(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034619
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20240306BHJP
G06Q 50/00 20240101ALI20240306BHJP
【FI】
G06Q10/10 322
G06Q50/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022138996
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】519317206
【氏名又は名称】株式会社overflow
(74)【代理人】
【識別番号】100141427
【弁理士】
【氏名又は名称】飯村 重樹
(72)【発明者】
【氏名】大谷 旅人
(72)【発明者】
【氏名】田中 慎
(72)【発明者】
【氏名】矢野 剛士
(72)【発明者】
【氏名】磯崎 慶太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】求職者及び求人企業の双方の作業負担が軽減されたうえで求職者及び求人企業の双方の要望に応じたマッチングを実現することができる情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】求職者の求職者端末を介して入力される登録情報に基づいて求職者の属性に関する情報を求職者情報として取得する求職者情報取得処理と、求職者情報取得処理で取得した求職者情報にアクセス可能な求人企業の求人企業端末を介して入力される、求職者に求人候補としての申し入れを行う旨の申入情報を受け付ける申入情報受付処理とを実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
求職者の求職者端末を介して入力される登録情報に基づいて前記求職者の属性に関する情報を求職者情報として取得する求職者情報取得処理と、
該求職者情報取得処理で取得した前記求職者情報にアクセス可能な求人企業の求人企業端末を介して入力される、前記求職者に求人候補としての申し入れを行う旨の申入情報を受け付ける申入情報受付処理と、
を実行する情報処理システム。
【請求項2】
前記求職者情報取得処理は、
ソーシャルネットワークサービスを提供するウェブサイトから前記求職者情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
ソーシャルネットワークサービスを介して取得するソーシャルネットワーク情報から前記求職者の業務上のスキルに関する情報を取得して、取得した前記情報に基づいて前記求職者の業務上のスキルに関するスコアを算出するスキルスコア算出処理を実行する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記求職者情報に基づいて前記求職者の業務遂行能力に関するスコアを算出する業務遂行能力スコア算出処理を実行する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
ソーシャルネットワークサービスを介して取得するソーシャルネットワーク情報に基づいて前記求職者情報に前記求職者の属性として顕在化していない属性をタグとして抽出するタグ抽出処理を実行する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
任意の期間において、前記申入情報受付処理の実行を含む一の前記求人企業から前記求職者への接触及び前記求職者から一の前記求人企業への反応を有する一の求人進捗状況と前記申入情報受付処理の実行を含む他の前記求人企業から前記求職者への接触及び前記求職者から他の前記求人企業への反応を有する他の求人進捗状況とを対比して分析する分析処理を実行する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
ソーシャルネットワークサービスを介して取得するソーシャルネットワーク情報に基づいて前記求職者と関連のある前記求人企業の従業者のソーシャルネットワークアカウントを抽出するアカウント抽出処理を実行する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記求人企業の採用要件に基づいて前記求人企業が前記求職者に要望するマッチング条件を生成し、生成した前記マッチング条件に適合する前記求職者を前記求人候補として抽出する求人候補抽出処理を実行する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記求人企業の採用要件に基づいて前記求人企業が前記求職者に要望するマッチング条件を生成し、生成した前記マッチング条件に適合する前記求職者を前記求人候補として抽出する求人候補抽出処理と、
該求人候補抽出処理で前記求人候補として抽出した理由を予め設定された要約基準に基づいて前記求職者情報を要約して申し送り情報として生成する申し送り処理と、を実行する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記求人企業の採用要件に基づいて前記求人企業が前記求職者に要望するマッチング条件を生成し、生成した前記マッチング条件に適合する前記求職者を前記求人候補として抽出する求人候補抽出処理と、
