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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034248
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】展示物保持具
(51)【国際特許分類】
   A47G 1/16 20060101AFI20240306BHJP
   A47G 1/24 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
A47G1/16 A
A47G1/16 D
A47G1/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138369
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】515229376
【氏名又は名称】株式会社フタバモデル製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】片山 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】加藤 幹
【テーマコード(参考)】
3B111
【Fターム(参考)】
3B111BA05
3B111BB01
3B111BB02
3B111BC01
3B111BC02
3B111BC03
3B111BD01
3B111BD04
3B111BE02
3B111CA01
3B111CB02
3B111CC03
3B111CD01
3B111CE01
(57)【要約】
【課題】 展示物のエンターテイメント性を高めることが可能な展示物保持具の一例を開示する。
【解決手段】 保持フレーム30には、当該保持フレーム30の背面側に向けて発光する発光部40が設けられている。これにより、本実施形態に係る展示物保持具1によれば、展示物のエンターテイメント性を高めることが可能となる。つまり、発光部40は、背面側に向けて発光するので、壁等に反射した光によって展示物を間接的に照らすことが可能となる。延いては、展示物を直接光に照らす場合には比べて、展示物の陰影が浮き出し易きなり照明効果を得易くなる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絵画や写真等の展示物の背面に配置され、当該展示物を保持する保持フレームと、
前記保持フレームに設けられ、当該保持フレームの背面側に向けて発光する発光部と
を備える展示物保持具。
【請求項2】
前記保持フレームは、前記展示物の背面側を覆うように背面側に隆起したドーム状の部材であり、
さらに、前記保持フレームには、当該保持フレームと前記展示物との間に存在する空間と外部空間とを連通させる貫通穴が設けられている請求項1に記載の展示物保持具。
【請求項3】
前記保持フレームに直接的又は間接的に装着されたスピーカを備える請求項1又は2に記載の展示物保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、絵画や写真等の展示物を保持する展示物保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
絵画等の展示物は、例えば、特許文献1に示されるように、スタンドや額縁に連結された掛け紐によって保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7032840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、展示物のエンターテイメント性を高めることが可能な展示物保持具の一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
展示物保持具は、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。すなわち、当該構成要件は、絵画や写真等の展示物(P)の背面に配置され、当該展示物(P)を保持する保持フレーム(30)と、保持フレーム(30)に設けられ、当該保持フレーム(30)の背面側に向けて発光する発光部(40)とである。
【0006】
これにより、当該展示物保持具によれば、展示物のエンターテイメント性を高めることが可能となる。また、発光部(40)は、背面側に向けて発光するので、壁等に反射した光によって展示物(P)を間接的に照らすことが可能となる。延いては、展示物Pを直接光に照らす場合には比べて、照明効果を得易くなる。
【0007】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る展示物保持具を示す図である。
図2】第1実施形態に係る展示物保持具を示す図である。
図3】第1実施形態に係るアートフレームの分解図である。
