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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034582
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】袋開口装置およびそれを備えた包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/30 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
B65B43/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138925
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000108281
【氏名又は名称】ゼネラルパッカー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】大島 雅志
【テーマコード(参考)】
3E030
【Fターム(参考)】
3E030AA05
3E030CA02
3E030CA09
3E030CB01
3E030DA07
3E030EA01
3E030EB01
(57)【要約】
【課題】 包装袋の表裏面と一対の吸盤との密着性を向上させ、吸着ミスの発生を抑制してより確実に開口できる袋開口装置およびそれを備えた包装機を提供する。
【解決手段】本発明の袋開口装置20は、被包装物を充填する包装袋Hの袋口付近の表裏面a,b側に対向してそれぞれ配された一対の袋口開口用吸盤22,23と、一対の袋口開口用吸盤22,23により包装袋Hの袋口付近の表裏面a,bをそれぞれ吸着するための吸引機構24とを有し、一対の袋口開口用吸盤22,23は包装袋Hの吸着時に振動機構25により振動可能に構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を充填する包装袋の袋口付近の表裏面側に対向してそれぞれ配された一対の袋口開口用吸盤と、
該一対の袋口開口用吸盤により前記包装袋の袋口付近の表裏面をそれぞれ吸着するための吸引機構とを有し、
前記一対の袋口開口用吸盤は前記包装袋の吸着時に振動機構により振動可能に構成されていることを特徴とする袋開口装置。
【請求項2】
前記振動機構は、異なる真空圧力に設定された第一真空源と第二真空源を有し、前記第一真空源による吸引時に前記第二真空源のON・OFFを繰り返すことで脈動を発生させ前記一対の袋口開口用吸盤を振動させるものである請求項1に記載の袋開口装置。
【請求項3】
前記振動機構は、前記第一真空源が第一真空ポンプであり、前記第二真空源が第二真空ポンプであり、前記第一真空ポンプを開閉する第一真空電磁弁と、前記第二真空ポンプを開閉する第二真空電磁弁とを有し、前記第一真空電磁弁を開いて前記第一真空ポンプにて吸引し、かつ前記第二真空電磁弁による開閉を繰り返しながら前記第二真空ポンプにて吸引することで脈動を発生させ、前記一対の袋口開口用吸盤を振動させるものである請求項2に記載の袋開口装置。
【請求項4】
前記振動機構は、前記袋口開口用吸盤を振動させるためのバイブレータを有するものである請求項1に記載の袋開口装置。
【請求項5】
前記振動機構は、真空源と、大気と連通する大気連通部を有し、該真空源による吸引時に前記大気連通部の開閉を繰り返すことで脈動を発生させ前記一対の袋口開口用吸盤を振動させるものである請求項1に記載の袋開口装置。
【請求項6】
前記袋開口装置は、被包装物を充填する包装袋の底部付近の表裏面側に対向してそれぞれ配された一対の底部開口用吸盤を有し、前記該一対の底部開口用吸盤は前記包装袋の吸着時に振動可能に構成されている請求項1に記載の袋開口装置。
【請求項7】
被包装物を充填する包装袋の底部付近の表裏面側に対向してそれぞれ配された一対の底部開口用吸盤と、該一対の底部開口用吸盤により前記包装袋の底部付近の表裏面をそれぞれ吸着するための吸引機構とを有し、前記一対の底部開口用吸盤は前記包装袋の吸着時に振動機構により振動可能に構成されていることを特徴とする袋開口装置。
【請求項8】
