【0074】
このように、接客終了時の提案結果の入力に際しても、実績入力エリア802に表示される情報が接客中に提案を行った商材に限定して画面800の表示が行われるため、担当者は容易に提案結果の入力を完了することができる。
【0075】
(その他情報提供)
このような、接客イベントの実務に関連してフロアマネージャー401及びスタッフ402(担当者)に情報提供を行う機能に加え、本実施形態の支援サービスでは、実務を行っていない期間においても種々の情報をユーザが確認可能な機能を有する。
【0076】
情報提供機能の1つ目は、店舗運営に係るスケジュール管理機能である。当該機能は、図6に示したスケジュール一覧画面600にて、1つの店舗400に所属するユーザのスケジュール情報を提供する。スケジュール一覧画面600では、フロアマネージャー401を含む従業員のスケジュールが表示されており、図中、横方向に各ユーザのカラムが並び、縦方向に時間軸が設けられて各ユーザに割り当てられた接客イベントに係るスケジュールが矩形で表示されている。
【0077】
図6に示した例では、スケジュール一覧画面600は、閲覧当日のスケジュールを示しており、現在時刻についての時刻ライン601が示されている。各接客イベントに係る矩形は、対応する接客イベント情報の開始予定時刻321及び終了予定時刻322に基づいて構成されており、当該矩形内に接客ID及び用件の表示を含む。また接客イベント情報の応対ステータス323が接客中である接客イベントについては、接客中アイコン602が示されている。
【0078】
なお、スケジュール一覧画面600は、接客イベント以外にも、研修を行っていることを示す「ロープレ」や、ユーザがフロアマネージャー401として業務を行っていることを示す「フロマネ」、休憩中であることを示す「休憩」のスケジュールが含まれている。
【0079】
スケジュール一覧画面600は、店舗単位で構成され、店舗に専属するフロアマネージャー401及びスタッフ402は、所属先の店舗に係るスケジュール一覧画面600を通信端末200を使用して閲覧することができる。一方、複数の店舗に所属するフロアマネージャー401や、複数の店舗を管理するエリアマネージャー403は、店舗を切り替える操作入力を行うことで、他の店舗のスケジュール一覧画面600を閲覧することもできる。またスケジュール一覧画面600は、当日のスケジュールに限らず、接客イベントDB120に接客イベント情報が管理されている期間の各日について、切り替えて閲覧可能に構成されるものであってもよい。
【0080】
情報提供機能の2つ目は、フロアマネージャー401に現在の店舗400の接客状況の管理機能である。当該機能は、図9に示した接客状況画面900にて、現在店舗400において応対されている接客イベント(応対ステータス323が接客中の接客イベント)の一覧を提供する。接客状況画面900では、現在接客中の接客イベントの各々について、担当者名901、接客ID902、用件903、経過時間904、応対の終了指示を行うための終了ボタン905、担当者が提案している商材を閲覧可能な商材選択状況エリア906、及び事前情報を確認するための事前情報確認ボタン907が表示される。
【0081】
フロアマネージャー401は、接客状況画面900により、現在接客中のスタッフ402がどのような要件について、どのような商材を提案し、どの程度の時間を要しているかの接客状況を一覧で把握することができる。フロアマネージャー401は、接客状況画面900に基づいて、契約獲得のためのアドバイスや好適な商材の案内等、担当者のサポートが必要かどうか、あるいは、時間がかかりすぎている接客イベントについて担当者交代の対処を行うことができる。
【0082】
担当者交代については、例えば対象の接客イベントに配置された終了ボタン905への操作入力を行うことで手続きを開始できる。終了ボタン905に対する操作入力がなされたことを契機として、フロアマネージャー401の通信端末200の表示は、図10(a)に示すようなスケジュール一覧画面1000に遷移する。スケジュール一覧画面1000では、対象の接客イベントに係る矩形1001が例えば強調表示等により識別可能に表示され、フロアマネージャー401は、図10(b)のように当該矩形1001を次の担当者(交代後の担当者)のカラムに移動させて保存ボタン1002に対する操作入力を行うことで、担当者の交代に係るスケジュール変更を行うことができる。
【0083】
より詳しくは、保存ボタン1002に対する操作入力がなされたことを契機として、支援サーバ100では、対応する接客イベント情報の担当者ID314を次の担当者のユーザIDに変更し、スケジュール情報315及び交代情報320も変更する。交代情報320の変更は、例えば交代前の担当者について、当該担当者のユーザIDに関連付けて、当該担当者が応対していた時間の情報(経過時間325)、及び交代前に契約獲得の合意が得られていた商材の情報を格納することにより行われる。またスケジュール情報315の変更は、例えば、応対ステータス323の接客保留中への変更、開始予定時刻321及び終了予定時刻322の再設定、経過時間325のリセットを含むものであってよい。
