(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034472
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】タイヤ運搬機及びタイヤ運搬機の制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0833 20230101AFI20240306BHJP
【FI】
G06Q10/08 306
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138714
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100211395
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】山田 耕太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】タイヤに設置された電子タグの情報を活用し、タイヤ保管・交換にかかる情報管理と作業効率を向上させることができる、タイヤ運搬機及びタイヤ運搬機の制御方法を提供する。
【解決手段】鉱山サイト等におけるタイヤ保管場所に保管されている複数のタイヤを管理するために用いられるタイヤ管理システムにおいて、タイヤ運搬機10は、読取部と、測位部と、出力部と、制御部とを備える。制御部は、読取部を介して、タイヤ運搬機が運搬するタイヤに設置された電子タグからタイヤ識別情報を読み取り、測位部を介して、タイヤの運搬が終了した地点の位置情報を生成し、出力部を介して、タイヤ識別情報と位置情報とを関連付けて出力する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取部と、測位部と、出力部と、制御部とを備えるタイヤ運搬機であって、
前記制御部は、
前記読取部を介して、前記タイヤ運搬機が運搬するタイヤに設置された電子タグからタイヤ識別情報を読み取り、
前記測位部を介して、前記タイヤの運搬が終了した地点の位置情報を生成し、
前記出力部を介して、前記タイヤ識別情報と前記位置情報とを関連付けて出力するように構成されている、タイヤ運搬機。
【請求項2】
前記制御部は、
前記タイヤ識別情報に基づいて、前記タイヤが前記タイヤ運搬機の運搬対象であるか否かを判定し、
前記出力部を介して、前記タイヤが前記運搬対象であるか否かの判定結果を出力するように構成されている、請求項1に記載のタイヤ運搬機。
【請求項3】
検出部を更に備え、
前記制御部は、前記検出部を介して、前記タイヤ運搬機が前記タイヤを運搬中であることを検出するように構成されている、請求項1又は2に記載のタイヤ運搬機。
【請求項4】
前記制御部は、
読取部を介して、繰り返し前記タイヤ識別情報を読み取り、
前記タイヤ識別情報が読み取られたのち、再び前記タイヤ識別情報が読み取られなくなったときに、前記タイヤの運搬が終了したと判定するように構成されている、請求項1又は2に記載のタイヤ運搬機。
【請求項5】
撮像部を更に備え、
前記制御部は、
前記撮像部を介して、前記タイヤの撮像画像を生成し、
前記出力部を介して、前記撮像画像を前記タイヤ識別情報と関連付けて出力するように構成されている、請求項1に記載のタイヤ運搬機。
【請求項6】
前記撮像部は、サーモグラフィカメラである、請求項5に記載のタイヤ運搬機。
【請求項7】
前記位置情報は、前記タイヤの運搬が終了した前記地点を示す座標と前記座標が計測された日時とを含む、請求項1に記載のタイヤ運搬機。
【請求項8】
読取部と、測位部と、出力部と、制御部とを備えるタイヤ運搬機の制御方法であって、
前記制御部により、前記読取部を介して、前記タイヤ運搬機が運搬するタイヤに設置された電子タグからタイヤ識別情報を読み取ることと、
前記制御部により、前記測位部を介して、前記タイヤの運搬が終了した地点の位置情報を生成することと、
前記制御部により、前記出力部を介して、前記タイヤ識別情報と前記位置情報とを関連付けて出力することと、
を含む、制御方法。
【請求項9】
前記制御部により、前記タイヤ識別情報に基づいて、前記タイヤが前記タイヤ運搬機の運搬対象であるか否かを判定することと、
前記制御部により、前記出力部を介して、前記タイヤが前記運搬対象であるか否かの判定結果を出力することと、
を更に含む、請求項8に記載の制御方法。
【請求項10】
前記タイヤ運搬機は、検出部を更に備え、
前記制御方法は、
前記制御部により、前記検出部を介して、前記タイヤ運搬機が前記タイヤを運搬中であることを検出すること、を更に含む、請求項8又は9に記載の制御方法。
【請求項11】
前記制御部により、読取部を介して、繰り返し前記タイヤ識別情報を読み取ることと、
前記制御部により、前記タイヤ識別情報が読み取られたのち、再び前記タイヤ識別情報が読み取られなくなったときに、前記タイヤの運搬が終了したと判定することと、
を更に含む、請求項8又は9に記載の制御方法。
【請求項12】
前記タイヤ運搬機は、撮像部を更に備え、
前記制御方法は、
前記制御部により、前記撮像部を介して、前記タイヤの撮像画像を生成することと、
前記制御部により、前記出力部を介して、前記撮像画像を前記タイヤ識別情報と関連付けて出力することと、を更に含む、請求項8に記載の制御方法。
【請求項13】
前記撮像部は、サーモグラフィカメラである、請求項12に記載の制御方法。
【請求項14】
前記位置情報は、前記タイヤの運搬が終了した前記地点を示す座標と前記座標が計測された日時とを含む、請求項8に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タイヤ運搬機及びタイヤ運搬機の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉱山車両に装着して使われるタイヤについては、一定の摩耗状態になると各タイヤの摩耗状態を均一にするためにタイヤの付け替え、ローテーションを行うことが一般的である。このような運用を実施するにあたり、鉱山においては車両に装着されているタイヤと、特定の摩耗状態やサイズのタイヤと組み合わせて使うために保管されているタイヤが存在する。保管されているタイヤについては、様々なサイズや摩耗状態のものがあり、それらが一つの場所に置かれている。そして、車両に装着する際に、作業者が保管場所から目的のタイヤをピックアップし、車両へと運ぶことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のように鉱山におけるタイヤ保管場所には多くのタイヤが保管されているため、目的のタイヤを探し当てるために、作業者は一つ一つのタイヤを確認することとなる。例えば、タイヤのトレッドに残存トレッド厚さをあらかじめ書き込んでおき、その情報を頼りに目的のタイヤを探す方法が取られることもあり、本作業には通常多くの時間がかかる。
【0005】
ところで、近年、タイヤに設置された電子タグの情報を活用する技術が知られている。例えば、特許文献1には、車両のタイヤを交換する際に、タイヤに設置された電子タグの情報を読み取るタイヤ運搬機が開示されている。このような技術により、タイヤを付け替える際の作業性や情報管理については効率化されてきているものの、保管されているタイヤの管理やピックアップについては、十分な効率化は図られていない。
【0006】
また、タイヤ保管場所においてタイヤは折り重なるように並べられていることが多く、タイヤ自体のサイズも大型であることから、電子タグを搭載したタイヤであっても、その読取りにあたり人の手が届かない、他のタイヤに阻まれて読取りが出来ないといった問題があり、その活用が進んでいない。
