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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034588
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】錠剤収集装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 65/32 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
B65G65/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138931
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000209751
【氏名又は名称】池上通信機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(72)【発明者】
【氏名】谷口 博昭
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 伎
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 菜都美
【テーマコード(参考)】
3F075
【Fターム(参考)】
3F075AA10
3F075BA01
3F075BB08
3F075CA06
3F075CB13
3F075CD11
(57)【要約】
【課題】収集容器が載置される錠剤収集装置において、収集容器外に錠剤が落下することを抑制する。
【解決手段】開口部11を有する収集容器10が載置されるターンテーブル4と、ターンテーブル4を回転させるハンドル15と、ターンテーブル4上の収集容器10よりも上方に配置され、入口44から投入された錠剤を下部の出口45から落下させるホッパー17とを有し、ターンテーブル4の回転により、収集容器10が、平面視において出口45と収集容器10の開口部11とが重なる重なり位置と、出口45と収集容器10の開口部11とが重ならない非重なり位置との間を移動する錠剤収集装置であり、出口45を開閉するシャッター20と、ターンテーブル4の回転に連動してシャッター20を駆動するシャッター駆動機構23を備え、シャッター駆動機構23は、収集容器10が重なり位置にある場合に出口45を開放し、非重なり位置にある場合に出口45を閉鎖するようにシャッター20を駆動する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤を収集容器に収集する錠剤収集装置であって、
上部に開口部を有する収集容器が載置される可動台と、
前記可動台を動作させる可動台駆動機構と、
前記可動台上の前記収集容器よりも上方に配置され、上部の入口から投入された錠剤を下部の出口から落下させるホッパーと、
を有し、
前記可動台の動作により、前記収集容器が、平面視で前記ホッパーの出口と前記収集容器の開口部とが重なる重なり位置と、平面視で前記ホッパーの出口と前記収集容器の開口部とが重ならない非重なり位置との間を移動するように構成されており、
前記ホッパーの出口を開閉するシャッターと、
前記可動台の動作に連動して前記シャッターを駆動するシャッター駆動機構と、
をさらに有し、
前記シャッター駆動機構は、前記収集容器が前記重なり位置にある場合に前記ホッパーの出口を開放し、前記収集容器が前記非重なり位置にある場合に前記ホッパーの出口を閉鎖するように前記シャッターを駆動する、
錠剤収集装置。
【請求項2】
前記可動台は、ターンテーブルである、請求項1に記載の錠剤収集装置。
【請求項3】
前記シャッターは、直線動作で前記ホッパーの出口を開閉するように構成され、
前記シャッター駆動機構は、前記ターンテーブルの回転動作を前記シャッターの直線動作に変換するように構成されている、請求項2に記載の錠剤収集装置。
【請求項4】
前記ターンテーブルには複数の前記収集容器が載置され、
前記シャッター駆動機構は、前記ターンテーブルの回転により回転する間欠歯車と、前記間欠歯車の回転により回転する全周歯車と、前記全周歯車の回転動作を前記シャッターの直線動作に変換する動作変換機構と、を有する、
