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特開2024-34328監視装置、監視方法、及び監視プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034328
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】監視装置、監視方法、及び監視プログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20240306BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240306BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240306BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20240306BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20240306BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
H02J3/32
H02J3/38 120
H02J3/00 170
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138504
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 周一
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
5L049
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AC09
5G064BA03
5G064CB03
5G064CB08
5G064DA03
5G066AA03
5G066AE01
5G066AE03
5G066AE07
5G066AE09
5G066HB04
5G066JA07
5G066JB03
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】再生可能エネルギーの利用状況を把握できる監視装置を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る監視装置は、利用割合算出部、設定情報取得部、及び出力部を備える。利用割合算出部は、再生可能エネルギーに由来する電力を含む電力を供給する複数の電力供給源から電力を受電する需要家が使用した電力量における前記需要家が使用した再生可能エネルギーに由来する電力量の割合を示す利用割合を算出して、前記利用割合の算出値を得る。設定情報取得部は、前記利用割合の目標値を取得する。出力部は、前記利用割合の前記算出値及び前記目標値を出力する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生可能エネルギーに由来する電力を含む電力を供給する複数の電力供給源から電力を受電する需要家が使用した電力量における前記需要家が使用した再生可能エネルギーに由来する電力量の割合を示す利用割合を算出して、前記利用割合の算出値を得る利用割合算出部と、
前記利用割合の目標値を取得する設定情報取得部と、
前記利用割合の前記算出値及び前記目標値を出力する出力部と、
を備える監視装置。
【請求項2】
前記設定情報取得部は、前記複数の電力供給源の各々について、供給する電力量における再生可能エネルギーに由来する電力量の割合を示す再エネ電力割合を取得し、
前記利用割合算出部は、前記再エネ電力割合に基づいて前記利用割合を算出する、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記設定情報取得部は、前記再エネ電力割合が変更された場合に、変更後の前記再エネ電力割合を取得し、
前記利用割合算出部は、変更後の前記再エネ電力割合に基づいて前記利用割合を算出し直す、
請求項2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記複数の電力供給源は、再生可能エネルギーに由来する電力量の割合が1である再エネ電力供給源を含み、
前記再エネ電力供給源により供給されて前記需要家が使用する電力量の目標値を算出する目標算出部と、
前記再エネ電力供給源により供給されて前記需要家が使用した電力量の累積値を算出する利用電力量算出部と、
をさらに備え、
前記出力部は、前記再エネ電力供給源により供給されて前記需要家が使用する電力量の前記目標値及び前記再エネ電力供給源により供給されて前記需要家が使用した電力量の前記累積値をさらに出力する、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項5】
再生可能エネルギーに由来する電力量に関する目標を達成可能であるか否かを判定する判定部と、
前記目標を達成可能でないと判定された場合に、前記目標を達成するために節電すべき電力量を示す節電電力量を算出する評価部と、
をさらに備え、
前記出力部は、前記節電電力量を出力する、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項6】
再生可能エネルギーに由来する電力量に関する目標を達成可能であるか否かを判定する判定部と、
前記目標を達成可能でないと判定された場合に、前記目標を達成するために発電すべき再生可能エネルギーに由来する電力量を示す発電電力量を算出する評価部と、
をさらに備え、
前記出力部は、前記発電電力量を出力する、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項7】
再生可能エネルギーに由来する電力量に関する目標を達成可能であるか否かを判定する判定部と、
