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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034192
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】トイレ室装置
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/00 20060101AFI20240306BHJP
   E03D 11/00 20060101ALI20240306BHJP
   E03D 13/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B60P3/00 W
E03D11/00 A
E03D13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138278
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】坂口 浩一
(72)【発明者】
【氏名】高塩 康洋
(72)【発明者】
【氏名】彭 博聞
(72)【発明者】
【氏名】福地 俊一
(72)【発明者】
【氏名】富谷 啓之
(72)【発明者】
【氏名】池本 拓児
(72)【発明者】
【氏名】濱福 俊成
(72)【発明者】
【氏名】高野 枝里子
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AA04
2D039CC01
2D039CC03
2D039CC04
2D039CC09
2D039CD01
(57)【要約】
【課題】利用者に心理的不安感を与えたり、違和感を与えることなく、車両に搭載することによりトイレのない施設に手軽にトイレを提供する。
【解決手段】本発明は、車両(2)に搭載して使用するトイレ室装置(1)であって、天井面(6)、床面(8)、及び4つの側壁面(10a, 10b, 10c, 10d)を備え、車両の後方側に搭載されるトイレ室筐体(4)と、このトイレ室筐体の内部を第1の空間(18)と第2の空間(20)に仕切る隔壁(16)と、第1の空間(18)内に配置された大便器(22)と、第2の空間(20)内に配置された小便器(24)と、トイレ室筐体の外から第1の空間内に出入りするように設けられた第1の扉(12)と、トイレ室筐体の外から第2の空間内に出入りするように設けられた第2の扉(14)と、を有し、第1の扉と第2の扉は、トイレ室筐体の異なる側壁面に夫々設けられていることを特徴としている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載して使用するトイレ室装置であって、
天井面、床面、及び4つの側壁面を備え、車両の後方側に搭載されるトイレ室筐体と、
このトイレ室筐体の内部を第1の空間と第2の空間に仕切る隔壁と、
上記第1の空間内に配置された大便器と、
上記第2の空間内に配置された小便器と、
上記トイレ室筐体の外から上記第1の空間内に出入りするように設けられた第1の扉と、
上記トイレ室筐体の外から上記第2の空間内に出入りするように設けられた第2の扉と、を有し、
上記第1の扉と上記第2の扉は、上記トイレ室筐体の異なる側壁面に夫々設けられていることを特徴とするトイレ室装置。
【請求項2】
上記第1の扉と上記第2の扉の何れか一方は、上記車両の後方に向けられた側壁面に設けられ、他方は、上記車両の側方に向けられた側壁面に設けられている請求項1記載のトイレ室装置。
【請求項3】
上記第1の扉が、上記車両の側方に向けられた側壁面に設けられ、上記第2の扉が、上記車両の後方に向けられた側壁面に設けられている請求項2記載のトイレ室装置。
【請求項4】
上記第1の扉は、上記トイレ室筐体の側壁面の前後方向の中心線よりも、上記車両の前方側に設けられている請求項3記載のトイレ室装置。
【請求項5】
上記第1の扉は、上記車両の側方に向けられた一方の側壁面に設けられ、上記第2の扉は、上記車両の側方に向けられた他方の側壁面に設けられている請求項1記載のトイレ室装置。
【請求項6】
上記大便器は、上記第1の扉が設けられた側壁面に後方側を向けるように、上記第1の空間内に配置されている請求項1記載のトイレ室装置。
【請求項7】
上記第1の空間内には、上記第1の扉が設けられた側壁面から延びる誘導壁が、上記第1の扉と上記大便器との間に設けられている請求項6記載のトイレ室装置。
【請求項8】
上記大便器は、上記誘導壁と、上記第1の扉が設けられた側壁面と、上記第1の空間を構成する1つの内壁面と、によって囲まれた空間に配置され、上記大便器の前方側が通路にされている請求項7記載のトイレ室装置。
【請求項9】
上記誘導壁は、上記トイレ室筐体の床面から、上記大便器よりも高い位置まで延びている請求項7又は8に記載のトイレ室装置。
【請求項10】
