(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034307
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】データ書き込み装置、生体情報測定システム、データ書き込み方法、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 40/00 20180101AFI20240306BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G16H40/00
A61B5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138468
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】新谷 徹
【テーマコード(参考)】
4C117
5L099
【Fターム(参考)】
4C117XB03
4C117XB07
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE23
4C117XE37
4C117XE58
4C117XH16
4C117XJ45
4C117XL01
4C117XQ19
5L099AA22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】患者ID又は測定者IDを記録した媒体から患者ID又は測定者IDを読み取り、生体情報測定装置に書き込むデータ書き込み装置、生体情報測定システム、データ書き込み方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】生体情報測定システムにおいて、データ通信機能を有する生体情報測定装置にデータを書き込むデータ書き込み装置は、患者ID又は測定者IDを記録した媒体から患者ID又は測定者IDを読み取る読取部と、生体情報測定装置との間で接触通信又は近接無線通信を行う近距離通信部とを備える。近距離通信部は、読取部によって読み取った患者ID又は測定者IDを生体情報測定装置へ送信することによって、生体情報測定装置に患者ID又は測定者IDを書き込む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ通信機能を有する生体情報測定装置にデータを書き込むデータ書き込み装置であって、
患者ID又は測定者IDを記録した媒体から患者ID又は測定者IDを読み取る読取部と、
前記生体情報測定装置との間で接触通信又は近接無線通信を行う近距離通信部と
を備え、
前記近距離通信部は、
前記読取部によって読み取った患者ID又は測定者IDを前記生体情報測定装置へ送信することによって、前記生体情報測定装置に患者ID又は測定者IDを書き込む
データ書き込み装置。
【請求項2】
前記生体情報測定装置を通信可能に搭載する搭載部を備える
請求項1に記載のデータ書き込み装置。
【請求項3】
前記生体情報測定装置との通信状態、前記読取部による患者ID若しくは測定者IDの読み取り状態、又は前記生体情報測定装置における患者ID若しくは測定者IDの書き込み状態を表示する表示部を備える
請求項1に記載のデータ書き込み装置。
【請求項4】
前記近距離通信部が同一種類の複数の前記生体情報測定装置と通信可能になった場合、警告を発する報知部を備える
請求項1に記載のデータ書き込み装置。
【請求項5】
前記近距離通信部は、
前記読取部によって読み取った患者ID又は測定者IDを複数種類の前記生体情報測定装置へ送信する
請求項1に記載のデータ書き込み装置。
【請求項6】
外部サーバと通信を行う通信部を備え、
前記近距離通信部は、
患者ID又は測定者IDと、測定値とを対応付けて記憶した複数種類の前記生体情報測定装置からそれぞれ送信された、患者ID又は測定者ID及び測定値を受信し、
前記通信部は、
受信した複数の患者ID又は測定者ID及び測定値を、前記外部サーバへ送信する
請求項1に記載のデータ書き込み装置。
【請求項7】
前記近距離通信部は、
患者ID又は測定者ID及び測定値を、前記外部サーバへ送信した場合、データ消去を前記生体情報測定装置へ指示する
請求項6に記載のデータ書き込み装置。
【請求項8】
前記読取部は、バーコードリーダであり、
前記近距離通信部はRFリーダライタである
請求項1に記載のデータ書き込み装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のデータ書き込み装置と、
生体情報測定装置と
を備え、
前記生体情報測定装置は、
患者の生体情報を測定する生体情報測定部と、
前記データ書き込み装置との間で接触通信又は近接無線通信を行う近距離通信部と、
前記生体情報測定部が測定して得た測定値と、前記近距離通信部が受信した患者ID又は測定者IDとを対応付けて記憶する記憶部と
を備える生体情報測定システム。
【請求項10】
前記生体情報測定装置は、
測定値と、患者ID又は測定者IDと、測定日時とを対応付けて前記記憶部に記憶する
請求項9に記載の生体情報測定システム。
【請求項11】
前記生体情報測定装置の前記近距離通信部は、前記データ書き込み装置の前記読取部よりも小寸法である請求項10に記載の生体情報測定システム。
【請求項12】
データ通信機能を有する生体情報測定装置にデータを書き込むデータ書き込み方法であって、
患者ID又は測定者IDを記録した媒体から患者ID又は測定者IDを読み取り、
読み取った患者ID又は測定者IDを、接触通信又は近接無線通信にて前記生体情報測定装置へ送信することによって、前記生体情報測定装置に患者ID又は測定者IDを書き込む
データ書き込み方法。
【請求項13】
データ通信機能を有する生体情報測定装置との間で接触通信又は近接無線通信を行う近距離通信部と、患者ID又は測定者IDを記録した媒体から患者ID又は測定者IDを読み取る読取部とを備えるコンピュータに、
患者ID又は測定者IDを読み取り、
