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特開2024-34191商品管理システム、及び、商品管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034191
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】商品管理システム、及び、商品管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240306BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20240306BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06K7/10 256
G07G1/00 311D
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138277
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】501270287
【氏名又は名称】帝人フロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(72)【発明者】
【氏名】桑原 由樹
(72)【発明者】
【氏名】平野 義明
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142AA03
3E142BA20
3E142DA20
3E142EA02
3E142EA13
3E142FA31
3E142FA33
3E142GA04
3E142JA01
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】利便性が高い商品管理システムを提供する。
【解決手段】読取部101は、アンテナを介して、無線タグからタグ情報を読み取る。判別部301は、読取部101が読み取ったタグ情報と、記憶部22に記憶された商品管理情報とに基づいて、商品が処理対象品であるか否かを判別する。送信部302は、判別部301による判別結果をユーザに報知する報知装置に判別結果を送信する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの手に装着又は把持され、商品に付された無線タグから前記商品を識別可能なタグ情報を読み取る読取装置と、商品毎に消費期限又は賞味期限を示す商品管理情報を記憶する記憶装置と、情報を処理する情報処理装置とを備える商品管理システムであって、
前記読取装置は、
アンテナと、
前記アンテナを介して、前記無線タグから前記タグ情報を読み取る読取手段と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記読取手段が読み取った前記タグ情報と、前記記憶装置に記憶された前記商品管理情報とに基づいて、前記商品が処理対象品であるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段による判別結果を前記ユーザに報知する報知装置に前記判別結果を送信する送信手段と、を備える、
商品管理システム。
【請求項2】
前記読取装置は、前記ユーザの手に装着され、
前記読取装置は、前記ユーザの手の第1部分から第2部分に延在する導電性部材を備え、
前記アンテナは、前記第1部分に配置され、
前記読取手段は、前記商品に付された前記無線タグが前記第2部分と近接したときに、前記アンテナを介して、前記無線タグから前記タグ情報を読み取る、
請求項1に記載の商品管理システム。
【請求項3】
前記報知装置を備え、
前記報知装置は、前記判別結果を前記ユーザに報知する報知手段を備える、
請求項1又は2に記載の商品管理システム。
【請求項4】
前記処理対象品は、値引きの対象である値引対象品であり、
前記報知手段は、前記商品が前記値引対象品であることを第1の音により前記ユーザに報知し、前記商品が前記値引対象品でないことを前記第1の音とは異なる第2の音により前記ユーザに報知する、
請求項3に記載の商品管理システム。
【請求項5】
前記処理対象品は、値引きの対象である値引対象品であり、
前記報知手段は、前記商品が前記値引対象品であることを第1の振動により前記ユーザに報知し、前記商品が前記値引対象品でないことを前記第1の振動とは異なる第2の振動により前記ユーザに報知する、
請求項3に記載の商品管理システム。
【請求項6】
前記処理対象品は、値引きの対象である値引対象品であり、
前記判別手段は、前記商品が前記値引対象品である場合、前記商品の値引率を特定し、
前記送信手段は、前記商品が前記値引対象品である場合、前記報知装置に前記値引率を送信し、
前記報知手段は、前記商品が前記値引対象品である場合、前記値引率を前記ユーザに報知する、
請求項3に記載の商品管理システム。
【請求項7】
前記報知手段は、前記商品が前記値引対象品である場合、前記値引率を前記値引率に応じた音により前記ユーザに報知する、
請求項6に記載の商品管理システム。
【請求項8】
前記報知手段は、前記商品が前記値引対象品である場合、前記値引率を前記値引率に応じた振動により前記ユーザに報知する、
請求項6に記載の商品管理システム。
【請求項9】
前記処理対象品は、廃棄の対象である廃棄対象品であり、
前記報知手段は、前記商品が前記廃棄対象品であることを第1の音により前記ユーザに報知し、前記商品が前記廃棄対象品でないことを前記第1の音とは異なる第2の音により前記ユーザに報知する、
請求項3に記載の商品管理システム。
【請求項10】
前記処理対象品は、廃棄の対象である廃棄対象品であり、
前記報知手段は、前記商品が前記廃棄対象品であることを第1の振動により前記ユーザに報知し、前記商品が前記廃棄対象品でないことを前記第1の振動とは異なる第2の振動により前記ユーザに報知する、
請求項3に記載の商品管理システム。
【請求項11】
前記処理対象品は、値引きの対象である値引対象品、及び、廃棄の対象である廃棄対象品であり、
前記報知手段は、前記商品が前記値引対象品であることを第1の音により前記ユーザに報知し、前記商品が前記廃棄対象品であることを前記第1の音とは異なる第2の音により前記ユーザに報知し、前記商品が前記値引対象品及び前記廃棄対象品でないことを前記第1の音及び前記第2の音とは異なる第3の音により前記ユーザに報知する、
請求項3に記載の商品管理システム。
【請求項12】
前記処理対象品は、値引きの対象である値引対象品、及び、廃棄の対象である廃棄対象品であり、
前記報知手段は、前記商品が前記値引対象品であることを第1の振動により前記ユーザに報知し、前記商品が前記廃棄対象品であることを前記第1の振動とは異なる第2の振動により前記ユーザに報知し、前記商品が前記値引対象品及び前記廃棄対象品でないことを前記第1の振動及び前記第2の振動とは異なる第3の振動により前記ユーザに報知する、
請求項3に記載の商品管理システム。
【請求項13】
前記報知装置は、前記読取装置である、
請求項3に記載の商品管理システム。
【請求項14】
前記報知装置は、前記ユーザが携帯する端末装置である、
請求項3に記載の商品管理システム。
【請求項15】
前記報知装置は、前記情報処理装置である、
請求項14に記載の商品管理システム。
【請求項16】
前記処理対象品は、値引きの対象である値引対象品であり、
前記商品管理情報は、商品毎に前記消費期限又は前記賞味期限と販売価格とを示し、
前記判別手段は、前記商品が前記値引対象品である場合、前記商品の値引率を特定し、
前記情報処理装置は、前記商品が前記値引対象品である場合、前記商品管理情報が示す前記商品の販売価格を、前記値引率に応じた値引後の販売価格に更新する更新手段を備える、
請求項1又は2に記載の商品管理システム。
【請求項17】
ユーザの手に装着又は把持され、商品に付された無線タグから前記商品を識別可能なタグ情報を読み取る読取装置と、情報を処理する情報処理装置とが実行する商品管理方法であって、
前記読取装置が、アンテナを介して、前記無線タグから前記タグ情報を読み取り、
前記情報処理装置が、前記読み取られた前記タグ情報と、商品毎に消費期限又は賞味期限を示す商品管理情報と基づいて、前記商品が処理対象品であるか否かを判別し、
前記情報処理装置が、判別結果を前記ユーザに報知する報知装置に前記判別結果を送信する、
商品管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、商品管理システム、及び、商品管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、リーダライタによりタグ情報を読み書き可能な無線タグを用いて、商品を管理する技術が知られている。例えば、無線タグに記憶されたタグ情報を用いて、商品の消費期限に応じた処理を実行する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、商品に付された無線タグから読み出した個別ID情報に対応する賞味期限情報をデータベースから読み出し、賞味期限情報に基づいて商品の値引率を決定する技術が記載されている。特許文献1に記載された技術では、棚毎に設けられたリーダライタが、棚に配置された全ての商品に付された無線タグから個別ID情報をまとめて読み取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-185377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、リーダライタが読み取った個別ID情報が、どの商品に対応する個別ID情報であるのかを特定することは困難である。例えば、特許文献1に記載された技術では、1つの棚に消費期限が異なる同一種類の複数の商品が存在する場合、どの商品が値引きの対象になるのかを特定することが困難である。従って、特許文献1に記載された技術は、利便性に関して改善の余地がある。このため、利便性が高い商品管理システムが望まれている。