上記誘導壁は、上記大便器の前後方向の半分から前端までの間の位置から、上記第1の扉が設けられた側壁面まで延びている請求項7又は8に記載のトイレ室装置。
【請求項11】
上記隔壁は二重壁であり、上記大便器及び上記小便器は上記隔壁の両側に隣接して配置されている請求項1記載のトイレ室装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ室装置に関し、特に、車両に搭載して使用するトイレ室装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2003-38386号公報(特許文献1)には、車両用焼却トイレが記載されている。この車両用焼却トイレは、軽トラックの荷台に搭載された荷室部の中に配置される。このように、トイレを搭載した車両は、屋外のイベント会場や、キャンプ場等、トイレのない屋外施設に乗り入れるだけで、何処にでも簡単にトイレを提供することができ、施設利用者の利便性を向上させることができる。
【0003】
特許文献1記載の発明において、荷室部は、大便用トイレ室、小便用トイレ室、動力室、収納室に区切られており、大便用トイレ室には大便器が配置され、小便用トイレ室には小便器が配置されている。ここで、大便用トイレ室及び小便用トイレ室は、荷室部の一方の側に設けられており、荷室部の外の空間から大便用トイレ室、小便用トイレ室に入るためのドアは、軽トラックの一方の側面に向けられた側壁面に並べて設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-38386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているトイレにおいて、一般に、小便用トイレ室は男性が使用する一方、大便用トイレ室は男性及び女性が使用可能であるが、大便用トイレ室の使用者の多くは女性であることが想定される。しかしながら、特許文献1記載のトイレでは、小便用トイレ室に出入りするためのドアと、大便用トイレ室に出入りするためのドアが隣接して設けられている。このため、大便用トイレ室に入ろうとする女性と、小便用トイレ室に入ろうとする男性が鉢合わせになるなど、ジェンダーに敏感な利用者に心理的不安感を与えたり、違和感を与えてしまう虞がある。
【0006】
従って、本発明は、利用者に心理的不安感を与えたり、違和感を与えることなく、車両に搭載することによりトイレのない施設に手軽にトイレを提供することができるトイレ室装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は、車両に搭載して使用するトイレ室装置であって、天井面、床面、及び4つの側壁面を備え、車両の後方側に搭載されるトイレ室筐体と、このトイレ室筐体の内部を第1の空間と第2の空間に仕切る隔壁と、第1の空間内に配置された大便器と、第2の空間内に配置された小便器と、トイレ室筐体の外から第1の空間内に出入りするように設けられた第1の扉と、トイレ室筐体の外から第2の空間内に出入りするように設けられた第2の扉と、を有し、第1の扉と第2の扉は、トイレ室筐体の異なる側壁面に夫々設けられていることを特徴としている。
【0008】
このように構成された本発明においては、車両の後方側に搭載されるトイレ室筐体の内部が、隔壁により第1の空間と第2の空間に仕切られ、第1の空間内には大便器が配置され、第2の空間内には小便器が配置される。さらに、第1の空間内に出入りするための第1の扉と、第2の空間内に出入りするための第2の扉は、トイレ室筐体の異なる側壁面に夫々設けられている。
【0009】
このように構成された本発明によれば、大便器が配置された第1の空間内に出入りする第1の扉と、小便器が配置された第2の空間内に出入りする第2の扉が異なる側壁面に夫々設けられているので、第1の扉から出入りする利用者の動線が、第2の扉から出入りする利用者の死角に入る。この結果、第1の扉から出入りする利用者に不安感を与えにくくすることができ、利用者は違和感なくトイレ室装置を利用することができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、第1の扉と第2の扉の何れか一方は、車両の後方に向けられた側壁面に設けられ、他方は、車両の側方に向けられた側壁面に設けられている。
【0011】
このように構成された本発明によれば、第1の扉と第2の扉の一方が車両の後方に向けられ、他方が車両の側方に向けられているので、第1の扉と第2の扉をある程度近接して配置した場合でも、各扉から出入りする利用者の動線を分けることができる。また、第1の扉と第2の扉を比較的近接して配置することにより、利用者は、遠方から出入り口の位置を認識しやすく、利用者の利便性を高めることができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、第1の扉が、車両の側方に向けられた側壁面に設けられ、第2の扉が、車両の後方に向けられた側壁面に設けられている。
