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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034390
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】感圧スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/00 20060101AFI20240306BHJP
   H01G 5/013 20060101ALI20240306BHJP
   H01G 5/06 20060101ALI20240306BHJP
   H01H 36/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
H01H13/00 B
H01G5/013 300
H01G5/06 P
H01G5/06 N
H01H36/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138594
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 真輔
【テーマコード(参考)】
5G046
5G206
【Fターム(参考)】
5G046AA01
5G046AA09
5G046AC21
5G206AS34K
5G206AS50K
5G206BS13K
5G206HS12
5G206KS07
(57)【要約】
【課題】ヒステリシスが抑制された荷重―容量特性を有し且つストロークを短くできる感圧スイッチを提供する。
【解決手段】感圧スイッチは、凹部が形成され、凹部の周囲に配置される第1接続端子21、及び凹部の底面に配置される平板状の第2接続端子22を有する基板10と、凹部に配置され、第2接続端子に接触する誘電体11と、誘電体11の上方に誘電体から離隔して配置される可とう性部材40、及び可とう性部材の剛性よりも高い剛性を有し、可とう性部材に少なくとも一部が埋入される剛性部材30を有し、下面が第1接続端子に接触する導電シート13と、を有し、剛性部材30は、上板部31と、上板部の一端から誘電体に向かって延伸する第1脚部32と、上板部31の他端から誘電体11に向かって延伸する第2脚部33と、第1脚部32の下端に一端が接続された第1下板部34と、第2脚部33の下端に一端が接続された第2下板部35とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部を形成された基板と、
前記凹部の周囲に配置される第1接続端子と、
前記凹部の底面に配置される第2接続端子と、
前記第2接続端子に接触するように前記凹部内に配置された誘電体と、
前記誘電体の上方に前記誘電体から離間して配置され、下面が前記第1接続端子と接触する導電性シートと、を有し、
前記導電性シートは、可とう性部材と、前記可とう性部材よりも高い剛性を有し、且つ、前記可とう性部材に少なくとも一部が埋入される剛性部材とから構成される、
ことを特徴とする感圧スイッチ。
【請求項2】
前記剛性部材は、上板部と、前記上板部の一端から前記誘電体の方向に向かって伸延する第1脚部と、前記上板部の他端から前記誘電体の方向に向かって伸延する第2脚部と、前記第1脚部の下端と接続された第1下板部と、前記第2脚部の下端と接続された第2下板部と、を有する、請求項1に記載の感圧スイッチ。
【請求項3】
前記誘電体の導電シートに対向する表面に配置される第3接続端子を更に有する、請求項1に記載の感圧スイッチ。
【請求項4】
前記上板部は、前記可とう性部材から露出するように配置される、請求項1に記載の感圧スイッチ。
【請求項5】
前記第1下板部及び前記第2下板部は、前記第1接続端子を覆い且つ前記誘電体を覆わないように配置される、請求項2に記載の感圧スイッチ。
【請求項6】
前記剛性部材は、
前記第2下板部の一端から前記誘電体の反対の方向に向かって延伸する第3脚部と、
前記第3脚部の上端に一端が接続される第2上板部と、
前記第2上板部の他端から前記誘電体に向かって延伸する第4脚部と、
前記第4脚部の下端に一端が接続された第3下板部と、
を更に有する、請求項2に記載の感圧スイッチ。
【請求項7】
前記剛性部材は、
前記第1脚部及び前記第2脚部が接続される端部以外の前記上板部の端部から前記誘電体に向かって延伸する第3脚部と、
前記第3脚部の下端に一端が接続され、前記上板部と平行に延伸する第3下板部と、を更に有する導電性部材であり、
前記第1下板部、前記第2下板部及び前記第3下板部の裏面は、前記可とう性部材から露出し、
前記第1下板部及び前記第2下板部の裏面は、前記第1接続端子に接触し、
前記第3下板部の裏面は、前記誘電体の表面に対向する、請求項1に記載の感圧スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の移動体通信機器、及びタブレット装置等の電子機器に使用される操作スイッチとして感圧スイッチが用いられる。空隙を介して配置された誘電体と導電樹脂を有し、導電樹脂が押圧されたときの誘電体と導電樹脂との間の接触面積の変化を静電容量の変化として検出する感圧スイッチが知られている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に記載される感圧スイッチは、誘電体と、誘電体の一方の面側に取り付けられた第1の電極と、誘電体の他方の面側に配置された導電性の弾性部材である第2の電極と、第2電極と誘電体の他方の面との間を離隔するスペーサとを有する。特許文献1に記載される感圧スイッチは、押圧体によって誘電体が押下されることに応じて、第2電極と誘電体との間の接触面積を変化させることで、第1の電極、第2の電極及び誘電体により形成されるコンデンサの容量を変化させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05-275283号公報