請求項2に記載の錠剤収集装置。
【請求項5】
前記シャッター駆動機構は、前記ターンテーブルの回転中心に配置されて前記ターンテーブルと一体に回転する回転軸と、前記回転軸と一体に回転する駆動プーリと、前記間欠歯車と一体に回転する従動プーリと、前記駆動プーリと前記従動プーリとに取り付けられたタイミングベルトと、を有する、請求項4に記載の錠剤収集装置。
【請求項6】
前記ターンテーブルの下方に配置されて前記回転軸を回転可能に支持する下側支持台と、前記ターンテーブル上の前記収集容器と前記ホッパーとの間に配置されて前記回転軸を回転可能に支持する上側支持台と、前記下側支持台および前記上側支持台を固定する支柱と、を有し、
前記上側支持台には、前記ホッパーの出口に対向して前記上側支持台を貫通する貫通開口が設けられ、
前記上側支持台の上面側に前記シャッターが配置され、
前記ホッパーの出口の開口面積は、前記ホッパーの入口の開口面積および前記貫通開口の開口面積より小さい、請求項5に記載の錠剤収集装置。
【請求項7】
前記収集容器が前記可動台に載置された請求項1から6のいずれか1項に記載の錠剤収集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤を開口部器に収集する錠剤収集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤収集装置の一例として、特許文献1に記載された錠剤回収装置が知られている。特許文献1に記載された錠剤回収装置は、回転モータによりターンテーブルを回転させることにより、ターンテーブル上の選択されたターンテーブルを錠剤投下位置へと移動させ、そこで検査後の錠剤が錠剤回収容器に投下されるように構成されている。
【0003】
特許文献1に記載された錠剤回収装置は、錠剤回収容器が錠剤で満杯になったことを満杯検出センサが検出すると、錠剤の投下を中止する。このため、錠剤が錠剤回収容器からあふれこぼれることは防止され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-166901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された錠剤回収装置では、例えば錠剤で満杯になる前に錠剤回収容器を移動させる必要が生じた場合、錠剤が錠剤回収容器外に落下したり、錠剤が錠剤回収容器にぶつかって錠剤回収容器の周囲に飛散したりするおそれがある。
【0006】
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、錠剤を収集容器に収集するように構成された錠剤収集装置において、錠剤が収集容器外に落下したり、収集容器の周囲に飛散したりすることを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、錠剤を収集容器に収集する錠剤収集装置であり、上部に開口部を有する収集容器が載置される可動台と、可動台を動作させる可動台駆動機構と、可動台上の収集容器よりも上方に配置され、上部の入口から投入された錠剤を下部の出口から落下させるホッパーと、を有し、可動台の動作により、収集容器が、平面視でホッパーの出口と収集容器の開口部とが重なる重なり位置と、平面視でホッパーの出口と収集容器の開口部とが重ならない非重なり位置との間で移動するように構成されている。また、この錠剤収集装置は、ホッパーの出口を開閉するシャッターと、可動台の動作に連動してシャッターを駆動するシャッター駆動機構と、をさらに有し、シャッター駆動機構は、収集容器が重なり位置にある場合にホッパーの出口を開放し、収集容器が非重なり位置にある場合にホッパーの出口を閉鎖するようにシャッターを駆動するように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様である錠剤収集装置によれば、錠剤が収集容器外に落下したり、収集容器の周囲に飛散したりすることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第一実施形態による錠剤収集装置を正面側から視た斜視図である。
図2】本発明の第一実施形態による錠剤収集装置の一部を省略した側面図である。
図3】本発明の第一実施形態による錠剤収集装置を背面側から視た斜視図である。
