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特開2024-34589疲労寿命に対応する負荷応力推定装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034589
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】疲労寿命に対応する負荷応力推定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/32 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
G01N3/32 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138932
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】301023238
【氏名又は名称】国立研究開発法人物質・材料研究機構
(72)【発明者】
【氏名】長島 伸夫
(72)【発明者】
【氏名】升田 博之
(72)【発明者】
【氏名】長井 寿
(72)【発明者】
【氏名】早川 正夫
(72)【発明者】
【氏名】古谷 佳之
【テーマコード(参考)】
2G061
【Fターム(参考)】
2G061AA02
2G061AB05
2G061BA15
2G061DA12
2G061EA02
(57)【要約】
【課題】精度の良い推定が得られるように機械学習の仕方を改良した疲労寿命と負荷応力の関係を推定する装置を提供すること。
【解決手段】疲労限度推定の種類の指定と、機械学習の決定木で用いる機械特性の指定を読込む機能部(310)と、疲労データシートから、指定された金属構造材料の疲労データを読込む機能部(320)と、前記指定された機械特性を用いて、読み込んだ金属構造材料の疲労データに対して、疲労寿命に対応する負荷応力の機械学習済の教師付き機械学習を行った機械学習演算部(330)とを備え、前記教師付き機械学習を行った機械学習演算部により、指定された機械特性を用いて、指定された疲労限度推定の種類に応じた疲労寿命に対応する負荷応力推定の演算結果を出力するものである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
疲労限度推定の種類の指定と、機械学習の決定木で用いる機械特性の指定を読込む機能部と、
疲労データシートから、指定された金属構造材料の疲労データを読込む機能部と、
前記指定された機械特性を用いて、読み込んだ金属構造材料の疲労データに対して、疲労寿命に対応する負荷応力の機械学習済の教師付き機械学習を行った機械学習演算部とを備え、
前記教師付き機械学習を行った機械学習演算部により、指定された機械特性を用いて、指定された疲労限度推定の種類に応じた疲労寿命に対応する負荷応力推定の演算結果を出力するように構成した疲労寿命に対応する負荷応力推定装置。
【請求項2】
前記機械学習演算部に対して、前記指定された機械特性を用いて、読み込んだ金属構造材料の疲労データに対して、疲労寿命に対応する負荷応力の機械学習を行い、前記教師付き機械学習を行う前処理部を有する請求項1に記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置。
【請求項3】
前記機械学習に用いるモデルはランダムフォレスト法、ディープラーニング、ニューラルネットワーク、又はLASSO回帰を用いたモデルの何れかを含む請求項2に記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置。
【請求項4】
前記疲労限度推定の種類としては、10回疲労限の推定、10回疲労限の推定、S-N曲線の推定、及び低サイクル疲労寿命の推定の少なくとも一つを含む請求項1乃至3の何れかに記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置。
【請求項5】
前記機械学習の決定木で用いる機械特性には、ビッカース硬さ、引張強度、破断伸び、破断絞り、応力比、又は疲労試験法の少なくとも一つを含む請求項1乃至4の何れかに記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置。
【請求項6】
前記疲労試験法には、回転曲げ試験データ、軸荷重試験データ、又はねじり試験データの少なくとも一つを含む請求項5に記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置。
【請求項7】
前記金属構造材料には、炭素鋼鋼材、ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材、マンガン鋼鋼材、ステンレス鋼鋼材、アルミニウム合金、又はチタン合金の少なくとも一つを含む請求項1乃至6の何れかに記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置。
【請求項8】
前記金属構造材料には、炭素鋼鋼材についてS25C、S35C、S45C、S55Cがあり、ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材についてSNCM439、マンガン鋼鋼材についてSMn438、SMn443、ステンレス鋼鋼材についてSUS403、SUS304の少なくとも一つを含む請求項7に記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置。
【請求項9】
さらに、校正対象に用いる疲労限度推定の種類に応じた疲労寿命に対応する負荷応力推定の演算結果を用いて、教師付き機械学習を行った前記機械学習演算部の疲労寿命に対応する負荷応力推定の正確性を評価する機械学習評価部を有する請求項1乃至8の何れかに記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置。
【請求項10】
さらに、前記機械学習評価部の評価結果から、前記機械学習演算部の疲労寿命に対応する負荷応力推定の正確性を高めるような、前記機械学習の決定木で用いる機械特性の種類と、前記疲労データシートで読み込む金属構造材料の疲労データの種類を推奨するアシスト機能部を有する請求項9に記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置。
【請求項11】
疲労限度推定の種類の指定と、機械学習の決定木で用いる機械特性の指定をする工程と、
疲労データシートから、指定された金属構造材料の疲労データを読込む工程と、
前記指定された機械特性を用いて、読み込んだ金属構造材料の疲労データに対して、疲労寿命に対応する負荷応力の機械学習済の教師付き機械学習を行った機械学習演算部に対して、前記指定された機械特性を用いて、指定された疲労限度推定の種類に応じた疲労寿命に対応する負荷応力の演算結果を出力する工程とを備える、
疲労寿命に対応する負荷応力推定方法。
【請求項12】
さらに、前記機械学習演算部に対して、前記指定された機械特性を用いて、読み込んだ金属構造材料の疲労データに対して、疲労寿命に対応する負荷応力の機械学習を行なって、教師付き機械学習を行う工程を有する、請求項11に記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法。
【請求項13】
前記機械学習に用いるモデルはランダムフォレスト法、ディープラーニング、ニューラルネットワーク、又はLASSO回帰を用いたモデルの何れかを含む、
請求項12に記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法。
【請求項14】
前記疲労限度推定の種類としては、10回疲労限の推定、10回疲労限の推定、S-N曲線の推定、又は低サイクル疲労寿命の推定の何れかを含む、
