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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003439
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】ラマン赤外複合顕微装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/06 20060101AFI20240105BHJP
   G01N 21/65 20060101ALI20240105BHJP
   G01N 21/35 20140101ALI20240105BHJP
   G02B 21/18 20060101ALI20240105BHJP
   G02B 21/36 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
G02B21/06
G01N21/65
G01N21/35
G02B21/18
G02B21/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102576
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝谷 郁也
(72)【発明者】
【氏名】篠山 智生
(72)【発明者】
【氏名】田尾 知世
(72)【発明者】
【氏名】太田黒 敦彦
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 龍太
(72)【発明者】
【氏名】福田 久人
【テーマコード(参考)】
2G043
2G059
2H052
【Fターム(参考)】
2G043AA01
2G043EA03
2G043EA13
2G043EA14
2G043FA01
2G043FA02
2G043FA06
2G043GA02
2G043GA04
2G043GA06
2G043GA08
2G043GB18
2G043GB21
2G043HA01
2G043HA02
2G043HA03
2G043HA09
2G043KA01
2G043KA02
2G043KA09
2G043LA01
2G043LA03
2G043MA16
2G059AA01
2G059AA05
2G059EE01
2G059EE02
2G059EE03
2G059EE12
2G059FF01
2G059FF03
2G059GG01
2G059GG03
2G059HH01
2G059HH02
2G059JJ11
2G059JJ13
2G059JJ14
2G059KK01
2G059KK04
2G059PP10
2H052AA00
2H052AB01
2H052AB06
2H052AB25
2H052AC04
2H052AC05
2H052AC13
2H052AC14
2H052AC18
2H052AC27
2H052AC34
2H052AF07
2H052AF14
(57)【要約】
【課題】小型化が可能なラマン赤外複合顕微装置を提供する。
【解決手段】ラマン赤外複合顕微装置(100)は、レーザ光L3を発生させる第1光源(11)と、赤外光(L2)を発生させる第2光源(12)と、可視光(L3)を発生させる第3光源(13)と、第1光学系(37)とを備える。第1光学系は、第1光学系に達した可視光を、レーザ光が照射されることにより試料から発生したラマン光を用いてラマン分析が行われる際と試料を透過した赤外光を用いて第1赤外分析が行われる際とで異なる方向に向かわせる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を発生させる第1光源と、
赤外光を発生させる第2光源と、
可視光を発生させる第3光源と、
第1光学系とを備え、
前記第1光学系は、前記第1光学系に達した前記可視光を、前記レーザ光が照射されることにより試料から発生したラマン光を用いてラマン分析が行われる際と前記試料を透過した前記赤外光を用いて第1赤外分析が行われる際とで異なる方向に向かわせる、ラマン赤外複合顕微装置。
【請求項2】
前記第1光学系は、前記第1光学系に達した前記可視光を、前記ラマン分析が行われる際と前記試料において反射された前記赤外光を用いて第2赤外分析が行われる際とで同一の方向に向かわせる、請求項1に記載のラマン赤外複合顕微装置。
【請求項3】
第1可視カメラと、
第2可視カメラとをさらに備え、
前記ラマン分析が行われる際、前記可視光は、前記試料において反射された上で前記第1可視カメラに入射し、
前記第1赤外分析が行われる際、前記可視光は、前記試料を透過した上で前記第2可視カメラに入射する、請求項2に記載のラマン赤外複合顕微装置。
【請求項4】
