(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034632
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】紫外線硬化性樹脂組成物、レンズシート及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C08F 290/06 20060101AFI20240306BHJP
G02B 1/04 20060101ALI20240306BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
C08F290/06
G02B1/04
G02B3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139011
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000155698
【氏名又は名称】株式会社有沢製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100194179
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 泰宏
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100197701
【弁理士】
【氏名又は名称】長野 正
(72)【発明者】
【氏名】池田 祐希
(72)【発明者】
【氏名】市村 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】梅澤 康昭
【テーマコード(参考)】
4J127
【Fターム(参考)】
4J127AA03
4J127AA04
4J127BB021
4J127BB101
4J127BB221
4J127BD171
4J127BG051
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4J127BG171
4J127BG17Y
4J127BG201
4J127BG20Y
4J127CB052
4J127CB151
4J127CB152
4J127CB222
4J127CC021
4J127CC292
4J127CC392
4J127DA12
4J127FA24
(57)【要約】
【課題】高温高湿の雰囲気に長時間晒されてもレンズ層がガラス基板から剥離しないレンズシート及びその製造方法、並びにこのレンズ層を構成する紫外線硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】紫外線硬化性樹脂組成物は、一の末端官能基にアクリロイル基を有し、他の末端官能基にエポキシ基を有するエポキシアクリレートモノマーと、アクリロイル基を含むアクリレートモノマーと、シランカップリング剤と、開始剤とを含む。このエポキシアクリレートモノマーとこのアクリレートモノマーの全重量部数を100重量部としたとき、エポキシアクリレートモノマーの含有量が45~85重量部であり、アクリレートモノマーの含有量が15~55重量部であり、シランカップリング剤は、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の末端官能基にアクリロイル基を有し、他の末端官能基にエポキシ基を有するエポキシアクリレートモノマーと、
アクリロイル基を含むアクリレートモノマーと、
シランカップリング剤と、
開始剤とを含み、
前記エポキシアクリレートモノマーと前記アクリレートモノマーの全重量部数を100重量部としたとき、前記エポキシアクリレートモノマーの含有量が45~85重量部であり、前記アクリレートモノマーの含有量が15~55重量部であり、
前記シランカップリング剤は、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランである、紫外線硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記シランカップリング剤の含有量は、前記エポキシアクリレートモノマーと前記アクリレートモノマーの全重量部数を100重量部としたとき、2~10重量部である、請求項1に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記開始剤の含有量は、前記エポキシアクリレートモノマーと前記アクリレートモノマーの全重量部数を100重量部としたとき、1~4重量部である、請求項1に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
前記シランカップリング剤は、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルイソシアヌレート構造を有するオルガノシラン、複数のアクリロイル基とトリアルコキシシリル基を有するオルガノシラン、及びp-スチリルトリメトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種を更に含む、請求項1に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