このように構成された本発明によれば、大便器が配置された第1の空間に出入りするための第1の扉が、車両の側方に向けられた面積の大きい側壁面に設けられる。このため、第1の扉の周囲に死角ができやすく、第1の扉から出入りする利用者の不安感を、より抑制することができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、第1の扉は、トイレ室筐体の側壁面の前後方向の中心線よりも、車両の前方側に設けられている。
このように構成された本発明によれば、第1の扉が、トイレ室筐体の側壁面の前後方向の中心線よりも、車両の前方側に設けられているので、車両の後方側の側壁面に設けられた第2の扉からの距離を確保することができ、利用者の違和感を、より抑制することができる。
【0014】
本発明において、好ましくは、第1の扉は、車両の側方に向けられた一方の側壁面に設けられ、第2の扉は、車両の側方に向けられた他方の側壁面に設けられている。
【0015】
このように構成された本発明によれば、第1の扉と第2の扉が、車両の両側の側方に向けられた側壁面に夫々設けられているので、一方の扉から見て他方の扉が完全に死角に入るため、扉から出入りする際の不安感を極めて少なくすることができる。
【0016】
本発明において、好ましくは、大便器は、第1の扉が設けられた側壁面に後方側を向けるように、第1の空間内に配置されている。
このように構成された本発明によれば、大便器が、第1の扉が設けられた側壁面に後方側を向けるように配置されているので、大便器を使用中の利用者から第1の扉が視界に入ることはない。このため、利用者には、大便器の使用中に第1の扉が開くという不安感が起こりにくく、快適にトイレを使用することができる。
【0017】
本発明において、好ましくは、第1の空間内には、第1の扉が設けられた側壁面から延びる誘導壁が、第1の扉と大便器との間に設けられている。
このように構成された本発明によれば、第1の扉と大便器との間に誘導壁が設けられているので、第1の扉から入室した利用者は、誘導壁を迂回して、大便器の前方側から大便器に接近する。このため、大便器に接近する利用者をセンサにより確実に検出することが可能となり、利用者を検出して作動する機器を大便器に設けた場合でも、それらの機器を確実に作動させることができる。
【0018】
本発明において、好ましくは、大便器は、誘導壁と、第1の扉が設けられた側壁面と、第1の空間を構成する1つの内壁面と、によって囲まれた空間に配置され、大便器の前方側が通路にされている。
【0019】
このように構成された本発明によれば、大便器が、誘導壁と、側壁面と、内壁面と、によって囲まれた空間に配置されているので、大便器から発信されるセンサの信号が拡散されにくく、大便器前方側の通路から接近する利用者を確実に検出することができる。
【0020】
本発明において、好ましくは、誘導壁は、トイレ室筐体の床面から、大便器よりも高い位置まで延びている。
このように構成された本発明によれば、第1の扉と大便器との間に設けられた誘導壁が、トイレ室筐体の床面から大便器よりも高い位置まで延びているので、利用者が大便器を使用している間に、万一第1の扉が開いた場合でも、利用者は、第1の扉からの侵入者の視界に入りにくく、利用者に安心感を与えることができる。
【0021】
本発明において、好ましくは、誘導壁は、大便器の前後方向の半分から前端までの間の位置から、第1の扉が設けられた側壁面まで延びている。
【0022】
このように構成された本発明によれば、誘導壁が大便器の前後方向の半分から前端までの間の位置から延びているので、確実に大便器の前方から大便器に接近するように利用者を誘導することができると共に、利用者を過度に遠回りさせるのを防止することができる。
【0023】
本発明において、好ましくは、隔壁は二重壁であり、大便器及び小便器は隔壁の両側に隣接して配置されている。
【0024】
このように構成された本発明によれば、隔壁が二重壁にされているので、第1の空間と第2の空間の間の遮音性を高くすることができ、利用者の音漏れに関する不安を軽減することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のトイレ室装置によれば、利用者に心理的不安感を与えたり、違和感を与えることなく、トイレのない施設に手軽にトイレを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態によるトイレ室装置を搭載した車両の外観を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態によるトイレ室装置の内部レイアウトを示す平面断面図である。
図3】本発明の実施形態によるトイレ室装置内に設けられている誘導壁を示す側面断面図である。
図4】本発明の実施形態によるトイレ室装置内における給水タンク及び排水タンクを示す正面断面図である。
図5】本発明の実施形態によるトイレ室装置内における給水タンク及び排水タンクを示す平面断面図である。