請求項11乃至13の何れかに記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法。
【請求項15】
前記機械学習の決定木で用いる機械特性には、ビッカース硬さ、引張強度、破断伸び、破断絞り、応力比、又は疲労試験法の少なくとも一つを含む請求項11乃至14の何れかに記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法。
【請求項16】
前記疲労試験法には、回転曲げ試験データ、軸荷重試験データ、又はねじり試験データの少なくとも一つを含む、請求項15に記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法。
【請求項17】
前記金属構造材料には、炭素鋼鋼材、ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材、マンガン鋼鋼材、ステンレス鋼鋼材、アルミニウム合金、又はチタン合金の少なくとも一つを含む請求項11乃至16の何れかに記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法。
【請求項18】
前記金属構造材料には、炭素鋼鋼材についてS25C、S35C、S45C、S55Cがあり、ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材についてSNCM439、マンガン鋼鋼材についてSMn438、SMn443、ステンレス鋼鋼材についてSUS403、SUS304の少なくとも一つを含む請求項17に記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法。
【請求項19】
さらに、校正対象に用いる疲労限度推定の種類に応じた疲労寿命に対応する負荷応力推定の演算結果を用いて、教師付き機械学習を行った機械学習演算部の疲労寿命に対応する負荷応力推定の正確性を評価する工程を有する請求項11乃至18の何れかに記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法。
【請求項20】
さらに、前記機械学習評価工程の評価結果から、前記機械学習演算部の疲労寿命に対応する負荷応力推定の正確性を高めるような、機械学習の決定木で用いる機械特性の種類と、前記疲労データシートで読み込む金属構造材料の疲労データの種類を推奨する工程を有する請求項19に記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法。
【請求項21】
さらに、前記推奨された機械学習の決定木で用いる機械特性の種類と、前記疲労データシートで読み込む金属構造材料を考慮して、請求項11の疲労限度推定の種類と、機械学習の決定木で用いる機械特性の指定をする工程で用いるために指定する疲労限度推定の種類と、前記機械学習の決定木で用いる機械特性を修正する工程を有する請求項20に記載の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物や構造材料に用いて好適な疲労寿命に対応する負荷応力推定装置及び方法に関し、特に機械学習法と各種構造材料の10回疲労限等の測定データを用いた疲労寿命に対応する負荷応力推定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼材料は機械、構造物の主要部材であり、維持管理および破損、不具合への対応において、疲労特性は重要課題の一つである。本出願人は約40年にわたり各種構造材料の10回疲労限をNIMS疲労データシート(FDS)として蓄積してきた。これらのFDSからは疲労限と他の機械的性質(例えば、対ビッカース硬度、対引張強さ等)の間に相関性があることが経験的に知られている(図19A図19B参照)。また、疲労限のみでは無く、応力振幅を基準化することによる破断寿命(S-N曲線)の推定についても試みている。
なお、特許文献1では鋼材の疲労特性推定方法が開示されている。特許文献2ではタイヤの耐摩耗性能を向上させるゴム材料の解析方法がが開示されている。特許文献3では機械学習ソフトウェアを用いた計測データに対する高精度の分類分析方法が開示されている。
【0003】
図20では、本出願人が提案する、材料の疲労特性に関し指標となる特性(Index Property)について示している(非特許文献1の表1参照)。簡単のため以下では指標特性と呼ぶ。指標特性とは、例えば材料強度の評価基準として引張強度が指標にされる様に、疲労の指標特性を参照すれば、「その材料の疲労特性がほぼ分かる」ような値として定義される。図20において、まず疲労を寿命範囲に従い、高サイクル疲労と低サイクル疲労に分ける。高サイクル疲労寿命特性は、一般に応力振幅と寿命の関係曲線σ-Nfで表される。この場合、参照すべき指標は強度特性であり、静的指標としては引張強度σ、動的指標としては繰り返し降伏応力σycを採用する。その理由については後説で述べる。
【0004】
一方、低サイクル疲労寿命特性は、ひずみと寿命の関係曲線ε-Nfで表される。従って、参照すべき指標には変形特性を考える。この場合、静的指標として破断延性ε、動的指標としては繰り返し応力-ひずみ曲線の指数n’を採用する(非特許文献2参照)。引張強度σと疲労限度σの間には良い相関が成立することが、経験的に知られている。降伏応力σ(または0.2%耐力σ0.2)とσの相関も調べられているが、σ-σの関係ほどではない。これはσが降伏という不安定現象の影響を受けるからである。ところが、繰り返し降伏応力σycとσの間には直線関係が成立する。これは、繰り返し降伏応力σycが塑性ひずみを多数回繰り返すことである定常状態となった内部組織に対応しているためと考えられる。このように、高サイクル疲労強度の静的指標としては引張強度σ、動的指標としては繰り返し降伏応力σycを採用することが妥当と考えられる。
【0005】
疲労が塑性ひずみの繰り返しにより起こる以上、本質的には動的指標を採用するべきと考えられるが、繰り返し降伏応力σycの採用には障壁がある。まず、σycの測定には多数試験法(companion specimens method)または応力振幅変動法(Incremental step method)によるひずみ制御試験で求める必要があり、測定数も決して豊富とは言えないという課題があった。
ところで、図21に示すように、引張強度σと繰り返し降伏応力σycの二つの指標特性同士は比例関係にあるので、実用的には静的指標を用いても差し支えないとも思える。そこで、引張強度σで基準化したσ/σ-Nfで材料の疲労特性を評価した。この結果は、図22に示すように、引張強度σで基準化したσ/σ-Nfの全体は広いバンドになり、決して精度の良い推定とはならないという課題があった。
また、FDSに掲載された鉄鋼構造材S25CとS55Cについての破断寿命(S-N曲線)の推定に関しては、ビッカース硬さ、引張強度、破断伸び、破断しぼりのすべての決定木モデルを連携した回帰モデルによる推定は、S25CとS55Cの破断データが区別される訓練データ(training data)の場合、92.0%と高い推定精度が得られている。しかし、非特許文献1の図7図8に示すように、ランダムに抽出した試験データ(test data)では、S25CとS55Cの破断データが区別されないため、推定値の回帰率が65.8%、平均絶対誤差率MAPEは38.7%と推定精度は低下するという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-187408号公報
【特許文献2】特開2021-071803号公報
【特許文献3】WO2018-207524号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】長島伸夫、早川正夫、升田博之、長井寿、『機械学習ランダムフォレスト法によるS-N曲線の推定』、材料第70巻第876頁~第880頁(2021)