図4】第1実施形態に係る保持フレームを示す図である。
図5】第1実施形態に係る裏板及びスピーカを示す図である。
図6】第2実施形態に係るアートフレームの分解図である。
図7】第2実施形態に係る裏板等を示す図である。
図8】第2実施形態に係る固定ユニットの構造を示す図である。
図9】第2実施形態に係る展示物保持具を示す図である。
図10】第3実施形態に係るアートフレームの分解図である。
図11】第3実施形態に係る特徴を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0010】
なお、各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び各部材又は部位の形状を理解し易くするために記載されたものである。したがって、本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されない。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示すものではない。
【0011】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示された展示物保持具は、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位のうち少なくとも1つを備える。
【0012】
(第1実施形態)
<1.展示物保持具の概略構成>
本実施形態は、写真や印刷物等の凹凸が殆ど無い平面的な展示物を展示する展示物保持具に本開示に係る展示物保持具の一例が適用されたものである。図1に示されるように、展示物保持具1は、アートフレーム3及び支持アーム5等を備えている。
【0013】
アートフレーム3は、矩形板状の展示物Pを保持するための部材である。支持アーム5は、アートフレーム3を支持する腕状の支持体である。本実施形態に係る支持アーム5は、図2に示されるように、複数の回転可動部(関節部)5A、5Bを有する。
【0014】
因みに、本実施形態に係る支持アーム5は、映像周辺機器に関する業界標準化団体により決定された規格に準拠している。具体的には、支持アーム5は、いわゆる「VESA(Video Electronics Standards Association)規格」に準拠した取付構造を有する。
【0015】
つまり、本実施形態では、支持アーム5をアートフレーム3に固定するために4本のネジ(図示せず。)が用いられ、かつ、それらネジのピッチ寸法がVESA規格と合致している。
【0016】
なお、支持アーム5には、先端側に取付部5C(図2参照)が設けられ、根元側には固定部5D(図1参照)が設けられている。取付部5Cは、アートフレーム3が取り付けられる部位である。固定部5Dは、壁や机等の構造物に固定される部位である。
【0017】
<アートフレームの構造>
アートフレーム3は、図3に示されるように、保持フレーム30及び発光部40等を少なくとも有する。なお、本実施形態に係るアートフレーム3は、保持フレーム30及び発光部40に加え、裏板31、マット32、表面カバー33及び額縁34等を有する。
【0018】
<保持フレーム>
保持フレーム30は、展示物Pの背面に配置され、当該展示物Pを保持するための部材である。当該保持フレーム30の略中央には、装着部30Bが設けられている。装着部30Bは、支持アーム5が着脱自在に装着可能な部位である。
【0019】
すなわち、保持フレーム30は、展示物P(本実施形態では、裏板31)の背面側を覆うように背面側に隆起したドーム状の部材である。そして、当該保持フレーム30には、少なくとも1つ(本実施形態では、複数の)貫通穴30Aが設けられている。
【0020】
各貫通穴30Aは、保持フレーム30と展示物P(本実施形態では、裏板31)との間に存在する空間と外部空間とを連通させる穴である。具体的には、保持フレーム30は、図4に示されるように、装着部30B、スポーク部30C及び枠部30D等を有している。
【0021】
本実施形態では、複数のスポーク部30Cが設けられている。そして、各スポーク部30Cは、装着部30Bから展示物P(本実施形態では、裏板31)の外縁側に向けて延びる脚部を構成する。なお、本実施形態では、装着部30Bが矩形板状であり、各スポーク部30Cは、装着部30Bの各角部から外縁側に延びている。
【0022】
枠部30Dは、複数のスポーク部30Cの延び方向先端側を繋ぐ環状(本実施形態では、矩形枠状)の部材である。そして、装着部30Bは、枠部30Dに対して背面側、つまり後方側にずれている。
【0023】
なお、本実施形態に係る保持フレーム30は、ガラス繊維強化プラスチック又はカーボン繊維強化プラスチック製である。そして、装着部30B、スポーク部30C及び枠部30Dは、繊維強化プラスチックにて一体成形された一体品である。
【0024】
このため、本実施形態に係る装着部30Bには、金属製のマウントリテーナ30Eが一体化されている。このマウントリテーナ30Eには、上記4本のネジが挿入される雌ねじ部30Fが設けられている。
