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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034400
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】水洗大便器
(51)【国際特許分類】
   E03D 5/09 20060101AFI20240306BHJP
   E03D 11/02 20060101ALI20240306BHJP
   E03D 11/10 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
E03D5/09
E03D11/02 Z
E03D11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138608
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹中 大豊
(72)【発明者】
【氏名】山崎 洋式
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AB03
2D039DB00
2D039EA01
(57)【要約】
【課題】使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させること。
【解決手段】実施形態に係る水洗大便器は、便器本体と、開閉弁と、開閉弁操作部と、給水部と、給水部操作部とを備える。便器本体は、ボウル部と、ボウル部から延びている排水路とを有する。開閉弁は、排水路の流路を開閉する。開閉弁操作部は、開閉弁の操作を可能とする。給水部は、ボウル部へ向けて洗浄水を供給する。給水部操作部は、給水部の操作とする。給水部操作部は、開閉弁操作部の操作に用いられ、給水部操作部による開閉弁の操作を可能とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボウル部と、前記ボウル部から延びている排水路とを有する便器本体と、
前記排水路の流路を開閉する開閉弁と、
前記開閉弁の操作が可能な開閉弁操作部と、
前記ボウル部へ向けて洗浄水を供給する給水部と、
前記給水部の操作が可能な給水部操作部と
を備え、
前記給水部操作部は、前記開閉弁操作部の操作に用いられ、当該給水部操作部による前記開閉弁の操作を可能とする
ことを特徴とする水洗大便器。
【請求項2】
前記給水部操作部は、前記開閉弁操作部と接続可能に設けられ、前記開閉弁操作部と接続された状態で前記開閉弁の操作を可能とする
ことを特徴とする請求項1に記載の水洗大便器。
【請求項3】
前記開閉弁操作部は、前記開閉弁を開弁させる開弁位置と、前記開閉弁を閉弁させる閉弁位置とを有し、
前記給水部操作部は、前記開閉弁操作部が前記開弁位置の場合に該開閉弁操作部との接続が解除される
ことを特徴とする請求項2に記載の水洗大便器。
【請求項4】
前記給水部操作部は、一方端部側が前記給水部に接続され他方端部側が前記便器本体から延出している給水部側長尺部材を有し、前記給水部側長尺部材を牽引することで前記給水部の操作を可能とし、
前記開閉弁操作部は、一方端部側が前記開閉弁に接続され他方端部側が前記便器本体から延出している開閉弁側長尺部材を有し、前記開閉弁側長尺部材を牽引することで前記開閉弁の操作を可能とし、
前記給水部側長尺部材は、前記開閉弁側長尺部材よりも前記便器本体から延出している長さが長い
ことを特徴とする請求項3に記載の水洗大便器。
【請求項5】
前記開閉弁操作部は、前記開閉弁側長尺部材が牽引された場合に該開閉弁側長尺部材を所定の牽引量で保持する保持部を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の水洗大便器。
【請求項6】
前記開閉弁操作部は、前記便器本体から突出している操作端部を有し、前記操作端部を所定の操作方向へ回転することで前記開閉弁の操作を可能とする
ことを特徴とする請求項3に記載の水洗大便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、水洗大便器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排水路の流路を開閉するフラッパー弁などの開閉弁の操作が可能な開閉弁操作部と、ボウル部へ洗浄水を供給する給水部の操作が可能な給水部操作部とを備え、停電時においても、使用者が開閉弁操作部および給水部操作部を手動操作することで、便器洗浄を行うことが可能な水洗大便器が知られている。
【0003】
このような水洗大便器には、給水部操作部を回転することで洗浄水の給水・給水停止(止水)を行い、開閉弁操作部を牽引することで開閉弁を閉弁し、開閉弁操作部の牽引を解除することで開閉弁を開弁するように構成され、開閉弁操作部の把持部が給水部操作部に取り付けられ、取り付けられた把持部を回転することで給水部操作部の操作を行えるものがある(たとえば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-048552号公報
【特許文献2】特開2021-127645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したような従来の水洗大便器では、使用者が停電時に手動で便器洗浄操作を行う場合に給水部操作部と開閉弁操作部とのどちらを最終に操作すべきか判断できず、最初に行うべきボウル部への給水操作ではなく、開閉弁操作部を操作してしまう可能性がある。
【0006】
このように、上記したような従来の水洗大便器は、使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の手順が使用者にはわかりにくく、操作性を向上させる観点から改善の余地があった。