被包装物を充填する包装袋の袋口付近の表裏面側に対向してそれぞれ配された一対の袋口開口用吸盤と、該一対の袋口開口用吸盤により前記包装袋の袋口付近の表裏面をそれぞれ吸着するための吸引機構とを有し、前記該一対の袋口開口用吸盤は前記包装袋の吸着時に振動機構により振動可能に構成されている袋開口装置を備えていることを特徴とする包装機。
【請求項9】
被包装物を充填する包装袋の底部付近の表裏面側に対向してそれぞれ配された一対の底部開口用吸盤と、該一対の底部開口用吸盤により前記包装袋の底部付近の表裏面をそれぞれ吸着するための吸引機構とを有し、前記一対の底部開口用吸盤は前記包装袋の吸着時に振動機構により振動可能に構成されている袋開口装置を備えていることを特徴とする包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋を開口するための袋開口装置およびそれを備えた包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、一対の吸盤によって包装袋の表裏面側からそれぞれ吸引して開口させる袋開口装置およびそれを備えた包装機が多用されている(例えば特開2013-91498号公報または特開2015-182770号公報)。
【0003】
しかし、包装袋と吸盤との位置関係が悪い場合(例えばパンチ穴等が包装袋の吸着部位に存在する場合)、包装袋に凹凸がある場合(例えばフィルムよれやチャック袋のチャックが包装袋の吸着部位に存在する場合)または包装袋が柔らかい場合(例えば包装袋が薄いフィルム等で形成されている場合)などでは、一対の吸盤が表裏面側からそれぞれ包装袋の吸着部位に到達しても、包装袋との密着性が低くて真空圧が高まらず、吸着ミスが発生し開口できないことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-91498号公報
【特許文献2】特開2015-182770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、包装袋の表裏面と一対の吸盤との密着性を向上させ、吸着ミスの発生を抑制してより確実に開口できる袋開口装置およびそれを備えた包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するものは、被包装物を充填する包装袋の袋口付近の表裏面側に対向してそれぞれ配された一対の袋口開口用吸盤と、該一対の袋口開口用吸盤により前記包装袋の袋口付近の表裏面をそれぞれ吸着するための吸引機構とを有し、前記一対の袋口開口用吸盤は前記包装袋の吸着時に振動機構により振動可能に構成されていることを特徴とする袋開口装置である(請求項1)。
【0007】
前記振動機構は、異なる真空圧力に設定された第一真空源と第二真空源を有し、前記第一真空源による吸引時に前記第二真空源のON・OFFを繰り返すことで脈動を発生させ前記一対の袋口開口用吸盤を振動させるものであることが好ましい(請求項2)。前記振動機構は、前記第一真空源が第一真空ポンプであり、前記第二真空源が第二真空ポンプであり、前記第一真空ポンプを開閉する第一真空電磁弁と、前記第二真空ポンプを開閉する第二真空電磁弁とを有し、前記第一真空電磁弁を開いて前記第一真空ポンプにて吸引し、かつ前記第二真空電磁弁による開閉を繰り返しながら前記第二真空ポンプにて吸引することで脈動を発生させ、前記一対の袋口開口用吸盤を振動させるものであることが好ましい(請求項3)。前記振動機構は、前記袋口開口用吸盤を振動させるためのバイブレータを有するものであってもよい(請求項4)。前記振動機構は、真空源と、大気と連通する大気連通部を有し、該真空源による吸引時に前記大気連通部の開閉を繰り返すことで脈動を発生させ前記一対の袋口開口用吸盤を振動させるものであることが好ましい(請求項5)。前記袋開口装置は、被包装物を充填する包装袋の底部付近の表裏面側に対向してそれぞれ配された一対の底部開口用吸盤を有し、前記該一対の底部開口用吸盤は前記包装袋の吸着時に振動可能に構成されていることが好ましい(請求項6)。
【0008】
また、上記課題を達成するものは、被包装物を充填する包装袋の底部付近の表裏面側に対向してそれぞれ配された一対の底部開口用吸盤と、該一対の底部開口用吸盤により前記包装袋の底部付近の表裏面をそれぞれ吸着するための吸引機構とを有し、前記一対の底部開口用吸盤は前記包装袋の吸着時に振動機構により振動可能に構成されていることを特徴とする袋開口装置である(請求項7)。