【0007】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、タイヤに設置された電子タグの情報を活用し、タイヤ保管・交換にかかる情報管理と作業効率を向上させることができるタイヤ運搬機及びタイヤ運搬機の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
〔1〕本開示の一実施形態に係るタイヤ運搬機は、読取部と、測位部と、出力部と、制御部とを備えるタイヤ運搬機であって、前記制御部は、前記読取部を介して、前記タイヤ運搬機が運搬するタイヤに設置された電子タグからタイヤ識別情報を読み取り、前記測位部を介して、前記タイヤの運搬が終了した地点の位置情報を生成し、前記出力部を介して、前記タイヤ識別情報と前記位置情報とを関連付けて出力するように構成されている、タイヤ運搬機である。
本開示の一実施形態に係るタイヤ運搬機によれば、タイヤ運搬機によって運搬されたタイヤの位置を把握することができる。したがって、タイヤ保管場所におけるタイヤ位置の把握が容易になり、タイヤ交換に伴う作業効率が向上する。
【0009】
〔2〕本開示の一実施形態に係るタイヤ運搬機は、上記〔1〕に記載のタイヤ運搬機であって、前記制御部は、前記タイヤ識別情報に基づいて、前記タイヤが前記タイヤ運搬機の運搬対象であるか否かを判定し、前記出力部を介して、前記タイヤが前記運搬対象であるか否かの判定結果を出力するように構成されている、タイヤ運搬機であることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ運搬機によれば、運搬対象以外のタイヤを誤って運搬することを予防することができる。
【0010】
〔3〕本開示の一実施形態に係るタイヤ運搬機は、上記〔1〕又は〔2〕に記載のタイヤ運搬機であって、検出部を更に備え、前記制御部は、前記検出部を介して、前記タイヤ運搬機が前記タイヤを運搬中であることを検出するように構成されている、タイヤ運搬機であることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ運搬機によれば、タイヤ運搬機によって運搬されたタイヤの位置を精度よく把握することができる。
【0011】
〔4〕本開示の一実施形態に係るタイヤ運搬機は、上記〔1〕又は〔2〕に記載のタイヤ運搬機であって、前記制御部は、読取部を介して、繰り返し前記タイヤ識別情報を読み取り、前記タイヤ識別情報が読み取られたのち、再び前記タイヤ識別情報が読み取られなくなったときに、前記タイヤの運搬が終了したと判定するように構成されている、タイヤ運搬機であることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ運搬機によれば、タイヤ運搬機によって運搬されたタイヤの位置を精度よく把握することができる。
【0012】
〔5〕本開示の一実施形態に係るタイヤ運搬機は、上記〔1〕から〔4〕のいずれか一項に記載のタイヤ運搬機であって、撮像部を更に備え、前記制御部は、前記撮像部を介して、前記タイヤの撮像画像を生成し、前記出力部を介して、前記撮像画像を前記タイヤ識別情報と関連付けて出力するように構成されている、タイヤ運搬機であることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ運搬機によれば、タイヤ運搬機によって運搬されたタイヤの位置に加え、タイヤの状態を把握することができる。
【0013】
〔6〕本開示の一実施形態に係るタイヤ運搬機は、上記〔5〕に記載のタイヤ運搬機であって、前記撮像部は、サーモグラフィカメラである、タイヤ運搬機であることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ運搬機によれば、タイヤ運搬機によって運搬されたタイヤについた傷の状態を精度よく把握することができる。
【0014】
〔7〕本開示の一実施形態に係るタイヤ運搬機は、上記〔1〕から〔6〕のいずれか一項に記載のタイヤ運搬機であって、前記位置情報は、前記タイヤの運搬が終了した前記地点を示す座標と前記座標が計測された日時とを含むことが好ましい。かかる構成を有するタイヤ運搬機によれば、タイヤ運搬機によって運搬されたタイヤの位置を精度よく把握することができる。
【0015】
〔8〕本開示の一実施形態に係る制御方法は、読取部と、測位部と、出力部と、制御部とを備えるタイヤ運搬機の制御方法であって、前記制御部により、前記読取部を介して、前記タイヤ運搬機が運搬するタイヤに設置された電子タグからタイヤ識別情報を読み取ることと、前記制御部により、前記測位部を介して、前記タイヤの運搬が終了した地点の位置情報を生成することと、前記制御部により、前記出力部を介して、前記タイヤ識別情報と前記位置情報とを関連付けて出力することと、を含む、制御方法である。
本開示の一実施形態に係るタイヤ運搬機の制御方法によれば、タイヤ運搬機によって運搬されたタイヤの位置を把握することができる。したがって、タイヤ保管場所におけるタイヤ位置把握およびタイヤ交換作業の効率が向上する。
【0016】
〔9〕本開示の一実施形態に係る制御方法は、上記〔8〕に記載の制御方法であって、前記制御部により、前記タイヤ識別情報に基づいて、前記タイヤが前記タイヤ運搬機の運搬対象であるか否かを判定することと、前記制御部により、前記出力部を介して、前記タイヤが前記運搬対象であるか否かの判定結果を出力することと、を更に含む、制御方法であることが好ましい。かかる構成を有する制御方法によれば、運搬対象以外のタイヤを誤って運搬することを予防することができる。
【0017】
〔10〕本開示の一実施形態に係る制御方法は、上記〔8〕又は〔9〕に記載の制御方法であって、前記タイヤ運搬機は、検出部を更に備え、前記制御方法は、前記制御部により、前記検出部を介して、前記タイヤ運搬機が前記タイヤを運搬中であることを検出すること、を更に含む、制御方法であることが好ましい。かかる構成を有する制御方法によれば、タイヤ運搬機によって運搬されたタイヤの位置を精度よく把握することができる。
【0018】
〔11〕本開示の一実施形態に係る制御方法は、上記〔8〕又は〔9〕に記載の制御方法であって、前記制御部により、読取部を介して、繰り返し前記タイヤ識別情報を読み取ることと、前記制御部により、前記タイヤ識別情報が読み取られたのち、再び前記タイヤ識別情報が読み取られなくなったときに、前記タイヤの運搬が終了したと判定することと、を更に含む、制御方法であることが好ましい。かかる構成を有する制御方法によれば、タイヤ運搬機によって運搬されたタイヤの位置を精度よく把握することができる。
【0019】
〔12〕本開示の一実施形態に係る制御方法は、上記〔8〕から〔11〕のいずれか一項に記載の制御方法であって、前記タイヤ運搬機は、撮像部を更に備え、前記制御方法は、前記制御部により、前記撮像部を介して、前記タイヤの撮像画像を生成することと、前記制御部により、前記出力部を介して、前記撮像画像を前記タイヤ識別情報と関連付けて出力することと、を更に含む、制御方法であることが好ましい。かかる構成を有する制御方法によれば、タイヤ運搬機によって運搬されたタイヤの位置に加え、タイヤの状態を把握することができる。
【0020】
〔13〕本開示の一実施形態に係る制御方法は、上記〔12〕に記載の制御方法であって、前記撮像部は、サーモグラフィカメラである、制御方法であることが好ましい。かかる構成を有する制御方法によれば、タイヤ運搬機によって運搬されたタイヤについた傷の状態を精度よく把握することができる。
【0021】
〔14〕本開示の一実施形態に係る制御方法は、上記〔8〕から〔13〕のいずれか一項に記載の制御方法であって、前記位置情報は、前記タイヤの運搬が終了した前記地点を示す座標と前記座標が計測された日時とを含むことが好ましい。かかる構成を有する制御方法によれば、タイヤ運搬機によって運搬されたタイヤの位置を精度よく把握することができる。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、タイヤに設置された電子タグの情報を活用し、タイヤ保管・交換にかかる情報管理と作業効率を向上させることができる、タイヤ運搬機及びタイヤ運搬機の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の一実施形態に係るタイヤ管理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図1に示されるタイヤ運搬機の移動経路を概略的に示す平面図である。