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載される感圧スイッチは、誘電体が押下されることに応じて弾性部材である第2の電極が変形するときに、誘電体が押下される押下動作時と誘電体が押下されなくなった後の戻り動作時との間で第2の電極の変形態様が相違する。特許文献1に記載される感圧スイッチでは、同一の荷重が印加されたときの第2の電極と誘電体との間の距離は、押下動作時よりも戻り動作時の方が長い。特許文献1に記載される感圧スイッチでは、同一の荷重が印加されたときの第2の電極と誘電体との間の距離が押下動作時よりも戻り動作時の方が長いので、押下動作時と戻り動作時との間で、同一の荷重が印加されたときの可変容量コンデンサの容量が相違する。特許文献1に記載される感圧スイッチでは、押下動作時と戻り動作時との間で、同一の荷重が印加されたときの容量が相違するため、印加される荷重を所定量まで増加させた後に減少させるときの容量変化を示す荷重―容量特性は、ヒステリシスを有する。
【0006】
また、特許文献1に記載される感圧スイッチでは、弾性部材である第2の電極を変形させるため、第2の電極の変形量に応じて、所定の荷重を印加するときの押下部材の移動距離であるストロークが大きくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような課題を解決するものであり、ヒステリシスが抑制された荷重―容量特性を有し且つストロークを短くできる感圧スイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る感圧スイッチは、凹部を形成された基板と、凹部の周囲に配置される第1接続端子と、凹部の底面に配置される第2接続端子と、第2接続端子に接触するように凹部内に配置された誘電体と、誘電体の上方に誘電体から離間して配置され、下面が第1接続端子と接触する導電性シートと、を有し、導電性シートは、可とう性部材と、可とう性部材よりも高い剛性を有し、且つ、可とう性部材に少なくとも一部が埋入される剛性部材とから構成される。
【0009】
また、本発明に係る感圧スイッチでは、剛性部材は、上板部と、上板部の一端から誘電体の方向に向かって伸延する第1脚部と、上板部の他端から誘電体の方向に向かって伸延する第2脚部と、第1脚部の下端と接続された第1下板部と、第2脚部の下端と接続された第2下板部と、を有することが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る感圧スイッチは、誘電体の導電シートに対向する表面に配置される第3接続端子を更に有することが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る感圧スイッチでは、上板部は、可とう性部材から露出するように配置されることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る感圧スイッチでは、第1下板部及び第2下板部は、第1接続端子を覆い且つ誘電体を覆わないように配置されることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る感圧スイッチでは、剛性部材は、第2下板部の一端から誘電体の反対の方向に向かって延伸する第3脚部と、第3脚部の上端に一端が接続される第2上板部と、第2上板部の他端から誘電体に向かって延伸する第4脚部と、第4脚部の下端に一端が接続された第3下板部とを更に有することが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る感圧スイッチでは、剛性部材は、上板部の一端から誘電体に向かって延伸する第3脚部と、第3脚部の下端に一端が接続され、上板部と平行に延伸する第3下板部とを更に有する導電性部材であり、第1下板部、第2下板部及び第3下板部の裏面は、可とう性部材から露出し、第1下板部及び第2下板部の裏面は、第1接続端子に接触し、第3下板部の裏面は、誘電体の表面に対向することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る感圧スイッチは、ヒステリシスが抑制された荷重―容量特性を有し且つストロークを短くできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係る感圧スイッチの斜視図である。
図2図1に示すA-A′線に沿う断面図である。
図3図1に示す感圧スイッチの分解斜視図である。
図4】(a)は図1に示す回路基板の平面図であり、(b)は図1に示す回路基板の底面図である。
図5図2に示す剛性部材の斜視図である。
図6図1に示す感圧スイッチから出力される電気信号に基づいて感圧を検知する検知システムのブロック図である。
図7図1に示す感圧スイッチの製造方法を示す図であり、(a)は第1工程を示し、(b)は第2工程を示し、(c)は第3工程を示し、(d)は第4工程を示し、(e)は第5工程を示し、(f)は第6工程を示す。
図8】(a)は比較例に係る感圧スイッチの荷重―容量特性を示す図であり、(b)は図1に示す感圧スイッチの荷重―容量特性を示す図であり、(c)は比較例に係る感圧スイッチのストローク―荷重特性を示す図であり、(d)は図1に示す感圧スイッチのストローク―荷重特性を示す図である。
図9】第2実施形態に係る感圧スイッチの断面図である。
図10図9に示す導電シートの斜視図である。
図11】第3実施形態に係る感圧スイッチの断面図である。
図12図11に示す剛性部材の斜視図である。