図4】本発明の第一実施形態による錠剤収集装置の平面図である。
図5】本発明の第一実施形態による錠剤収集装置からホッパーの背面板を除いた状態の背面側から視た斜視図である。
図6】本発明の第二実施形態による錠剤収集装置の制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の実施形態による錠剤収集装置は、製薬会社などにおいて打錠機や検査機から送出された錠剤を収集容器に収集する錠剤収集装置である。
【0011】
図1は、本発明の第1実施形態による錠剤収集装置1を正面側から視た斜視図であり、図2は、錠剤収集装置1の一部を省略した側面図である。錠剤収集装置1は、回転軸2(図2参照)と、回転軸2を回転可能に支持する支持台3と、回転軸2に一体に固定されるターンテーブル4とを有する。支持台3は、回転軸2の下端側を回転可能に支持する下側支持台5と、回転軸2の上端側を回転可能に支持する上側支持台6と、下側支持台5と上側支持台6とが固定された支柱7とを含む。ターンテーブル4は、下側支持台5と上側支持台6との間の下側支持台5側寄りで回転軸2に一体に固定されている。従って、ターンテーブル4は支持台3に対して回転可能に取り付けられている。ターンテーブル4は本発明における「可動台」に相当する。
【0012】
ターンテーブル4は、矩形状であり、その中心位置で軸ブラケット8(図2参照)を介して回転軸2に固定されている。ターンテーブル4の上面であるターンテーブル上面9には、回転軸2を挟んで2台の収集容器10が載置されている。従って、回転軸2が回転することにより、ターンテーブル4は回転軸2を中心に回転し、その結果、ターンテーブル上面9に載置された2台の収集容器10は、回転軸2を中心にして周方向に移動する。尚、本実施形態では、ターンテーブル4は矩形状であるが、矩形状には限定されず円形状であっても構わない。
【0013】
2台の収集容器10は上部に開口部11を有する有底の直方体形状の容器である。尚、本実施形態では収集容器10は直方体形状を有しているが、直方体形状に限定はされず、上部に開口部11を有する有底の容器であればよく、円柱状などの他の形状であっても構わない。また、本実施形態では、ターンテーブル上面9に2台の収集容器10が載置されているが、2台に限定されず、ターンテーブル上面9に1台の収集容器10が載置されてもよいし、回転軸2を中心にして放射状に3台以上の収集容器10が載置されてもよい。
【0014】
上側支持台6は、ターンテーブル上面9に収集容器10が載置された場合に、収集容器10よりも上方になるように配置されている。回転軸2の上端側は上側支持台6の下面で上側軸受12(図2参照)により回転可能に支持されている。回転軸2の上端側は上側支持台6を貫通し、上側支持台6の上面である上側支持台上面13から突き出ている。回転軸2の下端側は下側支持台5の下面で下側軸受14(図2参照)により回転可能に支持されている。上側支持台上面13から突き出ている回転軸2の上端にはハンドル15が回転軸2と一体に固定されている。ハンドル15には把手16が取り付けられている。ハンドル15及び回転軸2は本発明における「可動台駆動機構」に相当する。作業者が把手16を握ってハンドル15を回すことにより回転軸2が回転し、ターンテーブル4が回転する。ハンドル15の下側には、回転軸2と一体に回転する後述する駆動プーリ24(図2参照)が固定されている。
【0015】
上側支持台上面13には、打錠機や検査機などから送出された錠剤を受け入れるホッパー17と、詳細は後述するが、ホッパー17の出口45を開閉するシャッター20と、ターンテーブル4の回転動作に連動してシャッター20を駆動するシャッター駆動機構23
とが配置されている。
【0016】
図3は、本実施形態の錠剤収集装置1のホッパー17と、錠剤収集装置1からホッパー17を外した状態を背面側から視た斜視図である。図3に示すように、ホッパー17は、直方体形状に形成され、正面板40と、正面板40の両側に配置される側面板41と、正面板40の反対面側に配置される背面板42と、底面側に配置される底面板43とを有する。また、ホッパー17の上部には矩形状の入口44が設けられ、ホッパー17の下部には矩形状の出口45が設けられている。
【0017】
