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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034343
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】照明装置及び照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/155 20200101AFI20240306BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20240306BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20240306BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
H05B47/155
H05B47/16
A61L9/20
A61L2/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138524
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】藤原 章裕
(72)【発明者】
【氏名】大武 寛和
(72)【発明者】
【氏名】小西 達也
(72)【発明者】
【氏名】冨山 彩弥香
(72)【発明者】
【氏名】森 聖也
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 淳
(72)【発明者】
【氏名】福田 直生
(72)【発明者】
【氏名】柴原 雄右
(72)【発明者】
【氏名】松本 卓馬
【テーマコード(参考)】
3K273
4C058
4C180
【Fターム(参考)】
3K273PA03
3K273PA04
3K273PA05
3K273QA29
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA37
3K273TA40
3K273TA41
3K273TA52
3K273TA54
3K273UA16
3K273UA22
3K273UA24
3K273UA25
3K273VA01
4C058AA23
4C058BB06
4C058DD13
4C058DD16
4C058KK02
4C058KK12
4C058KK23
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH17
4C180HH19
4C180LL04
(57)【要約】
【課題】可視光機器と紫外線機器との連携動作のタイミング制御が適切に行われる照明装置及び照明システムを提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、照明装置は、可視光を照射する可視光照射部を備えた可視光機器と、紫外線を照射する紫外線照射部を備えた紫外線機器と、外部から入力される信号に基づいて生成される制御信号を可視光機器と紫外線機器とにそれぞれ分岐させる分岐部とを備える。可視光機器と紫外線機器とは、制御信号に基づいて異なる動作をする。
【選択図】図2A

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光を照射する可視光照射部を備えた可視光機器と;
紫外線を照射する紫外線照射部を備えた紫外線機器と;
外部から入力される信号に基づいて生成される制御信号を前記可視光機器と前記紫外線機器とにそれぞれ分岐させる分岐部と;
を具備し、
前記可視光機器と前記紫外線機器とは、前記制御信号に基づいて異なる動作をする
照明装置。
【請求項2】
前記外部から入力される信号は、前記可視光機器を制御するために入力される信号であり、
前記可視光機器は、前記制御信号に基づいて前記外部から入力される信号に対応した動作をする
請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記分岐部は、
前記制御信号の反転信号を前記紫外線機器に分岐させる
請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記分岐部は、
前記可視光機器には、前記制御信号である第1の信号を入力し、
前記紫外線機器には、動作切替信号に基づいて前記第1の信号から生成した第2の信号を入力し、
前記可視光機器は、前記第1の信号に基づいて動作し、
前記紫外線機器は、前記第2の信号に基づいて動作する
請求項1記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1の信号は、前記動作切替信号を含む
請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記分岐部は、前記第2の信号をタイミング信号に基づくタイミングで前記紫外線機器に入力する
請求項4に記載の照明装置。
【請求項7】
前記第1の信号は、前記タイミング信号を含む
請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
可視光を照射する可視光照射部を備えた可視光機器と;
紫外線を照射する紫外線照射部を備えた紫外線機器と;
外部から入力される信号に基づいて制御信号を出力する制御装置と;
前記制御装置から入力される前記制御信号を前記可視光機器と前記紫外線機器とにそれぞれ分岐させる分岐部と;
を有し、
前記可視光機器と前記紫外線機器とは、前記制御信号に基づいて異なる動作をする
照明システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置及び照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