該求人候補抽出処理で前記求人候補として抽出した前記求職者及び前記求人企業に対して前記求職者と前記求人企業との面接の日程の調整に関する日程調整情報を送信する面接日程調整処理と、
前記求職者と前記求人企業との間の業務に関する契約についての契約書の文案を作成する契約書文案作成処理と、を実行する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項11】
プロセッサ、プログラムが記憶されたメモリ、及び記憶部を備える情報処理装置であって、
前記プロセッサにより前記プログラムが実行されることによって、
求職者の求職者端末を介して入力される登録情報に基づいて前記求職者の属性に関する情報を求職者情報として取得して取得した前記求職者情報を前記記憶部に記憶させる求職者情報取得処理と、
該求職者情報取得処理で取得した前記求職者情報にアクセス可能な求人企業の求人企業端末を介して入力される、前記求職者に求人候補としての申し入れを行う旨の申入情報を受け付ける申入情報受付処理と、
を実行する情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータによって実装される情報処理装置に、
求職者の求職者端末を介して入力される登録情報に基づいて前記求職者の属性に関する情報を求職者情報として取得する求職者情報取得処理と、
該求職者情報取得処理で取得した前記求職者情報にアクセス可能な求人企業の求人企業端末を介して入力される、前記求職者に求人候補としての申し入れを行う旨の申入情報を受け付ける申入情報受付処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項13】
コンピュータによって実装される情報処理装置を用いて、
求職者の求職者端末を介して入力される登録情報に基づいて前記求職者の属性に関する情報を求職者情報として取得する求職者情報取得処理と、
該求職者情報取得処理で取得した前記求職者情報にアクセス可能な求人企業の求人企業端末を介して入力される、前記求職者に求人候補としての申し入れを行う旨の申入情報を受け付ける申入情報受付処理と、
を実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法、特に、求職者と求人企業との間で用いられる情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、求職者の求職者端末と求人企業の求人企業端末とがアクセス可能なサーバが、ネットワークを介して求職者端末に求人企業の求人情報を提供するとともに、求人企業端末に求職者の求職者情報を提供することによって、求職者と求人企業の双方の要望をマッチングさせる技術が提案されている。
【0003】
特許文献1には、求職者情報と求人情報との適合度を示すベーススコアを算出し、求職者に対する求人案件の推薦度を示す求職者優遇スコアを算出し、かつ求人企業に対する求職案件の推薦度を示す求人企業優遇スコアを算出し、これらのスコアに基づいてマッチングスコアを算出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の求職者と求人企業の双方の要望をマッチングさせる技術では、求職者は求人企業の求人情報を検索する必要があることから、例えば、現時点では主に従事している職業がある求職者であって、複業となる複業先を探している、あるいは転職を検討している求職者にとっては、求人情報を検索する負担や時間が要求されることが懸念される。
【0006】
一方、求人企業にとっては、例えば、求人情報で求めている条件を満たさない求職者や求人企業に親和的ではない経歴を有する求職者といった、求人企業が望まない求職者が応募する可能性があることから、その対処を求められることによって求人業務の作業負担が増大することが懸念される。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、求職者及び求人企業の双方の作業負担が軽減されたうえで求職者及び求人企業の双方の要望に応じたマッチングを実現することができる情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る情報処理システムは、求職者の求職者端末を介して入力される登録情報に基づいて求職者の属性に関する情報を求職者情報として取得する求職者情報取得処理と、求職者情報取得処理で取得した求職者情報にアクセス可能な求人企業の求人企業端末を介して入力される、求職者に求人候補としての申し入れを行う旨の申入情報を受け付ける申入情報受付処理とを実行するものである。
【0009】
これによれば、求職者は、求人企業の求人情報をあえて検索する必要がなく、登録情報を入力することのみによって、求人企業から求人候補としての申し入れを受ける可能性があることから、求人情報を検索する負担や時間が大幅に軽減される。
【0010】
一方、求人企業にとっては、求人企業が望まない求職者からの応募を減じたうえで求職者の属性を精査することができることから、求人業務の作業負担が大幅に軽減される。