【0006】
本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、利便性が高い商品管理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の第1の観点に係る商品管理システムは、
ユーザの手に装着又は把持され、商品に付された無線タグから前記商品を識別可能なタグ情報を読み取る読取装置と、商品毎に消費期限又は賞味期限を示す商品管理情報を記憶する記憶装置と、情報を処理する情報処理装置とを備える商品管理システムであって、
前記読取装置は、
アンテナと、
前記アンテナを介して、前記無線タグから前記タグ情報を読み取る読取手段と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記読取手段が読み取った前記タグ情報と、前記記憶装置に記憶された前記商品管理情報とに基づいて、前記商品が処理対象品であるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段による判別結果を前記ユーザに報知する報知装置に前記判別結果を送信する送信手段と、を備える。
【0008】
前記読取装置は、前記ユーザの手に装着され、
前記読取装置は、前記ユーザの手の第1部分から第2部分に延在する導電性部材を備え、
前記アンテナは、前記第1部分に配置され、
前記読取手段は、前記商品に付された前記無線タグが前記第2部分と近接したときに、前記アンテナを介して、前記無線タグから前記タグ情報を読み取ってもよい。
【0009】
前記報知装置を備え、
前記報知装置は、前記判別結果を前記ユーザに報知する報知手段を備えていてもよい。
【0010】
前記処理対象品は、値引きの対象である値引対象品であり、
前記報知手段は、前記商品が前記値引対象品であることを第1の音により前記ユーザに報知し、前記商品が前記値引対象品でないことを前記第1の音とは異なる第2の音により前記ユーザに報知してもよい。
【0011】
前記処理対象品は、値引きの対象である値引対象品であり、
前記報知手段は、前記商品が前記値引対象品であることを第1の振動により前記ユーザに報知し、前記商品が前記値引対象品でないことを前記第1の振動とは異なる第2の振動により前記ユーザに報知してもよい。
【0012】
前記処理対象品は、値引きの対象である値引対象品であり、
前記判別手段は、前記商品が前記値引対象品である場合、前記商品の値引率を特定し、
前記送信手段は、前記商品が前記値引対象品である場合、前記報知装置に前記値引率を送信し、
前記報知手段は、前記商品が前記値引対象品である場合、前記値引率を前記ユーザに報知してもよい。
【0013】
前記報知手段は、前記商品が前記値引対象品である場合、前記値引率を前記値引率に応じた音により前記ユーザに報知してもよい。
【0014】
前記報知手段は、前記商品が前記値引対象品である場合、前記値引率を前記値引率に応じた振動により前記ユーザに報知してもよい。
【0015】
前記処理対象品は、廃棄の対象である廃棄対象品であり、
前記報知手段は、前記商品が前記廃棄対象品であることを第1の音により前記ユーザに報知し、前記商品が前記廃棄対象品でないことを前記第1の音とは異なる第2の音により前記ユーザに報知してもよい。
【0016】
前記処理対象品は、廃棄の対象である廃棄対象品であり、
前記報知手段は、前記商品が前記廃棄対象品であることを第1の振動により前記ユーザに報知し、前記商品が前記廃棄対象品でないことを前記第1の振動とは異なる第2の振動により前記ユーザに報知してもよい。
【0017】
前記処理対象品は、値引きの対象である値引対象品、及び、廃棄の対象である廃棄対象品であり、
前記報知手段は、前記商品が前記値引対象品であることを第1の音により前記ユーザに報知し、前記商品が前記廃棄対象品であることを前記第1の音とは異なる第2の音により前記ユーザに報知し、前記商品が前記値引対象品及び前記廃棄対象品でないことを前記第1の音及び前記第2の音とは異なる第3の音により前記ユーザに報知してもよい。
【0018】
前記処理対象品は、値引きの対象である値引対象品、及び、廃棄の対象である廃棄対象品であり、
前記報知手段は、前記商品が前記値引対象品であることを第1の振動により前記ユーザに報知し、前記商品が前記廃棄対象品であることを前記第1の振動とは異なる第2の振動により前記ユーザに報知し、前記商品が前記値引対象品及び前記廃棄対象品でないことを前記第1の振動及び前記第2の振動とは異なる第3の振動により前記ユーザに報知してもよい。
【0019】
前記報知装置は、前記読取装置であってもよい。
【0020】
前記報知装置は、前記ユーザが携帯する端末装置であってもよい。
【0021】
前記商品管理情報は、商品毎に前記消費期限又は前記賞味期限と販売価格とを示し、
前記判別手段は、前記商品が前記値引対象品である場合、前記商品の値引率を特定し、
前記情報処理装置は、前記商品が前記値引対象品である場合、前記商品管理情報が示す前記商品の販売価格を、前記値引率に応じた値引後の販売価格に更新する更新手段を備えていてもよい。
【0022】
上記目的を達成するために、本開示の第2の観点に係る商品管理方法は、
ユーザの手に装着又は把持され、商品に付された無線タグから前記商品を識別可能なタグ情報を読み取る読取装置と、情報を処理する情報処理装置とが実行する商品管理方法であって、
前記読取装置が、アンテナを介して、前記無線タグから前記タグ情報を読み取り、
前記情報処理装置が、前記読み取られた前記タグ情報と、商品毎に消費期限又は賞味期限を示す商品管理情報と基づいて、前記商品が処理対象品であるか否かを判別し、
前記情報処理装置が、判別結果を前記ユーザに報知する報知装置に前記判別結果を送信する。
【発明の効果】
【0023】
本開示によれば、利便性が高い商品管理システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施の形態1に係る商品管理システムの構成図
図2】実施の形態1に係る読取装置の第1の外観図
図3】実施の形態1に係る読取装置の第2の外観図
図4】実施の形態1に係る読取装置の中継部材の平面図
図5】実施の形態1に係る読取装置の本体部の構成図
図6】実施の形態1に係る読取装置の中継部材の一端の周囲の部材の断面図
図7】実施の形態1に係る読取装置の中継部材の他端の周囲の部材の断面図
図8】実施の形態1に係る商品管理システムの機能構成図
図9】商品管理情報を示す図
図10】値引管理情報を示す図
図11】実施の形態1に係る各装置が実行する処理の流れを示すシーケンス図
図12】実施の形態2に係る商品管理システムの構成図
図13】実施の形態2に係る商品管理システムの機能構成図
図14】実施の形態2に係る各装置が実行する処理の流れを示すシーケンス図
図15】変形例に係る読取装置の外観図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図中において、同一又は対応する部分には、同一の符号を付す。
【0026】
(実施の形態1)
まず、図1を参照して、実施の形態1に係る商品管理システム1000の構成について説明する。商品管理システム1000は、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗において販売される商品50を管理するシステムである。商品管理システム1000は、管理者(例えば、店長や店員)が商品50を管理することを支援するシステムであるとも言える。商品50は、日配食品、生鮮食品等である。なお、日配食品は、例えば、毎日配送される食品であり、弁当、おにぎり、サンドイッチ、パン、牛乳、デザート、漬け物、水物である。商品50は、例えば、店舗の棚に配置される
【0027】
商品50には、消費期限、賞味期限等が存在する。消費期限、賞味期限等を過ぎた商品50は、販売されずに、廃棄、回収等の対象となる。このため、消費期限、賞味期限等を過ぎる前に、商品50を値引きして販売することが好適である。また、消費期限、賞味期限等を過ぎた商品50は廃棄することが好適である。商品管理システム1000は、上記管理者であるユーザが注目する商品50が処理対象品であるか否かを判別し、判別結果をユーザに報知するシステムである。処理対象品は、値引きの対象である値引対象品、廃棄の対象である廃棄対象品等である。本実施の形態では、処理対象品は値引対象品である。
【0028】
本実施の形態では、商品50に付された無線タグ60を用いて商品50を管理する。無線タグ60は、管理される商品50を識別するためのタグ情報を記憶し、管理される商品50に付される。本実施の形態では、無線タグ60は、RFID(Radio Frequency Identification)システムにおける無線IC(Integrated Circuit)タグのうち、電池を内蔵しないタグであるパッシブタグである。
