(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034385
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】浣腸容器
(51)【国際特許分類】
A61M 3/02 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
A61M3/02 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138588
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】399101201
【氏名又は名称】健栄製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 陽子
(72)【発明者】
【氏名】南 貴大
(72)【発明者】
【氏名】諏訪 雅宣
(72)【発明者】
【氏名】桐村 直樹
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA02
4C066BB02
4C066BB10
4C066CC01
(57)【要約】
【課題】使用者が自身に使用する際に片手で操作しやすく、使用前後に自立させることができ、使用後の残液量が少なく、形状が自然復元することのない浣腸容器を提供する。
【解決手段】薬液が充填される貯留空間が設けられ、底面部が形成された容器本体と、貯留空間と連通する内部通路が形成されたノズル部とからなり、容器本体は、ノズル取付部が形成された第1本体部と、接続部を介して一体的に設けられ、底面部が形成された第2本体部とからなり、容器本体の断面積は、底面部から接続部に向かって大きくなり、かつ、接続部からノズル取付部に向かって小さくなり、第2本体部は、薬液が押し出される際に、接続部を基準として、第1本体部の内側に折り畳まれるように変形される部位であり、底面部とノズル取付部とは、略平行に設けられた面であり、接続部は、傾斜方向に形成されている、浣腸容器。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液が充填される貯留空間が設けられ、かつ、所定の載置面に載置するための底面部が一方の端部に形成された容器本体と、前記一方の端部とは反対側の端部に設けられ、前記貯留空間と連通する内部通路が形成されたノズル部とからなり、
前記容器本体は、
前記ノズル部が取り付けられるノズル取付部が形成された第1本体部と、
前記第1本体部と接続部を介して一体的に設けられ、前記底面部が形成された第2本体部とからなり、
前記容器本体の断面積は、前記底面部から、前記接続部に向かって大きくなり、かつ、前記接続部から、前記ノズル取付部に向かって小さくなるよう形成されており、
前記第2本体部は、前記薬液が押し出される際に、前記接続部を基準として、前記第1本体部の内側に折り畳まれるように変形される部位であり、
前記底面部と、前記ノズル取付部とは、略平行に設けられた面であり、
前記接続部は、前記底面部および前記ノズル取付部に対して、傾斜する方向に形成されている、浣腸容器。
【請求項2】
前記容器本体は、前記底面部に直交する断面において、前記第1本体部の周縁の長さT1と、前記第2本体部の周縁の長さT2とが、(式1)0.9≦T1/T2≦1.1を満たす、請求項1記載の浣腸容器。
【請求項3】
前記第1本体部は、前記ノズル取付部から前記接続部に沿って伸びる1または複数の補強リブが形成されている、請求項1または2記載の浣腸容器。
【請求項4】
前記接続部の周縁に、補強リブが形成されている、請求項1または2記載の浣腸容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浣腸容器に関する。より詳細には、本発明は、使用者が自身に使用する際に片手で操作しやすく、使用前後において自立させることができ、使用後の残液量が少なく、かつ、形状が自然復元することのない浣腸容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用前後において自立させることができる浣腸容器が開発されている(たとえば特許文献1)。特許文献1に記載の浣腸容器は、使用時に本体部の一部を押し込むように変形させることにより、薬液を押し出すことができる。また、浣腸容器は、衛生面から、使用前後において、自立可能であることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の浣腸容器は、使用後に、容器内に残存する薬液の量が多い。