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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034392
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】間仕切構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/18 20060101AFI20240306BHJP
   E05D 15/00 20060101ALI20240306BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
E06B7/18 A
E05D15/00 A
E04B2/74 561A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138599
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100166958
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 喜代造
(72)【発明者】
【氏名】仲田 敬一
【テーマコード(参考)】
2E036
【Fターム(参考)】
2E036AA02
2E036BA01
2E036DA02
2E036EB02
2E036FA02
2E036FA10
2E036FB01
2E036GA02
2E036HB03
(57)【要約】
【課題】ドアパネルの戸先側に戸当りパネルを押し当てる構成であっても、ワンタッチで戸当りパネルの下方を閉塞することが可能となる、間仕切構造を提供する。
【解決手段】間仕切構造1は、枠体10と扉体20とを備えるドアパネルDと、ドアパネルDに隣接して設置される戸当りパネルPAと、が連続して配置され、戸当りパネルPAは扉体20と厚さ方向に重複する戸当り部3aを備え、戸当りパネルPAの下部には、左右方向に進退可能な押圧部63と、押圧部63の進退に連動して戸当りパネルPAと床面Fとの隙間を閉塞するシール部63aと、を有する下側シール機構6が設けられ、押圧部63には、床面Fに対する押圧部63の相対変位を規制する規制部材40が設けられ、戸当りパネルPAが設置される際に、押圧部63のドアパネルD側への変位が規制部材40に規制されることにより、シール部63aが下方に変位して床面Fに当接する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパネルが、天井に設けられたレールに吊支された状態で前記レールに沿って移動可能とされるとともに、順に連続して配置される間仕切構造であって、
前記パネルのうち一つは、枠体と、前記枠体に対して回動可能に組付けられる扉体と、を備えるドアパネルであって、
前記枠体は、前記ドアパネルの上辺を構成する上枠と、前記ドアパネルの一側辺を構成する側枠と、を備え、
前記扉体は、ヒンジを介して前記側枠に組付けられることにより、前記上枠の下側領域を開閉可能とされ、
前記パネルのうち他の一つは、前記ドアパネルが設置された後に前記ドアパネルの他側辺に隣接して設置される戸当りパネルであって、
前記戸当りパネルは、前記扉体と厚さ方向に重複する戸当り部を備え、
前記戸当りパネルの下部には、前記戸当りパネルの移動方向に進退可能な押圧部と、前記押圧部の進退に連動して前記戸当りパネルと床面との隙間を閉塞するシール部と、を有するシール機構が設けられ、
前記戸当りパネルが設置された際の前記戸当りパネルの下側の床面と、前記押圧部と、の少なくとも何れか一方には、床面に対する前記押圧部の相対変位を規制する規制部材が設けられ、
前記戸当りパネルが設置される際に、前記押圧部の前記ドアパネル側への変位が前記規制部材に規制されることにより、前記シール部が下方に変位して床面に当接する、間仕切構造。
【請求項2】
前記規制部材は、前記戸当りパネルが設置された際に、前記戸当りパネルの厚さ方向への変位を規制する、請求項1に記載の間仕切構造。
【請求項3】
前記押圧部には、上下方向に変位可能なピンが前記規制部材として設けられ、
前記戸当りパネルが設置された際の前記戸当りパネルの下側の床面のうち、前記ドアパネル側の端部には、前記ピンを挿入可能な挿入孔が形成され、
前記ピンを前記挿入孔に挿入することにより、前記押圧部の変位が規制される、請求項1又は請求項2に記載の間仕切構造。
【請求項4】
前記戸当りパネルが設置された際の前記戸当りパネルの下側の床面のうち、前記ドアパネル側の端部には、前記規制部材として、床面から上側に進退可能なストッパーが設けられ、
前記押圧部が前記ストッパーに当接することにより、前記押圧部の変位が規制される、請求項1又は請求項2に記載の間仕切構造。
【請求項5】
前記押圧部の前記ストッパー側の端部には溝部が形成され、