【0029】
図1に示すように、商品管理システム1000は、読取装置100と、サーバ200と、情報処理装置300とを備える。読取装置100とサーバ200と情報処理装置300とは、通信ネットワーク600を介して相互に接続される。通信ネットワーク600は、例えば、インターネットである。
【0030】
読取装置100は、商品50に付された無線タグ60からタグ情報を読み取る装置である。タグ情報は、無線タグ60又は無線タグ60が付された商品50を識別するための情報であり、例えば、数値やアルファベットにより構成される文字列を示す情報である。読取装置100は、ユーザの手に装着された状態で使用される。読取装置100は、例えば、小型のリーダライタを備える装置である。読取装置100は、ユーザの手に装着される手袋タイプの装置でもよいし、ユーザの手に把持されるハンディタイプの装置でもよい。本実施の形態では、読取装置100は、手袋タイプの装置である。読取装置100は、通信ネットワーク600を介して、サーバ200、情報処理装置300等と通信する。読取装置100の詳細については、後述する。
【0031】
サーバ200は、商品50の管理に関する各種の情報を提供するサーバである。サーバ200は、クラウドコンピューティングにおけるリソースを提供するクラウドサーバであってもよい。本実施の形態では、サーバ200は、商品毎に消費期限又は賞味期限を示す商品管理情報を記憶する。図1に示すように、サーバ200は、制御部21と、記憶部22と、通信部25とを備える。
【0032】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、RTC(Real Time Clock)等を備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)等とも呼び、サーバ200の制御に係る処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部21において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、サーバ200を統括制御する。RTCは、例えば、計時機能を有する集積回路である。なお、CPUは、RTCから読み出される時刻情報から現在日時を特定可能である。
【0033】
記憶部22は、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の不揮発性の半導体メモリを備えており、いわゆる補助記憶装置としての役割を担う。記憶部22は、制御部21が各種処理を実行するために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部22は、制御部21が各種処理を実行することにより生成又は取得するデータを記憶する。記憶部22は、後述する商品管理情報と値引管理情報とを記憶する。
【0034】
通信部25は、制御部21による制御に従って、通信ネットワーク600に接続された装置と通信する。通信部25は、通信ネットワーク600に接続する機能を有し、通信ネットワーク600に接続された、読取装置100及び情報処理装置300と通信する。通信部25は、各種の通信規格に準拠した通信インターフェースを備える。サーバ200は、記憶装置の一例である。
【0035】
情報処理装置300は、各種の情報処理を実行する装置である。情報処理装置300は、タブレット端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等である。図1に示すように、情報処理装置300は、制御部31と、記憶部32と、通信部35とを備える。
【0036】
制御部31は、CPU、ROM、RAM、RTC等を備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP等とも呼び、情報処理装置300の制御に係る処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部31において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、情報処理装置300を統括制御する。
【0037】
記憶部32は、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性の半導体メモリを備えており、いわゆる補助記憶装置としての役割を担う。記憶部32は、制御部31が各種処理を実行するために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部32は、制御部31が各種処理を実行することにより生成又は取得するデータを記憶する。
【0038】
通信部35は、制御部31による制御に従って、通信ネットワーク600に接続された装置と通信する。通信部35は、通信ネットワーク600に接続する機能を有し、通信ネットワーク600に接続された、読取装置100及びサーバ200と通信する。通信部35は、各種の通信規格に準拠した通信インターフェースを備える。
【0039】
次に、読取装置100について詳細に説明する。まず、図2図3図4とを参照して、読取装置100の外観について説明する。図2は、読取装置100の第1の外観図である。より詳細には、図2は、本体部110と中継部材120とが取り付けられた手袋130を備える読取装置100における手の甲側の外観を示す図である。図3は、読取装置100の第2の外観図である。より詳細には、図3は、本体部110と中継部材120とが取り付けられた手袋130を備える読取装置100における手の平側の外観を示す図である。図4は、中継部材120の平面図である。より詳細には、図4は、手袋130と接する面が上方になるように中継部材120を配置したときの中継部材120の平面図である。
【0040】
読取装置100は、中継部材120を介して無線タグ60からタグ情報を読み取る本体部110と、導電性部材121を有する中継部材120と、ユーザの手に装着される手袋130とを備える。本体部110と中継部材120とは手袋130に取り付けられる。
【0041】
本体部110は、無線タグ60からタグ情報を読み取り、無線タグ60にタグ情報を書き込む。なお、本実施の形態では、タグ情報の読み取りについて説明し、タグ情報の書き込みについての説明は省略する。本体部110は、タグ情報を読み取る場合、アンテナから電力供給用電波を放射する。電力供給用電波は、パッシブタグである無線タグ60に電力を供給するための電波である。本実施の形態では、本体部110は、予め定められた周期でタグ情報を読み取る。この周期は、例えば、1秒である。
【0042】
また、本体部110は、アンテナがタグ情報包含電波を受信した場合、タグ情報包含電波により示されるタグ情報を取得する。タグ情報包含電波は、タグ情報を含む電波であり、電力供給用電波を受信した無線タグ60が、電力供給用電波を動力源として放射する電波である。本実施の形態では、本体部110は、UHF(Ultra High Frequency)帯の周波数、つまり、300MHzから3GHzの間の周波数(例えば、920MHz)の電波を用いた電波方式により、無線タグ60からタグ情報を読み取る。本体部110は、例えば、小型のリーダライタである。
【0043】
ここで、図5を参照して、本体部110の構成について説明する。本体部110は、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、操作受付部14と、通信部15と、音出力部16と、振動部17と、無線通信回路18と、アンテナ19とを備える。
【0044】
制御部11は、CPU、ROM、RAM、RTC等を備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP等とも呼び、読取装置100の制御に係る処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部11において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、読取装置100を統括制御する。
【0045】
記憶部12は、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性の半導体メモリを備えており、いわゆる補助記憶装置としての役割を担う。記憶部12は、制御部11が各種処理を実行するために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部12は、制御部11が各種処理を実行することにより生成又は取得するデータを記憶する。
【0046】
表示部13は、制御部11による制御に従って、各種の画像を表示する。例えば、表示部13は、ユーザに各種の情報を提示するための画面を表示する。また、例えば、表示部13は、ユーザから各種の操作を受け付けるための画面を表示する。表示部13は、タッチスクリーン、液晶ディスプレイ等を備える。発光部13Aは、制御部11による制御に従って、各種の色、各種の点灯パターン、又は、各種の点滅パターンで発光する。発光部13Aは、例えば、1つ又は複数のLED(Light Emitting Diode)を備える。操作受付部14は、ユーザから各種の操作を受け付け、受け付けた操作の内容を示す情報を制御部11に供給する。操作受付部14は、タッチスクリーン、ボタン、レバー等を備える。