前記第2赤外分析が行われる際、前記可視光は、前記試料において反射された上で前記第2可視カメラに入射する、請求項3に記載のラマン赤外複合顕微装置。
【請求項5】
第2光学系をさらに備え、
前記第2光学系は、前記ラマン分析が行われる際に前記試料において反射された前記可視光を反射させて前記第1可視カメラに入射させるとともに、前記第2赤外分析が行われる際に前記試料において反射された前記可視光を通過させて前記第2可視カメラに入射させる、請求項4に記載のラマン赤外複合顕微装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ラマン赤外複合顕微装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば国際公開第2020/075548号(特許文献1)には、顕微分光装置が記載されている。特許文献1に記載の顕微分光装置は、ラマン分析及び赤外分析の双方を行うことが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/075548号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ラマン分析及び赤外分析が行われている際に、可視光により試料の状態を観察できることが好ましい。しかしながら、このような観察を行うために、ラマン分析が行われる際に用いられる可視光源及び赤外分析が行われる際に用いられる可視光源の双方が組み込まれると、装置が大型化してしまう。
【0005】
本開示は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本開示は、小型化が可能なラマン赤外複合顕微装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のラマン赤外複合顕微装置は、レーザ光を発生させる第1光源と、赤外光を発生させる第2光源と、可視光を発生させる第3光源と、第1光学系とを備える。第1光学系は、第1光学系に達した可視光を、レーザ光が照射されることにより試料から発生したラマン光を用いてラマン分析が行われる際と試料を透過した赤外光を用いて第1赤外分析が行われる際とで異なる方向に向かわせる。
【発明の効果】
【0007】
本開示のラマン赤外複合顕微装置によると、小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ラマン赤外複合顕微装置100の模式図である。
図2】ラマン赤外複合顕微装置100を用いて行われるラマン分析を説明する模式図である。
図3】ラマン赤外複合顕微装置100を用いて行われる第1赤外分析を説明する模式図である。
図4】対物ミラー35Bの模式図である。
図5】対物ミラー41の模式図である。
図6】赤外光L2が対物ミラー41、試料S及び対物ミラー35Bを通過する際の模式図である。
図7】ラマン赤外複合顕微装置100を用いて行われる第2赤外分析を説明する模式図である。
図8】赤外光L2が対物ミラー35Bを通過する際の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照記号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。実施形態に係るラマン赤外複合顕微装置を、ラマン赤外複合顕微装置100とする。
【0010】
(ラマン赤外複合顕微装置100の構成)
以下に、ラマン赤外複合顕微装置100の構成を説明する。
【0011】
図1は、ラマン赤外複合顕微装置100の模式図である。図1に示されているように、ラマン赤外複合顕微装置100は、第1光源11と、第2光源12と、第3光源13とを有している。第1光源11は、レーザ光L1を発生させる光源である。第2光源12は、赤外光L2を発生させる光源である。第3光源13は、可視光L3を発生させる光源である。
【0012】
ラマン赤外複合顕微装置100は、第1可視カメラ21と、第2可視カメラ22とをさらに有している。第1可視カメラ21及び第2可視カメラ22は、可視光による撮影が可能なカメラである。ラマン赤外複合顕微装置100は、ビームスプリッタ31と、ビームスプリッタ32と、切り替えビームスプリッタ33と、エッジミラー34と、対物レンズ35Aとをさらに有している。
【0013】
ラマン赤外複合顕微装置100は、ビームスプリッタ36と、切り替えミラー37と、ミラー38と、ミラー39と、ミラー40と、対物ミラー41と、ビームスプリッタ42とをさらに有している。ラマン赤外複合顕微装置100は、分光器51と、赤外検出器52とをさらに有している。
【0014】
<ラマン分析>