【非特許文献2】S. Matsuoka, N, Nagashima and S. Nishijima, “Index property for the fatigue of engineering alloys”, NIMS Materials Strength Data Sheet Technical Document, No.17(1997)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1に示すような機械学習による疲労のS-N線図の推定法において、機械学習する際、疲労寿命を負荷応力から推定する場合、長寿命側のデータまで使用して訓練させると精度が落ちる問題が存在した。また疲労限の推定では荷重形式や応力比の影響を考慮すると精度が上がることが判明していたが、疲労寿命の推定では精度が悪く、荷重形式や応力比の影響については不明であった。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決したもので、機械学習によるS-N曲線(応力振幅-破断寿命の関係)の推定を行なう際に、精度の良い推定が得られるように機械学習の仕方を改良した疲労寿命と負荷応力の関係を推定する装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、NIMS疲労データシートから入手できる実験データを用いて機械学習法によって解析するについて、応力振幅-破断寿命の関係を推定する際に、機械学習の仕方を改良することで、従来よりも疲労寿命と負荷応力の関係を推定する精度が改善されるのではないかと考え、本発明を想到するに至った。応力振幅-破断寿命の関係の推定対象としては、10回疲労限の推定精度と、S-N曲線の推定値として10回以下の破断寿命の推定値と現実の測定値との差異が許容範囲に入る蓋然性の検証である。
【0010】
〔1〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置は、例えば図3に示すように、疲労限度推定の種類の指定と、機械学習の決定木で用いる機械特性の指定を読込む機能部(310)と、
疲労データシートから、指定された金属構造材料の疲労データを読込む機能部(320)と、
前記指定された機械特性を用いて、読み込んだ金属構造材料の疲労データに対して、疲労寿命に対応する負荷応力の機械学習済の教師付き機械学習を行った機械学習演算部(330)とを備え、
前記教師付き機械学習を行った機械学習演算部により、指定された機械特性を用いて、指定された疲労限度推定の種類に応じた疲労寿命に対応する負荷応力推定の演算結果を出力するものである。
〔2〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置〔1〕において、好ましくは、前記機械学習演算部(330)に対して、前記指定された機械特性を用いて、読み込んだ金属構造材料の疲労データに対して、疲労寿命に対応する負荷応力の機械学習を行い、前記教師付き機械学習を行う前処理部(325)を有するとよい。
〔3〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置〔2〕において、好ましくは、前記機械学習に用いるモデルはランダムフォレスト法、ディープラーニング、ニューラルネットワーク、又はLASSO回帰を用いたモデルを含むとよい。
【0011】
〔4〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置〔1〕~〔3〕において、好ましくは、前記疲労限度推定の種類としては、10回疲労限の推定、10回疲労限の推定、S-N曲線の推定、及び低サイクル疲労寿命の推定を含むとよい。
〔5〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置〔1〕~〔4〕において、好ましくは、前記機械学習の決定木で用いる機械特性には、ビッカース硬さ、引張強度、破断伸び、破断絞り、応力比、又は疲労試験法を含むとよい。
〔6〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置〔5〕において、好ましくは、前記疲労試験法には、回転曲げ試験データ、軸荷重試験データ、又はねじり試験データの少なくとも一つが含まれるとよい。
〔7〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置〔1〕~〔6〕において、好ましくは、前記金属構造材料には、炭素鋼鋼材、ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材、マンガン鋼鋼材、ステンレス鋼鋼材、アルミニウム合金、又はチタン合金の少なくとも一つを含むとよい。
〔8〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置〔7〕において、好ましくは、前記金属構造材料には、例えば炭素鋼鋼材についてS25C、S35C、S45C、S55Cがあり、ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材についてSNCM439、マンガン鋼鋼材についてSMn438、SMn443、ステンレス鋼鋼材についてSUS403、SUS304を含むとよい。
【0012】
〔9〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置〔1〕~〔8〕において、好ましくは、校正対象に用いる疲労限度推定の種類に応じた疲労寿命に対応する負荷応力推定の演算結果を用いて、教師付き機械学習を行った機械学習演算部(330)の疲労寿命に対応する負荷応力推定の正確性を評価する機械学習評価部(335)を有するとよい。
〔10〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置〔9〕において、好ましくは、機械学習評価部(335)の評価結果から、機械学習演算部(330)の疲労寿命に対応する負荷応力推定の正確性を高めるような、前記機械学習の決定木で用いる機械特性の種類と、前記疲労データシートで読み込む金属構造材料の疲労データの種類を推奨するアシスト機能(340)を有するとよい。
【0013】
〔11〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法は、例えば図4に示すように、疲労限度推定の種類の指定と、機械学習の決定木で用いる機械特性の指定をする工程(S400)と、
疲労データシートから、指定された金属構造材料の疲労データを読込む工程(S405)と、
前記指定された機械特性を用いて、読み込んだ金属構造材料の疲労データに対して、疲労寿命に対応する負荷応力の機械学習済の教師付き機械学習を行った機械学習演算部(330)に対して、指定された機械特性を用いて、指定された疲労限度推定の種類に応じた疲労寿命に対応する負荷応力推定の演算結果を出力する工程(S415)とを備えている。
〔12〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法〔11〕において、好ましくは、指定された機械特性を用いて、読み込んだ金属構造材料の疲労データに対して、疲労寿命に対応する負荷応力の機械学習を行なって、教師付き機械学習を行う工程(S410)を有するとよい。
〔13〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法〔12〕において、好ましくは、前記機械学習に用いるモデルはランダムフォレスト法、ディープラーニング、ニューラルネットワーク、又はLASSO回帰を用いたモデルを含むとよい。
【0014】
〔14〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法〔11〕~〔13〕において、好ましくは、前記疲労限度推定の種類としては、10回疲労限の推定、10回疲労限の推定、S-N曲線の推定、及び低サイクル疲労寿命の推定を含むとよい。