前記ストッパーが前記溝部に収容されることにより、前記戸当りパネルが設置された際の前記戸当りパネルの厚さ方向への変位が規制される、請求項4に記載の間仕切構造。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、レールに沿って移動可能な複数のパネルを備える間仕切構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パネル部材を天井に吊支する構成の間仕切構造が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-105850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、L字型の枠で戸先側が開放されているドアパネルにおいて、ドアパネルを設置した後にドアパネルの扉の戸先側に戸当りパネルを押し当てて間仕切構造を形成する場合がある。この場合、戸当りパネルと床面とのシール構造をドアパネルの側に突出させることにより、戸当りパネルの下側をワンタッチで閉塞する構成を採用しようとすると、シール構造の先端部を扉の戸先側端面に直接押し当てることとなる。このため、シール構造により扉の開閉に支障が生じる、又は、扉の開閉状態によってシール構造がうまく作動しなくなる、等の課題があった。そこで、本開示は、上記に関する課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る間仕切構造は、複数のパネルが、天井に設けられたレールに吊支された状態で前記レールに沿って移動可能とされるとともに、順に連続して配置される間仕切構造であって、前記パネルのうち一つは、枠体と、前記枠体に対して回動可能に組付けられる扉体と、を備えるドアパネルであって、前記枠体は、前記ドアパネルの上辺を構成する上枠と、前記ドアパネルの一側辺を構成する側枠と、を備え、前記扉体は、ヒンジを介して前記側枠に組付けられることにより、前記上枠の下側領域を開閉可能とされ、前記パネルのうち他の一つは、前記ドアパネルが設置された後に前記ドアパネルの他側辺に隣接して設置される戸当りパネルであって、前記戸当りパネルは、前記扉体と厚さ方向に重複する戸当り部を備え、前記戸当りパネルの下部には、前記戸当りパネルの移動方向に進退可能な押圧部と、前記押圧部の進退に連動して前記戸当りパネルと床面との隙間を閉塞するシール部と、を有するシール機構が設けられ、前記戸当りパネルが設置された際の前記戸当りパネルの下側の床面と、前記押圧部と、の少なくとも何れか一方には、床面に対する前記押圧部の相対変位を規制する規制部材が設けられ、前記戸当りパネルが設置される際に、前記押圧部の前記ドアパネル側への変位が前記規制部材に規制されることにより、前記シール部が下方に変位して床面に当接する。
【0006】
上記第1観点に係る間仕切構造によれば、ドアパネルを設置した後にドアパネルの戸先側に戸当りパネルを押し当てる構成であっても、ワンタッチで戸当りパネルの下方を閉塞することが可能となる。
【0007】
本発明の第2観点に係る間仕切構造は、第1観点に係る間仕切構造であって、前記規制部材は、前記戸当りパネルが設置された際に、前記戸当りパネルの厚さ方向への変位を規制する。
【0008】
上記第2観点に係る間仕切構造によれば、ドアパネルの扉体の開閉動作を安定的に行うことが可能となる。
【0009】
本発明の第3観点に係る間仕切構造は、第1観点又は第2観点に係る間仕切構造であって、前記押圧部には、上下方向に変位可能なピンが前記規制部材として設けられ、前記戸当りパネルが設置された際の前記戸当りパネルの下側の床面のうち、前記ドアパネル側の端部には、前記ピンを挿入可能な挿入孔が形成され、前記ピンを前記挿入孔に挿入することにより、前記押圧部の変位が規制される。
【0010】
上記第3観点に係る間仕切構造によれば、規制部材を簡易に構成することができる。
【0011】
本発明の第4観点に係る間仕切構造は、第1観点又は第2観点に係る間仕切構造であって、前記戸当りパネルが設置された際の前記戸当りパネルの下側の床面のうち、前記ドアパネル側の端部には、前記規制部材として、床面から上側に進退可能なストッパーが設けられ、前記押圧部が前記ストッパーに当接することにより、前記押圧部の変位が規制される。
【0012】
上記第4観点に係る間仕切構造によれば、規制部材を簡易に構成することができる。
【0013】
本発明の第5観点に係る間仕切構造は、第4観点に係る間仕切構造であって、前記押圧部の前記ストッパー側の端部には溝部が形成され、前記ストッパーが前記溝部に収容されることにより、前記戸当りパネルが設置された際の前記戸当りパネルの厚さ方向への変位が規制される。
【0014】
上記第5観点に係る間仕切構造によれば、簡易な構成でドアパネルの扉体の開閉動作を安定的に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上における本発明に係る間仕切構造は、以下に示す効果を奏する。
