(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034257
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 45/60 20180101AFI20240306BHJP
F21S 45/30 20180101ALI20240306BHJP
F21V 31/03 20060101ALI20240306BHJP
F21W 102/00 20180101ALN20240306BHJP
【FI】
F21S45/60
F21S45/30
F21V31/03 100
F21W102:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138381
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】米丸 美由貴
(72)【発明者】
【氏名】長田 和仁
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014NA09
(57)【要約】
【課題】十分な除湿が可能な除湿装置を有する車両用灯具を提供する
【解決手段】車両用灯具1は、アウタレンズ2とハウジング3で形成された灯室7内に設けられた光源4と、調湿機構6と、を有し、調湿機構6は第一吸湿材11を有し、調湿機構6は第一吸湿材11が含む水分を外部に放出可能に構成され、第一吸湿材11よりも吸湿速度の速い第二吸湿材21が灯室7内に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウタレンズとハウジングで形成された灯室内に設けられた光源と、
調湿機構と、を有し、
前記調湿機構は第一吸湿材を有し、前記調湿機構は前記第一吸湿材が含む水分を外部に放出可能に構成され、
前記第一吸湿材よりも吸湿速度の速い第二吸湿材が前記灯室内に設けられている、車両用灯具。
【請求項2】
前記灯室の湿度が50%以下の場合、前記第一吸湿材の吸水率は前記第二吸湿材と比べ高く、
前記灯室の湿度が90%の場合、前記第二吸湿材の吸水率は前記第一吸湿材と比べ高い、請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記第二吸湿材が前記第一吸湿材よりも前記アウタレンズの近傍に設けられている、請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
複数の前記第二吸湿材が互いに離間した位置に設けられている、請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記アウタレンズは、車両外部に露出する意匠面と、意匠面の裏面であり灯室内に面する内面を有し、
前記内面は、不透明樹脂で構成された第二部が設けられており、
前記第二部に第二吸湿材が設けられている、請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記灯室内に設けられる、前記灯室を少なくとも部分的に仕切る仕切り部材を備え、
前記アウタレンズと仕切り部材で形成される空間に、前記第二吸湿材が設けられ、
前記ハウジングと前記仕切り部材で形成される空間に、前記調湿機構が設けられる、請求項1または2に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のヘッドランプのハウジング除湿装置においては、シャッターの開閉に応じて加熱素子が作動し、ヘッドランプ内を除湿する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のヘッドランプのハウジング除湿装置においては、ヘッドランプ内の除湿は車両運転時に行われるが、ヘッドランプ内と外気の相対温度が急激に変化した際にヘッドランプ内に結露が生じるという課題があった。
【0005】
そこで本開示は、十分な除湿が可能な除湿装置を有する車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る車両用灯具は、
アウタレンズとハウジングで形成された灯室内に設けられた光源と、
調湿機構と、を有し、
前記調湿機構は第一吸湿材を有し、前記調湿機構は前記第一吸湿材が含む水分を外部に放出可能に構成され、
前記第一吸湿材よりも吸湿速度の速い第二吸湿材が前記灯室内に設けられている。
【発明の効果】
【0007】
上記によれば、十分な除湿が可能な除湿装置を有する車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る車両用灯具の一例を示す断面図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態に係る調湿機構の正面図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態に係る調湿機構の側断面図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態に係る調湿機構の側断面図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態に係る調湿機構の別例である。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態に係る車両用灯具の別例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る(発明の名称)の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0010】