〔15〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法〔11〕~〔14〕において、好ましくは、前記機械学習の決定木で用いる機械特性には、ビッカース硬さ、引張強度、破断伸び、破断絞り、応力比、又は疲労試験法を含むとよい。
〔16〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法〔15〕において、好ましくは、前記疲労試験法には、回転曲げ試験データ、軸荷重試験データ、又はねじり試験データの少なくとも一つが含まれるとよい。
〔17〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法〔11〕~〔16〕において、好ましくは、前記金属構造材料には、炭素鋼鋼材、ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材、マンガン鋼鋼材、ステンレス鋼鋼材、アルミニウム合金、又はチタン合金の少なくとも一つを含むとよい。
〔18〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法〔17〕において、好ましくは、前記金属構造材料には、例えば炭素鋼鋼材についてS25C、S35C、S45C、S55Cがあり、ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材についてSNCM439、マンガン鋼鋼材についてSMn438、SMn443、ステンレス鋼鋼材についてSUS403、SUS304を含むとよい。
【0015】
〔19〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法〔11〕~〔18〕において、好ましくは、校正対象に用いる疲労限度推定の種類に応じた疲労寿命に対応する負荷応力推定の演算結果を用いて、教師付き機械学習を行った機械学習演算部(330)の疲労寿命に対応する負荷応力推定の正確性を評価する工程(S425)を有するとよい。
〔20〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法〔19〕において、好ましくは、機械学習評価工程(S425)の評価結果から、機械学習演算部(330)の疲労寿命に対応する負荷応力推定の正確性を高めるような、機械学習の決定木で用いる機械特性の種類と、疲労データシートで読み込む金属構造材料の疲労データの種類を推奨する工程(S430)を有するとよい。
〔21〕本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定方法〔20〕において、好ましくは、推奨された機械学習の決定木で用いる機械特性の種類と、疲労データシートで読み込む金属構造材料を考慮して、前記疲労寿命に対応する負荷応力推定方法〔11〕のS400で用いるために指定する疲労限度推定の種類と、機械学習の決定木で用いる機械特性を修正する工程(S435)を有するとよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置及び方法によれば、疲労データシートに含まれる各種金属構造材料のデータを用い、ランダムフォレスト法により、10回疲労限および10回以下の破断寿命の推定を試みると共に、S-N曲線の推定可能性について検討したところ、疲労寿命に対応する負荷応力予測による機械学習を用いることで、従来の負荷応力から疲労寿命を予測する場合と比較して、疲労限推定の推定誤差が格段に減少する。
また、本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置及び方法によれば、疲労データシートに含まれる各種金属構造材料のデータを用いて、疲労寿命に対応する負荷応力予測をしているので、個別金属構造材料の疲労データで用いる場合に比較して、教師付き機械学習に用いる疲労データの数を非常に多くできるので、機械学習を用いた疲労寿命に対応する負荷応力予測の精度が格段に良くなる。個別金属構造材料の疲労データを獲得するには、例えば10回疲労限推定のように少なくとも10回の往復荷重を試験材に印加する必要がある為、一個のデータを獲得するコストが非常に掛かる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例に係る疲労限度推定システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図2図1に示す装置の疲労寿命推定演算処理部をコンピュータを用いて構成する場合の例示的なコンピューティング装置200を示すブロック図である。
図3図2に示す機能ブロックを有するコンピュータのためのソフトウェアの機能ブロック図である。
図4図3に示すソフトウェアの機能ブロック図による装置の疲労限度推定アルゴリズムの説明図である。
図5】本発明の一実施例を示すS45C鋼(回転曲げ、R=-1)の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図である。
図6】本発明の比較例を示すS45C鋼(回転曲げ、R=-1)の負荷応力に対応する疲労寿命予測と実測値とを対比する図である。
図7】本発明の一実施例を示すS45C鋼(捻り、R=-1)の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図である。
図8】本発明の一実施例を示すSUS304ステンレス鋼(回転曲げ、R=-1)の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図である。
図9】本発明の一実施例を示すアルミニウム合金(7075)(軸荷重、R=-1)の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図である。
図10】本発明の一実施例を示すチタン合金(Ti64ELI-900)(軸荷重、R=0.3)の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図である。
図11】本発明の一実施例を示すS45C鋼の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、決定木モデル機械学習部で荷重形式と応力比を考慮し、引張強度、硬さ、伸び、及び絞りを考慮しない場合を示している。
図12】本発明の一実施例を示すS45C鋼の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、決定木モデル機械学習部で伸び、絞り、荷重形式、及び応力比を考慮する場合を示している。
図13】本発明の一実施例を示すS45C鋼の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、決定木モデル機械学習部で引張強度、荷重形式、及び応力比を考慮する場合を示している。
図14】本発明の一実施例を示すS45C鋼の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、決定木モデル機械学習部で引張強度、硬さ、荷重形式、及び応力比を考慮する場合を示している。
図15】本発明の一実施例を示すS45C鋼の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、決定木モデル機械学習部で引張強度、硬さ、伸び、絞り、荷重形式、応力比を考慮する場合を示している。
図16】本発明の一実施例を示すS45C鋼の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、決定木モデル機械学習部で引張強度、硬さ、伸び、及び絞りを考慮し、荷重形式と応力比を考慮しない場合を示している。