【0016】
第1観点に係る間仕切構造によれば、ワンタッチで戸当りパネルの下方を閉塞することが可能となる。
【0017】
第2観点に係る間仕切構造によれば、ドアパネルの扉体の開閉動作を安定的に行うことが可能となる。
【0018】
第3観点に係る間仕切構造によれば、規制部材を簡易に構成することができる。
【0019】
第4観点に係る間仕切構造によれば、規制部材を簡易に構成することができる。
【0020】
第5観点に係る間仕切構造によれば、簡易な構成でドアパネルの扉体の開閉動作を安定的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第一実施形態に係る間仕切構造を示した正面図。
図2】設置前の戸当りパネルの下端部を示した断面図。
図3】設置直前の戸当りパネルの下端部を示した断面図。
図4】設置後の戸当りパネルの下端部を示した断面図。
図5】(a)及び(b)はそれぞれ設置直前及び設置後の戸当りパネルの下端部を示した平面図。
図6】第二実施形態に係る間仕切構造を示した正面図。
図7】(a)及び(b)はそれぞれ設置前の戸当りパネルの下端部を示した正面図及び平面図。
図8】(a)及び(b)はそれぞれ設置直前の戸当りパネルの下端部を示した正面図及び平面図。
図9】(a)及び(b)はそれぞれ設置後の戸当りパネルの下端部を示した正面図及び平面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第一実施形態]
以下では図1から図5を用いて、本発明の第一実施形態に係る間仕切構造1の構成について説明する。本実施形態に係る間仕切構造1は図1に示す如く、天井C、床面F、第一壁体W1、及び第二壁体W2によって形成された開口を閉塞可能に構成される。間仕切構造1は、例えば、オフィス、学校、病院、店舗等の空間を区切るために用いられる。本明細書においては、図1における紙面手前側を間仕切構造1の前方とし、図1における左側を間仕切構造1の左側方として説明する。
【0023】
本実施形態に係る間仕切構造1は、天井Cに設けられるレール2と、レール2に吊支されるとともにレール2に沿って移動可能とされるドアパネルD、戸当りパネルPA、パネル部材P・P、及び、レール2に吊支されて開口の左側端部を閉塞する端部パネル4を備える。図1に示す如く、本実施形態に係る間仕切構造1において、ドアパネルD、戸当りパネルPA、パネル部材P・P、及び、端部パネル4は、吊支部材7を介して吊支され、互いの側端部が当接された状態で連続して配置される。端部パネル4の左側には、押圧部4aが延出される。押圧部4aが第一壁体W1を押圧することにより、間仕切構造1の左側端部が閉塞される。
【0024】
本実施形態に係る間仕切構造1においては、開放状態において左側に集められた状態のドアパネルD、戸当りパネルPA、及び、パネル部材P・Pをレール2に沿って右側方に順次移動させて、図1に示す如く一列に連結させる。ドアパネルDの右側が第二壁体W2に当接し、左端のパネル部材Pの左側と第一壁体W1との間を端部パネル4が閉塞することにより、天井Cから床面Fに亘って空間を区切ることが可能となる。
【0025】
図1に示す如く、パネル部材P及び戸当りパネルPAは、パネル本体部3、上側シール機構5、下側シール機構6、及び、吊支部材7を備える。図1に示す如く、間仕切構造1により開口を閉塞した際は、それぞれのパネル部材P及び戸当りパネルPAとレール2との隙間は上側シール機構5により閉塞される。また、間仕切構造1により開口を閉塞した際は、それぞれのパネル部材Pと床面Fとの隙間は下側シール機構6により閉塞される。
【0026】
上記の如く、間仕切構造1においては、パネル部材P及び戸当りパネルPAとレール2との隙間を上側シール機構5で閉塞し、パネル部材P及び戸当りパネルPAと床面Fとの隙間を下側シール機構6で閉塞することにより、区切られた空間における互いの音漏れや光漏れを防止する構成としている。
【0027】
吊支部材7はパネル本体部3とレール2とを変位可能に連結する部材であり、ローラが支持軸に回転可能に支持されている。吊支部材7のローラはレール2の内部に水平に回転可能に収容される。吊支部材7のローラがレール2の内部で回転することにより、それぞれのパネル部材Pはレール2に沿って変位可能とされる(ドアパネルD及び端部パネル4についても同様)。
【0028】
本実施形態に係る間仕切構造1においては図1に示す如く、ドアパネルDは枠体10と扉体20とを備えて構成される。扉体20は枠体10に対して回動可能に組付けられる。扉体20にはドアノブ21が設けられる。また、扉体20の下端部には、扉体20と床面Fとの隙間を閉塞するための扉シール部26が設けられる。
【0029】