【0084】
担当者交代に係りフロアマネージャー401により入力された情報の反映がなされると、交代前の担当者及び交代後の担当者のそれぞれが使用する通信端末200に支援サーバ100から通知が送信される。前者の通信端末200に送信される通知は、現在接客中の接客イベントについて交代が指示された旨を示すものである。また後者の通信端末200に送信される通知は、他のスタッフ402が応対していた接客イベントの引継ぎを指示する旨を示すものである。引継ぎを指示する旨の通知には、開始予定時刻321や用件、顧客についての事前情報、交代前の提案商材の情報等が含まれるものであってもよい。
【0085】
交代後の担当者は、引き継ぐ接客イベントに係るカウンターに就くと、接客時と同様に、通信端末200を操作して当該接客イベントに係る画面700を表示させて接客開始の入力を行う。つまり、交代後の担当者による開始ボタン702に対する操作入力がなされたことを契機として、支援サーバ100において、該当の接客イベント情報の応対ステータス323が接客中に再度変更され、開始時刻324に現在時刻が格納される。また、経過時間325の情報は、現在時刻と開始時刻324との差分の時間に例えば所定の時間間隔で更新される。
【0086】
なお、交代後の担当者が接客を開始した後に画面700の商材選択エリア704に配置される商材は、当初フロアマネージャー401により入力された顧客情報エリア502の情報に加えて、交代前の担当者による商材提案の結果を踏まえて変更されるものであってよい。
【0087】
また本実施形態では、担当者交代を店舗400に係るスケジュール一覧画面1000において接客イベントに係る矩形1001を移動させることにより行われるものとして説明したが、スケジュール一覧画面1000の一覧に表示させるスタッフ402のカラムを、交代前の担当者と、現在時刻に接客対応が可能であり、かつ、該当用件の対応に係る成績が良好なスタッフ402のものに限定してもよい。これにより、フロアマネージャー401は、顧客来店時と同様に、より適切なスタッフ402のうちから交代後の担当者を選ぶことができる。
【0088】
また担当者交代は、スケジュール一覧画面1000における接客イベントに係る矩形1001の移動により行われる態様に限られるものではなく、例えば接客状況画面900から遷移可能な任意の接客イベントの詳細画面において、直接担当者を入力することによりなされるものであってもよい。
【0089】
情報提供機能の3つ目は、接客業務の実績の集計結果の閲覧機能である。当該機能は、主としてフロアマネージャー401及びエリアマネージャー403に対して提供されるものであり、例えば各商材の契約獲得件数や契約獲得者、契約獲得率/失注率、提案数等を確認可能にする。集計結果は、例えば当日の実績を集計してリアルタイムに確認可能にしたもの(速報)と、月単位や週単位等の所定の時間単位で集計して確認可能にしたものがあってよい。本実施形態の業務支援システムでは図3(c)に示した態様で実績情報を蓄積するため、支援サーバ100は、店舗別、スタッフ別等、種々の方法で集計した結果を、閲覧するユーザの役割に認められた権限に応じて生成して提供する。例えば、エリアマネージャー403が閲覧する態様では、当該エリアマネージャー403が管理する複数の店舗間の実績の比較や、地域ごとの実績の集計結果等を表示させることもできる。当該機能により、店舗運営やスタッフのプロセスを好適に評価し、店舗や地域において展開する販売戦略の決定や、各スタッフの指導方針の決定等を効率化することができる。
【0090】
《情報提供処理》
以下、本実施形態の支援サーバ100において実行される、接客イベントが行われる際に支援サービスに係る画面を通信端末200において表示するための情報(表示用情報)を提供する情報提供処理について、図11のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。本情報提供処理は、例えば支援サービスにログインしてセッションが確立されている通信端末200から、当該支援サービスに係る表示用情報の提供要求を受信した際に開始されるものとして説明する。
【0091】
なお、表示用情報の提供要求は、上述した各種機能の画面に遷移するための操作入力や、各種画面について入力された情報を接客イベント情報等に反映するための操作入力がなされたことを契機として、当該操作入力がなされた通信端末200から支援サーバ100に対して送信されるものとする。従って、提供要求は、接客イベント情報を特定する接客IDの情報や接客イベント情報を更新するための情報等、状況に応じて他の情報とともに支援サーバ100に送信され得る。
【0092】
また、以下の説明では発明の理解を容易にするために、本情報提供処理は、接客イベントに関する実務を行うフロアマネージャー401及び担当者(スタッフ402)のユーザに対し、これらのユーザが使用する通信端末200に表示用情報を提供する処理のみを含むものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、情報提供処理は、担当者以外のスタッフ402やエリアマネージャー403に対して、接客イベントに係る表示用情報を提供する処理を含むものであってもよいことは言うまでもない。
