(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034435
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】蓋付き容器
(51)【国際特許分類】
B65D 41/04 20060101AFI20240306BHJP
B65D 25/20 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B65D41/04
B65D25/20 W BRL
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138665
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100186358
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 信人
(74)【代理人】
【氏名又は名称】佐野 整博
(72)【発明者】
【氏名】坂本 智
【テーマコード(参考)】
3E062
3E084
【Fターム(参考)】
3E062AA09
3E062AB01
3E062AC02
3E062BA20
3E062BB02
3E084AA05
3E084AA12
3E084AB09
3E084BA02
3E084CA03
3E084DA03
3E084DB12
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA02
3E084GB02
3E084JA20
(57)【要約】
【課題】 容器本体と蓋体とに磁石を脱落しないように保持できるとともに、廃棄時に、容器本体と蓋体とから磁石をまとめて分別することができる蓋付き容器を提供すること。
【解決手段】 容器本体Bと、容器本体を閉鎖する蓋体Cとが磁石嵌合する蓋付き容器Aであって、容器本体は、本体部B1と、本体部に着脱可能に装着される磁石分別部品B2と、本体部または磁石分別部品に保持される複数の容器側磁石M1とを備え、本体部は、口筒部3と、スロープ溝11とを備え、蓋体は、内キャップC1と、外キャップC2と、口筒部の外周面に沿って摺動可能な内筒壁31と、スロープ溝に沿って内筒壁から出没可能な複数の磁石保持体C3と、磁石保持体に内筒壁の外周側から保持される蓋体側磁石M2とを備え、磁石分別部品は、径方向に突設され、磁石分別時に、磁石保持体から蓋体側磁石を外す複数の磁石押しリブ18を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収納する容器本体と、容器本体を閉鎖する蓋体とが磁石嵌合する蓋付き容器であって、
容器本体は、内容物を収納する本体部と、本体部に着脱可能に装着される筒状の磁石分別部品と、本体部または磁石分別部品に保持される複数の容器側磁石とを備え、
本体部は、上部に形成される口筒部と、口筒部の外周面に凹設され、下端部の内側に容器側磁石が位置決めされるスロープ溝とを備え、
蓋体は、内キャップと、内キャップの外側に嵌合される外キャップと、内キャップに形成され、口筒部の外周面に沿って摺動可能な内筒壁と、スロープ溝に沿って内筒壁から出没可能な容器側磁石と同数の磁石保持体と、磁石保持体に内筒壁の外周側から保持される蓋体側磁石とを備え、
磁石分別部品は、径方向に突設され、磁石分別時に、磁石保持体から蓋体側磁石を外す容器側磁石と同数の磁石押しリブを備えることを特徴とする蓋付き容器。
【請求項2】
本体部は、口筒部の開口部から下方に形成される本体収納部と、本体収納部と口筒部との間に形成される装着溝とを備え、
磁石分別部品は、装着溝に挿入される装着筒と、装着筒の上端部に開口し、容器側磁石を保持する磁石保持部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の蓋付き容器。
【請求項3】