前記目標を達成可能でないと判定された場合に、前記目標を達成するために購入すべき再生可能エネルギーに由来する電力量を示す購入電力量を算出する評価部と、
をさらに備え、
前記出力部は、前記購入電力量を出力する、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項8】
監視装置により実行される監視方法であって、
再生可能エネルギーに由来する電力を含む電力を供給する複数の電力供給源から電力を受電する需要家が使用した電力量における前記需要家が使用した再生可能エネルギーに由来する電力量の割合を示す利用割合を算出して、前記利用割合の算出値を得ることと、
前記利用割合の目標値を取得することと、
前記利用割合の前記算出値及び前記目標値を出力することと、
を備える監視方法。
【請求項9】
再生可能エネルギーに由来する電力を含む電力を供給する複数の電力供給源から電力を受電する需要家が使用した電力量における前記需要家が使用した再生可能エネルギーに由来する電力量の割合を示す利用割合を算出して、前記利用割合の算出値を得る利用割合算出手段、
前記利用割合の目標値を取得する設定情報取得手段、及び
前記利用割合の前記算出値及び前記目標値を出力する出力手段、
としてコンピュータを機能させるための監視プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、監視装置、監視方法、及び監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化問題に対する対策として、再生可能エネルギーへの関心が高まっている。再生可能エネルギーの導入促進のために、省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)の改正が検討されている。それに伴い、再生可能エネルギーの利用状況に関して、中長期計画や定期報告の提出が義務づけられることになると予想される。したがって、再生可能エネルギーの利用状況を把握できることが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-61733号公報
【特許文献2】特開2016-184433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、再生可能エネルギーの利用状況を把握できる監視装置、監視方法、及び監視プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る監視装置は、利用割合算出部、設定情報取得部、及び出力部を備える。利用割合算出部は、再生可能エネルギーに由来する電力を含む電力を供給する複数の電力供給源から電力を受電する需要家が使用した電力量における前記需要家が使用した再生可能エネルギーに由来する電力量の割合を示す利用割合を算出して、前記利用割合の算出値を得る。設定情報取得部は、前記利用割合の目標値を取得する。出力部は、前記利用割合の前記算出値及び前記目標値を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る監視システムの構成例を示すブロック図。
図2】実施形態に係る監視システムの他の構成例を示すブロック図。
図3】実施形態に係る監視装置のハードウェア構成を示すブロック図。
図4】実施形態に係る監視装置の機能構成を示すブロック図。
図5】実施形態に係る監視結果を表示する画面を示す図。
図6】実施形態に係る初期情報の設定手順を示すフローチャート。
図7】実施形態に係る副監視期間における監視処理を示すフローチャート。
図8】実施形態に係る主監視期間における監視処理を示すフローチャート。
図9】実施形態に係る監視結果を表形式で出力する例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら実施形態を説明する。
【0008】
エネルギー供給構造高度化法では、2030年度に非化石電源比率を44%以上にすることを目標として定めている。非化石電源比率とは、各電気事業者が供給する電力量に占める非化石電源に由来する電力量の比率を指す。非化石電源は、石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料を使用せずに発電する発電方法を示し、太陽光、風力、水力、地熱などの再生可能エネルギー源を使用する発電方法と、原子力発電と、を含む。したがって、今後、電気事業者が供給する電力量に占める再生可能エネルギーに由来する電力量の比率は上昇していくことが考えられる。再生可能エネルギーに由来する電力及び電力量はそれぞれ、再生可能エネルギー源を使用する発電方法により得られる電力及び電力量を指す。以降では、再生可能エネルギーに由来する電力を再エネ電力、再生可能エネルギーに由来する電力量を再エネ電力量と呼ぶこともある。
【0009】
実施形態は、企業や工場などの需要家による再エネ電力の利用状況を監視(モニタ)する監視方法及び監視装置に関する。需要家は、再エネ電力を含み得る電力を供給する複数の電力供給源から電力を受け取って使用する(消費する)。電力供給源の例は、商用電源及び発電設備を含む。商用電源は、電気事業者が需要家に電力を供給するための設備を示す。発電設備の例は、太陽光を受けて電力を発生させる太陽光発電システム、及び風を受けて電力を発生させる風力発電システムを含む。再エネ電力の利用状況は、需要家が使用した電力における需要家が使用した再エネ電力の割合を示す利用割合を含むが、これに限定されない。一実施形態では、監視方法及び監視装置は、利用割合を算出して利用割合の算出値を得て、利用割合の算出値を表示する。当該構成によれば、再エネ電力の利用割合が可視化され、再エネ電力の利用状況を把握することが可能となる。さらに、監視方法及び監視装置は、利用割合の目標値を取得して、利用割合の目標値を表示する。当該構成によれば、再エネ電力に関する目標に対する現状が可視化され、再エネ電力の利用状況を把握することが可能となるとともに、目標の達成を促進することが可能となる。
【0010】