【0047】
通信部15は、制御部11による制御に従って、通信ネットワーク600に接続された装置と通信する。通信部15は、通信ネットワーク600に接続する機能を有し、通信ネットワーク600に接続された、サーバ200及び情報処理装置300と通信する。通信部15は、各種の通信規格に準拠した通信インターフェースを備える。
【0048】
音出力部16は、制御部11による制御に従って、音を出力する。音出力部16は、スピーカ、ブザー等である。振動部17は、制御部11による制御に従って、振動する。振動部17は、例えば、供給された電気エネルギーを運動エネルギーに変換して振動するバイブレータを備える。
【0049】
無線通信回路18は、タグ情報の読み取り又は書き込みに用いる無線通信のための回路である。無線通信回路18は、電源回路と、発振回路と、変調回路と、復調回路等を備える。アンテナ19は、無線通信回路18が生成した高周波信号に対応する電波を放射する。また、アンテナ19は、受信した電波に対応する高周波信号を無線通信回路18に供給する。本実施の形態では、アンテナ19は、パッチアンテナである。
【0050】
中継部材120は、導電性を有する領域である導電領域が付与されたシート状の部材である。シート状とは、薄くて広い形状を意味し、長手方向の長さと幅方向の長さとに対して厚み方向の長さが十分に短い形状を意味する。中継部材120は、導電性を有する部材のみにより構成されてもよいし、導電性を有する部材と導電性を有しない部材とを有していてもよい。中継部材120は、平面視で導電性を有する導電領域と導電性を有しない非導電領域とが混在していてもよいし、平面視で全面が導電領域であってもよい。本実施の形態では、中継部材120は、平面視で全面が導電領域である。中継部材120は、導電性を有し、シート状の導体である導電性部材121を備える。
【0051】
手袋130は、ユーザが商品50の期限を確認する際に、ユーザの手に装着される。手袋130には、本体部110と中継部材120とが取り付けられる。手袋130の形状は、適宜、調整することができる。手袋130の形状としては、手の甲の少なくとも一部と手の平の少なくとも一部とを覆う形状が考えられる。例えば、手袋130の形状は、手の甲と手の平と5本の指との全てを覆う一般的な形状であってもよい。また、手袋130の形状は、手の甲と手の平との全てを覆い、一部の指を覆い、他の指を覆わない形状でもよい。本実施の形態では、手袋130の形状は、手の甲と手の平との全てを覆い、人差し指を覆い、他の指を覆わない形状である。本実施の形態では、手袋130は、導電性を有しない素材により構成される。
【0052】
本実施の形態では、中継部材120が備える導電性部材121は、ユーザの手の第1部分から第2部分に延在するように手袋130に取り付けられる。第1部分は、アンテナ19を備える本体部110が配置される部分である。第1部分は、タグ情報の読み取り時において、本体部110が配置されても邪魔になりにくい部分であることが好適である。第1部分としては、手の甲、手首の手の平側、手首の手の甲側等が好適である。本実施の形態では、第1部分は、手の甲である。第2部分は、タグ情報の読み取り時において、無線タグ60と近接する部分である。第2部分としては、手の指の手の平側、手の平等が好適である。本実施の形態では、第2部分は、手の指の手の平側である。
【0053】
つまり、本実施の形態では、中継部材120は、手袋130における手の甲側と手袋130における手の平側とを跨ぎ、第1部分から第2部分に延在するように手袋130に取り付けられる。具体的には、本実施の形態では、中継部材120は、中継部材120の一端が手袋130における手の甲に相当する部分に配置され、中継部材120の他端が手袋130における人差し指の手の平側に相当する部分に配置されるように、手袋130に取り付けられる。中継部材120を手袋130に取り付ける方法としては種々の方法がある。例えば、面ファスナーによる取り付け、接着剤による取り付け、両面テープによる取り付け、シールによる取り付け、縫い付けによる取り付け等がある。
【0054】
図4に示すように、本実施の形態では、中継部材120は、平面視で、配置部123と、延在部124と、延在部125と、延在部126とを備える。また、本実施の形態では、中継部材120は、シート状であり導電性を有する導電性部材121と、シート状であり導電性を有しない絶縁性部材122とが重ねられて構成される。導電性部材121は、電磁エネルギーを伝播するための部材である。導電性部材121は、例えば、単体金属、合金等の金属により構成される。導電性部材121は、例えば、メッキ、蒸着等により、絶縁性部材122の表面に形成される。
【0055】
導電性部材121は、本体部110が備えるアンテナ19と無線タグ60が備えるアンテナとの間の電磁エネルギーの伝達を中継する。つまり、導電性部材121は、本体部110が備えるアンテナ19との間で電磁エネルギーを授受する。また、導電性部材121は、無線タグ60が備えるアンテナとの間で電磁エネルギーを授受する。電磁エネルギーは、電界結合、磁界結合(電磁誘導)、電波の送受信、又はこれらの組み合わせにより授受される。
【0056】
絶縁性部材122は、導電性部材121の土台となる部材である。絶縁性部材122は、各種の樹脂により構成される。導電性部材121と絶縁性部材122とは、平面視でほぼ同じ形状であり、平面視でほぼ全面が重なる。図4は、導電性部材121が絶縁性部材122よりも手前側に配置され、絶縁性部材122の全体が導電性部材121に隠れた様子を示している。
【0057】
配置部123は、本体部110が配置される幅広い部分である。より詳細には、配置部123は、本体部110が備えるアンテナ19と対向する部分である。延在部124は、配置部123と延在部125とを結ぶ細長い部分であり、手袋130における手の甲に相当する部分に配置される部分である。延在部125は、延在部124と延在部126とを結ぶ細長い部分であり、手袋130における手の甲と手の平とを跨ぐ部分に配置される部分である。延在部126は、延在部125と接続された細長い部分であり、手袋130における手の平側に相当する部分に配置される部分である。
【0058】
ここで、中継部材120が有する導電領域の長さ、つまり、導電性部材121の長さは、本体部110がタグ情報の読み取りに用いる高周波の波長の1/4以上であることが好適である。導電性部材121の長さは、高周波が導電性部材121を伝播するときの経路長である。また、この波長は、この高周波が使用される場所における波長である。つまり、この波長は、誘電体である手が近傍に存在するときの波長であり、誘電体が存在しない空間における波長よりも短い。導電性部材121の長さがこの高周波の波長の1/4以上である場合、電磁エネルギーが導電性部材121を介してアンテナ19と無線タグ60が備えるアンテナとの間で効率良く伝達されることが、シミュレーションにより確認されている。
【0059】
本体部110は、本体部110が備えるアンテナ19が第1部分に配置されるように手袋130に取り付けられる。本実施の形態では、本体部110は、アンテナ19を含む本体部110の全体が第1部分に配置されるように手袋130に取り付けられる。本体部110を手袋130に取り付ける方法としては種々の方法がある。例えば、面ファスナーによる取り付け、手袋130に設けられたポケットへの挿入による取り付け、接着剤による取り付け、両面テープによる取り付け等がある。
【0060】
次に、図6図7とを参照して、中継部材120を介してアンテナ19と無線タグ60が備えるアンテナ61との間で電磁エネルギーが伝達される様子について説明する。図6は、読取装置100の中継部材120の一端の周囲の部材の断面図である。より詳細には、図6は、本体部110と中継部材120と手袋130と手の皮膚70とを、アンテナ19と中継部材120とを通過する面であって中継部材120と直交する面で切断したときの断面の様子を示す図である。図7は、読取装置100の中継部材120の他端の周囲の部材の断面図である。より詳細には、図7は、中継部材120と手袋130と無線タグ60と手の皮膚70とを、中継部材120とアンテナ61とを通過する面であって中継部材120と直交する面で切断したときの断面の様子を示す図である。
【0061】
図6に示すように、中継部材120の一端の付近では、例えば、手の皮膚70の上に手袋130が配置され、手袋130の上に中継部材120が配置され、中継部材120の上に本体部110が配置される。なお、皮膚70と手袋130との間、手袋130と中継部材120との間、中継部材120と本体部110との間には、隙間があってもよい。また、図6において、皮膚70で示される部分は手の甲に相当する部分であり、手袋130で示される部分は手の甲と接する布地に相当する部分である。また、中継部材120は、導電性部材121が手袋130寄りに配置され、絶縁性部材122が本体部110寄りに配置されるように配置される。
【0062】
