(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034474
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】タイヤ情報表示システム及びタイヤ情報表示システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20240306BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20240306BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G06K7/10 100
G06K19/06 037
G06K19/077 232
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138718
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100211395
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】山田 耕太郎
(57)【要約】 (修正有)
【課題】タイヤから情報を取得し表示する技術の有用性を向上させる、タイヤ情報表示システム及びタイヤ情報表示システムの制御方法を提供する。
【解決手段】スマートフォン等の撮像装置40を有するコード撮像サブシステム3と、読取装置10、二次元コード生成装置20及び二次元コード表示装置30が、ネットワーク50により有線又は無線で相互に通信可能に接続されるコード表示サブシステム2と、を含むタイヤ情報表示システム1であって、読取装置は、タイヤに設置された電子タグからタイヤ情報を読み取り、前記タイヤ情報を二次元コード生成装置に送信する。二次元コード生成装置は、前記タイヤ情報から二次元コードを生成し、前記二次元コードを二次元コード表示装置に送信する。二次元コード表示装置は、前記二次元コードを表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取装置と、二次元コード生成装置と、二次元コード表示装置とを含むタイヤ情報表示システムであって、
前記読取装置は、タイヤに設置された電子タグからタイヤ情報を読み取り、前記タイヤ情報を前記二次元コード生成装置に送信するように構成され、
前記二次元コード生成装置は、前記タイヤ情報から二次元コードを生成し、前記二次元コードを前記二次元コード表示装置に送信するように構成され、
前記二次元コード表示装置は、前記二次元コードを表示するように構成されている、タイヤ情報表示システム。
【請求項2】
前記二次元コード表示装置は、前記タイヤが設置される車両の車体に配置されている、請求項1に記載のタイヤ情報表示システム。
【請求項3】
前記二次元コード表示装置は、前記車体において、前記車体の側面の前記タイヤよりも高い位置、或いは、前記車体の上面に配置されている、請求項2に記載のタイヤ情報表示システム。
【請求項4】
前記二次元コード表示装置は、不揮発性ディスプレイを備える、請求項1に記載のタイヤ情報表示システム。
【請求項5】
前記二次元コード表示装置は、それぞれが異なるタイヤ情報から生成された複数の二次元コードを受信した場合に、前記複数の二次元コードのうち、前記読取装置が前記タイヤ情報を読み取った際の信号強度が最も強い二次元コードを表示するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のタイヤ情報表示システム。
【請求項6】
前記二次元コード表示装置は、それぞれが異なるタイヤ情報から生成された複数の二次元コードを受信した場合に、前記複数の二次元コードを並べて表示するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のタイヤ情報表示システム。
【請求項7】
前記読取装置は、前記車両の前記車体又はホイールに配置されている、請求項2に記載のタイヤ情報表示システム。
【請求項8】
前記読取装置は、前記車両の走行ルート上に配置されている、請求項2に記載のタイヤ情報表示システム。
【請求項9】
前記タイヤ情報表示システムは、撮像装置を更に含み、
前記撮像装置は、
撮像した画像に、前記二次元コード表示装置によって表示された前記二次元コードが写っている場合に、前記二次元コードからコード情報を読み取り、
撮像した前記画像に前記コード情報を重畳させたARコンテンツを出力するように構成されている、請求項1に記載のタイヤ情報表示システム。
【請求項10】
前記撮像装置は、ドローンである、請求項9に記載のタイヤ情報表示システム。
【請求項11】
読取装置と、二次元コード生成装置と、二次元コード表示装置とを含むタイヤ情報表示システムの制御方法であって、
前記読取装置により、タイヤに設置された電子タグからタイヤ情報を読み取り、前記タイヤ情報を前記二次元コード生成装置に送信することと、
前記二次元コード生成装置により、前記タイヤ情報から二次元コードを生成し、前記二次元コードを前記二次元コード表示装置に送信することと、
前記二次元コード表示装置により、前記二次元コードを表示することと、
を含む、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タイヤ情報表示システム及びタイヤ情報表示システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤから情報を取得し表示する技術が知られている。例えば、特許文献1には、タイヤのタイヤサイド部に二次元コードを配置し、二次元コードを読み取ることにより情報を取得する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、タイヤの表面が泥で汚れる、或いは、傷つくことにより、二次元コードを読み取ることができない場合があった。また、近年、RFタグなどの電子タグをタイヤに設置する試みが開始されている。これらの事情を鑑みて、タイヤから情報を取得し表示する技術の更なる有用性の向上が求められている。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、タイヤから情報を取得し表示する技術の有用性を向上させる、タイヤ情報表示システム及びタイヤ情報表示システムの制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔1〕本開示の一実施形態に係るタイヤ情報表示システムは、読取装置と、二次元コード生成装置と、二次元コード表示装置とを含むタイヤ情報表示システムであって、前記読取装置は、タイヤに設置された電子タグからタイヤ情報を読み取り、前記タイヤ情報を前記二次元コード生成装置に送信するように構成され、前記二次元コード生成装置は、前記タイヤ情報から二次元コードを生成し、前記二次元コードを前記二次元コード表示装置に送信するように構成され、前記二次元コード表示装置は、前記二次元コードを表示するように構成されている。