読み取った患者ID又は測定者IDを前記生体情報測定装置へ送信することによって、前記生体情報測定装置に患者ID又は測定者IDを書き込む
処理を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ書き込み装置、生体情報測定システム、データ書き込み方法、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被検者の動脈血酸素飽和度及び脈拍数を含む生体情報を測定し、測定データと、測定時に設定されている検査を特定する検査IDと、を対応付けてメモリに記憶するパルスオキシメータが開示されている。
【0003】
特許文献2には、患者を識別することが可能な患者識別情報を取得する取得部と、取得部により取得された患者識別情報を記憶する記憶部と、患者の生体情報を検出する検出部と、記憶部に記憶された患者識別情報を生体情報に付与する付与部と、患者識別情報が付与された生体情報を外部機器へ送信可能な送信部と、を備えるセンサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-186149号公報
【特許文献2】特開2018-5338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、患者ID又は測定者IDを記録した媒体から患者ID又は測定者IDを読み取り、生体情報測定装置に書き込むことができるデータ書き込み装置、生体情報測定システム、データ書き込み方法、コンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、(1)データ通信機能を有する生体情報測定装置にデータを書き込むデータ書き込み装置であって、患者ID又は測定者IDを記録した媒体から患者ID又は測定者IDを読み取る読取部と、前記生体情報測定装置との間で接触通信又は近接無線通信を行う近距離通信部とを備え、前記近距離通信部は、前記読取部によって読み取った患者ID又は測定者IDを前記生体情報測定装置へ送信することによって、前記生体情報測定装置に患者ID又は測定者IDを書き込むデータ書き込み装置である。
【0007】
ここで、本発明の実施形態は、
(2)上記(1)のデータ書き込み装置は、前記生体情報測定装置を通信可能に搭載する搭載部を備えることが好ましい。
(3)上記(1)又は(2)のデータ書き込み装置は、前記生体情報測定装置との通信状態、前記読取部による患者ID若しくは測定者IDの読み取り状態、又は前記生体情報測定装置における患者ID若しくは測定者IDの書き込み状態を表示する表示部を備えることが好ましい。
(4)上記(1)~(3)のいずれか1つに記載のデータ書き込み装置は、前記近距離通信部が同一種類の複数の前記生体情報測定装置と通信可能になった場合、警告を発する報知部を備えることが好ましい。
(5)上記(1)~(4)のいずれか1つに記載のデータ書き込み装置は、前記近距離通信部が、前記読取部によって読み取った患者ID又は測定者IDを複数種類の前記生体情報測定装置へ送信することが好ましい。
(6)上記(1)~(5)のいずれか1つに記載のデータ書き込み装置は、外部サーバと通信を行う通信部を備え、前記近距離通信部は、患者ID又は測定者IDと、測定値とを対応付けて記憶した複数種類の前記生体情報測定装置からそれぞれ送信された、患者ID又は測定者ID及び測定値を受信し、前記通信部は、受信した複数の患者ID又は測定者ID及び測定値を、前記外部サーバへ送信することが好ましい。
(7)上記(6)のデータ書き込み装置は、前記近距離通信部が、患者ID又は測定者ID及び測定値を、前記外部サーバへ送信した場合、データ消去を前記生体情報測定装置へ指示することが好ましい。
(8)上記(1)~(7)のいずれか1つに記載のデータ書き込み装置は、前記読取部は、バーコードリーダであり、前記近距離通信部はRFリーダライタであることが好ましい。
【0008】
本発明は、(9)上記(1)~(8)のいずれか1つに記載のデータ書き込み装置と、生体情報測定装置とを備え、前記生体情報測定装置は、患者の生体情報を測定する生体情報測定部と、前記データ書き込み装置との間で接触通信又は近接無線通信を行う近距離通信部と、前記生体情報測定部が測定して得た測定値と、前記近距離通信部が受信した患者ID又は測定者IDとを対応付けて記憶する記憶部とを備える生体情報測定システムである。
【0009】
(10)上記(9)の生体情報測定システムは、前記生体情報測定装置が、測定値と、患者ID又は測定者IDと、測定日時とを対応付けて前記記憶部に記憶することが好ましい。
(11)上記(9)又は(10)の生体情報測定システムは、前記生体情報測定装置の前記近距離通信部が、前記データ書き込み装置の前記読取部よりも小寸法であることが好ましい。
【0010】
本発明は、(12)データ通信機能を有する生体情報測定装置にデータを書き込むデータ書き込み方法であって、患者ID又は測定者IDを記録した媒体から患者ID又は測定者IDを読み取り、読み取った患者ID又は測定者IDを、接触通信又は近接無線通信にて前記生体情報測定装置へ送信することによって、前記生体情報測定装置に患者ID又は測定者IDを書き込むデータ書き込み方法である。
【0011】
本発明は、(13)データ通信機能を有する生体情報測定装置との間で接触通信又は近接無線通信を行う近距離通信部と、患者ID又は測定者IDを記録した媒体から患者ID又は測定者IDを読み取る読取部とを備えるコンピュータに、患者ID又は測定者IDを読み取り、読み取った患者ID又は測定者IDを前記生体情報測定装置へ送信することによって、前記生体情報測定装置に患者ID又は測定者IDを書き込む処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、患者ID又は測定者IDを記録した媒体から患者ID又は測定者IDを読み取り、読み取った患者ID又は測定者IDを生体情報測定装置に書き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態1に係る生体情報測定システムの構成例を説明する模式図である。
【