再エネ電力の利用状況を監視する期間である監視期間は、需要家に属するユーザにより設定され得る。監視期間は、主監視期間(メイン監視期間)及び1以上の副監視期間(サブ監視期間)を含んでよい。各副監視期間は、主監視期間の一部である。主監視期間を分割した複数の期間が副監視期間として設定され得る。一例として、2022年1月1日から2022年12月31までの1年間(2022年度)が主監視期間として設定され、2022年1月1日から2022年1月31日までの期間、2022年2月1日から2022年2月28日までの期間、・・・2022年12月1日から2022年12月31日までの期間という12個の期間が副監視期間として設定される。以下では、主監視期間が1年間に固定され、副監視期間がユーザにより指定可能であるものとし、副監視期間を指定期間と呼ぶこともある。
【0011】
図1は、実施形態に係る監視システム100の構成の一例を概略的に示している。図1に示すように、監視システム100は、監視装置110、端末装置120、入出力部130、伝送処理部140、入出力部150、伝送処理部160、発電設備170、及び蓄電池180を備える。図1に示す商用電源190は、電気事業者が需要家に電力を供給するための設備である。商用電源190から供給される電力は再エネ電力を含む。監視システム100は需要家に関連し、商用電源190は電気事業者に関連する。
【0012】
監視装置110は、再エネ電力の利用状況を監視する。監視装置110は、例えば、サーバなどのコンピュータにより実施され得る。監視装置110は、端末装置120、伝送処理部140、及び伝送処理部160に通信可能に接続される。端末装置120は、監視装置110の入出力操作を行うためのコンピュータであり得る。
【0013】
入出力部130は、商用電源190から電力を受電し、受電した電力(以降では受電電力と呼ぶ)を需要家の各種装置に供給する。入出力部130は、商用電源190からの受電電力及び受電電力量を示す第1電力利用情報を生成し、伝送処理部140を介して監視装置110に送信する。電力を送受電する配電線と情報を送受信するネットワーク線を分けて図示しないが、配電線とネットワーク線が別々でもよく、PLC配線のように同一の線でもよい。第1電力利用情報により示される受電電力は、商用電源190から供給されて需要家が使用した電力を示し、第1電力利用情報により示される受電電力量は、商用電源190から供給されて需要家が使用した電力量を示す。以降では、商用電源190から供給される電力を商用電源電力、商用電源190から供給される電力量を商用電源電力量と呼ぶこともある。
【0014】
発電設備170は、再生可能エネルギーを使用して発電し、発電した電力を供給する。発電設備170は、例えば、太陽光発電システムを含む。発電設備170は、供給する電力量における再エネ電力量の割合を示す再エネ電力割合が1である再エネ電力供給源に相当する。言い換えると、発電設備170により発電される電力はすべて再エネ電力である。本例では、発電設備170は、需要家に所有され、需要家の敷地内に設けられている。発電設備170により発電される電力は、入出力部150を介して需要家の各種装置に供給される。発電設備170により発電される電力の一部は、蓄電池180に蓄えられてよい。蓄電池180に蓄えられている電力は、必要に応じて、入出力部150を介して需要家の各種装置に供給される。
【0015】
入出力部150は、発電設備170と蓄電池180の組み合わせから電力を受電し、受電電力を需要家の各種装置に供給する。入出力部150は、発電設備170と蓄電池180の組み合わせからの受電電力及び受電電力量を示す第2電力利用情報を生成し、伝送処理部160を介して監視装置110に送信する。第2電力利用情報により示される受電電力は、発電設備170により発電されて需要家が使用した電力を示し、第2電力利用情報により示される受電電力量は、発電設備170により発電されて需要家が使用した電力量を示す。
【0016】
監視装置110は、情報処理部111及び記憶部112を備える。情報処理部111は、伝送処理部140を介して入出力部130から第1電力利用情報を受け取り、第1電力利用情報を記憶部112に格納する。さらに、情報処理部111は、伝送処理部160を介して入出力部150から第2電力利用情報を受け取り、第2電力利用情報を記憶部112に格納する。監視装置110は、記憶部112に格納されている第1電力利用情報及び第2電力利用情報と端末装置120から受信する情報とに基づいて、再エネ電力の利用状況を監視する。再エネ電力の利用状況を監視する処理については後述する。監視装置110は、再エネ電力の利用状況についての監視結果を端末装置120に送信する。
【0017】
端末装置120は、入力部121及び表示部122を備える。入力部121は、ユーザが情報を入力することを可能にする入力装置を含む。入力部121は、例えば、キーボード及びマウスを含む。端末装置120は、入力部121を介してユーザにより入力された情報を監視装置110に送信する。表示部122は、液晶表示装置などの表示装置を含む。端末装置120は、監視装置110から受信された監視結果を表示部122に表示する。
【0018】
図2は、実施形態に係る監視システム100の構成の他の例を概略的に示している。図2において、図1に示したものと同様の部分には同様の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0019】
図2に示す例では、監視システム100は、監視装置110、端末装置120、入出力部130、伝送処理部140、発電設備170、蓄電池180、入出力部210、伝送処理部220、入出力部230、及び伝送処理部240を備える。発電設備170により発電される電力の一部は、蓄電池180に蓄えられてよい。
【0020】
入出力部210は、発電設備170から電力を受電し、受電電力を需要家の各種装置に供給する。入出力部210は、発電設備170からの受電電力及び受電電力量を示す情報を生成し、伝送処理部220を介して監視装置110に送信する。
【0021】