図13】(a)は図1及び11に示す感圧スイッチ及び比較例に係る感圧スイッチの押下動作時の荷重―容量特性を示す図であり、(b)は図1及び11に示す感圧スイッチ及び比較例に係る感圧スイッチの押下動作時のストローク―荷重特性を示す図である。
図14】第4実施形態に係る感圧スイッチの断面図である。
図15図14に示す剛性部材の斜視図である。
図16】第5実施形態に係る感圧スイッチの断面図である。
図17】(a)は図16に示す導電シートの斜視図であり、(b)は(a)に示すB-B′線に沿う断面図であり、(c)は図16に示す剛性部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る好適な実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、各図において同一、又は相当する機能を有するものは、同一符号を付し、その説明を省略又は簡潔にすることもある。
【0018】
(第1実施形態に係る感圧スイッチの構成及び機能)
図1は第1実施形態に係る感圧スイッチの斜視図であり、図2図1に示すA-A′線に沿う断面図であり、図3図1に示す感圧スイッチの分解斜視図である。
【0019】
感圧スイッチ1は、感圧センサとも称され、回路基板10と、誘電体11と、スペーサ12と、導電シート13、ガイド枠14と、防水シート15と、ケース16とを有する。感圧スイッチ1は、押圧物によって押圧されたときに、押圧力の大きさを示す信号を不図示の外部検出装置に出力する。
【0020】
図4(a)は回路基板10の平面図であり、図4(b)は回路基板10の底面図である。
【0021】
回路基板10は、単に基板とも称され、基台20、第1接続端子21、第2接続端子22、第1側面電極23a、第2側面電極23b、第3側面電極23c及び第4側面電極23dを有する。回路基板10は、第1底面電極24a、第2底面電極24b、第3底面電極24c及び第4底面電極24dを更に備える。基台20は、角が切りかけた略矩形状の平面形状を有し、誘電体11を収容可能な凹部25が形成される。第1接続端子21及び第2接続端子22は、銅等の導電性材料により形成された導電性薄膜である。第1接続端子21は、略枠状の平面形状を有し、凹部25の周囲を囲むように基台20の表面に配置される。第2接続端子22は、矩形状の平面形状を有する平板状の部材であり、凹部25の底面に配置される。第2接続端子22は、誘電体11及び導電シート13と共に、導電シート13が押下されることに応じて容量が変化する可変コンデンサを形成する。誘電体11、導電シート13及び第2接続端子22により形成される可変コンデンサは、感圧スイッチ1に内蔵されるコンデンサである。
【0022】
第1側面電極23a、第2側面電極23b、第3側面電極23c及び第4側面電極23dは、第1接続端子21及び第2接続端子22と同様に、銅等の導電性材料により形成された導電性薄膜であり、基台20の四角に形成された切欠きに配置される。第1側面電極23a及び第2側面電極23bは、基台20の表面において第1接続端子21に電気的に接続され、第2接続端子22とは絶縁される。第3側面電極23c及び第4側面電極23dは、第1接続端子21とは絶縁され、第1内部電極26及び第2内部電極27を介して、第2接続端子22に電気的に接続される。第1内部電極26は、第1接続端子21及び第2接続端子22の延伸方向に直交する方向に延伸する貫通電極又は導電性ビアとも称される円柱状の導電性部材であり、上端が第2接続端子22に電気的に接続される。第2内部電極27は、第1接続端子21及び第2接続端子22と平行に延伸するように基台20の内部に配置される平板状の導電性部材であり、第3側面電極23c及び第4側面電極23d並びに第1内部電極26に電気的に接続される。
【0023】
第1底面電極24a、第2底面電極24b、第3底面電極24c及び第4底面電極24dのそれぞれは、銅等の導電性材料により形成された導電性薄膜であり、基台20の裏面の四角に配置される。第1底面電極24aは第1側面電極23aに電気的に接続され、第2底面電極24bは第2側面電極23bに電気的に接続され、第3底面電極24cは第3側面電極23cに電気的に接続され、第4底面電極24dは第4側面電極23dに電気的に接続される。第1底面電極24a及び第2底面電極24bは、第1側面電極23a及び第2側面電極23bを介して第1接続端子21に電気的に接続される。第3底面電極24c及び第4底面電極24dは、第3側面電極23c及び第4側面電極23d、第1内部電極26並びに第2内部電極27を介して第2接続端子22に電気的に接続される。
【0024】
誘電体11は、比誘電率1.0以上のチタン酸バリウム等の強誘電体材料により形成される矩形の平面形状を有する誘電体部材であり、底面が第2接続端子22に接するように凹部25の内部に配置される。誘電体11は、不図示の銀ペースト等の導電性接着層を介して第2接続端子22に接着されることで、第2接続端子22に電気的に接続されると共に、凹部25の内部に固定される。
【0025】
誘電体11の導電シート13に対向する表面の中央部には、第3接続端子11aが配置される。第3接続端子11aは、銅等の導電性部材により形成される円形の平面形状を有する薄膜であり、ガイド枠14を介して導電シート13が押下されたときに導電シート13に接触する。導電シート13が第3接続端子11aに接触して導電シート13と第3接続端子11aとの間が導通すると、感圧スイッチ1に内蔵されるコンデンサは、第3接続端子11aの面積に応じた容量を有する。誘電体11の表面に第3接続端子11aが配置されることで、導電シート13が第3接続端子11aに1点で接触することに応じて所定の容量を有するコンデンサを形成することができる。
【0026】