ドアパネルDにおいて、枠体10は吊支部材7を介してレール2と連結される。枠体10は、ドアパネルDの上辺を構成する上枠11と、ドアパネルDの一側である右側辺を構成する側枠12と、を備える。ドアパネルDにおいて、扉体20は図示しないヒンジを介して側枠12に組付けられることにより、上枠11の下側領域を開閉可能とされる。ドアパネルDにおける上枠11の上端部には、上枠11とレール2との隙間を閉塞するための上枠シール部15が設けられる。
【0030】
本実施形態に係る間仕切構造1において、戸当りパネルPAは、ドアパネルDが設置された後に、ドアパネルDの他側である左側辺に隣接して設置される。換言すれば、戸当りパネルPAは、ドアパネルDにおける扉体20の戸先側に隣接して配置される。図2から図5に示す如く、戸当りパネルPAのパネル本体部3における右端部には、戸当りパネルPAが設置された際に扉体20の左端部と厚さ方向に重複する戸当り部3aが形成されている。
【0031】
図2から図4に示す如く、戸当りパネルPAの下部に設けられる下側シール機構6は、支持部材61、リンク機構62、押圧部63、及び、シール部63aを備えて構成される。支持部材61はパネル本体部3の下端部に固定される。支持部材61には、複数のばねにより付勢されたリンク機構62を介して押圧部63が連結される。
【0032】
押圧部63は図2から図4に示す如く、戸当りパネルPAの移動方向である左右方向に進退可能(パネル本体部3に対して左右方向に相対変位可能)とされる。そして、押圧部63がパネル本体部3に対して左側に相対変位すると、押圧部63は図4に示す如くリンク機構62の変形に伴い下方に変位する。これにより、押圧部63の下面に設けられたシール部63aが床面Fに当接する。このように、下側シール機構6においては、押圧部63の進退に連動して、シール部63aが戸当りパネルPAと床面Fとの隙間を閉塞するように構成されている。
【0033】
本実施形態に係る間仕切構造1において、下側シール機構6の押圧部63には、床面Fに対する押圧部63の相対変位を規制する規制部材40が設けられる。具体的には図2に示す如く、押圧部63の右端部には保持部材64を介してピン41が上下方向に変位可能に設けられる。ピン41の上端部には使用者が把持するための把持部42が形成されている。
【0034】
また、図2に示す如く、戸当りパネルPAが設置された際の戸当りパネルPAの下側の床面Fのうち、ドアパネルD側の端部には、ピン41を挿入可能な挿入孔43が形成されている。そして、図3及び図5(a)に示す如く、使用者が把持部42を操作してピン41を挿入孔43に挿入することにより、押圧部63の変位が規制される。このように、本実施形態においては、ピン41と挿入孔43とにより規制部材40を簡易に構成している。
【0035】
上記の如く、間仕切構造1においては、戸当りパネルPAが設置される際に、規制部材40のピン41を挿入孔43に挿入することにより、押圧部63のドアパネルD側への変位が規制される。この状態で、間仕切構造1の使用者が、図4及び図5(b)に示す如く、戸当りパネルPAを右側に変位させてドアパネルDに当接させる。これにより、押圧部63がパネル本体部3に対して左側に相対変位するため、押圧部63が下方に変位してシール部63aが床面Fに当接する。
【0036】
上記の如く、本実施形態に係る間仕切構造1においては、ドアパネルDを設置した後に、ドアパネルDにおける扉体20の戸先側に戸当りパネルPAを押し当てる構成としている。この場合でも、戸当りパネルPAにおける押圧部63の床面Fに対する相対変位を規制部材40で規制することにより、下側シール機構6により戸当りパネルPAの下側をワンタッチで閉塞することが可能となる。即ち、下側シール機構6により扉体20の開閉に支障が生じたり、扉体20の開閉状態によって下側シール機構6がうまく作動しなくなったりすることなく、戸当りパネルPAの下側を下側シール機構6で閉塞することができるのである。
【0037】
また、本実施形態に係る間仕切構造1においては、ピン41を挿入孔43に挿入する構成である。このため、規制部材40は、戸当りパネルPAが設置された際に、戸当りパネルPAの厚さ方向への変位を規制する。これにより、戸当りパネルPAにおける戸当り部3aの前後位置を安定的に維持できるため、ドアパネルDにおける扉体20の開閉動作を安定的に行うことが可能となる。
【0038】
[第二実施形態]
次に、図6から図9を用いて、本発明の第二実施形態に係る間仕切構造101の構成について説明する。本実施形態に係る間仕切構造101は、前記実施形態に係る間仕切構造1と多くの構成が共通であるため、以下では前記実施形態と異なる構成を中心に説明する。
【0039】
本実施形態に係る間仕切構造101における床面Fには、床面Fに対する押圧部63の相対変位を規制する規制部材140が設けられる。具体的には図7から図9に示す如く、戸当りパネルPAが設置された際の戸当りパネルPAの下側の床面Fのうち、ドアパネルD側(右側)の端部には、規制部材140として、床面Fから上側に進退可能な回転ストッパー142が設けられる。