磁石保持部は、容器側磁石が装着筒の上端部から上部がはみ出すように、上向きに開口し、
容器側磁石は、磁石分別部品を本体部に装着した時に、本体部の装着溝の上端部に当接することを特徴とする請求項2に記載の蓋付き容器。
【請求項4】
容器本体は、本体部に付け替え可能に格納されるレフィル容器を備え、
本体部は、口筒部の内周に、下向きに開口し、容器側磁石を保持する磁石保持部を備え、
磁石分別部品は、レフィル容器と、口筒部の磁石保持部の下端部との間に挿入されることを特徴とする請求項1に記載の蓋付き容器。
【請求項5】
口筒部は、内周上端から磁石保持部まで凹設される案内凹部を備え、
磁石分別部品は、外周が口筒部の内周に挿入される外筒と、外筒の内周上端に連設されるリング上壁と、リング上壁の内縁から垂設され、内周にレフィル容器が挿入される内筒と、内筒の外周から突設され、容器側磁石の分別時に、案内凹部に係合する容器側磁石と同数の磁石押し凸部とを備えることを特徴とする請求項4に記載の蓋付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を収納する容器本体と、容器本体を閉鎖する蓋体とを備える蓋付き容器に関し、とくに、容器本体と蓋体とが磁石嵌合する蓋付き容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、化粧用クリーム等の内容物を収納する容器本体と、容器本体の口筒部を螺着する蓋体とを備える蓋付き容器が知られている。
このような蓋付き容器は、使用者の手に内容物が付着した状態で蓋体を操作すると、手が滑り易くなるため、蓋体の開閉操作を行い難くなる。
そこで、使用者の手と蓋体との間に滑りが生じた場合であっても、容器本体に対して蓋体の開閉操作を簡単に行う必要がある。
【0003】
この問題を解消するため、容器本体に対して蓋体を押すと、第一突起部が第一傾斜部に沿って移動することにより、蓋体が容器本体に対して回転を始め、第一傾斜部に連なる溝部において、その第一傾斜部側の端部には、第一突起部に設けた第一磁石に対して反発力を生じさせる向きに指向する第二磁石が設けられているため、第一突起部が第一傾斜部を通過した後も、その反発力によって容器本体を閉鎖する直前まで蓋体が自動的に回転する蓋付き容器が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1記載の蓋付き容器では、容器本体と蓋体とに、それぞれ磁石を固定することにより、簡単に容器本体を蓋体で閉鎖でき、操作性が良いものの、この蓋付き容器では、磁石を容器本体と蓋体とに脱落しないように固定しなければならないため、蓋付き容器を使用後に廃棄する際、磁石の分別について考慮されていないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決することを課題とし、容器本体と蓋体とに磁石を脱落しないように保持できるとともに、廃棄時に、容器本体と蓋体とから磁石をまとめて分別することができる蓋付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するため、蓋付き容器として、内容物を収納する容器本体と、容器本体を閉鎖する蓋体とが磁石嵌合する蓋付き容器であって、容器本体は、内容物を収納する本体部と、本体部に着脱可能に装着される筒状の磁石分別部品と、本体部または磁石分別部品に保持される複数の容器側磁石とを備え、本体部は、上部に形成される口筒部と、口筒部の外周面に凹設され、下端部の内側に容器側磁石が位置決めされるスロープ溝とを備え、蓋体は、内キャップと、内キャップの外側に嵌合される外キャップと、内キャップに形成され、口筒部の外周面に沿って摺動可能な内筒壁と、スロープ溝に沿って内筒壁から出没可能な容器側磁石と同数の磁石保持体と、磁石保持体に内筒壁の外周側から保持される蓋体側磁石とを備え、磁石分別部品は、径方向に突設され、磁石分別時に、磁石保持体から蓋体側磁石を外す容器側磁石と同数の磁石押しリブを備えることを特徴とする構成を採用する。