図6】本発明の実施形態によるトイレ室装置内における給水及び排水配管の引き回しを示すブロック図である。
図7】本発明の実施形態によるトイレ室装置に設けられている第1の扉及び第2の扉の配置の変形例を示す平面断面図である。
図8】本発明の実施形態によるトイレ室装置内に設けられている洗面カウンタの配置の変形例を示す平面断面図である。
図9】本発明の実施形態によるトイレ室装置内に設けられている洗面カウンタの形状の変形例を示す平面断面図である。
図10】本発明の実施形態によるトイレ室装置にタープを取り付けた変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるトイレ室装置を説明する。
図1は、本発明の実施形態によるトイレ室装置を搭載した車両の外観を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態によるトイレ室装置の内部レイアウトを示す平面断面図である。図3は、本発明の実施形態によるトイレ室装置内に設けられている誘導壁を示す側面断面図である。図4は、本発明の実施形態によるトイレ室装置内における給水タンク及び排水タンクを示す正面断面図である。図5は、本発明の実施形態によるトイレ室装置内における給水タンク及び排水タンクを示す平面断面図である。図6は、本発明の実施形態によるトイレ室装置内における給水及び排水配管の引き回しを示すブロック図である。
【0028】
図1に示すように、本発明の実施形態によるトイレ室装置1は、車両2の後方側に搭載して使用される。本実施形態において、トイレ室装置1は、貨物運搬用の車両2の運転席の後ろ側に設けられた荷台部分に搭載した状態で使用される。即ち、本実施形態のトイレ室装置1は、これを搭載した車両2をイベント会場等に乗り入れ、そこで車両2が駐車された状態で、イベントの参加者等にトイレを提供する。
【0029】
次に、図1及び図2に示すように、トイレ室装置1はトイレ室筐体4を有し、このトイレ室筐体4は、天井面6、床面8、及び4つの側壁面を備えている。即ち、トイレ室筐体4は、前側壁面10a、後側壁面10b、左側壁面10c、及び右側壁面10dの4つの側壁面を備えている。なお、前側壁面10aは車両2の前方に向けられた側壁面であり、後側壁面10bは車両2の後方に向けられた側壁面であり、左側壁面10c及び右側壁面10dは車両2の側方に向けられた側壁面である。
【0030】
さらに、左側壁面10cには、第1の扉12が設けられ、後側壁面10bには、第2の扉14が設けられている。即ち、第1の扉12は、トイレ室筐体4の、車両2の側方に向けられた側壁面に設けられ、第2の扉14は、トイレ室筐体4の、車両2の後方に向けられた側壁面に設けられており、第1の扉12と第2の扉14はトイレ室筐体4の異なる側壁面に夫々設けられている。なお、左側壁面10cに設けられた第1の扉12は、左側壁面10cの前後方向の中心線C(図2)よりも車両2の前方側に設けられている。
【0031】
さらに、図2に示すように、トイレ室筐体4の内部は、隔壁16により、車両2の前方側に位置する第1の空間18と、車両2の後方側に位置する第2の空間20に仕切られている。また、本実施形態において、隔壁16は、第1の空間18側の第1隔壁16aと、第2の空間20側の第2隔壁16bからなる二重壁として構成されている。
【0032】
また、第1の空間18内には水洗式の大便器22が配置されており、この第1の空間18に、トイレ室筐体4の外から出入りすることができるように第1の扉12が設けられている。本実施形態において、大便器22は、利用者が座って使用する洋風大便器である。一方、第2の空間20内には水洗式の小便器24が配置されており、この第2の空間20に、トイレ室筐体4の外から出入りすることができるように第2の扉14が設けられている。本実施形態において、小便器24は、利用者が立って小用を足す便器である。
【0033】
さらに、図2に示すように、トイレ室装置1の使用時においては、折りたたみ式の階段26a、26bが、車両2の左側及び後ろ側に夫々配置される。階段26aは、第1の扉12が設けられたトイレ室筐体4の左側壁面10cに沿って配置され、利用者は、車両2の後方側から前方に向かって第1の扉12まで上がることができる。一方、階段26bは、第2の扉14が設けられたトイレ室筐体4の後側壁面10bに沿って配置され、利用者は、車両2の右斜め後方から車両2の後部に向かって第2の扉14まで上がることができる。
【0034】
これらの階段26a、26bを設置することにより、利用者は、車両2が駐車された地面から、第1の扉12、第2の扉14の高さまで、容易に昇ることができる。ここで、階段26bを使用して第2の扉14まで上がる利用者からは、階段26aにより第1の扉12へ上がる利用者は死角になり、視認することができない。このため、第1の扉12から出入りする利用者に不安感を与えることがない。なお、階段26a、26bは、使用しないときは折り畳むことができ、折り畳んだ状態では、隔壁16を構成する第1隔壁16aと第2隔壁16bの間の空間に収納することができる。このため、トイレ室装置1を搭載した車両2が、イベント会場等の利用場所まで移動する際、階段26a、26bを別途運搬する必要がない。