室内を照明するための機器として可視光を照射する可視光機器が用いられている。また、室内に存在する細菌及びウイルス等を紫外線の照射によって処理する機器として紫外線機器が用いられている。近年、1つの室内に可視光機器と紫外線機器の両方が設置されることがある。このような可視光機器と紫外線機器の両方を含む照明装置又は照明システムにおいて、可視光機器と紫外線機器とを連携動作させることが求められる場合がある。この場合、可視光機器と紫外線機器の連携動作のタイミング制御が適切に行われることが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-318847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、可視光機器と紫外線機器との連携動作のタイミング制御が適切に行われる照明装置及び照明システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、照明装置は、可視光を照射する可視光照射部を備えた可視光機器と、紫外線を照射する紫外線照射部を備えた紫外線機器と、外部から入力される信号に基づいて生成される制御信号を可視光機器と紫外線機器とにそれぞれ分岐させる分岐部とを備える。可視光機器と紫外線機器とは、制御信号に基づいて異なる動作をする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、可視光機器と紫外線機器との連携動作のタイミング制御が適切に行われる照明装置及び照明システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一例の照明装置における可視光機器と紫外線機器の配置について示す概略図である。
図2A図2Aは、第1の実施形態の照明システムの第1の例の構成を示すブロック図である。
図2B図2Bは、第1の実施形態の照明システムの第2の例の構成を示すブロック図である。
図2C図2Cは、第1の実施形態の照明システムの第3の例の構成を示すブロック図である。
図3図3は、第2の実施形態の照明システムの一例の構成を示すブロック図である。
図4図4は、第2の実施形態における分岐装置の一例の構成を示すブロック図である。
図5図5は、動作切替信号と動作モードとの関係の一例を示す図である。
図6図6は、第3の実施形態の照明システムの一例の構成を示すブロック図である。
図7図7は、第3の実施形態における分岐装置の一例の構成を示すブロック図である。
図8図8は、第3の実施形態の変形例の分岐装置の一例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態に係る照明装置は、可視光を照射する可視光照射部(12)を備えた可視光機器(10)と、紫外線を照射する紫外線照射部(22)を備えた紫外線機器(20)と、外部から入力される信号に基づいて生成される制御信号を可視光機器(10)と紫外線機器(20)とにそれぞれ分岐させる分岐部(50)とを備える。可視光機器(10)と紫外線機器(20)とは、制御信号に基づいて異なる動作をする。
【0009】
また、実施形態の照明装置において、外部から入力される信号は、可視光機器(10)を制御するために入力される信号であり、可視光機器(10)は、制御信号に基づいて前記外部から入力される信号に対応した動作をする。また、実施形態の照明装置において、分岐部(50)は、制御信号の反転信号を紫外線機器(20)に分岐させる。
【0010】
可視光機器は、主に照明に用いられる機器であって、例えば白色光といった可視光を照射する。紫外線機器は、紫外線を照射対象物(例えば、細菌及びウイルス等が少なくとも1つ以上付着している箇所)に照射することで、照射対象物を殺菌、除菌又は滅菌する機器である。ここで、以下の実施形態における用語「除菌」は、用語「滅菌」又は「殺菌」に置き換えられ得る。実施形態の照明装置では、可視光機器の制御のための信号が分岐部によって可視光機器と紫外線機器とにそれぞれ分岐して入力される。可視光機器及び紫外線機器は、同じタイミングで入力される可視光機器の制御のための信号に基づいて動作する。このため、可視光機器と紫外線機器との連携動作のタイミング制御が適切に行われる。なお、紫外線機器の用途は除菌に限られず、例えば、ブラックライトであったり、光触媒励起用光源であったり、といった可視光機器が配設される室内に配設される紫外線機器であればどのような用途であってもよい。また、紫外線機器から照射される紫外線の波長は、用途に応じたどのような波長であってもよい。以下では、紫外線機器の用途は、除菌であるものとして説明を行う。
【0011】
また、実施形態の照明装置において、分岐部(50)は、可視光機器(10)には、制御信号である第1の信号を入力し、紫外線機器(20)には、動作切替信号に基づいて第1の信号から生成した第2の信号を入力する。可視光機器(10)は、第1の信号に基づいて動作する。紫外線機器(20)は、第2の信号に基づいて動作する。
【0012】
実施形態の照明装置では、可視光機器(10)の制御のための信号が分岐部(50)によって可視光機器(10)と紫外線機器(20)とにそれぞれ分岐して入力される。可視光機器(10)は、第1の信号に基づいて動作し、紫外線機器(20)は、動作切替信号に基づいて第1の信号から生成される第2の信号に基づいて動作する。このため、可視光機器(10)と紫外線機器(20)との連携動作のタイミング制御が適切に行われる。また、動作切替信号に応じて第2の信号が生成されるため、可視光機器(10)と紫外線機器(20)との複雑な連携動作もし得る。
【0013】
また、実施形態の照明装置において、第1の信号は、動作切替信号を含む。これにより、動作切替信号のための信号線は、不要である。
【0014】
また、実施形態の照明装置において、分岐部(50)は、第2の信号をタイミング信号に基づくタイミングで紫外線機器(20)に入力する。これにより、可視光機器(10)と紫外線機器(20)との複雑な連携動作もし得る。