【0040】
図7から図9に示す如く、回転ストッパー142は支持ケース141を介して床面Fに設けられる。回転ストッパー142は回転軸143を中心に180度回転可能とされており、図7(a)中の実線に示す如く床面Fよりも上側に延出される規制位置と、図7(a)中の二点鎖線に示す如く床面Fよりも下側に退避する退避位置と、の間で変位する。
【0041】
回転ストッパー142の左側面には規制面142aが形成されている。規制位置において、回転ストッパー142は正面視で時計回りの回転が規制される。このため、規制面142aに押圧力が加わった場合でも、回転ストッパー142が時計回り方向に回転しない。
【0042】
一方、下側シール機構6における押圧部63の右端部には、図7に示す如く板金を折り曲げた当接部材65が設けられる。当接部材65の右側には挿入部65aが切り欠かれて形成されている。当接部材65の左側には当接面65bが形成されている。また、押圧部63における当接部材65の下方には溝部63bが切り欠かれて形成されている。
【0043】
間仕切構造101において、戸当りパネルPAを設置する際には、まず、図7(a)及び(b)に示す如く、回転ストッパー142を床面Fから上側に延出する規制位置とする。そして、戸当りパネルPAをドアパネルDに近接させる。この際、回転ストッパー142は溝部63bに挿入され当接部材65の内側に収容される。
【0044】
そして、図8(a)及び(b)に示す如く、回転ストッパー142の規制面142aが当接部材65の当接面65bに当接することにより、押圧部63のドアパネルD側への変位が規制される。このように、本実施形態においては、回転ストッパー142により規制部材140を簡易に構成している。この状態で、間仕切構造101の使用者が、図9(a)及び(b)に示す如く、戸当りパネルPAを右側に変位させてドアパネルDに当接させる。これにより、押圧部63がパネル本体部3に対して左側に相対変位するため、押圧部63が下方に変位してシール部63aが床面Fに当接する。
【0045】
上記の如く、本実施形態に係る間仕切構造101においては、ドアパネルDを設置した後に、ドアパネルDにおける扉体20の戸先側に戸当りパネルPAを押し当てる構成としている。この場合でも、戸当りパネルPAにおける押圧部63の床面Fに対する相対変位を規制部材140で規制することにより、下側シール機構6により戸当りパネルPAの下側をワンタッチで閉塞することが可能となる。
【0046】
また、本実施形態に係る間仕切構造101においては、戸当りパネルPAを設置する際に、図9(a)及び(b)に示す如く回転ストッパー142は溝部63bに収容される。このため、規制部材140は、戸当りパネルPAが設置された際に、戸当りパネルPAの厚さ方向への変位を規制する。これにより、戸当りパネルPAにおける戸当り部3aの前後位置を安定的に維持できるため、ドアパネルDにおける扉体20の開閉動作を安定的に行うことが可能となる。
【0047】
[変形例]
上記の実施形態は、以下に示す変形例に示すように適宜変形が可能である。なお、本明細書に記載する各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。
【0048】
本発明において、規制部材は床面に対して押圧部がドアパネル側に相対変位することを規制する構成であれば良く、規制部材が戸当りパネルの厚さ方向への変位を規制しない構成としても差し支えない。
【0049】
また、規制部材が押圧部の変位を規制する構成については、係合部と被係合部による係合等、本実施形態に係る構成と異なる構成を採用することも可能である。この際、規制部材を押圧部と床面との両方に設け、それぞれの規制部材を組み合わせることにより押圧部の変位を規制する構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 間仕切構造(第一実施形態)
2 レール 3 パネル本体部
3a 戸当り部 4 端部パネル
4a 押圧部 5 上側シール機構
6 下側シール機構 7 吊支部材
10 枠体 11 上枠
12 側枠 15 上枠シール部
20 扉体 21 ドアノブ
26 扉シール部
40 規制部材 41 ピン
42 把持部 43 挿入孔
61 支持部材 62 リンク機構
63 押圧部 63a シール部
63b 溝部 64 保持部材
65 当接部材 65a 挿入部
65b 当接面
101 間仕切構造(第二実施形態)
140 規制部材 141 支持ケース
142 回転ストッパー 142a 規制面
143 回転軸
C 天井 F 床面
P パネル部材 D ドアパネル
PA 戸当りパネル W1 第一壁体
W2 第二壁体

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9