図5は、本実施形態における錠剤収集装置1からホッパー17の背面板42を除いた状態の背面側から視た斜視図である。図5に示すように、底面板43は側面板41の上下方向の中間位置から出口45の縁に向かって傾斜している。すなわち、底面板43の一端は側面板41の上下方向の中間位置に接続し、底面板43の他端は出口45の縁を構成している。出口45の開口面積は入口44の開口面積より小さい。打錠機や検査機から送出された錠剤はホッパー17の入口44を通ってホッパー17内に投入され、ホッパー17内に投入された錠剤は、傾斜した底面板43にガイドされて出口45へと導かれる。尚、本実施形態では、ホッパー17は、直方体形状であって、矩形状の入口44および出口45を有しているが、これに限定されず、例えば、ロート状であって、円形状の入口44および出口45を有した構成であっても構わない。
【0018】
上側支持台6には矩形状の貫通開口18が形成されている。貫通開口18は上側支持台6を上下方向に貫通し、上側支持台上面13の上方に配置されたホッパー17の出口45に対向するように配置されている。貫通開口18の開口面積はホッパー17の出口45の開口面積より大きい。望ましくは、出口45および貫通開口18を上方から視た場合(平面視の場合)、出口45が貫通開口18に含まれるように配置されている。また、貫通開口18の開口面積は収集容器10の開口部11の面積より小さい。また、ターンテーブル上面9に載置されて回転軸2を中心にして周方向に移動する収集容器10の開口部11が貫通開口18を通過するように、貫通開口18は配置されている。従って、ターンテーブル上面9に載置された収集容器10の開口部11が平面視において貫通開口18の位置と重なるようにターンテーブルを停止させた場合、収集容器10の開口部11と貫通開口18とが重なる位置の状態で保持することができる。収集容器10の開口部11と貫通開口18とが重なる位置の状態でターンテーブル4が保持され、シャッター20がホッパー17の出口45を開放すれば、打錠機や検査機から送出され錠剤は、ホッパー17の出口45から貫通開口18を介して、収集容器10へと投下される。この場合、出口45の開口面積は、入口44の開口面積および貫通開口18の面積より小さく、また、貫通開口18の開口面積は開口部11の開口面積より小さいので、打錠機や検査機から送出された錠剤が大量であっても、ホッパー17の出口45から投下される錠剤が上側支持台上面13に溜まることなく収集容器10へ導くことができる。尚、本実施形態では、貫通開口18は矩形状であるが、これに限定されず円形状であっても構わない。
【0019】
上側支持台6の上側支持台上面13には、ホッパー17の出口45を開閉するシャッター20が配置されている。シャッター20は、上側支持台上面13の上方に配置されたホッパー17の出口45を開閉する位置に配置されている。尚、貫通開口18は出口45の位置と重なるように上側支持台上面13に配置されているため、シャッター20は貫通開口18も開閉する。シャッター20がホッパー17の出口45を開放することにより、錠剤は出口45から落下し、シャッター20がホッパー17の出口45を閉鎖することにより、錠剤は出口45から落下しない。尚、シャッター20は出口45を閉鎖することができれば、例えば、貫通開口18の開口すべてを閉鎖できなくても構わない。上側支持台上面13にはシャッター20の両端部をガイドする一対のガイドレール21が設けられ、一対のガイドレール21によってシャッター20の開閉動作が直線動作に拘束される。シャッター20の開閉動作はシャッター駆動機構23により行われる。シャッター駆動機構23は、ターンテーブル4の回転動作に連動してシャッター20を駆動するする。尚、ここで、「シャッター20は出口45を閉鎖する」には、錠剤が出口45からこぼれ落ちない程度に出口45とシャッター20との間に隙間が形成される場合をも含む。
【0020】