【
図3】
図1に示されるタイヤ運搬機の概略構成図である。
【
図4】
図1に示されるタイヤ運搬機の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1に示されるサーバ及び端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】
図1に示されるタイヤ管理システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示の一実施形態に係るタイヤ管理システム1について、図面を参照して説明する。各図において共通する部材及び部位には同一の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意されたい。
【0025】
(タイヤ管理システムの構成)
はじめに、
図1及び
図2を参照して、本実施形態に係るタイヤ管理システム1の概要について説明する。
図1は、タイヤ管理システム1の概略構成を示す図である。
図2は、
図1に示されるタイヤ運搬機10の移動経路を概略的に示す平面図である。
図1に示されるように、タイヤ管理システム1は、タイヤ運搬機10と、サーバ20と、端末装置30とを含む。
図1では、それぞれ1つのタイヤ運搬機10、サーバ20、及び端末装置30が示されている。しかしながら、タイヤ管理システム1は、任意の数のタイヤ運搬機10、サーバ20、及び端末装置30を含んでいてもよい。
【0026】
タイヤ運搬機10は、例えばタイヤハンドラーである。しかしながら、タイヤ運搬機10は、フォークリフト、車両、ロボット等、タイヤを保持して移動可能な任意の機械であってもよい。本実施形態では、タイヤ運搬機10は、自走式の機械である。タイヤ運搬機10は、運転手によって運転されてもよく、或いは自動運転又は遠隔操作により運転されていてもよい。ただし、タイヤ運搬機10は、自走式でなくてもよく、牽引車等の他の車両に牽引されることにより走行可能であってもよい。
【0027】
サーバ20は、1つ以上のコンピュータで構成されている。本実施形態では、サーバ20は、1つのコンピュータで構成されているものとして説明する。しかしながら、サーバ20は、クラウドコンピューティングシステム等、複数のコンピュータによって構成されていてもよい。
【0028】
端末装置30は、例えばスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータである。
【0029】
ネットワーク40は、タイヤ運搬機10、サーバ20、及び端末装置30が相互に通信可能な、任意の通信網である。例えば、本実施形態におけるネットワーク40は、アドホックネットワーク、MAN(Metropolitan Area Network)、セルラーネットワーク、WPAN(Wireless Personal Area Network)、PSTN(Public Switched Telephone Network)、地上波無線ネットワーク(Terrestrial Wireless Network)、光ネットワークもしくは他のネットワーク又はこれらいずれかの組み合わせを含んでいてもよい。
【0030】
タイヤ管理システム1は、1つ以上のタイヤ50を管理するために用いられ、例えば、1つ以上のタイヤ50の位置情報を管理及び提供するために用いられる。本実施形態では、
図2に示されるように、タイヤ管理システム1は、鉱山サイト等におけるタイヤ保管場所60に保管されている、複数のタイヤ50を管理するために用いられるものとする。鉱山サイトでは、一般的に、建設車両、工事車両又は重機車両等の車両70に装着するタイヤ50をローテーション又は交換のために、複数のタイヤ50のストックがタイヤ保管場所60にまとめて保管されている。タイヤ保管場所60では、タイヤ50にスプレー等で書き込まれた情報をもとに、作業員が目視で目的のタイヤ50を探すことが一般的であり効率的ではない。また、タイヤ50に電子タグが設置されている場合、電子タグの読取装置で読み取った電子タグの情報をもとに、作業員が目的のタイヤ50を探すことも可能である。ただし、タイヤ保管場所60では、一般的に、複数のタイヤ50が重ねて、或いは、密接して並べられているため、タイヤ50に設置された電子タグの情報を読取装置で読み取った際に、どのタイヤ50の電子タグであるかが判断できない場合がある。
【0031】
本実施形態では、タイヤ50は、電子タグが設置されたタイヤであるものとする。電子タグは、例えば、RF(Radio Frequency)タグである。RFタグは、RFID(Radio Frequency Identification)タグとも称される。電子タグは、パッシブ型の電子タグであってもよく、或いは、アクティブ型の電子タグであってもよい。電子タグは、タイヤ50の任意の位置に設置されていてもよい。例えば、電子タグは、タイヤ50を構成するゴムの内部に埋設されていてもよい。
【0032】
タイヤ50は、特に限定されないが、鉱山サイト等で使用される、建設車両、工事車両又は重機車両等の大型車両に装着されるOR(Off The Road)タイヤであってもよい。かかる場合、タイヤ50には、例えば、直径4メートル、重さ50トンを有するタイヤも含まれ、タイヤ運搬機10によりタイヤ50を運搬する本実施形態に好適である。ただし、タイヤ50は、ORタイヤ以外のタイヤであってもよい。
【0033】
図2を参照して、本実施形態の概要を説明する。
図2に示されるように、タイヤ運搬機10は、タイヤ保管場所60において、電子タグが設置されたタイヤ50を運搬する。例えば、タイヤ運搬機10は、タイヤ50Aを地点P1から地点P2に運搬する際に、タイヤ50Aに設置された電子タグからタイヤ50Aのタイヤ識別情報を読み取る。そして、タイヤ運搬機10は、タイヤ50Aの運搬が終了した地点P2の位置情報を生成する。さらに、タイヤ運搬機10は、タイヤ50Aのタイヤ識別情報と位置情報とを関連付けて出力する。例えば、出力されたタイヤ50Aの位置情報が、タイヤ運搬機10の運転手がいるコックピットに配置されたディスプレイに表示されてもよい。或いは、タイヤ50Aの位置情報が、タイヤ運搬機10から、サーバ20を経由して、作業員が利用する端末装置30に送信されてもよい。その結果、運転手又は作業員は、タイヤ保管場所60に保管された複数のタイヤ50の中において、タイヤ運搬機10によって運搬されたタイヤ50Aが地点P2にあることを正確に把握することができる。したがって、タイヤ50に設置された電子タグの情報を活用する技術の有用性が向上する。なお、以下の説明において、タイヤ50Aを他のタイヤ50特別しない場合、単にタイヤ50と記載する。
【0034】
次に、タイヤ管理システム1のタイヤ運搬機10、サーバ20、及び端末装置30について、詳細に説明する。
【0035】
(タイヤ運搬機の構成)
図3及び
図4を参照して、本実施形態に係るタイヤ運搬機10の構成を説明する。
図3は、タイヤ運搬機10を示す概略図である。
図4は、タイヤ運搬機10の構成を示すブロック図である。
【0036】
図3に示されるように、タイヤ運搬機10は、本体10Aと保持部10Bとで構成されていてもよい。
【0037】
本体10Aは、エンジン、コックピット、又は車輪等を備える。保持部10Bは、タイヤ運搬機10がタイヤ50を運搬する際に、タイヤ50を保持することが可能な機構である。例えば、