図2は、ラマン赤外複合顕微装置100を用いて行われるラマン分析を説明する模式図である。図2に示されているように、ラマン分析が行われる際、レーザ光L1は、ビームスプリッタ31において反射される。ビームスプリッタ31において反射されたレーザ光L1は、ビームスプリッタ32を通過した上で、切り替えビームスプリッタ33において反射される。切り替えビームスプリッタ33において反射されたレーザ光L1は、エッジミラー34において反射された上で、対物レンズ35Aを通過して試料Sに集光される。対物レンズ35Aは、一般的な構成の対物レンズでよい。
【0015】
試料Sにレーザ光L1が照射されることにより、ラマン光L4が発生する。ラマン光L4は、対物レンズ35Aを通過する。対物レンズ35Aを通過したラマン光L4は、エッジミラー34において反射される。エッジミラー34で反射されたラマン光L4は、切り替えビームスプリッタ33において反射される。切り替えビームスプリッタ33において反射されたラマン光L4は、ビームスプリッタ32及びビームスプリッタ31を通過して分光器51に入射される。分光器51において、ラマン光L4を用いてラマン分析が行われる。
【0016】
ラマン分析が行われる際、可視光L3は、ビームスプリッタ36において反射される。ビームスプリッタ36において反射された可視光L3は、切り替えミラー37において反射される。切り替えミラー37において反射された可視光L3は、ミラー38において反射される。ミラー38において反射された可視光L3は、切り替えビームスプリッタ33を通過した上で、エッジミラー34において反射される。エッジミラー34で反射された可視光L3は、対物レンズ35Aを通過して試料Sに照射される。
【0017】
試料Sにおいて反射された可視光L3は、対物レンズ35Aを通過した上でエッジミラー34において反射される。エッジミラー34において反射された可視光L3は、切り替えビームスプリッタ33において反射される。切り替えビームスプリッタ33において反射された可視光L3は、ビームスプリッタ32において反射された上で、第1可視カメラ21に入射される。これにより、ラマン分析が行われる際の試料Sが観察される。
【0018】
<第1赤外分析>
図3は、ラマン赤外複合顕微装置100を用いて行われる第1赤外分析を説明する模式図である。図3に示されているように、第1赤外分析が行われる際、赤外光L2は、ビームスプリッタ36を通過した上で、切り替えミラー37において反射される。切り替えミラー37は、ラマン分析が行われる際と異なる方向を向いている。そのため、切り替えミラー37において反射された赤外光L2は、ラマン分析が行われる際に切り替えミラー37において反射された可視光L3と異なる方向に向かう。切り替えミラー37において反射された赤外光L2は、ミラー39において反射される。ミラー39において反射された赤外光L2は、ミラー40において反射される。ミラー40において反射された赤外光L2は、対物ミラー41、試料S及び対物ミラー35Bを通過する。なお、第1赤外分析が行われる際、エッジミラー34は挿入されていない。また、第1赤外分析が行われる際、対物レンズ35Aに代えて、対物ミラー35Bが用いられる。図示されていないが、対物レンズ35A及び対物ミラー35Bはレボルバに取り付けられており、当該レボルバを回転させることにより対物レンズ35A及び対物ミラー35Bの切り換えが行われる。
【0019】
図4は、対物ミラー35Bの模式図である。図4に示されるように、対物ミラー35Bは、非球面ミラー35aと、球面ミラー35bと、球面ミラー35cとを有している。対物ミラー35Bの光軸の方向を、第1方向DR1とする。第1方向DR1に直交している方向を、第2方向DR2とする。図4中では、第2方向DR2における非球面ミラー35aの中央位置C1が、点線で示されている。球面ミラー35cは、中央位置C1に関して球面ミラー35bと対称に配置されている。中央位置C1よりも第2方向DR2における一方側(球面ミラー35b側)にある非球面ミラー35aの部分を、第1部分35aaとする。中央位置C1よりも第2方向DR2における他方側(球面ミラー35c側)にある非球面ミラー35aの部分を、第2部分35abとする。
【0020】
図5は、対物ミラー41の模式図である。図5に示されているように、対物ミラー41は、非球面ミラー41aと、球面ミラー41bと、球面ミラー41cとを有している。対物ミラー41の光軸の方向は、第1方向DR1に沿っている。図5中では、第2方向DR2における非球面ミラー41aの中央位置C2が、点線で示されている。球面ミラー41cは、中央位置C2に関して、球面ミラー41bと対称に配置されている。中央位置C2よりも第2方向DR2における一方側(球面ミラー41b側)にある非球面ミラー41aの部分を、第1部分41aaとする。中央位置C2よりも第2方向DR2における他方側(球面ミラー41c側)にある非球面ミラー41aの部分を、第2部分41abとする。
【0021】