したがって、特許文献1に記載の浣腸容器は、残存する薬液分のコストが高くなったり、必要な薬液量を使用することができない場合がある。また、特許文献1に記載の浣腸容器は、実際には、その第3図に記載されているような密着した形状にまで、押し込むことができない。そのため、特許文献1に記載の浣腸容器は、使用後に、押し込んだ部位が元の形状に戻り得る。そのため、使用後に自立させておくと、特許文献1に記載の浣腸容器は、元の形状に戻る際の動作で転倒するおそれがある。さらに、特許文献1に記載の浣腸容器は、使用者が自身に使用する場合には、使用者が身体をひねるような姿勢を取らねばならず、片手で操作することが難しい。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、使用者が自身に使用する際に片手で操作しやすく、使用前後において自立させることができ、使用後の残液量が少なく、かつ、形状が自然復元することのない浣腸容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明には、以下の構成が主に含まれる。
【0007】
(1)薬液が充填される貯留空間が設けられ、かつ、所定の載置面に載置するための底面部が一方の端部に形成された容器本体と、前記一方の端部とは反対側の端部に設けられ、前記貯留空間と連通する内部通路が形成されたノズル部とからなり、前記容器本体は、前記ノズル部が取り付けられるノズル取付部が形成された第1本体部と、前記第1本体部と接続部を介して一体的に設けられ、前記底面部が形成された第2本体部とからなり、前記容器本体の断面積は、前記底面部から、前記接続部に向かって大きくなり、かつ、前記接続部から、前記ノズル取付部に向かって小さくなるよう形成されており、前記第2本体部は、前記薬液が押し出される際に、前記接続部を基準として、前記第1本体部の内側に折り畳まれるように変形される部位であり、前記底面部と、前記ノズル取付部とは、略平行に設けられた面であり、前記接続部は、前記底面部および前記ノズル取付部に対して、傾斜する方向に形成されている、浣腸容器。
【0008】
このような構成によれば、浣腸容器は、使用前は底面部によって載置面に自立させることができ、使用後は接続部によって載置面に自立させることができる。また、浣腸容器は、接続部を境界として第2本体部を第1本体部の内側に、隙間なく押し込みやすい。その結果、浣腸容器は、使用後に残存する薬液量が少なく、かつ、形状が自然復元しない。さらに、浣腸容器は、接続部が、底面部およびノズル取付部に対して傾斜する方向に形成されている。そのため、使用者は、自身に使用する際に、第2本体部を、底面部の角を力点として、第1本体部の内側に片手で押し込むことができる。その際、使用者は、使用時に身体をひねる程度が緩和され、無理のない姿勢で浣腸容器を操作しやすい。
【0009】
(2)前記容器本体は、前記底面部に直交する断面において、前記第1本体部の周縁の長さT1と、前記第2本体部の周縁の長さT2とが、(式1)0.9≦T1/T2≦1.1を満たす、(1)記載の浣腸容器。
【0010】
このような構成によれば、浣腸容器は、第1本体部の周縁の長さと第2本体部の周縁の長さとが近似している。そのため、浣腸容器は、接続部を境界として第2本体部を第1本体部の内側に、より隙間なく押し込みやすい。その結果、浣腸容器は、使用後に残存する薬液量がより少なくなる。
【0011】
(3)前記第1本体部は、前記ノズル取付部から前記接続部に沿って伸びる1または複数の補強リブが形成されている、(1)または(2)記載の浣腸容器。
【0012】
このような構成によれば、浣腸容器は、使用時に、第2本体部を第1本体部の内側に押し込みやすい。
【0013】
(4)前記接続部の周縁に、補強リブが形成されている、(1)~(3)のいずれかに記載の浣腸容器。
【0014】
このような構成によれば、浣腸容器は、使用時に、第2本体部を第1本体部の内側に押し込みやすい。また、浣腸容器は、接続部が強固となり、使用後に自立させた際の安定性が優れる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、使用者が自身に使用する際に片手で操作しやすく、使用前後において自立させることができ、使用後の残液量が少なく、かつ、形状が自然復元することのない浣腸容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態の浣腸容器の使用前の状態を表す模式的な正面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態の浣腸容器の模式的な平面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