【0015】
また、実施形態の照明装置において、第1の信号は、タイミング信号を含む。これにより、タイミング信号のための信号線は、不要である。
【0016】
実施形態に係る照明システムは、可視光を照射する可視光照射部(12)を備えた可視光機器(10)と、紫外線を照射する紫外線照射部(22)を備えた紫外線機器(20)と、外部から入力される信号に基づいて制御信号を出力する制御装置(30)と、制御装置(30)から入力される制御信号を可視光機器(10)と紫外線機器(20)とにそれぞれ分岐させる分岐部(50)とを有する。可視光機器(10)と紫外線機器(20)とは、制御信号に基づいて異なる動作をする。
【0017】
実施形態の照明システムでは、可視光機器の制御のための信号が分岐部によって可視光機器と紫外線機器とにそれぞれ分岐して入力される。可視光機器及び紫外線機器は、同じタイミングで入力される同じ信号に基づいて動作する。このため、可視光機器と紫外線機器との連携動作のタイミング制御が適切に行われる。
【0018】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、一例の照明装置における可視光機器と紫外線機器の配置について示す概略図である。実施形態に係る照明装置は、例えば部屋Rに設置される。部屋Rは、特に限定されるものではない。部屋Rは、オフィス環境、カフェ、貸会議室、ファミリーレストランといった場所に設けられ得る。さらに、ここでは、「部屋」と記載しているが、実施形態に係る部屋Rは、スタジアム、競技場、コンサート会場といった空間であってもよい。
【0019】
図1に示すように、部屋Rには、人Hが滞在し得る。人Hは、部屋Rに出入りできる。部屋Rにおける人Hが触れた箇所等は、人Hに付着していた細菌やウイルス等により汚染されることがある。このような汚染箇所は、適切かつ速やかに除菌されることが好ましい。また、例えば、人Hが部屋Rに持ち込み、部屋Rの空気内に滞在している(漂っている)細菌やウイルス等も、適切かつ速やかに除菌されることが好ましい。
【0020】
実施形態では、部屋Rの例えば天井に照明装置1が配設される。照明装置1は、可視光機器10と紫外線機器20とを備えている。可視光機器10は、可視光照射部が部屋R内の空間に面する若しくは露出するように配設される。同様に、紫外線機器20は、紫外線照射部が部屋R内の空間に面する若しくは露出するように配設される。照明装置1は、後で説明する制御装置によって制御され得る。
【0021】
可視光機器10は、部屋Rの天井から下方、すなわち部屋Rの床面に向けて白色光等の可視光を所定の配光範囲A1で照射できるように配設される。同様に、紫外線機器20は、部屋Rの天井から下方、すなわち部屋Rの床面に向けて紫外線を所定の配光範囲A2で照射できるように配設される。図1では、配光範囲A1と配光範囲A2とは重なっている。しかしながら、配光範囲A1と配光範囲A2とは必ずしも重なっていなくてもよい。また、紫外線機器20の配光範囲A2は、人Hまで紫外線が到達しないように、制御されていてもよい。また、紫外線機器20から照射する強度も人Hまで紫外線が到達しないように、制御されてもよい。
【0022】
照明装置1は、必ずしも部屋Rの天井に配設される必要はなく、部屋Rの任意の場所に配設され得る。例えば、照明装置1は、部屋Rの壁面に配設されたり、部屋R内への設置物(机、棚等)の上に配設されたりする。また、図1では、照明装置1は、可視光機器10と紫外線機器20の双方を備えるとされている。しかしながら、別の例では、可視光機器10と紫外線機器20とは離れて配設されていてもよい。
【0023】
(第1の実施形態)
図2Aは、第1の実施形態の照明システムの第1の例の構成を示すブロック図である。第1の実施形態の第1の例の照明システムは、照明装置1と、制御装置30とを有する。照明装置1と、制御装置30とは、制御信号線40によって接続されている。制御信号線40は、可視光機器10又は紫外線機器20の制御のための制御信号や調光信号の伝送のための有線の信号線である。第1の例においては、制御信号線40は、分岐部50において分岐されていて、可視光機器10と紫外線機器20とにそれぞれ接続されている。制御信号は、例えば照射強度を決めるためのデューティ比の制御信号であるPWM(Pulse Width Modulation)信号であり得る。制御信号は、必ずしもPWM信号である必要はなく、DALI(Digital Addressable Light Interface)(登録商標)信号、DMX(Digital Multiplex with 512 pieces of Information)信号といった信号であってもよい。なお、DALI信号が用いられる場合、可視光機器10と紫外線機器20とには同じアドレスが割り当てられてよい。また、DMX信号が用いられる場合、可視光機器10と紫外線機器20とには同じチャンネルが割り当てられてよい。なお、制御信号線40は無線の信号線であってもよい。
【0024】
前述したように、照明装置1は、可視光機器10と、紫外線機器20とを有する。可視光機器10は、照射制御部11と、可視光照射部12とを有する。紫外線機器20は、照射制御部21と、紫外線照射部22とを有する。照射制御部11は、可視光照射制御部11とも言う。照射制御部21は、紫外線照射制御部21とも言う。
【0025】
照射制御部11は、可視光照射部12の動作を制御することにより、可視光の照射を制御する。照射制御部11は、例えばプロセッサ及び記憶媒体を備える。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)及びDSP(Digital Signal Processor)等であってよい。照射制御部11は、プロセッサ及び記憶媒体のそれぞれを、1つのみ備えてもよく、複数備えてもよい。照射制御部11は、制御信号線40を介して制御装置30から入力される制御信号に基づいて記憶媒体等に記憶されるプログラム等をプロセッサによって実行することによって可視光の照射を制御する。