図17】本発明の一実施例を示すS45C鋼の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、決定木モデル機械学習部で引張強度、硬さ、伸び、絞り、及び応力比を考慮し、荷重形式を考慮しない場合を示している。
図18】本発明の一実施例を示すS45C鋼の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、決定木モデル機械学習部で引張強度、硬さ、伸び、絞り、及び荷重形式(回転曲げ、軸荷重、捻り)を考慮し、応力比を考慮しない場合を示している。
図19A】機械的特性と疲労限度との関係を示す図で、対ビッカース硬度を示している。
図19B】機械的特性と疲労限度との関係を示す図で、対引張強さを示している。
図20】本出願人の提案する、材料の疲労特性に関し指標となる特性(Index Property)を示す図である。
図21】引張強度σと繰り返し降伏応力σycという二つの指標特性同士の関係を示す図である。
図22】S-N曲線を引張強度で規格化した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて本発明を説明する。
図1は、本開示の実施形態に係る疲労限度推定システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
疲労限度推定システム10は、疲労試験機20、及び疲労限度推定装置30を含む。疲労試験機20は、試験機本体22、電源装置24、及びコントローラ(図示せず)を備えている。また、疲労限度推定装置30は、推定演算処理部32、及び伸び計34を備えている。疲労試験機20のコントローラ、及び伸び計34は、疲労限度推定装置30の推定演算処理部32に接続されている。
【0020】
疲労試験機20は、疲労限度を試験する試験片SPを取り付けて、所定の負荷を繰返して与え、疲労試験を行う。疲労限度推定装置30は、疲労試験機20により負荷が与えられた試験片SPの伸びを伸び計34を用いて測定し、疲労限度を推定する。
【0021】
次に、疲労限度推定装置30を構成する推定演算処理部32のハードウェア構成の一例を説明する。
図2は、図1に示す装置の疲労寿命の推定演算処理部をコンピュータを用いて構成する場合の例示的なコンピューティング装置200を示すブロック図である。図1の疲労寿命の推定演算処理部32は、コンピューティング装置200の全部または一部を使用して実施することができる。
非常に基本的な構成201では、コンピューティング装置200は通常、1つまたは複数のプロセッサ210とシステムメモリ220とを含む。メモリバス230は、プロセッサ210とシステムメモリ220との間の通信に使用され得る。
【0022】
所望の構成に応じて、プロセッサ210は、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない任意のタイプのものであり得る。プロセッサ210は、レベル1キャッシュ211およびレベル2キャッシュ212などのもう1つのレベルのキャッシング、プロセッサコア213、およびレジスタ214を含むことができる。例示的なプロセッサコア213は、算術論理演算装置(ALU)、浮動小数点ユニット(FPU)、デジタル信号処理コア(DSPコア)、またはそれらの任意の組み合わせなどを含むことができる。例示的なメモリ制御部215もプロセッサ210と共に使用することができ、またはいくつかの実装形態では、メモリ制御部215はプロセッサ210の内部部分とすることができる。
【0023】
所望の構成に応じて、システムメモリ220は、揮発性メモリ(RAMなど)、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリなど)、またはそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない任意のタイプのものとすることができる。システムメモリ220は、オペレーティングシステム221、1つまたは複数のアプリケーション222、および決定木モデル機械学習部232を含み得る。アプリケーション222は、10回疲労限の推定部223、10回疲労限の推定部224、S-N曲線の推定225、及び低サイクル疲労寿命推定部226を含み得る。
【0024】
決定木モデル機械学習部232は、機械学習の一類型であるランダムフォレスト法に用いられる決定木モデルとして、ビッカース硬さ233、引張強度234、破断伸び235、破断絞り236、応力比237、疲労試験法238を含みえる。疲労試験法238には、例えば、回転曲げ試験法、軸荷重試験法、およびねじり試験法が含まれる。
【0025】
コンピューティング装置200は、追加の特徴または機能性、および基本構成201と任意の必要な装置およびインターフェースとの間の通信を容易にするための追加のインターフェースを有することができる。例えば、バス/インターフェース制御部240を使用して、ストレージインターフェースバス241を介した基本構成201と1つまたは複数のデータ記憶装置250との間の通信を容易にすることができる。データ記憶装置250は、取り外し可能な記憶装置251、取り外しができない記憶装置252、またはそれらの組み合わせである。取り外し可能な記憶装置および取り外しができない記憶装置の例には、フレキシブルディスクドライブおよびハードディスクドライブ(HDD)などの磁気ディスク装置、コンパクトディスク(CD)ドライブまたはデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブなどの光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、テープドライブが含まれる。例示的なコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実施される揮発性および不揮発性、取り外し可能および固定の媒体を含み得る。
【0026】
システムメモリ220、取外し可能記憶装置251、および固定記憶装置252はすべてコンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CDROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置を含むがこれらに限定されない。所望の情報を格納するために使用され得、かつコンピューティング装置200によってアクセスされ得る任意のそのようなコンピュータ記憶媒体は、別のコンピューティング装置290の一部であり得る。
【0027】
また、コンピューティング装置200はバス/インターフェース制御部240を介して様々なインターフェース装置(例えば、出力インターフェース、周辺インターフェース、および通信インターフェース)から基本構成201への通信を容易にするためのインターフェースバス242を含むことができる。
出力デバイス260では、画像処理ユニット261および音声処理ユニット262が、1つまたは複数のAVポート263を介して表示装置291またはスピーカなどの様々な外部装置と通信するように構成され得る。
【0028】
例示的な周辺インターフェース270は、入力装置(例えば、キーボード、マウス、ペン、音声入力装置、タッチ入力装置など)のような外部装置と通信するように構成され得るシリアルインターフェース制御部271またはパラレルインターフェース制御部272を含む。周辺インターフェース270は、I/Oポート273を介して疲労試験機292や疲労データシート293を格納した外部データベース機器と通信するように構成され得る。
例示的な通信装置280は、ネットワーク制御部281を含み、ネットワーク制御部281は、1つまたは複数の通信ポート282を介したネットワーク通信リンクを介して、1つまたは複数の他のコンピューティング装置290との通信を容易にするように構成されてもよい。