図3に示されるように、保持部10Bは、アーム状である。本実施形態では、保持部10Bは、アームによりタイヤ50を挟み込んで、タイヤ50を保持することができる。ただし、保持部10Bは、上述した構成に限られず、タイヤ50を保持可能な任意の構成とされてもよい。例えば、保持部10Bは、アームをタイヤ50の回転軸近傍の空洞部に通して、或いは、タイヤ50をアームの上に積載して、タイヤ50を保持してもよい。また、保持部10Bは、タイヤ運搬機10がタイヤ50を保持する位置又は角度を変えられるように、タイヤ運搬機10の本体10Aに対して上下移動、左右移動、又は回転可能に取り付けられていてもよい。
【0038】
そして、
図4に示されるように、タイヤ運搬機10は、読取部11と、測位部12と、検出部13と、撮像部14と、通信部15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、制御部19と、を備える。読取部11、測位部12、検出部13、撮像部14、通信部15、出力部16、入力部17、記憶部18、及び制御部19は、例えば、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワーク又は専用線を介して、有線又は無線で互いに通信可能に接続されている。
【0039】
読取部11は、タイヤ50に設置された電子タグに記憶された情報を読み取る読取装置である。電子タグは、例えば、RFタグである。RFタグは、RFIDタグとも称される。電子タグは、パッシブ型の電子タグであってもよく、或いは、アクティブ型の電子タグであってもよい。タイヤ50に設置された電子タグに記憶された情報には、例えば、そのタイヤ50を識別可能なタイヤ識別情報が含まれる。タイヤ識別情報は、例えば、サーバ20によって一意に払い出されたタイヤ50のID(Identifier)であるが、これに限られず、タイヤ50の製造番号などであってもよい。タイヤ50に設置された電子タグに記憶された情報には、タイヤ識別情報に加えて、タイヤ50のタイヤサイズ、リトレッド回数、製造年月日、型番等、タイヤ50に関する任意の情報が含まれていてもよい。読取部11は、保持部10Bによって保持されたタイヤ50に設置された電子タグから情報を読取可能に構成されていてもよい。読取部11は、例えば、
図3に示されるように、タイヤ運搬機10の本体10Aに設置されている。ただし、読取部11は、保持部10Bに設置されていてもよい。
【0040】
測位部12は、タイヤ運搬機10の位置情報を生成することが可能な1つ以上の測位装置を含む。タイヤ運搬機10の位置情報は、タイヤ運搬機10が位置している地点の、2次元座標又は3次元座標等の座標である。タイヤ運搬機10の位置情報には、タイヤ運搬機10の位置を示す座標と、座標が計測された日時とが含まれていてもよい。
【0041】
測位部12は、衛星測位システムを用いた航法、自律航法、又はそれらの組み合わせにより、タイヤ運搬機10の位置情報を生成する。測位部12は、衛星測位システムを用いた航法によりタイヤ運搬機10の位置情報を生成するために、衛星測位システムに対応する受信機を含んでいてもよい。受信機は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機である。測位部12は、自律航法によりタイヤ運搬機10の位置情報を生成するために加速度センサ又はジャイロセンサ等のセンサを含んでいてもよい。
【0042】
検出部13は、1つ以上のセンサを含む。例えば、センサは、重量センサ、圧力センサ、レーザセンサ、赤外線センサ、又は画像センサ(カメラ)等であってもよい。これにより、検出部13は、保持部10Bによってタイヤ50が保持されていること、即ち、タイヤ運搬機10がタイヤ50を運搬中であることを検出することができる。検出部13は、例えば、
図3に示されるように、タイヤ運搬機10の本体10Aに設置されている。ただし、検出部13は、
図3において破線で示されているように、保持部10Bに設置されていてもよい。検出部13は、保持部10Bにおいて、保持部10Bによりタイヤ50を保持した際にタイヤ50と対向又は接触する位置に配置されていてもよい。
【0043】
撮像部14は、1つ以上のカメラを含む。例えば、撮像部14は、サーモグラフィ画像を生成可能な、サーモグラフィカメラであってもよい。ただし、撮像部14は、可視光カメラ、赤外線カメラ等、画像を撮像可能な任意のカメラを含んでもよい。撮像部14が撮像する画像は、写真等の静止画であるが、動画であってもよい。撮像部14は、保持部10Bによって保持されたタイヤ50を撮像することができる。撮像部14は、例えば、
図3に示されるように、タイヤ運搬機10の本体10Aに設置されている。ただし、撮像部14は、保持部10Bに設置されていてもよい。
【0044】
通信部15は、ネットワーク40に接続するための通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば有線LAN(Local Area Network)又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールであってもよい。通信モジュールは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又は赤外線通信等の近距離無線通信規格に対応した通信モジュールであってもよい。本実施形態において、タイヤ運搬機10は、通信部15を介してネットワーク40に接続される。これによって、タイヤ運搬機10は、サーバ20等と通信することができる。
【0045】
出力部16は、1つ以上の出力装置を含む。出力部16に含まれる出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ又はランプ等である。出力部16は、画像、音又は光等を出力する。本開示において、出力部16は、信号として情報を外部に出力するという観点から、通信部15を含んでいてもよい。すなわち、本開示において、出力部16を介して情報を出力することは、通信部15を介して情報を送信することを含み得る。
【0046】
入力部17は、1つ入力装置を含む。入力部17に含まれる入力装置は、例えばタッチパネル、カメラ、マイク、及びICカードリーダ等である。入力部17は、タイヤ運搬機10の利用者による入力操作を受け付ける。出力部16及び入力部17は、例えば、タッチパネルのように、一体として形成されていてもよい。
【0047】
記憶部18は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部18は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部18は、タイヤ運搬機10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部18は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、又はデータベース等を記憶する。記憶部18に記憶された情報は、例えば通信部15を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0048】
制御部19は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部19は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよい。制御部19は、上述した、読取部11、測位部12、検出部13、撮像部14、通信部15、出力部16、入力部17及び記憶部18等の構成要素の機能を含む、タイヤ運搬機10の機能を実現させるために、それぞれの構成要素を制御する。制御部19は、タイヤ運搬機10の本体10A及び保持部10Bを制御可能であってもよい。
【0049】