【0026】
可視光照射部12は、可視光領域の波長を有する可視光線を発生させる光源と、その駆動回路とを備える。光源は、非LED(Light Emitting Diode)の蛍光灯、電球であってもよく、LEDであってもよい。可視光照射部12の光源は、照射制御部11からの制御信号に基づき、可視光の点灯、消灯に加えて、照射強度を変更できるように構成されていたり、照射される可視光の波長(色)を変更できるように構成されていたりしてもよい。
【0027】
照射制御部21は、紫外線照射部22の動作を制御することにより、紫外線の照射を制御する。照射制御部21は、例えばプロセッサ及び記憶媒体を備える。プロセッサは、CPU、ASIC、マイコン、FPGA及びDSP等であってよい。照射制御部21は、プロセッサ及び記憶媒体のそれぞれを、1つのみ備えてもよく、複数備えてもよい。照射制御部21は、制御信号線40を介して制御装置30から入力される制御信号に基づいて記憶媒体等に記憶されるプログラム等をプロセッサによって実行することによって紫外線の照射を制御する。
【0028】
紫外線照射部22は、紫外領域の波長を有する紫外線を発生させる光源と、その駆動回路とを備える。光源は、水銀ランプ、メタルハライドランプ、蛍光形紫外線ランプ、エキシマランプ等の非LED(Light Emitting Device)のランプであってもよく、LEDであってもよい。紫外線照射部22の光源は、照射制御部21からの制御信号に基づき、紫外線の点灯、消灯に加えて、照射強度を変更できるように構成されていたり、照射される紫外線の波長を変更できるように構成されていたりしてもよい。
【0029】
制御装置30は、可視光機器10の制御のための制御信号を用いて可視光機器10及び紫外線機器20を制御する装置である。制御装置30は、例えば、コンピュータ及びスマートデバイス等の可視光機器10及び紫外線機器20とは別体の装置である。制御装置30は、例えば制御信号線40を介して可視光機器10及び紫外線機器20と通信可能である。第1の例では、制御信号線40は、分岐部50において分岐しており、可視光機器10及び紫外線機器20のそれぞれに接続される。つまり、第1の例では、可視光機器10と紫外線機器20とには、共通の制御信号が入力される。そのため、可視光機器10と紫外線機器20に共通の信号が入力されるのであれば、制御装置30と可視光機器10とを接続する制御信号線40と、制御装置30と紫外線機器20とを接続する制御信号線40と、が配設され、分岐部50を備えない構成であってもよい。
【0030】
制御装置30は、例えばプロセッサ及び記憶媒体を備える。プロセッサは、CPU、ASIC、マイコン、FPGA及びDSP等であってよい。記憶媒体には、メモリ等の主記憶装置に加えて、補助記憶装置が含まれ得る。記憶媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)及び半導体メモリ(USBメモリ、SSD等)のいずれかである。制御装置30は、プロセッサ及び記憶媒体のそれぞれを、1つのみ備えてもよく、複数備えてもよい。制御装置30は、記憶媒体に記憶されたプログラムをプロセッサによって実行することにより、処理を実行する。プロセッサによって実行されるプログラムは、ネットワークを介して接続された処理装置(コンピュータ又はサーバ)、又は、クラウド環境に構築されたサーバ等に格納されてもよい。この場合、プロセッサは、ネットワーク経由でプログラムをダウンロードする。ネットワークとしては、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、移動体通信網及びBluetooth(登録商標)等が、挙げられる。また、制御装置30は、クラウド環境に構築されるクラウドサーバであってもよい。この場合、クラウド環境のインフラは、仮想CPU等の仮想プロセッサ及びクラウドメモリによって構成される。
【0031】
第1の実施形態の第1の例の照明システムの動作を説明する。まず、制御装置30は、例えば外部のリモートコントローラ等から入力された信号に基づいて可視光機器10の制御のための制御信号を生成する。例えば、制御信号がPWM信号であれば、制御装置30は、与えられた可視光の強度に応じてパルス幅、すなわちオン/オフのデューティ比を変えることで制御信号を生成する。可視光機器10の点灯の際の可視光の強度は、初期値として与えられていてもよいし、外部のリモートコントローラ等から指定された明るさに応じて与えられてもよい。
【0032】
制御信号の生成後、制御装置30は、生成した制御信号を制御信号線40に出力する。制御信号は、制御信号線40の分岐部50において分岐され、可視光機器10及び紫外線機器20のそれぞれに入力される。可視光機器10の照射制御部11は、制御信号に応じて可視光照射部12の動作を制御する。同時に、紫外線機器20の照射制御部21は、制御信号に応じて紫外線照射部22の動作を制御する。
【0033】
このように、第1の例では、制御信号を分岐部50において可視光機器10と紫外線機器20とに分岐させることにより、可視光機器10と紫外線機器20とを同じタイミングで点灯させたり、同じタイミングで消灯させたり、同じタイミングで同じ割合で調光させたりすることができる。
【0034】
