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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034181
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】塗布容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
A45D34/04 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138255
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】古原 裕嗣
(72)【発明者】
【氏名】東 和位
(57)【要約】
【課題】所望の量の内容液を被塗布部に供給できる塗布容器を提供する。
【解決手段】本発明に係る態様の塗布容器は、軸方向の第1側端部に供給口が形成されるとともに、内容液が収容される容器本体と、容器本体内を加圧して、供給口を通じて内容液を容器本体の外部に送り出す操作部と、容器本体に対して軸方向に移動可能若しくは変形可能に設けられるとともに、供給口が開口する貯留空間を容器本体との間に形成する塗布部材と、を備えている。塗布部材には、貯留空間の内外を連通させる吐出口が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向の第1側端部に供給口が形成されるとともに、内容液が収容される容器本体と、
前記容器本体内を加圧して、前記供給口を通じて内容液を前記容器本体の外部に送り出す操作部と、
前記容器本体に対して軸方向に移動可能若しくは変形可能に設けられるとともに、前記供給口が開口する貯留空間を前記容器本体との間に形成する塗布部材と、を備え、
前記塗布部材には、前記貯留空間の内外を連通させる吐出口が形成されている塗布容器。
【請求項2】
前記容器本体における軸方向の第2側端部には、軸方向で開口する開口部が形成され、
前記操作部は、前記開口部を閉塞するとともに、弾性変形可能に構成されている請求項1に記載の塗布容器。
【請求項3】
前記塗布部材は、金属材料により形成されている請求項1又は請求項2に記載の塗布容器。
【請求項4】
前記吐出口は、軸方向に交差する向きに開口している請求項1又は請求項2に記載の塗布容器。
【請求項5】
前記容器本体は、前記吐出口内に進入するリブを備えている請求項1又は請求項2に記載の塗布容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
塗布容器として、内容液が収容される収容部と、収容部内に連通する流通路及び連通路が開口する塗布面を有する塗布体と、収納部内を加圧して内容液を流通路に向けて送り出す操作部と、を備えた構成が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。この構成によれば、操作部によって送り出された内容液は、連通路を通じて塗布面上に供給される。その上で、塗布面を被塗布部に接触させることで、内容液を被塗布部に塗布することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5274975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術にあっては、操作部の操作量に応じた量の内容液が一気に塗布面上に供給される。そのため、従来の塗布容器では、所望の量の内容液を被塗布部に供給する点で未だ改善の余地があった。
【0005】
本発明は、所望の量の内容液を被塗布部に供給できる塗布容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係る塗布容器は、軸方向の第1側端部に供給口が形成されるとともに、内容液が収容される容器本体と、前記容器本体内を加圧して、前記供給口を通じて内容液を前記容器本体の外部に送り出す操作部と、前記容器本体に対して軸方向に移動可能若しくは変形可能に設けられるとともに、前記供給口が開口する貯留空間を前記容器本体との間に形成する塗布部材と、を備え、前記塗布部材には、前記貯留空間の内外を連通させる吐出口が形成されている。