次に、図2から4を用いて、シャッター駆動機構23について説明する。シャッター駆動機構23は、ターンテーブル4と一体に回転する回転軸2と、回転軸2と一体に回転する駆動プーリ24と、駆動プーリ24の回転を伝えるタイミングベルト25と、タイミングベルト25により回転する従動プーリ26と、従動プーリ26と一体に回転する第1歯車27と、第1歯車27とかみ合わさって回転する第2歯車28と、第2歯車28の回転動作を直線動作に変換するリンク機構29とを有する。従動プーリ26および第1歯車27は図示しない軸を介して上側支持台上面13に配置されている。従動プーリ26および第1歯車27は上側支持台6に対して回転可能である。第1歯車27は間欠歯車であって、その周面に歯車の歯が形成された歯車部30と、歯車の歯が形成されていない転がり部31とを有する。第2歯車28は全周面に歯車の歯が形成されている(全周歯車という。以下、同じ。)。間欠歯車である第1歯車27と全周歯車である第2歯車28とは、第1歯車27の連続回転運動を第2歯車28の断続回転運動に変換する変換機構である。リンク機構29はリンク32を備えている。リンク32の一端側は、ピンにより第2歯車28の上端面の外周側に回転可能に取り付けられ、リンク32の他端側は、シャッター20の上面に回転可能に取り付けられている。リンク機構29により、第2歯車28の回転動作がシャッター20の直線動作に変換される。尚、リンク機構29は本発明における動作変換機構である。
【0021】
駆動プーリ24と従動プーリ26とにはタイミングベルト25が回されており、駆動プーリ24と従動プーリ26との間にはタイミングベルト25の張力を調整するテンショナー33が配置されている。テンショナー33はテンションプーリ34を備え、テンションプーリ34がタイミングベルト25に接してタイミングベルト25の張力を調整する。本実施形態では、テンショナー33によってタイミングベルト25の張力を調整したが、テンショナー33を用いず、駆動プーリ24と従動プーリ26との軸間距離を変えてタイミングベルト25の張力を調整しても構わない。
【0022】
次に、シャッター駆動機構23を用いたターンテーブル4の回転動作とシャッター20の開閉動作について説明する。作業者がハンドル15を回すことにより、回転軸2および回転軸2と一体のターンテーブル4が回転する。ターンテーブル4が回転することにより、ターンテーブル4に載置された収集容器10は、回転軸2の回転中心にターンテーブル4と一緒に周方向に移動する。回転軸2が回転すると回転軸2と一体の駆動プーリ24が回転する。駆動プーリ24が回転するとタイミングベルト25を介して従動プーリ26および第1歯車27が回転する。第1歯車27が回転すると、第1歯車27の歯車部30の歯と第2歯車28の歯が面して噛み合っている場合は、第2歯車28が回転する。一方、第1歯車27が回転しても、第1歯車27の歯車部30の歯と第2歯車28の歯が面しておらず、第2歯車28の歯が転がり部31と面している場合は、第2歯車28が回転しない。第2歯車28が回転すればリンク機構29を介してシャッター20は開閉動作を行い、第2歯車28が回転しなければシャッター20は開閉動作を行わない。
【0023】
収集容器10の位置、第1歯車27における歯車部30と転がり部31との割合、それらの回転角の位置、および、リンク32と第2歯車28との取り付け位置と、シャッター20の開閉動作との関係は、次のように調整されている。回転軸2の回転中心に周方向に移動する収集容器10が、上方から視た場合(平面視)に開口部11が出口45をすべて含まないような位置(出口45と開口部11とが重ならない位置である非重なり位置と言う。以下、同じ。)にある場合は、シャッター20は出口45を閉鎖してその状態を維持する。回転軸2の回転中心に周方向に移動する収集容器10が、平面視において、収集容器10の開口部11が出口45をすべて含むような位置(出口45と開口部11とが重なる位置である重なり位置と言う。以下、同じ。)にある場合は、シャッター20が出口45を開放してその状態を維持する。尚、平面視において、収集容器10が重なり位置にある場合は、シャッター20は開動作中または閉動作中であって出口45が一部開放されている状態であるように調整されていても構わない。
【0024】
このように調整されることにより、例えば、二つの収集容器10のいずれかを交換するためにハンドル15を操作してターンテーブル4を回転させた場合、収集容器10が非重なり位置にある場合は、シャッター20は出口45を閉鎖しているので、錠剤が収集容器10の外に落下したり、錠剤が収集容器10にぶつかって収集容器10の周囲に飛散したりすることはない。例えば、錠剤を少量生産する場合や錠剤の開発段階の場合などのように、収集容器10が錠剤で満杯になる前に収集容器10を搬出する場合がある。その場合、本実施形態の錠剤収集装置1は、収集容器10が非重なり位置にある場合は、シャッター20は出口45を閉鎖しているので、錠剤が収集容器10の外に落下することはないので、特に有効である。一方、先行技術に示された錠剤収集装置は、満杯検出センサを設けているが、収集容器が錠剤で満杯になる前に収集容器を搬出する場合は、満杯検出センサが満杯を検知しないため、錠剤の投下は中止されない。そのため、収集容器の外に錠剤が投下されてしまう。