また、本体部110が備えるアンテナ19は、本体部110が備える筐体111の内部に配置される。本実施の形態では、アンテナ19は、板状放射素子191と、地板192と、給電線193とを備えるパッチアンテナである。パッチアンテナは、マイクロストリップアンテナとも呼ばれる。板状放射素子191は、給電線193から高周波信号が供給されて、電波を放射する板状の導体である。地板192は、高周波信号に対する基準電位に設定される板状の導体である。給電線193は、高周波信号を板状放射素子191に供給するための導線である。なお、アンテナ19の主な要素は板状放射素子191であり、板状放射素子191のことをアンテナ19ということがある。
【0063】
図7に示すように、中継部材120の他端の付近では、例えば、手の皮膚70の下に手袋130が配置され、手袋130の下に中継部材120が配置され、中継部材120の下に無線タグ60が配置される。なお、皮膚70と手袋130との間、手袋130と中継部材120との間には、隙間があってもよい。また、図7において、皮膚70で示される部分は人差し指に相当する部分であり、手袋130で示される部分は人差し指と接する布地に相当する部分である。また、中継部材120は、導電性部材121が手袋130寄りに配置され、絶縁性部材122が無線タグ60寄りに配置されるように配置される。
【0064】
また、無線タグ60が備えるアンテナ61は、基材62とカバー部材63とに挟まれている。基材62は、アンテナ61が配置される土台となる絶縁体である。カバー部材63は、アンテナ61の表面を絶縁及び保護するシート状の絶縁体である。図7に、中継部材120に近い方からカバー部材63、アンテナ61、基材62の順になるように、無線タグ60が配置された例を示す。
【0065】
図6に示すように、アンテナ19と導電性部材121とは近接して対向する。また、手袋130を手に装着したユーザが人差し指を商品50に付された無線タグ60に近づけると、図7に示すように、導電性部材121とアンテナ61とが近接して対向する。この状態で、無線通信回路18からアンテナ19に高周波信号が供給されると、アンテナ19から電力供給用電波が放射される。
【0066】
すると、アンテナ19から放射された電力供給用電波に対応する電磁エネルギーは、電界結合、磁界結合、電波の送受信、又はこれらの組み合わせにより、導電性部材121の一端に供給される。導電性部材121の一端に供給された電磁エネルギーは、導電性部材121の他端に伝播する。導電性部材121の一端は、導電性部材121が備える両端のうち板状放射素子191と近接する方の端部である。導電性部材121の他端は、導電性部材121が備える両端のうちアンテナ61と近接する方の端部である。
【0067】
導電性部材121の他端に伝播した電磁エネルギーは、電界結合、磁界結合、電波の送受信、又はこれらの組み合わせにより、アンテナ61に供給される。無線タグ60は、導電性部材121から受けた電磁エネルギーにより起動し、タグ情報包含電波をアンテナ61から放射する。アンテナ61から放射された電力供給用電波に対応する電磁エネルギーは、電界結合、磁界結合、電波の送受信、又はこれらの組み合わせにより、導電性部材121の他端に供給される。
【0068】
導電性部材121の他端に供給された電磁エネルギーは、導電性部材121の一端に伝播する。導電性部材121の一端に伝播した電磁エネルギーは、電界結合、磁界結合、電波の送受信、又はこれらの組み合わせにより、アンテナ19に供給される。アンテナ19に供給された電磁エネルギーは、タグ情報を含む高周波信号として無線通信回路18に供給される。無線通信回路18は、供給された高周波信号を復調し、タグ情報を取得する。
【0069】
次に、図8を参照して、商品管理システム1000の機能について説明する。読取装置100は、機能的には、読取部101と、報知部102とを備える。情報処理装置300は、機能的には、判別部301と、送信部302と、更新部303とを備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部12,32に格納される。そして、CPUが、ROM又は記憶部12,32に記憶されたプログラムを実行することによって、これらの各機能を実現する。
【0070】
読取部101は、ユーザの手の第1部分から第2部分に延在する導電性部材121を介して、商品50に付された無線タグ60からタグ情報を読み取る。読取部101は、無線タグ60が第2部分と近接したときに、第1部分に配置されたアンテナを介して、無線タグ60からタグ情報を読み取る。
【0071】
なお、本実施の形態では、第1部分はユーザの手の甲であり、第2部分はユーザの人差し指の手の平側であり、本体部110全体が第1部分に配置される。従って、読取装置100を手に装着したユーザが、人差し指を商品50に付された無線タグ60に近づけると、読取部101はこの無線タグ60からタグ情報を読み取る。なお、制御部11は、読取部101が読み取ったタグ情報を、通信部15を介して情報処理装置300に送信する。読取部101は、読取手段の一例である。
【0072】
報知部102は、判別部301による判別結果をユーザに報知する。この判別結果は、商品50が処理対象品であるか否かの判別結果である。本実施の形態では、この判別結果は、商品50が値引対象品であるか否かの判別結果である。判別結果の報知方法としては、音、振動、画面表示、LED表示等による報知が考えられる。
【0073】
例えば、報知部102は、音出力部16を制御して、判別結果を音によりユーザに報知してもよい。例えば、報知部102は、商品50が値引対象品である場合、音出力部16に第1の音を出力させ、商品50が値引対象品でない場合、第1の音とは異なる第2の音を音出力部16に出力させてもよい。第1の音と第2の音とは、区別可能であればどのような音でもよい。
【0074】
例えば、第2の音は、第1の音に比べて、大きい音又は小さい音、高い音又は低い音、長い音又は短い音等でもよい。例えば、商品50が値引対象品である場合、「ピッ」という音が出力され、商品50が値引対象品でない場合、「ピー」という音が出力されてもよい。また、報知部102は、商品50が値引対象品である場合、値引率を値引率に応じた音によりユーザに報知してもよい。例えば、値引率が10%である場合、「ピッ」という音が1回出力され、値引率が20%である場合、「ピッ」という音が2回出力され、値引率が30%である場合、「ピッ」という音が3回出力されてもよい。また、報知部102は、商品50が値引対象品である場合、音を音出力部16に出力させ、商品50が値引対象品でない場合、音を音出力部16に出力させなくてもよい。
【0075】
また、例えば、報知部102は、振動部17を制御して、判別結果を振動によりユーザに報知してもよい。例えば、報知部102は、商品50が値引対象品である場合、振動部17に第1の振動を発生させ、商品50が値引対象品でない場合、振動部17に第1の振動とは異なる第2の振動を発生させてもよい。第1の振動と第2の振動とは、区別可能であればどのような振動でもよい。
【0076】
例えば、第2の振動は、第1の振動に比べて、振幅が大きい振動又は振幅が小さい振動、振動時間が長い振動又は振動時間が短い振動等でもよい。また、また、報知部102は、商品50が値引対象品である場合、値引率を値引率に応じた振動によりユーザに報知してもよい。例えば、値引率が10%である場合、1秒間継続する振動を1回発生させ、値引率が20%である場合、1秒間継続する振動を2回発生させ、値引率が30%である場合、1秒間継続する振動を3回発生させてもよい。また、報知部102は、商品50が値引対象品である場合、報知部102に振動を発生させ、商品50が値引対象品でない場合、報知部102に振動を発生させなくてもよい。
【0077】
また、例えば、報知部102は、表示部13を制御して、判別結果を判別結果に応じた画面表示によりユーザに報知してもよい。例えば、報知部102は、商品50が値引対象品であるか否かを示す画面を表示部13表示させてもよい。また、報知部102は、商品50が値引対象品である場合、値引率を示す画面を表示部13表示させてもよい。
【0078】
また、例えば、報知部102は、発光部13Aを制御して、判別結果を判別結果に応じたLED表示によりユーザに報知してもよい。例えば、報知部102は、商品50が値引対象品であるか否かを、色、点灯パターン、点滅パターンによりユーザに報知してもよい。例えば、商品50が値引対象品である場合、赤色のLEDを点灯させ、商品50が値引対象品でない場合、青色のLEDを点灯させてもよい。例えば、商品50が値引対象品である場合、LEDを点灯させ、商品50が値引対象品でない場合、LEDを消灯させてもよい。例えば、商品50が値引対象品である場合、LEDを点灯させ、商品50が値引対象品でない場合、LEDを点滅させてもよい。
【0079】
また、報知部102は、商品50が値引対象品である場合、値引率に応じて、LEDの色、点灯パターン、点滅パターンを制御してもよい。例えば、値引率が10%である場合、緑色のLEDを点灯させ、値引率が20%である場合、黄色のLEDを点灯させ、値引率が30%である場合、赤色のLEDを点灯させてもよい。また、例えば、値引率が10%である場合、1つのLEDを点灯させ、値引率が20%である場合、2つのLEDを点灯させ、値引率が30%である場合、3つのLEDを点灯させてもよい。また、例えば、値引率が10%である場合、1秒周期でLEDを点滅させ、値引率が20%である場合、0.5秒周期でLEDを点滅させ、値引率が30%である場合、0.1秒周期でLEDを点滅させてもよい。報知部102は、報知手段の一例である。報知部102は、報知手段の一例である。