図6は、赤外光L2が対物ミラー41、試料S及び対物ミラー35Bを通過する際の模式図である。図6に示されるように、対物ミラー41に入射した赤外光L2の一部は、第1部分41aaにおいて反射されるとともに、球面ミラー41bにおいてさらに反射される。対物ミラー41に入射した赤外光L2の他の一部は、第2部分41abにおいて反射されるとともに、球面ミラー41cにおいてさらに反射される。これにより、赤外光L2は、集光された上で試料Sを通過する。
【0022】
試料Sを通過した赤外光L2の一部は、球面ミラー35b及び第1部分35aaにおいて反射される。同様に、試料Sを通過した赤外光L2の他の一部は、球面ミラー35c及び第2部分35abにおいて反射される。これにより、試料Sを通過した赤外光L2が、対物ミラー35Bを通過することにより、第1方向DR1に平行となる。
【0023】
図3に示されるように、対物ミラー41、試料S及び対物ミラー35Bを通過した赤外光L2は、ビームスプリッタ42を通過して赤外検出器52に入射される。赤外検出器52において、試料Sを通過した赤外光L2を用いて第1赤外分析が行われる。
【0024】
第1赤外分析が行われる際、可視光L3は、ビームスプリッタ36において、反射される。ビームスプリッタ36において反射された可視光L3は、切り替えミラー37において反射される。上記のとおり、第1赤外分析が行われている際には切り替えミラー37がラマン分析が行われる際と異なる方向を向いているため、切り替えミラー37において反射された可視光L3は、ラマン分析が行われる際に切り替えミラー37において反射された可視光L3と異なる方向に向かう。切り替えミラー37において反射された可視光L3は、ミラー39において反射される。ミラー39において反射された可視光L3は、ミラー40において反射される。ミラー40において反射された可視光L3は、対物ミラー41、試料S及び対物ミラー35Bを通過する(図3参照)。
【0025】
対物ミラー41、試料S及び対物ミラー35Bを通過した可視光L3は、ビームスプリッタ42において反射された上で、第2可視カメラ22に入射される。これにより、第1赤外分析が行われる際の試料Sが観察される。
【0026】
<第2赤外分析>
図7は、ラマン赤外複合顕微装置100を用いて行われる第2赤外分析を説明する模式図である。図7に示されているように、第2赤外分析が行われる際、赤外光L2は、ビームスプリッタ36を通過した上で、切り替えミラー37において反射される。切り替えミラー37は、ラマン分析が行われる際と同一の方向を向いている。そのため、切り替えミラー37において反射された赤外光L2は、ラマン分析が行われる際に切り替えミラー37において反射された可視光L3と同一の方向に向かう。切り替えミラー37において反射された赤外光L2は、ミラー38において反射される。
【0027】
第2赤外分析が行われる際、切り替えビームスプリッタ33は、ミラー38とエッジミラー34との間の光路上から除かれている。そのため、ミラー38において反射された赤外光L2は、エッジミラー34において反射される。第2赤外分析が行われる際、ラマン分析が行われる際と異なり、エッジミラー34は部分的にしか挿入されていない。そのため、エッジミラー34において反射された赤外光L2は、部分的に対物ミラー35Bに入射される。
【0028】
第2赤外分析が行われる際には、第1赤外分析が行われる際と同様に、対物ミラー35Bが用いられる。図8は、赤外光L2が対物ミラー35Bを通過する際の模式図である。図8に示されているように、対物ミラー35Bに入射した赤外光L2は、第1部分35aaにおいてのみ反射される。第1部分35aaにおいて反射された赤外光L2は、球面ミラー35bにおいて反射され、試料S上に集光される。試料Sにおいて反射された赤外光L2は、球面ミラー35c及び第2部分35abにおいて反射される。
【0029】
図7に示されているように、第2部分35abにおいて反射された赤外光L2は、エッジミラー34に遮られることなく、ビームスプリッタ42を通過して赤外検出器52に入射される。赤外検出器52において、試料Sにおいて反射された赤外光L2を用いて第1赤外分析が行われる。
【0030】
第2赤外分析が行われる際、可視光L3は、ビームスプリッタ36において、反射される。ビームスプリッタ36において反射された可視光L3は、切り替えミラー37において反射される。上記のとおり、第2赤外分析が行われている際には切り替えミラー37がラマン分析が行われる際と同一の方向を向いているため、切り替えミラー37において反射された可視光L3は、ラマン分析が行われる際に切り替えミラー37において反射された可視光L3と同一の方向に向かう。切り替えミラー37において反射された可視光L3は、ミラー38において反射される。
【0031】