【0007】
実施形態の一態様は、使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる水洗大便器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の一態様に係る水洗大便器は、ボウル部と、前記ボウル部から延びている排水路とを有する便器本体と、前記排水路の流路を開閉する開閉弁と、前記開閉弁の操作が可能な開閉弁操作部と、前記ボウル部へ向けて洗浄水を供給する給水部と、前記給水部の操作が可能な給水部操作部とを備え、前記給水部操作部は、前記開閉弁操作部の操作に用いられ、当該給水部操作部による前記開閉弁の操作を可能とする。
【0009】
かかる構成によれば、給水部操作部による開閉弁の操作が可能なため、たとえば、停電時に使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合、使用者は、給水部操作部によるボウル部への給水操作を行ってから開閉弁を閉弁する手順で操作を行うことができる。これにより、手動で便器洗浄操作を行う場合の操作、すなわち、ボウル部への給水操作、開閉弁の閉弁操作、(ボウル部に洗浄水が溜まった状態で)開閉弁の開弁操作、ボウル部への給水停止操作(止水操作)を、使用者が順を追って行うのを容易化することができる。このように、かかる構成によれば、停電時などに使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる。
【0010】
また、上記した水洗大便器では、前記給水部操作部は、前記開閉弁操作部と接続可能に設けられ、前記開閉弁操作部と接続された状態で前記開閉弁の操作を可能とする。
【0011】
かかる構成によれば、給水部操作部が開閉弁操作部と接続された状態で開閉弁の操作が可能なため、使用者は、給水部操作部から給水部の操作および開閉弁の操作の両方を行うことができる。また、たとえば、停電時に使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合、使用者は、給水部操作部によるボウル部への給水操作を行ってから開閉弁を閉弁する手順で操作を行うことができる。これにより、手動で便器洗浄操作を行う場合の操作、すなわち、ボウル部への給水操作、開閉弁の閉弁操作、(ボウル部に洗浄水が溜まった状態で)開閉弁の開弁操作、ボウル部への給水停止操作(止水操作)を、使用者が順を追って行うのを容易化することができる。このように、かかる構成によれば、停電時などに使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる。
【0012】
また、上記した水洗大便器では、前記開閉弁操作部は、前記開閉弁を開弁させる開弁位置と、前記開閉弁を閉弁させる閉弁位置とを有し、前記給水部操作部は、前記開閉弁操作部が前記開弁位置の場合に該開閉弁操作部との接続が解除される。
【0013】
かかる構成によれば、開閉弁操作部が開弁位置の場合に給水部操作部と開閉弁操作部との接続が解除されるため、使用者が開閉弁を閉弁したままで便器洗浄操作を終了するような誤操作を防ぐことができる。これにより、停電時などに使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる。
【0014】
また、上記した水洗大便器では、記給水部操作部は、一方端部側が前記給水部に接続され他方端部側が前記便器本体から延出している給水部側長尺部材を有し、前記給水部側長尺部材を牽引することで前記給水部の操作を可能とし、前記開閉弁操作部は、一方端部側が前記開閉弁に接続され他方端部側が前記便器本体から延出している開閉弁側長尺部材を有し、前記開閉弁側長尺部材を牽引することで前記開閉弁の操作を可能とし、前記給水部側長尺部材は、前記開閉弁側長尺部材よりも前記便器本体から延出している長さが長い。
【0015】
かかる構成によれば、給水部側長尺部材が開閉弁側長尺部材よりも便器本体から延出している長さが長いため、たとえば、停電時に使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合、使用者は、開閉弁操作部を開弁位置へ戻してから給水部の操作(止水操作)を行わなければならないと認識することができる。これにより、ボウル部への給水操作、開閉弁の閉弁操作、(ボウル部に洗浄水が溜まった状態で)開閉弁の開弁操作、ボウル部への給水停止操作(止水操作)を、使用者が順を追って行うのを容易化することができ、停電時などに使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる。
【0016】
また、上記した水洗大便器では、前記開閉弁操作部は、前記開閉弁側長尺部材が牽引された場合に該開閉弁側長尺部材を所定の牽引量で保持する保持部を有する。
【0017】
かかる構成によれば、保持部によって開閉弁側長尺部材を所定の牽引量で保持することができるため、たとえば、開閉弁側長尺部材が牽引されると開閉弁が閉弁状態で保持され、開閉弁側長尺部材が再度牽引されると開閉弁を開弁することができるようになる。このため、使用者は、開閉弁の閉弁状態を保つために開閉弁側長尺部材を牽引し続ける必要がない。これにより、停電時などに使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる。
【0018】
また、上記した水洗大便器では、前記開閉弁操作部は、前記便器本体から突出している操作端部を有し、前記操作端部を所定の操作方向へ回転することで前記開閉弁の操作を可能とする。
【0019】
かかる構成によれば、開閉弁操作部の操作端部が回転することで開閉弁の操作が可能なため、給水部操作部による開閉弁の操作を可能とする構成をより簡素は構成で実現することができる。これにより、停電時などに使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0020】