態の浣腸容器の使用後の状態を表す模式的な断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態の浣腸容器の使用前の状態を表す模式的な正面図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態の浣腸容器の模式的な平面図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態の浣腸容器の使用前の状態を表す模式的な正面図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態の浣腸容器の模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の一実施形態の浣腸容器1の使用前の状態を表す模式的な正面図である。
図2は、本発明の一実施形態の浣腸容器1の模式的な平面図である。本実施形態の浣腸容器1は、薬液が充填される貯留空間が設けられ、かつ、所定の載置面に載置するための底面部21nが一方の端部に形成された容器本体2と、一方の端部とは反対側の端部に設けられ、貯留空間と連通する内部通路が形成されたノズル部3とからなる。容器本体2は、ノズル部3が取り付けられるノズル取付部21mが形成された第1本体部21と、第1本体部21と接続部23を介して一体的に設けられ、底面部21nが形成された第2本体部22とからなる。容器本体2の断面積は、底面部21nから、接続部23に向かって大きくなり、かつ、接続部23から、ノズル取付部21mに向かって小さくなるよう形成されている。第2本体部22は、薬液が押し出される際に、接続部23を基準として、第1本体部21の内側に折り畳まれるように変形される部位である。底面部21nと、ノズル取付部21mとは、略平行に設けられた面である。接続部は、底面部およびノズル取付部に対して、傾斜する方向に形成されている。以下、それぞれについて説明する。
【0018】
容器本体2は、薬液が充填される貯留空間が設けられている。容器本体2は、第1本体部21と、第2本体部22と、第1本体部21および第2本体部22を接続する接続部23とからなる。
【0019】
薬液は特に限定されない。一例を挙げると、薬液は、従来、浣腸用途で用いられる薬液であり、たとえば、グリセリン、蒸留水、生理食塩水等である。
【0020】
容器本体2を構成する材料は特に限定されない。一例を挙げると、容器本体2は、いくらか可撓性を有する樹脂製である。
【0021】
容器本体2の作製方法は特に限定されない。一例を挙げると、容器本体2は、第1本体部21、第2本体部22、接続部23および後述するノズル部3を含めて、ブロー成形等によって一体的に成形し得る。ブロー成形等によれば、内部に貯留空間が設けられた容器本体2と、貯留空間と連通する内部通路が形成されたノズル部3とからなる本実施形態の浣腸容器1が作製され得る。
【0022】
第1本体部21は、後述するノズル部3が取り付けられるノズル取付部21mが形成された部位である。第1本体部21において、ノズル部3が取り付けられる位置は特に限定されない。通常は、ノズル部3は、第1本体部21の上面であるノズル取付部21mの中心に設けられる。本実施形態では、第1本体部21のノズル取付部21mの中心にノズル部3が設けられた態様が例示されている。
【0023】
第2本体部22は、接続部23を介して第1本体部21と一体的に設けられた部位であり、底面部21nが形成されている。本実施形態の浣腸容器1は、使用前の状態では、底面部21nを介して、所定の載置面に対して自立させることができる。
【0024】
本実施形態の容器本体2の形状は、容器本体2の断面積が、底面部21nから接続部23に向かって大きくなり、かつ、接続部23からノズル取付部21mに向かって小さくなる形状であればよい。本実施形態では、第1本体部21および第2本体部22が、いずれも略六角錐台状である態様が例示されている。第1本体部21は、2か所の底面のうち、小さいほうの底面がノズル取付部21mを構成し、大きいほうの底面が、第2本体部22との接続部23を形成している。同様に、第2本体部22は、2か所の底面のうち、小さいほうの底面が、載置面に載置される底面部21nを構成し、大きいほうの底面が、第1本体部21との接続部23を形成している。
【0025】
接続部23は、底面部21nおよびノズル取付部21mに対して、傾斜角θ1となるよう傾斜する方向に形成されている。これにより、使用者は、自身に浣腸容器1を使用する際に、たとえば第2本体部の底面部21nそのものを指で第1本体部21の内側に向かって押し込むことに替えて、底面部21nの角21cを力点として、片手の指で第1本体部21の内側に向かって容易に押し込むことができる。すなわち、使用者は、