【0008】
蓋付き容器の実施形態として、本体部は、口筒部の開口部から下方に形成される本体収納部と、本体収納部と口筒部との間に形成される装着溝とを備え、磁石分別部品は、装着溝に挿入される装着筒と、装着筒の上端部に開口し、容器側磁石を保持する磁石保持部とを備えることを特徴とする構成を採用し、また、磁石保持部は、容器側磁石が装着筒の上端部から上部がはみ出すように、上向きに開口し、容器側磁石は、磁石分別部品を本体部に装着した時に、本体部の装着溝の上端部に当接することを特徴とする構成を採用する。
さらに、蓋付き容器の別の実施形態として、容器本体は、本体部に付け替え可能に格納されるレフィル容器を備え、本体部は、口筒部の内周に、下向きに開口し、容器側磁石を保持する磁石保持部を備え、磁石分別部品は、レフィル容器と、口筒部の磁石保持部の下端部との間に挿入されることを特徴とする構成を採用し、また、口筒部は、内周上端から磁石保持部まで凹設される案内凹部を備え、磁石分別部品は、外周が口筒部の内周に挿入される外筒と、外筒の内周上端に連設されるリング上壁と、リング上壁の内縁から垂設され、内周にレフィル容器が挿入される内筒と、内筒の外周から突設され、容器側磁石の分別時に、案内凹部に係合する容器側磁石と同数の磁石押し凸部とを備えることを特徴とする構成を採用する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の蓋付き容器は、上記構成を採用することにより、容器本体と蓋体とに磁石を脱落しないように保持できるとともに、廃棄時に、容器本体と蓋体とから磁石をまとめて分別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施例である蓋付き容器の閉蓋状態を示す側面断面図である。
【
図2】本発明の第1実施例である蓋付き容器の容器本体を示す図であり、(a)は側面断面図、(b)は(a)のX1-X1矢視断面図である。
【
図3】本発明の第1実施例である蓋付き容器の容器本体を構成する本体部および磁石分別部品を示す側面図である。
【
図4】本発明の第1実施例である蓋付き容器の蓋体を示す図であり、(a)は側面断面図、(b)は(a)のX2-X2矢視断面図である。
【
図5】本発明の第1実施例である蓋付き容器の蓋体を構成する内キャップと、外キャップと、磁石保持体とを示す側面断面図である。
【
図6】本発明の第1実施例である蓋付き容器の閉蓋状態を示す図であり、(a)は
図1の要部拡大断面図、(b)は(a)のX3-X3矢視断面図である。
【
図7】本発明の第1実施例である蓋付き容器の開蓋途中の状態を示す図であり、(a)は要部拡大断面図、(b)は(a)のX4-X4矢視断面図である。
【
図8】本発明の第1実施例である蓋付き容器の蓋体から蓋体側磁石を分別する際の作業状況を示す側面断面図である。
【
図9】本発明の第1実施例である蓋付き容器の蓋体から蓋体側磁石を分別する作業手順を示す図で、(a)は内キャップ内に磁石分別部品を挿入し、持ち上げ途中の図、(b)は磁石分別部品の持ち上げ終了後、蓋体側磁石が外れた時の図である。
【
図10】本発明の第2実施例である蓋付き容器の閉蓋状態を示す側面断面図である。
【
図11】本発明の第2実施例である蓋付き容器の容器本体を構成するレフィル容器を示す側面断面図、本体部を示す側面断面図、磁石分別部品を示す側面一部断面図である。
【
図12】本発明の第2実施例である蓋付き容器の容器本体から容器側磁石を分別する際の作業状況を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の蓋付き容器について、以下の実施例に示した図面を参照して説明する。
なお、以下の説明において、
図1でみて、上方向を「上」とし、下方向を「下」とする。
【実施例0012】
図1において、Aは化粧用クリームなどの内容物を収納する容器本体Bと、容器本体Bを閉鎖する蓋体Cとが磁石嵌合する蓋付き容器である。