実施形態の一態様によれば、使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A図1Aは、第1実施形態に係る水洗大便器および便器本体を示す概略側断面図(その1)である。
図1B図1Bは、第1実施形態に係る水洗大便器および便器本体を示す概略側断面図(その2)である。
図2図2は、第1実施形態に係る水洗大便器の全体構成を示す図である。
図3図3は、開閉弁操作部および給水部操作部の設置場所の説明図である。
図4図4は、開閉弁操作部および給水部操作部の動作説明図である。
図5図5は、開閉弁操作部および給水部操作部の係合構造の一例の説明図(その1)である。
図6図6は、開閉弁操作部および給水部操作部の係合構造の一例の説明図(その2)である。
図7図7は、手動便器洗浄操作による洗浄水の流れの説明図である。
図8図8は、第2実施形態に係る水洗大便器の全体構成を示す図である。
図9図9は、開閉弁操作部および給水部操作部の動作説明図である。
図10図10は、手動便器洗浄操作による洗浄水の流れの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する水洗大便器の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0023】
<第1実施形態>
<水洗大便器および便器本体の構成>
図1A、1Bおよび2を参照して第1実施形態に係る水洗大便器1aおよび便器本体10について説明する。図1Aおよび1Bは、第1実施形態に係る水洗大便器1aおよび便器本体を示す概略側断面図である。なお、図1Aには、後述する開閉弁1221が開弁した状態を示している。また、図1Bは、開閉弁1221が閉弁した状態を示している。図2は、第1実施形態に係る水洗大便器1aの全体構成を示す図である。
【0024】
また、図1Aおよび1Bを含み、各図には、鉛直上向き(上方)を正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を示している場合がある。このため以下では、説明の便宜上、X軸の正方向を左方、X軸の負方向を右方、Y軸の正方向を前方、Y軸の負方向を後方と規定し、また、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向という。
【0025】
図1Aおよび1Bに示すように、水洗大便器1aは、便器本体10を備える。便器本体10は、ボウル部11と、排水路12とを備える。ボウル部11は、汚物を受ける、ボウル形状に形成された部位である。ボウル部11は、ボウル部11の上部に形成されたリム13から洗浄水を吐出してボウル部11の内部で洗浄水の旋回流を形成するリム吐水口111(図2参照)を備える。また、ボウル部11は、後述するトラップ管路121へ向けて洗浄水を吐出するゼット吐水口1121を備える。
【0026】
排水路12は、ボウル部11で受けた汚物を外部配管200へと排出する流路であり、トラップ管路121と、排水ソケット122とを備える。
【0027】
トラップ管路121は、ボウル部11の底部に連通しており、ボウル部11から後方へ延びている。排水ソケット122は、トラップ管路121の下流側に設けられ、トラップ管路121と外部配管200とを接続する。
【0028】
排水ソケット122は、たとえば、床排水方式の排水ソケットである。排水ソケット122は、開閉弁1221と、回転軸1222とを備える。開閉弁1221は、たとえば、フラッパー弁であり、排水ソケット122の流路に設けられ、排水ソケット122の流路を開閉する。なお、開閉弁1221は、排水路12(排水ソケット122)の流路を開閉可能な開閉弁であれば、フラッパー弁以外のものでもよい。また、開閉弁1221は、排水路12の一部である排水ソケット122に設けられるが、排水路12の一部であるトラップ管路121に設けられてもよい。
【0029】
回転軸1222は、開閉弁1221を回転可能に軸支する。回転軸1222には、使用者に手動で操作される操作部である開閉弁操作部141a(図2参照)が開閉弁側長尺部材142(図2参照)を介して接続される。
【0030】
開閉弁側長尺部材142は、一方端部側が開閉弁1221に接続され、他方端部側が便器本体10から外方へ延出している。開閉弁操作部141aは、開閉弁側長尺部材142を牽引することで開閉弁1221の操作が可能なものである。なお、開閉弁側長尺部材142は、たとえば、玉鎖である。また、開閉弁側長尺部材142は、玉鎖に限定されず、たとえば、レリースワイヤなどのワイヤであってもよい。
【0031】
使用者が、開閉弁操作部141aを引っ張る(牽引する)など、開閉弁操作部141aに対して手動で操作(牽引操作)を行うと、開閉弁側長尺部材142が移動して、回転軸1222が所定方向へ回転する。回転軸1222が所定方向へ回転すると開閉弁1221が回動して、排水ソケット122の流路を閉弁する。また、使用者が開閉弁操作部141aの牽引を解除すると、開閉弁側長尺部材142が移動して、回転軸1222が所定方向とは反対方向へ回転する。回転軸1222が反対方向へ回転すると開閉弁1221が回動して、排水ソケット122の流路を開弁する。
【0032】
なお、開閉弁1221は、排水路12(排水ソケット122)の流路を完全に閉じる必要はない。すなわち、リム吐水口111(および/またはゼット吐水口112)から吐出される洗浄水によってボウル部11の内部の水位を初期水位よりも上昇させることができればよいため、開閉弁1221と排水ソケット122の内面との間に多少の隙間が存在してもよい。
【0033】