図2】実施形態1に係る生体情報測定システムの構成例を示すブロック図である。
【
図4】データ書き込み処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】データ書き込み処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】データ書き込み処理手順を示すフローチャートである。
【
図10】データ一括送信処理手順を示すフローチャートである。
【
図11】データ一括送信処理手順を示すフローチャートである。
【
図13】実施形態2に係る生体情報測定システムの構成例を説明する模式図である。
【
図14】実施形態2に係るデータ送信処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施形態に係るデータ書き込み装置、生体情報測定システム、データ書き込み方法、コンピュータプログラムを、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0015】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る生体情報測定システムの構成例を説明する模式図、
図2は、実施形態1に係る生体情報測定システムの構成例を示すブロック図である。生体情報測定システムは、データ書き込み装置1と、複数種類の生体情報測定装置2と、データ管理装置3(外部サーバ)とを備える。
【0016】
患者は、患者を識別するための患者IDが記録された媒体を装着しているものとする。例えば、患者は、患者IDが印刷された患者リストバンドを装着している。
患者の生体情報を測定する医師、看護師等の測定者は、測定者を識別するための測定者IDが記録された媒体を装着しているものとする。例えば、測定者は、測定者IDが印刷された職員証プレートを装着している。
【0017】
データ書き込み装置1は、患者リストバンド及び職員証プレートから患者ID及び測定者IDを読み取り、RFID送受信部を有する複数種類の生体情報測定装置2に患者ID及び測定者IDを書き込む装置である。生体情報測定装置2は、患者の生体情報を測定して得た測定値と、書き込まれた患者ID及び測定者IDと、測定日時とを対応付けて記憶する。データ書き込み装置1は、複数種類の生体情報測定装置2に蓄積された測定値を取り込み、取り込んだ測定値、測定日時、患者ID及び測定者IDを、データ管理装置3へ一括送信する機能を有する。
【0018】
<データ書き込み装置1>
データ書き込み装置1は、搭載部10、処理部11、記憶部12、通信部13、読取部14、操作パネル15、近距離通信部16及び報知部17を備える。
【0019】
搭載部10は、近距離通信部16が複数種類の生体情報測定装置2との間で通信できる範囲内に、当該複数種類の生体情報測定装置2を搭載する部材である。搭載部10は、例えば、複数の生体情報測定装置2が載置されるトレー、ワゴン、箱等である。搭載部10は、複数の生体情報測定装置2をそれぞれ保持するホルダであってもよい。
【0020】
処理部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、等の1又は複数のプロセッサを有する。処理部11は、コンピュータを構成するものであり、記憶部12に記憶してあるコンピュータプログラム12aを実行することにより、本開示に係るデータ書き込み方法に係る処理を実施する。
【0021】
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等を含む。記憶部12は、処理部11が実行するコンピュータプログラム12aと、コンピュータプログラム12aの実行に必要なその他の各種データを記憶する。コンピュータプログラム12aは、本実施形態1に係るデータ書き込み処理をコンピュータに実行させるためのプログラムである。コンピュータプログラム12aは、コンピュータで読み取り可能に記憶媒体19に記録されるものであってもよい。処理部11は、図示しない読み取り装置を介して記憶媒体19からコンピュータプログラム12a及び各種のデータを読み取って記憶部12に記憶させる。また、記憶部12に記憶されるコンピュータプログラム12a及び各種のデータは、処理部11が通信部13を介して他の装置からダウンロードして記憶部12に記憶してもよい。
【0022】
通信部13は、有線通信又は無線通信によって、インターネット又は病院内のLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、外部サーバであるデータ管理装置3との間で通信を行う通信回路である。例えば、通信部13は無線LAN通信を行う回路である。通信部13は、患者ID、測定者ID、測定値及び測定日時をデータ管理装置3へ送信することができる。
【0023】
読取部14は、患者ID又は測定者IDを記録した媒体から患者ID又は測定者IDを読み取る装置である。読取部14は、例えばバーコードリーダであり、患者リストバンド及び職員証プレートのバーコードから患者ID又は測定者IDを光学的に読み取る。読取部14は、生体情報測定装置2の近距離通信部26に比べて大寸法である。
【0024】
近距離通信部16は、生体情報測定装置2との間で接触通信又は近接無線通信を行う回路である。近距離通信部16は、例えば、生体情報測定装置2が近距離通信部26としてRFID送受信部を備える場合、当該RFID送受信部にデータを送信し、またRFID送受信部からデータを受信するRFリーダライタである。近距離通信部16の通信距離は、搭載部10に生体情報測定装置2が搭載される範囲内に限定されている。近距離通信部16は、読取部14によって読み取った患者ID及び測定者IDを生体情報測定装置2へRF無線送信することによって、生体情報測定装置2の記憶部22に患者ID又は測定者IDを書き込むことができる。
【0025】