【0011】
したがって、求職者及び求人企業の双方の作業負担が軽減されたうえで、求職者及び求人企業の双方の要望に応じた好適なマッチングを実現することができる。
【0012】
この情報処理システムの求職者情報取得処理は、ソーシャルネットワークサービスを提供するウェブサイトから求職者情報を取得するものである。
【0013】
この情報処理システムは、ソーシャルネットワークサービスを介して取得するソーシャルネットワーク情報から求職者の業務上のスキルに関する情報を取得して、取得した情報に基づいて求職者の業務上のスキルに関するスコアを算出するスキルスコア算出処理を実行するものであり、求職者情報に基づいて求職者の業務遂行能力に関するスコアを算出する業務遂行能力スコア算出処理を実行するものである。
【0014】
さらに、この情報処理システムは、ソーシャルネットワークサービスを介して取得するソーシャルネットワーク情報に基づいて求職者情報に求職者の属性として顕在化していない属性をタグとして抽出するタグ抽出処理を実行するものである。
【0015】
一方、情報処理システムは、任意の期間において、申入情報受付処理の実行を含む一の求人企業から求職者への接触及び求職者から一の求人企業への反応を有する一の求人進捗状況と申入情報受付処理の実行を含む他の求人企業から求職者への接触及び求職者から他の求人企業への反応を有する他の求人進捗状況とを対比して分析する分析処理を実行するものである。
【0016】
情報処理システムは、ソーシャルネットワークサービスを介して取得するソーシャルネットワーク情報に基づいて求職者と関連のある求人企業の従業者のソーシャルネットワークアカウントを抽出するアカウント抽出処理を実行するものである。
【0017】
特に、情報処理システムは、求人企業の採用要件に基づいて求人企業が求職者に要望するマッチング条件を生成し、生成したマッチング条件に適合する求職者を求人候補として抽出する求人候補抽出処理を実行するものである。
【0018】
さらに、この情報処理システムは、求人企業の採用要件に基づいて求人企業が求職者に要望するマッチング条件を生成し、生成したマッチング条件に適合する求職者を求人候補として抽出する求人候補抽出処理と、求人候補抽出処理で求人候補として抽出した理由を予め設定された要約基準に基づいて求職者情報を要約して申し送り情報として生成する申し送り処理とを実行するものである。
【0019】
この情報処理システムは、求人企業の採用要件に基づいて求人企業が求職者に要望するマッチング条件を生成し、生成したマッチング条件に適合する求職者を求人候補として抽出する求人候補抽出処理と、求人候補抽出処理で求人候補として抽出した求職者及び求人企業に対して求職者と求人企業との面接の日程の調整に関する日程調整情報を送信する面接日程調整処理と、求職者と求人企業との間の業務に関する契約についての契約書の文案を作成する契約書文案作成処理と、を実行するものである。
【0020】
上記目的を達成するための本発明に係る情報処理装置は、プロセッサ、プログラムが記憶されたメモリ、及び記憶部を備える情報処理装置であって、プロセッサによりプログラムが実行されることによって、求職者の求職者端末を介して入力される登録情報に基づいて求職者の属性に関する情報を求職者情報として取得して取得した求職者情報を記憶部に記憶させる求職者情報取得処理と、求職者情報取得処理で取得した求職者情報にアクセス可能な求人企業の求人企業端末を介して入力される、求職者に求人候補としての申し入れを行う旨の申入情報を受け付ける申入情報受付処理とを実行するものである。
【0021】
上記目的を達成するための本発明に係るプログラムは、コンピュータによって実装される情報処理装置に、求職者の求職者端末を介して入力される登録情報に基づいて求職者の属性に関する情報を求職者情報として取得する求職者情報取得処理と、求職者情報取得処理で取得した求職者情報にアクセス可能な求人企業の求人企業端末を介して入力される、求職者に求人候補としての申し入れを行う旨の申入情報を受け付ける申入情報受付処理とを実行させるものである。
【0022】
上記目的を達成するための本発明に係る情報処理方法は、コンピュータによって実装される情報処理装置を用いて、求職者の求職者端末を介して入力される登録情報に基づいて求職者の属性に関する情報を求職者情報として取得する求職者情報取得処理と、求職者情報取得処理で取得した求職者情報にアクセス可能な求人企業の求人企業端末を介して入力される、求職者に求人候補としての申し入れを行う旨の申入情報を受け付ける申入情報受付処理とを実行するものである。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、求職者及び求人企業の双方の作業負担が軽減されたうえで、求職者及び求人企業の双方の要望に応じたマッチングを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システムの構成の概略を説明するブロック図である。
【
図2】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの情報処理装置、求職者端末、求人企業端末及びウェブサーバを実装するコンピュータの構成の概略を説明するブロック図である。