本開示の一実施形態に係るタイヤ情報表示システムによれば、タイヤの表面に汚れ又は傷等が付着した場合であってもタイヤからタイヤ情報を読み取ることができる。そして、当該タイヤ情報表示システムによれば、読み取られたタイヤ情報を、電子タグのように特別な読取装置を必要とせず、汎用性の高い二次元コードとして表示することができる。したがって、タイヤから情報を取得し表示する技術の有用性が向上する。
【0007】
〔2〕本開示の一実施形態に係るタイヤ情報表示システムは、上記〔1〕に記載のタイヤ情報表示システムであって、前記二次元コード表示装置は、前記タイヤが設置される車両の車体に配置されている、タイヤ情報表示システムであることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ情報表示システムによれば、車両の走行に伴い、二次元コード表示装置に表示された二次元コードの視認性が低下しにくい。
【0008】
〔3〕本開示の一実施形態に係るタイヤ情報表示システムは、上記〔2〕に記載のタイヤ情報表示システムであって、前記二次元コード表示装置は、前記車体において、前記車体の側面の前記タイヤよりも高い位置、或いは、前記車体の上面に配置されている、タイヤ情報表示システムであることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ情報表示システムによれば、二次元コード表示装置に表示された二次元コードの視認性が更に向上する。
【0009】
〔4〕本開示の一実施形態に係るタイヤ情報表示システムは、上記〔1〕から〔3〕のいずれか一項に記載のタイヤ情報表示システムであって、前記二次元コード表示装置は、不揮発性ディスプレイを備える、タイヤ情報表示システムであることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ情報表示システムによれば、二次元コードをディスプレイに表示後、電力供給なしでも二次元コードを表示し続けることができるため、長時間に亘って二次元コードを表示する際に有利である。
【0010】
〔5〕本開示の一実施形態に係るタイヤ情報表示システムは、上記〔1〕から〔4〕のいずれか一項に記載のタイヤ情報表示システムであって、前記二次元コード表示装置は、それぞれが異なるタイヤ情報から生成された複数の二次元コードを受信した場合に、前記複数の二次元コードのうち、前記読取装置が前記タイヤ情報を読み取った際の信号強度が最も強い二次元コードを表示するように構成されている、タイヤ情報表示システムであることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ情報表示システムによれば、二次元コード表示装置に所望のタイヤに関する二次元コードを表示させることができる。
【0011】
〔6〕本開示の一実施形態に係るタイヤ情報表示システムは、上記〔1〕から〔4〕のいずれか一項に記載のタイヤ情報表示システムであって、前記二次元コード表示装置は、それぞれが異なるタイヤ情報から生成された複数の二次元コードを受信した場合に、前記複数の二次元コードを並べて表示するように構成されている、タイヤ情報表示システムであることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ情報表示システムによれば、システムにおいて必要となる二次元コード表示装置の数を減らすことができ、システムの導入コスト及びメンテナンスコストを抑えることができる。
【0012】
〔7〕本開示の一実施形態に係るタイヤ情報表示システムは、上記〔2〕に記載のタイヤ情報表示システムであって、前記読取装置は、前記車両の前記車体又はホイールに配置されている、タイヤ情報表示システムであることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ情報表示システムによれば、車両に装着されたタイヤから、より精度よくタイヤ情報を読み取ることができる。
【0013】
〔8〕本開示の一実施形態に係るタイヤ情報表示システムは、上記〔2〕に記載のタイヤ情報表示システムであって、前記読取装置は、前記車両の走行ルート上に配置されている、タイヤ情報表示システムであることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ情報表示システムによれば、比較的高額な読取装置を車両ごとに設置する必要がなくなり、システムの導入コスト及びメンテナンスコストを抑えることができる。
【0014】
〔9〕本開示の一実施形態に係るタイヤ情報表示システムは、上記〔1〕から〔8〕のいずれか一項に記載のタイヤ情報表示システムであって、前記タイヤ情報表示システムは、撮像装置を更に含み、前記撮像装置は、撮像した画像に、前記二次元コード表示装置によって表示された前記二次元コードが写っている場合に、前記二次元コードからコード情報を読み取り、撮像した前記画像に前記コード情報を重畳させたARコンテンツを出力するように構成されている、タイヤ情報表示システムであることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ情報表示システムによれば、タイヤから情報を取得し表示する技術の有用性が更に向上する。
【0015】
〔10〕本開示の一実施形態に係るタイヤ情報表示システムは、上記〔9〕に記載のタイヤ情報表示システムであって、前記撮像装置は、ドローンである、タイヤ情報表示システムであることが好ましい。かかる構成を有するタイヤ情報表示システムによれば、タイヤから情報を取得し表示する技術の有用性が更に向上する。
【0016】
〔11〕本開示の一実施形態に係る制御方法は、読取装置と、二次元コード生成装置と、二次元コード表示装置とを含むタイヤ情報表示システムの制御方法であって、前記読取装置により、タイヤに設置された電子タグからタイヤ情報を読み取り、前記タイヤ情報を前記二次元コード生成装置に送信することと、前記二次元コード生成装置により、前記タイヤ情報から二次元コードを生成し、前記二次元コードを前記二次元コード表示装置に送信することと、前記二次元コード表示装置により、前記二次元コードを表示することと、を含む。
本開示の一実施形態に係るタイヤ情報表示システムの制御方法によれば、タイヤの表面に汚れ又は傷等が付着した場合であってもタイヤからタイヤ情報を読み取ることができる。そして、当該制御方法によれば、読み取られたタイヤ情報を、電子タグのように特別な読取装置を必要とせず、汎用性の高い二次元コードとして表示することができる。したがって、タイヤから情報を取得し表示する技術の有用性が向上する。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、タイヤから情報を取得し表示する技術の有用性を向上させる、タイヤ情報表示システム及びタイヤ情報表示システムの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の一実施形態に係るタイヤ情報表示システムの概略構成を示す図である。