【0009】
さらに、上記課題を解決するものは、被包装物を充填する包装袋の袋口付近の表裏面側に対向してそれぞれ配された一対の袋口開口用吸盤と、該一対の袋口開口用吸盤により前記包装袋の袋口付近の表裏面をそれぞれ吸着するための吸引機構とを有し、前記該一対の袋口開口用吸盤は前記包装袋の吸着時に振動機構により振動可能に構成されている袋開口装置を備えていることを特徴とする包装機である(請求項8)。
【0010】
さらに、上記課題を解決するものは、被包装物を充填する包装袋の底部付近の表裏面側に対向してそれぞれ配された一対の底部開口用吸盤と、該一対の底部開口用吸盤により前記包装袋の底部付近の表裏面をそれぞれ吸着するための吸引機構とを有し、前記一対の底部開口用吸盤は前記包装袋の吸着時に振動機構により振動可能に構成されている袋開口装置を備えていることを特徴とする包装機である(請求項9)。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の袋開口装置によれば、包装袋の袋口付近の表裏面と一対の袋口開口用吸盤との密着性を向上させ、吸着ミスの発生を抑制して袋口をより確実に開口できる。
請求項2に記載の袋開口装置によれば、上記請求項1の効果を奏する振動機構を簡素な構造で構成できる。
請求項3に記載の袋開口装置によれば、上記請求項2の効果を奏する振動機構をより簡素な構造で構成できる。
請求項4に記載の袋開口装置によれば、上記請求項1の効果を奏する振動機構をより簡素な構造で構成できる。
請求項5に記載の袋開口装置によれば、上記請求項1の効果を奏する振動機構をより簡素な構造で構成できる。
請求項6に記載の袋開口装置によれば、上記請求項1の効果に加え、包装袋の底部付近の表裏面と一対の底部開口用吸盤との密着性を向上させ、吸着ミスの発生を抑制して底部内部をより確実に開口できる。
請求項7に記載の袋開口装置によれば、包装袋の底部付近の表裏面と一対の底部開口用吸盤との密着性を向上させ、吸着ミスの発生を抑制して底部内部をより確実に開口できる。
請求項8に記載の包装機によれば、包装袋の袋口付近の表裏面と一対の袋口開口用吸盤との密着性を向上させ、吸着ミスの発生を抑制して袋口をより確実に開口できる。
請求項9に記載の包装機によれば、包装袋の底部付近の表裏面と一対の底部開口用吸盤との密着性を向上させ、吸着ミスの発生を抑制して底部内部をより確実に開口できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の袋開口装置を備えた包装機の一実施例の平面概略図である。
図2】本発明の袋開口装置の一実施例を説明するための斜視概略図である。
図3図2に示した袋開口装置を説明するための斜視概略図であり、(a)は袋口および底部内部が閉じた状態にあり、一対の袋口開口用吸盤と一対の底部開口用吸盤とがそれぞれ最接近位置にある状態を示し、(b)袋口および底部内部が開いた状態にあり、一対の袋口開口用吸盤と一対の底部開口用吸盤とがそれぞれ中間位置にある状態を示した説明図である。
図4】本発明の袋開口装置の他の実施例を説明するための斜視概略図である。
図5】本発明の袋開口装置の他の実施例を説明するための斜視概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明では、被包装物を充填する包装袋Hの袋口付近の表裏面a,b側に対向してそれぞれ配された一対の袋口開口用吸盤22,23と、一対の袋口開口用吸盤22,23により包装袋Hの袋口付近の表裏面a,bをそれぞれ吸着するための吸引機構24とを有し、一対の袋口開口用吸盤22,23は包装袋Hの吸着時に振動機構25により振動可能に構成されていることで、包装袋Hの袋口付近の表裏面a,bと一対の吸盤22,23との密着性を向上させ、吸着ミスの発生を抑制して袋口をより確実に開口できる袋開口装置20およびそれを備えた包装機Pを実現した。
【実施例0014】
本発明の袋開口装置を備えた包装機を図1ないし図3に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の包装機Pは、被包装物を充填する包装袋Hの袋口付近の表裏面a,b側に対向してそれぞれ配された一対の袋口開口用吸盤22,23と、一対の袋口開口用吸盤22,23により包装袋Hの袋口付近の表裏面a,bをそれぞれ吸着するための吸引機構24とを有し、一対の袋口開口用吸盤22,23は包装袋Hの吸着時に振動機構25により振動可能に構成されている袋開口装置20を備えている。以下、各構成について順次詳述する。