図1に示される矢印A1の方向に替えて、角21cを力点として矢印A2の方向に押し込むことにより、容易に第2本体部22を第1本体部21の内側に向かって押し込みやすい。その際、使用者は、浣腸容器1を、接続部23の傾斜角θ1だけ斜めに向けて把持することができる。その結果、使用者は、使用時に身体をひねる程度が緩和され、浣腸容器1を操作しやすい。
【0026】
接続部23の傾斜の程度(傾斜角θ1)は特に限定されない。一例を挙げると、傾斜角θ1は、10°以上であることが好ましく、20°以上であることがより好ましい。また、傾斜角θ1は、60°以下であることが好ましく、50°以下であることがより好ましい。傾斜角θ1が上記範囲内であることにより、浣腸容器1は、使用者によって操作されやすい。
【0027】
ノズル部3は、貯留空間と連通する内部通路が形成された管状の部位である。ノズル部3の一方の端部は、容器本体2のノズル取付部21mと連結されている。一方、ノズル部3の他方の端部は、薬液が吐出される吐出口である。
【0028】
図3は、本実施形態の浣腸容器1の使用後の状態を表す模式的な断面図である。本実施形態において、断面は、接続部23の水平方向の長さが最大となり、かつ、底面部21nに直行する面である。すなわち、本実施形態の浣腸容器1は、
図2に示されるように、平面視で略正六角形の容器本体2と、ノズル取付部21mの中心にノズル部3が設けられている。この場合、断面は、
図2の線A-Aで示される位置で切断した面であり、ノズル部3の中心であって、接続部23の水平方向の長さが最大となる位置を通る。
【0029】
図1および
図3に示されるように、第2本体部22は、薬液が押し出される際に、接続部23を基準として、第1本体部21の内側に折り畳まれるように変形される部位である。
【0030】
本実施形態の浣腸容器1において、底面部21nとノズル取付部21mとは、略平行に設けられた面である。また、容器本体2は、底面部21nに直交する断面(
図2の線A-Aで示される位置で切断した面)において、第1本体部21の周縁の長さT1と、第2本体部22の周縁の長さT2とが、(式1)0.9≦T1/T2≦1.1を満たすことが好ましい。これにより、第2本体部22を第1本体部21の内側に押し込むことにより、貯留空間に貯留されていた薬液を押し出すことができる。
図3に示されるように、第2本体部22の周縁は、第1本体部21の周縁に沿うように変形しやすく、第2本体部22が第1本体部21の内部に押し込まれた状態では、貯留空間の容積はわずかとなる。そのため、薬液は、残存しにくく、ほぼ全量が使用され得る。
【0031】
また、第2本体部22の周縁が、第1本体部21の周縁に略隙間なく沿うように変形し得るため、使用後の浣腸容器1は、使用前の形状(
図1を参照)に自然復元されにくい。さらに、
図3に示されるように、第2本体部22が第1本体部21内に押し込まれる際、第2本体部22は、接続部23を基準として折り畳まれる。その結果、使用後の浣腸容器1は、平坦な接続部23が形成され、この平坦部を載置面に載置することにより、自立させることができる。
【0032】
T1/T2の値は、0.9以上であることが好ましく、0.95以上であることがより好ましく、0.98以上であることがさらに好ましい。また、T1/T2の値は、1.1以下であることが好ましく、1.05以下であることがより好ましく、1.02以下であることがさらに好ましい。T1/T2の値が上記範囲内であることにより、第2本体部22が第1本体部21の内側に折り畳まれた際に、貯留空間の容積が、より減らされやすい。そのため、薬液は、より残存しにくく、ほぼ全量が使用されやすい。また、第2本体部22の略全体が第1本体部21の内側に、折り畳まれやすく、より平坦な接続部23が形成されやすい。その結果、浣腸容器1は、使用後に自立させる際の安定性がより優れる。
【0033】
本実施形態の浣腸容器1は、所定の箇所に補強リブ4が設けられることが好ましい。補強リブ4の形成位置は特に限定されない。一例を挙げると、補強リブ4の形成位置は、第1本体部21の周縁、第2本体部22の周縁、接続部23等である。
図1および
図2を再び参照し、本実施形態では、補強リブ4は、第1本体部21の周縁(第1本体部21の側辺)に、ノズル取付部21mから接続部23に沿って延びるよう形成されている。また、補強リブ4は、接続部23の周縁に沿って形成されている。
【0034】
補強リブ4の数は特に限定されない。一例を挙げると、補強リブ4の数は、1~10程度である。本実施形態では、第1本体部21に、6本の補強リブ4が形成された態様が例示されている。