【
図2】第1の実施形態におけるタイヤ情報表示システムを搭載した車両を概略的に示す斜視図である。
【
図3】
図1に示される読取装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示される二次元コード生成装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1に示される二次元コード表示装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】
図1に示される撮像装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】
図1に示されるタイヤ情報表示システムの動作を示すフローチャートである。
【
図8】
図1に示される撮像装置により
図2に示される車両を撮像した際に表示されるARコンテンツの一例を示す図である。
【
図9】第2の実施形態におけるタイヤ情報表示システムを概略的に示す概略図である。
【
図10】第3の実施形態におけるタイヤ情報表示システムを概略的に示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の一実施形態に係るタイヤ情報表示システムについて、図面を参照して説明する。各図において共通する部材及び部位には同一の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意されたい。
【0020】
(タイヤ情報表示システムの構成)
はじめに、
図1を参照して、本実施形態に係るタイヤ情報表示システム1の概要について説明する。
図1は、タイヤ情報表示システム1の概略構成を示す図である。
図1に示されるように、タイヤ情報表示システム1は、読取装置10と、二次元コード生成装置20と、二次元コード表示装置30と、撮像装置40とを含む。
図1では、それぞれ1つの読取装置10、二次元コード生成装置20、二次元コード表示装置30、及び撮像装置40が示されている。しかしながら、タイヤ情報表示システム1は、任意の数の読取装置10、二次元コード生成装置20、二次元コード表示装置30、及び撮像装置40を含んでいてもよい。
【0021】
読取装置10、二次元コード生成装置20、二次元コード表示装置30、及び撮像装置40は、詳細は後述するが、それぞれ1つ以上のコンピュータで構成されている。コンピュータは、例えばスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等であるがこれらに限られない。
【0022】
図1に示されるように、タイヤ情報表示システム1は、大きく、読取装置10と、二次元コード生成装置20と、二次元コード表示装置30とを含む、コード表示サブシステム2と、撮像装置40を含むコード撮像サブシステム3とで構成されていてもよい。
【0023】
読取装置10、二次元コード生成装置20、及び二次元コード表示装置30は、ネットワーク50により、有線又は無線で相互に通信可能に接続されていてもよい。例えば、ネットワーク50は、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応した通信網、有線LAN(Local Area Network)又は無線LAN等の規格に対応した通信網、或いは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又は赤外線通信等の近距離無線通信規格に対応した通信網であってもよい。また、ネットワーク50は、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワーク、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、アドホックネットワーク、MAN(Metropolitan Area Network)、セルラーネットワーク、WPAN(Wireless Personal Area Network)、PSTN(Public Switched Telephone Network)、地上波無線ネットワーク(Terrestrial Wireless Network)、光ネットワークもしくは他のネットワーク又はこれらいずれかの組み合わせを含んでいてもよい。
【0024】
(タイヤ情報表示システムの第1の実施形態)
図2を参照して、本開示に係るタイヤ情報表示システム1の第1の実施形態である、タイヤ情報表示システム1Aについて説明する。
図2は、第1の実施形態におけるタイヤ情報表示システム1A(より詳細には、コード表示サブシステム2)を搭載した車両60を概略的に示す斜視図である。本実施形態では、
図2に示されるように、2つのコード表示サブシステム2A及び2Bが、それぞれ、車両60の前輪タイヤ61A及び後輪タイヤ61Bの近傍に設置されている。コード表示サブシステム2Aは、読取装置10Aと、二次元コード生成装置20Aと、二次元コード表示装置30Aとを含む。また、コード表示サブシステム2Bは、読取装置10Bと、二次元コード生成装置20Bと、二次元コード表示装置30Bとを含む。以降の説明において、コード表示サブシステム2A及び2B、読取装置10A及び10B、二次元コード生成装置20A及び20B、二次元コード表示装置30A及び30B、並びにタイヤ61A及び61Bを、特段の区別をしない場合、それぞれを、単に、コード表示サブシステム2、読取装置10、二次元コード生成装置20、二次元コード表示装置30、並びにタイヤ61と、総称する。
【0025】
車両60は、例えば、鉱山サイト等において利用される、建設・鉱山車両である。しかしながら、車両60は、鉱山サイト等において用いられる車両以外の建設車両、工事車両又は重機車両等の車両であってもよい。或いは、車両60は、トラック、バス、乗用車、バイク、自転車、又は飛行機等、タイヤ61を装着可能な任意の車両であってもよい。
【0026】
タイヤ61は、電子タグ62が設置されてたタイヤである。電子タグ62は、例えば、RF(Radio Frequency)タグである。RFタグは、RFID(Radio Frequency Identification)タグとも称される。電子タグ62は、パッシブ型の電子タグであってもよく、或いは、アクティブ型の電子タグであってもよい。本実施形態では、電子タグ62は、タイヤ61を構成するゴムの内部に埋設されているが、これに限られず、タイヤ61の任意の位置に設置されていてもよい。
【0027】
読取装置10は、タイヤ61に設置された電子タグ62からタイヤ情報を読み取り、タイヤ情報を二次元コード生成装置20に送信する。二次元コード生成装置20は、タイヤ情報から二次元コードを生成し、二次元コードを二次元コード表示装置30に送信する。そして、二次元コード表示装置30は、二次元コードを表示する。その結果、例えば、スマートフォン等の撮像装置40により、二次元コード表示装置30に表示された二次元コードを撮像することで、タイヤ61に設置された電子タグ62のタイヤ情報を取得することができる。