報知部17は、患者の生体情報を測定すべき測定時刻になった場合、その旨を報知する装置である。また、近距離通信部16が同一種類の複数の生体情報測定装置2と通信可能になった場合、つまり通信異常が発生した場合に警告を発する装置である。報知部17は、警告音を発するブザー等である。なお、報知部17に代えて操作パネル15を用いて警告を発するように構成してもよい。
【0026】
図3は、操作パネル15を示す模式図である。操作パネル15は、測定者ID表示部15a、患者ID表示部15b、インジケータ15c、転送ボタン15d及び取込ボタン15eを備える。測定者ID表示部15a及び患者ID表示部15bは、例えば液晶ディスプレイであり、読取部14によって読み取られた測定者ID及び患者IDを表示する。測定者ID表示部15a及び患者ID表示部15bは、発光素子を備えてもよい。
【0027】
インジケータ15cは、複数の生体情報測定装置2それぞれに対応する発光素子を有する。例えば、操作パネル15には、「体温計」、「血圧計」、「パルス」、「血糖値」等、生体情報測定装置2の種類に対応する文字が印刷されており、各文字の側に発光素子が設けられている。発光素子は、例えば、発光色を変化させることができるフルカラーLEDである。インジケータ15cは、生体情報測定装置2との通信状態、読取部14による患者ID及び測定者IDの読み取り状態、生体情報測定装置2への患者ID及び測定者IDの書き込み状態等を表示する表示部の一例である。
【0028】
転送ボタン15dは、読取部14で読み取った測定者ID及び患者IDを生体情報測定装置2へ転送させるための操作スイッチである。転送ボタン15dは、当該転送ボタン15dの操作方法を案内するための発光素子を有する。発光素子の発光により、転送ボタン15dが点灯する。転送ボタン15dの点灯及び消灯は処理部11によって制御される。
【0029】
取込ボタン15eは、複数種類の生体情報測定装置2から測定者ID、患者ID、測定値及び測定日時を読み出し、データ管理装置3へ一括送信させるための操作スイッチである。取込ボタン15eは、当該取込ボタン15eの操作方法を案内するために発光素子を有する。当該発光素子の発光により、取込ボタン15eが点灯する。取込ボタン15eの点灯及び消灯は処理部11によって制御される。
【0030】
<生体情報測定装置>
生体情報測定装置2は、患者の生体情報を測定する装置であり、制御部21と、記憶部22と、生体情報測定部23と、近距離通信部26とを備える。生体情報測定装置2は、例えば、体温計、血圧計、血糖計、パルスオキシメータ等である。
【0031】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、等の1又は複数のプロセッサを有する。制御部21は、生体情報の測定日時を得るための時計を有する。時計は、年月日時分秒を計時する。
【0032】
記憶部22は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、患者ID、測定者ID、測定値及び測定日時の情報を対応付けて記憶する。複数の患者の生体情報を連続して測定した場合、複数の患者それぞれの患者ID、測定者ID、測定値及び測定日時を記憶することができる。以下、患者ID、測定者ID、測定値及び測定日時を、適宜、測定値等と呼ぶ。
【0033】
生体情報測定部23は、患者の体温、血圧、動脈血酸素飽和度(SpO2)、脈拍数、血糖等を測定するセンサである。
【0034】
近距離通信部26は、例えばRFID送受信部であり、信号を送受信するアンテナ、復調回路、変調回路等を備える。近距離通信部26は、データ書き込み装置1の近距離通信部16からRF無線送信された患者ID及び測定者IDを受信する。受信した患者ID及び測定者IDは、記憶部22に書き込まれる。
また、近距離通信部26は、記憶部22が記憶する患者ID、測定者ID、測定値及び測定日時のデータを、データ書き込み装置1へ送信することができる。
【0035】
<データ管理装置3>
データ管理装置3は、複数の患者それぞれの生体情報を管理する装置であり、サーバ制御部31、記憶部32及び通信部33を備える。データ管理装置3は、例えば、電子カルテ管理システムサーバである。
【0036】
サーバ制御部31は、CPU、MPU等の1又は複数のプロセッサを有する。記憶部32は、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD等を含む。記憶部32は、患者の基本情報、生体情報等を記憶する。通信部33は、有線通信又は無線通信によって、インターネット又はLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、データ書き込み装置1との間で通信を行う通信回路である。通信部33は、データ書き込み装置1から送信された患者ID、測定者ID、測定値及び測定日時を受信する。記憶部32は、通信部33が受信した患者ID、測定者ID、測定値及び測定日時のデータを対応付けて記憶する。
【0037】
<データ書き込み処理>
図4~
図6は、データ書き込み処理手順を示すフローチャート、
図7~
図9は、データ書き込み方法を示す模式図である。データ管理装置3は、患者の生体情報の測定を行うべき日時を管理している。生体情報の測定を行うべき日時になった場合、データ管理装置3は、測定時刻である旨をデータ書き込み装置1に通知する(ステップS11)。
【0038】
データ書き込み装置1は、測定時刻である旨の通知を受信した場合、測定時刻である旨を報知部17にて報知する(ステップS12)。測定者は、
図7Aに示すようにデータ書き込み装置1のトレーを用意し、
図7Bに示すように、生体情報の測定に使用する複数種類の生体情報測定装置2を搭載部10に載置する。本実施形態1では、体温計、血圧計、パルスオキシメータ、血圧計がデータ書き込み装置1のトレーに置かれる。
【0039】
データ書き込み装置1の処理部11は、近距離通信部16にて通信を行い、搭載部10に載置された一又は複数の生体情報測定装置2を検出する(ステップS13)。処理部11は、同一種類の複数の生体情報測定装置2が重複して存在するか否かを判定する(ステップS14)。言い換えると、処理部11は、同一種類の複数の生体情報測定装置2と通信可能になったか否かを判定する。