【0007】
本態様によれば、操作部の操作によって供給口から送り出された内容液は、一旦貯留空間に流入する。この場合、貯留空間に流入した内容液の一部は、吐出口を通じてそのまま外部に吐出される。一方、貯留空間に貯留された内容液は、容器本体に対する塗布部材の軸方向の第1側への移動に伴い、貯留空間が加圧されることで吐出口を通じて外部に吐出される。これにより、操作部の操作量に関わらず、所望の量の内容液を被塗布部に供給することができる。その結果、使い勝手に優れた塗布容器を提供できる。
【0008】
上記態様に係る塗布容器において、前記容器本体における軸方向の第2側端部には、軸方向で開口する開口部が形成され、前記操作部は、前記開口部を閉塞するとともに、弾性変形可能に構成されていることが好ましい。
本態様によれば、例えば操作部としてピストン等を採用する構成に比べ、低コスト化や構成の簡素化を図ることができる。
【0009】
上記態様に係る塗布容器において、前記塗布部材は、金属材料により形成されていることが好ましい。
本態様によれば、熱伝導性に優れた材料により塗布キャップを形成できるので、塗布キャップを被塗布部に押し当てる際に清涼感を与えることができる。これにより、使い心地に優れた塗布容器を提供できる。
【0010】
上記態様に係る塗布容器において、前記吐出口は、軸方向に交差する向きに開口していることが好ましい。
本態様によれば、供給口を通じて貯留空間に流入した内容液が吐出口を通じて大量に吐出されることを抑制できる。また、塗布容器の直下に内容液が吐出される構成に比べて、被塗布部に対して内容液を均等に吐出することができる。
【0011】
上記態様に係る塗布容器において、前記容器本体は、前記吐出口内に進入するリブを備えていることが好ましい。
本態様によれば、塗布キャップを押し付ける前の状態ではリブと吐出口の開口縁との間の表面張力によって内容液が吐出口から不意に流出することを抑制できる。一方、塗布キャップを押し付けた際には、貯留空間に貯留された内容液がリブを伝って吐出口に向けて流れる。その結果、内容液を所望の箇所に供給し易い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、所望の量の内容液を被塗布部に供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る塗布容器において、オーバーキャップが取り外された状態を示す断面図である。
図2】第1実施形態に係る塗布容器において、オーバーキャップが装着された状態を示す断面図である。
図3】第1実施形態に係る塗布容器において、オーバーキャップが取り外された状態を示す底面図である。
図4】第1実施形態に係る塗布容器の動作説明図である。
図5】第1実施形態に係る塗布容器の動作説明図である。
図6】第2実施形態に係る塗布容器において、オーバーキャップが取り外された状態を示す部分断面図である。
図7】第2実施形態に係る塗布容器において、オーバーキャップが装着された状態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
図1図2に示す塗布容器1は、内容液を被塗布部H(例えば、頭皮等)に塗布するためのものである。本実施形態において、内容液は化粧料や薬剤等を用いることができる。
【0015】
(第1実施形態)
塗布容器1は、容器本体2と、操作部3と、塗布部材4と、オーバーキャップ5(図2参照)と、を備えている。容器本体2、操作部3、塗布部材4及びオーバーキャップ5は、それぞれの中心軸が共通上に位置する筒状に形成されている。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿うオーバーキャップ5を単に下側、操作部3側を単に上側とする。さらに、容器軸O方向から見た平面視において容器軸Oに交差する方向を径方向といい、容器軸O周りに周回する方向を周方向という。
【0016】
容器本体2内には、内容液が収容される。容器本体2は、有底筒状に形成されている。具体的に、容器本体2は、胴部10と、底部11と、装着筒13と、を備えている。