ガラス基板と、
レンズアレイ形状を有し、請求項1から4のいずれか1項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物から構成されるレンズ層と、を備え、
前記レンズ層は、前記ガラス基板の少なくとも一面に形成されている、レンズシート。
【請求項6】
前記ガラス基板の厚さは、0.1~2.0mmである、請求項5に記載のレンズシート。
【請求項7】
レンズアレイ形状の反転形状を有する成形型に紫外線硬化性樹脂を塗布する塗布工程と、
前記紫外線硬化性樹脂を塗布した表面にガラス基板を積層する積層工程と、
前記紫外線硬化性樹脂が前記成形型と前記ガラス基板とで形成される空間に行き渡るように、前記ガラス基板と前記紫外線硬化性樹脂と前記成形型とを押圧する押圧工程と、
前記紫外線硬化性樹脂を紫外線硬化させることで硬化した前記紫外線硬化性樹脂を前記ガラス基板に付着させ、前記レンズアレイ形状を有し硬化した前記紫外線硬化性樹脂から構成されるレンズ層を成形する成形工程と、
前記成形型を前記レンズ層から脱型する脱型工程と、
前記ガラス基板と前記ガラス基板に成形されたレンズ層を加熱するエージング工程とを含む、レンズシートの製造方法。
【請求項8】
前記紫外線硬化性樹脂は、請求項1から4のいずれか1項に記載の紫外線硬化性樹脂組成物である、請求項7に記載のレンズシートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線硬化性樹脂組成物、レンズシート及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス基板に複数の微細なレンズが並んで形成されたレンズシートがある。このようなレンズシートは、例えば立体画像表示装置に使用される。特許文献1には、脂肪族系ウレタンアクリレートと加水分解防止剤とを含む紫外線硬化性樹脂組成物、及び、ガラス基板とそのガラス基板上に形成され紫外線硬化性樹脂組成物から構成されるレンズ部とを備えるレンズシート、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなレンズシートは、高温高湿の雰囲気に長時間晒されると、レンズ部がガラス基板から剥離してしまうことがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものである。すなわち、本発明は、高温高湿の雰囲気に長時間晒されてもレンズ層がガラス基板から剥離しないレンズシート及びその製造方法、並びにこのレンズ層を構成する紫外線硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、下記の発明を完成するに至った。
[1]本発明に係る紫外線硬化性樹脂組成物は、一の末端官能基にアクリロイル基を有し、他の末端官能基にエポキシ基を有するエポキシアクリレートモノマーと、アクリロイル基を含むアクリレートモノマーと、シランカップリング剤と、開始剤とを含み、前記エポキシアクリレートモノマーと前記アクリレートモノマーの全重量部数を100重量部としたとき、前記エポキシアクリレートモノマーの含有量が45~85重量部であり、前記アクリレートモノマーの含有量が15~55重量部であり、前記シランカップリング剤は、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランである。
【0007】
また、[2]前記シランカップリング剤の含有量は、前記エポキシアクリレートモノマーと前記アクリレートモノマーの全重量部数を100重量部としたとき、2~10重量部である、ようにしてもよい。
【0008】
また、[3]前記開始剤の含有量は、前記エポキシアクリレートモノマーと前記アクリレートモノマーの全重量部数を100重量部としたとき、1~4重量部である、ようにしてもよい。
【0009】
また、[4]前記シランカップリング剤は、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルイソシアヌレート構造を有するオルガノシラン、複数のアクリロイル基とトリアルコキシシリル基を有するオルガノシラン、及びp-スチリルトリメトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種を更に含む、ようにしてもよい。
【0010】
また、[5]本発明に係るレンズシートは、ガラス基板と、レンズアレイ形状を有し、[1]から[4]のいずれか1つに記載の紫外線硬化性樹脂組成物から構成されるレンズ層と、を備え、前記レンズ層は、前記ガラス基板の少なくとも一面に形成されている。
【0011】
また、[6]前記ガラス基板の厚さは、0.1~2.0mmである、ようにしてもよい。
【0012】