【0093】
S1101で、制御部101は、提供要求を送信した通信端末200を使用するユーザの役割を特定する。より詳しくは、制御部101は、提供要求を受信したセッションについてログインしているユーザのユーザIDを取得し、当該ユーザIDについてユーザDB110に管理されているユーザ情報の役割情報304を参照することで、提供要求を送信した通信端末200を使用するユーザの役割を特定する。
【0094】
S1102で、制御部101は、S1101において特定したユーザの役割がフロアマネージャー401であるか否かを判断する。制御部101は、ユーザの役割がフロアマネージャー401であると判断した場合は処理をS1103に移し、フロアマネージャー401ではない、即ち、スタッフ402であると判断した場合は処理をS1104に移す。
【0095】
S1103で、制御部101は、フロアマネージャー401用の表示用情報の生成に係る第1生成処理を実行する。
【0096】
〈第1生成処理〉
ここで、本ステップにおいて実行される第1生成処理について、図12のフローチャートを参照して詳細を説明する。
【0097】
S1201で、制御部101は、受信した提供要求が特定の接客イベントについての操作入力に基づくものであるか否かを判断する。本ステップの判断は、受信した提供要求とともに接客IDを受信しているか否かに基づいて判断される。即ち、本ステップにおいて制御部101は、受信した提供要求が、接客イベント情報あるいは暫定的に生成された接客イベント情報についての表示用情報の提供要求であるか否かを判断する。制御部101は、受信した提供要求が特定の接客イベントに対する操作入力に基づくものであると判断した場合は処理をS1202に移し、そうではないと判断した場合は処理をS1211に移す。
【0098】
S1202で、制御部101は、提供要求とともに受信した接客IDに基づいて、当該接客IDが付された接客イベント情報の応対ステータス323を参照し、接客開始前であるか否かを判断する。ここで、接客イベント情報は、接客イベントDB120に登録済みのものに加え、メモリ103に保持されている暫定的な接客イベント情報を含む。制御部101、接客IDが付された接客イベント情報の応対ステータス323が接客開始前であると判断した場合は処理をS1203に移し、接客開始前ではないと判断した場合は処理をS1208に移す。なお、本実施形態の第1生成処理では、接客開始前ではない接客イベントについてなされる表示用情報の提供要求は、接客中の接客イベントについての担当者交代に関する表示用情報の提供要求であるものとして説明する。
【0099】
S1203で、制御部101は、受信した提供要求が、顧客情報または開始予定時刻の更新に係る操作入力に基づいてなされたものであるか否かを判断する。即ち、本ブロックにおいて制御部101は、画面500において顧客情報エリア502または開始予定時刻ボックス521になされた入力を接客イベント情報に反映するために更新ボタン505になされた操作入力に基づいてなされたものであるか否かを判断する。本ステップの判断は、提供要求とともに受信する情報に、顧客情報エリア502または開始予定時刻ボックス521に入力された値を変更する情報が含まれるか否かにより行われる。制御部101は、受信した提供要求が、顧客情報または開始予定時刻の更新に係る操作入力に基づいてなされたものであると判断した場合は処理をS1204に移し、そうではないと判断した場合は処理をS1205に移す。
【0100】
S1204で、制御部101は、提供要求とともに受信した情報に基づいて接客イベント情報の対応する情報を更新し、更新後の情報に基づいて、接客イベントの担当に適切なスタッフ402を特定する。そして制御部101は、当該スタッフ402のリストを含めて表示用情報を生成して本第1生成処理を完了する。
【0101】
一方、S1203において、受信した提供要求が顧客情報または開始予定時刻の更新に係る操作入力に基づいてなされたものではないと判断した場合、制御部101は、S1205で、行われる接客イベントについての接客開始に必要な情報が全て入力されたか否かを判断する。本ステップの判断は、提供要求とともに受信した情報により、少なくとも接客の開始に必要な接客イベント情報の担当者ID314、スケジュール情報315、用件情報316、顧客情報317の情報が有効な値となるか否かに基づいてなされる。制御部101は、行われる接客イベントについての接客開始に必要な情報が全て入力されたと判断した場合は処理をS1206に移し、まだ入力されていない情報があると判断した場合は処理をS1207に移す。
【0102】
S1206で、制御部101は、提供要求とともに受信した情報に基づいて接客イベント情報の対応する情報を更新し、更新後の接客イベント情報を接客イベントDB120に登録する。また制御部101は、必要に応じて、即ち、フロアマネージャー401の使用する通信端末200において引き続き画面500に係る操作入力が行われる場合には、登録した接客イベント情報に基づいて表示用情報を生成して本第1生成処理を完了する。