胴部10は、容器軸Oと同軸に配置されている。胴部10における上端部には、上取付部10aが形成されている。胴部10における下端部には、下取付部10bが形成されている。
【0017】
底部11は、胴部10の下端開口部を閉塞している。底部11は、胴部10に対して下方に向けて段付き形状に形成されている。具体的に、底部11は、上段部11aと、突出筒11bと、下段部11cと、を備えている。
上段部11aは、胴部10(下取付部10b)の下端縁から径方向の内側に延びている。突出筒11bは、上段部11aの内周縁から下方に延びている。突出筒11bは、下方に向かうに従い外径が縮小するテーパ筒状に形成されている。下段部11cは、突出筒11bの下端開口部を閉塞している。下段部11cには、供給口11dが形成されている。供給口11dは、下段部11cにおける容器軸Oと同軸に位置する部分を上下方向に貫通している。図示の例において、供給口11dは、下方に向かうに従い漸次拡径されたテーパ状に形成されている。
【0018】
装着筒13は、上段部11aの外周部から下方に延びている。装着筒13は、突出筒11bの周囲を取り囲んでいる。
【0019】
操作部3は、容器本体2内を加圧する。操作部3は、取付部材21と、押圧部材22と、抜け止め部23と、を備えている。
取付部材21は、容器軸Oと同軸に配置された筒状に形成されている。具体的に、取付部材21は、基筒部21aと、支持フランジ21bと、シール筒21cと、位置決め部21dと、規制部21eと、を備えている。
【0020】
基筒部21a内の下端部には、上取付部10aがアンダーカット嵌合されている。
支持フランジ21bは、基筒部21aにおける上下方向の中途部から径方向の内側に張り出している。
シール筒21cは、支持フランジ21bの内周部から下方に延びている。シール筒21cは、上取付部10aの内周面に密接している。
【0021】
位置決め部21dは、支持フランジ21bの内周縁から上方に延びている。本実施形態において、位置決め部21dは、支持フランジ21bの全周に亘って延びている。但し、位置決め部21dは、周方向に間欠的に形成されていてもよい。
規制部21eは、位置決め部21dのうち径方向で向かい合う部分同士を接続している。本実施形態において、規制部21eは、径方向のうち一方向に延びている。但し、規制部21eは、径方向のうち互いに交差する二方向にX字状等に延びていてもよい。
【0022】
押圧部材22は、容器本体2を構成する材質よりも軟らかい軟材質(ゴムやエラストマー等の弾性変形可能な材質)により構成されている。押圧部材22は、ドーム部22aと、台座部22bと、を備えている。
ドーム部22aは、上方に向けて凸の半球状に形成されている。ドーム部22aの外周縁は、支持フランジ21b上に支持されている。したがって、ドーム部22aは、取付部材21を通じて容器本体2の上端開口部を上方から閉塞している。ドーム部22aは、上方から押し下げられることで、下方に向けて弾性変形可能に構成されている(図4参照)。すなわち、塗布容器1では、ドーム部22aの弾性変形によって容器本体2内が加圧される。なお、ドーム部21は、規制部21eに上方から当接することで、下方への変形が規制されている。
【0023】
台座部22bは、容器軸Oと同軸に配置された環状に形成されている。台座部22bは、ドーム部22aの外周縁から径方向の外側に張り出している。
【0024】
抜け止め部23は、容器軸Oと同軸に配置された筒状に形成されている。抜け止め部23は、基筒部21a内の上端部に嵌め込まれている。抜け止め部23は、支持フランジ21bとの間で台座部22bを上下方向に挟み込んでいる。
【0025】
図1図3に示すように、塗布部材4は、容器本体2の下端部に取り付けられて、内容液の貯留及び吐出を行う。塗布部材4は、塗布キャップ31と、ストッパ32と、を備えている。
塗布キャップ31は、金属等、容器本体2に比べて熱伝導に優れた材料により形成されている。キャップ本体31aと、規制フランジ31bと、を備えている。
【0026】