【0025】
<発光部>
発光部40は、図2に示されるように、保持フレーム30に設けられている。そして、発光部40は、保持フレーム30の背面側、つまりアートフレーム3の後方側に向けて発光する。換言すれば、発光部40は、支持アーム5の根元側にある壁等に向けて発光する。
【0026】
本実施形態に係る発光部40は、多数個のLEDが直列に配置されて帯(テープ)状に構成された、いわゆる「LEDテープライト」である。そして、発光部40は、枠部30Dの裏面側において、装着部30Bの略全周を囲むように配置されている。
【0027】
<裏板、マット、表面カバー及び額縁>
本実施形態では、図2に示されるように、保持フレーム30の枠部30Dが額縁34に嵌め込まれて状態で、保持フレーム30と額縁34とが止め具(「トンボ」ともいう。)34Aにて固定される。
【0028】
図3に示されるように、裏板31、マット32及び表面カバー33は、枠部30Dと額縁34とに挟まれることにより、間接的に保持フレーム30に固定される。同様に、展示物Pは、表面カバー33と裏板31とに挟まれることにより、間接的に保持フレーム30に固定される。
【0029】
表面カバー33は、アクリル又はガラス等の無色透明な板状の部材である。裏板31は、展示物Pの背面に配置されて保持フレーム30に固定されることにより、当該展示物Pの位置を保持する。
【0030】
本実施形態に係る裏板31には、図5に示されるように、スピーカ50が設けられている。このため、本実施形態に係るスピーカ50は、保持フレーム30に間接的に装着された構成となる。マット32は、展示物Pの外周縁を覆い隠す化粧板である。
【0031】
<3.本実施形態に係る展示物保持具の特徴>
アートフレーム3には、支持アーム5が着脱自在に装着可能な装着部30Bが設けられている。これにより、当該展示物保持具1では、例えば、市販のディスプレイ用アームを支持アーム5として利用して展示物Pを保持・展示することが可能となる。延いては、掛け紐を利用した従来の展示手法に比べて、展示手法を多様化させることが可能となる。
【0032】
アートフレーム3には、発光部40及びスピーカ50が設けられている。これにより、本実施形態に係る展示物保持具1によれば、展示物Pのエンターテイメント性を高めることが可能となる。
【0033】
特に、発光部40は、背面側に向けて発光するので、壁等に反射した光によって展示物Pを間接的に照らすことが可能となる。延いては、展示物Pを直接光に照らす場合には比べて、展示物Pの陰影が浮き出し易きなり照明効果を得易くなる。
【0034】
本実施形態に係る保持フレーム30は、展示物Pの背面側を覆うように背面側に隆起したドーム状の部材である。そして、当該保持フレーム30には、少なくとも1つ貫通穴30Aが設けられている。
【0035】
これにより、保持フレーム30と展示物Pとの間に存在する空間に熱が籠もることを抑制でき得るので、当該空間に籠もった熱により、展示物Pが熱損傷してしまうことを未然に抑制でき得る。
【0036】
本実施形態に係る保持フレーム30は、ガラス繊維強化プラスチック又はカーボン繊維強化プラスチック製である。このため、保持フレーム30の軽量化を実現しながら、高い剛性を確保することが可能となる。
【0037】
ところで、上記4本のネジが挿入される雌ねじ部を繊維強化プラスチック製の装着部30Bに設けることは、一般的に難しい。これに対して、本実施形態では、金属製のマウントリテーナ30Eが装着部30Bに一体化されている。したがって、装着部30Bに容易に雌ねじ部30Fを設けることが可能となる。
【0038】
(第2実施形態)
<1.本実施形態の概要>
上述の実施形態に係る展示物保持具1は、写真や印刷物等の凹凸が殆ど無い平面的な展示物を展示する展示物保持具であった。これに対して、本実施形態に係る展示物保持具1は、油絵等のキャンバスに描かれた絵画等を展示物Pとする展示物保持具である。
【0039】
キャンバスとは、図6に示されるように、木枠等にて構成された枠状の枠フレームP1に画布P2が張り留められたものである。油絵は、写真や印刷物と異なり、表面に比較的大きな凹凸がある。
【0040】
このため、展示物Pを裏板31と表面カバー33とで挟み込んで当該展示物Pを保持する手法を採用することができない。そこで、本実施形態では、図7に示されるように、少なくとも1つ(本実施形態では、複数の)固定ユニット60を利用して展示物Pを保持フレーム30に対して保持可能としている。
【0041】
以下の説明は、上述の実施形態に係る展示物保持具との相違点に関する説明である。なお、上述の実施形態と同一の構成要件等は、上述の実施形態と同一の符号が付されている。このため、本実施形態では、重複する説明は省略されている。
【0042】
<2.固定ユニットの構成>
各固定ユニット60は、図8に示されるように、可動当接部61、固定当接部62、雄ねじ棒63、雌ねじ部64及び緩み止め部65等を有して構成されている。可動当接部61は、枠フレームP1に対して離接変位可能な部材である。