スペーサ12は、ポリイミド樹脂等の合成樹脂により形成され矩形の平板状の絶縁性部材であり、誘電体11の上方に配置される。スペーサ12は、円形状の貫通孔12aが中央部に形成される。
【0027】
導電シート13は、剛性部材30と、可とう性部材40とから構成され、下面の外縁が第1接続端子21に接触すると共に、下面の中央部が誘電体11及び第3接続端子11aに対向するように配置される導電性のシート部材である。導電シート13の下面の中央部は、スペーサ12に形成される貫通孔12aを介して誘電体11の上面の中央部と対向するように配置される。誘電体11の上面と導電シート13の下面との間の離隔距離は、スペーサ12の厚さに相当する距離である。
【0028】
図5は、剛性部材30の斜視図である。
【0029】
剛性部材30は、銅により形成され、上板部31と、第1脚部32と、第2脚部33と、第1下板部34と、第2下板部35とを有し、可とう性部材40よりも高い剛性を有する。剛性部材30は、第1下板部34及び第2下板部35の先端及び裏面を除き、可とう性部材40に埋入される。上板部31は、矩形状の平面形状を有し、一端に第1脚部32の上端が接続され、他端に第2脚部33の上端が接続される。上板部31の第1脚部32及び第2脚部33に接続される両端の間の長さLUは、第1下板部34の長手方向の長さLL1及び第2下板部35の長手方向の長さLL2よりも短い。第1脚部32及び第2脚部33は、矩形の平面形状を有し、上板部31の両端のそれぞれから誘電体11に向かって延伸する。
【0030】
第1下板部34は、第1脚部32の下端に一端が接続され、上板部31と平行に長手方向が延伸する板状の形状を有する。第1下板部34は、長手方向に延伸する一対の辺の中央部に第1切欠き36及び第2切欠き37が形成される。第2下板部35は、第2脚部33の下端に一端が接続され、第1下板部34の反対の方向に第1下板部34と平行に長手方向が延伸する板状の形状を有する。第2下板部35は、長手方向に延伸する一対の辺の中央部に第3切欠き38及び第4切欠き39が形成される。第1下板部34及び第2下板部35の先端は可とう性部材40から突出すると共に、第1下板部34及び第2下板部35の裏面が可とう性部材40から露出し、第1接続端子21に接触する。
【0031】
可とう性部材40は、シリコーン等の可とう性の合成樹脂に金属粉末又は導電性カーボンブラックを配合した導電性ゴムにより形成され、スペーサ12を介して、誘電体11の上方に配置される。なお、本実施形態では可とう性部材40は導電性ゴムを使用したが、ポリイミドフィルムにアルミを蒸着したフィルムや、導電性の樹脂シートなどを使用してもよい。
【0032】
ガイド枠14は、ポリイミド又はポリフタルアミド等の合成樹脂により形成される枠状の部材であり、導電シート13の周囲を囲むように回路基板10の基台20の上面に配置される。ガイド枠14は、導電シート13を囲むように配置され、導電シート13の配置位置を規定する位置決め部材として機能する。ガイド枠14の外縁は、基台20の外縁と一致する。ガイド枠14の下面はアクリル樹脂系接着材等の合成系接着剤により基台20の上面に接着され、ガイド枠14の上面は合成系接着剤により防水シート15の下面に接着される。なお、ガイド枠14が接着性を有する部材で形成されるとき、ガイド枠14と基台20及びガイド枠14と防水シート15との間は、接着剤によって接着されなくてもよい。
【0033】
防水シート15はポリイミド又はポリアミド等の防水性の高い合成樹脂により形成され、外縁がガイド枠14に接着されることで導電シート13を覆うように配置されることで、誘電体11、スペーサ12及び導電シート13を水滴、湿気及び塵芥等から防護する。防水シート15は、基部15a、傾斜部15b及び押下面15cを備える。基部は15aの外縁は、ガイド枠14及び基台20の外縁と一致する。傾斜部15bは、リング状の平面形状を有し、基部15aの中央部から内側に傾斜しながら上方延伸する円錐面である。押下面15cは、円形状の平面形状を有し、傾斜部15bの内側に配置される。
【0034】
押下面15cは、上方から押下されることに応じて下方に移動して、導電シート13の上面に接触する。押下面15cが更に押下されることに応じて、導電シート13の下面は誘電体11の上面と接触する。導電シート13の下面が誘電体11の上面と接触した後、押下面15cが更に押下されると、導電シート13の下面及び誘電体11の上面が接触する接触面の面積が徐々に増加する。導電シート13の下面及び誘電体11の上面が接触する接触面の面積が増加することで、感圧スイッチ1に内蔵されるコンデンサの静電容量が増加する。感圧スイッチ1は、防水シート15の押下面15cが押下されることにより変化するコンデンサの静電容量を示す電気信号を第1底面電極24a、第2底面電極24b、第3底面電極24c及び第4底面電極24dから出力する。
【0035】
ケース16は、ポリアミド樹脂等の剛性が高い合成樹脂により形成され、下面が合成系接着剤により防水シート15の上面に接着される。ケース16は、上面から下面に貫通する押下孔16aが形成される。押下孔16aの口径は、防水シート15の傾斜部15bの外形よりも長く、ケース16の下面は、防水シート15の基部15aの上面に接着される。ケース16の下面は、ケース16の下面と導電シート13の上面が防水シート15の基部15aを介して対向する対向面積、及びケース16の重量に応じた固定圧力P1を導電シート13に印加する。
【0036】
図6は、感圧スイッチ1から出力される電気信号に基づいて感圧を検知する検知システムのブロック図である。
【0037】