【
図3】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの情報処理装置の機能の概略を説明するブロック図である。
【
図4】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで処理される求職者情報の概略を説明する図である。
【
図5】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで処理される採用要件情報の概略を説明する図である。
【
図6】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで処理される集計情報の概略を説明する図である。
【
図7】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで処理される処理情報の概略を説明する図である。
【
図8】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムのスキルスコア算出処理の概略を説明するフローチャートである。
【
図9】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの業務遂行能力スコア算出処理の概略を説明するフローチャートである。
【
図10】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムのタグ抽出処理の概略を説明する図である。
【
図11】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの分析処理で生成される分析情報の概略を説明する図である。
【
図12】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムのアカウント抽出処理が実行された画面インターフェースの一例を示す図である。
【
図13】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの求人候補抽出処理の概略を説明するフローチャートである。
【
図14】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの申し送り処理が実行された画面インターフェースの一例を示す図である。
【
図15】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの面接日程調整処理及び契約書文案作成処理の概略を説明するフローチャートである。
【
図16】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの求職者端末に表示されるプロフィールページの画面インターフェースの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、
図1~
図16に基づいて、本発明の実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。
【0026】
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、情報処理システム10は、情報処理装置20、求職者端末30a~30n、求人企業端末40a~40n及びウェブサーバ50を主要構成として備える。
【0027】
本実施の形態では、情報処理装置20、求職者端末30a~30n、求人企業端末40a~40n及びウェブサーバ50が、インターネット網等のネットワークNを介してそれぞれ互いにアクセス可能に接続される。
【0028】
情報処理装置20は、本実施の形態では、情報処理システム10を用いたサービスを提供する事業者1に管理される。
【0029】
求職者端末30a~30nは、本実施の形態では、情報処理システム10を用いたサービスを利用して、複業となる複業先を探している、あるいは転職を検討している求職者2a~2nに保有される。
【0030】
求人企業端末40a~40nは、本実施の形態では、情報処理システム10を用いたサービスを利用して、求人活動を行っている求人企業3a~3nに保有される(例えば、求人企業3a~3nの人事部や総務部等であることが想定される。)。
【0031】
一方、ウェブサーバ50は、本実施の形態では、ソーシャルネットワークサービス(Social Network Service:以下「SNS」という。)を提供するウェブサイトを管理するウェブ事業者4に管理される。
【0032】
この情報処理システム10を用いたサービスでは、求職者2a~2nと求人企業3a~3nとのマッチングが目的とされ、マッチングが実現するように、求職者2a~2nには、サービスの利用をスムーズに実現することが可能な機能が主に提供され、求人企業3a~3nには、求職者2a~2nに関する各種の情報処理を実行可能な機能が提供される。
【0033】
次に、情報処理システム10の各部の具体的な構成について説明する。
【0034】