【0040】
重複無く一又は複数種類の生体情報測定装置2が検出された場合(ステップS14:NO)、処理部11は、検出された生体情報測定装置2に対応するインジケータ15cを第1の灯色で点灯させる(ステップS15)。第1の灯色は例えば黄色である。全種類の生体情報測定装置2がデータ書き込み装置1のトレーに載置された場合、
図7Cに示すように、4つの発光素子は全て黄色に点灯する。図中、ハッチングが付された発光素子は黄色で点灯していることを示している。
【0041】
同一種類の生体情報測定装置2が複数検出された場合(ステップS14:YES)、処理部11は、報知部17にて機器が重複していることを警告し(ステップS16)、処理をステップS13へ戻す。
【0042】
ステップS15の処理を終えた処理部11は、
図8Aに示すように、読取部14にて職員証プレートから測定者IDを読み取る(ステップS17)。処理部11は、
図8Bに示すように、読み取った測定者IDを、測定者ID表示部15aに表示し、転送ボタン15dを点灯させる(ステップS18)。
【0043】
処理部11は、操作パネル15の転送ボタン15dが押下されたか否かを判定する(ステップS19)。転送ボタン15dが押下されていないと判定した場合(ステップS19:NO)、処理部11は処理をステップS17へ戻す。転送ボタン15dが押下されたと判定した場合(ステップS19:YES)、処理部11は、近距離通信部16にて測定者IDを、一又は複数の全ての生体情報測定装置2へ送信する(ステップS20)。
【0044】
生体情報測定装置2は、データ書き込み装置1から送信された測定者IDを近距離通信部26にて受信し(ステップS21)、受信した測定者IDを記憶部22に一時記憶する(ステップS22)。生体情報測定装置2は、測定者IDの受信及び記憶処理の結果を示す応答信号を近距離通信部26にてデータ書き込み装置1へ送信する(ステップS23)。
【0045】
データ書き込み装置1は、生体情報測定装置2から送信された応答信号を近距離通信部16にて受信する(ステップS24)。データ書き込み装置1の処理部11は、応答信号に基づいて、測定者IDの転送に成功したか否かを判定する(ステップS25)。つまり、一又は複数の全ての生体情報測定装置2に測定者IDを書き込むことができたか否かを判定する。
【0046】
測定者IDの転送に成功したと判定した場合(ステップS25:YES)、処理部11は、測定者ID表示部15aに転送に成功した旨を表示し(ステップS26)、転送ボタン15dを消灯する(ステップS27)。例えば、処理部11は、
図8Cに示すように、測定者ID表示部15aの発光素子を緑色で点灯させ、転送ボタン15dを消灯する。図中、グレー色の発光素子は緑色で点灯していることを示している。
【0047】
測定者IDの転送に失敗したと判定した場合(ステップS25:NO)、処理部11は、測定者IDの転送に失敗した旨を表示し(ステップS28)、処理をステップS18へ戻す。例えば、処理部11は、
図8Dに示すように、測定者ID表示部15aの発光素子を赤色で点灯させる。転送ボタン15dは点灯したままの状態とする。図中、黒塗りの発光素子は赤色で点灯していることを示している。
【0048】
ステップS27の処理を終えた処理部11は、
図9Aに示すように、読取部14にて患者リストバンドから患者IDを読み取る(ステップS29)。処理部11は、
図9Bに示すように、読み取った患者IDを、患者ID表示部15bに表示し、転送ボタン15dを点灯させる(ステップS30)。
【0049】
処理部11は、操作パネル15の転送ボタン15dが押下されたか否かを判定する(ステップS31)。転送ボタン15dが押下されていないと判定した場合(ステップS31:NO)、処理部11は処理をステップS29へ戻す。転送ボタン15dが押下されたと判定した場合(ステップS31:YES)、処理部11は、近距離通信部16にて患者IDを、全ての生体情報測定装置2へ送信する(ステップS32)。
【0050】
生体情報測定装置2は、データ書き込み装置1から送信された患者IDを近距離通信部26にて受信し(ステップS33)、受信した患者IDを記憶部22に一時記憶する(ステップS34)。生体情報測定装置2は、患者IDの受信及び記憶処理の結果を示す応答信号を近距離通信部26にてデータ書き込み装置1へ送信する(ステップS35)。
【0051】
データ書き込み装置1は、生体情報測定装置2から送信された応答信号を近距離通信部16にて受信する(ステップS36)。データ書き込み装置1の処理部11は、応答信号に基づいて、患者IDの転送に成功したか否かを判定する(ステップS37)。つまり、一又は複数の全ての生体情報測定装置2に患者IDを書き込むことができたか否かを判定する。
【0052】
患者IDの転送に成功したと判定した場合(ステップS37:YES)、処理部11は、患者ID表示部15bに転送に成功した旨を表示し(ステップS38)、転送ボタン15dを消灯する(ステップS39)。例えば、処理部11は、
図9Cに示すように、インジケータ15cを第2の灯色で点灯させ、転送ボタン15dを消灯する。第2の灯色は、例えば緑色である。
【0053】
患者IDの転送に失敗したと判定した場合(ステップS37:NO)、処理部11は、患者IDの転送に失敗した旨を表示し(ステップS40)、処理をステップS30へ戻す。例えば、処理部11は、
図9Dに示すように、インジケータ15cを第3の灯色で点灯させる。第3の灯色は例えば赤色である。転送ボタン15dは点灯したままの状態とする。
【0054】
患者ID及び測定者IDの転送完了を確認した測定者は、生体情報測定装置2を用いて生体情報の測定を行う。
【0055】
生体情報測定装置2は、測定者の操作により、患者の生体情報を測定する(ステップS41)。生体情報測定装置2の制御部21は、測定値、測定日時、測定者ID及び患者IDを対応付けて記憶部22に記憶する(ステップS42)。生体情報測定装置2は、ステップS22及びステップS34の処理によって、生体情報の測定が行われる患者及び測定を行う測定者の患者ID及び測定者IDを一時記憶した状態にある。制御部21は、生体情報を測定して得た測定値及び測定日時と、一時記憶してある患者ID及び測定者IDとを対応付けて記憶部22に記憶する。