検知システム100は、発振回路101、スイッチキャパシタ回路102、サンプルホールド回路103、モノステーブルマルチバイブレータ104、及び増幅器105を有する。スイッチキャパシタ回路102は、発振回路101の出力端子に接続される。サンプルホールド回路103は、スイッチキャパシタ回路102の出力端子に接続される。モノステーブルマルチバイブレータ104は、発振回路101とサンプルホールド回路103との間に接続される。増幅器105は、サンプルホールド回路103の出力端子に接続される。
【0038】
また、スイッチキャパシタ回路102は、感圧スイッチ1、オペアンプ106、基準コンデンサ107及びアナログスイッチ108を有する。基準コンデンサ107は、発振回路101とオペアンプ106の反転入力端子との間に接続される。感圧スイッチ1は、オペアンプ106の反転入力端子とオペアンプ106の出力端子の間に接続される。アナログスイッチ108は、感圧スイッチ1と並列に接続されると共に、発振回路101に接続される。
【0039】
感圧スイッチ1は、押下面15cが押下されるときに導電シート13の下面及び誘電体11の上面が接触する接触面の面積が変化することで、静電容量が変化する可変容量コンデンサとして機能する。アナログスイッチ108を発振回路101の発信周期と同期してスイッチングさせると、基準コンデンサ107の静電容量Crと感圧スイッチ1の静電容量Csの比Cr/Csに比例した半波の振幅変調の出力Voutが得られる。ここで、Vpは基準コンデンサ107と感圧スイッチ1への印加電圧である。
Vout=-Vp・(Cr/Cs)
【0040】
発振回路101の出力信号を受けるモノステーブルマルチバイブレータ104は、タイミングパルスを生成してサンプルホールド回路103に与える。サンプルホールド回路103は、タイミングパルスを受けた時点のオペアンプ106の出力を保持して増幅器105に与える。検知システム100により、感圧スイッチ1の静電容量Crに比例した出力Voutを検出することが可能となる。
【0041】
(第1実施形態に係る感圧スイッチの製造方法)
図7は感圧スイッチ1の製造方法を示す図であり、図7(a)は第1工程を示し、図7(b)は第2工程を示し、図7(c)は第3工程を示し、図7(d)は第4工程を示し、図7(e)は第5工程を示し、図7(f)は第6工程を示す。図7において、単一の感圧スイッチ1の製造工程が示されるが、感圧スイッチ1の製造工程では、複数の回路基板10を連結した集合基板を使用して複数の感圧スイッチ1が一括して製造される。
【0042】
まず、第1工程において、複数の回路基板10を連結した集合基板が準備される。次いで、第2工程において、複数の回路基板10のそれぞれの凹部25の内部に誘電体11が収容された後に集合基板を加熱することで導電性接着層が硬化し、導電性接着層を介して第2接続端子22に接着されることで誘電体11が凹部25に配置される。
【0043】
次いで、第3工程において、スペーサ12の下面が誘電体11の上面に接着されることで、スペーサ12が誘電体11の上方に配置される。次いで、第4工程において、一体化された導電シート13及びガイド枠14を回路基板10の上面に配置した上で、ガイド枠14の下面を回路基板10の上面に接着することで、導電シート13が誘電体11の上方にスペーサ12を介して配置される。
【0044】
次いで、第5工程において、防水シート15の下面がガイド枠14の上面に接着されることで、誘電体11、スペーサ12及び導電シート13を覆うように防水シート15が配置される。次いで、第6工程において、ケース16の下面が防水シート15の上面に接着されることで、ケース16が防水シート15の上方に配置される。そして、複数の回路基板10に形成された感圧スイッチ1の間が切断されることで、感圧スイッチ1の製造工程が終了する。
【0045】
(第1実施形態に係る感圧スイッチの作用効果)
感圧スイッチ1では、導電シート13は可とう性部材40に埋入される剛性部材30を有するので、導電シート13の剛性は、可とう性部材40によって形成される導電シートの剛性よりも高い。感圧スイッチ1では、導電シート13が高い剛性を有するので、ヒステリシスが抑制された荷重―容量特性を有すると共に、ストロークを短くすることができる。
【0046】
図8(a)は比較例に係る感圧スイッチの荷重―容量特性を示す図であり、図8(b)は感圧スイッチ1の荷重―容量特性を示す図である。図8(c)は比較例に係る感圧スイッチのストローク―荷重特性を示す図であり、図8(d)は感圧スイッチ1のストローク―荷重特性を示す図である。図8(a)及び8(b)において、横軸は押下面15cに印加される荷重を示し、感圧スイッチ1に内蔵されるコンデンサの容量を示す。図8(c)及び8(d)において、横軸はストロークを示し、縦軸は押下面15cに印加される荷重を示す。図8(a)~8(d)において、波形W101、波形W201、波形W301及び波形W401は押下動作時の特性を示し、波形W102、波形W202、波形W302及び波形W402は戻り動作時の特性を示す。
【0047】
図8(a)及び8(c)に示す特性を示す比較例に係る感圧スイッチは、導電シートが可とう性部材40を形成する材料と同一の材料によって形成され、剛性部材30が埋入されないことが感圧スイッチ1と相違する。
【0048】
図8(a)と図8(b)とを比較すると、図8(b)に示す感圧スイッチ1の荷重―容量特性におけるヒステリシス幅は、図8(a)に示す比較例に係る感圧スイッチの荷重―容量特性におけるヒステリシス幅よりも狭い。感圧スイッチ1の荷重―容量特性におけるヒステリシス幅が比較例に係る感圧スイッチの荷重―容量特性におけるヒステリシス幅よりも狭いので、ヒステリシスが抑制された荷重―容量特性を有することが確認された。
【0049】
図8(c)と図8(d)とを比較すると、感圧スイッチ1に5gfの荷重が押下力として印加されるときのストロークは、比較例に係る感圧スイッチに5gfの荷重が押下力として印加されるときのストロークよりも小さい。同一の荷重が押下力として印加されたときの感圧スイッチ1のストロークは、比較例に係る感圧スイッチのストロークよりも小さいので、感圧スイッチ1は、比較例に係る感圧スイッチよりもストロークが短いことが確認された。