容器本体Bの外周側の複数個所(本実施例では、4個所)には、容器側磁石M1が分別可能に保持され、蓋体Cの内周側の複数個所(本実施例では、4個所)には、容器側磁石M1と引き合う蓋体側磁石M2が分別可能に保持されている。
【0013】
図1~
図3に示すように、容器本体Bは、内容物を収納する本体部B1と、本体部B1に着脱可能に装着されるとともに、容器側磁石M1を保持する筒状の磁石分別部品B2と、本体部B1の底部を閉塞する底蓋B3とから構成されている。
【0014】
本体部B1は、
図2および
図3に示すように、底なし筒状の胴部1の上に水平面状の肩部2を有するとともに、肩部2の中央部分に円筒状の口筒部3を立設することにより、一体に成形されており、胴部1の外周は、複数の交互に連続する辺部1aと角部1bとから平面視で略四角形状に形成されている。
胴部1の内周下端部には、底蓋B3を装着する装着段部4が凹設され、装着段部4の内側面下端には、係止突部5が突設されている。
肩部2の下面には、内側に磁石分別部品B2を装着する円筒状の装着筒部6が垂設されている。
【0015】
口筒部3は、上部3aが内側に向かって縮径され、その内側に開口部8が形成され、開口部8から内容物を収納するために、有底円筒状の本体収納部9が形成され、口筒部3の下部と本体収納部9外周との間は、口筒部3の中程まで凹設され、下方から磁石分別部品B2を挿入する円周状の装着溝10となっている。
口筒部3の外周面には、複数個所に、傾斜状の溝からなるスロープ溝11が凹設され、本実施例では、スロープ溝11が1/4周(90°)毎に4個所の位置に形成されている。
スロープ溝11は、
図3に示すように、周方向の一端である下端部11aが肩部2側に設けられ、他端である上端部11bが開口部8側に設けられ、上端部11bには、磁石嵌合を解除するために、スロープ溝11の溝底から口筒部3の外周面に連続する急坂部12が形成されている。
【0016】
磁石分別部品B2は、
図1~
図3に示すように、外縁が本体部B1の装着筒部6内周に嵌合し、着脱自在に装着されるリング状の上壁15と、上壁15下面から垂設され、外周の径が本体部B1の口筒部3の外周の径とほぼ同等に形成される挿入筒16と、上壁15の内縁から立設され、本体部B1の装着溝10内に挿入されるとともに、複数個所(本実施例では、4個所)に容器側磁石M1を分別可能に保持する円筒状の装着筒17とから構成されている。
挿入筒16の外周には、複数個所(本実施例では、4個所)に、磁石押しリブ18が所定の幅で径方向に突設されている。
【0017】
装着筒17は、上部17aが内側に向かって縮径され、上部17aの内周の複数個所(本実施例では、4個所)に、上向きに開口した容器側磁石M1を分別可能に保持する磁石保持部20が凹設され、上部17aの内側縁には、本体収納部9外周が内周側に挿入される内係合筒21が設けられている。
また、装着筒17の上端の磁石保持部20がある外周側には、磁石保持部20および容器側磁石M1の横幅より狭い幅で、磁力の邪魔をしないよう上端から切り欠け部22が切り欠かれている。
本実施例の磁石分別部品B2は、
図3に示すように、装着筒17の磁石保持部20に容器側磁石M1を保持した際に、容器側磁石M1の上部が装着筒17の上端より上にはみ出すとともに、そのまま本体部B1に装着した際に、容器側磁石M1の上端が本体部B1の装着溝10の上端部に当接し、容器側磁石M1が保持されるようになっている。
【0018】
底蓋B3は、
図1および
図2に示すように、本体部B1の胴部1の内周より僅かに小径の外周が平面視で略四角形状に形成される底板25と、底板25の1つの角部側(本実施例では、右側)の下面に押し部26を設け、底板25のその他3つの角部(右側以外の3個所)周縁から、胴部1の角部1b周縁の装着段部4の内側に当接するとともに、外縁が係止突部5と係合する係止角部27が設けられている。