情報処理装置20、求職者端末30a~30n、求人企業端末40a~40n及びウェブサーバ50は、本実施の形態では、ほぼ同様のハードウェア構成を具備するコンピュータ、例えば例えばデスクトップ型あるいはノート型のコンピュータによって実装される。
【0035】
図2は、コンピュータの構成の概略を説明するブロック図である。
【0036】
図示のように、コンピュータは、プロセッサ101、メモリ102、ストレージ103、送受信部104及び入出力部105を主要構成として備え、これらが互いにバス106を介して電気的に接続される。
【0037】
プロセッサ101は、コンピュータの動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、アプリケーションプログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。
【0038】
このプロセッサ101は、本実施の形態では例えばCPU(Central Processing Unit)であり、次述するメモリ102に展開されたアプリケーションプログラムを実行して各処理を行う。
【0039】
メモリ102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置によって実装される。
【0040】
このメモリ102は、プロセッサ101の作業領域として使用される一方、コンピュータの起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種の設定情報等が格納される。
【0041】
ストレージ103には、アプリケーションプログラム等による各種の処理に用いられるデータ等が格納されている。
【0042】
送受信部104は、コンピュータをネットワークNに接続するものであって、本実施の形態では、送受信部104を介したネットワークNを経由して、他のコンピュータと相互に通信可能に接続される。
【0043】
この送受信部104は、Wi-Fi等の無線通信規格に対応するものであってもよいし、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0044】
入出力部105には、必要に応じて、キーボードやマウスといった情報入力機器やディスプレイ等の出力機器が接続される。本実施の形態では、キーボード、マウス及びディスプレイがそれぞれ接続される。
【0045】
バス106は、接続したプロセッサ101、メモリ102、ストレージ103、送受信部104及び入出力部105の間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝達する。
【0046】
図3は、情報処理装置20の機能の概略を説明するブロック図である。図示のように、情報処理装置20は、記憶部21、求職者情報取得部22a、申入情報受付部22b、スキルスコア算出部22c、業務遂行能力スコア算出部22d、タグ抽出部22e、分析部22f、アカウント抽出部22g、求人候補抽出部22h、申し送り部22i、面接日程調整部22j、契約書文案作成部22k、プロフィールページ処理部22l及び時給診断部22mを備える。
【0047】
記憶部21は、ストレージ103の記憶領域が区画されることによって実現される。この記憶部21には、本実施の形態では、求職者情報D1、採用要件情報D2、集計情報D3及び処理情報D4が記憶される。
【0048】
図4は、求職者情報D1の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、求職者情報D1は、例えば、求職者2a~2nの氏名、年齢、職業(職種)、経歴、(コンピュータ上の)使用言語、勤務先等といった求職者2a~2nの属性に関する各種のデータによって構成される。
【0049】
この求職者情報D1は、本実施の形態では、SNSを提供するウェブサイトから取得されて、ごとにデータベース化されて記憶部21に記憶される。
【0050】
図5は、採用要件情報D2の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、採用要件情報D2は、例えば、時給(日給)、稼働時間、年齢、住所、職業、職位、経歴、複業・転職意欲等といった、事業者1のサービスを利用する求人企業3a~3nによって予め入力された、求職者2a~2nを採用する基準となる各種のデータによって構成される。
【0051】
図6は、集計情報D3の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、集計情報D3は、任意の期間(例えば週別、月別等)における求人企業3a~3nの求人活動の結果を集計した情報であって、例えば、タッチ数(求職者2a~2nのプロフィールを見た数)、求職者2a~2nへのオファー率、求職者2a~2nとの面接回数、マッチング数等といった各種のデータによって構成される。
【0052】
図7は、処理情報D4の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、処理情報D4は、情報処理システム10での各種の情報処理によって生成された各種の情報によって構成される。
【0053】