【0028】
これにより、タイヤ情報表示システム1では、タイヤ61の表面に二次元コードを張り付けるのではなく、タイヤ61に設置された電子タグ62のタイヤ情報を読み取るため、タイヤ61の表面に汚れ又は傷等が付着した場合であっても、タイヤ61からタイヤ情報を読み取ることができる。また、タイヤ情報表示システム1では、電子タグ62から取得されたタイヤ情報が二次元コード表示装置30に二次元コードとして表示されることで、タイヤ61からのタイヤ情報の取得を、一般的に高価な、電子タグ62の読取装置等を使わずとも、より安価なスマートフォン等の撮像装置40により実現することができる。したがって、タイヤ61から情報を取得し表示する技術の有用性が向上する。
【0029】
図2に示されるように、本実施形態では、二次元コード表示装置30A及び30Bは、それぞれタイヤ61A及び61Bが取り付けられる車両60の車体63に配置されている。これにより、二次元コード表示装置30がタイヤ61又はホイールに設置されている場合に比べて、車両60の走行に伴いタイヤ61が回転していても、二次元コード表示装置30に表示された二次元コードの視認性が低下しにくい。また、二次元コード表示装置30A及び30Bは、車両60の車体63において、車体63の側面のタイヤ61A及び61Bよりも高い位置に配置されている。これにより、車両60の走行に伴い、泥で汚れる、或いは、傷つくことにより、二次元コード表示装置30に表示された二次元コードの視認性が低下しにくい。なお、二次元コード表示装置30は、車両60の車体63において、タイヤ61の回転軸よりも高い位置に配置されていることが好ましく、タイヤ61の上端よりも高い位置に配置されていることがさらに好ましい。ただし、二次元コード表示装置30は、車両60又はホイールの任意の位置に設置されていてもよい。
【0030】
次に、タイヤ情報表示システム1に含まれる読取装置10、二次元コード生成装置20、二次元コード表示装置30、及び撮像装置40について、詳細に説明する。
【0031】
(読取装置の構成)
図3を参照して、本実施形態に係る読取装置10の構成を説明する。
図3は、
図1に示される読取装置10の構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、読取装置10は、読取部11と、通信部12と、記憶部13と、制御部14と、を備える。読取部11、通信部12、記憶部13、及び、制御部14は、有線又は無線で互いに通信可能に接続されている。
【0032】
読取部11は、タイヤ61に設置された電子タグ62に記憶されたタイヤ情報を読み取る読取機である。電子タグ62は、例えば、RFタグである。RFタグは、RFIDタグとも称される。電子タグ62は、パッシブ型の電子タグであってもよく、或いは、アクティブ型の電子タグであってもよい。タイヤ61に設置された電子タグ62に記憶されたタイヤ情報には、例えば、そのタイヤ61を一意に識別可能なタイヤ識別情報(ID)、タイヤ61のタイヤサイズ、リトレッド回数、製造年月日、型番等、タイヤ61に関する任意の情報が含まれていてもよい。
【0033】
通信部12は、ネットワーク50に接続するための通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば4G又は5G等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば有線LAN又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールであってもよい。通信モジュールは、Wi-Fi、Bluetooth、又は赤外線通信等の近距離無線通信規格に対応した通信モジュールであってもよい。本実施形態において、読取装置10は、通信部12を介してネットワーク50に接続される。これによって、読取装置10は、二次元コード生成装置20又は二次元コード表示装置30等と通信することができる。
【0034】
記憶部13は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部13は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部13は、読取装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、又はデータベース等を記憶する。記憶部13に記憶された情報は、例えば通信部12を介してネットワーク50から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0035】
制御部14は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部14は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよい。制御部14は、上述した、読取部11、通信部12、及び記憶部13等の構成要素の機能を含む、読取装置10の機能を実現させるために、それぞれの構成要素を制御する。
【0036】
(二次元コード生成装置の構成)
図4を参照して、本実施形態に係る二次元コード生成装置20の構成を説明する。
図4は、二次元コード生成装置20の構成を示すブロック図である。
図4にブロック図で示されるように、二次元コード生成装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。通信部21、記憶部22、及び制御部23は、有線又は無線で互いに通信可能に接続されている。
【0037】
通信部21は、ネットワーク50に接続する通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば4G又は5G等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば有線LAN又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールであってもよい。通信モジュールは、Wi-Fi、Bluetooth、又は赤外線通信等の近距離無線通信規格に対応した通信モジュールであってもよい。本実施形態において、二次元コード生成装置20は、通信部21を介してネットワーク50に接続される。これによって、二次元コード生成装置20は、読取装置10及び二次元コード表示装置30等と通信することができる。
【0038】
記憶部22は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部22は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22は、二次元コード生成装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、又はデータベース等を記憶する。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク50から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0039】