底蓋B3は、3個所の係止角部27が胴部1の角部1b周縁の装着段部4の内側に係合することで本体部B1に装着され、
図2(a)の一点鎖線で示すように、押し部26を押すことによって、押し部26の両側の係止角部27を支点として、押し部26の反対側が反転して、外れるようになっている。
【0019】
図1、
図4および
図5に示すように、蓋体Cは、内側の内キャップC1と、外側の外キャップC2とから構成され、内キャップC1の外側に外キャップC2が嵌合することにより、一体的に構成されている。
さらに、蓋体Cには、蓋体側磁石M2が磁石保持体C3により内キャップC1と外キャップC2との間で径方向に、出没可能に保持されている。
【0020】
内キャップC1は、容器本体Bの本体部B1の口筒部3上端と密着し、開口部8内を閉鎖する天壁30と、天壁30の周縁から垂下され、口筒部3の外周面に沿って摺動可能な内筒壁31と、内筒壁31の下端から外周側の下面を閉塞する下壁32と、下壁32の周縁から立設される装着外壁33とを備えている。
また、天壁30の下面には、本体部B1の口筒部3の上端面と接触して、本体部B1の本体収納部9内を密封するために、コンタクトリング30aが周設されている。
【0021】
内筒壁31は、複数個所(本実施例では、4個所)に、磁石保持体C3を装着する取り付け長穴34が上端から下端部まで穿設され、取り付け長穴34の下端部は、磁石保持体C3が内側方向に外れないようにストッパー部35が設けられている。
下壁32は、取り付け長穴34が上方にある個所に、磁石分別部品B2の磁石押しリブ18の幅とほぼ同じ幅の案内溝36が内側からストッパー部35を含めて切り欠かれ、磁石保持体C3よりも外周側(装着外壁33側)に取出口37が開口されている。
装着外壁33は、外周下端部に、後述する外キャップC2の外周壁41の嵌合凸部47と嵌合する嵌合凹部38が周設されている。
【0022】
図1に示すように、外キャップC2は、容器本体Bの胴部1の外周形状と相似形の頂壁40と、頂壁40の周縁から垂下される外周壁41と、頂壁40の下面から垂設される押え壁42とを備えている。
外周壁41の外周は、
図4(b)に示すように、複数の交互に連続する辺部41aと角部41bとから平面視で略四角形状に形成されている。
【0023】
押え壁42は、内キャップC1の内筒壁31と接する内周押え壁43と、内キャップC1の装着外壁33と一部で接し、内周押え壁43の外周側に位置する外周押え壁44と、内周押え壁43に開口され、内キャップC1の内筒壁31の取り付け長穴34に装着される磁石保持体C3を上方から規制する開口部45と、磁石保持体C3の両側で内周押え壁43と外周押え壁44とを連結する連結壁46とを備えている。
また、外周壁41の内周下端部には、内キャップC1の装着外壁33の嵌合凹部38と嵌合する嵌合凸部47が周設されている。
【0024】
磁石保持体C3は、
図5に示すように、内キャップC1の取り付け長穴34と外キャップC2の開口部45とに接し、径方向で出没可能に案内されるとともに、内側に蓋体側磁石M2を保持する保持筒50と、保持筒50の内側を塞ぐ内壁51と、保持筒50の外側に、同心で連設されて外周が上下に拡径される略長方形に形成されたストッパー壁部52とからなり、内壁51から保持筒50の蓋体側磁石M2のほぼ半分の深さまで、上下に磁石分別部品B2の磁石押しリブ18の幅とほぼ同じ幅の押し出し溝53が切り欠かれている。
保持筒50の内周には、蓋体側磁石M2を保持する複数の保持突起54(本実施例では、4個所)が配設され、ストッパー壁部52の内周は、保持筒50の内周から連なり、外側端に向かい上下方向に拡径するように形成されている。
【0025】
磁石保持体C3は、ストッパー壁部52の上下の内側面が、内キャップC1のストッパー部35外側面および外キャップC2の内周押え壁43の開口部45の上外側縁と当接して磁石保持体C3が内側方向に外れないように規制されるとともに、ストッパー壁部52の外側端が、外キャップC2の外周押え壁44の端部と当接可能に設けられ、磁石保持体C3が外側方向に外れないように規制されている。