例えば、申入情報、スキルスコア情報、業務遂行能力スコア情報、タグ情報、分析情報、アカウント情報、求人候補情報、マッチング条件情報、申し送り情報、日程調整情報、契約書文案情報等といった各種の情報が含まれる。
【0054】
図3で示す求職者情報取得部22a、申入情報受付部22b、スキルスコア算出部22c、業務遂行能力スコア算出部22d、タグ抽出部22e、分析部22f、アカウント抽出部22g、求人候補抽出部22h、申し送り部22i、面接日程調整部22j、契約書文案作成部22k、プロフィールページ処理部22l及び時給診断部22mは、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101で実行することによって実現される。
【0055】
求職者情報取得部22aは、求職者端末30a~30nを介して入力される登録情報に基づいて、求職者情報D1を取得する処理を実行する(求職者情報取得処理)。
【0056】
本実施の形態では、求職者端末30a~30nに表示される、情報処理システム10を用いたサービスへのログイン画面において、ウェブサーバ50で提供する任意のSNSを経由してログインすることによって、求職者端末30a~30nに登録情報が入力され、入力された登録情報に基づいて、SNSを提供するウェブサイトから任意の求職者(例えば求職者2a)の求職者情報D1を取得する。
【0057】
一方、サービスへのログイン画面において、SNSを経由しないで、例えばメールアドレスによってログインすることによって、求職者端末30a~30nに登録情報が入力され、入力された登録情報のメールアドレスに求職者2a~2nの属性を入力するメールが送信されて、このメールに入力された求職者2a~2nの属性に基づいて求職者情報D1を取得するように構成することもできる。
【0058】
申入情報受付部22bは、求人企業端末40a~40nを介して入力される、任意の求職者2a~2nに求人候補としての申し入れ(オファー)を行う旨の申入情報を受け付ける処理を実行する(申入情報受付処理)。
【0059】
本実施の形態では、求人企業端末40a~40nに表示される、求職者情報D1に基づいて生成される後述のプロフィールページに基づいて、画面インターフェース上で任意の操作を行うことによって入力される申入情報を受け付ける。
【0060】
スキルスコア算出部22cは、SNSを介して取得するSNS情報から求職者2a~2nの業務上のスキルに関する情報を取得して、取得した情報に基づいて、求職者2a~2nの業務上のスキルに関するスコアを算出する処理を実行する(スキルスコア算出処理)。
【0061】
図8は、スキルスコア算出処理の概略を説明するフローチャートである。図示のように、まず、ステップS1において、SNSを提供するウェブサイトから、任意の求職者(例えば求職者2a)がSNSにアップロードしている記事やコメント等のSNS情報を参照する。
【0062】
続いて、ステップS2において、参照したSNS情報の中から、業務スキルに関する情報を抽出して、ステップS3において、その情報に付された他者からの評価値(例えば「いいね」の数や「スター」の数等)をSNS特徴量として正規化の処理を行う。
【0063】
ステップS4において、抽出した業務スキルに関する情報の情報源であるSNSの種類(例えば、ソフトウェア開発型プラットフォームのSNS、短文投稿型のSNSあるいは記事や写真等を投稿するSNS等)に応じて割り当てられるスコア(SNSスコア)を、抽出した業務スキルに関する情報に付与して重み付けを行う。
【0064】
なお、重み付けを行うSNSスコアは、例えば機械学習で学習した学習済みモデルによって算出することも可能である。
【0065】
その後、ステップS5において、SNSスコアの重み付けを平均化することによってスキルスコアを算出し、このスコアを偏差値化することによって、スキルスコアを算出してスキルスコア情報を生成する。
【0066】
偏差値は、スキルスコア:X、平均スコア:Y、及びスキルごとの標準偏差:Q、とした場合に、
T={(X-Y)/Q}×10+50
で求めることができる。
【0067】
このスキルスコアによって、求人企業3a~3nは、求職者2a~2nの業務上のスキルの概要を把握することができる。
【0068】
図3で示す業務遂行能力スコア算出部22dは、求職者情報D1に基づいて求職者2a~2nの業務遂行能力に関するスコアを算出する処理を実行する(業務遂行能力スコア算出処理)。
【0069】
図9は、業務遂行能力スコア算出処理の概略を説明するフローチャートである。図示のように、ステップS10において、まず、求職者情報D1を構成する求職者2a~2nの経歴、肩書及びスキル等のデータからそれぞれの経験年数を抽出する。
【0070】
続いて、ステップS11において、抽出した経験年数に予め割り当てられている重みづけされた値を乗じて基本値を算出し、ステップS12において、算出した基本値を対数変換した値に基づいて偏差値化の処理を実行して、業務遂行能力スコア情報を生成する。
【0071】
この業務遂行能力スコアによって、求人企業3a~3nは、求職者2a~2nの業務の完成度、業務の完遂力等といった業務遂行能力の概要を把握することができる。
【0072】