図2Bは、第1の実施形態の照明システムの第2の例の構成を示すブロック図である。第1の例と同様に第2の例の照明システムは、照明装置1と、制御装置30とを有する。第2の例においては、制御装置30は、制御信号線40を介して分岐装置50に接続されている。分岐装置50は、分岐部50の一例であり、同一の符号を付して説明する。分岐装置50は、分岐信号線41を介して可視光機器10に接続されるとともに、分岐信号線42を介して紫外線機器20に接続されている。なお、制御装置30と分岐装置50とは一体に構成されていてもよく、この場合、制御信号線40は、制御装置30と分岐装置50の一体装置の内部の信号線となる。照明装置1及び制御装置30の構成は、第1の例と同様である。分岐信号線41は、可視光分岐信号線41とも言う。分岐信号線42は、紫外線分岐信号線42とも言う。
【0035】
第2の例では、分岐装置50は、分岐信号線41及び分岐信号線42にそれぞれ接続されており、制御装置30からの制御信号を可視光機器10と紫外線機器20とに分岐させる。例えば、分岐装置50は、入力された制御信号をそのまま可視光機器10と紫外線機器20に分岐させる。また、例えば、分岐装置50は、可視光機器10については入力された制御信号をそのまま可視光機器10に分岐させ、紫外線機器20については入力された制御信号から生成した新たな制御信号を紫外線機器20に分岐させる。新たな制御信号は、例えば制御信号がPWM信号であるときには、入力された制御信号の反転信号である。この場合、分岐装置50は、分岐回路と、反転回路とを備えていてよい。ここで、第2の例において、分岐装置50に入力される制御信号に対して生成される新たな制御信号は、必ずしも反転信号でなくてもよい。入力された制御信号で指定される強度に対して一定の倍率(1より大きい倍率も、1より小さい倍率も含む)の強度とするような制御信号を生成する構成であってもよいし、入力された制御信号で指定される強度に対して反比例する強度とするような制御信号を生成する構成等であってもよい。
【0036】
第1の実施形態の第2の例の照明システムの動作を説明する。まず、制御装置30は、可視光機器10の制御のための制御信号を生成する。制御装置30における制御信号の生成動作は、第1の例と同様である。
【0037】
制御信号の生成後、制御装置30は、生成した制御信号を制御信号線40に出力する。制御信号は、制御信号線40を介して分岐装置50に入力される。分岐装置50は、例えば入力された制御信号を分岐信号線41に出力する。一方、分岐装置50は、例えば入力された制御信号の反転信号を分岐信号線42に出力する。可視光機器10の照射制御部11は、制御信号に応じて可視光照射部12の動作を制御する。同時に、紫外線機器20の照射制御部21は、制御信号に応じて紫外線照射部22の動作を制御する。例えば、制御装置30において生成される制御信号がデューティ比5%のPWM信号である場合、分岐装置50は、可視光機器10には、デューティ比5%のPWM信号をそのまま入力する。一方、分岐装置50は、紫外線機器20には、デューティ比5%のPWM信号の反転信号であるデューティ比95%のPWM信号を入力する。これにより、可視光機器10の可視光照射部12から照射される可視光の強度は、最大強度の95%になる。一方、紫外線機器20の紫外線照射部22から照射される紫外線の強度は、最大強度の5%になる。
【0038】
このように、第2の例では、制御信号を分岐装置50において可視光機器10と紫外線機器20とに分岐させる際に、紫外線機器20については入力された制御信号とは異なる制御信号が入力される。これにより、可視光機器10と紫外線機器20とに同じタイミングで異なる動作をさせることもできる。
【0039】
図2Cは、第1の実施形態の照明システムの第3の例の構成を示すブロック図である。第2の例と同様に第3の例の照明システムは、照明装置1と、制御装置30とを有する。第3の例においては、制御装置30は、送信部30aを有している。また、分岐装置50は、受信部50aを有している。送信部30aと受信部50aとは、無線制御信号線40aを介して接続される。分岐装置50は、分岐信号線41を介して可視光機器10に接続されるとともに、分岐信号線42を介して紫外線機器20に接続されている。照明装置1の構成は、第1及び第2の例と同様である。
【0040】
第3の例の照明システムでは、第2の例の照明システムと同様に、分岐装置50は、分岐信号線41及び分岐信号線42にそれぞれ接続されており、制御装置30からの制御信号を可視光機器10と紫外線機器20とに分岐させる。例えば、分岐装置50は、入力された制御信号をそのまま可視光機器10と紫外線機器20に分岐させる。また、例えば、分岐装置50は、可視光機器10については入力された制御信号をそのまま可視光機器10に分岐させ、紫外線機器20については入力された制御信号から生成した新たな制御信号を紫外線機器20に分岐させる。
【0041】
第1の実施形態の第3の例の照明システムの動作は、制御装置30と分岐装置50との間の信号のやり取りが無線制御信号線40aを介して行われる点を除けば、第2の例の照明システムの動作と同様である。
【0042】
第3の例では、制御装置30と分岐装置50とが有線で接続される必要がない。したがって、制御装置30及び分岐装置50の配置の自由度が向上する。
【0043】
ここで、第3の例においては、第2の例と同様に、制御装置30と照明装置1との間に分岐装置50が介在している。これに対し、第3の例において、第1の例と同様に、制御装置30と照明装置1との間に分岐装置50が介在していなくてもよい。この場合、制御装置30は、照明装置1の可視光機器10と紫外線機器20との双方に共通の制御信号を無線で送信する。
【0044】
以上説明したように第1の実施形態によれば、可視光機器10と紫外線機器20とは共通の有線信号線又は無線信号線で制御装置30と接続される。これにより、可視光機器10と紫外線機器20とに同じタイミングで制御のための信号が入力される。したがって、可視光機器10と紫外線機器20との連携動作のタイミング制御が適切に行われ得る。さらに、第2の例では、可視光機器10のための制御信号に基づき、可視光機器10と紫外線機器20とで異なる制御のための信号が入力され得る。したがって、可視光機器10と紫外線機器20とで異なる動作をさせる場合であっても、連携動作のタイミング制御が適切に行われ得る。