【0035】
なお、図2に示す例では、階段26aは第1の扉12から車両2の後方に向けて延び、階段26bは第2の扉14から車両2の左斜め後方に向けて延びるように設置されている。しかしながら、本実施形態において、階段26a、26bは、組み立て方を変更することにより、任意の方向に向けて設置できるように構成されている。これにより、トイレ室装置1を搭載した車両2を駐車する環境に応じて、適切な方向に延びるように階段26a、26bを設置することができる。
【0036】
次に、図2に示すように、第1の空間18には、水洗式の大便器22の他、洗面カウンタ28が設置されている。この洗面カウンタ28には、洗面ボウル30、及び自動水栓32が設けられている。また、本実施形態においては、大便器22は、第1の空間18内で、第1の扉12が設けられた左側壁面10cに後方側を向けるように配置されている。
【0037】
洗面カウンタ28は、第1の扉12が設けられている左側壁面10cに対向する、右側壁面10dに沿って、車両2の前後方向に延びるように配置されている。また、洗面ボウル30は、第1の扉12と概ね対向する位置に、洗面カウンタ28の一端部に設けられている。自動水栓32は、洗面ボウル30と右側壁面10dの間の、洗面カウンタ28上に設けられており、利用者が自動水栓32の吐水口(図示せず)の下方に手指をかざすと自動的に吐水が行われるように構成されている。このため、利用者は水栓に手を触れることなく手指を洗うことができる。
【0038】
また、洗面カウンタ28は、洗面ボウル30が設けられている一端部では幅が広く、途中から車両2の後方側に向かって直線的に幅が狭くなるように構成されている。このため、洗面カウンタ28は、大便器22と対向する部分では幅が狭くなっており、大便器22と洗面カウンタ28の間の、大便器22の前方側に比較的広い空間が確保されている。
【0039】
さらに、左側壁面10cに設けられた第1の扉12と大便器22の間には、誘導壁34が設けられている。この誘導壁34は、左側壁面10cに対して直角に、左側壁面10cから大便器22の側面に沿って延びる壁である。図3に示すように、誘導壁34は、左側壁面10cから所定の長さ延びている。好ましくは、誘導壁34は、大便器22の前後方向半分の位置Mと大便器22の前端の位置Fの間の位置まで延びるように構成する。また、誘導壁34は、トイレ室筐体4の床面8から、大便器22よりも高く、天井面6よりも低い位置まで延びている。本実施形態において、誘導壁34は、大便器22に腰掛けた利用者の腰よりも少し高い位置まで延びている。
【0040】
このように、大便器22は、誘導壁34と、第1の扉が設けられた左側壁面10cと、第1の空間18を構成する1つの内壁面(第1隔壁16a)と、によって囲まれた空間に配置されることになる。また、誘導壁34を設けたことにより、大便器22に腰掛けた利用者の腰部は、第1の扉12付近に立つ人からは死角となり、利用者に安心感を与えることができる。さらに、大便器22に座った利用者は右側壁面10dの方を向くため、左側壁面10cに設けられた第1の扉12は視界に入らない。このため、利用者は、(鍵はかけられていても)第1の扉12が不意に開くのではないか、という不安感を抱くことなく、安心して大便器22を使用することができる。
【0041】
また、第1の扉12から第1の空間18に入った利用者は、誘導壁34を迂回して、大便器22の前方側の通路を通って、大便器22に接近する。本実施形態において、大便器22には赤外線式の接近センサ(図示せず)が備えられており、大便器22は、大便器22に接近する利用者を接近センサが検知することにより、自動的に大便器22の便座カバー(図示せず)を開くように構成されている。このため、利用者は便座カバーに手を触れずに大便器22を利用することができる。なお、接近センサ(図示せず)は、大便器22の前方に向けて赤外線を照射し、利用者によって反射された赤外線を検知することにより、利用者の接近を検出するように構成されている。
【0042】
ここで、大便器22の側方には誘導壁34が設けられているため、利用者は誘導壁34を迂回して、通路になっている大便器22の前方の空間を通って大便器22に接近する。このため、大便器22の前方に向けて照射される赤外線により、利用者の接近を確実に検知することができる。また、大便器22は、誘導壁34と、左側壁面10cと、第1隔壁16aによって囲まれた空間に配置されているため、利用者により反射された赤外線が広く拡散することなく、センサは反射された赤外線を確実に検出することができる。なお、本実施形態においては、接近センサとして赤外線式のセンサが備えられているが、電磁波式等、任意のセンサを接近センサとして使用することができる。また、大便器22は、接近センサを備えていなくても良い。
【0043】