図3で示すタグ抽出部22eは、SNSを提供するウェブサイトの任意の求職者(例えば求職者2a)のSNS情報に基づいて、取得した求職者情報D1に求職者2aの属性として顕在化していない属性をタグとして抽出する処理を実行する(タグ抽出処理)。
【0073】
例えば、
図10で示すように、タグ抽出処理によって、求職者情報D1に求職者2aの属性として顕在化していない属性(例えば「上流工程」、「チーム開発」等)がタグとして顕在化される。
【0074】
図3で示す分析部22fは、任意の求人企業(例えば求人企業3a)から求職者2a~2nへの接触及び求職者2a~2nから求人企業3aへの反応を有する求人企業3aの求人進捗状況と、任意の求人企業(例えば求人企業3b)から求職者2a~2nへの接触及び求職者2a~2nから求人企業3bへの反応を有する求人企業3bの求人進捗状況とを対比して分析する処理を実行する(分析処理)。
【0075】
本実施の形態では、分析処理における求人進捗状況には、求人企業3a及び求人企業3bによる申入情報受付処理の実行が含まれる。
【0076】
この分析処理は、本実施の形態では、例えば月別あるいは週別等といった任意の期間における求人企業3aの集計情報D3と求人企業3bの集計情報D3とを対比して、双方の集計情報D3が乖離している場合、改善策やヒントを提案する分析情報を生成する。
【0077】
図11は、分析処理で生成される分析情報の概略を説明する図である。図示のように、分析情報は、「タイトル」、「DESCRIPTION」、「URL」及び「KPI」の項目において、「タイトル」には改善点が記載され、「DESCRIPTION」には改善方法が記載され、「URL」には改善方法の詳細を紹介したリンクが貼られ、かつ「KPI」には改善の目標が記載される。
【0078】
図3で示すアカウント抽出部22gは、SNSを提供するウェブサイトの任意の求職者(例えば求職者2a)のSNS情報に基づいて、この求職者2aと関連のある求人企業(例えば求人企業3a)の従業者のSNSアカウントを抽出する処理を実行する(アカウント抽出処理)。
【0079】
抽出したSNSアカウントは、例えば
図12で一例を示すような画面インターフェースによって、求人企業3aの求人企業端末40aのディスプレイに表示される。
【0080】
図3で示す求人候補抽出部22hは、求人企業3a~3nが求職者2a~2nに要望するマッチング条件情報を生成し、生成したマッチング条件情報に適合する求職者2a~2nを求人候補として抽出する処理を実行する(求人候補抽出処理)。
【0081】
図13は、求人候補抽出処理の概略を説明するフローチャートである。図示のように、ステップS20において、任意の求人企業(例えば求人企業3a)の採用要件情報D2から、必須あるいは求められる条件であるマッチング条件情報を生成する。例えば、採用要件情報D2から「稼働時間」、「年齢」、「経験」、「複業・転職意欲」を抽出して、マッチング条件情報を生成する。
【0082】
続いて、ステップS21において、生成したマッチング条件情報に基づいて、マッチング条件情報に適合する求職者2a~2nを求人候補として作成する。
【0083】
ステップS22において、求職者2a~2nそれぞれに予め設定されたパラメータ(例えば求人企業からオファーを受けた数、オファーを承諾した数)とこれらのパラメータに付与された重み値(例えば高、低、中)とを乗じて算出したリコメンドスコアに基づいて、作成した求人候補の中から、予め設定された求人候補数となるまで、求職者2a~2nを抽出する。
【0084】
図3で示す申し送り部22iは、本実施の形態では、求人候補抽出処理を実行する際に、求人候補として抽出した理由を、予め設定された要約基準に基づいて求職者情報D1を要約して申し送り情報として作成する処理を実行する(申し送り処理)。
【0085】
作成した申し送り情報は、例えば
図14で一例を示すような画面インターフェースによって、求人企業3a~3nの求人企業端末40a~40nのディスプレイに表示される。
【0086】
本実施の形態では、「エンジニア経験があること」、「業界経験が長いこと」及び「コンサルでロジカルに物事を進められそうなこと」が、要約基準に基づいて求職者情報D1を要約した申し送りの理由である。
【0087】
図3で示す面接日程調整部22jは、本実施の形態では、求人候補抽出処理を実行する際に、求人候補として抽出した求職者2a~2n及び求人企業3a~3nに対して、求職者2a~2nと求人企業3a~3nとの面接の日程に関する日程調整情報を送信する処理を実行する(面接日程調整処理)。
【0088】
日程調整情報は、本実施の形態では、例えば、カレンダー機能を利用した日程調整サービスを提供するウェブサイトのURLであってもよいし、求人企業3a~3nの空いている日時に関するデータであってもよい。
【0089】
契約書文案作成部22kは、本実施の形態では、求人候補抽出処理を実行する際に、求職者2a~2nと求人企業3a~3nとの間の業務に関する契約についての契約書の文案を作成する処理を実行する(契約書文案作成処理)。
【0090】
この契約書文案作成処理では、例えば、汎用の契約書の文案フォーマットが用いられてもよく、求人候補抽出処理におけるマッチング処理の際に抽出した条件(例えば「稼働時間」や「稼働開始日」等)が自律的に記載されるように構成してもよい。