【0045】
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態の照明システムの一例の構成を示すブロック図である。第2の実施形態の照明システムは、第1の実施形態の第2の例と同様に、照明装置1と、制御装置30とを有する。第2の実施形態において、制御装置30は、制御信号線401と動作切替信号線402の2本の信号線を介して分岐装置50に接続されている。分岐装置50は、分岐信号線41を介して可視光機器10に接続されるとともに、分岐信号線42を介して紫外線機器20に接続されている。制御信号線401は、第1の実施形態で説明した制御信号線40と対応していて、可視光機器10の制御のための制御信号Dの伝送のための信号線である。一方、動作切替信号線402は、照明装置1(可視光機器10と紫外線機器20の少なくとも一方)の動作切替のための動作切替信号Sの伝送のための信号線である。動作切替信号Sは、照明装置1の動作モードを示す情報を含む信号である。照明装置1の動作モードを示す情報は、例えば動作モードに対応付けられた数値であり得る。第1の実施形態と同様に、制御信号Dの伝送のための信号線と動作切替信号Sの伝送のための信号線は、必ずしも有線信号線である必要はなく、無線信号線であってもよい。制御信号Dの伝送のための信号線と動作切替信号Sの伝送のための信号線とには、別々の無線信号線、すなわち別々の無線チャンネルが用いられてよい。さらには、制御信号Dの伝送のための信号線と動作切替信号Sの伝送のための信号線の一方が有線信号線であり、他方が無線信号線であってもよい。なお、動作切換信号Sは、外部のリモートコントローラ等から制御装置30へ入力される信号である。また、動作切換信号Sは、制御装置30から分岐装置50へ入力される構成でなくてもよく、例えば、外部のリモートコントローラ等から、分岐装置50へ直接入力される構成であってもよい。
【0046】
第2の実施形態では、分岐装置50は、分岐信号線41及び分岐信号線42にそれぞれ接続されており、制御装置30からの制御信号Dを可視光機器10と紫外線機器20とに分岐させる。第2の実施形態においては、分岐装置50は、紫外線機器20に分岐させる制御信号D´を動作切替信号Sに応じて生成する。
【0047】
図4は、第2の実施形態における分岐装置50の一例の構成を示すブロック図である。図4に示すように、第2の実施形態における分岐装置50は、動作判定部51と、生成部52とを有する。第2の実施形態における分岐装置50は、例えばプロセッサ及び記憶媒体を備える。プロセッサは、CPU、ASIC、マイコン、FPGA及びDSP等であってよい。分岐装置50は、プロセッサ及び記憶媒体のそれぞれを、1つのみ備えてもよく、複数備えてもよい。分岐装置50のプロセッサは、記憶媒体等に記憶されるプログラム等をプロセッサによって実行することによって動作判定部51及び生成部52として動作し得る。
【0048】
動作判定部51は、動作切替信号Sから照明装置1の動作モードを判定する。動作判定部51は、判定した動作モードを生成部52に通知する。図5は、動作切替信号と動作モードとの関係の一例を示す図である。動作判定部51は、図5で示した対応テーブルを記憶媒体等に記憶しており、動作切替信号Sの値によって動作モードを判定する。図5では、一例として、5つの動作モード、すなわち点灯/点灯モード、強度連動モード、消灯/点灯モード、反比例モード、変化モードが示されている。
【0049】
点灯/点灯モードは、動作切替信号Sの値が例えば「1」であるときの動作モードである。点灯/点灯モードでは、可視光機器10と紫外線機器20の両方が制御信号Dで指定される強度で点灯する。つまり、可視光機器10と紫外線機器20とは同一制御であり、制御信号D´としては、制御信号Dと同一信号が生成される。なお、ここでの同一信号とは、信号を受けた後の動作が同一であることを示しており、必ずしも制御信号Dと、制御信号D´と、が同一である必要はない。
【0050】
強度連動モードは、動作切替信号Sの値が例えば「2」であるときの動作モードである。強度連動モードでは、可視光機器10は制御信号Dで指定される強度で点灯し、紫外線機器20は制御信号Dで指定される強度と連動した強度、例えば制御信号Dで指定される強度の半分の強度で点灯する。つまり、制御信号D´としては、制御信号Dに示す強度情報に対して所定の倍率をかけた強度で点灯制御する信号が生成される。
【0051】
消灯/点灯モードは、動作切替信号Sの値が例えば「3」であるときの動作モードである。消灯/点灯モードでは、可視光機器10が消灯したときに、紫外線機器20は一定時間点灯した後で消灯する。つまり、制御信号D´としては、消灯信号である制御信号Dに対して、一定時間の点灯信号(制御信号Dの反転制御・反転信号)と、一定時間経過後の消灯信号(制御信号Dの同一制御・同一信号)と、を含む信号が生成される。
【0052】
反比例モードは、動作切替信号Sの値が例えば「4」であるときの動作モードである。反比例モードでは、可視光機器10は制御信号Dで指定される強度で点灯し、紫外線機器20は制御信号Dで指定される強度に反比例する強度で点灯する。つまり、制御信号D´としては、制御信号Dが点灯強度を高く制御する内容であるほど、点灯強度を低く点灯制御する信号が生成され、制御信号Dが点灯強度を低く制御する内容であるほど、点灯強度を高く点灯制御する信号が生成される。
【0053】
変化モードは、動作切替信号Sの値が例えば「5」であるときの動作モードである。変化モードでは、可視光機器10は制御信号Dで指定される強度で点灯し、紫外線機器20は時間経過に伴って強度を変化させるように点灯する。つまり、制御信号D´としては、始点となる強度から終点となる強度まで所定時間をかけて強度を変化させる信号が生成される。このとき、例えば、始点の強度が制御信号Dで指定される強度と同一であってもよいし、終点の強度が制御信号Dで指定される強度と同一であってもよい。また、制御信号Dで指定される強度によって、所定時間が決定されるように構成されていてもよい。