【0043】
固定当接部62は、枠フレームP1を挟んで可動当接部61と対向する位置に固定配置された部材である。そして、可動当接部61が枠フレームP1の内側に圧接して当該枠フレームP1を固定当接部62側に押圧することにより、枠フレームP1を挟み込む。
【0044】
なお、可動当接部61のうち枠フレームP1と接触する部位、及び固定当接部62のうち枠フレームP1と対向する部位それぞれには、クッションシート61A、62Aが設けられている。クッションシート61A、62Aは、枠フレームP1のずれを防止するとともに、当該枠フレームP1の破損を抑制するための硬質ゴム製のシート材である。
【0045】
雄ねじ棒63は、先端側に可動当接部61が設けられた棒状の雄ねじである。なお、可動当接部61は、雄ねじ棒63の中心軸線L1を回転中心として当該雄ねじ棒63に回転可能に連結されている。このため、雄ねじ棒63が中心軸線L1を中心として回転しても可動当接部61は回転しない。
【0046】
雌ねじ部64は、雄ねじ棒63が挿入された雌ねじ穴を有する部材である。雌ねじ部64及び固定当接部62は、裏板31に固定されている。なお、本実施形態では、固定当接部62と雌ねじ部64とは金属又は樹脂の一体品である。そして、裏板31は、軽金属板、ガラス繊維強化プラスチック又はカーボン繊維強化プラスチック製である。
【0047】
緩み止め部65は、雄ねじ棒63の回転を規制する。本実施形態に係る緩み止め部65は、雄ねじ棒63が挿入されたナットである。つまり、雌ねじ部64及び緩み止め部65により、いわゆる「ダブルナット構造」を構成することにより、雄ねじ棒63の回転を規制する。
【0048】
<3.その他の構成>
裏板31のうち展示物P(枠フレームP1)の四隅に対応する部位には、図7に示されるように、クッションシート66が配置されている。各クッションシート66は、枠フレームP1のずれを防止するとともに、当該枠フレームP1の破損を抑制するための硬質ゴム製のシート材である。
【0049】
裏板31のうち各雄ねじ棒63及び各緩み止め部65に対応する部位には、開口67が設けられている。各開口67は、雄ねじ棒63及び緩み止め部65を利用者が操作するための操作窓である。
【0050】
裏板31は、図9に示されるように、ボルトB1により保持フレーム30の枠部30Dに固定される。本実施形態では、裏板31の四隅に対応する部位それぞれにボルトB1が配置されている。
【0051】
各ボルトB1は、枠部30D、裏板31及び表面カバー33を貫通して額縁34に到達している。すなわち、額縁34には、ナット(図示せず。)が埋設固定されている。裏板31の四隅には、図7に示されるように、筒状(本実施形態では、円筒状)のスペーサ31Aが配置されている。
【0052】
スペーサ31Aは、裏板31と表面カバー33との間に、展示物Pを収納するための空間(以下、収納空間という。)を確保するための部材である(図6参照)。そして、各ボルトB1は、各スペーサ31A内を貫通して対応するナットに締結されている。
【0053】
このため、裏板31、表面カバー33及び額縁34が保持フレーム30に対して固定される。なお、収納空間の左右及び上下は、帯板状の閉塞部材31B(図9参照)により覆われている。
【0054】
本実施形態に係る閉塞部材31Bは、表面カバー33に形成された溝部(図示せず。)に嵌め込まれた状態で、当該表面カバー33に接着固定されている。因みに、閉塞部材31Bは、紫外線が透過し難い材質が望ましい。
【0055】
<3.本実施形態に係る展示物保持具の特徴>
本実施形態では、可動当接部61が枠フレームP1の内側に圧接することにより、展示物Pを保持するので、キャンバス等の展示物Pであっても容易に当該展示物Pを保持でき得る。
【0056】
(第3実施形態)
<1.本実施形態の概要>
第2実施形態では、可動当接部61及び固定当接部62により枠フレームP1を挟み込んでキャンバス(展示物P)を保持する構成であった。これに対して、本実施形態に係る展示物保持具1では、可動当接部61に相当する部材を弾性体にて構成したものである。
【0057】
以下の説明は、上述の実施形態に係る展示物保持具との相違点に関する説明である。なお、上述の実施形態と同一の構成要件等は、上述の実施形態と同一の符号が付されている。このため、本実施形態では、重複する説明は省略されている。
【0058】
すなわち、図10に示されるように、本実施形態では、裏板31に弾性部68が設けられている。弾性部68は、枠フレームP1の内側に圧接可能な硬質スポンジ等の弾性変形可能な部材にて構成されている。
【0059】
つまり、弾性部68は、裏板31のうち少なくとも枠フレームP1の内側に圧接可能な位置に固定されている。換言すれば、図11に示されるように、弾性部68が枠フレームP1の内側に嵌り込んだ状態で弾性部68と枠フレームP1とが接触する。
【0060】