疲労データシート293には、炭素鋼鋼材のデータシート294、ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材のデータシート295、マンガン鋼鋼材のデータシート296、ステンレス鋼鋼材のデータシート297、アルミ合金のデータシート298、及びチタン合金のデータシート299がある。炭素鋼鋼材には、例えばJIS G 4051に規定される機械構造用炭素鋼鋼材であるS25C、S35C、S45C、S55C等の各種金属構造材料の疲労データシートがあり、これらは本出願人の提供するFDS-No.1~16等で入手可能である。
【0029】
ネットワーク通信リンクは、通信媒体の一例であり得る。通信媒体は、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波もしくは他の搬送機構などの変調データ信号内の他のデータによって具現化することができ、任意の情報配信媒体を含むことができる。「変調データ信号」は、信号内に情報を符号化するような方法で設定または変更されたその特性のうちの1つまたは複数を有する信号であり得る。限定ではなく例として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接配線接続などの有線媒体、ならびに音響、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)および他の無線媒体などの無線媒体を含み得る。本明細書で使用されるコンピュータ可読媒体という用語は、記憶媒体と通信媒体の両方を含み得る。
【0030】
コンピューティング装置200は、携帯電話、パーソナルデータアシスタント(PDA)、パーソナルメディアプレーヤデバイス、ワイヤレスウェブウォッチデバイス、パーソナルコンピュータなどのスモールフォームファクタポータブル(またはモバイル)電子デバイス、上記の機能のいずれかを含むヘッドセットデバイス、特定用途向けデバイス、またはハイブリッドデバイスの一部として実装され得る。また、コンピューティング装置200は、ラップトップコンピュータ構成および非ラップトップコンピュータ構成の両方を含むパーソナルコンピュータとして実装され得る。
【0031】
図3図2に示す機能ブロックを有するコンピュータのためのソフトウェアの機能ブロック図で、例示的なコンピュータプログラム製品300を示している。プログラム担持媒体302は、コンピュータ読取可能媒体306、記録可能媒体308、通信媒体309、またはそれらの組み合わせとして実装することができるもので、処理ユニットのすべてまたは一部の処理を実行するように構成することができるプログラム命令格納部304を有する。
【0032】
プログラム命令格納部304に格納されたプログラム命令は、例えば、疲労限度推定の種類の指定と、機械学習の決定木で用いる機械特性の指定を読込む機能(310)、疲労データシートから、指定された金属構造材料の疲労データを読込む機能(320)、指定された機械特性を用いて、読み込んだ金属構造材料の疲労データに対して、ランダムフォレスト法による機械学習を行い、疲労寿命に対応する負荷応力の教師付き機械学習を行う前処理部(325)を有する。更に、教師付き機械学習を行った機械学習演算部(330)に対して、指定された機械特性を用いて、指定された疲労限度推定の種類に応じた疲労寿命に対応する負荷応力の推定の演算結果を出力する機械学習演算部(330)を有する。
なお、機械学習におけるランダムフォレスト法は、複数の決定木を使用して「分類」または「回帰」をする、周知のランダムフォレスト法を用いたモデルを用いるとよい。また、機械学習で用いるモデルは、ランダムフォレスト法を用いたモデルに限定されるものではなく、例えば周知のディープラーニングに代表されるニューラルネットワークを用いたモデル、及びLASSO回帰を用いたモデルを含む。また、疲労限度推定の回帰式は直線関数に限定されるものではなく多項式あるいはクリギング、RBF(Radial Base Function)を用いた非線形関数を用いることもできる。
【0033】
また、プログラム命令格納部304に格納されたプログラム命令は、例えば、校正対象に用いる疲労限度推定の種類に応じた疲労限度推定の演算結果を用いて、教師付き機械学習を行った機械学習演算部(330)の疲労限度推定の正確性を評価する機械学習評価部(335)を有する。更に、機械学習評価部(335)の評価結果から、機械学習演算部(330)の疲労限度推定の正確性を高めるような、機械学習の決定木で用いる機械特性の種類と、疲労データシートで読み込む金属構造材料の疲労データの種類を推奨するアシスト機能(340)を有する。
【0034】
図4は、図3に示すソフトウェアの機能ブロック図による装置の疲労限度推定アルゴリズムの説明図で、(A)は基本的なアルゴリズム、(B)は追加的なアルゴリズムである。
まず、基本的なアルゴリズムでは、疲労限度推定の種類と、機械学習の決定木で用いる機械特性の指定をする(S400)。疲労限度推定の種類としては、10回疲労限の推定、10回疲労限の推定、S-N曲線の推定、及び低サイクル疲労寿命の推定がある。機械学習の決定木で用いる機械特性には、ビッカース硬さ、引張強度、破断伸び、破断絞り、応力比、並びに疲労試験法等がある。
【0035】
次に、疲労データシートから、指定された金属構造材料の疲労データを読込む(S405)。金属構造材料には、炭素鋼鋼材、ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材、マンガン鋼鋼材、ステンレス鋼鋼材、アルミニウム合金、又はチタン合金のデータシートがあり、各金属構造材料のうち、細分化された低合金鋼等の鋼種には、例えば炭素鋼鋼材についてS25C、S35C、S45C、S55Cがあり、ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材についてSNCM439、マンガン鋼鋼材についてSMn438、SMn443がある。ステンレス鋼鋼材についてSUS403、SUS304がある。
指定された機械特性を用いて、読み込んだ金属構造材料の疲労データに対して、ランダムフォレスト法による機械学習を行い、疲労寿命に対応する負荷応力の教師付き機械学習を行う(S410)。なお、既に教師付き機械学習が行われている場合には、この工程は省略してよい。
次に、教師付き機械学習を行った機械学習演算部(330)に対して、指定された機械特性を用いて、指定された疲労限度推定の種類に応じた疲労寿命に対応する負荷応力推定の演算結果を出力する(S415)。
【0036】
基本的なアルゴリズムに追加される追加的なアルゴリズムには、次の工程が含まれる。
校正対象に用いる疲労限度推定の種類に応じた疲労限度推定の演算結果を用いて、教師付き機械学習を行った機械学習演算部(330)の疲労寿命に対応する負荷応力推定の正確性を評価する(S425)。
また、機械学習評価部(335)の評価結果から、機械学習演算部(330)の疲労寿命に対応する負荷応力推定の正確性を高めるような、機械学習の決定木で用いる機械特性の種類と、疲労データシートで読み込む金属構造材料の疲労データの種類を推奨する(S430)。
推奨された機械学習の決定木で用いる機械特性の種類と、疲労データシートで読み込む金属構造材料を考慮して、S400で用いるために指定する疲労限度推定の種類と、機械学習の決定木で用いる機械特性を修正する(S435)。
【0037】
次に、上記の疲労限度推定アルゴリズムで用いられる教師付き機械学習について、説明する。ランダムフォレスト法は機械学習のアルゴリズムの一つで、複数の決定木モデルの弱学習器を統合させて汎化能力を向上させるアンサンブル学習アルゴリズムであり、主に分類(判別)・回帰(推定)の用途で使用される。ここで重要なのは、対象となるデータ集団について、(i)正確なデータをより多くサンプリングできること、(ii)決定木モデルを学習要素ごとに作成することである。