なお、
図1等に示すU、D、F、B、R、Lは車両用灯具1における方向を示すものであり、Uは上方、Dは下方、Fは前方、Bは後方、Rは右方、Lは左方である。
【0011】
図1は、本開示の実施形態に係る車両用灯具1の一例を示す断面図である。
【0012】
本実施形態においては、灯具として、車両に搭載される車両用灯具1を説明する。
図1に示したように、車両用灯具1は、アウタレンズ2と、ハウジング3と、光源4と、インナレンズ5と、調湿機構6と、を有している。アウタレンズ2とハウジング3により灯室7が構成されている。灯室7の内部に光源4とインナレンズ5が設けられている。
【0013】
光源4から出射された光は、インナレンズ5およびアウタレンズ2を介して灯具の前方に出射される。灯室7内の湿度が高まると、アウタレンズ2の内面に結露が生じることがある。すると、光源4から出射された光を所望の強度で所望の場所に照射することが難しくなる。そこで本開示は、灯室7内の湿度を調節可能に構成されている。
【0014】
本開示のアウタレンズ2は透明樹脂と不透明樹脂による二色成形で形成されている。アウタレンズ2は車両外部に露出する意匠面2aを有する第一部2Aと、意匠面の裏面であり灯室内に面する内面2bを有する第二部2Bと、を有している。第一部2Aは透明樹脂で、可視光が通過可能に構成されている。第二部2Bは不透明樹脂で構成されている。第二部2Bは、少なくとも第一部2Aの上部の裏面に設けられている。第二部2Bは、車両用灯具1の正面視で、第一部2Aの縁部に設けられている。
【0015】
アウタレンズ2の内面2bには第二吸湿材21が設けられている。第二吸湿材21は空気中の水分を吸収することができ、シリカゲルやアクリレート繊維等で構成される。第二吸湿材21はシート状、板状であることが好ましい。第二吸湿材21は高湿環境下で空気中の水分を吸収し、低湿環境下で吸収した水分を放出する。内面2bに設けられる第二吸湿材21は外部から視認できない位置に設けられる。
【0016】
ハウジング3は、灯室7と外部とを連絡させる蒸発口8を有する。蒸発口8はハウジング3に設けられた開口である。調湿機構6は、この蒸発口8を塞ぐようにハウジング3に設けられている。外部と灯室7とは、この蒸発口8を介してのみ連通可能な状態となる。
【0017】
図2は、ハウジング3に取り付けられた調湿機構6を外部から見た正面図である。
図2に示すように調湿機構6は第一吸湿材11(
図1参照)と、フレーム12と、仕切り板13と、回転軸部14と、ヒータ15を有する。
【0018】
第一吸湿材11は仕切り板13に設けられている。第一吸湿材11は空気中の水分を吸収することができ、シリカゲルやゼオライト等で構成される。第一吸湿材11はシート状、板状であることが好ましい。また、第一吸湿材11は150℃程度の高温になると吸収した水分を空気中に放出する。
【0019】
フレーム12は、ハウジング3の蒸発口8を覆うように設けられ、ハウジング3の内面に気密に取り付けられている。フレーム12は、蒸発口8と同様の大きさの開口を有する枠状の部材である。
図1に示したように、蒸発口8の外周に、フレーム12と仕切り板13との隙間を塞ぐシールリップ16が設けられていてもよい。
【0020】
回転軸部14は、蒸発口8の開口方向に交差する方向に延びている。回転軸部14はフレーム12の開口部を横切り、その両端はフレーム12に支持されている。回転軸部14は、左右方向に延びる回転軸線X方向に延びている。回転軸部14は、仕切り板13を回転軸線X回りに回転可能に支持している。
【0021】
仕切り板13は、フレーム12の開口部(蒸発口8)と同じまたは僅かに小さい板状部の部材である。仕切り板13は、フレーム12の開口部を覆う位置に設けられている。仕切り板13の一方の表面には、第一吸湿材11が取り付けられている。仕切り板13の他方の表面には、第一吸湿材11が設けられていない。仕切り板13は、回転軸部14によって、蒸発口8の開口方向に交差する方向に延びる回転軸線X回りに回転可能に支持されている。
【0022】
仕切り板13は、回転軸線X回りに回転することで、第一位置と第二位置に移動することができる。第一位置は第一吸湿材11を灯室7の内部へ露出させる位置である。第二位置は第一吸湿材11を灯室7の外部に露出させる位置である。図示した例では、第一位置から回転軸部14を180度回転させると、第二位置となる。
【0023】
図示した例では、ヒータ15は仕切り板13の表面に設けられたニクロム線である。ヒータ15に通電することで第一吸湿材11を少なくとも150℃以上に加熱できるように構成されている。なお、第一吸湿材11を加熱する方法はニクロム線による加熱に限られない。例えば仕切り板13が導電性を有して仕切り板13自体を発熱させてもよいし、灯室内に設けられた赤外線ランプから照射される赤外線により第一吸湿材11が加熱されるように構成されていてもよい。