【0103】
一方、S1205においてまだ入力されていない情報があると判断した場合、制御部101はS1207で、供要求とともに受信した情報に基づいて接客イベント情報の対応する情報を更新、更新後の情報に基づいて表示用情報を生成して本第1生成処理を完了する。
【0104】
またS1202において接客イベント情報の応対ステータス323が接客開始前ではないと判断した場合、制御部101はS1208で、受信した提供要求が、接客状況画面900の終了ボタン905に対する操作入力に基づくものであるか否かを判断する。制御部101は、受信した提供要求が終了ボタン905に対する操作入力に基づくものであると判断した場合は処理をS1209に移し、そうではない、即ち、担当者交代のスケジュール変更に係る保存ボタン1002に対する操作入力に基づくものであると判断した場合は処理をS1210に移す。
【0105】
S1209で、制御部101は、担当者交代用のスケジュール一覧画面1000についての表示用情報を生成して第1生成処理を完了する。
【0106】
一方、S1208において受信した提供要求が終了ボタン905に対する操作入力に基づくものではないと判断した場合、制御部101はS1210で、対応する接客イベント情報に対して担当者交代に係る変更を行う。より詳しくは、制御部101は、対応する接客イベント情報の担当者ID314を次の担当者のユーザIDに変更し、スケジュール情報315及び交代情報320を変更する。また制御部101は、必要に応じて、即ち、フロアマネージャー401の使用する通信端末200において引き続き接客状況画面900の閲覧が行われる場合には、接客状況画面900に関する表示用情報を生成して本第1生成処理を完了する。
【0107】
一方、S1201において、受信した提供要求が特定の接客イベントに対する操作入力に基づくものではないと判断した場合、制御部101はS1211で、受信した提供要求が、新規の接客イベントに係る画面500への遷移に係る操作入力に基づくものであるか否かを判断する。即ち、本ステップにおいて制御部101は、受信した提供要求が、顧客来店時の情報入力を新規に行うために画面500を表示させる係る操作入力に応じて送信された提供要求であるか否かを判断する。制御部101は、受信した提供要求が、新規の接客イベントに係る画面500への遷移に係る操作入力に基づくものであると判断した場合は処理をS1212に移し、そうではない、即ち、接客状況画面900への遷移に係る操作入力に基づいくものであると判断した場合は処理をS1213に移す。
【0108】
S1212で、制御部101は、接客イベントDB120に登録予定の暫定的な接客イベント情報について、接客IDを自動採番し、当該接客IDを含む画面500についての表示用情報を生成する。
【0109】
一方、S1211において、受信した提供要求が新規の接客イベントに係る画面の遷移に係る操作入力に基づくものではないと判断した場合、制御部101はS1213で、接客状況画面900についての表示用情報を生成して第1生成処理を完了する。より詳しくは、制御部101は、接客イベントDB120に登録されている接客イベント情報のうち、応対ステータス323が接客中である接客イベント情報に基づいて、接客状況画面900についての表示用情報を生成する。
【0110】
一方、情報提供処理のS1102においてユーザの役割がスタッフ402であると判断した場合、制御部101はS1104で、担当者用の表示用情報の生成に係る第2生成処理を実行する。
【0111】
〈第2生成処理〉
ここで、本ステップにおいて実行される第2生成処理について、図13のフローチャートを参照して詳細を説明する。なお、発明の理解を容易にするため、担当者の使用する通信端末200では、担当する接客イベントに係る画面700が表示され、当該通信端末200からの提供要求とともに、担当する接客イベントの接客IDが受信されるものとする。
【0112】
S1301で、制御部101は、提供要求とともに受信した接客IDに基づいて、当該接客IDが付された接客イベント情報の応対ステータス323を参照し、接客開始前、接客中、接客終了のいずれであるかを判断する。制御部101、接客イベント情報の応対ステータス323が接客開始前であると判断した場合は処理をS1302に移し、接客中であると判断した場合は処理をS1304に移し、接客終了である場合は処理をS1307に移す。
【0113】
S1302で、制御部101は、受信した提供要求が、接客イベントに係る画面700の開始ボタン702に対する操作入力に基づくものであるか否かを判断する。制御部101は、受信した提供要求が開始ボタン702に対する操作入力に基づくものであると判断した場合は処理をS1303に移し、そうでないと判断した場合は本第2生成処理を完了する。
【0114】
S1303で、制御部101は、対応する接客イベント情報の開始時刻324に現在時刻を格納し、また応対ステータス323を接客中に変更する。そして制御部101は、接客を開始したことを示す状態の表示用情報を生成して本第2生成処理を完了する。