【0026】
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
本実施例の蓋付き容器Aは、それぞれを別体で成形した後、組み立てる。
容器本体Bの組み立ては、まず、
図3に示すように、磁石分別部品B2の4個所に凹設された磁石保持部20に容器側磁石M1をそれぞれ保持する。
次に、磁石分別部品B2を、
図2に示すように、それぞれの容器側磁石M1が、本体部B1の口筒部3の4個所に配設されたスロープ溝11のそれぞれの下端部11aに来る位置で位置合わせして本体部B1に装着することで、本体部B1に容器側磁石M1が保持される。
最後に、底蓋B3を本体部B1の底部から装着することで、底蓋B3が本体部B1の底部を塞ぎ、容器側磁石M1が保持された容器本体Bとなる。
【0027】
次に、
図5に示すように、蓋体Cの内キャップC1と外キャップC2とを用意し、内キャップC1の4個所に配設された取り付け長穴34に、蓋体側磁石M2を保持した磁石保持体C3をそれぞれ配置した後、内キャップC1の上方から外キャップC2を位置合わせして押し込み、内キャップC1の嵌合凹部38と外キャップC2の嵌合凸部47とを嵌合させ、
図4に示すように、蓋体Cのセットが完了する。
【0028】
次に、蓋体Cで容器本体Bを閉鎖するには、容器本体Bの口筒部3の上端部から蓋体Cの外周壁41の辺部41aと角部41bとを容器本体Bの胴部1の辺部1aと角部1bとに合致するように被せると、内キャップC1の内筒壁31の内周下端部は、縮径状に形成される口筒部3に案内されることにより、内筒壁31から磁石保持体C3が突出していても外周側に没入し、蓋体Cは下降を開始する。
【0029】
最後に、
図1に示すように、蓋体Cは、下壁32が容器本体Bの肩部2に当接または近接する位置まで下降すると、口筒部3の外周面に凹設されるスロープ溝11の下端部11aに位置する容器側磁石M1により、容器側磁石M1と対向する蓋体側磁石M2は、吸引されるので、
図1および
図6に示すように、蓋体側磁石M2を保持する磁石保持体C3は突出して、スロープ溝11に嵌入し、容器本体Bと蓋体Cとの磁石嵌合が完了する。
【0030】
次に、内容物を使用する際には、蓋体Cを容器本体Bに対して開蓋方向に所定の角度(本実施例では、90°以内)だけ回転させると、磁石保持体C3は、スロープ溝11に突出した状態のままスロープ溝11に案内されて下端部11aから上端部11bに向かって移動するため、容器側磁石M1との嵌合が外れ、蓋体Cを開蓋方向に上昇移動させることができる。
【0031】
そして、
図7に示すように、蓋体Cが上昇して磁石保持体C3がスロープ溝11の上端部11bに達すると、磁石保持体C3の内壁51が上端部11bに形成された急坂部12により、スロープ溝11の溝底から口筒部3の外周面に乗り上げるため、磁石保持体C3を径方向外側に向かって移動させることができる。
これにより、蓋体Cの磁石保持体C3と容器本体Bの口筒部3のスロープ溝11との螺合が外れた状態となり、蓋体Cを容器本体Bの口筒部3からそのまま引き上げ、開蓋することで、容器本体Bの口筒部3の開口部8から内容物を取り出して使用することができる。
【0032】
本実施例の蓋付き容器Aは、廃棄時に、容器本体Bと蓋体Cとから容器側磁石M1と蓋体側磁石M2とをまとめて分別できるので、分別作業について説明する。
まず、蓋体Cを開蓋した容器本体Bから底蓋B3を外した後、
図3に示すように、本体部B1から磁石分別部品B2を外し、磁石分別部品B2から容器側磁石M1を外す。
容器側磁石M1は、磁石分別部品B2の装着筒17上端より上にはみ出すように、磁石保持部20に保持されるので、容器側磁石M1のはみ出た部分を磁石分別部品B2の外側から内側に向かって押すことで、簡単に外すことができる。