図2に示すように、水洗大便器1aは、給水部300を備える。給水部300は、たとえば、便器本体10の後部に配置される。給水部300は、外部電源(図示せず)に接続されており、非停電時には、外部電源から供給される外部電力を用いて電磁弁などの部品を駆動させることによって、ボウル部11へ向けて洗浄水を供給する。
【0034】
給水部300は、定流量弁301と、電磁弁302と、リム吐水用バキュームブレーカ303とを備える。給水部300の給水路304には、貯水タンク305と、貯水タンク305への給水とリム吐水とを切り替える切替弁306と、加圧ポンプ307と、ゼット吐水用バキュームブレーカ308と、水抜栓309とが設けられる。また、給水部300には、電磁弁302の開閉動作、切替弁306の切替動作および加圧ポンプ307の加圧動作などを制御する制御部310が設けられる。
【0035】
定流量弁301は、水抜栓311、ストレーナ312および分岐金具313を介して流入した洗浄水を、所定の流量以下に絞る。定流量弁301を通過した洗浄水は、電磁弁302へ流入し、電磁弁302を通過した洗浄水は、切替弁306によってリム吐水口111または貯水タンク305へ供給される。
【0036】
電磁弁302は、制御部310の制御によって開閉するダイヤフラム式の電磁開閉弁である。給水路304には、ダイヤフラム314が設けられ、ダイヤフラム314と隣接して圧力室315が設けられる。そして、電磁弁302は、圧力室315の圧力を変化させることで、ダイヤフラム314を動作させ、給水路304における洗浄水の流れを制御する。
【0037】
切替弁306は、電磁弁302を介して流入した洗浄水を、リム吐水口111から吐出させるかまたは貯水タンク305へ流入させる。
【0038】
リム吐水用バキュームブレーカ303は、切替弁306を通過した洗浄水をリム吐水口111へ導くリム側給水路316の途中に配置され、洗浄水のリム吐水口111からの逆流を防止している。また、リム吐水用バキュームブレーカ303は、ボウル部11の上面よりも上方に配置されることで逆流を確実に防止している。また、リム吐水用バキュームブレーカ303の大気開放部から溢れた洗浄水は、戻り管路317を流れてフロート式逆止弁318を介して貯水タンク305へ流入する。
【0039】
貯水タンク305は、ゼット吐水口112から吐水すべき洗浄水を貯水する。
【0040】
また、たとえば、タンク側給水路319の先端(下端)はフロート式逆止弁320に接続されており、貯水タンク305からタンク側給水路319への逆流を防止している。また、貯水タンク305の内部には、上端フロートスイッチ321および下端フロートスイッチ322が配置されており、貯水タンク305の水位を検出できるようになっている。上端フロートスイッチ321は、貯水タンク305の水位が所定の貯水水位に達するとオンへ切り替わり、制御部310は、電磁弁302を閉鎖させる。一方、下端フロートスイッチ322は、貯水タンク305の水位が所定の水位まで低下するとオンへ切り替わり、制御部310は、加圧ポンプ307を停止させる。
【0041】
加圧ポンプ307は、貯水タンク305に貯水された洗浄水を加圧して、ゼット吐水口112から吐出させる。加圧ポンプ307は、貯水タンク305から延びるポンプ側給水路323によって接続され、貯水タンク305に貯水された洗浄水を加圧する。
【0042】
水抜栓311は、貯水タンク305の下端部付近であって、加圧ポンプ307よりも下方に配置される。このため、水抜栓311を開放することで、メンテナンス時などに貯水タンク305および加圧ポンプ307の洗浄水を排出することができる。また、加圧ポンプ307の下方には、水受けトレイ324が配置される。水受けトレイ324は、結露した水滴や漏水を受ける。
【0043】
一方、加圧ポンプ307の流出口は、ゼット側給水路325を介して、ボウル部11の底部のゼット吐水口112に接続されている。ゼット側給水路325の途中は、上方へ向けて凸型に形成されており、凸型部分の最も高い部分であるゼット側給水路頂部325aは、貯水タンク305からゼット吐水口112までの洗浄水管路の中で最も高い部分となる。また、ゼット側給水路325のゼット側給水路頂部325aよりも下流側は、ゼット吐水口112と同じ高さに設定される。
【0044】
ゼット側給水路325には、一端にオーバーフロー口326aを有するオーバーフロー流路326が接続されている。オーバーフロー口326aは、上端フロートスイッチ321よりも上方に設けられる。貯水タンク305の水位が上端フロートスイッチ321よりも高くなった場合には、貯水タンク305の水は、オーバーフロー口326aからオーバーフロー流路326へ流入し、加圧ポンプ307によって加圧され、弁(フラッパー弁)327を介してゼット吐水口112から吐出される。
【0045】
ゼット吐水用バキュームブレーカ308は、切替弁306を通過した洗浄水を貯水タンク305へ導くタンク側給水路319の途中に配置され、洗浄水の貯水タンク305からの逆流を防止している。ゼット吐水用バキュームブレーカ308の大気開放部から溢れた洗浄水は、戻り管路317を流れてフロート式逆止弁318を介して貯水タンク305へ流入する。
【0046】
制御部310は、使用者による便器洗浄スイッチ(図示せず)の操作により、電磁弁302、切替弁306、加圧ポンプ307を順次作動させ、リム吐水口111およびゼット吐水口112からの吐水を順次開始させて、ボウル部11を洗浄する。また、制御部310は、洗浄終了後、電磁弁302を開放し、切替弁306を貯水タンク305側へ切り替えて洗浄水を貯水タンク305へ補給する。貯水タンク305の水位が上昇し、上端フロートスイッチ321が規定の貯水量を検出すると、制御部310は、電磁弁302を閉弁して給水を停止する。
【0047】
図2に示すように、給水部300による洗浄水の給水および給水停止(止水)を切り替える切替部329には、使用者が手動で操作するための給水部操作部151が設けられる。給水部操作部151は、給水部側長尺部材152を備える。