【0115】
一方、S1301において応対ステータス323が接客中であると判断した場合、制御部101はS1304で、受信した提供要求が、画面700の終了ボタン703に対する操作入力に基づくものであるか否かを判断する。制御部101は、受信した提供要求が終了ボタン703に対する操作入力に基づくものであると判断した場合は処理をS1305に移し、そうではない、即ち、接客中に選択した提案商材の反映に係る操作入力(更新ボタン705に対する操作入力)に基づくものであると判断した場合は処理をS1306に移す。
【0116】
S1305で、制御部101は、対応する接客イベント情報の経過時間325を現在時刻と開始時刻324の時刻との差で固定し、また応対ステータス323を接客終了に変更する。そして制御部101は、各商材の提案結果を入力するための画面800についての表示用情報を生成して本第2生成処理を完了する。
【0117】
一方、S1304において提供要求が接客終了の操作入力に基づくものではないと判断した場合、制御部101はS1306で、提供要求とともに受信した提案商材の選択情報に基づいて、対応する接客イベント情報の提案商材情報318を更新する。より詳しくは、制御部101は、選択された商材の商材ID331を提案商材情報318に追加する。また制御部101は、担当者の使用する通信端末200において引き続き画面700を表示するために、対応する接客イベント情報に基づいて表示用情報を生成して本第2生成処理を完了する。
【0118】
一方、S1301において応対ステータス323が接客終了であると判断した場合、制御部101はS1307で、提供要求とともに受信した提案結果の情報に基づいて、対応する接客イベント情報の提案商材情報318を更新する。即ち、制御部101は、接客イベント情報の応対ステータス323が接客終了である場合に受信した提案要求は、画面800において更新ボタン803に対する操作入力に基づくものであると判断し、担当者により実績入力エリア802に入力された提案結果の情報に基づいて、提案商材情報318の該当する商材ID331に関連付けられた結果情報332に提案結果の情報を格納して接客イベント情報を更新する。また制御部101は、必要に応じて、即ち、担当者の使用する通信端末200において引き続き画面800の閲覧が行われる場合には、画面800に関する表示用情報を生成して本第2生成処理を完了する。
【0119】
このように、第1生成処理または第2生成処理により表示用情報を生成すると、制御部101は情報提供処理のS1105で、提供要求を送信した通信端末200に当該表示用情報を送信して本情報提供処理を完了する。
【0120】
以上説明したように、本実施形態の業務支援装置によれば、閲覧者の役割と接客業務の進行状況に応じた適切な情報を提供して好適な業務遂行を支援することができる。またこのように接客業務の実績を蓄積することで、スタッフの特性や能力を適切に評価しつつ、今後行われる接客業務について適切なスタッフの選択や顧客に合致した商材の提案をフィードバックすることができる。
【0121】
[変形例1]
上述した実施形態では、顧客に提案する商材は、担当者となったスタッフ402によって選択される態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。顧客に提案すべき商材の選択は、担当者の接客経験に依存するものであるため、好適な商材が提案されない可能性もある。このため、顧客来店時から案内までの期間に、フロアマネージャー401により担当者に提案させる商材の指示を受け付け可能に構成されてもよい。即ち、顧客来店時にフロアマネージャー401の使用する通信端末200に表示される画面に商材の項目が配置され、フロアマネージャー401が好適な商材を選択可能に構成されてもよい。この場合、フロアマネージャー401により選択された商材の情報が接客イベント情報の提案商材情報318に格納され、接客時に、担当者の使用する通信端末200に表示される画面700の商材選択エリア704にて識別可能に表示される。
【0122】
[変形例2]
上述した実施形態では、接客終了に係る操作入力がなされた後に遷移する別画面において、提案した各商材についての提案結果(契約獲得/失注)の入力を受け付けるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。提案結果の入力は、接客中の段階において、例えば商材の選択時に表示されるサブメニューから提案結果を入力可能に構成されてもよい。
【0123】
[その他の実施形態]
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0124】
100:支援サーバ、101:制御部、102:記憶装置、103:メモリ、104:通信I/F、110:ユーザDB、120:接客イベントDB、130:実績DB、200:通信端末、210:ユーザ、300:ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13