制御部23は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU等の汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部23は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA又はASICであってもよい。制御部23は、上述した通信部21及び記憶部22等の構成要素の機能を含む、二次元コード生成装置20の機能を実現させるために、それぞれの機能を制御する。
【0040】
(二次元コード表示装置の構成)
図5を参照して、本実施形態に係る二次元コード表示装置30の構成を説明する。
図5は、
図1に示される二次元コード表示装置30の構成を示すブロック図である。
図5にブロック図で示されるように、二次元コード表示装置30は、通信部31と、表示部32と、記憶部33と、制御部34と、を備える。通信部31、表示部32、記憶部33、及び制御部34は、有線又は無線で互いに通信可能に接続されている。
【0041】
通信部31は、ネットワーク50に接続する通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば4G又は5G等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば有線LAN又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールであってもよい。通信モジュールは、Wi-Fi、Bluetooth、又は赤外線通信等の近距離無線通信規格に対応した通信モジュールであってもよい。本実施形態において、二次元コード表示装置30は、通信部31を介してネットワーク50に接続される。これによって、二次元コード表示装置30は、読取装置10又は二次元コード生成装置20等と通信することができる。
【0042】
表示部32は、1つ以上の表示装置を含む。例えば、表示装置は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であるが、二次元コードを表示可能な任意のディスプレイであってもよい。表示装置は、電力泳動方式による電子ペーパーなどの、不揮発性ディスプレイであってもよい。かかる場合、表示部32は、情報を表示したのち、その情報を電力供給なしで表示し続けることができ、長時間に亘って二次元コードを表示させておく際に有利である。
【0043】
記憶部33は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部33は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部33は、二次元コード表示装置30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部33は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、又はデータベース等を記憶する。記憶部33に記憶された情報は、例えば通信部31を介してネットワーク50から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0044】
制御部34は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU等の汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部34は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA又はASICであってもよい。制御部34は、上述した通信部31、表示部32、及び記憶部33等の構成要素の機能を含む、二次元コード表示装置30の機能を実現させるために、それぞれの機能を制御する。
【0045】
(撮像装置の構成)
図6を参照して、本実施形態に係る撮像装置40の構成を説明する。
図6は、
図1に示される撮像装置40の構成を示すブロック図である。
図6にブロック図で示されるように、撮像装置40は、撮像部41と、通信部42と、出力部43と、記憶部44と、制御部45と、を備える。撮像部41、通信部42、出力部43、記憶部44、及び制御部45は、有線又は無線で互いに通信可能に接続されている。
【0046】
撮像部41は、1つ以上のカメラを含む。カメラは、例えば、可視光カメラであるが、これに限られず、二次元コードを読み取り可能な任意のカメラであってもよい。撮像部41が撮像する画像は、写真等の静止画であってもよく、動画であってもよい。
【0047】
通信部42は、インターネット等のネットワークに接続する通信モジュールを含む。ネットワークは、上述したネットワーク50であってもよく、ネットワーク50と同等のものであってもよい。通信モジュールは、例えば4G又は5G等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば有線LAN又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールであってもよい。通信モジュールは、Wi-Fi、Bluetooth、又は赤外線通信等の近距離無線通信規格に対応した通信モジュールであってもよい。本実施形態において、撮像装置40は、通信部42を介してネットワークに接続される。
【0048】
出力部43は、1つ以上の出力装置を含む。出力部43に含まれる出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ又はランプ等である。出力部43は、画像、音又は光等を出力する。本開示では、出力部43は、信号として情報を外部に出力するという観点から、通信部42を含んでいてもよい。すなわち、本開示において、出力部43を介して情報を出力することは、通信部42を介して情報を送信することを含み得る。
【0049】
記憶部44は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部44は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部44は、撮像装置40の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部44は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、又はデータベース等を記憶する。記憶部44に記憶された情報は、例えば通信部42を介してネットワーク50から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0050】