キャップ本体31aは、容器軸Oと同軸に配置された有底筒状に形成されている。キャップ本体31aは、底部11のうち突出筒11b及び下段部11cに至る部分に下方から被せられている。塗布キャップ31と、底部11(突出筒11b及び下段部11c)と、の間には、貯留空間Sが形成されている。貯留空間Sは、突出筒11bの周囲及び下段部11cの下方に亘って連続的に延びる空間である。貯留空間Sには、供給口11dが開口している。すなわち、容器本体2内と貯留空間Sとは、供給口11dを通じて連通している。
【0027】
キャップ本体31aの周壁部31a1は、突出筒11bに径方向で向かい合うとともに。下方に向かうに従い漸次先細るテーパ状に形成されている。周壁部31a1には、吐出口31a2が形成されている。吐出口31a2は、周壁部31a1を径方向(軸方向に交差する方向)に貫通するとともに、上下方向に延びるスリット状に形成されている。本実施形態において、吐出口31a2は、周方向に間隔をあけて複数(例えば3つ)形成されている。吐出口31a2は、貯留空間Sの内外を連通させている。
【0028】
キャップ本体31aの底壁部31a3は、周壁部31a1の下端開口部を閉塞している。底壁部31a3は、外周部に位置する塗布部31a4と、内周部に位置する栓部31a5と、を備えている。
塗布部31a4は、容器軸Oと同軸に配置された環状に形成されている。塗布部31a4は、上方に向けて凸の円弧状に形成されている。
栓部31a5は、底壁部31a3のうち底壁部31a3のうち供給口11dと平面視で重なり合う位置に形成されている。栓部31a5は、塗布部31a4に対して上方に膨出している。
規制フランジ31bは、周壁部31a1の上端縁から径方向の外側から張り出している。
【0029】
ここで、塗布キャップ31は、容器本体2に対して上下動可能に構成されている。具体的に、塗布キャップ31は、栓部31a5によって供給口11dが閉塞された閉塞状態(図2図5参照)と、供給口11dから栓部31a5が離間した開放状態(図1図4参照)と、の間を上下動する。すなわち、塗布キャップ31の上下動に伴い、貯留空間Sが拡縮される。
【0030】
ストッパ32は、塗布キャップ31を容器本体2に連結するためのものである。ストッパ32は、連結筒32aと、連結環32bと、規制筒32cと、を備えている。
連結筒32aは、容器軸Oと同軸に配置されている。連結筒32a内には、装着筒13が嵌め込まれている。
連結環32bは、連結筒32aの下端縁から径方向の内側に張り出している。
規制筒32cは、連結環32bの内周縁から上方に延びている。規制筒32cは、規制フランジ31bに対して上下方向で向かい合っている。規制フランジ31bが規制筒32cに上方から当接することで、塗布キャップ31の下方移動が規制されている。
【0031】
図2に示すように、オーバーキャップ5は、下取付部10bに着脱可能に設けられている。オーバーキャップ5は、容器軸Oと同軸に配置された有底筒状に形成されている。オーバーキャップ5は、囲繞筒5aと、底壁部5bと、閉塞筒5cと、を備えている。
囲繞筒5aは、容器軸Oと同軸に配置されている。オーバーキャップ5が装着された状態において、囲繞筒5aの上端部は、下取付部10bに螺着されている。但し、囲繞筒5aは、螺着以外の方法によって装着されていてもよい。
【0032】
底壁部5bは、囲繞筒5aの下端開口部を閉塞している。オーバーキャップ5が装着された状態において、底壁部5bは、塗布キャップ31を閉塞状態に保持している。すなわち、オーバーキャップ5は、容器本体2への装着に伴い塗布キャップ31を閉塞状態に向けて上方に押し上げるとともに、塗布キャップ31の下方移動を規制している。
【0033】
閉塞筒5cは、底壁部5bから上方に延びている。閉塞筒5cは、オーバーキャップ5が装着された状態において、ストッパ32の内側に進入するとともに、ストッパ32の内側において周壁部31a1の周囲を取り囲んでいる。
【0034】
次に、塗布容器1の使用方法について説明する。以下の説明では、オーバーキャップ5が装着された状態を初期状態として説明する。
まず、図1図2に示すように、オーバーキャップ5を容器本体2から取り外す。これにより、容器本体2に対する塗布キャップ31の上下動が許容される。なお、塗布キャップ31は、オーバーキャップ5を取り外した後、自重によって開放状態に移行してもよく、ドーム部22aの操作によって開放状態に移行してもよい。