【0050】
また、誘電体11の導電シート13に対向する表面に配置される第3接続端子11aを有するので、導電シート13が第3接続端子11aに一点に接触することで、感圧スイッチ1に内蔵されるコンデンサは所定の容量を有することができる。感圧スイッチ1では、導電シート13が第3接続端子11aに一点に接触することで、内蔵するコンデンサが所定の容量を有するので、押下面15cが押下されることによる誘電体11の上面と導電シート13の下面との間の離隔距離の変化を高感度で検出できる。
【0051】
また、上板部31の第1脚部32及び第2脚部33に接続される両端の間の長さLUは、第1下板部34の長手方向の長さLL1及び第2下板部35の長手方向の長さLL2よりも短い。感圧スイッチ1では、上板部31の両端の間の長さLUを第1下板部34及び第2下板部35の長手方向の長さLL1及びLL2よりも短くすることで、導電シート13が押下されたときの剛性部材30の応力を大きくすることができる。感圧スイッチ1では、導電シート13が押下されたときの剛性部材30の応力が大きいので、押下力の増加に伴う誘電体11の上面と導電シート13の下面との接触面の面積の増加が抑制され、押下力が所定の荷重に達するときのストロークを短くすることができる。
【0052】
また、第1下板部34及び第2下板部35は、第1切欠き36~第4切欠き39が形成されるので、第1下板部及び第2下板部に切欠きが形成されない場合と比較して、低い荷重により変形が可能となる。感圧スイッチ1では、第1切欠き36~第4切欠き39が形成されることで、導電シート13は、比較的低い荷重が押下力として印加されることにより変形が可能となるので、感圧スイッチ1に内蔵されるコンデンサは比較的低い押下力により容量変化が可能になる。
【0053】
(第2実施形態に係る感圧スイッチの構成及び機能)
図9は、第2実施形態に係る感圧スイッチの断面図である。図9は、図1に示すA-A′線に沿う断面図に対応する断面図である。
【0054】
感圧スイッチ2は、導電シート13aを導電シート13の代わりに有することが感圧スイッチ1と相違する。導電シート13aは、剛性部材50を剛性部材30の代わりに有することが導電シート13と相違する。剛性部材50以外の感圧スイッチ2の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された感圧スイッチ1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0055】
図10は、導電シート13aの斜視図である。
【0056】
剛性部材50は、上板部51、第1脚部52及び第2脚部53を上板部31、第1脚部32及び第2脚部33の代わりに有することが剛性部材30と相違する。上板部51、第1脚部52及び第2脚部53以外の剛性部材50の構成及び機能は、剛性部材30と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0057】
上板部51は、表面が可とう性部材40から露出することが上板部31と相違する。第1脚部52及び第2脚部53は、長さが第1脚部32及び第2脚部33の長さよりも長いことが第1脚部32及び第2脚部33と相違する。第1脚部52及び第2脚部53の長さは、上板部51の表面が可とう性部材40から露出するように設定される。
【0058】
感圧スイッチ2では、上板部51が可とう性部材40から露出するため、押下面15cを押下する押下部材は、可とう性部材40を介することなく上板部51を押下する。感圧スイッチ2では、押下部材が可とう性部材40を介することなく上板部51を押下するので、上板部31の表面と可とう性部材40の表面との間に可とう性部材40が介在しないため、ストロークを更に短くすることができる。
【0059】
(第3実施形態に係る感圧スイッチの構成及び機能)
図11は、第3実施形態に係る感圧スイッチの断面図である。図11は、図1に示すA-A′線に沿う断面図に対応する断面図である。
【0060】
感圧スイッチ3は、導電シート13bを導電シート13の代わりに有することが感圧スイッチ1と相違する。導電シート13bは、剛性部材60を剛性部材30の代わりに有することが導電シート13と相違する。剛性部材60以外の感圧スイッチ3の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された感圧スイッチ1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0061】
図12は、剛性部材60の斜視図である。
【0062】
剛性部材60は、上板部61と、第1脚部62と、第2脚部63と、第1下板部64と、第2下板部65とを有する。上板部61は、第1脚部62及び第2脚部63に接続される両端の間の長さLUbが上板部31の第1脚部32及び第2脚部33に接続される両端の間の長さLUよりも長いことが上板部31と相違する。上板部61の両端の間の長さLUbは、上板部61が誘電体11を覆うように設定される。また、第1下板部64の延伸方向の長さLL1b及び第2下板部65の長手方向の長さLL2bよりも長い。第1脚部62及び第2脚部63は、第1脚部32及び第2脚部33と同様に、矩形の平面形状を有し、上板部31の両端のそれぞれから誘電体11に向かって延伸する。
【0063】
第1下板部64は、第1脚部62の下端に一端が接続され、上板部61と平行に延伸する板状の形状を有する。第2下板部65は、第2脚部63の下端に一端が接続され、第1下板部64の反対の方向に第1下板部64と平行に延伸する板状の形状を有する。第1下板部64及び第2下板部65は、第1接続端子21を覆い且つ誘電体11を覆わないように配置される。