【0025】
本実施形態では、シャッター駆動機構23は、ターンテーブル4と一体に回転する回転軸2と、回転軸2と一体に回転する駆動プーリ24と、駆動プーリ24の回転を伝えるタイミングベルト25と、タイミングベルト25により回転する従動プーリ26と、従動プーリ26と一体に回転する第1歯車27と、第1歯車27とかみ合わさって回転する第2歯車28と、第2歯車28の回転動作を直線動作に変換するリンク機構29とを備えている。しかし、第1歯車27がターンテーブル4の回転動作により回転すれば、例えば、回転軸2に第1歯車27を直接固定して、駆動プーリ24、タイミングベルト25、従動プーリ26を省いても構わない。また、本実施形態では、連続回転運動を断続回転運動に変換する変換機構として、間欠歯車である第1歯車27と全周面に歯が形成された第2歯車28とを用いたが、これに限定されず、例えば、ゼネバ機構を用いても構わない。また、本実施形態では、リンク機構29を用いて、シャッター20の直線動作を用いて出口45を開閉したが、これに限定されず、シャッター20の揺動動作を用いて出口45を開閉しても構わない。
【0026】
また、本実施形態では、上側支持台6に、出口45に対向する貫通開口18が設けられているが、例えば、出口45に対向する位置には上側支持台6が配置されてないように、上側支持台6の一部を取り除いて、シャッター20が出口45を開閉するようにしても構わない。また、本実施形態では、ターンテーブル4を回転させる可動台駆動機構として、回転軸2と、回転軸2の端部に固定されたハンドル15とを用いたが、これに限定されず、回転軸2またはターンテーブル4のいずれかに電動モータを連結して、この電動モータと回転軸2とによりターンテーブル4を回転させても構わない。本実施形態では、可動台として回転中心に回転するターンテーブル4を用いたがこれに限定されず、可動台には、例えば、ベルトコンベアのように直線移動する移動帯も含まれる。また、本実施形態では、出口45の開口面積は貫通開口18の開口面積より小さくしたが、これに限定されず、出口45の開口面積は貫通開口18の開口面積より大きくても構わない。ただし、出口45の開口面積は貫通開口18の開口面積より小さい方が望ましい。出口45から投下される錠剤が上側支持台上面13に溜まることがないからである。
【0027】
次に、図6を用いて、本発明の第二実施形態に係る錠剤収集装置60ついて説明する。図6は、錠剤収集装置60の制御ブロック図である。第一実施形態の錠剤収集装置1と第二実施形態の錠剤収集装置との相違は、ターンテーブル4の回転動作に連動してシャッター20を駆動するシャッター駆動機構23として、第一実施形態の錠剤収集装置1では、回転軸2と、駆動プーリ24と、タイミングベルト25と、従動プーリ26と、第1歯車27と、第2歯車28と、リンク機構29とを用いたが、第二実施形態の錠剤収集装置60では、駆動プーリ24と、タイミングベルト25と、従動プーリ26と、第1歯車27と、第2歯車28と、リンク機構29とを用いず、電気的に処理した点である。本実施形態の説明では、第一実施形態の錠剤収集装置1と第二実施形態に係る錠剤収集装置60との相違点を中心に説明し、共通する点についての説明は省略する。また、第二実施形態に係る錠剤収集装置60において、第一実施形態の錠剤収集装置1と共通する構成については同一の符号を用いる。
【0028】