【0054】
生成部52は、制御信号Dを可視光機器10に分岐させる。また、生成部52は、動作判定部51で判定された動作モードに応じて制御信号Dから新たな制御信号D´を生成し、生成した制御信号D´を紫外線機器20に分岐させる。
【0055】
具体的には、生成部52は、点灯/点灯モードのときには、制御信号D´として制御信号Dを紫外線機器20に分岐させる。
【0056】
また、生成部52は、強度連動モードのときには、制御信号D´として例えば制御信号Dの半分の強度を指示する制御信号を紫外線機器20に分岐させる。
【0057】
また、生成部52は、消灯/点灯モードのときには、制御信号D´として制御信号Dの反転信号を紫外線機器20に分岐させる。消灯/点灯モードのときの制御信号Dは、可視光機器10の消灯状態に対応したデューティ比、例えばデューティ比100%の制御信号である。そして、一定時間の経過後に生成部52は、制御信号D´として紫外線機器20の消灯状態に対応したデューティ比、例えばデューティ比0%の制御信号を紫外線機器20にだけ分岐させる。
【0058】
また、生成部52は、反比例モードのときには、制御信号D´として制御信号Dの強度に反比例した強度を指示する制御信号を紫外線機器20に分岐させる。
【0059】
また、生成部52は、変化モードのときには、制御信号D´として時間的に強度の変化が生じるように指示する制御信号を紫外線機器20に分岐させる。なお、制御信号がPWM信号であるとき、照射される紫外線の強度はある一定時間の平均値によって決まる。変化モードのときには、この平均値が変化するようにPWM信号が生成される。
【0060】
第2の実施形態の照明システムの動作を説明する。まず、制御装置30は、可視光機器10の制御のための制御信号Dと照明装置1の動作モードを指定するための動作切替信号Sを生成する。制御信号Dの生成は、第1の実施形態と同様に行われてよい。また、動作モードは、照明装置1の周囲環境等の各種条件によって決められてもよいし、外部のリモートコントローラ等から指定されてもよい。
【0061】
制御信号D及び動作切替信号Sの生成後、制御装置30は、生成した制御信号Dを制御信号線401に出力するとともに、生成した動作切替信号Sを動作切替信号線402に出力する。分岐装置50の動作判定部51は、動作切替信号Sの値から照明装置1の動作モードを判定し、判定した動作モードを生成部52に通知する。生成部52は、通知された動作モードに応じて制御信号Dと制御信号Dから生成した制御信号D´を可視光機器10と紫外線機器20のそれぞれに分岐させる。可視光機器10の照射制御部11は、制御信号Dに応じて可視光照射部12の動作を制御する。同時に、紫外線機器20の照射制御部21は、制御信号D´に応じて紫外線照射部22の動作を制御する。これにより、例えば消灯/点灯モードのときには、可視光機器10が消灯すると同時に、紫外線機器20は一定時間だけ点灯する。
【0062】
以上説明したように第2の実施形態によれば、紫外線機器20に分岐される信号が動作切替信号に基づいて生成される。これにより、第1の実施形態よりも複雑な連携動作が適切なタイミングで行われ得る。
【0063】
ここで、PWM信号は、オン/オフのデューティ比、すなわち強度の情報だけを含めることができるのに対し、DALI信号又はDMX信号は、強度以外の各種の情報を含められ得る。したがって、制御装置30において生成される信号がDALI信号又はDMX信号であるときには、制御装置30において生成される信号は、制御信号Dに含められるべき情報と動作切替信号Sに含められるべき情報の双方を含んでいてよい。このことは、制御信号Dが動作切替信号Sを含むということもできる。この場合、動作切替信号線402は不要である。さらには、制御装置30において生成される信号がDALI信号又はDMX信号であるときには、消灯/点灯モードのときの紫外線機器20の点灯時間の情報といった強度以外の情報が含められてもよい。
【0064】
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態の照明システムの一例の構成を示すブロック図である。第3の実施形態の照明システムは、第1の実施形態の第2の例と同様に、照明装置1と、制御装置30とを有する。第3の実施形態において、制御装置30は、制御信号線401とタイミング信号線403の2本の信号線を介して分岐装置50に接続されている。分岐装置50は、分岐信号線41を介して可視光機器10に接続されるとともに、分岐信号線42を介して紫外線機器20に接続されている。制御信号線401は、第1の実施形態で説明した制御信号線40と対応していて、可視光機器10の制御のための制御信号Dの伝送のための信号線である。一方、タイミング信号線403は、照明装置1のタイミング制御のためのタイミング信号Tの伝送のための信号線である。第1の実施形態と同様に、制御信号Dの伝送のための信号線とタイミング信号Tの伝送のための信号線は、必ずしも有線信号線である必要はなく、無線信号線であってもよい。制御信号Dの伝送のための信号線とタイミング信号Tの伝送のための信号線とには、別々の無線信号線、すなわち別々の無線チャンネルが用いられてよい。さらには、制御信号Dの伝送のための信号線とタイミング信号Tの伝送のための信号線の一方が有線信号線であり、他方が無線信号線であってもよい。
【0065】
第3の実施形態では、分岐装置50は、分岐信号線41及び分岐信号線42にそれぞれ接続されており、制御装置30からの制御信号Dを可視光機器10と紫外線機器20とに分岐させる。第3の実施形態においては、分岐装置50は、紫外線機器20に制御信号Dを分岐させるタイミングをタイミング信号Tに応じて変化させる。
【0066】