【0048】
給水部側長尺部材152は、一方端部側が切替部329に接続され、他方端部側が便器本体10から外方へ延出している。給水部操作部151は、給水部側長尺部材152を牽引することで給水部300の給水および給水停止(止水)操作が可能なものである。なお、給水部側長尺部材152は、たとえば、玉鎖である。また、給水部側長尺部材152は、玉鎖に限定されず、たとえば、レリースワイヤなどのワイヤであってもよい。
【0049】
使用者が、給水部操作部151を引っ張る(牽引する)など、給水部操作部151に対して手動で操作(牽引操作)を行うと、給水部側長尺部材152が移動して、切替部329を作動させる。また、切替部329は、たとえば、特開2022―011904に記載のノック構造を有しており、給水部側長尺部材152が牽引された場合には、一回の牽引で給水状態を保持し、再度の牽引で止水状態へ切り替える。このため、使用者は、洗浄水の給水中、給水部側長尺部材152を牽引し続ける必要がない。
【0050】
また、図2に示すように、開閉弁操作部141aは、保持部143を備える。保持部143は、開閉弁側長尺部材142に設けられる。保持部143は、図示しないが、ノック機構が内部に組み込まれており、開閉弁側長尺部材142が牽引された場合に開閉弁側長尺部材142を所定の牽引量で保持する。
【0051】
<開閉弁操作部および給水部操作部の設置場所>
次に、図3を参照して開閉弁操作部141aおよび給水部操作部151の設置場所Arについて説明する。図3は、開閉弁操作部141aおよび給水部操作部151の設置場所Arの説明図である。なお、図3には、便器本体10を後方から見た場合の概略斜視図を示している。
【0052】
図3に示すように、水洗大便器1aは、使用者の人体局部の洗浄などが可能な衛生洗浄装置16を備える。衛生洗浄装置16は、便座および便蓋(いずれも、図示せず)などを備え、便器本体10の上面に設置される。衛生洗浄装置16の本体部161は、便器本体10の後部に配置される。なお、衛生洗浄装置16は、便蓋を備えない場合もある。
【0053】
図3に示すように、開閉弁操作部141aおよび給水部操作部151の設置場所Arは、便器本体20の上部であり、かつ、後部に設定される。すなわち、開閉弁操作部141aおよび給水部操作部151は、同一の設置場所Arにおいて、互いに近い位置に配置される。
【0054】
また、開閉弁操作部141aおよび給水部操作部151は、外部から視認されないように、衛生洗浄装置16の後部カバー162の内部に収納されている。このため、使用者は、開閉弁操作部141aおよび給水部操作部151を操作する場合には、後部カバー162を開けてからそれぞれの手動操作を行う。
【0055】
<開閉弁操作部および給水部操作部の動作>
次に、図4を参照して開閉弁操作部141aおよび給水部操作部151の動作について説明する。図4は、開閉弁操作部141aおよび給水部操作部151の動作説明図である。なお、図4には、(a)給水操作の場合の動作、(b)給水部操作部151を開閉弁操作部141aに接続する場合の動作、(c)閉弁操作の場合の動作、(d)開弁操作の場合の動作、(e)止水操作の場合の動作、を示している。
【0056】
まず、図4(a)に示すように、給水操作の場合、給水部操作部151を上方へ引き出して、給水部操作部151(給水部側長尺部材152)を牽引する。
【0057】
次いで、図4(b)に示すように、給水部操作部151を開閉弁操作部141aと接続する。なお、給水部操作部151を開閉弁操作部141aと接続する場合、後述する係合構造によって、係合および係合解除を、たとえば、使用者が片手で行うことができる。かかる係合構造の一例については、図8および9を用いて後述する。
【0058】
次いで、図4(c)に示すように、閉弁操作の場合、使用者に引き出された給水部操作部151に引き出されて、開閉弁操作部141aが牽引される。これにより、開閉弁操作部141aは、開閉弁1221(図1Aおよび1B参照)を閉弁する閉弁位置P1へと移動する。次いで、図4(d)に示すように、開弁操作の場合、ボウル部11(図1Aおよび1B参照)に洗浄水が溜まると、給水部操作部151による開閉弁操作部141aの牽引が解除される。
【0059】
そして、図4(e)示すように、止水操作の場合、開閉弁操作部141aを元の位置(開弁位置P2)へ戻してから、給水部操作部151は、開弁位置P2で給水部操作部151と開閉弁操作部141aとの接続(係合)が解除される。開閉弁操作部141aとの接続が解除されると、給水部操作部151を元の位置へ戻す。これにより、止水操作が完了する。
【0060】
このように、給水部操作部151を開閉弁操作部141aの操作に用いて、給水部操作部151で開閉弁1221(図1Aおよび1B参照)の開弁および閉弁操作を行う。この場合、給水部操作部151と開閉弁操作部141aとが接続され、開閉弁操作部141aと接続された状態で、給水部操作部151によって開閉弁1221の操作を行う。
【0061】
また、給水部側長尺部材152は、開閉弁側長尺部材142よりも便器本体10(図1Aおよび1B参照)から延出する長さが長くなるように設けられる。このように、給水部側長尺部材152が開閉弁側長尺部材142よりも便器本体10から延出している長さが長いため、開閉弁操作部141aを開弁位置P2へ戻してから給水部300(図2参照)の操作(止水操作)を行う必要があることを使用者に認識させることができる。
【0062】
また、開閉弁操作部141aを給水部操作部151に比べ小さくすることで、給水部操作部151を優先させて操作するように誘導することができる。なお、開閉弁操作部141aの衛生洗浄装置16の本体部161からの突出量を小さくする、あるいは開閉弁操作部141aの衛生洗浄装置16の本体部161からの突出量をなくすことで、使用者が、開閉弁操弁作部141aを給水部操作部151よりも先に誤って操作することを抑制することができる。