【0064】
感圧スイッチ3は、感圧スイッチ1及び2と同様に、導電シート13bが剛性部材60を有するので、剛性部材が導電シートに埋入されない比較例に係る感圧スイッチと比較して、ヒステリシスが抑制された荷重―容量特性を有すると共に、ストロークを短くできる。
【0065】
図13(a)は感圧スイッチ1及び3並びに比較例に係る感圧スイッチの押下動作時の荷重―容量特性を示す図であり、図13(b)は感圧スイッチ1及び3並びに比較例に係る感圧スイッチの押下動作時のストローク―荷重特性を示す図である。図13(a)において、横軸は押下面15cに印加される荷重を示し、縦軸は感圧スイッチ1に内蔵されるコンデンサの容量を示す。図13(b)において、横軸はストロークを示し、縦軸は押下面15cに印加される荷重を示す。図13(a)及び13(b)において、波形W501及び波形W601は感圧スイッチ1の特性を示し、波形W502及び波形W602は感圧スイッチ3の特性を示し、波形W503及び波形W603は比較例に係る感圧スイッチの特性を示す。
【0066】
図13(a)及び13(b)に示す特性を示す比較例に係る感圧スイッチは、図8(a)及び8(c)と同様に、導電シートが可とう性部材40を形成する材料と同一の材料によって形成され、剛性部材が埋入されないことが感圧スイッチ1及び3と相違する。
【0067】
感圧スイッチ3は、導電シート13bの上面が押下されたときに上板部61が湾曲するため、感圧スイッチ1よりもストロークが長くなる。しかしながら、感圧スイッチ3は、剛性部材60が導電シート13bに埋入されるので、剛性部材が埋入されない比較例に係る感圧スイッチよりもストロークを短くすることができる。
【0068】
(第4実施形態に係る感圧スイッチの構成及び機能)
図14は、第4実施形態に係る感圧スイッチの断面図である。図14は、図1に示すA-A′線に沿う断面図に対応する断面図である。
【0069】
感圧スイッチ4は、導電シート13cを導電シート13の代わりに有することが感圧スイッチ1と相違する。導電シート13cは、剛性部材70を剛性部材30の代わりに有することが導電シート13と相違する。剛性部材70以外の感圧スイッチ4の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された感圧スイッチ1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0070】
図15は、剛性部材70の斜視図である。
【0071】
剛性部材70は、第1上板部71と、第2上板部72と、第1脚部73と、第2脚部74と、第3脚部75と、第4脚部76と、第1下板部77と、第2下板部78と、第3下板部79とを有する。第1上板部71は、単に上板部とも称され、上板部31と同様に、矩形状の平面形状を有し、一端に第1脚部73の上端が接続され、他端に第2脚部74の上端が接続される。第2上板部72は、第1上板部71と同様に、矩形状の平面形状を有し、一端に第3脚部75の上端が接続され、他端に第4脚部76の上端が接続される。
【0072】
第1脚部73及び第2脚部74は、矩形の平面形状を有し、第1上板部71の両端のそれぞれから誘電体11に向かって延伸し、第3脚部75及び第4脚部76は、矩形の平面形状を有し、第2上板部72の両端のそれぞれから誘電体11に向かって延伸する。第1脚部73の下端は第1下板部77の一端に接続され、第2脚部74の下端は第2下板部78の一端に接続される。第3脚部75の下端は第2下板部78の他端に接続され、第4脚部76の下端は第3下板部79の一端に接続される。すなわち、第1脚部73は、第1下板部77の一端から誘電体11の反対の方向に向かって延伸して第1上板部71の一端に接続される。第2脚部74は、第2下板部78の一端から誘電体11の反対の方向に向かって延伸して第1上板部71の他端に接続される。第3脚部75は、第2下板部78の他端から誘電体11の反対の方向に向かって延伸して第2上板部72の一端に接続される。第4脚部76は、第3下板部79の一端から誘電体11の反対の方向に向かって延伸して第2上板部72の他端に接続される。
【0073】
第1下板部77は、第1脚部73の下端に一端が接続され、第1上板部71と平行に長手方向が延伸する板状の形状を有する。第2下板部78は、第2脚部74の下端に一端が接続されると共に第3脚部75の下端に一端が接続され、第1上板部71と平行に長手方向が延伸する板状の形状を有する。第3下板部79は、第4脚部76の下端に一端が接続され、第1下板部77の反対の方向に第1下板部77と平行に長手方向が延伸する板状の形状を有する。第1下板部77及び第3下板部79の先端は可とう性部材40から突出すると共に、第1下板部77及び第3下板部79の裏面が可とう性部材40から露出し、第1接続端子21に接触する。第2下板部78は、裏面が可とう性部材40から露出し、下面が第3接続端子11aに対向するように配置される。
【0074】
(第5実施形態に係る感圧スイッチの構成及び機能)
図16は、第5実施形態に係る感圧スイッチの断面図である。図16は、図1に示すA-A′線に沿う断面図に対応する断面図である。
【0075】
感圧スイッチ5は、導電シート13dを導電シート13の代わりに有することが感圧スイッチ1と相違する。導電シート13dは、剛性部材80を剛性部材30の代わりに有することが導電シート13と相違する。剛性部材80以外の感圧スイッチ5の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された感圧スイッチ1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0076】