入出力部230は、蓄電池180から電力を受電し、受電電力を需要家の各種装置に供給する。入出力部230は、蓄電池180からの受電電力及び受電電力量を示す情報を生成し、伝送処理部240を介して監視装置110に送信する。
【0022】
入出力部210により生成される情報と入出力部230により生成される情報の組み合わせは、図1に示す入出力部150により生成される第2電力利用情報と同等である。よって、図1に示す構成及び図2に示す構成では、同等の情報が監視装置110に蓄積される。図1に示す構成及び図2に示す構成のいずれが採用されてもよく、他の構成が採用されてもよい。ここでは、図1に示す構成が採用されるものとする。
【0023】
図1及び図2に示す例では、監視装置110及び端末装置120は別個の装置として設けられている。他の構成例では、監視装置110及び端末装置120は単一の装置として設けられていてもよい。例えば、監視装置110が入力部121及び表示部122を備えてよい。また、情報処理部111及び記憶部112は別個の装置に設けられていてもよい。例えば、情報処理部111がアプリケーションサーバに設けられ、記憶部112がデータサーバに設けられてよい。情報処理部111は、ネットワークを介して接続される複数のコンピュータの組み合わせにより実施されてもよい。
【0024】
図3は、監視装置110のハードウェア構成の一例を概略的に示している。図3に示すように、監視装置110は、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ストレージデバイス303、及び入出力インタフェース304を含む。
【0025】
CPU301は、汎用プロセッサの一例である。CPU301は、RAM302、ストレージデバイス303、及び入出力インタフェース304を制御するとともに、各種の情報処理を行う。
【0026】
RAM302は、揮発性メモリを含み、CPU301の作業領域として使用される。ストレージデバイス303は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリを含み、監視プログラムを含むプログラム及びデータなどを格納する。CPU301は、ストレージデバイス303に格納されているプログラムにしたがって動作する。例えば、監視プログラムは、CPU301により実行されたときに、再エネ電力の利用状況を監視する処理をCPU301に行わせる。監視装置110において、CPU301は、再エネ電力の利用状況を監視するように構成されている。
【0027】
入出力インタフェース304は、外部装置と通信するためのインタフェースである。CPU301は、入出力インタフェース304を介して、端末装置120、伝送処理部140、及び伝送処理部160と通信する。
【0028】
なお、汎用プロセッサに代えて又は追加して、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの専用プロセッサが使用されてもよい。処理回路は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、又は汎用プロセッサと専用プロセッサの組み合わせを指す。監視装置110に設けられる処理回路は、再エネ電力の利用状況を監視するように構成される。
【0029】
図4は、監視装置110の機能構成の一例を概略的に示している。図4に示すように、監視装置110は、図1に示した情報処理部111及び記憶部112に加えて、電力利用情報取得部401、設定情報取得部402、及び出力部408を備える。情報処理部111は、目標算出部403、利用電力量算出部404、利用割合算出部405、判定部406、及び評価部407を備え、記憶部112は、電力利用情報記憶部421及び設定情報記憶部422を備える。電力利用情報取得部401、設定情報取得部402、及び出力部408は、CPU301と入出力インタフェース304の組み合わせにより実現され得る。情報処理部111は、CPU301により実現され得る。記憶部112は、ストレージデバイス303により実現され得る。
【0030】
電力利用情報取得部401は、需要家が使用した電力及び電力量を示す電力利用情報を取得し、電力利用情報を電力利用情報記憶部421に格納する。具体的には、電力利用情報取得部401は、伝送処理部140から第1電力利用情報を受信し、伝送処理部160から第2電力利用情報を受信する。第1電力利用情報は、商用電源190から供給されて需要家が使用した電力及び電力量を示し、第2電力利用情報は、発電設備170により発電されて需要家が使用した電力及び電力量を示す。第1電力利用情報は入出力部130により逐次に生成され、第2電力利用情報は入出力部150により逐次に生成される。よって、電力利用情報記憶部421には、商用電源190から供給されて需要家が使用した電力及び電力量についての時系列データ、並びに、発電設備170により発電されて需要家が使用した電力及び電力量についての時系列データが格納される。
【0031】
設定情報取得部402は、ユーザにより入力される指定情報を含む設定情報を取得し、設定情報を設定情報記憶部422に格納する。本例では、設定情報取得部402は、端末装置120から設定情報を受信する。設定情報は、年間の再エネ電力の利用割合の目標値、電力供給源の再エネ電力割合、及び監視期間(具体的には副監視期間)を指定する指定情報を含む。本例では、電力供給源の再エネ電力割合として、発電設備170の再エネ電力割合及び商用電源190の再エネ電力割合が入力される。上述したように、発電設備170の再エネ電力割合は1である。設定情報は、需要家が過去に使用した電力及び電力量を示す実績情報をさらに含んでもよい。例えば、実績情報は、需要家が前年度に使用した電力及び電力量の実績値を示す。実績情報は例えば日ごとの利用電力量を示す情報を含んでよい。実績情報はデータサーバなどのコンピュータ(図示せず)に保持されていてよく、端末装置120が当該コンピュータから実績情報を取り出して実績情報を設定情報に含めて監視装置110に送信してよい。