【0063】
<開閉弁操作部および給水部操作部の係合構造>
次に、図5および6を参照して開閉弁操作部141aおよび給水部操作部151の係合構造について説明する。図5および6は、開閉弁操作部141aおよび給水部操作部151の係合構造の一例の説明図である。なお、図5には、係合構造を示す概略側断面を示している。また、図6には、(a)係合状態の概略側断面、(b)係合解除状態の概略側断面、を示している。
【0064】
図5に示すように、係合構造の一例では、給水部操作部151は、外周部21と、押圧部22と、ロッド部23と、付勢部材24と、ボール25とを備える。外周部21は、円筒状に形成される。外周部21は、給水部操作部151の外周面を形成する。外周部21は、その先端部が後述する係合凹部26へ挿入される係合凸部211となる。また、外周部21の先端部には、後述するボール25を外方へ向けて進退可能に保持する孔部212が形成される。
【0065】
押圧部22は、円柱状に形成され、外周部21へ挿通可能に設けられる。ロッド部23は、押圧部22よりも小径な円柱状に形成され、押圧部22から下方へ延伸して設けられる。ロッド部23の先端部には、抜け止めのためのフランジ231が設けられる。また、ロッド部23の先端部には、テーパ面232aによってくびれ部232が形成される。
【0066】
付勢部材24は、たとえば、コイルばねであり、外周部21の内面と押圧部22との間に設けられ、押圧部22(およびロッド部23)を上方へ向けて付勢している。
【0067】
ボール25は、ロッド部23のくびれ部232に配置される。ボール25は、押圧部22およびロッド部23の上方への移動(摺動)に伴いくびれ部232のテーパ面232aによって外方へ押され、孔部212から外方へ突出することで、係合凸部211を拡径する。また、ボール25は、押圧部22およびロッド部23の下方への移動(摺動)に伴いくびれ部232に収容されることで、係合凸部211を元の径に戻す。
【0068】
また、係合構造の一例では、開閉弁操作部141aは、係合凹部26を備える。係合凹部26の内周面には、上方へ向かうにつれて縮径するようなテーパ面261が形成される。テーパ面261は、係合凹部26に係合凸部211が挿入された場合に、くびれ部232のテーパ面232aとの間にボール25を挟み込む。
【0069】
図6(a)に示すように、係合凸部211が係合凹部26へ挿入された状態で給水部操作部151が上方へ引き上げられると、ボール25が孔部212から突出して、係合凹部26のテーパ面261と、くびれ部232のテーパ面232aとの間に挟まれ、係合凸部211と係合凹部26との係合状態が保持される。
【0070】
図6(b)に示すように、押圧部22が上方から押されると、ボール25は、押圧部22およびロッド部23の下方への移動(摺動)に伴いくびれ部232に収容される。このため、係合凸部211は元の径に戻り、係合凸部211と係合凹部26との係合状態が解除される。
【0071】
このように、係合構造の一例では、係合凸部211と係合凹部26との係合によって、給水部操作部151と開閉弁操作部141aとの係合および係合解除を簡単な操作で行うことができる。なお、上記した係合構造は、一例であり、かかる係合構造に限定されるものではない。また、係合凸部および係合凹部を、たとえば、樹脂製やゴム製の凹凸で形成することで、簡素な係合構造とすることができる。
【0072】
<手動便器洗浄操作による洗浄水の流れ>
次に、図7を参照して手動便器洗浄操作による洗浄水の流れについて説明する。図7は、手動便器洗浄操作による洗浄水の流れの説明図である。なお、図7には、(a)給水操作による洗浄水の流れ、(b)閉弁操作による洗浄水の流れ、(c)開弁操作による洗浄水の流れ、(d)止水操作による洗浄水の流れ、を示している。
【0073】
図7(a)に示すように、使用者が給水部操作部151を牽引して給水操作を行うと、ボウル部11へ洗浄水が供給される。次いで、図7(b)に示すように、使用者が給水部操作部151および開閉弁操作部141aを上方へ牽引して開弁操作を行うと、開閉弁1221が閉弁して、洗浄水がボウル部11へ洗浄水が溜まり始める。
【0074】
ここで、開閉弁1221が開弁されたか否かは、保持部143(図2参照)のクリック感で確認することができる。また、保持部143によって開閉弁側長尺部材142の牽引量が保持されるので、使用者が牽引の手を緩めても、開閉弁1221の閉弁状態が保持される。また、使用者は、ボウル部11に洗浄水が溜まったか否かを目視によって確認する。
【0075】
ボウル部11に洗浄水が溜まったら、使用者は、保持部143による閉弁状態の保持を解除して、開閉弁1221を開弁する。
【0076】
次いで、図7(c)に示すように、ボウル部11の洗浄水が排水路12へ流れ込み、ボウル部11の汚物を、排水路12を介して排出する。
【0077】
そして、図7(d)に示すように、使用者が給水部操作部151を元の位置に戻すことで止水操作を行うと、ボウル部11へ洗浄水が停止する。
【0078】
上記したように、第1実施形態に係る水洗大便器1aによれば、給水部操作部151による開閉弁1221の操作が可能なため、たとえば、停電時に使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合、使用者は、給水部操作部151によるボウル部11への給水操作を行ってから開閉弁1221を閉弁する手順で操作を行うことができる。これにより、手動で便器洗浄操作を行う場合の操作、すなわち、ボウル部11への給水操作、開閉弁1221の閉弁操作、(ボウル部11に洗浄水が溜まった状態で)開閉弁1221の開弁操作、ボウル部11への給水停止操作(止水操作)を、使用者が順を追って行うのを容易化することができる。このように、かかる構成によれば、停電時などに使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる。