一方、図2に示すように、第2の空間20には、小便器24の他、手洗器36が配置されている。手洗器36は、第2の扉14が設けられている後側壁面10bと対向する第2隔壁16bに取り付けられている。手洗器36には、自動水栓36aが設けられており、この自動水栓36aは、その吐水口(図示せず)の下方に手指をかざすことにより、自動的に吐水が行われるように構成されている。
【0044】
小便器24は、トイレ室筐体4の左側壁面10cに取り付けられている。このように、大便器22と小便器24は、左側壁面10cを背にして、隔壁16の両側に隣接して配置されている。なお、本実施形態においては、大便器22及び小便器24は左側壁面10cを背にして配置されているが、当然に、トイレ室筐体4内のレイアウトを反転させ、大便器22及び小便器24が右側壁面10dを背にして配置されるように本発明を構成することもできる。また、小便器24には、赤外線式の接近センサ(図示せず)が備えられており、これにより、小便器24は、利用者の接近を検知するように構成されている。利用者の接近を検知し、小便器24の利用を終え、利用者が小便器24を離れると、小便器24のスプレッダー(図示せず)から自動的に洗浄水が吐出され、小便器24が洗浄される。
【0045】
次に、図4乃至図6を参照して、大便器22及び小便器24への給水、排水を説明する。
図4及び図5に示すように、第1の空間18の床下には、給水タンク38及び排水タンク40が夫々配置されている。
【0046】
給水タンク38は、第1の空間18の床下に配置された扁平な形状の貯水タンクであり、第1の空間18の床下において、車両2の前方側に、右側壁面10dに沿って配置されている。即ち、給水タンク38は、洗面カウンタ28に設けられた洗面ボウル30の下方に配置されている。この給水タンク38には、大便器22及び小便器24の洗浄に使用する洗浄水、及び洗面ボウル30の自動水栓32及び手洗器36の自動水栓36aから吐出すべき水が貯留される。
【0047】
排水タンク40は、第1の空間18の床下に配置された扁平な形状のタンクであり、第1の空間18の床下において、車両2の後方側に、左側壁面10cから右側壁面10dまで延びるように配置されている。即ち、排水タンク40は、大便器22の下方に配置されており、給水タンク38よりも大きな面積を占め、給水タンク38よりも大きな容積を有する。また、排水タンク40の後端は、隔壁16の下方まで延びている。この排水タンク40には、汚物及び大便器22、小便器24の洗浄に使用された洗浄水が流入し、貯留される。また、排水タンク40には、洗面ボウル30及び手洗器36から排出された排水も流入し、貯留される。排水タンク40内に貯留された排水は、トイレ室装置1をイベント会場等で使用し終えた後、車両2を汚水処理施設等まで移動させ、そこで排出され、処理される。
【0048】
図6に示すように、給水タンク38には第1給水配管42aが接続されている。さらに、第1給水配管42aの下流端には加圧ポンプ44が設けられている。また、加圧ポンプ44の下流側には、自動水栓32に給水を行う第2給水配管42bと、大便器22に給水を行う第3給水配管42cと、小便器24に給水を行う第4給水配管42dと、自動水栓36aに給水を行う第5給水配管42eが接続されている。
【0049】
一方、排水タンク40には、洗面ボウル30から延びる第1排水配管46aと、大便器22から延びる第2排水配管46bと、小便器24から延びる第3排水配管46cと、手洗器36から延びる第4排水配管46dが接続されている。
【0050】
次に、図2を参照して、本発明の実施形態によるトイレ室装置1の作用を説明する。
トイレ室装置1の利用者は、車両2に隣接して配置されている階段26aを昇って、左側壁面10cに設けられている第1の扉12に接近する。この際、小便器24を利用する、又は利用し終わった後の他の利用者から死角となるため、大便器22を利用する利用者が、小便器24を利用する他の利用者と鉢合わせになることはない。
【0051】
次いで、利用者は、第1の扉12を開けて第1の空間18内に入る。利用者が第1の空間18内に入り、第1の扉12が閉められると、第1の扉12はトイレ室筐体4の外側からは開けることができなくなる。
【0052】
第1の空間18内に入った利用者は、誘導壁34を迂回して、誘導壁34と洗面カウンタ28の間の通路を通って、大便器22の前方側から大便器22に接近する。大便器22に前方側から利用者が接近すると、大便器22の接近センサ(図示せず)がこれを検知し、大便器22の便座カバー(図示せず)が開かれる。これにより、利用者による大便器22の使用が可能となる。
【0053】
また、大便器22は、利用者による使用後、利用者が大便器22から離座したことが検知されると、コントローラ(図示せず)に洗浄指示信号を出力する。コントローラ(図示せず)は洗浄指示信号が入力されると、加圧ポンプ44に信号を送り、これを作動させると共に、大便器22の洗浄用の電磁弁(図示せず)を開弁させる。これにより、給水タンク38内の水が大便器22に供給され、大便器22が洗浄される。