【0032】
電力利用情報記憶部421及び設定情報記憶部422に格納されている情報は、再エネ電力の利用状況を監視するために、情報処理部111により参照される。
【0033】
目標算出部403は、再エネ電力の利用電力量の目標値を算出する。再エネ電力の利用電力量の目標値は、需要家が発電設備170で発電された再エネ電力を監視期間中に使用すべき電力量を示す。再エネ電力の利用電力量の目標値は、年間(主監視期間)の再エネ電力の利用電力量の目標値と、各副監視期間の再エネ電力の利用電力量の目標値と、を含む。例えば、目標算出部403は、設定情報記憶部422から年間の再エネ電力の利用割合の目標値を読み出し、年間の再エネ電力の利用割合の目標値に基づいて、年間の再エネ電力の利用電力量の目標値を算出する。目標算出部403は、算出した年間の再エネ電力の利用電力量の目標値に基づいて、各副監視期間の再エネ電力の利用電力量の目標値を算出する。単純な例では、副監視期間の再エネ電力の利用電力量の目標値は、主監視期間と副監視期間の比に応じて決定されてよい。例えば、主監視期間が1年間であり、副監視期間が2週間である場合、副監視期間の再エネ電力の利用電力量の目標値は、年間の再エネ電力の利用電力量の目標値に(14/365)を乗じた値となる。目標算出部403は、設定情報記憶部422から実績情報を読み出し、実績情報と、算出した年間の再エネ電力の利用電力量の目標値と、に基づいて、各指定期間の再エネ電力の利用電力量の目標値を算出してもよい。例えば、昨年度の年間の再エネ電力の利用電力量における昨年度の1月の再エネ電力の利用電力量の割合がRである場合、今年度の1月の再エネ電力の利用電力量の目標値は、算出した年間の再エネ電力の利用電力量の目標値に割合Rを乗じることにより求められる。
【0034】
1年間又は1月間などの比較的に長い期間では、再エネ電力の利用電力量は、発電設備170で発電された再エネ電力量と実質的に一致する。このため、再エネ電力の利用電力量に代えて、再エネ電力の発電量を使用することも可能である。なお、再エネ電力の利用電力量は発電設備170で発電された電力量から蓄電池180に充電した電力量を差し引いた再エネ電力の実質利用電力量であってもよい。
【0035】
利用電力量算出部404は、再エネ電力の利用電力量の累積値を算出する。利用電力量算出部404は、主監視期間の商用電源電力の利用電力量の累積値、主監視期間の再エネ電力の利用電力量の累積値、及び各副監視期間の再エネ電力の利用電力量の累積値を算出する。主監視期間の商用電源電力の利用電力量の累積値は、主監視期間の開始当初から主監視期間中の特定時点までの商用電源電力の利用電力量を示す。主監視期間の再エネ電力の利用電力量の累積値は、主監視期間の開始当初から主監視期間中の特定時点までの再エネ電力の利用電力量を示す。副監視期間の再エネ電力の利用電力量の累積値は、副監視期間の開始当初から副監視期間中の特定時点までの再エネ電力の利用電力量を示す。
【0036】
利用割合算出部405は、再エネ電力の利用割合を算出する。主監視期間の商用電源電力の利用電力量の累積値をPgrid、主監視期間の再エネ電力の利用電力量の累積値をPとすると、再エネ電力の利用割合aresは下記式(1)で算出することができる。
res=(Pgrid×agrid+P)/(Pgrid+P) ・・・(1)
ここで、agridは今年度(主監視期間)の商用電源190の再エネ電力割合を表す。
【0037】
判定部406は、副監視期間中において、再エネ電力に関する目標を達成可能であるか否かを判定する。具体的には、判定部406は、副監視期間の終了時点における再エネ電力の利用電力量が副監視期間の再エネ電力の利用電力量の目標値以上となる見込みがあるか否かを判定する。例えば、判定部406は、副監視期間の再エネ電力の利用電力量の目標値に基づいて、副監視期間中の各時点における再エネ電力の利用電力量の目標値を定めるガイドライン(中間目標値)を設定する。判定部406は、副監視期間中の特定時点における再エネ電力の利用電力量の累積値がガイドラインにより示される特定時点における中間目標値以上である場合に、再エネ電力に関する目標を達成可能であると判定し、副監視期間中の特定時点における再エネ電力の利用電力量の累積値がガイドラインにより示される特定時点における中間目標値を下回る場合に、再エネ電力に関する目標を達成可能でないと判定する。
【0038】
さらに、判定部406は、主監視期間の終了後に、再エネ電力に関する目標を達成できたか否かを判定する。例えば、判定部406は、再エネ電力の利用割合の最終値が年間の再エネ電力の利用割合の目標値以上である場合に、再エネ電力に関する目標を達成できたと判定し、再エネ電力の利用割合の最終値が年間の再エネ電力の利用割合の目標値を下回る場合に、再エネ電力に関する目標を達成できなかったと判定する。再エネ電力の利用割合の最終値は、主監視期間の終了時点における再エネ電力の利用割合を示す。
【0039】
評価部407は、再エネ電力に関する目標を達成するために必要な値を算出する。例えば、評価部407は、再エネ電力に関する目標を達成可能でない、又は再エネ電力に関する目標を達成できなかったと判定部406が判定したことに応答して、目標を達成するために必要な値を算出する。目標を達成するために必要な値は、例えば、目標を達成するために節電すべき電力及び電力量、目標を達成するために発電すべき再エネ電力及び再エネ電力量、及び/又は目標を達成するために購入すべき再エネ電力及び再エネ電力量を含む。
【0040】
出力部408は、情報処理部111により生成される監視結果を出力する。例えば、出力部408は、端末装置120の表示部122に監視結果を表示する。具体的には、出力部408は、端末装置120の表示部122に監視結果を表示するために、監視結果を端末装置120に送信する。監視結果は、再エネ電力の利用割合、及び/又は再エネ電力の利用電力量を含むが、これらに限定されない。監視結果は、再エネ電力の利用割合の目標値、及び/又は再エネ電力の利用電力量の目標値をさらに含んでよい。再エネ電力に関する目標を達成可能でない、又は再エネ電力に関する目標を達成できなかったと判定部406が判定した場合、監視結果は、目標を達成するために必要な値をさらに含む。