図17(a)は導電シート13dの斜視図であり、図17(b)は図17(a)に示すB-B′線に沿う断面図であり、図17(c)は剛性部材80の斜視図である。
【0077】
剛性部材80は、上板部81と、第1脚部82と、第2脚部83と、第3脚部84と、第1下板部85と、第2下板部86と、第3下板部87とを有する。上板部81は上板部31と同様に、矩形状の平面形状を有し、一端の辺に第1脚部82の上端が接続され、他端の辺に第2脚部83の上端が接続されると共に、第1脚部82及び第2脚部83が接続される辺の間の辺に第3脚部84の上端が接続される。
【0078】
第1脚部82、第2脚部83及び第3脚部84は、矩形の平面形状を有し、上板部81の3辺のそれぞれから誘電体11に向かって延伸する。第1脚部82及び第2脚部83は上板部81の対向する辺に接続され、第3脚部84は第1脚部82及び第2脚部83が接続される上板部81の対向する辺以外の辺に接続される。第1脚部82の下端は第1下板部85の一端に接続され、第2脚部83の下端は第2下板部86の一端に接続され、第3脚部84の下端は第3下板部87の一端に接続される。
【0079】
第1下板部85は、第1脚部82の下端に一端が接続され、T字型の形状を有する。第2下板部86は、第2脚部83の下端に一端が接続され、T字型の形状を有する。第3下板部87は、第3脚部84の下端に一端が接続され、上板部81と平行に長手方向が延伸する板状の形状を有する。第1下板部85及び第2下板部86の先端は可とう性部材40から突出すると共に、第1下板部85及び第2下板部86の裏面が可とう性部材40から露出し、第1接続端子21に接触する。第3下板部87は、裏面が可とう性部材40から露出し、第3接続端子11aに対向するように配置される。
【0080】
(変形例に係る感圧スイッチ)
感圧スイッチ1~4では、剛性部材30、50、60及び70は、導電性材料で形成されるが、実施形態に係る感圧スイッチでは、可とう性部材が導電性材料で形成されるとき、剛性部材は、可とう性部材よりも高い剛性を有する絶縁性部材であってもよい。
【0081】
また、感圧スイッチ4及び5では、可とう性部材40は、導電性材料で形成されるが、感圧スイッチ4及び5では、剛性部材が導電性材料で形成されるとき、可とう性部材は、剛性部材よりも低い剛性を有する絶縁性部材であってもよい。
【0082】
また、感圧スイッチ1~5は、第3接続端子11aを有するが、実施形態に係る感圧スイッチは、第3接続端子11aを有さなくてもよい。また、感圧スイッチ1~5では、第3接続端子11aは、円形の平面形状を有するが、実施形態に係る感圧スイッチでは、第3接続端子は、矩形等の円形以外の平面形状を有してもよい。
【0083】
また、感圧スイッチ1~5は、上板部31、51、61及び81並びに第1上板部71及び第2上板部72は矩形の平面形状を有するが、実施形態に係る感圧スイッチでは、上板部は、円形等の矩形以外の平面形状を有してもよい。上板部が円形の平面形状を有するとき、第1脚部及び第2脚部は、上板部の対向する端部に接続される。また、感圧スイッチ5に対応する感圧スイッチでは、第3脚部は、第1脚部及び第2脚部が接続される端部以外の上板部の端部に接続される。
【0084】
また、感圧スイッチ1では、第1下板部34及び第2下板部35は、第1切欠き36~第4切欠き39が形成されるが、実施形態に係る感圧スイッチでは、第1下板部及び第2下板部は、切欠きが形成されなくてもよい。また、実施形態に係る感圧スイッチでは、第1下板部及び第2下板部は、切欠きと共に開口が形成されてもよく、切欠きの代わりに開口が形成されてもよい。
【0085】
また、実施形態に係る感圧スイッチでは、第1切欠き36~第4切欠き39が形成される代わりに、第1脚部32及び第2脚部33の延伸方向を調整することで、変形が可能となる荷重を調整することができる。例えば、第1脚部32及び第2脚部33の延伸方向を鉛直方向から水平方向に近い角度に変更することで、変形が可能となる荷重を低くすることができる。
【0086】
また、感圧スイッチ1~5では、剛性部材30、50、60、70及び80は、下板部の先端が可とう性部材40から突出するが、実施形態に係る感圧スイッチでは、剛性部材は、可とう性部材40に少なくとも一部が埋入されていればよい。例えば、実施形態に係る感圧スイッチでは、剛性部材は、下板部の先端を含む全体が可とう性部材40に埋入されてもよい。
【0087】
また、感圧スイッチ1~5では、第1接続端子21の導電シート13、13a、13b、13c及び13dに接触する接触面は、基台20の表面の全面に亘って配置される。しかしながら、実施形態に係る感圧スイッチでは、第1接続端子21は、切欠き及び開口が形成されてもよい。
【0088】
また、感圧スイッチ1~5では、ガイド枠14は、外縁が基台20の外縁と一致するように配置されるが、実施形態に係る感圧センサでは、ガイド枠の外縁は、基台20の外縁よりも内側に配置されてもよい。ガイド枠の外縁が基台20の外縁よりも内側に配置されるとき、ケースは、底面から基台20の表面に向かってガイド枠の外面に沿って延伸する係合部が形成され、ガイド枠及びケースは、ガイド枠の外面とケースの係合部の内面とが係合するように配置される。ガイド枠の外面とケースの係合部の内面とが係合することによって、ケースは、ガイド枠及び基台20に固定される。
【符号の説明】
【0089】
1~5 感圧スイッチ
10、10a、10b、10c 回路基板
11 誘電体
12 スペーサ
13、13a、13b、13c、13d 導電シート
14 ガイド枠
15 防水シート
16 ケース
30、50、60、70、80 剛性部材
40 可とう性部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17