【0080】
判別部301は、読取部101が読み取ったタグ情報と、サーバ200に記憶された商品管理情報とに基づいて、商品50が処理対象品であるか否かを判別する。本実施の形態では、判別部301は、タグ情報と商品管理情報とに基づいて、商品50が値引対象品であるか否かを判別する。また、判別部301は、商品50が値引対象品である場合、サーバ200に記憶された値引管理情報に基づいて、値引率を判別してもよい。商品管理情報は、商品を管理するための情報である。商品管理情報は、商品毎に消費期限又は賞味期限を示す情報である。
【0081】
図9に、商品管理情報を示す。図9に示すように、本実施の形態では、商品管理情報は、商品毎に、商品IDと、タグIDと、品名と、メーカー名と、製造日時と、消費期限と、定価と、販売価格とを示す情報である。タグIDは、無線タグ60を識別するための識別情報であり、商品50を識別するための識別情報である。無線タグ60には、無線タグ60が付された商品50を識別するためのタグIDを含むタグ情報が記憶される。例えば、商品IDが1である商品50に付される無線タグ60のタグIDは「AAA」であり、この無線タグ60が記憶するタグ情報には「AAA」というタグIDが含まれる。商品管理情報は、1つの商品のデータを1つのレコードで示す情報である。
【0082】
商品管理情報は、消費期限又は消費期限を特定可能な情報であればよい。従って、商品管理情報は、製造日時を含まない情報でもよい。また、商品管理情報は、消費期限に代えて賞味期限を含む情報でもよい。また、商品管理情報は、消費期限に加えて賞味期限を含む情報でもよい。また、製造日時から消費期限又は消費期限が算出できる場合、商品管理情報は、製造日時を含み、消費期限と消費期限とを含まない情報でもよい。なお、本実施の形態では、消費期限により商品50が値引対象品であるか否かが判別される。
【0083】
判別部301は、商品管理情報に含まれるレコードのうち、読取部101が読み取ったタグ情報に含まれるタグIDを含むレコードを特定する。判別部301は、特定したレコードに含まれる消費期限と現在日時とを比較して、商品50が値引対象品であるか否かを判別する。具体的には、判別部301は、サーバ200が記憶する値引管理情報に基づいて、商品50が値引対象品であるか否かを判別する。また、判別部301は、商品50が値引対象品である場合、値引管理情報に基づいて、値引率を判別する。
【0084】
図10に、値引管理情報を示す。値引管理情報は、品名及び残り時間毎に、値引率を示す情報である。残り時間は、タグ情報の読み込み日時である現在日時から消費期限までの時間である。基本的に、残り時間が短い程、高い値引率が設定される。
【0085】
例えば、現在日時が2022年9月6日の21:00である場合を想定する。タグ情報の読み取り対象の商品50の商品IDが「1」である場合、残り時間は1時間であるため、この商品50は値引率が40%の値引対象品である。タグ情報の読み取り対象の商品50の商品IDが「2」である場合、残り時間は13時間であるため、この商品50は値引率が20%の値引対象品である。また、タグ情報の読み取り対象の商品50の商品IDが「3」である場合、残り時間は49時間であるため、この商品50は値引対象品ではない。判別部301は、判別手段の一例である。
【0086】
送信部302は、判別部301による判別結果を報知装置に送信する。報知装置は、判別部301による判別結果をユーザに報知する装置である。本実施の形態では、報知装置は読取装置100である。送信部302は、商品50が値引対象品である場合、値引率を報知装置に送信してもよい。送信部302は、送信手段の一例である。
【0087】
更新部303は、判別部301が、商品50が値引対象品であると判別した場合、商品管理情報が示す商品50の販売価格を値引率に応じた値引後の販売価格に更新する。例えば、上述した例において、商品50の商品IDが「1」である場合、商品50は、値引率が40%の値引対象品である。従って、商品50の商品IDが「1」である場合、商品管理情報が示す商品IDが「1」の商品の販売価格を、定価200円から40%値引きした値引後の販売価格である120円に更新する。更新部303は、更新手段の一例である。
【0088】
次に、図11を参照して、商品管理システム1000が備える各装置が実行する処理の流れについて説明する。
【0089】
まず、ユーザは、商品50が値引対象品であるか否かを確認したい場合、ステップS11において、読取装置100を装着した手の人差し指を、商品50に付された無線タグ60に近づける。すると、読取装置100は、無線タグ60からタグ情報を読み取る。このタグ情報の読み取りは、導電性部材121を用いた、電界結合、磁界結合、電波の送受信、又はこれらの組み合わせによる電磁エネルギーの伝搬を利用した読み取りである。このため、読取装置100は、読取装置100を装着した手の人差し指に極めて近い無線タグ60からタグ情報を読み取り、他の無線タグ60からタグ情報を読み取らない。つまり、読取装置100は、タグ情報の読取対象の無線タグ60が付された商品50と隣接する商品50に付された無線タグ60から誤ってタグ情報を読み取らない。読取装置100は、ステップS12において、読み取ったタグ情報を情報処理装置300に送信する。
【0090】
情報処理装置300は、読取装置100からタグ情報を受信すると、ステップS13において、サーバ200に消費期限を確認する。つまり、情報処理装置300は、サーバ200が記憶する消費管理情報を参照し、受信したタグ情報に含まれるタグIDを含むレコードに含まれる消費期限を確認する。サーバ200は、ステップS14において、タグ情報が読み取られた無線タグ60が付された商品50の消費期限を示す期限情報を情報処理装置300に送信する。
【0091】
情報処理装置300は、サーバ200から受信した期限情報が示す消費期限に基づいて、商品50が値引対象品であるか否かを判別する。例えば、情報処理装置300は、値引管理情報と現在日時から消費期限までの残り時間とに基づいて、商品50が値引対象品であるか否かを判別する。また、情報処理装置300は、商品50が値引対象品である場合、値引管理情報と残り時間とに基づいて、値引率を特定する。
【0092】
情報処理装置300は、商品50が値引対象品である場合、ステップS15において、サーバ200が記憶する商品管理情報に含まれる販売価格を、値引率に応じた値引後の販売価格に更新する。このため、例えば、この商品50の精算時において、POS(Point of Sales)端末が商品管理情報を参照することにより、値引後の販売価格を特定することができる。情報処理装置300は、ステップS16において、判別結果を読取装置100に送信する。情報処理装置300は、判別結果に加え、値引率を読取装置100に送信してもよい。
【0093】
読取装置100は、商品50が値引対象品である場合、ステップS17において、第1の振動を発生させることにより、商品50が値引対象品であることをユーザに報知する。読取装置100は、商品50が値引対象品でない場合、ステップS18において、第2の振動を発生させることにより、商品50が値引対象品でないことをユーザに報知する。
【0094】
なお、ユーザは、読取装置100が第1の振動を発生させた場合、商品50が値引対象品であると見做す。一方、ユーザは、読取装置100が第2の振動を発生させた場合、商品50が値引対象品でないと見做す。ユーザは、商品50が値引対象品である場合、商品50が値引対象品であることを顧客が認識できるように、各種の処理を実行する。例えば、ユーザは、商品50が値引対象品であることと値引率とを明示するラベルを商品50に貼り付けてもよい。又は、ユーザは、値引対象品が配置される棚に商品50を移動させてもよい。この棚は、値引率毎に設けられていることが好適である。このような処理により、顧客は、商品50が値引対象品であることを速やかに認識することができる。
【0095】
本実施の形態では、ユーザの手に装着された読取装置100が商品50に付された無線タグ60から正確にタグ情報を読み取り、タグ情報に基づいて商品50が処理対象品であるか否かが判別され、判別結果がユーザに報知される。ここで、読取装置100はユーザの手に装着される手袋タイプの装置である。従って、読取装置100がタグ情報を読取可能な範囲は限定されているため、読取装置100はピンポイントでの読み取りが可能である。このため、例えば、ユーザが注目する商品50に隣接する商品50に付された無線タグ60から誤ってタグ情報が読み取られることが抑制される。従って、本実施の形態によれば、商品50が処理対象品であるか否かを、適切にユーザに報知することができる。
【0096】
また、本実施の形態では、商品管理システム1000は、判別結果をユーザに報知する報知装置を備え、報知装置は読取装置100である。従って、本実施の形態によれば、読取装置100とは別に報知装置を用意する必要がなく、利便性の向上、コストの低減等が期待できる。
【0097】