制御部19は、例えば、タイヤ運搬機10に設置された、ECU(Electronic Control Unit)、カーナビゲーション装置、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータであってもよい。
【0050】
(サーバの構成)
図5を参照して、本実施形態に係るサーバ20の構成を説明する。
図5は、サーバ20及び端末装置30の構成を示すブロック図である。
図5にブロック図で示されるように、サーバ20は、通信部21と、出力部22と、入力部23と、記憶部24と、制御部25と、を備える。通信部21、出力部22、入力部23、記憶部24、及び制御部25は、有線又は無線で互いに通信可能に接続されている。
【0051】
通信部21は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば4G又は5G等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば有線LAN又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールであってもよい。通信モジュールは、Wi-Fi、Bluetooth、又は赤外線通信等の近距離無線通信規格に対応した通信モジュールであってもよい。本実施形態において、サーバ20は、通信部21を介してネットワーク40に接続される。これによって、サーバ20は、タイヤ運搬機10及び端末装置30等と通信することができる。
【0052】
出力部22は、1つ以上の出力装置を含む。出力部22に含まれる出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ又はランプ等である。出力部22は、画像、音又は光等を出力する。本開示では、出力部22は、信号として情報を外部に出力するという観点から、通信部21を含んでいてもよい。すなわち、本開示において、出力部22を介して情報を出力することは、通信部21を介して情報を送信することを含み得る。
【0053】
入力部23は、1つ入力装置を含む。入力部23に含まれる入力装置は、例えばタッチパネル、カメラ、マイク、及びICカードリーダ等である。入力部23は、サーバ20の利用者による入力操作を受け付ける。
【0054】
記憶部24は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部24は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部24は、サーバ20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部24は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、又はデータベース等を記憶する。記憶部24に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0055】
制御部25は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU等の汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部25は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA又はASICであってもよい。制御部25は、上述した通信部21、出力部22、入力部23、及び記憶部24等の構成要素の機能を含む、サーバ20の機能を実現させるために、それぞれの機能を制御する。
【0056】
(端末装置の構成)
図5を参照して、本実施形態に係る端末装置30の構成を説明する。
図5にブロック図で示されるように、端末装置30は、通信部31と、出力部32と、入力部33と、記憶部34と、制御部35と、を備える。通信部31、出力部32、入力部33、記憶部34、及び制御部35は、有線又は無線で互いに通信可能に接続されている。
【0057】
通信部31は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば4G又は5G等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば有線LAN又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールであってもよい。通信モジュールは、Wi-Fi、Bluetooth、又は赤外線通信等の近距離無線通信規格に対応した通信モジュールであってもよい。本実施形態において、端末装置30は、通信部31を介してネットワーク40に接続される。これによって、端末装置30は、サーバ20等と通信することができる。
【0058】
出力部32は、1つ以上の出力装置を含む。出力部32に含まれる出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ又はランプ等である。出力部32は、画像、音又は光等を出力する。本開示では、出力部32は、信号として情報を外部に出力するという観点から、通信部31を含んでいてもよい。すなわち、本開示において、出力部32を介して情報を出力することは、通信部31を介して情報を送信することを含み得る。
【0059】
入力部33は、1つ入力装置を含む。入力部33に含まれる入力装置は、例えばタッチパネル、カメラ、マイク、及びICカードリーダ等である。入力部33は、端末装置30の利用者による入力操作を受け付ける。
【0060】
記憶部34は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部34は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部34は、端末装置30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部34は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、又はデータベース等を記憶する。記憶部34に記憶された情報は、例えば通信部31を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0061】
制御部35は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU等の汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部35は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA又はASICであってもよい。制御部35は、上述した通信部31、出力部32、入力部33、及び記憶部34等の構成要素の機能を含む、端末装置30の機能を実現させるために、それぞれの機能を制御する。
【0062】
(タイヤ管理システムの動作)
図6を参照して、タイヤ管理システム1の動作を説明する。
図6は、タイヤ管理システム1の動作を示すフローチャートである。
図6に示されるフローチャートには、タイヤ管理システム1に含まれるタイヤ運搬機10、サーバ20、及び端末装置30の動作が示されている。そのため、本動作の説明は、タイヤ管理システム1の制御方法に相当するとともに、タイヤ管理システム1に含まれるタイヤ運搬機10、サーバ20、及び端末装置30のそれぞれの制御方法に相当する。
【0063】
本動作の説明において、
図2に示されるように、タイヤ保管場所60に、複数のタイヤ50が並べて保管されているものとする。タイヤ保管場所60において、タイヤ運搬機10は、地点P1にあるタイヤ50Aを、タイヤ保管場所60内にある地点P2又はタイヤ保管場所60外にある地点P3まで運搬するものとする。なお、