【0015】
この実施例の包装機Pは、図1に示すように、グリップ対gを備えた移動体10を複数のステーションに間欠停止して移動させ、グリップ対gにより垂直姿勢に支持された包装袋H内に被包装物を充填して袋口を施封する包装機であって、包装機Pは包装袋Hを開口するための袋開口工程を行う袋開口ステーション4に袋開口装置20が設けられている。
【0016】
この実施例の袋開口装置20は、図2に示すように、被包装物を充填する包装袋aの表裏面側に対向してそれぞれ配された一対の袋口開口用吸盤22,23と、一対の袋口開口用吸盤22,23を、包装袋Hに対してそれぞれ離間した待機位置と包装袋Hの開口保持位置である中間位置と包装袋Hの表裏面をそれぞれ吸着するための最接近位置との間で移動させる位置制御モータ26を有している。
【0017】
この実施例の包装機Pは、包装袋Hの袋口を開口して被包装物を充填し施封する装置であり、図1に示すように、それぞれのステーションにおいて、包装袋Hを包装機に供給する給袋工程(給袋ステーション1)、賞味期限等の印字を行う印字工程(印字ステーション2)、印字検査を行う印字検査工程(印字検査ステーション3)、包装袋の袋口および底部内部を開口する袋開口工程(袋開口ステーション4)、被包装物を包装袋内に充填する充填工程(充填ステーション5)、被包装物の押し込みを行う押し込み工程(押し込みステーション6)、袋口付近の被包装物の吹き飛ばしを行う吹き飛ばし工程(吹き飛ばしステーション7)、袋口付近を水平方向にシールすると共に包装袋内のエア抜きを行うトップシール・エア抜き工程(トップシールステーション8)、トップシールが冷却されるトップシール冷却工程(冷却ステーション9)、被包装物が包装された包装袋Hを機外に排出する製品排出工程(製品排出ステーション10)の合計10工程を行う装置である。
【0018】
なお、この実施例はロータリー方式の包装機Pであるが、本発明を公知の直線移動方式の包装機やトラック式包装機に適用することも可能である。
【0019】
この包装機Pでは、図1に示すように、垂直方向に延在する間欠回転軸12を回転自由に支持するスタンドを機台上に設け、その間欠回転軸12の上部に取り付けられた移動体(円盤状回転体)10には、包装袋aを掴着又は釈放するための10個のグリップ対gが間欠回転軸12を中心として等角度間隔で放射方向に突出するよう設けられている。そして、包装機Pは、給袋ステーション1において、給袋装置13によって包装袋Hの袋取りが行われ、給袋ステーション1へ順次間欠移動してくるグリップ対gに包装袋Hが垂直姿勢で吊り下げ状に支持されるよう構成されている。
【0020】
袋開口工程を行う袋開口ステーション4には、図1に示すように、袋開口装置20が設けられ、この袋開口装置20は、図2に示すように、被包装物を充填する包装袋Hの表裏面側に対向してそれぞれ配された一対の袋口開口用吸盤22,23を有している。これら一対の袋口開口用吸盤22,23は、吸引機構24と連通しており、包装袋Hを表裏面側からそれぞれ吸引し、包装袋Hを吸着した状態で開口保持位置である中間位置まで移動して袋口を開口させる。
【0021】
一対の袋口開口用吸盤22,23を待機位置と中間位置と最接近位置との間で自在に移動させる袋口開口用吸盤22,23の往復動機構は、位置制御モータ26と、位置制御モータ26の回動軸27に連接され回動軸27の回動に伴って回動するアーム28,29とを有し、アーム28,29の下端側には一対の袋口開口用吸盤22,23がそれぞれ取り付けられている。
【0022】
位置制御モータとしては、サーボモータ、ステッピングモータ、ブラシレスモータなどが好適に使用できるが、この実施例ではサーボモータが使用されている。
【0023】
吸引機構24は、袋口開口用吸盤22,23にて包装袋Hを吸着するためのものであり、この実施例の吸引機構24は、図2に示すように、第一真空源である第一真空ポンプ30にて構成されている。すなわち、第一真空ポンプ30による袋口開口用吸盤22,23の吸引は、PLC(制御盤)31による第一真空ポンプ30および第一真空電磁弁32の制御により行われる。