【0035】
第1本体部21に補強リブ4が形成されていることにより、第1本体部21は第2本体部22よりも変形しにくくなる。その結果、使用時に第2本体部22を第1本体部21の内側に折り畳む際に、第1本体部21の形状が変形しにくく、第2本体部22のみを適切に変形させて、薬液を押し出しやすい。また、第2本体部22は、第1本体部21の内側に折り畳まれやすい。
【0036】
なお、補強リブ4は、第1本体部21に代えて、第2本体部22に形成されてもよい。第2本体部22に補強リブが形成される場合、第2本体部22は、使用時に第1本体部21の内側に折り畳まれたあと、折り畳まれた形状が保持されやすく、より自然復元されにくい。さらに、補強リブは、第1本体部21と第2本体部22との両方に設けられてもよい。
【0037】
また、接続部23の周縁に補強リブ4が形成されていることにより、使用時に第2本体部22を第1本体部21の内側に折り畳む際に、第1本体部21の形状が変形しにくく、第2本体部22のみを適切に変形させて、薬液を押し出しやすい。また、第2本体部22は、第1本体部21の内側に折り畳まれやすい。さらに、接続部23に補強リブ4が形成されていることにより、接続部23は、使用後により自立させやすい。
【0038】
以上、本実施形態によれば、浣腸容器1は、使用前は底面部21nによって載置面に自立させることができ、使用後は接続部23によって載置面に自立させることができる。また、浣腸容器1は、接続部23を境界として第2本体部22を第1本体部21の内側に、隙間なく押し込みやすい。その結果、浣腸容器1は、使用後に残存する薬液量が少なく、かつ、形状が自然復元しない。さらに、浣腸容器1は、接続部23が、底面部21nおよびノズル取付部21mに対して傾斜する方向に形成されている。そのため、使用者は、自身に使用する際に、たとえば第2本体部22の底面部21nの角21cを力点として片手で押し込むことができる。その際、使用者は、使用時に身体をひねる程度が緩和され、浣腸容器1を操作しやすい。
【0039】
<第2の実施形態>
図4は、本発明の一実施形態の浣腸容器1aの使用前の状態を表す模式的な正面図である。
図5は、本発明の一実施形態の浣腸容器1aの模式的な平面図である。本実施形態の浣腸容器1aは、容器本体2aの形状が異なる以外は、第1の実施形態に関連して上記した浣腸容器1(
図1~
図3を参照)と同様である。そのため、以下では、重複する構成については、適宜説明を省略する。
【0040】
図4に示されるように、本実施形態では、第1本体部21aおよび第2本体部22aが、いずれも略円錐台状であり、周縁がいくらか丸みを帯びた形状である態様が例示されている。第1本体部21aは、2か所の底面のうち、小さいほうの底面がノズル取付部21mを構成し、大きいほうの底面が、第2本体部22aとの接続部23を形成している。同様に、第2本体部22aは、2か所の底面のうち、小さいほうの底面が、載置面に載置される底面部21nを構成し、大きいほうの底面が、第1本体部21aとの接続部23を形成している。
【0041】
本実施形態の浣腸容器1aによれば、使用時に、角21cを力点として第2本体部22aを第1本体部21aの内側に折り畳む際、第2本体部22aの周縁の形状が丸みを帯びているため、同じく丸みを帯びた第1本体部21aの周縁に沿うように変形しやすい。その結果、浣腸容器1aは、薬液の残量をより少なくすることができる。
【0042】
<第3の実施形態>
図6は、本発明の一実施形態の浣腸容器1bの使用前の状態を表す模式的な正面図である。
図7は、本発明の一実施形態の浣腸容器1bの模式的な平面図である。本実施形態の浣腸容器1bは、容器本体2bの形状が異なる以外は、第1の実施形態に関連して上記した浣腸容器1(
図1~
図3を参照)と同様である。そのため、以下では、重複する構成については、適宜説明を省略する。
【0043】
図6および
図7に示されるように、本実施形態では、第1本体部21bおよび第2本体部22bは、いずれも略四角錐台状である。
【0044】
本実施形態の浣腸容器1bは、使用時に第2本体部22bを第1本体部21bの内側に折り畳むと、折り畳まれた第2本体部22bは、第1の実施形態に関連して上記した浣腸容器1(
図1~
図3を参照)と比較して、折り畳まれた形状のまま維持されやすい。その結果、浣腸容器1bは、使用後において、形状が、より自然復元しにくく安定である。
【符号の説明】
【0045】
1、1a、1b 浣腸容器
2、2a、2b 容器本体
21、21a、21b 第1本体部
21c 角
21m ノズル取付部
21n 底面部
22、22a、22b 第2本体部
23 接続部
3 ノズル部
4 補強リブ