また、本実施の形態では、商品50が値引対象品であることが第1の音によりユーザに報知され、商品50が値引対象品でないことが第1の音とは異なる第2の音によりユーザに報知される。従って、本実施の形態によれば、ユーザは、商品50が値引対象品であるか否かを、出力された音から容易に判別することができる。なお、本実施の形態では、判別結果によらず、何らかの音が出力される。従って、ユーザは、音の出力を確認することにより、商品50が値引対象品であるか否かの判別がなされたことを把握することができる。
【0098】
又は、本実施の形態では、商品50が値引対象品であることが第1の振動によりユーザに報知され、商品50が値引対象品でないことが第1の振動とは異なる第2の振動によりユーザに報知される。従って、本実施の形態によれば、ユーザは、商品50が値引対象品であるか否かを、発生した振動から容易に判別することができる。なお、本実施の形態では、判別結果によらず、何らかの振動が発生する。従って、ユーザは、振動の発生を確認することにより、商品50が値引対象品であるか否かの判別がなされたことを把握することができる。
【0099】
また、本実施の形態では、商品50が値引対象品である場合、商品50の値引率が特定され、値引率がユーザに報知される。具体的には、例えば、値引率は、値引率に応じた音又は振動によりユーザに報知される。従って、本実施の形態によれば、商品50が値引対象品である場合、値引率をユーザに分かりやすく知らせることができる。
【0100】
また、本実施の形態では、商品50が値引対象品である場合、商品管理情報が示す商品50の販売価格が値引率に応じた値引後の販売価格に更新される。従って、本実施の形態によれば、例えば、顧客が値引きシールから把握できる値引き状態とレジでの値引き状態との整合を取ることができる。
【0101】
(実施の形態2)
実施の形態1では、商品50が値引対象品であるか否かの判別結果をユーザに報知する報知装置が読取装置100である例について説明した。本実施の形態では、報知装置が読取装置100とは異なる装置である例について説明する。以下、実施の形態1と同様の構成及び機能については、適宜、説明を省略又は簡略化する。
【0102】
図12に示すように、商品管理システム1100は、読取装置150と、サーバ200と、情報処理装置300と、端末装置400とを備える。読取装置150とサーバ200と情報処理装置300と端末装置400とは、通信ネットワーク600を介して相互に接続される。読取装置150の構成は、読取装置100の構成と同様でもよいし、読取装置100の構成から表示部13と音出力部16と振動部17とが除外された構成でもよい。
【0103】
端末装置400は、ユーザが携帯する端末装置である。端末装置400は、スマートフォン、スマートウォッチ等である。本実施の形態では、端末装置400が報知装置である。図12に示すように、端末装置400は、制御部41と、記憶部42と、表示部43と、操作受付部44と、通信部45と、音出力部46と、振動部47とを備える。
【0104】
制御部41は、CPU、ROM、RAM、RTC等を備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP等とも呼び、端末装置400の制御に係る処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部41において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、端末装置400を統括制御する。
【0105】
記憶部42は、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性の半導体メモリを備えており、いわゆる補助記憶装置としての役割を担う。記憶部42は、制御部41が各種処理を実行するために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部42は、制御部41が各種処理を実行することにより生成又は取得するデータを記憶する。
【0106】
表示部43は、制御部41による制御に従って、各種の画像を表示する。例えば、表示部43は、ユーザから各種の操作を受け付けるための画面を表示する。表示部43は、タッチスクリーン、液晶ディスプレイ等を備える。操作受付部44は、ユーザから各種の操作を受け付け、受け付けた操作の内容を示す情報を制御部41に供給する。操作受付部44は、タッチスクリーン、ボタン、レバー等を備える。
【0107】
通信部45は、制御部41による制御に従って、通信ネットワーク600に接続された装置と通信する。通信部45は、通信ネットワーク600に接続する機能を有し、通信ネットワーク600に接続された、読取装置150、サーバ200及び情報処理装置300と通信する。通信部45は、各種の通信規格に準拠した通信インターフェースを備える。
【0108】
音出力部46は、制御部41による制御に従って、音を出力する。音出力部46は、スピーカ、ブザー等である。振動部47は、制御部41による制御に従って、振動する。振動部47は、例えば、供給された電気エネルギーを運動エネルギーに変換して振動するバイブレータを備える。
【0109】
次に、図13を参照して、商品管理システム1100の機能について説明する。読取装置100は、機能的には、読取部101を備える。情報処理装置300は、機能的には、判別部301と、送信部302と、更新部303とを備える。端末装置400は、機能的には、報知部401を備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部12,32,42に格納される。そして、CPUが、ROM又は記憶部12,32,42に記憶されたプログラムを実行することによって、これらの各機能を実現する。
【0110】
読取部101、判別部301、更新部303の機能は、基本的に、実施の形態1で示したものと同様である。送信部302は、判別部301による判別結果を報知装置である端末装置400に送信する。報知部401は、判別部301による判別結果をユーザに報知する。判別結果の報知方法としては、報知部102と同様に、音、振動、画面表示等による報知が考えられる。
【0111】
例えば、報知部401は、音出力部46を制御して、判別結果に応じた音によりユーザに判別結果を報知してもよい。例えば、報知部401は、商品50が値引対象品である場合、第1の音を音出力部46に出力させ、商品50が値引対象品でない場合、第1の音とは異なる第2の音を音出力部46に出力させてもよい。第1の音と第2の音とは、区別可能であればどのような音でもよい。
【0112】
また、例えば、報知部401は、振動部47を制御して、判別結果に応じた振動によりユーザに判別結果を報知してもよい。例えば、報知部401は、商品50が値引対象品である場合、振動部47に第1の振動を発生させ、商品50が値引対象品でない場合、振動部47に第1の振動とは異なる第2の振動を発生させてもよい。第1の振動と第2の振動とは、区別可能であればどのような振動でもよい。
【0113】
また、例えば、報知部401は、表示部43を制御して、判別結果に応じた画面表示によりユーザに判別結果を報知してもよい。例えば、報知部401は、商品50が値引対象品であるか否かを示す画面を表示部43表示させてもよい。また、報知部401は、商品50が値引対象品である場合、値引率を示す画面を表示部43に表示させてもよい。報知部401は、報知手段の一例である。
【0114】
次に、図14を参照して、商品管理システム1100が備える各装置が実行する処理の流れについて説明する。なお、ステップS11からステップS15までの処理は、実施の形態1で説明した処理と同様であるため、説明を省略する。
【0115】
情報処理装置300は、ステップS26において、判別結果を端末装置400に送信する。情報処理装置300は、判別結果に加え、値引率を端末装置400に送信してもよい。
【0116】
端末装置400は、商品50が値引対象品である場合、ステップS27において、第1の音を出力することにより、商品50が値引対象品であることをユーザに報知する。端末装置400は、商品50が値引対象品でない場合、ステップS28において、第2の音を出力することにより、商品50が値引対象品でないことをユーザに報知する。
【0117】
なお、ユーザは、端末装置400が第1の音を出力した場合、商品50が値引対象品であると見做す。一方、ユーザは、端末装置400が第2の音を出力した場合、商品50が値引対象品でないと見做す。ユーザは、商品50が値引対象品である場合、商品50が値引対象品であることを顧客が認識できるように、各種の処理を実行する。
【0118】
本実施の形態では、報知装置は端末装置400である。従って、本実施の形態によれば、読取装置150に音出力、振動発生、画像表示等の機能を持たせることが困難な場合においても、端末装置400が判別結果をユーザに報知することができる。
(変形例)
以上、本開示の実施の形態を説明したが、種々の形態による変形及び応用が可能である。
【0119】
上記実施の形態において説明した構成、機能、動作のどの部分を採用するのかは任意である。また、上述した構成、機能、動作のほか、更なる構成、機能、動作が採用されてもよい。また、上述した実施の形態は、適宜、自由に組み合わせることができる。また、上述した実施の形態で説明した構成要素の個数は、適宜、調整することができる。また、採用可能な素材、サイズ、電気的特性などが、上記実施の形態において示したものに限定されないことは勿論である。
【0120】