【0024】
振動機構25は、袋口開口用吸盤22,23を包装袋Hの吸着時に振動させるためのものであり、この実施例の振動機構25は、図2に示すように、異なる真空圧力(真空度)に設定された第一真空源30と第二真空源33を有し、第一真空源30による吸引時に第二真空源33のON・OFFを高速(良好な振動を発生させるためには好ましくは10~100Hz、この実施例では30HzでON・OFFまたは電磁弁を開閉するように設定されている。)で繰り返すことで脈動を発生させ袋口開口用吸盤22,23を振動させる。
【0025】
具体的には、この実施例の振動機構25は、第一真空源30が第一真空ポンプであり、第二真空源33が第二真空ポンプであり、第一真空ポンプ30を開閉する第一真空電磁弁32と、第二真空ポンプ33を開閉する第二真空電磁弁34とを有し、第一真空電磁弁32を開いて第一真空ポンプ30(例えば-40kPa)にて吸引し、かつ第二真空電磁弁34による開閉を高速で繰り返しながら第二真空ポンプ33(例えば-60kPa)にて吸引することで連通した両者のパイプ内で脈動を発生させ、袋口開口用吸盤22,23を振動させる。これによって、袋口開口用吸盤22,23による包装袋Hの吸着時に真空圧力に強弱をつけることができ、袋口開口用吸盤22,23と包装袋Hとの間隙に存在する空気を除去して密着性を向上させることができると共に、包装袋H内の残存酸素等を循環させ包装袋H内のガス濃度の測定精度を向上させることができるよう構成されている。
【0026】
第一真空ポンプ30、第二真空ポンプ33、第一真空電磁弁32、第二真空電磁弁34、第一真空ポンプ30および第二真空ポンプ33の真空圧力を設定する操作パネル24は、PLC31により制御されるように構成されている。なお、真空源は、この実施例のような真空ポンプに限定されるものではなく、吸引可能なものであればどのようなものでもよく、例えばブロワやエジェクタなどであってもよい。
【0027】
また、この実施例の袋開口装置20は、図3に示すように、被包装物を充填する包装袋Hの袋口付近の表裏面a,b側に対向してそれぞれ配された一対の袋口開口用吸盤22,23に加え、被包装物を充填する包装袋Hの底部付近の表裏面a,b側に対向してそれぞれ配された一対の底部開口用吸盤50,51を有しており、一対の底部開口用吸盤50,51は包装袋Hの吸着時に振動可能に構成されている。
【0028】
これら一対の底部開口用吸盤50,51は、例えば底部にマチを備えた自立袋(スタンディングパック)などの場合、袋口のみならず底部内部も開口する必要があるため設けられるものである。そして、一対の底部開口用吸盤50,51の吸引機構は前述した吸引機構24であり、振動機構は前述した振動機構25である。これらにより、包装袋Hの底部付近の表裏面a,bと一対の底部開口用吸盤50,51との密着性を向上させ、吸着ミスの発生を抑制して底部内部をより確実に開口できるように構成されている。なお、図2(a)は袋口および底部内部が閉じた状態にあり、一対の袋口開口用吸盤と一対の底部開口用吸盤とがそれぞれ最接近位置にある状態を示し、図2(b)袋口および底部内部が開いた状態にあり、一対の袋口開口用吸盤と一対の底部開口用吸盤とがそれぞれ中間位置にある状態を示している。
【0029】
つぎに、図4に示した本発明の袋開口装置の他の実施例について説明する。
この実施例の袋開口装置40と前述した袋開口装置20との基本的な相違は振動機構の構成であり他は袋開口装置20と同様である。袋開口装置20と同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0030】
この実施例の袋開口装置40は、袋口開口用吸盤22,23にて吸引して包装袋Hを吸着するための真空源は真空ポンプ41のみであり、真空ポンプ41による吸引はPLC31により真空ポンプ41および真空電磁弁43を制御することにより行われる(袋開口装置40の吸引機構42)。
【0031】
そして、この実施例の振動機構44は、袋開口装置40の本体部47内に設けられたバイブレータ45であり、このバイブレータ45が振動することに伴って袋口開口用吸盤22,23が、真空ポンプ41による吸引中に振動するように構成されている。なお、この実施例のバイブレータ45は、PLC42により振動電磁弁46が制御されることによりバイブレータ45を振動させるエア式ロータリー型バイブレータであるが、袋口開口用吸盤22,23を振動させることができるものであればどのような振動機構でもよく、例えばエア式ピストン型振動機や電気式バイブレータなどで構成された袋開口装置も本発明の範疇に包含される。