また、装着筒17の切り欠け部22から棒などで容器側磁石M1を押しても簡単に外すことができる。
【0033】
次に、
図8に示すように、磁石分別部品B2の上下を反転した後、蓋体Cの下から、内キャップC1の下壁32の4個所に配設された案内溝36に、磁石分別部品B2の4個所に突設された磁石押しリブ18を位置合わせし、磁石分別部品B2を持ち上げる。
磁石分別部品B2を持ち上げると、磁石押しリブ18が、案内溝36に挿入され、次いで、磁石押しリブ18の先端が、磁石保持体C3の押し出し溝53に挿入され、さらに、磁石分別部品B2を持ち上げると、
図9(a)に示すように、磁石押しリブ18の先端が、押し出し溝53内の蓋体側磁石M2の内側に当接し、外側に押し込んでいく。
最後は、
図9(b)に示すように、磁石分別部品B2の上壁15外縁と、内キャップC1の下壁32内縁とが当接し、磁石分別部品B2の持ち上げが止められるとともに、押し込まれて磁石保持体C3の保持筒50内周の保持突起54から外れた蓋体側磁石M2が、ストッパー壁部52内面で案内されて移動し、下壁32の取出口37から外に排出される。
【0034】
以上のように、本実施例の蓋付き容器Aは、容器本体Bと蓋体Cに容器側磁石M1と蓋体側磁石M2を脱落しないように保持できるとともに、廃棄時に、容器本体Bと蓋体Cとから容器側磁石M1と蓋体側磁石M2とをまとめて分別することができる。
口筒部60は、外周面の複数個所(本実施例では、4個所)に、傾斜状の溝からなるスロープ溝11が配設され、上端からスロープ溝11の下端の高さより少し高い位置まで、内側に向かって縮径された上部60aが形成されている。
口筒部60の上部60aには、上端部の内周に、レフィル容器Ba4を着脱可能に装着する装着部61が形成され、複数個所(本実施例では、4個所)のスロープ溝11の下端部11aのある位置の内周に、下向きに開口した容器側磁石M1を分別可能に保持する磁石保持部62が凹設されている。
また、口筒部60の上部60aには、内周の磁石保持部62の上端から装着部61の下端との間に、所定の幅および径方向の深さで案内凹部63が凹設されている。
磁石分別部品Ba2は、外縁が本体部Ba1の装着筒部6内周に嵌合し、着脱自在に装着されるリング状の上壁15と、上壁15下面から垂設され、外周の径が本体部Ba1の口筒部60の外周の径とほぼ同等に形成される挿入筒16と、上壁15の内縁から立設され、外周が本体部Ba1の口筒部60の下側内周に挿入される外筒65と、外筒65の内周上端に連設されるリング状のリング上壁66と、リング上壁66の内縁から垂設され、内周にレフィル容器Ba4を挿入し、外周の径が本体部Ba1の口筒部60の上部60aの内周の径とほぼ同等に形成される内筒67とから構成されている。
レフィル容器Ba4は、内容物を収納する有底円筒状の収納部70と、収納部70の開口から径方向外側に向けて形成されるフランジ部71とを備え、収納部70の外周上端部には、本体部Ba1の口筒部60の装着部61と係合する装着突部72が設けられている。
本実施例では、レフィル容器Ba4内の内容物が無くなったら、蓋体Cを外した状態で、容器本体Baの本体部Ba1内から使用済みのレフィル容器Ba4を底から押し上げると、本体部Ba1の口筒部60の装着部61とレフィル容器Ba4の装着突部72との係合が外され、簡単に容器本体Baから使用済みのレフィル容器Ba4を外すことができる。
次に、内容物が充填された新たなレフィル容器Ba4を再度、容器本体Baに格納し、使用することで、容器本体Baおよび蓋体Cを再利用することができる。
さらに、蓋体Cから蓋体側磁石M2を外す際には、第1実施例と同様に、磁石分別部品Ba2の上下を反転した後、蓋体Cの下から、内キャップC1の下壁32の4個所に配設された案内溝36に、磁石分別部品Ba2の4個所に配設された磁石押しリブ18を位置合わせして磁石分別部品Ba2を持ち上げると、蓋体側磁石M2をまとめて外すことができる。
その他の作用効果は、第1実施例と同様である。