(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034555
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】信号機
(51)【国際特許分類】
G08G 1/095 20060101AFI20240306BHJP
E01F 9/20 20160101ALI20240306BHJP
G08B 5/00 20060101ALI20240306BHJP
G08B 23/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G08G1/095 M
E01F9/20
G08B5/00 T
G08B23/00 510D
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138865
(22)【出願日】2022-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】520321535
【氏名又は名称】株式会社知財事業研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100170449
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英彦
(72)【発明者】
【氏名】大賀 信幸
【テーマコード(参考)】
2D064
5C083
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
2D064BA01
2D064EA01
2D064EB01
5C083AA02
5C083CC25
5C083JJ34
5C083JJ39
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA16
5C087AA25
5C087DD02
5C087DD33
5C087EE05
5C087EE14
5C087GG66
5H181CC04
5H181FF33
5H181GG01
5H181HH14
5H181HH15
5H181HH25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】1つのフラットパネル型ディスプレイで青色、黄色、赤色等の表示ができるようにするとともに、他の情報を付加して表示できるようにし、従来より簡易な構造で、伝達できる情報量も大幅に増加した信号機を提供する。
【解決手段】本願発明の発明者は、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイにより灯器による表示を行うことにより、1つのフラットパネルディスプレイで青色、黄色、赤色等の表示ができるにとどまらず、他の情報を付加して、または代替して、表示することが有効であるとの知見に基づき、本発明に係る信号機は、フラットパネル型ディスプレイを備える灯器と、1つの前記フラットパネル型ディスプレイに少なくとも青色、黄色、赤色の表示を可能にする制御装置と、前記灯器を道路から所定の高さに支持するポールとを備え、前記フラットパネル型ディスプレイは、矩形に形成されており、縦方向が横方向より長いことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラットパネル型ディスプレイを備える灯器と、
1つの前記フラットパネル型ディスプレイに少なくとも青色、黄色、赤色の表示を可能にする制御装置と、
前記灯器を道路から所定の高さに支持するポールとを備え、
前記フラットパネル型ディスプレイは、矩形に形成されており、縦方向が横方向より長いことを特徴とする、信号機。
【請求項2】
前記フラットパネル型ディスプレイは、青色、黄色、赤色等を表示する三色灯領域を含む複数領域に分けて情報を表示する、請求項1に記載の信号機。
【請求項3】
前記フラットパネル型ディスプレイは、前記道路の表面に対して所定の角度をもって対向するように前記ポールに支持されている、請求項1または2に記載の信号機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットパネル型ディスプレイを備える信号機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、道路の交差点などで、自動車や自転車、歩行者の通行の優先権を伝えるために青色、黄色、赤色等の色を表示する灯器を備える信号機がある。このような信号機においては、フィラメント式の電球を光源とするものが一般的であったが、近年、電球に比べて長寿命で低消費電力であるLED(発光ダイオード)ランプを光源とする信号機が普及しつつある(例えば、特許文献1に記載の信号機)。これらの信号機においては、表示する色ごとに灯器が設けられ、1つの灯器が点灯されている間は、他の灯器が点灯しないような制御が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような従来の信号機は、色ごとに灯器を設けないといけないという欠点があり、構造が複雑になるという課題があった。また、従来の信号機は、青色、黄色、赤色等の色を表示するのみで、交通の優先度等に関する情報伝達には優れる者の、道路の込み具合等を含むその他の情報を伝達することはできなかった。
【0005】
このような課題に対し、本願発明の発明者は、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイにより灯器による表示を行うことにより、1つのフラットパネルディスプレイで青色、黄色、赤色等の表示ができるにとどまらず、他の情報を付加して、または代替して、表示することが有効であるとの知見を得た。
【0006】
(1)この知見に基づき、本発明に係る信号機は、フラットパネル型ディスプレイを備える灯器と、1つの前記フラットパネル型ディスプレイに少なくとも青色、黄色、赤色の表示を可能にする制御装置と、前記灯器を道路から所定の高さに支持するポールとを備え、前記フラットパネル型ディスプレイは、矩形に形成されており、縦方向が横方向より長いことを特徴とする。
【0007】
この信号機によれば、1つのフラットパネル型ディスプレイで青色、黄色、赤色等の表示ができるにとどまらず、他の情報を付加して、または代替して、表示することができ、色ごとに投光(表示)装置を必要とする信号機に比較して、信号機としての構造が簡易になり、伝達できる情報量も大幅に増加する。特に、縦方向が横方向より長いことにより、表示できる情報量が増える。
【0008】
(2)前記した信号機において、前記フラットパネル型ディスプレイは、青色、黄色、赤色を表示する三色灯領域を含む複数領域に分けて情報を表示してもよい。このような信号機によれば、各領域に異なる情報を表示することができ、信号機としての視認性を高めることができる。
【0009】