【0032】
さらに、図5に示した本発明の袋開口装置の他の実施例について説明する。
この実施例の袋開口装置60と前述した袋開口装置20との基本的な相違は振動機構の構成であり他は袋開口装置20と同様である。袋開口装置20と同一構成部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0033】
この実施例の袋開口装置60は、袋口開口用吸盤22,23を吸引して包装袋Hを吸着するための真空源は真空ポンプ61のみであり、真空ポンプ61による吸引はPLC31により真空ポンプ61および真空電磁弁62を制御することにより行われる(袋開口装置60の吸引機構63)。
【0034】
また、この実施例の振動機構64は、吸引機構63と、大気と連通する大気連通部65(この実施例では一端側が大気開放されたパイプ66と、パイプ66を開閉するための電磁弁67)とを有している。
【0035】
そして、真空源(真空ポンプ61)による吸引時に大気連通部65の開閉を高速で繰り返すことで脈動を発生させ一対の袋口開口用吸盤22,23を振動させるように構成されている。
【0036】
このように、本発明の袋開口装置は2つの異なる圧力を用いて脈動を生起させるために、前述した袋開口装置20のように、2つの真空源である第一真空源30と第二真空源32を使用するものに限定されず、この実施例の袋開口装置60のように、1つの真空源(真空ポンプ61)と大気連通部65とを有し、異なる圧力を真空圧力と大気圧で実現したものも本発明の範疇に包含される。
【0037】
さらに、本発明の袋開口装置には、被包装物を充填する包装袋Hの底部付近の表裏面a,b側に対向してそれぞれ配された一対の底部開口用吸盤50,51と、一対の底部開口用吸盤50,51により包装袋Hの底部付近の表裏面a,bをそれぞれ吸着するための吸引機構24とを有し、一対の底部開口用吸盤50,51は包装袋Hの吸着時に振動機構25により振動可能に構成されていることを特徴とする袋開口装置も包含される。すなわち、包装袋の袋口を開口する機構を有さず、包装袋の底部を開口する機構のみを有するように構成された袋開口装置も本発明の範疇に包含される。これにより、包装袋Hの底部付近の表裏面a,bと一対の底部開口用吸盤50,51との密着性を向上させ、吸着ミスの発生を抑制して底部内部をより確実に開口することができる。
【0038】
同様に本発明の包装機には、被包装物を充填する包装袋Hの底部付近の表裏面a,b側に対向してそれぞれ配された一対の底部開口用吸盤50,51と、一対の底部開口用吸盤50,51により包装袋Hの底部付近の表裏面a,bをそれぞれ吸着するための吸引機構24とを有し、一対の底部開口用吸盤50,51は包装袋Hの吸着時に振動機構25により振動可能に構成されている袋開口装置を備えていることを特徴とする包装機も包含される。すなわち、包装袋の袋口を開口する機構を有さず、包装袋の底部を開口する機構のみを有するように構成された袋開口装置を備えた包装機も本発明の範疇に包含される。これにより、包装袋Hの底部付近の表裏面a,bと一対の底部開口用吸盤50,51との密着性を向上させ、吸着ミスの発生を抑制して底部内部をより確実に開口することができる。
【符号の説明】
【0039】
P 包装機
4 袋開口ステーション
10 移動体
12 間欠回転軸
13 給袋装置
20 袋開口装置
22,23 袋口開口用吸盤
24 吸引機構
25 振動機構
26 位置制御モータ
27 回動軸
28,29 アーム
30 第一真空源(第一真空ポンプ)
31 PLC
32 第一真空電磁弁
33 第二真空源(第二真空ポンプ)
34 第二真空電磁弁
35 操作パネル
40 袋開口装置
41 真空ポンプ
42 吸引機構
43 真空電磁弁
44 振動機構
45 バイブレータ
46 振動電磁弁
47 本体部
50,51 底部開口用吸盤
60 袋開口装置
61 真空ポンプ
62 真空電磁弁
63 吸引機構
64 振動機構
65 大気連通部
66 パイプ
67 電磁弁
H 包装袋
g グリップ対
a 表面
b 裏面
図1
図2
図3
図4
図5