ミラー38において反射された可視光L3は、エッジミラー34において部分的に反射された上で、対物ミラー35Bを通過して(図7参照)試料Sに照射される。試料Sにおいて反射された可視光L3は、エッジミラー34で遮られることなく、ビームスプリッタ42において反射された上で、第2可視カメラ22に入射される。これにより、第2赤外分析が行われる際の試料Sが観察される。
【0032】
上記の例では切り替えミラー37が用いられたが、切り替えミラー37は、可視光L3をラマン分析が行われている際と第1赤外分析が行われている際とで異なる方向に向かわせるとともに、可視光L3をラマン分析が行われている際と第2赤外分析が行われている際とで同一の方向に向かわせる光学系の1例である。そのため、このような機能を達成できる光学系であれば、切り替えミラー37に代えて用いることが可能である。上記の例ではエッジミラー34が用いられたが、エッジミラー34は、ラマン分析が行われている際に可視光L3を反射させて第1可視カメラ21に入射させるとともに、第2赤外分析が行われている際に可視光L3を通過させる光学系の1例である。そのため、このような機能を達成できる光学系であれば、エッジミラー34に代えて用いることが可能である。その他の光学系に関しても、同様の機能を有するものに代替することが可能である。
【0033】
(ラマン赤外複合顕微装置100の効果)
以下に、ラマン赤外複合顕微装置100の効果を説明する。
【0034】
ラマン赤外複合顕微装置100では、切り替えミラー37が、可視光L3をラマン分析が行われている際と第1赤外分析が行われている際とで異なる方向に向かわせる。より具体的には、ラマン分析が行われる場合には、可視光L3をミラー38に向かわせることにより、切り替えビームスプリッタ33、エッジミラー34、対物レンズ35A及びビームスプリッタ32を用いて、可視光L3を第1可視カメラ21に入射させることができる。
【0035】
他方で、第1赤外分析が行われる場合には、可視光L3をミラー39に向かわせることにより、ミラー40、対物ミラー41、対物ミラー35B及びビームスプリッタ42を用いて、可視光L3を第2可視カメラ22に入射させることができる。このようにして、ラマン赤外複合顕微装置100では、ラマン分析を行う際と第1赤外分析と行う際とで第3光源13を共用され、小型化が可能となる。
【0036】
ラマン赤外複合顕微装置100では、エッジミラー34の切り替えにより、ラマン分析が行われる際に可視光L3を第1可視カメラ21に入射させるとともに、第2赤外分析が行われている際に可視光L3を第2可視カメラ22に入射させることができる。より具体的には、ラマン分析が行われる場合、エッジミラー34を挿入することにより、エッジミラー34が試料Sに照射される前の可視光L3及び試料Sにおいて反射された可視光L3の双方を反射されるため、試料Sにおいて反射された可視光L3を切り替えビームスプリッタ33及びビームスプリッタ32を用いて可視光L3を第1可視カメラ21に入射させることができる。
【0037】
他方で、第2赤外分析が行われる場合、エッジミラー34を部分的に挿入することにより、試料Sに照射される前の可視光L3がエッジミラー34において反射されるが、試料Sにおいて反射された可視光L3がエッジミラー34において反射されないため、試料Sにおいて反射された可視光L3をビームスプリッタ42を用いて可視光L3を第2可視カメラ22に入射させることができる。このようにして、ラマン赤外複合顕微装置100では、赤外分析に複数の分析モードがある場合でも、第3光源13を共用でき、小型化が可能である。
【0038】
以上のように本発明の実施形態について説明を行ったが、上述の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上記の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むことが意図される。
【符号の説明】
【0039】
11 第1光源、12 第2光源、13 第3光源、21 第1可視カメラ、22 第2可視カメラ、31,32 ビームスプリッタ、33 切り替えビームスプリッタ、34 エッジミラー、35A 対物レンズ、35B 対物ミラー、35a 非球面ミラー、35aa 第1部分、35ab 第2部分、35b,35c 球面ミラー、36 ビームスプリッタ、37 切り替えミラー、38,39,40 ミラー、41 対物ミラー、41a 非球面ミラー、41aa 第1部分、41ab 第2部分、41b,41c 球面ミラー、42 ビームスプリッタ、51 分光器、52 赤外検出器、100 ラマン赤外複合顕微装置、C1,C2 中央位置、DR1 第1方向、DR2 第2方向、L1 レーザ光、L2 赤外光、L3 可視光、L4 ラマン光、S 試料。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8