制御部45は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU等の汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部45は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA又はASICであってもよい。制御部45は、上述した撮像部41、通信部42、出力部43、及び記憶部44等の構成要素の機能を含む、撮像装置40の機能を実現させるために、それぞれの機能を制御する。
【0051】
本実施形態では、撮像装置40は、例えばスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等の、利用者が携帯可能なコンピュータであってもよい。或いは、撮像装置40は、ドローン等の、移動可能な機械であってもよい。これにより、利用者が撮像装置40を携帯して移動しなくとも、遠隔操作により、撮像装置40が二次元コード表示装置30に表示された二次元コードを撮像することができる。
【0052】
(タイヤ情報表示システムの動作)
図7を参照して、タイヤ情報表示システム1の動作を説明する。
図7は、タイヤ情報表示システム1の動作を示すフローチャートである。
図7に示されるフローチャートには、タイヤ情報表示システム1に含まれる読取装置10、二次元コード生成装置20、二次元コード表示装置30、及び撮像装置40の動作が示されている。そのため、本動作の説明は、タイヤ情報表示システム1の制御方法に相当するとともに、タイヤ情報表示システム1に含まれる読取装置10、二次元コード生成装置20、二次元コード表示装置30、及び撮像装置40のそれぞれの制御方法に相当する。
【0053】
図7を参照すると、ステップS101~S102において、読取装置10は、タイヤ61に設置された電子タグ62からタイヤ情報を読み取り、タイヤ情報を二次元コード生成装置20に送信する。
【0054】
具体的には、ステップS101において、読取装置10の制御部14は、読取部11を介して、車両60に装着されたタイヤ61に設置された電子タグ62からタイヤ情報を読み取る。
【0055】
例えば、読取装置10の制御部14は、読取部11を介して、読取部11の読み取り可能な範囲内に存在するタイヤ61に設置された電子タグ62に記憶されたタイヤ情報を読み取る。制御部14は、電子タグ62から読み取ったタイヤ情報を、記憶部13に記憶してもよい。さらに、制御部14は、読取部11がそのタイヤ情報を読み取った際の信号強度を計測して、タイヤ情報と関連付けて記憶部13に記憶してもよい。これにより、読取部11の読み取り可能な範囲内に複数のタイヤ61が存在し、複数のタイヤ情報が読み取られた場合に、後続の処理において、例えば、複数のタイヤ情報のうち、信号強度が最も強いタイヤ情報を、読取装置10の最も近くにあるタイヤ61に設置された電子タグ62のタイヤ情報と判定することができる。
【0056】
ステップS102において、読取装置10の制御部14は、通信部12を介して、タイヤ情報を二次元コード生成装置20に送信する。制御部14は、タイヤ情報とともに、タイヤ情報に関連付けられた信号強度を二次元コード生成装置20に送信してもよい。
【0057】
次に、ステップS103~S104において、二次元コード生成装置20は、タイヤ情報から二次元コードを生成し、二次元コードを二次元コード表示装置30に送信する。
【0058】
具体的には、ステップS103において、二次元コード生成装置20の制御部23は、通信部21を介して、読取装置10からタイヤ情報を受信する。その後、制御部23は、タイヤ情報から二次元コードを生成する。本実施形態では、制御部23は、受信したタイヤ情報の全部又は一部を入力としてエンコード処理を行い、二次元コードを生成する。二次元コードは、例えば、QR(Quick Response)コード(登録商標)またはAR(Augmented Reality)マーカーであるが、これらに限られない。制御部23は、生成した二次元コードを記憶部22に記憶してもよい。さらに、制御部23は、生成した二次元コードに、読取装置10がタイヤ情報を読み取った際の信号強度を関連付けて記憶部22に記憶してもよい。なお、制御部23は、複数のタイヤ情報を受信した場合、複数のタイヤ情報のそれぞれから二次元コードを生成してもよい。
【0059】
ステップS104において、二次元コード生成装置20の制御部23は、通信部21を介して、二次元コードを二次元コード表示装置30に送信する。制御部23は、通信部21を介して、二次元コードとともに、二次元コードに関連付けられた信号強度を二次元コード表示装置30に送信してもよい。
【0060】
その後、ステップS105において、二次元コード表示装置30は、二次元コードを表示する。具体的には、二次元コード表示装置30の制御部34は、通信部31を介して、二次元コード生成装置20から二次元コードを受信する。その後、制御部34は、表示部32を介して、二次元コードを表示する。
【0061】
二次元コードの表示には、任意の手法が採用可能である。例えば、二次元コード表示装置30の制御部34は、1つの二次元コードを受信した場合に、表示部32を介して、その二次元コードを表示してもよい。また例えば、二次元コード表示装置30の制御部34は、それぞれが異なるタイヤ情報から生成された複数の二次元コードを受信した場合に、複数の二次元コードのうち、読取装置10がタイヤ情報を読み取った際の信号強度が最も強い二次元コードを表示してもよい。また例えば、制御部34は、記憶部33に表示対象のタイヤ識別情報を記憶していてもよい。これにより、制御部34は、それぞれが異なるタイヤ情報から生成された複数の二次元コードを受信した場合に、複数の二次元コードのうち、表示対象のタイヤ識別情報を含む二次元コードを表示してもよい。これにより、タイヤ情報表示システム1において、二次元コード表示装置30に所望のタイヤに関する二次元コードを表示させることができる。或いは、制御部34は、それぞれが異なるタイヤ情報から生成された複数の二次元コードを受信した場合に、表示部32を介して、複数の二次元コードを並べて表示してもよい。これにより、タイヤ情報表示システム1において必要となる二次元コード表示装置30の数を減らすことができ、タイヤ情報表示システム1の導入コスト及びメンテナンスコストを抑えることができる。
【0062】
例えば、
図2に示される実施例において、上述の動作により、コード表示サブシステム2Aにおいて、読取装置10Aが、タイヤ61Aに設置された電子タグ62Aからタイヤ情報を読み取り、二次元コード生成装置20Aが、タイヤ情報から二次元コードを生成し、二次元コード表示装置30Aが、二次元コードを表示することができる。同様に、コード表示サブシステム2Bにおいて、読取装置10Bが、タイヤ61Bに設置された電子タグ62Bからタイヤ情報を読み取り、二次元コード生成装置20Bが、タイヤ情報から二次元コードを生成し、二次元コード表示装置30Bが、二次元コードを表示することができる。なお、読取装置10Aが複数の電子タグ62A及び62Bのタイヤ情報を読み取った場合には、二次元コード表示装置30Aは、複数のタイヤ情報から生成された複数の二次元コードのうち、最も強い信号強度が関連付けられた二次元コードを表示することで、タイヤ61Aに設置された電子タグ62Aから読み取られたタイヤ情報を、二次元コードとして表示してもよい。