これまでの数学的モデルの回帰では、対象とする二つのデータ集団の相関を求める最小自乗近似により回帰されたが、機械学習は複数の学習要素の決定木モデルを関連づけた回帰モデルをつくることができることから、決定木モデルの複数の学習要素を適切に選定することで、さらに精度の高い推定が可能となる。
【0038】
10回疲労限の推定に用いたデータ集団は、JIS G 4051に規定される機械構造用炭素鋼鋼材であるS45C(FDS-No.3)の回転曲げ疲労試験の実験データをベースとした。ランダムフォレスト法で学習要素ごとの効果を調べた。次に、そのデータ集団にねじり疲労試験の疲労限データを追加し、疲労試験法の違いの影響を調べた。さらに、応力比R=-1の他、R=0の疲労試験データを追加して、応力比の影響を調べた。
【0039】
低合金鋼の10回疲労限の推定に用いたデータ集団としては、低合金鋼としてS45C(FDS-No.3)の他に、機械構造用炭素鋼鋼材S25C(FDS-No.1)、S35C(FDS-No.2)、S55C(FDS-No.4)、ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材SNCM439(FDS-No.25)、マンガン鋼SMn438(FDS-No.16)、マンガン鋼SMn443(FDS-No.17)を用いている。また、低合金鋼以外の金属材料の疲労試験データとして、JIS G 3446に規定される機械構造用ステンレス鋼鋼管等のマルテンサイト系ステンレス鋼であるSUS403(FDS-No.30)、オーステナイト系ステンレス鋼であるSUS304(FDS-No.33)の各種ステンレス鋼材の疲労データを用いている。
S45C(FDS-No.3)の疲労データの個数は999個であるが、機械構造用炭素鋼鋼材S25C(FDS-No.1)、S35C(FDS-No.2)、S55C(FDS-No.4)まで拡大することで約3.4倍の3471個、低合金鋼まで拡大することで約6.8倍の6865個、低合金鋼以外の金属材料の疲労試験データまで拡大することで約7.6倍の7616個程度となり、機械学習として好ましい。
【0040】
機械学習には市販のパーソナルコンピュータをコンピューティング装置200として用い、Python(登録商標)3.6.1および外部ライブラリのAnaconda(登録商標)を利用して、図2図4に示す疲労限度推定アルゴリズムを含むソフトウェアの機能ブロックを有するシステムを構築した。
【0041】
対象としたデータは疲労データシート記載の疲労試験結果である。解析の公平性のため、8割を訓練データとして2割を試験データとし、毎回ランダムに抽出した。そのため試験データがどのデータに当たるかは判別できない。また、解析結果の評価の一つとして平均絶対誤差率(MAPE:Mean absolute percentage error)を試験データによる解析結果から求めた。
【数1】
ここで、
【数2】
は解析に使ったデータの値である。yiは解析データから得られる推定値である。
【0042】
回帰分析で得られるモデルの適合の良さを評価する指標として、二乗平均平方根誤差(RMSE:Root Mean Square Error)や平均誤差(RSE:Mean Squared Error)や決定係数Rなどが用いられる。しかし、RMSEおよびMSEの誤差関数で計算した場合、+と-のデータを合計するため相殺された平均誤差となる。一方、MAPEは絶対値のため、予測データの不一致を局在化させることができる。MAPEの問題点として取り上げられるのは、実測値が0の場合、予測値が小さ過ぎる場合などがあるが、本発明の対象とする実測値ならびに予測値は疲労限であり、上記の場合に当てはまらない。また、交差検証、グリッドサーチを行わないと偏った結論になることが考えられるが、全ての予測において、図5図6の様な、実験値と予測値の関係図を作成し目視することで、交差検証、グリッドサーチの代用になっていると考える。この様な理由から、本発明において誤差関数としてRMSEおよびMSEより、MAPEを用いることが妥当と考えた。
【実施例0043】
図5は、本発明の一実施例を示すS45C(S45C-550F)鋼(回転曲げ、R=-1)の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、(A)はAI予測による負荷応力と実験による負荷応力の関係を示す図、(B)は実測値による破断寿命と応力振幅の関係を示す図、(C)はAI予測と実測値による破断寿命と応力振幅の関係を示す図である。なお、図5(A)では訓練データ(Training data)を『+』、試験データ(Test data)を『▲』で示している。以下の図6(A)、図7(A)、図8(A)、図9(A)、図10(A)でも同様である。なお、ここでのAI予測とは、本発明の教師付き機械学習による予測値をいう。
また、図5(B)では実測データを『◆』、図5(C)ではAI予測データを『■』で表し実測データを『◆』で表している。以下の図6(B)、図6(C)、図7(B)、図7(C)、図8(B)、図8(C)、図9(B)、図9(C)、図10(B)、図10(C)でも同様である。
【比較例1】
【0044】
図6は、本発明の比較例を示すS45C(S45C-550F)鋼(回転曲げ、R=-1)の負荷応力に対応する疲労寿命予測と実測値とを対比する図で、(A)はAI予測による疲労寿命予測と実験による疲労寿命実測値の関係を示す図、(B)は実測値による破断寿命と応力振幅の関係を示す図、(C)はAI予測と実測値による破断寿命と応力振幅の関係を示す図である。
比較例1では、AI予測として、負荷応力に対応する疲労寿命を用いている点が、非特許文献1で開示した技術内容と同等である。
【0045】
負荷応力から疲労寿命を推定する比較例1と、疲労寿命から負荷応力を推定する実施例1では、図6(A)で示す比較例1の平均誤差精度が72.9%、図5(A)で示す実施例1の平均誤差精度が2.3%と、実施例1で用いた疲労寿命に対応する負荷応力とする予測手法を用いることにより格段に上がることが判明した。比較例1の平均誤差精度では、バラツキが非常に大きくなっていることが判る。
また、図6(C)で示す比較例1の負荷応力から疲労寿命の推定では、例えば破断迄の繰り返し数Nが4x10回に対する応力振幅の予測値は510MPa、2x10回に対しては525MPaである。これに対して、図6(B)で示す応力振幅510MPaでの実測値は0.4、0.5、1.0x10回であり、比較例1のAI予測値は実測値よりも4倍~10倍程度長めの疲労寿命を予測している。
これに対して、図5(C)で示す疲労寿命に対応する負荷応力予測では、例えば破断迄の繰り返し数Nが1x10回に対する応力振幅の予測値は514MPa、0.6x10回に対しては516MPaである。これに対して、図5(B)で示す応力振幅510MPaでの実測値は0.4、0.5、1.0x10回であり、実施例1のAI予測値は実測値とより一致度の高い疲労寿命に対応する負荷応力を予測している。
【実施例0046】
図7は、本発明の一実施例を示すS45C鋼(捻り、R=-1)の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、(A)はAI予測による負荷応力と実験による負荷応力の関係を示す図、(B)は実測値による破断寿命と応力振幅の関係を示す図、(C)はAI予測と実測値による破断寿命と応力振幅の関係を示す図である。
図7(C)で示す疲労寿命に対応する負荷応力予測では、例えば破断迄の繰り返し数Nが2.0x10回に対する応力振幅の予測値は318MPa、1.1x10回に対しては312MPaである。これに対して、図7(B)で示す応力振幅310MPaでの実測値は0.6、0.8、2.0x10回であり、応力振幅320MPaでの実測値は1.0x10回であり、実施例2のAI予測値は実測値と一致度の高い疲労寿命に対応する負荷応力を予測している。
【実施例0047】
図8は、本発明の一実施例を示すSUS304ステンレス鋼(回転曲げ、R=-1)の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、(A)はAI予測による負荷応力と実験による負荷応力の関係を示す図、(B)は実測値による破断寿命と応力振幅の関係を示す図、(C)はAI予測と実測値による破断寿命と応力振幅の関係を示す図である。