図2において、地点P1は、タイヤ保管場所60内にあるが、タイヤ保管場所60外にあってもよい。また、本動作の説明において、タイヤ運搬機10の記憶部18には、予め、タイヤ運搬機10の運搬対象を特定するための情報として、タイヤ50Aのタイヤ識別情報が記憶されているものとする。
【0064】
再び
図6を参照すると、ステップS101において、タイヤ運搬機10の制御部19は、読取部11を介して、タイヤ運搬機10が運搬するタイヤ50Aに設置された電子タグからタイヤ50Aのタイヤ識別情報を読み取る。
【0065】
タイヤ識別情報の読み取りには、任意の手法が採用可能である。例えば、タイヤ運搬機10の制御部19は、1秒間隔など、所定のタイミングで読取部11を起動させて、読取部11による電子タグのスキャンを繰り返してもよい。これにより、タイヤ運搬機10が地点P1まで移動して、タイヤ50Aに設置された電子タグが読取部11の読み取り可能な範囲内に存在する場合に、読取部11は、タイヤ50Aに設置された電子タグからタイヤ識別情報を読み取ることができる。ただし、制御部19は、保持部10Bを動作させる操作が行われた場合に、読取部11を起動させて、読取部11による電子タグのスキャンを実施してもよい。制御部19は、電子タグから読み取ったタイヤ識別情報を、同じく電子タグから読み取った他の情報と共に、記憶部18に記憶してもよい。他の情報は、例えば、タイヤ50Aのタイヤサイズ、リトレッド回数、製造年月日、型番等、タイヤ50Aに関する任意の情報であってもよい。
【0066】
さらに、タイヤ運搬機10の制御部19は、ステップS101においてタイヤ50Aのタイヤ指示別情報を読み取る際に、タイヤ識別情報に基づいて、タイヤ50Aがタイヤ運搬機10の運搬対象であるか否かを判定してもよい。
【0067】
例えば、タイヤ運搬機10の制御部19は、読取部11により読み取られたタイヤ識別情報を、予め記憶部18に記憶されたタイヤ運搬機10の運搬対象を特定するための情報と比較して、タイヤ50Aがタイヤ運搬機10の運搬対象であるか否かを判定してもよい。タイヤ運搬機10の運搬対象を特定するための情報は、例えば、タイヤ50Aのタイヤ識別情報である。そして、制御部19は、出力部16を介して、タイヤ50Aが運搬対象であるか否かの判定結果を出力してもよい。例えば、出力部16は、タイヤ運搬機10のコックピットに配置されたディスプレイであってもよい。かかる場合、タイヤ運搬機10の運転手が、出力部16であるディスプレイに表示された判定結果を見て、タイヤ50Aが運搬対象であるか否かを確認できる。これにより、タイヤ運搬機10は、運搬対象以外のタイヤ50を誤って運搬することを予防することができる。ただし、出力部16による判定結果の出力は、ディスプレイへの表示に限られず、音声の出力、ランプの点灯等であってもよい。制御部19は、判定結果の出力として、通信部15を介して、サーバ20等に判定結果を送信してもよい。
【0068】
ステップS101において、タイヤ運搬機10の制御部19は、タイヤ識別情報を読み取れなかった場合、或いは、タイヤ識別情報を読み取れたものの、運搬対象であるタイヤ50Aのタイヤ識別情報ではないと判定された場合(ステップS101-No)、ステップS101の処理を繰り返してもよい。
【0069】
一方で、ステップS101において、タイヤ運搬機10の制御部19は、タイヤ識別情報が読み取れた場合、或いは、タイヤ識別情報に基づいてタイヤ50Aが運搬対象であると判定された場合(ステップS101-Yes)、ステップS102の処理を実行する。
【0070】
ステップS102において、タイヤ運搬機10の制御部19は、測位部12を制御して、タイヤ運搬機10の位置情報を生成する。タイヤ運搬機10の位置情報には、例えば、タイヤ運搬機10の位置を示す座標と、座標が計測された日時とが含まれていてもよい。制御部19は、生成したタイヤ運搬機10の位置情報を、タイヤ50Aのタイヤ識別情報と関連付けることで、タイヤ50Aの位置情報として記憶部18に記憶することができる。
【0071】
ステップS103において、タイヤ運搬機10の制御部19は、タイヤ運搬機10がタイヤ50Aを運搬中であるか否かを判定する。
【0072】
タイヤ運搬機10がタイヤ50Aを運搬中あるか否かの判定には、任意の手法が採用可能である。例えば、タイヤ運搬機10の制御部19は、検出部13を介して、タイヤ運搬機10がタイヤ50Aを運搬中であることを検出してもよい。例えば、検出部13は、タイヤ運搬機10の保持部10Bの重量を計測する重量センサを含んでいてもよい。これにより、制御部19は、重量センサで計測された重量が所定の閾値以上である場合に、保持部10Bがタイヤ50Aを保持している、即ち、タイヤ運搬機10がタイヤ50Aを運搬中であると判定することができる。また例えば、検出部13は、タイヤ運搬機10の保持部10Bに設けられた圧力センサを含んでいてもよい。これにより、制御部19は、圧力センサで計測された圧力が所定の閾値以上である場合に、タイヤ運搬機10がタイヤ50Aを運搬中であると判定することができる。或いは、検出部13は、タイヤ運搬機10の保持部10Bを撮像可能な画像センサを含んでいてもよい。これにより、制御部19は、画像センサによって撮像された画像にタイヤ50Aが写っている場合に、タイヤ運搬機10がタイヤ50Aを運搬中であると判定することができる。このように、タイヤ運搬機10は、検出部13を有することにより、タイヤ運搬機10がタイヤ50Aを運搬中であるか否かを精度よく把握することができ、ひいては、タイヤ運搬機10によって運搬されたタイヤ50Aの位置を精度よく把握することができる。
【0073】
或いは、タイヤ運搬機10の制御部19は、読取部11を介して、繰り返しタイヤ識別情報を読み取ることで、タイヤ運搬機10がタイヤ50Aを運搬中であるか否かを判定してもよい。具体的には、制御部19は、タイヤ50Aのタイヤ識別情報が読み取られたのち、タイヤ識別情報が継続して読み取られている間には、タイヤ運搬機10がタイヤ50Aを運搬中であると判定してもよい。一方で、制御部19は、タイヤ50Aのタイヤ識別情報が読み取られたのち、再びタイヤ識別情報が読み取られなくなったときに、タイヤ50Aの運搬が終了したと判定してもよい。これにより、タイヤ運搬機10は、読取部11を利用して、電子タグの読み取りに加え、タイヤ運搬機10がタイヤ50Aを運搬中であるか否かの判定を行える。したがって、タイヤ運搬機10が検出部13を備えていなくてもよい分、タイヤ運搬機10の製造コスト及びメンテナンスコスト等を抑えることができる。
【0074】
なお、制御部19は、タイヤ50Aのタイヤ識別情報が読み取られたのち、複数回連続してタイヤ識別情報が読み取られなくなったときに、タイヤ50Aの運搬が終了したと判定してもよい。これにより、読取部11が、タイヤ50Aの運搬が終了したことを検出する精度を向上させることができる。
【0075】
ステップS103において、タイヤ運搬機10の制御部19は、タイヤ運搬機10がタイヤ50Aを運搬中であると判定した場合(ステップS103-Yes)、ステップS102からの処理を繰り返してもよい。このとき、制御部19は、既に記憶部18に記憶されているタイヤ50Aの位置情報を削除してから、或いは、既に記憶部18に記憶されているタイヤ50Aの位置情報を上書きするように、ステップS102にて新たに生成した位置情報を記憶してもよい。これにより、タイヤ50Aに関する情報の重複管理の発生を予防することができ、また、記憶部18の使用量を抑制することができる。一方で、制御部19は、既に記憶部18に記憶されているタイヤ50Aの位置情報に加えてステップS102にて新たに生成した位置情報を、タイヤ50Aの一連の位置情報として記憶してもよい。これにより、タイヤ50Aの一連の位置情報は、時系列情報として、
図2において矢印で示されるようなタイヤ50Aの移動経路を生成するために利用することができる。
【0076】