なお、「枠フレームP1の内側に圧接する」とは、弾性部68と枠フレームP1との接触部で、展示物Pを保持可能な程度の接触面圧が発生した状態で弾性部68と枠フレームP1とが接触していることをいう。
【0061】
因みに、本実施形態では、スピーカ50に対応する部位には非弾性部69が設けられている。非弾性部69は、弾性部68をなすスポンジ等が設けられていない部位である。また、弾性部68の厚み寸法T1は、枠フレームP1の厚み寸法T2より小さい。
【0062】
<2.本実施形態に係る展示物保持具の特徴>
本実施形態では、弾性部68が枠フレームP1の内側に圧接することにより、展示物Pを保持するので、キャンバス等の展示物Pであっても容易に当該展示物Pを保持でき得る。
【0063】
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係る支持アーム5は、複数の回転可動部を有する多関節式アームであった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、本実施形態に係る支持アーム5は、関節部を有していない固定式の支持アーム又は支持台であってもよい。
【0064】
上述の実施形態に係る緩み止め部65は、雄ねじ棒63が挿入されたナットであった。では、しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、止めネジにて緩み止め部が構成されていてもよい。
【0065】
上述の実施形態に係るアートフレーム3は、表面カバー33及び額縁34を有していた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、表面カバー33及び額縁34が廃止されたアートフレーム3であってもよい。
【0066】
上述の実施形態では、ボルトB1が保持フレーム30側から表面カバー33側に挿入された構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、ボルトB1が表面カバー33側から保持フレーム30側に挿入された構成であってもよい。
【0067】
上述の実施形態に係る保持フレーム30は、ガラス繊維強化プラスチック又はカーボン繊維強化プラスチック製であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示に係る保持フレーム30は、例えば、アルミニウムやチタン等の軽金属製、又はPE、ABS、PC-ABS、PP若しくはPS等に樹脂よる射出成形品であってもよい。
【0068】
なお、保持フレーム30がアルミニウムやチタン等の金属にて構成された場合には、マウントリテーナ30Eが廃止された構成であってもよい。保持フレーム30を射出成形する場合には、雌ねじ部を構成する金属ナットをインサート成形してもよい。また、例えば、貫通穴30Aが廃止された平板状の保持フレーム30であってもよい。
【0069】
上述の実施形態では、スピーカ50、発光部40及び装着部30Bが設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、スピーカ50、発光部40及び装着部30Bのうち少なくとも1つが廃止された構成であってもよい。
【0070】
上述の実施形態に係るスピーカ50は振動板を有するタイプであった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、振動板を有していないスピーカであって、他の部材(例えば、裏板31)を振動板として利用するタイプのスピーカであってもよい。
【0071】
上述の実施形態に係るスピーカ50は裏板31に設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、スピーカ50が保持フレーム30に直接的に設けられた構成であってもよい。
【0072】
上述の本実施形態に係る発光部40は、いわゆる「LEDテープライト」であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、その他構成のライトであってもよい。
【0073】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1… 展示物保持具 3…アートフレーム 5… 支持アーム
5C… 取付部 5D…固定部 30… 保持フレーム
30B… 装着部 30A…貫通穴 30C… スポーク部
30D… 枠部 30E…マウントリテーナ
31… 裏板 31A…スペーサ 31B… 閉塞部材
32… マット 33…表面カバー 34… 額縁
40… 発光部 50…スピーカ 60… 固定ユニット
61… 可動当接部 62…固定当接部 63… 雄ねじ棒
64… 雌ねじ部 65…緩み止め部 66… クッションシート
67… 開口 68…弾性部 69… 非弾性部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11