【0079】
また、給水部操作部151が開閉弁操作部141aと接続された状態で開閉弁1221の操作が可能なため、使用者は、給水部操作部151から給水部300の操作および開閉弁1221の操作の両方を行うことができる。また、たとえば、停電時に使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合、使用者は、給水部操作部151によるボウル部11への給水操作を行ってから開閉弁1221を閉弁する手順で操作を行うことができる。これにより、手動で便器洗浄操作を行う場合の操作、すなわち、ボウル部11への給水操作、開閉弁1221の閉弁操作、(ボウル部11に洗浄水が溜まった状態で)開閉弁1221の開弁操作、ボウル部11への給水停止操作(止水操作)を、使用者が順を追って行うのを容易化することができる。このように、かかる構成によれば、停電時などに使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる。
【0080】
また、開閉弁操作部141aが開弁位置P2の場合に給水部操作部151と開閉弁操作部141aとの接続が解除されるため、使用者が開閉弁1221を閉弁したままで便器洗浄操作を終了するような誤操作を防ぐことができる。これにより、停電時などに使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる。
【0081】
また、給水部側長尺部材152が開閉弁側長尺部材142よりも便器本体10から延出している長さが長いため、たとえば、停電時に使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合、使用者は、開閉弁操作部141aを開弁位置P2へ戻してから給水部300の操作(止水操作)を行わなければならないと認識することができる。これにより、ボウル部11への給水操作、開閉弁1221の閉弁操作、(ボウル部11に洗浄水が溜まった状態で)開閉弁1221の開弁操作、ボウル部11への給水停止操作(止水操作)を、使用者が順を追って行うのを容易化することができ、停電時などに使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる。
【0082】
また、保持部143によって開閉弁側長尺部材142を所定の牽引量で保持することができるため、たとえば、開閉弁側長尺部材142が牽引されると開閉弁1221が閉弁状態で保持され、開閉弁側長尺部材142が再度牽引されると開閉弁1221を開弁することができるようになる。このため、使用者は、開閉弁1221の閉弁状態を保つために開閉弁側長尺部材142を牽引し続ける必要がない。これにより、停電時などに使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる。
【0083】
<第2実施形態>
<水洗大便器および便器本体の構成>
次に、図8を参照して第2実施形態に係る水洗大便器1bについて説明する。図8は、第2実施形態に係る水洗大便器1bの全体構成を示す図である。
【0084】
以下で説明する第2実施形態は、上記した第1実施形態とは開閉弁操作部141bの構成において異なる。このため、第2実施形態の説明において第1実施形態と同一または同等の箇所には同一の符号を付し、また、同一箇所の説明を省略している。
【0085】
図8に示すように、開閉弁操作部141bは、操作端部141baを備える。操作端部141baは、便器本体10から外方(上方)へ突出している。開閉弁操作部141bは、操作端部141baを所定の操作方向Dとなる軸まわりへ所定角度回転することで、開閉弁1221の操作が可能なものである。
【0086】
<開閉弁操作部および給水部操作部の動作>
次に、図9を参照して開閉弁操作部141bおよび給水部操作部151の動作について説明する。図9は、開閉弁操作部141bおよび給水部操作部151の動作説明図である。なお、図9には、(a)給水操作の場合の動作、(b)給水部操作部151を開閉弁操作部141bに接続する場合の動作、(c)閉弁操作の場合の動作、(d)開弁操作の場合の動作、(e)止水操作の場合の動作、を示している。
【0087】
まず、図9(a)に示すように、給水操作の場合、給水部操作部151を上方へ引き出して、給水部操作部151(給水部側長尺部材152)を牽引する。
【0088】
次いで、図9(b)に示すように、給水部操作部151を開閉弁操作部141bと接続する。なお、給水部操作部151を開閉弁操作部141bと接続する場合、上記した係合構造によって、係合および係合解除を、たとえば、使用者が片手で行うことができる。
【0089】
次いで、図9(c)に示すように、閉弁操作の場合、開閉弁操作部141bは、給水部操作部151に接続された状態で操作方向D1へ回転する。これにより、開閉弁操作部141bは、開閉弁1221(図1Aおよび1B参照)を閉弁する閉弁位置へと移動(回転)する。
【0090】
次いで、図9(d)に示すように、開弁操作の場合、ボウル部11(図1Aおよび1B参照)に洗浄水が溜まると、開閉弁操作部141bは、給水部操作部151に接続された状態で操作方向D2へ回転する。これにより、開閉弁操作部141bは、開閉弁1221(図1Aおよび1B参照)を開弁する開弁位置へと移動(回転)する。
【0091】
そして、図9(e)示すように、止水操作の場合、開閉弁操作部141bを元の位置(開弁位置)へ戻してから、給水部操作部151は、開弁位置で給水部操作部151と開閉弁操作部141bとの接続(係合)が解除される。開閉弁操作部141bとの接続が解除されると、給水部操作部151を元の位置へ戻す。これにより、止水操作が完了する。
【0092】