【0063】
再び
図7を参照して、ステップS106において、撮像装置40の制御部45は、撮像部41を介して、画像を撮像する。制御部45は、撮像した画像に、二次元コード表示装置30によって表示された二次元コードが写っている場合に、二次元コードからコード情報70を読み取る。
【0064】
画像に写る二次元コードからのコード情報70の読み取りには、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部45は、撮像した画像に対して画像処理を行い、画像に写っている二次元コードを抽出する。そして、制御部45は、抽出した二次元コードに対してデコード処理を行い、文字列等のコード情報70を生成する。制御部45は、生成したコード情報70を、画像中における二次元コードの位置と関連付けて、記憶部44に記憶してもよい。
【0065】
ステップS106において、撮像装置40の制御部45は、出力部43を介して、撮像した画像にコード情報70を重畳させたARコンテンツを出力する。
【0066】
ARコンテンツの出力には、任意の手法が採用可能である。例えば、撮像装置40の制御部45は、出力部43に含まれるディスプレイに、撮像した画像中における二次元コードの位置にコード情報70を重畳させて、ARコンテンツとして表示してもよい。或いは、制御部45は、ARコンテンツの出力として、通信部42を介して、他のコンピュータに、撮像した画像にコード情報70を重畳させたARコンテンツを表示させる指示を送信してもよい。これにより、他のコンピュータが、ディスプレイ等に、撮像装置40が撮像した画像にコード情報70を重畳させたARコンテンツを表示することができる。
【0067】
図8を参照して、タイヤ情報表示システム1において、撮像装置40により出力されるARコンテンツの一例について説明する。
図8は、
図1に示される撮像装置40により
図2に示される車両60を撮像した際に表示されるARコンテンツの一例を示す図である。
図2に示される車両60には、2つの二次元コード表示装置30A及び30Bが設置されており、2つの二次元コード表示装置30A及び30Bには、それぞれタイヤ61A及び61Bに設置された電子タグ62A及び62Bから読み取られたタイヤ情報から生成された二次元コードが表示されているものとする。かかる場合、撮像装置40の撮像部41により車両60を撮像することで、撮像装置40の出力部43であるディスプレイには、
図8に示されるようなARコンテンツが表示される。
【0068】
図8に示されるARコンテンツおいて、タイヤ61Aの近傍に位置する二次元コード表示装置30Aに表示された二次元コードに、タイヤ61Aに関する情報として、コード情報70Aが重畳されている。また、タイヤ61Bの近傍に位置する二次元コード表示装置30Bに表示された二次元コードに、タイヤ61Bに関する情報として、コード情報70Bが重畳されている。コード情報70A及び70Bは、それぞれ、タイヤ61A及び61Bのタイヤ識別情報、タイヤサイズ、リトレッド回数等の、タイヤ61A及び61Bに関する情報を含む。その結果、撮像装置40の利用者は、撮像装置40で車両60を撮像することで、車両60に装着されたタイヤ61のタイヤ情報を把握することができる。したがって、本開示に係るタイヤ情報表示システム1によれば、タイヤ61から情報を取得し表示する技術の有用性が向上する。
【0069】
(タイヤ情報表示システムの第2の実施形態)
図9を参照して、本開示に係るタイヤ情報表示システム1の第2の実施形態である、タイヤ情報表示システム1Bについて説明する。
図9は、第2の実施形態に係るタイヤ情報表示システム1Bの概略構成を示す概略図である。
【0070】
第2の実施形態では、タイヤ情報表示システム1Bに含まれる、読取装置10、二次元コード生成装置20、二次元コード表示装置30が、それぞれ車両60の異なる位置に離して設置されている点で、第1の実施形態と異なっている。以下に、第1の実施形態と異なる点を中心に第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成を有する部位には同じ符号を付す。
【0071】
図9に示されるように、タイヤ情報表示システム1Bは、CAN等のネットワークにより互いに通信可能に接続された、2つの読取装置10A及び10Bと、1つの二次元コード生成装置20と、3つの二次元コード表示装置30A、30B及び30Cとを含む。ただし、タイヤ情報表示システム1Bは、任意の数の読取装置10、二次元コード生成装置20、二次元コード表示装置30を含んでいてもよい。
【0072】
2つの読取装置10A及び10Bは、それぞれ、タイヤ61A及び61Bが装着されるホイールに配置されていてもよい。読取装置10Aは、タイヤ61Aに設置された電子タグ62Aからタイヤ情報を読み取り、二次元コード生成装置20に送信する。読取装置10Bは、タイヤ61Bに設置された電子タグ62Bからタイヤ情報を読み取り、二次元コード生成装置20に送信する。このように、読取装置10が、タイヤ61が装着されるホイールに設置されることで、タイヤ61が回転していても、タイヤ61に設置された電子タグ62と読取装置10との距離が安定し、タイヤ情報が読み取りやすくなる。ただし、読取装置10は、車両60の任意の位置に配置されていてもよい。例えば、1つの読取装置10が、車両60の車体63において、
図9に10Cとして示されるような、複数のタイヤ61A及び61Bに設置された電子タグ62A及び62Bからタイヤ情報を読み取り可能な位置に配置されていてもよい。これにより、タイヤ情報表示システム1Bにおいて必要となる読取装置10の数を減らすことができ、タイヤ情報表示システム1Bの導入コスト及びメンテナンスコストを抑えることができる。
【0073】
二次元コード生成装置20は、車両60のコックピットに配置されている。二次元コード生成装置20は、車両60に設置された、ECU(Electronic Control Unit)、カーナビゲーション装置等のコンピュータであってもよい。二次元コード生成装置20は、二次元コードに含まれるタイヤ識別情報に応じた、二次元コードの送信先となる二次元コード表示装置30を予め記憶していてもよい。例えば、二次元コード生成装置20は、読取装置10Aから受信したタイヤ情報から二次元コードを生成し、二次元コードを二次元コード表示装置30A及び30Cに送信してもよい。二次元コード生成装置20は、読取装置10Bから受信したタイヤ情報から二次元コードを生成し、二次元コードを二次元コード表示装置30B及び30Cに送信してもよい。
【0074】