【0054】
さらに、大便器22の使用を終えた利用者が、洗面カウンタ28の自動水栓32に手指を差し出すと、自動水栓32はこれを検知し、コントローラ(図示せず)に吐水指示信号を出力する。コントローラ(図示せず)は吐水指示信号が入力されると、加圧ポンプ44に信号を送り、これを作動させると共に、自動水栓32からの吐水用の電磁弁(図示せず)を開弁させる。これにより、給水タンク38内の水が自動水栓32からの吐水される。
【0055】
利用を終えた利用者が、第1の扉12からトイレ室筐体4の外へ出て、トイレ室装置1から離れると、トイレ室装置1は別の利用者が利用可能な状態となる。
【0056】
同様に、利用者が小便器24の使用を希望する場合には、利用者は第2の扉14から第2の空間20に入り、小便器24を使用する。
【0057】
利用者による小便器24の使用後、利用者が小便器24から離れたことが検知されると、小便器24はコントローラ(図示せず)に洗浄指示信号を出力する。コントローラ(図示せず)は洗浄指示信号が入力されると、加圧ポンプ44に信号を送り、これを作動させると共に、小便器24の洗浄用の電磁弁(図示せず)を開弁させる。これにより、給水タンク38内の水が小便器24に供給され、小便器24が洗浄される。
【0058】
さらに、手洗器36の自動水栓36aは、利用者の手指が差し出されたことが検知されると、コントローラ(図示せず)に吐水指示信号を出力する。コントローラ(図示せず)は吐水指示信号が入力されると、加圧ポンプ44に信号を送り、これを作動させると共に、自動水栓36aからの吐水用の電磁弁(図示せず)を開弁させる。これにより、給水タンク38内の水が自動水栓36aからの吐水され、利用者は手を洗うことができる。
【0059】
本発明の実施形態のトイレ室装置1によれば、大便器22が配置された第1の空間18内に出入りする第1の扉12と、小便器24が配置された第2の空間20内に出入りする第2の扉14が異なる側壁面(左側壁面10cと後側壁面10b)に夫々設けられている(図2)ので、第1の扉12から出入りする利用者の動線が、第2の扉14から出入りする利用者の死角に入る。この結果、第1の扉12から出入りする利用者に不安感を与えにくくすることができ、利用者は違和感なくトイレ室装置1を利用することができる。
【0060】
また、本実施形態のトイレ室装置1によれば、第1の扉12が車両の後方に向けられ、第2の扉14が車両2の側方に向けられているので、第1の扉12と第2の扉14をある程度近接して配置した場合でも、各扉から出入りする利用者の動線を分けることができる。また、第1の扉12と第2の扉14を比較的近接して配置することにより、利用者は、遠方から出入り口の位置を認識しやすく、利用者の利便性を高めることができる。
【0061】
さらに、本実施形態のトイレ室装置1によれば、大便器22が配置された第1の空間18に出入りするための第1の扉12が、車両2の側方に向けられた面積の大きい側壁面(左側壁面10c)に設けられる。このため、第1の扉12の周囲に死角ができやすく、第1の扉12から出入りする利用者の不安感を、より抑制することができる。
【0062】
また、本実施形態のトイレ室装置1によれば、第1の扉12が、トイレ室筐体4の側壁面(左側壁面10c)の前後方向の中心線C(図2)よりも、車両2の前方側に設けられているので、車両2の後方側の側壁面(後側壁面10b)に設けられた第2の扉14からの距離を確保することができ、利用者の違和感を、より抑制することができる。
【0063】
さらに、本実施形態のトイレ室装置1によれば、大便器22が、第1の扉12が設けられた側壁面(左側壁面10c)に後方側を向けるように配置されているので、大便器22を使用中の利用者から第1の扉12が視界に入ることはない。このため、利用者には、大便器22の使用中に第1の扉12が開くという不安感が起こりにくく、快適にトイレを使用することができる。
【0064】
また、本実施形態のトイレ室装置1によれば、第1の扉12と大便器22との間に誘導壁34が設けられているので、第1の扉12から入室した利用者は、誘導壁34を迂回して、大便器22の前方側から大便器22に接近する。このため、大便器22に接近する利用者を接近センサにより確実に検出することが可能となり、利用者を検出して作動する機器を大便器22に設けた場合でも、それらの機器を確実に作動させることができる。
【0065】
さらに、本実施形態のトイレ室装置1によれば、大便器22が、誘導壁34と、側壁面(左側壁面10c)と、内壁面(第1隔壁16a)と、によって囲まれた空間に配置されているので、大便器22から発信されるセンサの信号が拡散されにくく、大便器22前方側の通路から接近する利用者を確実に検出することができる。
【0066】