【0041】
図5は、端末装置120の表示部122に表示される画面の一例を概略的に示している。図5に示す画面には、副監視期間中の特定時点(現在)における監視結果が表示されている。画面は、再エネ電力の利用電力量を表示するグラフ、再エネ電力の利用割合の現在値及び目標値を表示する領域、及び目標達成のために必要な値を表示する領域を含む。グラフでは、再エネ電力の利用電力量の累積値が実線で示され、ガイドラインが一点鎖線で示されている。現時点では、再エネ電力の利用電力量の累積値がガイドラインにより示される中間目標値を超えており、目標を達成可能であると判定される。なお、グラフ表示は監視結果を表示する方法の一例であり、図9に示す表形式などの他の様式で監視結果を表示するようにしてもよい。
【0042】
図6は、監視処理を行うための初期情報を設定する手順の一例を概略的に示している。 図6に示すように、設定情報取得部402は、年間の再エネ電力の利用割合の目標値を取得し(ステップS601)、今年度の商用電源190の再エネ電力割合を取得し(ステップS602)、監視期間を示す監視期間情報を取得する(ステップS603)。例えば、ユーザが、端末装置120の入力部121を使用して、年間の再エネ電力の利用割合の目標値、今年度の商用電源の再エネ電力の割合、及び監視期間情報を指定情報として入力し、設定情報取得部402は、端末装置120から指定情報を受信する。監視期間情報は、副監視期間を指定する情報を含む。
【0043】
ステップS604において、目標算出部403は、ステップS601で取得された年間の再エネ電力の利用割合の目標値に基づいて、年間の再エネ電力の利用電力量の目標値を算出する。例えば、目標算出部403は、ステップS601で取得された年間の再エネ電力の利用割合の目標値と、ステップS602で取得された今年度の商用電源190の再エネ電力割合と、今年度の年間に使用すると予測される電力量と、に基づいて、年間の再エネ電力の利用電力量の目標値を算出する。今年度の年間に使用すると予測される電力量は、ユーザにより入力されてもよく、設定情報記憶部422に格納されている実績情報に基づいて算出されてもよい。
【0044】
ステップS605において、目標算出部403は、ステップS604で算出された年間の再エネ電力の利用電力量の目標値に基づいて、各指定期間の再エネ電力の利用電力量の目標値を算出する。各指定期間の再エネ電力の利用電力量の目標値の算出は、指定期間に対応する前年度の期間の再エネ電力の利用電力量に基づいていてもよい。例えば、目標算出部403は、前年度の年間の再エネ電力の利用電力量における指定期間に対応する前年度の期間の再エネ電力の利用電力量の割合を算出し、算出した割合をステップS604で算出された年間の再エネ電力の利用電力量の目標値に乗じることにより、指定期間の再エネ電力の利用電力量の目標値を算出する。
【0045】
このようにして、監視処理を行うための初期情報が設定される。初期情報は、今年度の商用電源の再エネ電力割合、監視期間情報、年間の再エネ電力の利用割合の目標値、年間の再エネ電力の利用電力量の目標値、及び各指定期間の再エネ電力の利用電力量の目標値を含み得る。
【0046】
図7は、各指定期間における監視処理の一例を概略的に示している。
【0047】
図7のステップS701において、利用電力量算出部404は、指定期間における再エネ電力の利用電力量の累積値を算出する。指定期間における再エネ電力の利用電力量の累積値は、例えば、指定期間の開始当初から現時点までに使用した再エネ電力の電力量を示す。例えば、利用電力量算出部404は、電力利用情報記憶部421から指定期間における再エネ電力の利用電力量の時系列データを取得し、取得した時系列データに基づいて、指定期間における再エネ電力の利用電力量の累積値を算出する。
【0048】
ステップS702において、利用割合算出部405は、再エネ電力の利用割合の現在値を算出する。例えば、利用電力量算出部404が、主監視期間における商用電源電力の利用電力量の累積値を算出し、主監視期間における再エネ電力の利用電力量の累積値を算出し、利用割合算出部405は、上記式(1)にしたがって、主監視期間における商用電源電力の利用電力量の累積値と主監視期間における再エネ電力の利用電力量の累積値とから、再エネ電力の利用割合の現在値を算出する。
【0049】
ステップS703において、判定部406は、再エネ電力に関する目標を達成可能であるか否かを判定する。例えば、判定部406は、ステップS701において算出された指定期間における再エネ電力の利用電力量の累積値がガイドラインにより示される現時点における中間目標値以上である場合に、再エネ電力に関する目標を達成可能であると判定し、ステップS701において算出された指定期間における再エネ電力の利用電力量の累積値がガイドラインにより示される現時点における中間目標値を下回る場合に、再エネ電力に関する目標を達成可能でないと判定する。
【0050】
再エネ電力に関する目標を達成可能である場合(ステップS703;Yes)、処理はステップS704に進む。ステップS704において、出力部408は、指定期間における再エネ電力の利用量の目標値及び累積値、並びに、再エネ電力の利用割合の現在値及び目標値を含む監視結果を端末装置120の表示部122に表示するために、監視結果を端末装置120に送信する。そして、処理はステップS706に進む。
【0051】