一方で、ステップS103において、タイヤ運搬機10の制御部19は、タイヤ運搬機10がタイヤ50Aを運搬中ではないと判定した場合、すなわち、タイヤ50Aの運搬が終了したと判定した場合(ステップS103-No)、ステップS104以降の処理を実行する。このとき、制御部19は、ステップS102において最後に生成されたタイヤ50Aの位置情報を、タイヤ50Aの運搬が終了した地点の位置情報としても記憶部18に記憶してもよい。これにより、制御部19は、測位部12を介して、タイヤ50Aの運搬が終了した地点の位置情報を生成することができる。
【0077】
ステップS104において、タイヤ運搬機10の制御部19は、タイヤ50Aの運搬が終了した地点の位置情報に基づいて、タイヤ50Aがタイヤ保管場所60内に保管されたか否かを判定する。
【0078】
タイヤ50Aがタイヤ保管場所60内に保管されたか否かの判定には、任意の手法が採用可能である。タイヤ運搬機10の制御部19は、タイヤ保管場所60の位置情報を記憶部18に予め記憶していてもよい。タイヤ保管場所60の位置情報は、タイヤ保管場所60が位置する領域の、2次元座標又は3次元座標等の座標である。これにより、制御部19は、タイヤ50Aの運搬が終了したと判定した場合に、タイヤ50Aの運搬が終了した地点の位置情報と、タイヤ保管場所60の位置情報とを比較して、タイヤ50Aがタイヤ保管場所60内に保管されたか否かを判定することができる。
【0079】
例えば、
図2において、タイヤ運搬機10が、地点P1から地点P2までタイヤ50Aを運搬したとする。この場合、タイヤ50Aの運搬が終了した地点P2の位置情報がタイヤ保管場所60内にあるため、制御部19は、タイヤ50Aがタイヤ保管場所60内に保管されたと判定することができる。一方で、タイヤ運搬機10が、地点P1から地点P3までタイヤ50Aを運搬したとする。この場合、タイヤ50Aの運搬が終了した地点P3の位置情報がタイヤ保管場所60外にあるため、制御部19は、タイヤ50Aがタイヤ保管場所60内に保管されなかったと判定することができる。制御部19は、タイヤ50Aがタイヤ保管場所60内に保管されたか否かの判定結果を、タイヤ50Aのタイヤ識別情報と関連付けて、記憶部18に記憶する。これにより、タイヤ50Aのタイヤ識別情報に関連付けて、位置情報とともに、タイヤ50Aがタイヤ保管場所60に保管されているか否かの情報を管理することができる。制御部19は、例えば、タイヤ50Aがタイヤ保管場所60に保管されていない場合には、タイヤ50Aが、建設車両、工事車両又は重機車両等の車両70に装着されたものとして、タイヤ50Aをタイヤ管理システム1の管理対象から除外することもできる。ただし、タイヤ50Aがタイヤ保管場所60内に保管されたか否かの判定には、他の手法が採用されてもよい。例えば、制御部19は、入力部17を介して、タイヤ50Aがタイヤ保管場所60内に保管されたか否かの情報を入力する入力操作を受け付け、入力された情報に基づいて判断してもよい。
【0080】
再び
図6を参照すると、ステップS105において、タイヤ運搬機10の制御部19は、撮像部14を介して、タイヤ50Aの撮像画像を生成する。
【0081】
タイヤ50Aの撮像画像の生成には、任意の手法が採用可能である。例えば、タイヤ運搬機10の制御部19は、撮像部14を制御して、保持部10Bによって保持されているタイヤ50Aの外表面を撮像してもよい。タイヤ50Aの外表面は、例えば、トレッド部分又はタイヤサイド部分の外表面であるが、これらに限られない。タイヤ50Aの撮像画像は、タイヤ50Aの損傷状態を把握するために用いられる。タイヤ50Aの損傷状態は、例えば、タイヤ外表面における傷の有無、又はタイヤ溝の残ゲージ等である。撮像部14がサーモグラフィカメラを備える場合、タイヤ50Aの撮像画像は、サーモグラフィ画像とされてもよい。一般に、タイヤ50において傷の部分と他の部分では表面温度が異なるため、サーモグラフィ画像は、タイヤ外表面の傷を検出する際に有益である。制御部19は、生成したタイヤ50Aの撮像画像を、タイヤ50Aのタイヤ識別情報と関連付けて、記憶部18に記憶する。これにより、タイヤ運搬機10は、タイヤ運搬機10によって運搬されたタイヤ50Aの位置に加えて、タイヤ50Aの損傷状態を把握することができる。
【0082】
さらに、タイヤ運搬機10の制御部19は、ステップS105において撮像部14を介してタイヤ50Aの撮像画像を生成する際に、保持部10Bを制御して、保持部10Bが保持しているタイヤ50Aの、撮像部14に対する位置又は角度を変更させてもよい。具体的には、制御部19は、保持部10Bを制御して、保持部10Bが保持しているタイヤ50Aを上下移動、左右移動、又は回転等させる。これにより、制御部19は、撮像部14を介して、タイヤ50Aの略全周等、タイヤ50Aのより多くの部分の撮像画像を撮像することができる。撮像部14によって1度に生成されるタイヤ50Aの撮像画像は、1つであってもよく、複数であってもよい。
【0083】
ステップS106において、タイヤ運搬機10の制御部19は、出力部16を介して、タイヤ50Aのタイヤ識別情報とタイヤ50Aの運搬が終了した地点の位置情報とを関連付けて出力する。言い換えると、制御部19は、出力部16を介して、タイヤ識別情報及びタイヤ50Aの運搬が終了した地点の位置情報を含む、タイヤ50Aに関する情報を出力する。タイヤ50Aの運搬が終了した地点の位置情報には、例えば、タイヤ50Aの運搬が終了した地点を示す座標と、座標が計測された日時とが含まれていてもよい。
【0084】
タイヤ50Aに関する情報の出力には、任意の手法が採用可能である。例えば、出力部16は、タイヤ運搬機10の運転手がいるコックピットに配置されたディスプレイであってもよい。或いは、制御部19は、タイヤ50Aに関する情報の出力として、通信部15を介して、サーバ20等にタイヤ50Aに関する情報を送信してもよい。その結果、サーバ20が、タイヤ50Aに関する情報を、作業員が利用する端末装置30に送信することができる。これにより、運転手又は作業員は、タイヤ保管場所60に保管された複数のタイヤ50の中において、タイヤ運搬機10によって運搬されたタイヤ50Aの位置を正確に把握することができる。したがって、本開示に係るタイヤ運搬機10によれば、タイヤに設置された電子タグの情報を活用する技術の有用性が向上する。
【0085】
タイヤ運搬機10から出力されるタイヤ50Aに関する情報には、タイヤ50Aのタイヤ識別情報及びタイヤ50Aの運搬が終了した地点の位置情報以外の情報が含まれていてもよい。例えば、タイヤ50Aに関する情報には、タイヤ50Aの移動経路を示す時系列情報として、タイヤ50Aの一連の位置情報が含まれていてもよい。また例えば、タイヤ50Aに関する情報には、タイヤ50Aのタイヤ識別情報及び位置情報に加え、上述した、タイヤ50Aがタイヤ保管場所60内に保管されたか否かの情報、タイヤ50Aの撮像画像、又は電子タグから読み取られたタイヤ識別情報以外のタイヤ50Aに関する情報等が含まれていてもよい。これにより、タイヤ管理システム1の利用者は、タイヤ運搬機10によって運搬されたタイヤ50Aの位置に加えて、タイヤ50Aに関する付加的な情報を、タイヤの電子タグに記憶された情報とともに管理することができる。したがって、本開示に係るタイヤ運搬機10によれば、タイヤに設置された電子タグの情報を活用する技術の有用性が更に向上する。
【0086】
ステップS107において、サーバ20の制御部25は、通信部21を介して、タイヤ運搬機10からタイヤ50Aに関する情報を受信する。タイヤ50Aに関する情報には、例えば、タイヤ50Aのタイヤ識別情報及びタイヤ50Aの運搬が終了した地点の位置情報が含まれるが、これらに加えて、タイヤ50Aの移動経路を示す時系列情報、タイヤ50Aがタイヤ保管場所60内に保管されたか否かの情報、タイヤ50Aの撮像画像、又は電子タグから読み取られたタイヤ識別情報以外のタイヤ50Aに関する情報等の情報が含まれていてもよい。制御部25は、受信したタイヤ50Aに関する情報を記憶部24に記憶する。これにより、サーバ20は、タイヤ運搬機10によって運搬されたタイヤ50Aの位置に加えて、タイヤ50Aに関する付加的な情報の管理を可能にすることができる。