3つの二次元コード表示装置30A、30B及び30Cは、車両60の車体63に配置されている。具体的には、二次元コード表示装置30Aは、車体63の側面のタイヤ61Aの近傍に配置され、タイヤ61Aに関する二次元コードを表示する。二次元コード表示装置30Bは、車体63の側面のタイヤ61Bの近傍に配置され、タイヤ61Bに関する二次元コードを表示する。これにより、二次元コード表示装置30がタイヤ61の近傍にあることにより、二次元コードの視認性が向上する。また、二次元コード表示装置30Cは、車体63の上面に配置されている。これにより、ドローン等の撮像装置40で二次元コードを撮像しやすくなる。さらに、二次元コード表示装置30Cは、複数のタイヤ61A及び61Bに関する二次元コードを並べて表示していてもよい。これにより、撮像装置40が二次元コードを表示しやすくなる。ただし、二次元コード表示装置30は、車両60の任意の位置に配置されていてもよい。
【0075】
(タイヤ情報表示システムの第3の実施形態)
図10を参照して、本開示に係るタイヤ情報表示システム1の第3の実施形態である、タイヤ情報表示システム1Cについて説明する。
図10は、第3の実施形態に係るタイヤ情報表示システム1Cの概略構成を示す概略図である。
【0076】
第3の実施形態では、タイヤ情報表示システム1Cに含まれる、読取装置10A及び10Cが、車両60ではなく、車両60の走行ルート上に設置されている点で、第1の実施形態と異なっている。以下に、第1の実施形態と異なる点を中心に第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成を有する部位には同じ符号を付す。
【0077】
図10に示されるように、読取装置10Aは、走行ルートの路面に設置されていてもよい。これにより、読取装置10Aは、車両60のタイヤ61が、読取装置10Aの上を乗り越える際に、或いは読取装置10Aの近傍を通過する際に、タイヤ61に設置された電子タグ62からタイヤ情報を読み取り、車両60に設置された二次元コード生成装置20に送信することができる。読取装置10Bは、走行ルート設けられたゲートとして設置されていてもよい。これにより、読取装置10Bは、車両60のタイヤ61が読取装置10Bの側方を通過する際に、タイヤ61に設置された電子タグ62からタイヤ情報を読み取り、車両60に設置された二次元コード生成装置20に送信することができる。これにより、タイヤ情報表示システム1Cにおいて、比較的高額な読取装置10を車両60ごとに設置する必要がなくなり、タイヤ情報表示システム1Cの導入コスト及びメンテナンスコストを抑えることができる。ただし、読取装置10は、車両60の走行ルート上の任意の位置に配置されていてもよい。
【0078】
以上述べたように、各実施形態において、タイヤ情報表示システム1は、読取装置20と、二次元コード生成装置20と、二次元コード表示装置30とを含む。読取装置10は、タイヤ61に設置された電子タグ62からタイヤ情報を読み取り、タイヤ情報を二次元コード生成装置20に送信する。二次元コード生成装置20は、タイヤ情報から二次元コードを生成し、二次元コードを二次元コード表示装置30に送信する。そして、二次元コード表示装置30は、二次元コードを表示する。
【0079】
かかる構成によれば、タイヤ情報表示システム1において、タイヤ61の表面に二次元コードを張り付けるのではなく、タイヤ61に設置された電子タグ62のタイヤ情報を読み取るため、タイヤ61の表面に汚れ又は傷等が付着した場合であっても、タイヤ61からタイヤ情報を読み取ることができる。また、タイヤ情報表示システム1では、電子タグ62から取得されたタイヤ情報が二次元コード表示装置30に二次元コードとして表示されることで、タイヤ61からのタイヤ情報の取得を、一般的に高価な、電子タグ62の読取装置等を使わずとも、より安価なスマートフォン等の撮像装置40により実現することができる。したがって、タイヤ61から情報を取得し表示する技術の有用性が向上する。
【0080】
本開示を諸図面及び実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各実施形態に含まれる構成又は機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能である。また、各実施形態に含まれる構成又は機能等は、他の実施形態に組み合わせて用いることができ、複数の構成又は機能等を1つに組み合わせたり、分割したり、或いは一部を省略したりすることが可能である。
【0081】
例えば、上述した実施形態において、読取装置10、二次元コード生成装置20、及び、二次元コード表示装置30は、それぞれ個別の装置として説明されたが、この限りではない。例えば、読取装置10、二次元コード生成装置20、及び、二次元コード表示装置30のうち、1つ又は複数が1つの装置として構成されていてもよい。
【0082】
また例えば、汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る読取装置10、二次元コード生成装置20、二次元コード表示装置30、又は撮像装置40として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る読取装置10、二次元コード生成装置20、二次元コード表示装置30、又は撮像装置40の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ読取可能な媒体としても実現可能である。非一時的なコンピュータ読取可能な媒体には、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリ等が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本開示はタイヤ情報表示システム及びタイヤ情報表示システムの制御方法に関する。
【0084】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
持続可能な社会の実現に向けて、SDGsが提唱されている。本発明の一実施形態は「No.9_産業と技術革新の基盤を作ろう」などに貢献する技術となり得ると考えられる。
【符号の説明】
【0085】
1(1A、1B、1C):タイヤ情報表示システム、 2(2A、2B):コード表示サブシステム、 3:コード撮像サブシステム、 10(10A、10B、10C):読取装置、 11:読取部、 12:通信部、 13:記憶部、 14:制御部、 20(20A、20B):二次元コード生成装置、 21:通信部、 22:記憶部、 23:制御部、 30(30A、30B、30C):二次元コード表示装置、 31:通信部、 32:表示部、 33:記憶部、 34:制御部、 40:撮像装置、 41:撮像部、 42:通信部、 43:出力部、 44:記憶部、 45:制御部、 50:ネットワーク、 60:車両、 61(61A、61B):タイヤ、 62(62A、62B):電子タグ、 63:車体