【0024】
次に
図3、
図4を用いて調湿機構6の動作について説明する。
【0025】
図3は第一位置に位置する調湿機構6の側断面図である。仕切り板13は、
図3に示すように、吸湿部材9が灯室7内に露出する第一位置に位置することができる。第一位置においては、第一吸湿材11が蒸発口8よりも内部に位置する。第一吸湿材11が第一位置にあるとき、灯室7は仕切り板13によって外部から遮断されている。第一位置において、第一吸湿材11は灯室7の内部の湿気を吸収する。
【0026】
図4は、第二位置に位置する調湿機構6の側断面図である。
図3に示した状態から仕切り板13を回転軸線X回りに180度回転させると、
図4に示した状態となる。
図4に示したように、第二位置においては、第一吸湿材11が外部に露出する。つまり、第二位置においては、第一吸湿材11が灯室7の外部に位置する。また、灯室7は仕切り板13によって外部から遮蔽されている。
調湿機構6が第二位置に位置したときに、ヒータ15は第一吸湿材11を加熱する。これにより、第一吸湿材11に含まれていた水分が蒸発し、外部に放出される。これにより、調湿機構6が第一位置に復帰したときに、第一吸湿材11が再び灯室7内の水分を吸収できるようになる。
このように仕切り板13は第一位置と第二位置を交互に移動することで、灯室7内の湿度を一定に保つ。また、前述したように第一位置、第二位置のどちらに位置していても灯室7は閉塞されている。
【0027】
本実施形態において灯室7内の湿度の調節を行う、第一吸湿材11と第二吸湿材21について以下に詳述する。本実施形態の第一吸湿材11、第二吸湿材21はそれぞれ特定の温度以上に加熱されると吸収した水分を放出する構成となっている。以下、第一吸湿材11、第二吸湿材21が吸収した水分を放出する温度を再生温度と称する。なお、第一吸湿材11が水分を放出し始める再生温度と、第二吸湿材21が水分を放出し始める再生温度とは異なる。
【0028】
本実施形態において第二吸湿材21は吸湿速度が第一吸湿材11よりも高くなるように構成される。吸湿速度は以下の方式で計算される。
1.吸湿材5gをそれぞれの再生温度で2時間乾燥させ、乾燥重量を測定する。
2.任意の温度条件、湿度条件において吸湿重量を測定する。
3.乾燥重量と吸湿重量の割合から吸水率曲線を作成し、吸水率が5%となる時間を吸湿速度と定義する。
本実施形態における第二吸湿材21は吸湿速度が1時間以下であることが望ましい。
【0029】
なお、第一吸湿材11は低湿環境における吸水率が第二吸湿材21よりも高くなるように構成されることが好ましい。吸水率は吸湿材が吸収することのできる水の度合いを示すもので、吸湿材が吸収した水分の重量を乾燥状態の吸湿材の重量で除することで求められる。
本実施形態における第一吸湿材11は、低湿環境(湿度20%)における吸水率が12%以上であることが望ましい。本実施形態において第一吸湿材11は、室温に近い温度において空気中の水分を吸収し、150℃程度の高温において吸収した水分を放出する。
【0030】
本実施形態において第二吸湿材21は高湿環境における吸水率が第一吸湿材11よりも高くなるように構成される。例えば第二吸湿材21は高湿環境(湿度90%)における吸水率が70%以上であることが望ましい。本実施形態において、第二吸湿材21は高湿環境において空気中の水分を吸収し、低湿環境において放出するように構成される。
【0031】
第一吸湿材11と第二吸湿材21はシリカゲルやゼオライト、アクリレート繊維等で構成される。第一吸湿材11または第二吸湿材21に用いることができる吸湿材料の一部の物性を表1に示す。表1の物性は上述した吸水率、吸湿速度、そして吸湿材が湿度の放出を開始する温度である再生温度について示している。なお、本実施形態において用いられる吸湿材料は表1に示されるものに限られない。
【0032】
【0033】
第一吸湿材11に用いられる吸湿材料は、低湿環境(湿度50%以下)における吸水率が第二吸湿材21より高く構成される。また、第一吸湿材11の再生温度は高いことが求められる。仮に第一吸湿材11が室温程度の低温で水分を放出する場合、調湿機構6が第一位置に位置する際にも第一吸湿材11は水分を放出し、灯室7の湿度を上昇させてしまうためである。
このことから、第一吸湿材11は低湿環境下での吸水率が高く、再生温度の高い材料で構成されることが望ましい。例えば表1に示したシリカゲルAやゼオライト、モレキュラーシーブ、シブレット等を主原料に作られることが望ましい。
【0034】
第二吸湿材21に用いられる吸湿材料は、高湿環境における吸水率が第一吸湿材11よりも高くなるように構成される。また、吸湿速度が第一吸湿材11よりも高くなるように構成される。
このことから、第二吸湿材21は、高湿環境における吸水率が高く、吸湿速度が高い材料で構成されることが望ましい。例えば表1に示したシリカゲルBやアクリレート繊維等を主原料に作られることが望ましい。
【0035】