一方、再エネ電力に関する目標を達成可能でない場合(ステップS703;No)、処理はステップS705に進む。ステップS705において、評価部407は、目標を達成するために必要な電力量を算出し、出力部408は、算出された電力量を含む監視結果を端末装置120の表示部122に表示するために、監視結果を端末装置120に送信する。目標を達成するために必要な電力量は、例えば、再エネ電力の不足電力量、購入すべき再エネ電力の電力量、及び/又は節電すべき電力量を含み得る。一例では、評価部407は、ガイドラインにより示される現時点における中間目標値からステップS701において算出された指定期間における再エネ電力の利用電力量の累積値を引いた差を目標達成のために必要な電力量とする。他の例では、評価部407は、設定情報記憶部422に格納されている実績情報に基づいて、現時点から指定期間の終了時点までに発電設備170により発電されると予想される発電電力量を算出し、算出した発電電力量に基づいて目標達成のために必要な電力量を算出してもよい。監視結果は、指定期間における再エネ電力の利用電力量の目標値及び累積値、並びに、再エネ電力の利用割合の現在値及び目標値をさらに含む。目標を達成するために必要な電力量の表示は、目標が達成される見込みが低いことを通知するアラートの発報に相当する。目標が達成される見込みが低いことを通知するメッセージをアラートの一部として表示するようにしてもよい。そして、処理はステップS706に進む。
【0052】
ステップS706において、情報処理部111は、指定期間が終了したか否かを判定する。指定期間が終了していない場合(ステップS706;No)、処理はステップS701に戻る。指定期間が終了した場合(ステップS706;Yes)、処理は終了となる。すなわち、ステップS701~S705に示す一連の処理は指定期間中に繰り返し実行される。
【0053】
図8は、主監視期間における監視処理の一例を概略的に示している。図8に示す監視処理は、主監視期間が終了した後に実行される。
【0054】
図8のステップS801において、情報処理部111は、個々の指定期間の監視結果を集計する。例えば、利用電力量算出部404は、主監視期間における再エネ電力の利用電力量の累積値及び商用電源電力の利用電力量の累積値を算出する。主監視期間における再エネ電力の利用電力量の累積値は、主監視期間の開始から終了までに使用した再エネ電力の利用電力量、具体的には、今年度の年間の再エネ電力の利用電力量を示す。主監視期間における商用電源電力の利用電力量の累積値は、主監視期間の開始から終了までに使用した商用電源電力の利用電力量、具体的には、今年度の年間の商用電源電力の利用電力量を示す。利用割合算出部405は、再エネ電力の利用割合の最終値を算出する。例えば、利用割合算出部405は、上記式(1)にしたがって、利用電力量算出部404により算出された主監視期間における再エネ電力の利用電力量の累積値及び商用電源電力の利用電力量の累積値から、再エネ電力の利用割合の最終値を算出する。
【0055】
ステップS802において、判定部406は、再エネ電力に関する目標を達成できたか否かを判定する。例えば、判定部406は、ステップS801で算出された再エネ電力の利用割合の最終値が再エネ電力の利用割合の目標値以上である場合に、再エネ電力に関する目標を達成できたと判定し、再エネ電力の利用割合の最終値が再エネ電力の利用割合の目標値を下回る場合に、再エネ電力に関する目標を達成できなかったと判定する。
【0056】
再エネ電力に関する目標を達成できた場合(ステップS802;Yes)、処理はステップS803に進む。ステップS803において、出力部408は、主監視期間における再エネ電力の利用電力量の累積値、及び再エネ電力の利用割合の最終値を含む監視結果を端末装置120の表示部122に表示する。例えば、出力部408は、監視結果を表示部122に表示するために、監視結果を端末装置120に送信する。これにより、処理は終了となる。
【0057】
一方、再エネ電力に関する目標を達成できなかった場合(ステップS802;No)、処理はステップS804に進む。ステップS804において、評価部407は、目標達成のために必要な電力量を算出し、出力部408は、目標達成のために必要な電力量を示す情報を含む監視結果を端末装置120の表示部122に表示するために、監視結果を端末装置120に送信する。例えば、評価部407は、再エネ電力の利用割合の目標値からステップS801で算出された再エネ電力の利用割合の最終値を引いた差に基づいて、目標達成のために必要な電力量を算出してよい。監視結果は、主監視期間における再エネ電力の利用電力量の累積値及び目標値、並びに、再エネ電力の利用割合の最終値及び目標値をさらに含む。これにより、処理は終了となる。
【0058】
図6図7、及び図8に示す処理は例示である。例えば、図7のステップS703では、図8のステップS802に関して説明したように、再エネ電力の利用割合に関して、目標を達成可能であるか否かを判定するようにしてもよい。例えば、利用割合算出部405は、指定期間の再エネ電力の利用割合の現在値を算出し、判定部406は、指定期間の再エネ電力の利用割合の現在値が再エネ電力の利用割合の目標値以上である場合に、目標を達成可能であると判定し、指定期間の再エネ電力の利用割合の現在値が再エネ電力の利用割合の目標値を下回る場合に、目標を達成可能でないと判定してもよい。また、図8に示す処理は、主監視期間中に実行されてもよい。例えば、図8に示す処理は、指定期間が終了するたびに実行されてよい。主監視期間が1年間であり、副監視期間が1月間である場合には、図8に示す処理は1年間に12回されることになる。この場合、ステップS801では、再エネ電力の利用割合の最終値に代えて、再エネ電力の利用割合の現在値が算出される。
【0059】
以上のように、監視装置110は、再エネ電力の利用割合を算出して利用割合の算出値を得て、再エネ電力の利用割合の目標値を取得して、再エネ電力の利用割合の算出値及び目標値を端末装置120の表示部122に表示する。当該構成によれば、再生可能エネルギーの利用割合が可視化され、再生可能エネルギーの利用状況を把握することが可能となる。例えば、主監視期間における再生可能エネルギーの利用状況を把握することが可能となるとともに、副監視期間ごとに再生可能エネルギーの利用状況を把握することが可能となる。さらに、再エネ電力の利用割合の算出値及び目標値がユーザに対して表示されるので、再エネ電力に関する目標の達成を促進することが可能となる。
【0060】