(3)前記した信号機において、前記フラットパネル型ディスプレイは、前記道路の表面に対して所定の確度をもって対向するように前記指示ポールに支持されている。このような信号機によれば、前記フラットパネル型ディスプレイは、前記道路の表面に対して所定の角度をもって設けられることにより、フラットパネル型ディスプレイ表面に積雪等することがなくなる。また、道路を走行する自動車に対しても視認角度が適正化し、自動車から表示を視認しやすくなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、1つのフラットパネルディスプレイで青色、黄色、赤色等の表示ができるにとどまらず、他の情報を付加して、または代替して、表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の信号機を示す図であり、(A)は正面図、(B)は側面図を示す。
【
図2】
図1におけるフラットパネル型ディスプレイの表示の一例を示す平面表示図である。
【
図3】
図1におけるフラットパネル型ディスプレイの表示の他の一例を示す平面表示図である。
【
図4】
図1におけるフラットパネル型ディスプレイの表示の他の一例を示す平面表示図である。
【
図5】
図1におけるフラットパネル型ディスプレイの表示の他の一例を示す平面表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る信号機Sについて、図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1に示すように、信号機Sは、道路の側部に設けられ、交通信号を表示できる灯器1と、灯器1を支持するポール2と、灯器1の表示面と反対側の道路を撮影するカメラ3とを備える。ポール2は、所定の高さにおいて灯器1を支持し、かつ、後述する灯器1のフラットパネル型ディスプレイ11の表示面が、下方の道路に対して所定の角度(
図1(B)における道路表面からの鉛直方向の角度α)をもって概略板状の灯器1を片持で支持している(
図1(B)を参照)。
【0014】
灯器1は、概略、縦方向が横方向より長い矩形の板状に形成されており、一方の面に1つの画面のフラットパネル型ディスプレイ11を備え、また、その内部にフラットパネル型ディスプレイ11の表示を制御する制御装置4を備える。本実施形態において、フラットパネル型ディスプレイ11は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等を含み、1つの画面で多様な表示を可能にする。
【0015】
図2に示すように、フラットパネル型ディスプレイ11は、青色、黄色、赤色等を表示する三色灯領域を含む複数領域に仮想的に分けて情報を表示する。本実施形態において、フラットパネル型ディスプレイ11は、少なくとも信号機Sの青色の信号B、黄色の信号Y、赤色の色信号Rを表示する三色灯領域を上側の領域に表示する。これに加えて、フラットパネル型ディスプレイ11は、矢印信号Aを表示する矢印式信号領域を中段の領域に表示し、カメラ3で撮影した動画情報Mを表示する動画情報領域を下側領域に表示する。
【0016】
すなわち、本実施例では、フラットパネル型ディスプレイ11は、縦方向に仮想的に分けられた3つの領域から構成される。フラットパネル型ディスプレイ11は、少なくとも縦方向に分けられた複数領域に異なる種類の情報を表示することで信号機Sを見る人が情報の種類を判別しやすく、視認性を高めることができる。
【0017】
また、信号機Sが、フラットパネル型ディスプレイ11の表示側と反対側を撮影するカメラ3と連携し、制御装置4が、カメラ3の撮影した背面側の映像をフラットパネル型ディスプレイ11に表示することができる。そのようにすれば、フラットパネル型ディスプレイ11の表示側と反対側である背面側の映像を表示することができ、例えば、右折をしようとする自動車が直進してくる対向車の情報を捉えることができ、事故等の防止に作用する。
【0018】
他の1つの例として、
図3に示すように、フラットパネル型ディスプレイ11は、少なくとも信号機Sの青色の信号B、黄色の信号Y、赤色の色信号Rを表示する三色灯領域を上側の領域に表示する。これに加えて、フラットパネル型ディスプレイ11は、矢印信号Aを表示する矢印式信号領域を中段の領域に表示し、他の情報として、工事情報のようなテキスト情報Tを下側領域に表示する。すなわち、本実施例では、フラットパネル型ディスプレイ11は、縦方向に仮想的に分けられた3つの領域から構成される。
【0019】
また、他の1つの例として、
図4に示すように、フラットパネル型ディスプレイ11は、少なくとも信号機Sの青色の信号B、黄色の信号Y、赤色の色信号Rを表示する三色灯領域を上側の領域に表示する。これに加えて、フラットパネル型ディスプレイ11は、天気情報のようなテキスト情報Tとイラスト情報Iを中段領域から下側領域に表示する。すなわち、本実施例では、フラットパネル型ディスプレイ11は、縦方向に仮想的に分けられた2つの領域から構成される。
【0020】
また、他の1つの例として、
図5に示すように、フラットパネル型ディスプレイ11は、青色の信号B、黄色の信号Y、赤色の色信号Rのように従来の信号機Sの3色の色信号を表示することなく、緊急時の案内情報のようなテキスト情報およびイラスト情報を表示することができる。すなわち、本実施例では、フラットパネル型ディスプレイ11は、1つの領域から構成される。そのようにすれば、緊急事態に交通ルールにとらわれて行動が遅れてしまうというようなことを避け、適切な行動を示唆する表示が可能になる。
【0021】
本実施形態において、フラットパネル型ディスプレイ11は、3色の色信号、カメラ3により撮影された動画情報、矢印情報、交通情報、緊急の案内情報等を表示する例を示したが、表示情報はこれらに限られず、広告情報、道路情報等のあらゆる情報を表示することができる。また、フラットパネル型ディスプレイ11は、動画情報、テキスト情報に加え、写真情報を表示することもできる。
【0022】
本実施形態において、信号機Sとして、自動車の交通ルールをつかさどる信号機Sを例に説明をした。しかし、信号機Sは、他の交通ルールをつかさどる信号機S、例えば、鉄道用信号機S等であってもよい。
【0023】
本実施形態において、カメラ3は信号機1に設けられる形態について説明した。しかし、カメラは、灯器1の表示面と反対側の道路を撮影できれば、信号機1とは別に設けられてもよく、例えば、道路の側道や中央分離帯に設けられてもよい。
【0024】
以上、本実施形態に係る道路および舗装工法について説明した。ただし、道路および舗装工法は上記の実施形態に限定されず、発明の目的を達成する範囲で他の構成とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、道路の舗装に利用することができる。
【符号の説明】
【0026】
S 信号機
1 灯器
2 ポール
3 カメラ
4 制御装置
11 フラットパネル型ディスプレイ