【0035】
続いて、図4に示すように、胴部10を把持した状態で、被塗布部Hに塗布部31a4を接触させる。この状態で、ドーム部22aを押し下げる。すると、ドーム部22aが下方に弾性変形することで、容器本体2内が加圧される。これにより、容器本体2内の内容液が供給口11dを通じて貯留空間Sに送り出される。ドーム部22aの押し下げ操作を複数回行うことで、貯留空間Sには内容液が順次送り出される。貯留空間Sに送り出された内容液のうち、一部の内容液は吐出口31a2を通して貯留空間Sから外部に吐出される。一方、貯留空間Sに送り出された内容液のうち、残りの内容液は貯留空間Sに貯留される。
【0036】
図5に示すように、貯留空間Sに内容液が貯留された状態で、塗布部31aを介して塗布容器1を被塗布部Hに押し付ける。すると、塗布キャップ31が上方に押し上げられることで、貯留空間Sが加圧される。貯留空間Sが加圧されることで、貯留空間Sに貯留された内容液が吐出口31a2を通じて径方向に吐出される。そして、塗布部31a4を被塗布部Hに押し当てた状態で、被塗布部Hに対して塗布容器1を移動させる。これにより、貯留空間Sに貯留された内容液を被塗布部Hに塗布することができる。
【0037】
図2に示すように、内容液の塗布後は、容器本体2に対してオーバーキャップ5を装着する。オーバーキャップ5を下取付部10bに締め付けると、容器本体2に対してオーバーキャップ5が上昇する。すると、底壁部5bによって塗布キャップ31が押し上げられることで、塗布キャップ31が閉塞状態に移行する。これにより、オーバーキャップ5が装着された状態において、塗布キャップ31の下方移動が底壁部5bに規制されることで、塗布キャップ31が閉塞状態に保持される。
【0038】
このように、本実施形態の塗布容器1において、容器本体2の下端部に、容器本体2に対して上下方向に移動可能に設けられるとともに、供給口11dが開口する貯留空間Sを容器本体2との間に形成する塗布部材4を備え、塗布部材4には、貯留空間Sの内外を連通させる吐出口31a2が形成されている構成とした。
この構成によれば、操作部3の操作によって供給口11dから送り出された内容液は、一旦貯留空間Sに流入する。この場合、貯留空間Sに流入した内容液の一部は、吐出口31a2を通じてそのまま外部に吐出される。一方、貯留空間Sに貯留された内容液は、容器本体2に対する塗布部材4の上方への移動に伴い、貯留空間Sが加圧されることで吐出口31a2を通じて外部に吐出される。これにより、操作部3の操作量に関わらず、所望の量の内容液を被塗布部Hに供給することができる。その結果、使い勝手に優れた塗布容器1を提供できる。
【0039】
本実施形態の塗布容器1において、操作部3は、容器本体2(胴部10)の上端開口部を閉塞するとともに弾性変形可能な押圧部材22を備える構成とした。
この構成によれば、例えば操作部としてピストン等を採用する構成に比べ、低コスト化や構成の簡素化を図ることができる。
【0040】
本実施形態の塗布容器1において、塗布部材4は、金属材料により形成された塗布キャップ31を備える構成とした。
この構成によれば、熱伝導性に優れた材料により塗布キャップ31を形成できるので、塗布キャップ31を被塗布部Hに押し当てる際に清涼感を与えることができる。これにより、使い心地に優れた塗布容器1を提供できる。
【0041】
本実施形態の塗布容器1において、吐出口31a2が径方向に開口している構成とした。
この構成によれば、供給口11dを通じて貯留空間Sに流入した内容液が吐出口31a2を通じて大量に吐出されることを抑制できる。また、塗布容器1の直下に内容液が吐出される構成に比べて、被塗布部Hに対して内容液を均等に吐出することができる。
【0042】
(第2実施形態)
第2実施形態では、吐出口31a2に対応してリブ50が設けられている点で第1実施形態と相違している。
図6図7に示す塗布容器1において、吐出口31a2は、周壁部31a1及び塗布部31a4との境界部分を跨って、周壁部31a1及び塗布部31a4の外周部分に亘って形成されている。すなわち、吐出口31a2は、径方向及び下方に連続して開口している。