このように、給水部操作部151を開閉弁操作部141bの操作に用いて、給水部操作部151で開閉弁1221(図1Aおよび1B参照)の開弁および閉弁操作を行う。この場合、給水部操作部151と開閉弁操作部141bとが接続され、開閉弁操作部141bと接続された状態で、給水部操作部151によって開閉弁1221の操作を行う。
【0093】
なお、たとえば、開閉弁操作部141bに、円環の一部に切り欠きを有して平面視においてC形状に形成された固定部材を設けることもできる。この場合、切り欠きは、給水部操作部151の外周面から外方へ突出するように設けた突出部が上下方向に通過可能な幅を有するように構成し、たとえば、図9(c)の状態においては、給水部操作部151と開閉弁操作部141bとが分離できないように固定することができる。
【0094】
<手動便器洗浄操作による洗浄水の流れ>
次に、図10を参照して手動便器洗浄操作による洗浄水の流れについて説明する。図10は、手動便器洗浄操作による洗浄水の流れの説明図である。なお、図10には、(a)給水操作による洗浄水の流れ、(b)閉弁操作による洗浄水の流れ、(c)開弁操作による洗浄水の流れ、(d)止水操作による洗浄水の流れ、を示している。
【0095】
図10(a)に示すように、使用者が給水部操作部151を牽引して給水操作を行うと、ボウル部11へ洗浄水が供給される。次いで、図10(b)に示すように、使用者が給水部操作部151によって開閉弁操作部141bを操作方向D1へ回転して開弁操作を行うと、開閉弁1221が閉弁して、洗浄水がボウル部11へ洗浄水が溜まり始める。
【0096】
ボウル部11に洗浄水が溜まったら、使用者は、給水部操作部151によって開閉弁操作部141bを操作方向D2へ回転して開閉弁1221を開弁する。
【0097】
次いで、図10(c)に示すように、ボウル部11の洗浄水が排水路12へ流れ込み、ボウル部11の汚物を、排水路12を介して排出する。
【0098】
そして、図10(d)に示すように、使用者が給水部操作部151を元の位置に戻すことで止水操作を行うと、ボウル部11へ洗浄水が停止する。
【0099】
上記したように、第2実施形態に係る水洗大便器1bによれば、給水部操作部151による開閉弁1221の操作が可能なため、たとえば、停電時に使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合、使用者は、給水部操作部151によるボウル部11への給水操作を行ってから開閉弁1221を閉弁する手順で操作を行うことができる。これにより、手動で便器洗浄操作を行う場合の操作、すなわち、ボウル部11への給水操作、開閉弁1221の閉弁操作、(ボウル部11に洗浄水が溜まった状態で)開閉弁1221の開弁操作、ボウル部11への給水停止操作(止水操作)を、使用者が順を追って行うのを容易化することができる。このように、かかる構成によれば、停電時などに使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる。
【0100】
また、給水部操作部151が開閉弁操作部141bと接続された状態で開閉弁1221の操作が可能なため、使用者は、給水部操作部151から給水部300の操作および開閉弁1221の操作の両方を行うことができる。また、たとえば、停電時に使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合、使用者は、給水部操作部151によるボウル部11への給水操作を行ってから開閉弁1221を閉弁する手順で操作を行うことができる。これにより、手動で便器洗浄操作を行う場合の操作、すなわち、ボウル部11への給水操作、開閉弁1221の閉弁操作、(ボウル部11に洗浄水が溜まった状態で)開閉弁1221の開弁操作、ボウル部11への給水停止操作(止水操作)を、使用者が順を追って行うのを容易化することができる。このように、かかる構成によれば、停電時などに使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる。
【0101】
また、開閉弁操作部141bが開弁位置の場合に給水部操作部151と開閉弁操作部141bとの接続が解除されるため、使用者が開閉弁1221を閉弁したままで便器洗浄操作を終了するような誤操作を防ぐことができる。これにより、停電時などに使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる。
【0102】
また、開閉弁操作部141bの操作端部141baが回転することで開閉弁1221の操作が可能なため、給水部操作部151による開閉弁1221の操作を可能とする構成をより簡素は構成で実現することができる。これにより、停電時などに使用者が手動で便器洗浄操作を行う場合の操作性を向上させることができる。
【0103】
なお、上記した実施形態では、給水部操作部151および開閉弁操作部141aを牽引操作や給水部操作部151を牽引操作で開閉弁操作部141bを回動操作により操作しているが、本操作方法に限定されず、給水部操作部151を回動操作とし、開閉弁操作部141bを牽引操作とすることや、2つの操作部151,141a(14b)を両方とも回動操作とすることもできる。
【0104】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0105】
1a 水洗大便器
1b 水洗大便器
10 便器本体
11 ボウル部
12 排水路
141a 開閉弁操作部
141b 開閉弁操作部
141ba 操作端部
142 開閉弁側長尺部材
143 保持部
151 給水部操作部
152 給水部側長尺部材
300 給水部
1221 開閉弁
D 操作方向
P1 閉弁位置
P2 開弁位置
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10