図7は、第3の実施形態における分岐装置50の一例の構成を示すブロック図である。図7に示すように、第3の実施形態における分岐装置50は、タイミング判定部53を有する。第3の実施形態における分岐装置50は、例えばプロセッサ及び記憶媒体を備える。プロセッサは、CPU、ASIC、マイコン、FPGA及びDSP等であってよい。分岐装置50は、プロセッサ及び記憶媒体のそれぞれを、1つのみ備えてもよく、複数備えてもよい。分岐装置50のプロセッサは、記憶媒体等に記憶されるプログラム等を実行することによってタイミング判定部53として動作し得る。
【0067】
タイミング判定部53は、タイミング信号Tから紫外線機器20への制御信号Dの分岐タイミングを判定する。分岐タイミングは、例えば可視光機器10から照射される可視光の明るさが所定値以下となったタイミング、可視光機器10から照射される可視光の明るさが所定値以上となったタイミング等である。制御装置30は、例えば照度センサを備えていて、可視光から照射される可視光の明るさを検出する。そして、制御装置30は、可視光の明るさが条件を満たしたときに、タイミング信号Tを分岐装置50に出力する。タイミング判定部53は、タイミング信号Tを受けて、可視光の明るさが条件を満たしたタイミングを判定する。そして、タイミング判定部53は、このタイミングで制御信号Dを紫外線機器20に分岐させる。なお、制御装置30からタイミング信号Tが出力されるタイミングは、可視光の明るさの条件が満たされたタイミングである必要はなく、可視光の明るさ以外の他の条件が満たされたタイミングであってもよい。
【0068】
第3の実施形態の照明システムの動作を説明する。まず、制御装置30は、可視光機器10の制御のための制御信号Dを生成する。制御信号Dの生成は、第1の実施形態と同様に行われてよい。第3の実施形態において、紫外線機器20を動作させるタイミングの条件が外部のリモートコントローラ等から指定されてよい。
【0069】
制御信号Dの生成後、制御装置30は、生成した制御信号Dを制御信号線401に出力する。また、制御装置30は、タイミング信号Tを出力するための条件を満たしているか否かを判定し、タイミング信号Tを出力するための条件を満たしているときには、タイミング信号Tをタイミング信号線403に出力する。分岐装置50のタイミング判定部53は、タイミング信号Tの入力がないときには、入力された制御信号Dを可視光機器10にだけ分岐させる。一方、タイミング判定部53は、タイミング信号Tの入力があるときには、入力された制御信号Dを可視光機器10と紫外線機器20のそれぞれに分岐させる。ここで、紫外線機器20に分岐させる制御信号Dは、入力された制御信号Dの反転信号等であってもよい。可視光機器10の照射制御部11は、制御信号Dに応じて可視光照射部12の動作を制御する。また、紫外線機器20の照射制御部21は、制御信号Dに応じて紫外線照射部22の動作を制御する。例えば、可視光機器10から照射される可視光の明るさが所定値以上となったタイミングにタイミング信号Tが制御装置30から出力される場合、可視光機器10から照射される可視光の明るさが所定値以上となったタイミングで紫外線機器20が点灯する。
【0070】
以上説明したように第3の実施形態によれば、紫外線機器20への信号の分岐のタイミングがタイミング信号によって制御される。これにより、第1の実施形態よりも複雑な連携動作が適切なタイミングで行われ得る。
【0071】
ここで、第3の実施形態における分岐装置50は、さらに第2の実施形態で説明した動作判定部51と、生成部52とを有していてもよい。図8は、第3の実施形態の変形例の分岐装置50の一例の構成を示すブロック図である。図8の分岐装置では、動作判定部51には動作切替信号Sが入力される。動作判定部51による判定結果は、生成部52に通知される。一方で、タイミング判定部53にはタイミング信号Tが入力される。タイミング判定部53によるタイミング判定結果は、生成部52に通知される。
【0072】
生成部52は、制御信号Dを可視光機器10に分岐させる。また、生成部52は、動作判定部51で判定された動作モードに応じて制御信号Dから新たな制御信号D´を生成し、生成した制御信号D´をタイミング信号Tがタイミング判定部53に入力されたタイミングで紫外線機器20に分岐させる。
【0073】
第3の実施形態の変形例では、第2の実施形態及び第3の実施形態がそれぞれ単独で用いられる場合よりもさらに複雑な連携動作が適切なタイミングで行われ得る。
【0074】
前述したように、PWM信号は、オン/オフのデューティ比、すなわち強度の情報だけを含めることができるのに対し、DALI信号又はDMX信号は、強度以外の各種の情報を含められ得る。したがって、制御装置30において生成される信号がDALI信号又はDMX信号であるときには、制御装置30において生成される信号は、制御信号Dに含められるべき情報とタイミング信号Tに含められるべき情報の双方を含んでいてよい。このことは、制御信号Dがタイミング信号Tを含むということもできる。この場合、タイミング信号線403は不要である。
【0075】
また、前述した各実施形態において、分岐部又は分岐装置50は、照明装置1と別体であるとされているが、分岐部又は分岐装置50は、照明装置1と一体であってもよい。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
1…照明装置、10…可視光機器、11…照射制御部、12…可視光照射部、20…紫外線機器、21…照射制御部、22…紫外線照射部、30…制御装置、30a…送信部、40…制御信号線、40a…無線制御信号線、41…分岐信号線、42…分岐信号線、50…分岐装置、50a…受信部、51…動作判定部、52…生成部、53…タイミング判定部

図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8