【0056】
患者の生体情報の測定値を記憶した場合、制御部21は、一時記憶していた患者IDを消去する(ステップS43)。
【0057】
測定者は、複数種類の生体情報測定装置2を用いて、同様にして患者の生体情報を測定する。
【0058】
なお、ステップS39の処理を追えたデータ書き込み装置1の処理部11は、ステップS29に戻り、再び患者IDの読み取りを実行する。このように構成することによって、測定者は複数の患者の生体情報を続けて測定することができる。
【0059】
具体的には、測定者は、一の患者の生体情報の測定を終了した場合、全ての生体情報測定装置2をデータ書き込み装置1のトレーに戻す。そして、測定者は、新たな別の患者の患者IDを読取部14によって読み取ると、当該患者の患者IDが、各生体情報測定装置2に書き込まれる。当該患者の患者ID及び測定者IDが書き込まれた生体情報測定装置2を用いて生体情報の測定が行われると、当該患者の生体情報の測定値、測定日時、患者ID及び測定者IDが記憶部22に記憶される。以下、同様にして複数の患者の生体情報を続けて測定することができる。
【0060】
なお、患者IDのみをリセットし、再度読み取る構成を説明したが、測定者ID及び患者IDの双方を消去するように構成してもよい。この場合、処理部11は、処理をステップS17へ戻し、測定者IDの読み取り処理からやり直す。
【0061】
また、患者IDのみが消去される構成において、処理部11が測定者IDを読み取った場合、ステップS17以降の処理を実行し、測定者ID及び患者IDを生体情報測定装置2へ送信するように構成してもよい。生体情報測定装置2は、受信した測定者ID及び患者IDを最新の情報として、記憶部22に記憶する。
【0062】
更に、処理部11は、測定者ID又は患者IDの消去操作を受け付けるように構成してもよい。処理部11は、測定者ID又は患者IDの消去操作を受け付けた場合、測定者ID又は患者IDの消去指示を生体情報測定装置2へ送信する。消去指示を受信した生体情報測定装置2は、消去指示に従って測定者ID又は患者IDを記憶部22から消去する。
【0063】
<データ一括送信処理>
図10及び
図11は、データ一括送信処理手順を示すフローチャート、
図12は、データ一括送信方法を示す模式図である。データ書き込み装置1の処理部11は、ステップS13~ステップS16と同様の処理を実行し、複数種類の生体情報測定装置2を検出する(ステップS51~ステップS54)。一又は複数種類の生体情報測定装置2が重複無くデータ書き込み装置1のトレーに載置された場合、
図12Aに示すように、検出された生体情報測定装置2に対応するインジケータ15cの発光素子が点灯する。
【0064】
ステップS53の処理を終えた処理部11は、測定値の保存状態の確認要求を、近距離通信部16にて生体情報測定装置2へ送信する(ステップS55)。生体情報測定装置2は、記憶部22が生体情報の測定値を保存しているか否かを判定し、保存状態を示す応答を送信する(ステップS56)。
【0065】
データ書き込み装置1の処理部11は、生体情報測定装置2からの応答を受信し、測定値があるか否かを判定する(ステップS57)。測定値が無いと判定した場合(ステップS57:NO)、処理部11は処理を終える。測定値があると判定した場合(ステップS57:YES)、処理部11は、
図12Bに示すように取込ボタン15eを点灯させる(ステップS58)。
【0066】
処理部11は、操作パネル15の取込ボタン15eが押下されたか否かを判定する(ステップS59)。取込ボタン15eが押下されていないと判定した場合(ステップS59:NO)、処理部11は処理をステップS59へ戻し、取込ボタン15eの操作状態の監視を続ける。転送ボタン15dが押下されたと判定した場合(ステップS59:YES)、処理部11は、近距離通信部16にて測定値の送信を要求する(ステップS60)。
【0067】
生体情報測定装置2は、測定値の送信要求を受信する(ステップS61)。測定値の送信要求を受信した場合、記憶部22が記憶する測定値、測定日時、測定者ID及び患者IDを、近距離通信部26にてデータ書き込み装置1へ送信する(ステップS62)。記憶部22が複数の患者の測定値等を記憶している場合、生体情報測定装置2は、複数の患者の測定値等をデータ書き込み装置1へ送信する。
【0068】
データ書き込み装置1の処理部11は、複数種類の生体情報測定装置2からそれぞれ送信された測定値等(測定値、測定日時、測定者ID及び患者ID)を受信する(ステップS63)。
【0069】
なお、複数の生体情報測定装置2がデータ書き込み装置1の搭載部10に搭載されている場合、処理部11は、複数の生体情報測定装置2それぞれから測定値等(測定値、測定日時、測定者ID及び患者ID)を、ステップS60~ステップS63の処理によって取得する。
【0070】
処理部11は、測定値等を通信部13にてデータ管理装置3へ送信する(ステップS64)。データ管理装置3は、データ書き込み装置1から送信された測定値等を受信し(ステップS65)、受信した測定値等を記憶部32に記憶する(ステップS66)。データ管理装置3は、測定値等のデータの受信及び記憶の処理結果を示す応答データをデータ書き込み装置1へ送信する(ステップS67)。
【0071】
データ書き込み装置1の処理部11は、データ管理装置3から送信された応答データを受信し(ステップS68)、測定値等のデータ送信に成功したか否かを判定する(ステップS69)。データ送信に成功していないと判定した場合(ステップS69:NO)、処理部11は処理をステップS64へ戻す。データ送信に成功したと判定した場合(ステップS69:YES)、処理部11は、
図12Cに示すように、取込ボタン15eを消灯する(ステップS70)。
【0072】