監視装置110は、商用電源190及び発電設備170の各々について、供給する電力量における再エネ電力量の割合を示す再エネ電力割合を取得し、再エネ電力割合に基づいて再エネ電力の利用割合を算出する。当該構成によれば、電力供給源の再エネ電力割合を随時に考慮して、再エネ電力の利用割合を算出することが可能となる。
【0061】
商用電源190の再エネ電力割合が変更された場合には、監視装置110は、変更後の再エネ電力割合を取得し、変更後の再エネ電力割合に基づいて再エネ電力の利用割合を算出し直してよい。当該構成によれば、各電力供給源の再エネ電力割合が変更される場合にも、再エネ電力の利用割合に再エネ電力割合の変更を反映することが可能となる。
【0062】
監視装置110は、発電設備170により発電されて需要家が使用する電力量の目標値を算出して、目標値を端末装置120の表示部122に表示する。当該構成によれば、再エネ電力に関する目標の達成状況が可視化され、達成状況を容易に把握することが可能となる。
【0063】
監視装置110は、再エネ電力に関する目標を達成可能でないと判定された場合に、目標を達成するために節電すべき電力量を示す節電電力量、目標を達成するために発電すべき再エネ電力量を示す発電電力量、及び/又は目標を達成するために購入すべき再エネ電力量を示す購入電力量を算出し、節電電力量、発電電力量、及び/又は購入電力量を端末装置120の表示部122に表示する。当該構成によれば、再エネ電力に関する目標を達成するために、需要家がアクションを起こすことが可能となる。例えば、節電の計画を策定して実施することが可能となる。また、再生可能エネルギーを使用して発電する発電設備を増設する計画を検討して実施することが可能となる。
【0064】
上述した実施形態では、発電設備170は、需要家に所有され、需要家の敷地内に設けられている。すなわち、再生可能エネルギーの発電設備170が併設されている。発電設備170が併設されず、再生可能エネルギーを使用して発電する外部の発電設備から再エネ電力を受電する場合にも、上述した実施形態は適用可能である。また、発電設備170に追加して他の発電設備から再エネ電力を受電する場合などにも、上述した実施形態は適用可能である。例えば、需要家の敷地外から再エネ電力を自営線で供給する場合、発電設備は第三者が所有し、需要家の敷地内から再エネ電力を供給するオンサイトPPA(Power Purchase Agreement)の場合、発電設備は第三者が所有し、需要家の敷地外から再エネ電力を供給するオフサイトPPAの場合、発電設備は需要家が所有しているが敷地外から再エネ電力を供給する自己託送の場合、「再エネ電力メニュー」又は「再エネ100%電力メニュー」から電力を調達する場合、「再エネ証書」、「J-クレジット」、又は「グリーン電力証書」などを購入する場合などにも、上述した実施形態は適用可能である。
【0065】
再エネ電力は、バイオマス、水素、アンモニアなどの非化石エネルギーに由来する電力を含んでもよい。また、上述した実施形態で説明した方法と同様の方法により、再エネ電力の利用電力量及び利用割合とは別に、非化石エネルギーに由来する電力の利用電力量及び利用割合を監視することも可能である。
【0066】
上述した実施形態では、監視期間を始めに入力している。監視期間(例えば副監視期間)は途中で変更することも可能である。この場合には、例えば、監視期間の長さ及び現在から監視期間の終了までの残り期間が入力部121を用いて入力される。
【0067】
上述した実施形態では、節電を実施する際に手動で節電を実施することを想定しているが、目標を達成できるようにデマンド制御の機能を用いて負荷を削減する場合にも、上述した実施形態は適用可能である。
【0068】
上述した実施形態では、監視結果を表示装置に表示しているが、監視結果を紙などの媒体に出力するようにしてもよい。例えば、端末装置120がプリンタを備え、プリンタで監視結果を印刷してもよい。
【0069】
上述した実施形態では、需要家として企業や工場などを想定しているが、需要家は、再生可能エネルギーの利用促進が求められる住戸であってもよい。
【0070】
上述した実施形態は、供給側の電気事業者などのシステムにも適用可能である。供給側の電気事業者などのシステムに適用される場合、再エネ電力の供給状況が監視される。再エネ電力の供給状況は、再エネ電力を供給した電力量を示す供給電力量と、供給した電力量における供給した再エネ電力量の割合を示す供給割合と、を含むが、これらに限定されない。供給した電力量は、再生可能エネルギーを含む各種エネルギーを使用して発電し供給した総電力量を示す。供給割合を可視化することにより、供給側での再エネ電力の導入拡大に向けた検討が可能になる。
【0071】
上述した実施形態では、1つの需要家を対象にしているが、複数の設備を対象にする場合にも適用可能である。例えば、複数の事業所を束ねた会社全体、複数の住戸、エリア一帯などを対象としてもよく、また供給側であれば、VPP(Virtual Power Plant)を構成しているシステムを対象としてもよい。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
100…監視システム、110…監視装置、111…情報処理部、112…記憶部、120…端末装置、121…入力部、122…表示部、130…入出力部、140…伝送処理部、150…入出力部、160…伝送処理部、170…発電設備、180…蓄電池、190…商用電源、210…入出力部、220…伝送処理部、230…入出力部、240…伝送処理部、301…CPU、302…RAM、303…ストレージデバイス、304…入出力インタフェース、401…電力利用情報取得部、402…設定情報取得部、403…目標算出部、404…利用電力量算出部、405…利用割合算出部、406…判定部、407…評価部、408…出力部、421…電力利用情報記憶部、422…設定情報記憶部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9