図8(C)で示す疲労寿命に対応する負荷応力予測では、例えば破断迄の繰り返し数Nが4.8x10回に対する応力振幅の予測値は297MPa、2.0x10回に対しては300MPaである。これに対して、図8(B)で示す応力振幅300MPaでの実測値は0.8、1.8、4.8x10回であり、応力振幅310MPaでの実測値は0.9、1.2x10回であり、実施例3のAI予測値は実測値と一致度の高い疲労寿命に対応する負荷応力を予測している。
【実施例0048】
図9は、本発明の一実施例を示すアルミニウム合金(7075)(軸荷重、R=-1)の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、(A)はAI予測による負荷応力と実験による負荷応力の関係を示す図、(B)は実測値による破断寿命と応力振幅の関係を示す図、(C)はAI予測と実測値による破断寿命と応力振幅の関係を示す図である。
図9(C)で示す疲労寿命に対応する負荷応力予測では、例えば破断迄の繰り返し数Nが2.6、3.0、3.6x10回に対する応力振幅の予測値は200MPa、4.0、5.0x10回に対しては220MPaである。これに対して、図9(B)で示す応力振幅200MPaでの実測値は2.6、3.0、3.6x10回であり、応力振幅220MPaでの実測値は4.0、5.0x10回であり、実施例4のAI予測値は実測値と一致度の非常に高い疲労寿命に対応する負荷応力を予測している。
【実施例0049】
図10は、本発明の一実施例を示すチタン合金(Ti64ELI-900)(軸荷重、R=0.3)の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、(A)はAI予測による負荷応力と実験による負荷応力の関係を示す図、(B)は実測値による破断寿命と応力振幅の関係を示す図、(C)はAI予測と実測値による破断寿命と応力振幅の関係を示す図である。
図10(C)で示す疲労寿命に対応する負荷応力予測では、例えば破断迄の繰り返し数Nが8.5x10回に対する応力振幅の予測値は201MPa、6.2x10回に対しては219MPaである。これに対して、図10(B)で示す応力振幅200MPaでの実測値は8.5x10回であり、応力振幅220MPaでの実測値は4.4、6.2x10回であり、実施例5のAI予測値は実測値と一致度の高い疲労寿命に対応する負荷応力を予測している。
【0050】
低合金鋼において比較例1の負荷応力から疲労寿命の推定方法では10回以降の疲労寿命で誤差が大きくなったが、実施例1~5に示す疲労寿命に対応する負荷応力予測手法では、低合金鋼をはじめとしてステンレス鋼、アルミニウム合金、チタン合金のSN線図を荷重形式、応力比に関係なく高精度に予測できることが判明した。特にバラつきの少ないアルミニウム合金では、ほぼ観察結果と予測結果が一致した。データ解析には伸び、絞りなど全て考慮した。
【0051】
決定木モデルで学習要素として用いる材料強度因子と疲労データ取得実験時の条件(1)
疲労データ取得実験時の条件には、荷重形式と応力比が含まれる。実施例6では、材料強度因子について検討する。
【実施例0052】
図11は、本発明の一実施例を示すS45C鋼の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、決定木モデル機械学習部で荷重形式と応力比を考慮し、引張強度、硬さ、伸び、及び絞りを考慮しない場合を示している。
図12は、本発明の一実施例を示すS45C鋼の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、決定木モデル機械学習部で伸び、絞り、荷重形式、及び応力比を考慮する場合を示している。
図13は、本発明の一実施例を示すS45C鋼の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、決定木モデル機械学習部で引張強度、荷重形式、及び応力比を考慮する場合を示している。
図14は、本発明の一実施例を示すS45C鋼の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、決定木モデル機械学習部で引張強度、硬さ、荷重形式、及び応力比を考慮する場合を示している。
図15は、本発明の一実施例を示すS45C鋼の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、決定木モデル機械学習部で引張強度、硬さ、伸び、絞り、荷重形式、応力比を考慮する場合を示している。
【0053】
材料強度因子として引張強度、硬さ、伸び、絞りが挙げられるが、全く考慮しない場合精度は20.3%、引張強度のみ考慮は3.0%、引張強度、硬さを考慮は2.5%、全て考慮が2.3%となり、全て考慮することが望ましいが、引張強度、硬さを考慮すれば十分な精度が得られることが判明した。
【0054】
決定木モデルで学習要素として用いる材料強度因子と疲労データ取得実験時の条件(2)
実施例7では、疲労データ取得実験時の条件について検討する。
【実施例0055】
図16は、本発明の一実施例を示すS45C鋼の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、決定木モデル機械学習部で引張強度、硬さ、伸び、及び絞りを考慮し、荷重形式と応力比を考慮しない場合を示している。
図17は、本発明の一実施例を示すS45C鋼の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、決定木モデル機械学習部で引張強度、硬さ、伸び、絞り、及び応力比を考慮し、荷重形式を考慮しない場合を示している。
図18は、本発明の一実施例を示すS45C鋼の疲労寿命に対応する負荷応力予測と実測値とを対比する図で、決定木モデル機械学習部で引張強度、硬さ、伸び、絞り、及び荷重形式(回転曲げ、軸荷重、捻り)を考慮し、応力比を考慮しない場合を示している。
【0056】
負荷応力から疲労寿命を推定する従来法では応力比や荷重形式の影響はよくわからなかった。しかし、疲労寿命から負荷応力を推定する方法では、応力比や荷重形式を考慮しない場合の精度は5.6%、応力比のみ考慮すると4.9%、荷重形式のみ考慮すると3.5%、両方考慮すると2.3%となった。即ち、疲労寿命から負荷応力を推定する方法において、応力比と荷重形式の両方を考慮することにより、疲労寿命から負荷応力を推定する精度が格段に上がることが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の疲労寿命に対応する負荷応力推定装置及び方法によれば、疲労寿命から負荷応力を推定する方法を用いて、機械学習によるS-N曲線(応力振幅-破断寿命の関係)の推定によることで、実験値の特定の負荷応力に対する疲労寿命との対応関係が精度良く得られる。そこで、該当する金属材料や各種複合材料を使用している各種機械や構造物の長期の信頼性を評価できると共に、安全率の設計に対しても利用でき、各種機械や構造物の設計や信頼性評価に利用できる。
【符号の説明】
【0058】
300 コンピュータプログラム製品
302 プログラム担持媒体
304 プログラム命令格納部
306 コンピュータ読取可能媒体
308 記録可能媒体
309 通信媒体
310 指定読込み機能部
320 疲労データシート読込み機能部
325 教師付き機械学習を行う前処理部
330 機械学習演算部
335 機械学習評価部
340 アシスト機能部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
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図19A
図19B
図20
図21
図22