そして、処理部11は、生体情報の測定値のメモリ消去指示を、近距離通信部16にて生体情報測定装置2へ送信する(ステップS71)。メモリ消去指示を受信した生体情報測定装置2は、記憶部22が記憶する測定値等を消去する(ステップS72)。
【0073】
また、データ書き込み装置1の処理部11は、データ管理装置3に時刻情報の送信を要求する(ステップS73)。データ管理装置3は要求に応じて時刻情報をデータ書き込み装置1へ送信する(ステップS74)。データ管理装置3は、正確な時刻情報を有している。言い換えると、データ管理装置3は、生体情報測定装置2の時計に比べて、正確な時刻情報を有している。データ書き込み装置1は、データ管理装置3から送信された時刻情報を取得し(ステップS73)、取得した時刻情報を近距離通信部16にて生体情報測定装置2へ送信する(ステップS75)。
【0074】
生体情報測定装置2は、データ書き込み装置1から送信された時刻情報を近距離通信部26にて受信し(ステップS76)、受信した時刻情報に基づいて、自装置の時計を設定し(ステップS77)、処理を終える。
【0075】
なお、データ管理装置3に、データ書き込み装置1及び生体情報測定装置2の双方から、測定値等のアップロードがあった場合、生体情報測定装置2から個別に送信された測定値等を優先して記憶するように構成してもよい。
【0076】
以上のように構成された本実施形態1に係るデータ書き込み装置1等によれば、患者リストバンド及び職員証プレートから患者ID及び測定者IDを読み取り、読み取った患者ID及び測定者IDを生体情報測定装置2に書き込むことができる。
【0077】
より具体的な技術的効果は以下の通りである。バーコードリーダのような読み取り装置を、小型の生体情報測定装置2に組み込むことは機器が大きくなることから使い勝手が悪くなり現実的では無い。本実施形態1に係る生体情報測定システムでは、生体情報測定装置2に小型のRFID送受信部のような近距離通信部26を備え、データ書き込み装置1が読取部14で測定者ID及び患者IDを読み取り、生体情報測定装置2のRFID送受信部に各IDを書き込む構成を採用することにより、生体情報測定装置2を大型化せずに、測定者ID及び患者IDを生体情報測定装置2に与えることができる。測定者ID及び患者IDを取得した生体情報測定装置2は、生体情報の測定値及び測定日時と、測定者ID及び患者IDとを対応付けて記憶することができる。生体情報測定装置2は、測定者ID及び患者IDを対応付けて記憶した生体情報の測定値及び測定日時を、データ管理装置3へ送信することが可能になり、データ管理装置3は、各患者の生体情報の測定値及び測定日時を各IDと対応付けて管理することができる。
【0078】
また、データ書き込み装置1は、生体情報の測定に利用する複数種類の生体情報測定装置2が載置されるトレー等の搭載部10を備え、近距離通信部16の通信範囲は、搭載部10の範囲に限定されている。測定者は、生体情報の測定に使用する生体情報測定装置2を搭載部10に搭載して管理することにより、他の生体情報測定装置2との取り違え等の発生を防ぐことができる。また、データ書き込み装置1は、搭載部10に搭載された生体情報測定装置2に限定して通信を行い、患者ID及び測定者IDを書き込む構成であるため、他の生体情報測定装置2に患者ID及び測定者IDが書き込まれるといったことを防ぐことができる。
【0079】
データ書き込み装置1は、同一種類の生体情報測定装置2が載置された場合、警告を発することによって、より効果的に生体情報測定装置2の取り違えを防止することができる。
【0080】
データ書き込み装置1は、測定者ID表示部15a、患者ID表示部15b及びインジケータ15cを用いて、生体情報測定装置2との通信状態、患者ID及び測定者IDの読み取り状態、生体情報測定装置2への患者ID及び測定者IDの書き込み状態を表示する構成であるため、より間違い無く患者ID及び測定者IDを複数種類の生体情報測定装置2に書き込むことができる。
【0081】
データ書き込み装置1は、複数種類の生体情報測定装置2が記憶する生体情報の測定値を読み取り、データ管理装置3へ一括送信することができる。
生体情報測定装置2が複数患者の測定値を記憶している場合、複数患者の測定値をデータ管理装置3へ一括送信することができる。
【0082】
データ書き込み装置1は、測定値がデータ管理装置3に保存されたことを確認の上、生体情報測定装置2の記憶部22が記憶する測定値等を消去することができる。
【0083】
また、本実施形態1によれば、データ書き込み装置1のトレーに複数種類の生体情報測定装置2を載置し、一括で測定値ID及び患者IDを書き込むことができる。
【0084】
なお、近距離通信部16,26の一例としてRFリーダライタ及びRFID送受信部を例示したが、近接通信の方法は特にこれに限定されるものでは無い。例えば、信号入出端子を接触させることによって通信を確立する接触コネクタ式の通信装置を用いて、近接通信を実現するように構成してもよい。
【0085】
読取部14の一例として、バーコードリーダを例示したが、近距離通信部16,26と異なる通信形態であれば特に限定されるものでは無い。
【0086】
本実施形態1では、患者ID及び測定者IDの双方を生体情報測定装置2に書き込む例を説明したが、いずれか一方のみを生体情報測定装置2に書き込むように構成することもできる。
【0087】
患者ID及び測定者IDの転送が成功したか否かを操作パネル15に表示する例を説明したが、生体情報測定装置2が患者ID及び測定者IDの転送が成功したか否かを表示するように構成してもよい。
【0088】
処理部11は、近距離通信部16にて測定者IDを、一又は複数の全ての生体情報測定装置2へ送信する(ステップS20)工程と、近距離通信部16にて患者IDを、全ての生体情報測定装置2へ送信する(ステップS32)工程とを同時に行い、測定者IDと患者IDをまとめて生体情報測定装置2へ送信する構成としてもよい。