また、本実施形態のトイレ室装置1によれば、第1の扉12と大便器22との間に設けられた誘導壁34が、トイレ室筐体4の床面8から大便器22よりも高い位置まで延びているので、利用者が大便器22を使用している間に、万一第1の扉12が開いた場合でも、利用者は、第1の扉12からの侵入者の視界に入りにくく、利用者に安心感を与えることができる。
【0067】
また、本実施形態のトイレ室装置1によれば、誘導壁34が大便器22の前後方向の半分(図3の位置M)から前端(図3の位置F)までの間の位置から延びているので、確実に大便器22の前方から大便器22に接近するように利用者を誘導することができると共に、利用者を過度に遠回りさせるのを防止することができる。
【0068】
さらに、本実施形態のトイレ室装置1によれば、隔壁16が二重壁(第1隔壁16aと第2隔壁16b)にされているので、第1の空間18と第2の空間20の間の遮音性を高くすることができ、利用者の音漏れに関する不安を軽減することができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態のトイレ室装置1を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。
特に、上述した実施形態においては、第1の扉12がトイレ室筐体4の左側壁面10cに設けられ、第2の扉14が後側壁面10bに設けられていた。これに対して、変形例として、図7に示すように、第1の扉12をトイレ室筐体4の左側壁面10cに設け、第2の扉14を右側壁面10dに設けることもできる。
【0070】
このように構成された本変形例によれば、第1の扉12と第2の扉14が、車両2の両側の側方に向けられた側壁面(左側壁面10cと右側壁面10d)に夫々設けられているので、一方の扉から見て他方の扉が完全に死角に入るため、扉から出入りする際を不安感を極めて少なくすることができる。なお、当然に、第1の扉12をトイレ室筐体4の右側壁面10dに設け、第2の扉14を左側壁面10cに設けることもできる。
【0071】
また、上述した実施形態においては、大便器22が左側壁面10cに隣接して、左側壁面10cを背にして配置され、これに対向する右側壁面10dに沿って洗面カウンタ28が設けられていた。これに対して、変形例として、図8に示すように、前側壁面10aに沿って洗面カウンタ28を設けることもできる。この場合において、好ましくは、洗面ボウル30を、洗面カウンタ28上の一端部に、大便器22に対して対角の位置となるように配置する。
【0072】
さらに、上述した実施形態においては、大便器22が左側壁面10cに隣接して、左側壁面10cを背にして配置され、これに対向する右側壁面10dに沿って洗面カウンタ28が設けられ、洗面カウンタ28は車両2の後方に向けて直線的に幅が狭くなるように構成されていた。これに対して、変形例として、図9に示すように、洗面カウンタ28を、車両2の後方に向けて指数関数的に、曲線を描いて幅が狭くなるように構成することもできる。洗面カウンタ28を図9に示す曲線形状とすることにより、誘導壁34と洗面カウンタ28の間の利用者が通る空間、及び大便器22に着座している利用者の前方の空間を、より広く確保することができる。
【0073】
また、上述した実施形態においては、第1の扉12及び第2の扉14が外部空間に露出していた。これに対して、変形例として、図10に示すように、トイレ室筐体4の上部と地面との間でタープ48を張り、第1の扉12及び/又は第2の扉14の一部が覆われるように本発明を構成することもできる。これにより、第1の扉12及び/又は第2の扉14に対する目隠し、日よけ、雨よけとしてタープ48を利用することができる。また、タープ48を張るための支柱(図示せず)を準備しておき、トイレ室筐体4や車両2の上部と、支柱の間でタープを張るように本発明を構成しても良い。なお、図10に示すタープ48は異形状にされているため、施工・組立手順がわかりやすいようにタープ淵のベルトの色を手順ごとに分け、部材を接続すべき場所が理解しやすいようにタープ48を構成することが好ましい。また、ベルトの色の代わりに番号や記号のついたタグをタープ48に取り付けておき、これにより、容易に施工・組立ができるようにタープ48を構成することもできる。
【符号の説明】
【0074】
1 トイレ室装置
2 車両
4 トイレ室筐体
6 天井面
8 床面
10a 前側壁面
10b 後側壁面
10c 左側壁面
10d 右側壁面
12 第1の扉
14 第2の扉
16 隔壁
16a 第1隔壁
16b 第2隔壁
18 第1の空間
20 第2の空間
22 大便器
24 小便器
26a 階段
26b 階段
28 洗面カウンタ
30 洗面ボウル
32 自動水栓
34 誘導壁
36 手洗器
36a 自動水栓
38 給水タンク
40 排水タンク
42a 第1給水配管
42b 第2給水配管
42c 第3給水配管
42d 第4給水配管
44 加圧ポンプ
46a 第1排水配管
46b 第2排水配管
46c 第3排水配管
46d 第4排水配管
48 タープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10