【0087】
ステップS108において、サーバ20の制御部25は、タイヤ50Aの撮像画像に基づいて、タイヤ50Aの損傷状態を判定してもよい。
【0088】
例えば、制御部25は、タイヤ50の撮像画像とタイヤ50の損傷状態との対応付けアルゴリズムを記憶部24に予め記憶していてもよい。制御部25は、対応付けアルゴリズムを用いて、タイヤ50Aの撮像画像に基づいて、タイヤ50Aの損傷状態を判定する。例えば、制御部25は、対応付けアルゴリズムを用いて、タイヤ50Aの撮像画像に基づいて、タイヤ50外表面における傷の有無を判定してもよい。更に、制御部25は、対応付けアルゴリズムを用いて、タイヤ50Aの撮像画像に写る傷の長さ、開き具合、形状、色等の情報に基づいて、その傷の深さを判定してもよい。また例えば、制御部25は、対応付けアルゴリズムを用いて、タイヤ50Aの撮像画像に写るトレッドのタイヤ溝の幅、形状、色等に基づいて、タイヤ溝の残ゲージを判定してもよい。制御部25は、これらの判定結果を、タイヤ50Aの損傷状態として、タイヤ50Aのタイヤ識別情報と関連付けて、記憶部24に記憶してもよい。これにより、サーバ20は、タイヤ50Aのタイヤ識別情報に関連付けて、タイヤ50Aの位置情報とともに、タイヤ50Aの損傷状態の管理を可能にすることができる。
【0089】
対応付けアルゴリズムは、機械学習又はディープラーニング等の統計的手法により設定されてもよい。例えば、対応付けアルゴリズムは、過去の1つ以上のタイヤ50の撮像画像と、人間等によるそのタイヤ50の実際の損傷状態の評価結果とに基づいて、統計的手法により設定されてもよい。これにより、タイヤ50の損傷状態の判定精度が更に向上する。
【0090】
ステップS109において、サーバ20の制御部25は、タイヤ50Aの位置をマッピングした画像を生成する。
【0091】
具体的には、サーバ20の制御部25は、タイヤ運搬機10から受信したタイヤ50Aの位置情報に基づいて、タイヤ50Aの位置を、タイヤ保管場所60の地図等の画像にマッピングしてもよい。或いは、制御部25は、タイヤ運搬機10から受信したタイヤ50Aの位置情報に基づいて、タイヤ50Aの位置を、タイヤ保管場所60をドローン等で撮影した写真又は動画等の画像にマッピングしてもよい。
【0092】
ステップS109において、サーバ20の制御部25は、出力部22を介して、タイヤ50Aの位置をマッピングした画像を出力してもよい。例えば、制御部25は、サーバ20の出力部16に含まれるディスプレイに、タイヤ50Aの位置をマッピングした画像を表示してもよい。或いは、制御部25は、タイヤ50Aの位置をマッピングした画像の出力として、通信部21を介して、タイヤ運搬機10又は端末装置30に、タイヤ50Aの位置をマッピングした画像を表示させる指示を送信してもよい。これにより、タイヤ運搬機10又は端末装置30が、ディスプレイ等に、タイヤ50Aの位置をマッピングした画像を表示することができる。その結果、運転手又は作業員は、タイヤ保管場所60に保管された複数のタイヤ50の中において、タイヤ運搬機10によって運搬されたタイヤ50Aの位置を正確に把握しやすくなる。したがって、本開示に係るタイヤ運搬機10によれば、タイヤに設置された電子タグの情報を活用する技術の有用性が向上する。
【0093】
以上述べたように、本実施形態において、タイヤ運搬機10は、読取部11と、測位部12と、出力部16と、制御部19とを備える。制御部19は、読取部11を介して、タイヤ運搬機10が運搬するタイヤ50Aに設置された電子タグからタイヤ50Aのタイヤ識別情報を読み取る。制御部19は、測位部12を介して、タイヤ50Aの運搬が終了した地点P2の位置情報を生成する。そして、制御部19は、出力部16を介して、タイヤ識別情報と位置情報とを関連付けて出力する。
【0094】
かかる構成によれば、タイヤ管理システム1において、タイヤ運搬機10によって運搬されたタイヤ50Aの位置を把握することができる。これにより、タイヤ管理システム1の利用者は、タイヤ保管場所60におけるタイヤ位置の把握が容易になり、タイヤ交換に伴う作業効率が向上する。したがって、本実施形態によれば、タイヤ50に設置された電子タグの情報を活用し、タイヤ保管・交換にかかる情報管理と作業効率を向上させることができる。
【0095】
本開示を諸図面及び実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各実施形態に含まれる構成又は機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能である。また、各実施形態に含まれる構成又は機能等は、他の実施形態に組み合わせて用いることができ、複数の構成又は機能等を1つに組み合わせたり、分割したり、或いは一部を省略したりすることが可能である。
【0096】
例えば、上述した実施形態において、サーバ20の機能又は処理として説明された機能又は処理の全部又は一部が、タイヤ運搬機10又は端末装置30の機能又は処理として実現されてもよい。具体的には、実施形態に係るサーバ20の機能又は処理の全部又は一部を実現する処理内容を記述したプログラムを、タイヤ運搬機10の記憶部18に記憶し、制御部19によって当該プログラムを読み出して実行させてもよい。或いは、実施形態に係るサーバ20の機能又は処理の全部又は一部を実現する処理内容を記述したプログラムを、端末装置30の記憶部34に記憶し、制御部35によって当該プログラムを読み出して実行させてもよい。同様に、タイヤ運搬機10の機能又は処理として説明された機能又は処理の全部又は一部が、サーバ20又は端末装置30の機能又は処理として実現されてもよく、端末装置30の機能又は処理として説明された機能又は処理の全部又は一部が、タイヤ運搬機10又はサーバ20の機能又は処理として実現されてもよい。
【0097】
また例えば、汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係るタイヤ運搬機10の制御部19、サーバ20、端末装置30として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係るタイヤ運搬機10の制御部19、サーバ20、端末装置30の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ読取可能な媒体としても実現可能である。非一時的なコンピュータ読取可能な媒体には、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリ等が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本開示はタイヤ運搬機及びタイヤ運搬機の制御方法に関する。
【0099】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
持続可能な社会の実現に向けて、SDGsが提唱されている。本発明の一実施形態は「No.9_産業と技術革新の基盤を作ろう」などに貢献する技術となり得ると考えられる。
【符号の説明】
【0100】
1:タイヤ管理システム、 10:タイヤ運搬機、 10A:本体、 10B:保持部、 11:読取部、 12:測位部、 13:検出部、 14:撮像部、 15:通信部、 16:出力部、 17:入力部、 18:記憶部、 19:制御部、 20:サーバ、 21:通信部、 22:出力部、 23:入力部、 24:記憶部、 25:制御部、 30:端末装置、 31:通信部、 32:出力部、 33:入力部、 34:記憶部、 35:制御部、 40:ネットワーク、 50:タイヤ、 60:タイヤ保管場所、 70:車両、 P1、P2、P3:地点