第一吸湿材11及び第二吸湿材21は表1に挙げた材料以外のシリカゲル系、ゼオライト系、アロフェン系、アクリレート繊維系の吸湿材を用いてもよい。また、複数の吸湿材を組み合わせて構成されてもよい。
【0036】
ところで、車両用灯具1は降雨や洗車、朝の放射冷却等によってアウタレンズ2が冷えた際、アウタレンズ2の内面2b付近の湿度が急激に下がることがある。上記構成によれば、内面2bには吸湿速度が高く、高湿環境における吸水率が高い第二吸湿材が設けられているため、アウタレンズ2付近の空気中の水分を急速に吸収することができる。これにより、灯室7内の湿度が高まりやすい環境においても、アウタレンズ2の内壁に結露が生じることを防ぐことができる。
【0037】
上述した状況の後、アウタレンズ2の温度が上がった場合、灯室7内の湿度は低くなる。この時、第二吸湿材21は吸収した水分を徐々に放出する。また、同時に調湿機構6に設けられている第一吸湿材も灯室7内の空気中の水分を吸収する。これにより、第二吸湿材21が水分を灯室7内に放出する際においても、灯室7内の湿度を低く保つことができる。
【0038】
調湿機構6は第一吸湿材11が十分に水分を吸収した後、もしくは一定時間経過した後、第一位置から第二位置に移動し、ヒータ15により第一吸湿材11を加熱する。加熱された第一吸湿材11は吸収した水分を灯室7の外部に放出する。
【0039】
また本開示とは異なり、アウタレンズの内面にのみ吸湿材を設けた場合では、吸湿材の吸収限度を超えて灯室内の水分を吸収することができない。このため、灯室内に大量の吸湿材を設ける必要があるが、現実的ではない。また、灯室内にはアウタレンズやハウジングを浸透して継続的に水分が浸入してくるため、灯室内に吸湿材を設けただけでは恒久的な曇り防止効果は得られない。
【0040】
さらに本開示とは異なり、調湿機構のみを有する車両用灯具においては、恒久的な曇り防止効果は得られる。しかしながら、調湿機構に搭載される第一吸湿材には灯室7内の温度よりも高温(例えば120度以上)で水分を蒸発させる特性が求められる。このような特性を有する材料を選択する都合上、第一吸湿材の吸湿速度は大きくできないことが多く、急激に灯室内の湿度が上昇した場合には、第一吸湿材による除湿が間に合わないことがある。
【0041】
そこで本開示によれば、第一吸湿材11よりも吸湿速度の速い第二吸湿材21が灯室7内に設けられている。このため、第一吸湿材11を含む調湿機構6により恒久的な曇り防止効果を得つつ、第二吸湿材21によって急激な灯室7内の湿度上昇時にも十分に湿気を吸収するのでアウタレンズ2の内面2bに結露を生じさせにくい。
【0042】
なお、上述した実施形態においては、第一吸湿材11が設けられた仕切り板13が灯室7を閉塞させていたが、本発明はこれに限られない。例えば、
図5のように構成してもよい。
図5に示した例では、調湿機構6は、ハウジング3に設けられた蒸発口8を塞ぐ、蒸発口8の開口方向に交差する方向に延びる回転軸線回りに回転可能な回転軸部114とフレーム112を有する。回転軸部114の外周面の一部に第一吸湿材111が設けられている。
第一位置においては、第一吸湿材31が蒸発口8よりも外部に位置するように回転軸部114が回転されており、第二位置においては、第一吸湿材111が灯室7の内部に位置するように回転軸部114が回転されている。
図5に示した例では、回転軸部114の外周面の半周に亘って第一吸湿材111が設けられている。この回転軸部114とフレーム112によって灯室7が閉塞される。
【0043】
また、上述した実施形態においては、調湿機構6が一つのみ設けられる構成を説明したが、本実施形態はこれに限られない。例えば、調湿機構6は複数あってもよい。
【0044】
また、本実施形態において車両用灯具1は、
図6に示すように仕切り部材50を有していてもよい。仕切り部材50はエクステンション、インナレンズ、カバーまたはリフレクタによって構成される。なお、仕切り部材50は灯室7を閉塞した状態で完全に仕切る構成ではなく、空気が通る隙間を有している。
仕切り部材50を設ける場合、アウタレンズ2と仕切り部材50で形成される空間に、第二吸湿材21が設けられ、ハウジング3と仕切り部材50で形成される空間に、第一吸湿材11(調湿機構6)が設けられる。仕切り部材50が設けられることによって、第一吸湿材11と第二吸湿材21は別の空間で除湿することができる。これにより、第一吸湿材11と第二吸湿材21それぞれがより適した空間で除湿することができるので、十分に灯室7内を除湿することができる。
【0045】
以上、本開示の実施形態について説明をしたが、本開示の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本開示の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0046】
1:車両用灯具
2:アウタレンズ
2a:意匠面
2A:第一部
2b:内面
2B:第二部
3:ハウジング
4:光源
5:インナレンズ
6:調湿機構
7:灯室
8:蒸発口
11:第一吸湿材
12:フレーム
13:仕切り板
14:回転軸部
15:ヒータ
21:第二吸湿材
50:仕切り部材