【0091】
図15は、面接日程調整処理及び契約書文案作成処理の概略を説明するフローチャートである。図示のように、ステップS30において、求職者2a~2n及び求人企業3a~3nに対して日程調整情報を送信する。このとき、求人企業3a~3nに対して申し送り情報を併せて送信してもよい。
【0092】
続くステップS31において、求職者2a~2n及び求人企業3a~3nの双方の日程の入力に基づいて面接の日程を調整する一方、面接の日程の調整と前後して、ステップS32において、契約書の文案を作成する処理を実行する。
【0093】
図3で示すプロフィールページ処理部22lは、予め設定されたプロフィールページのフォームにおいて、求職者情報取得部22aで取得した求職者情報D1から求職者2a~2nの属性に関する任意の情報を表示する処理を実行する。
【0094】
さらに、プロフィールページ処理部22lは、求職者端末30a~30nを介して求職者2a~2nによって入力される求職者2a~2nの付加的な情報(例えばアピールポイント、特技等)を表示する処理を実行する。
【0095】
図16に、プロフィールページの画面インターフェースの一例を示す。
【0096】
図3で示す時給診断部22mは、本実施の形態では、求職者端末30a~30nを介した求職者2a~2nの要求に従って、求職者情報D1における職種に関する情報や経験年数に関する情報等に基づいて、求職者2a~2nの時給を想定する処理を実行する。
【0097】
時給の想定は、例えば、求職者2a~2n及び求人企業3a~3nの属する業界の給与水準に関するデータが格納された外部のデータベースを参照することによって実行されてもよい。
【0098】
なお、時給診断の処理は、求人企業端末40a~40nを介した求人企業3a~3nの要望に基づいて実行されるものであってもよく、この場合、上記の契約書文案作成処理において、時給診断の処理で想定された時給が契約書の文案に自律的に記載されるように構成してもよい。
【0099】
次に、情報処理システム10の処理について説明する。
【0100】
まず、求職者端末30a~30nに表示される、情報処理システムが提供するサービスのログイン画面において、任意のSNSを経由してログインすることによって、求職者端末30a~30nに登録情報が入力され、入力された登録情報に基づいて、SNSを提供するウェブサイトから求職者2a~2nの求職者情報D1を取得する。
【0101】
求職者情報D1を取得すると、求職者情報D1に基づいて求職者2a~2nのプロフィールページを作成する処理を実行する。求職者2a~2nは、求職者情報D1には含まれない求職者2a~2nの付加的な情報を随時、入力することによって、プロフィールページを構築する。
【0102】
一方、求人企業3a~3nは、求人企業端末40a~40nを介して求人候補抽出処理を実行し、求人企業3a~3nが要望する求職者2a~2nを抽出する。このとき、求人企業3a~3nに対して申し送り情報を併せて送信してもよい。
【0103】
ところで、求人候補抽出処理の実行と前後して、求人企業3a~3nの必要に応じて、スキルスコア算出処理、業務遂行能力スコア算出処理、タグ抽出処理及びアカウント抽出処理を実行して、求職者2a~2nの属性を精査してもよい。
【0104】
しかる後、求人企業3a~3nが要望する任意の求職者(例えば求職者2a)を求人候補としての申し入れを行う旨の申入情報を送信し、申入情報に対して求職者2a~2nが応諾すると、本実施の形態では、面接日程調整処理及び契約書文案作成処理を実行する。
【0105】
一方、任意の期間において、情報処理システム10を用いて提供されるサービスを用いた求人企業3a~3nの求人活動が停滞する場合は、分析処理を実行して、その改善策やヒントを得ることもできる。
【0106】
このように、求職者2a~2nは、求人企業3a~3nの求人情報をあえて検索する必要がなく、登録情報を入力することのみによって、求人企業3a~3nから求人候補としての申し入れを受ける可能性があることから、求人情報を検索する負担や時間が大幅に軽減される。
【0107】
一方、求人企業3a~3nにとっては、求人企業3a~3nが望まない求職者2a~2nからの応募を減じて求職者2a~2nの属性を精査することができることから、求人業務の作業負担が大幅に軽減される。
【0108】
したがって、求職者2a~2n及び求人企業3a~3nの双方の作業負担が軽減されたうえで、求職者2a~2n及び求人企業3a~3nの双方の要望に応じたマッチングを実現することができる。
【0109】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0110】
上記実施の形態では、情報処理装置20が事業者1に管理されるコンピュータで実装される場合を説明したが、情報処理装置20はクラウド環境で実装されるコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0111】
1 事業者
2a~2n 求職者
3a~3n 求人企業
10 情報処理システム
20 情報処理装置
30a~30n 求職者端末
40a~40n 求人企業端末
50 ウェブサーバ