また、ステップS20とステップS32の処理を1つの送信処理で実行するように構成してもよい。例えば、測定者IDの書き込みに係るステップS17~ステップS27の処理と、患者IDの書き込みに係るステップS29~ステップS39の処理をまとめて実行するように構成してもよい。より具体的には、データ書き込み装置1は、ステップS17の処理で、測定者ID及び患者IDを読み取り、ステップS20の処理で、測定者ID及び患者IDを送信する。生体情報測定装置2は、ステップS21~ステップS22の処理で、測定者ID及び患者IDを受信し、記憶部22に一時記憶する。この場合、言うまでも無く、ステップS29~ステップS39の処理は不要になる。
【0089】
測定者ID及び/又は患者IDを読み取ったタイミングで、データ書き込み装置1からデータ管理装置3へ読み取った測定者IDおよび患者IDに該当する測定者および患者の氏名を問い合わせる構成を有してもよい。
例えば、データ書き込み装置1は、読取部14で測定者IDを読み取った後、データ管理装置3と通信を行い、測定者氏名の問い合わせを行う。処理部11は、測定者の氏名を取得するため、読み取った測定者IDを通信部13からデータ管理装置3へ送信する。
データ管理装置3の記憶部32は、測定者IDと、測定者の氏名とを対応付けて記憶しており、データ管理装置3のサーバ制御部31は、通信部33が受信した測定者IDが該当する測定者の氏名の問い合わせを受け、記憶部32に記憶されている該当の測定者の氏名を、測定者氏名情報として通信部33からデータ書き込み装置1へ送信する。データ書き込み装置1は、測定者IDに対応する測定者氏名情報を受け取り、操作パネル15に測定者氏名情報を表示する。
これにより、測定者は稀に発生する測定者IDの誤入力の有無を確認できる。患者IDについても、同様に、患者IDの読み取り、データ管理装置3への問い合わせ、患者氏名情報の送受信、患者氏名情報の表示、確認を行う構成としてよい。データ管理装置3の記憶部32は、患者IDと、患者の氏名とを対応付けて記憶しているものとする。
また、測定者IDおよび患者IDに関しての一連の操作は、同時に行われても個別に行われてもよい。このような構成により、簡便な情報取り込みと正確な情報入力を両立可能となる。
【0090】
また、実施形態2で説明するように、他の装置を用いて、生体情報測定装置2が記憶する測定値等をデータ管理装置3へアップロードする構成の場合、データ書き込み装置1は、通信部13を備えない構成にすることもできる。データ書き込み装置1の構成をより簡易なものにすることができる。
【0091】
(実施形態2)
実施形態2に係るデータ書き込み装置1等は、データ管理装置3へのデータ送信方法が実施形態1と異なる。その他の構成は、実施形態1に係るデータ管理装置3と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0092】
図13は、実施形態2に係る生体情報測定システムの構成例を説明する模式図である。実施形態2に係る生体情報測定システムは、データ書き込み装置1、生体情報測定装置2及びデータ管理装置3に加え、個々の生体情報測定装置2から生体情報の測定値等を読み取るデータ送信装置4を備える。データ送信装置4は、生体情報測定装置2と通信を行う近距離通信装置41を備える。近距離通信装置41は、例えばRFリーダライタである。
【0093】
図14は、実施形態2に係るデータ送信処理手順を示すフローチャートである。データ送信装置4は、測定値の送信を要求する(ステップS81)。
【0094】
生体情報測定装置2は、測定値の送信要求を受信する(ステップS82)。測定値の送信要求を受信した場合、記憶部22が記憶する測定値、測定日時、測定者ID及び患者IDを、近距離通信部26にてデータ送信装置4へ送信する(ステップS83)。
【0095】
データ送信装置4は、生体情報測定装置2から送信された測定値等(測定値、測定日時、測定者ID及び患者ID)を受信する(ステップS84)。
【0096】
データ送信装置4は、測定値等をデータ管理装置3へ送信する(ステップS85)。データ管理装置3は、データ送信装置4から送信された測定値等を受信し(ステップS86)、受信した測定値等を記憶部32に記憶する(ステップS87)。データ管理装置3は、測定値等のデータの受信及び記憶の処理結果を示す応答データをデータ送信装置4へ送信する(ステップS88)。
【0097】
データ送信装置4は、データ管理装置3から送信された応答データを受信し(ステップS89)、測定値等のデータ送信に成功したか否かを判定する(ステップS90)。データ送信に成功していないと判定した場合(ステップS90:NO)、データ送信装置4をステップS85へ戻す。データ送信に成功したと判定した場合(ステップS90:YES)、データ送信装置4は、生体情報の測定値のメモリ消去指示を生体情報測定装置2へ送信する(ステップS91)。メモリ消去指示を受信した生体情報測定装置2は、記憶部22が記憶する測定値等を消去し(ステップS92)、処理を終える。
【0098】
また、本実施形態1のステップS73-ステップS77と同様に、データ管理装置3が有する正確な時刻情報をデータ書き込み装置1が取得し、取得した時刻情報を近距離通信部16にて生体情報測定装置2へ送信する構成としてもよい。この時、生体情報測定装置2は、データ書き込み装置1から送信された時刻情報を近距離通信部26にて受信し、受信した時刻情報に基づいて、自装置の時計を設定し、処理を終える。
【0099】
実施形態2に係る生体情報測定システムによれば、生体情報測定装置2が記憶する測定値等を個別にデータ管理装置3へ送信することができる。その他の作用効果は実施形態1と同様である。
【符号の説明】
【0100】
1 :データ書き込み装置
2 :生体情報測定装置
3 :データ管理装置
4 :データ送信装置
10 :搭載部
11 :処理部
12 :記憶部
12a :コンピュータプログラム
13 :通信部
14 :読取部
15 :操作パネル
15a :測定者ID表示部
15b :患者ID表示部
15c :インジケータ
15d :転送ボタン
15e :取込ボタン
16 :近距離通信部
17 :報知部
19 :記憶媒体
21 :制御部
22 :記憶部
23 :生体情報測定部
26 :近距離通信部
31 :サーバ制御部
32 :記憶部
33 :通信部