本実施形態における錠剤収集装置60は、ターンテーブル4を回転させる可動台駆動機構は電動モータを用いている。錠剤収集装置60は、シャッター20を開閉させるアクチュエータ53と、ターンテーブル4の回転角度の位置を検出する位置検出手段57と、位置検出手段57からの信号に基づき、ターンテーブル4に載置された収集容器10が重なり位置にあるかどうかを判定する開口位置判定手段54と、開口位置判定手段54からの信号に基づきアクチュエータ53を制御する制御部52を有する。アクチュエータ53としては、ソレノイドや電動モータが用いられる。位置検出手段57は、ターンテーブル4の回転角度を計測するエンコーダである。開口位置判定手段54は、記憶部55と比較部56を有している。記憶部55には、収集容器10が重なり位置にある場合のターンテーブル4の回転角度(投入可能角度)が記憶されている。比較部56は、位置検出手段57が検出したターンテーブル4の回転角度が投入可能角度と一致するかどうかを比較する。位置検出手段57が検出したターンテーブル4の回転角度が投入可能角度と一致する場合には、開口位置判定手段54は制御部52に対して、ターンテーブル4の回転角度と投入可能角度が一致する旨の信号を送信する。制御部52は、ターンテーブル4の回転角度と投入可能角度が一致する旨の信号を受信すると、シャッター20が出口45を開放するようにアクチュエータ53に指示する。一方、位置検出手段57が検出したターンテーブル4の回転角度と投入可能角度が一致しない場合には、開口位置判定手段54は制御部52に対して、ターンテーブル4の回転角度と投入可能角度が一致しない旨の信号を送信する。制御部52は、ターンテーブル4の回転角度と投入可能角度が一致しない旨の信号を受信すると、シャッター20が出口45を閉鎖するようにアクチュエータ53に指示する。本実施形態における制御部52は本発明における「シャッター駆動機構」に相当する。
【0029】
本実施形態の錠剤収集装置60によれば、収集容器10の開口部11が出口45に重ならない位置にある場合は、シャッター20は出口45を閉鎖しているので、錠剤が収集容器10の外に落下したり、収集容器10の周囲に飛散したりすることを抑制することができる。例えば、錠剤を少量生産する場合や錠剤の開発段階の場合などのように、収集容器10が錠剤で満杯になる前に収集容器10を搬出する場合がある。その場合、本実施形態の錠剤収集装置60は、収集容器10の開口部11が出口45に重ならない位置にある場合は、シャッター20は出口45を閉鎖しているので、錠剤が収集容器10の外に落下したり、収集容器10の周囲に飛散したりしないので、特に有効である。
【0030】
本実施形態では、位置検出手段57はエンコーダを用いたが、リミットスイッチを用いても構わない。また、本実施形態では、ターンテーブル4を回転させる回転手段として電動モータを用いているが、これに限定されず、ハンドル15などの手動による手段を用いても構わない。
【0031】
上記した実施形態では、錠剤を収集容器に収集する錠剤収集装置として、収集容器10がターンテーブル上面9に載置された錠剤収集装置1を示したが、収集容器10がターンテーブル上面9に載置されていない状態の錠剤収集装置1も本発明に含まれる。その場合、収集容器10がターンテーブル上面9に載置された場合において、収集容器10が重なり位置にある場合に、シャッター20がホッパー17の出口45を開放し、収集容器10が非重なり位置にある場合にホッパー17の出口45を閉鎖するように、シャッター駆動機構23が設定されていればよい。
【0032】
以上、本発明のいくつかの実施形態について述べたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内においてさらに各種の変形および変更が可能であることを付言する。
【符号の説明】
【0033】
1 錠剤収集装置
2 回転軸
3 支持台
4 ターンテーブル
5 下側支持台
6 上側支持台
7 支柱
8 軸ブラケット
9 ターンテーブル上面
10 収集容器
11 開口部
12 上側軸受
13 上側支持台上面
14 下側軸受
15 ハンドル(可動台駆動機構)
16 把手
17 ホッパー
18 貫通開口
20 シャッター
21 ガイドレール
23 シャッター駆動機構
24 駆動プーリ
25 タイミングベルト
26 従動プーリ
27 第1歯車
28 第2歯車
29 リンク機構
30 歯車部
31 転がり部
32 リンク
33 テンショナー
34 テンションプーリ
40 正面板
41 側面板
42 背面板
43 底面板
44 入口
45 出口
52 制御部
53 アクチュエータ
54 開口位置判定手段
55 記憶部
56 比較部
57 位置検出手段
60 錠剤収集装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6