実施の形態1では、読取装置100が読取部101と報知部102とを備え、サーバ200が記憶部22を備え、情報処理装置300が判別部301と送信部302と更新部303とを備える例について説明した。商品管理システム1000全体として、実施の形態1で説明した機能が実現されるのであれば、各機能部の配置場所はこの例に限定されない。例えば、読取装置100又はサーバ200が、判別部301、更新部303等を備えていてもよい。また、情報処理装置300が記憶部22を備えていてもよい。また、実施の形態2において、端末装置400が情報処理装置300の機能を有していてもよい。この場合、情報処理装置300の機能を有する端末装置400は、判別部301と更新部303と報知部401とを備える。情報処理装置300の機能を有する端末装置400としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末等が考えられる。
【0121】
実施の形態1では、処理対象品が割引の対象である割引対象品である例について説明した。処理対象品が廃棄の対象である廃棄対象品であってもよい。この場合、判別部301は、タグ情報と商品管理情報とに基づいて、商品50が廃棄対象品であるか否かを判別する。具体的には、判別部301は、商品管理情報に含まれるレコードのうち、読取部101が読み取ったタグ情報に含まれるタグIDを含むレコードを特定する。判別部301は、特定したレコードに含まれる消費期限が現在日時以前の日時である場合、商品50が廃棄対象品であると判別する。処理対象品が割引対象品である場合と同様に、報知部102は、音、振動、画面表示、LED表示等により、判別結果をユーザに報知する。
【0122】
例えば、報知部102は、商品50が廃棄対象品であることを第1の音によりユーザに報知し、商品50が廃棄対象品でないことを第1の音とは異なる第2の音によりユーザに報知する。第1の音と第2の音とは、区別可能であればどのような音でもよい。例えば、第2の音は、第1の音に比べて、大きい音又は小さい音、高い音又は低い音、長い音又は短い音等でもよい。
【0123】
又は、例えば、報知部102は、商品50が廃棄対象品であることを第1の振動によりユーザに報知し、商品50が廃棄対象品でないことを第1の振動とは異なる第2の振動によりユーザに報知する。第1の振動と第2の振動とは、区別可能であればどのような振動でもよい。例えば、第2の振動は、第1の振動に比べて、振幅が大きい振動又は振幅が小さい振動、振動時間が長い振動又は振動時間が短い振動等でもよい。
【0124】
また、処理対象品が値引対象品及び廃棄対象品であってもよい。この場合、判別部301は、タグ情報と商品管理情報とに基づいて、商品50が値引対象品であるか否かと商品50が廃棄対象品であるか否かとを判別する。報知部102は、音、振動、画面表示、LED表示等により、判別結果をユーザに報知する。
【0125】
例えば、報知部102は、商品50が値引対象品であることを第1の音によりユーザに報知し、商品50が廃棄対象品であることを第1の音とは異なる第2の音によりユーザに報知し、商品50が値引対象品及び廃棄対象品でないことを第1の音及び第2の音とは異なる第3の音によりユーザに報知する。第1の音と第2の音と第3の音とは、区別可能であればどのような音でもよい。例えば、第1の音と第2の音と第3の音とは、音の大きさ、音の高さ、音の長さ等により区別可能であればよい。なお、報知部102は、商品50が値引対象品及び廃棄対象品でない場合、音を発生させなくてもよい。
【0126】
又は、例えば、報知部102は、商品50が値引対象品であることを第1の振動によりユーザに報知し、商品50が廃棄対象品であることを第1の振動とは異なる第2の振動によりユーザに報知し、商品50が値引対象品及び廃棄対象品でないことを第1の振動及び第2の振動とは異なる第3の振動によりユーザに報知する。第1の振動と第2の振動と第3の振動とは、区別可能であればどのような音でもよい。例えば、第1の振動と第2の振動と第3の振動とは、振幅の大きさ、振動時間、振動パターン等により区別可能であればよい。なお、報知部102は、商品50が値引対象品及び廃棄対象品でない場合、振動を発生させなくてもよい。
【0127】
又は、例えば、報知部102は、判別結果に応じた画面表示により、判別結果をユーザに報知してもよい。例えば、報知部102は、判別結果を示す画面を表示部13に表示させてもよい。又は、例えば、報知部102は、判別結果に応じたLED表示により、判別結果をユーザに報知してもよい。例えば、報知部102は、色の違いにより判別結果をユーザに報知してもよい。例えば、報知部102は、商品50が値引対象品であることを黄色のLEDの点灯によりユーザに報知し、商品50が廃棄対象品であることを赤色のLEDの点灯によりユーザに報知し、商品50が値引対象品及び廃棄対象品でないことを青色のLEDの点灯によりユーザに報知してもよい。報知部102は、点灯パターンの違い、点滅パターンの違い等により、判別結果をユーザに報知してもよい。
【0128】
実施の形態1では、商品管理情報と値引管理情報とに基づいて、消費期限までの残り時間に応じた値引率が設定される例について説明した。消費期限までの残り時間に加え、値引対象品の個数に応じて、値引率が設定されてもよい。例えば、商品50の種類毎に値引対象品の個数を算出したときに、値引対象品の個数が多い種類の商品50に対しては、値引率が高めに設定されてもよい。
【0129】
実施の形態1では、読取装置100は、本体部110の内部に、表示部13、発光部13A、音出力部16、振動部17等を備える例について説明した。読取装置100は、本体部110の外部に、表示部13、発光部13A、音出力部16、振動部17等を備えていてもよい。
【0130】
実施の形態1では、読取装置100は、指を通す穴を有する袋形状のタイプの手袋130に、本体部110と中継部材120とを取り付けることにより構成される例について説明した。読取装置100の構成は、この例に限定されない。例えば、図15に示すように、読取装置100Aは、面ファスナーを有し、サポーターのように手に巻き付けられるタイプの手袋130Aに、本体部110Aと中継部材120Aとを取り付けることにより構成されてもよい。
【0131】
実施の形態1では、導電性部材121を備える中継部材120を手袋130に取り付けることにより、手袋130に導電領域を付与する方法について説明した。手袋130に導電領域を付与する方法として種々の方法を採用することができる。例えば、導電性を有する導電性繊維を手袋130に編み込む又は織り込むことにより、手袋130に導電領域を付与してもよい。また、例えば、導電性を有する塗料を手袋130に塗布したり、導電性を有する粉体を手袋130に印刷したり、導電性を有する金属箔を手袋130に貼り付けたりすることにより、手袋130に導電領域を付与してもよい。
【0132】
実施の形態1では、導電性部材121が第1部分から第2部分に向けて分岐せずに延びる例について説明した。導電性部材121が第1部分から2つ以上の部分に分岐して延びてもよい。この場合、2つ以上の部分において、タグ情報の読み取りが可能である。2つ以上の部分は、例えば、各指の先端部分でもよい。実施の形態1では、アンテナ19を含む本体部110の全体が第1部分に配置される例について説明した。アンテナ19が第1部分に配置され、本体部110におけるアンテナ19以外の部分が第1部分とは異なる部分に配置されてもよい。
【0133】
実施の形態1では、読取装置100は、ユーザの手に装着される手袋タイプの読取装置である例について説明した。読取装置100は、ユーザの手に把持されるハンディタイプの読取装置でもよい。ハンディタイプの読取装置は、例えば、本体部110に相当する本体部分と、ユーザにより把持され、本体部分を収納する収納部分とを備える。ハンディタイプの読取装置は、読取部101は、商品50に付された無線タグ60がアンテナ19と近接したときに、アンテナを介して、無線タグ60からタグ情報を読み取る。ハンディタイプの読取装置においても、タグ情報を読取可能な範囲は限定されているため、ピンポイントでの読み取りが可能である。このため、例えば、ユーザが注目する商品50に隣接する商品50に付された無線タグ60から誤ってタグ情報が読み取られることが抑制される。従って、ハンディタイプの読取装置においても、商品50が処理対象品であるか否かを、適切にユーザに報知することができる。
【符号の説明】
【0134】
11,21,31,41 制御部、12,22,32,42 記憶部、13,43 表示部、13A 発光部、14,44 操作受付部、15,25,35,45 通信部、16,46 音出力部、17,47 振動部、18 無線通信回路、19,61 アンテナ、50 商品、60 無線タグ、62 基材、63 カバー部材、70 皮膚、100,100A,150 読取装置、101 読取部、102,401 報知部、110,110A 本体部、111 筐体、120,120A 中継部材、121 導電性部材、122 絶縁性部材、123 配置部、124,125,126 延在部、130,130A 手袋、191 板状放射素子、192 地板、193 給電線、200 サーバ、300 情報処理装置、400 端末装置、600 通信ネットワーク、1000,1100 商品管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15