【0043】
容器本体2は、リブ50を備えている。リブ50は、突出筒11bのうち周方向で各吐出口31a2と同じ位置に形成されている。各リブ50は、突出筒11bから径方向に突出するとともに、上下方向に延びている。リブ50の下端部は、下段部11cよりも下方に突出している。なお、図示の例において、リブ50の下端部は、下方に向けて丸みを帯びている。
【0044】
リブ50の一部は、対応する吐出口31a2内に進入している。これにより、容器本体2に対する塗布キャップ31の回転がリブ50によって規制されている。本実施形態において、リブ50の下端部は、塗布キャップ31が閉塞状態にあるとき、吐出口31a2(下段部11cに形成された部分)を通じて塗布キャップ31の外部に突出している。なお、リブ50は、容器本体2に対する塗布キャップ31の上下動に伴い、吐出口31a2に対して進退する構成であってもよい。すなわち、塗布キャップ31が閉塞状態にあるとき、リブ50が吐出口31a2に進入し、塗布キャップ31が開放状態にあるとき、リブ50が吐出口31a2から退避する構成であってもよい。
【0045】
本実施形態の塗布容器1において、塗布キャップ31を押し付ける前の状態ではリブ50と吐出口31a2の開口縁との間の表面張力によって内容液が吐出口31a2から不意に流出することを抑制できる。一方、塗布キャップ31を押し付けた際には、貯留空間Sに貯留された内容液がリブ50を伝って吐出口31a2に向けて流れる。その結果、内容液を所望の箇所に供給し易い。
【0046】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
上述した実施形態では、操作部3が弾性変形可能な押圧部材22を備える構成について説明したが、この構成に限られない。操作部3は、容器本体2内を加圧できる構成であれば、ピストン等であってもよい。
上述した実施形態では、塗布部材4が塗布キャップ31とストッパ32とを備える構成について説明したが、この構成に限られない。塗布部材4は一体に形成されていてもよい。また、塗布キャップ31は、金属材料に限らず、樹脂材料等によって形成されていてもよい。さらに、上述した実施形態では、塗布キャップ31が容器本体2に対して上下動する構成について説明したが、この構成に限られない。塗布キャップ31は、容器本体2に対して上下方向に変形することで、貯留空間Sを拡縮させるような構成であってもよい。
【0047】
上述した実施形態では、オーバーキャップ5が装着された状態において、塗布キャップ31が閉塞状態に保持される構成について説明したが、この構成に限られない。
上述した実施形態では、吐出口31a2が径方向に開口する構成について説明したが、この構成に限られない。
【0048】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0049】
本発明の態様は、例えば以下の通りである。
<1>軸方向の第1側端部に供給口が形成されるとともに、内容液が収容される容器本体と、
前記容器本体内を加圧して、前記供給口を通じて内容液を前記容器本体の外部に送り出す操作部と、
前記容器本体に対して軸方向に移動可能若しくは変形可能に設けられるとともに、前記供給口が開口する貯留空間を前記容器本体との間に形成する塗布部材と、を備え、
前記塗布部材には、前記貯留空間の内外を連通させる吐出口が形成されている塗布容器。
<2>前記容器本体における軸方向の第2側端部には、軸方向で開口する開口部が形成され、
前記操作部は、前記開口部を閉塞するとともに、弾性変形可能に構成されている<1>に記載の塗布容器。
<3>前記塗布部材は、金属材料により形成されている<1>又は<2>に記載の塗布容器。
<4>前記吐出口は、軸方向に交差する向きに開口している<1>から<3>の何れかに記載の塗布容器。
<5>前記容器本体は、前記吐出口内に進入するリブを備えている<1>から<4>の何れかに記載の塗布容器。
【符号の説明】
【0050】
1:塗布容器
2:容器本体
3:操作部
4:塗布部材
11d:供給口
31a2:吐出口
50:リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7