また、[7]本発明に係るレンズシートの製造方法は、レンズアレイ形状の反転形状を有する成形型に紫外線硬化性樹脂を塗布する塗布工程と、前記紫外線硬化性樹脂を塗布した表面にガラス基板を積層する積層工程と、前記紫外線硬化性樹脂が前記成形型と前記ガラス基板とで形成される空間に行き渡るように、前記ガラス基板と前記紫外線硬化性樹脂と前記成形型とを押圧する押圧工程と、前記紫外線硬化性樹脂を紫外線硬化させることで硬化した前記紫外線硬化性樹脂を前記ガラス基板に付着させ、前記レンズアレイ形状を有し硬化した前記紫外線硬化性樹脂から構成されるレンズ層を成形する成形工程と、前記成形型を前記レンズ層から脱型する脱型工程と、前記ガラス基板と前記ガラス基板に成形されたレンズ層を加熱するエージング工程とを含む。
【0013】
また、[8]前記紫外線硬化性樹脂は、[1]から[4]のいずれか1つに記載の紫外線硬化性樹脂組成物である、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高温高湿の雰囲気に長時間晒されてもレンズ層がガラス基板から剥離しないレンズシート及びその製造方法、並びにこのレンズ層を構成する紫外線硬化性樹脂組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】(a)は本発明の実施の形態に係るレンズシートの上面図であり、(b)は(a)のIa-Ia線矢視断面図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るレンズシートの製造方法の工程を説明する図であり、(a)は金型準備工程、(b)は塗布工程、(c)は積層工程を説明する図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るレンズシートの製造方法の工程を説明する図であり、(d)は押圧工程、(e)は成形工程、(f)は脱型工程、(g)はエージング工程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施の形態」という。)について詳細に説明する。実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。本発明において使用する分子量は、重量平均分子量を示す。
【0017】
(紫外線硬化性樹脂組成物)
実施の形態の紫外線硬化性樹脂組成物は、一の末端官能基にアクリロイル基を有し、他の末端官能基にエポキシ基を有するエポキシアクリレートモノマーと、アクリロイル基を含むアクリレートモノマーと、シランカップリング剤と、開始剤とを含む。この紫外線硬化性樹脂組成物は、レンズシートを構成するレンズ層の材料として好適に用いられる。
【0018】
(一の末端官能基にアクリロイル基を有し、他の末端官能基にエポキシ基を有するエポキシアクリレートモノマー)
一の末端官能基にアクリロイル基を有し、他の末端官能基にエポキシ基を有するエポキシアクリレートモノマーは、直鎖状のポリマーを構成する。具体的には、開始剤から発生したラジカルがこのエポキシアクリレートモノマーのアクリロイル基に付加する。このアクリロイル基に付加したラジカルが、他のエポキシアクリレートモノマーのアクリロイル基に付加する。付加したラジカルが他のエポキシアクリレートモノマーへ次々と移動することでエポキシアクリレートモノマーが重合し、直鎖状のポリマーが生成される。
また、このエポキシアクリレートモノマーのエポキシ基は後述するシランカップリング剤と反応する。さらに、このシランカップリング剤はガラス基板の表面に存在する水酸基と反応する。このように、シランカップリング剤を介して、このエポキシアクリレートモノマーを含む紫外線硬化性樹脂組成物とガラス基板とが化学的に結合する。これにより、このエポキシアクリレートモノマーを含む紫外線硬化性樹脂組成物から構成されるレンズ層とガラス基板との密着性が向上する。
このエポキシアクリレートモノマーの分子量は、115~2000であり、粘度の調整を容易にする観点から、115~1000が望ましい。
このエポキシアクリレートモノマーの含有量は、このエポキシアクリレートモノマーとアクリロイル基を含むアクリレートモノマーの全重量部数を100重量部としたとき、45~85重量部であり、紫外線硬化性樹脂組成物の成形性及びレンズ層とガラス基板との密着性を向上させる観点から50~70重量部が望ましい。
なお、このエポキシアクリレートモノマーのアクリロイル基はメタクリロイル基であってもよい。また、このエポキシアクリレートモノマーは、この重合の過程で、後述するアクリロイル基を含むアクリレートモノマーと重合してもよい。また、このアクリレートモノマーがアクリロイル基を2つ以上含むアクリレートモノマーである場合、重合で得られるポリマーは、分岐したポリマー及び/又は三次元網目構造を有するポリマーであってもよい。
【0019】
上述したエポキシアクリレートモノマーとしては、例えば、グリシジルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、ヒドロキシエチルアクリレートグリシジルエーテル、一の末端官能基にアクリロイル基を有し、他の末端官能基にエポキシ基を有するビスフェノール型エポキシアクリレートモノマー等が挙げられる。レンズ層の強度を高める観点から、一の末端官能基にアクリロイル基を有し、他の末端官能基にエポキシ基を有するビスフェノール型エポキシアクリレートモノマーが好ましい。このビスフェノール型エポキシアクリレートモノマーのビスフェノール骨格は、例えばビスフェノールA型、ビスフェノールF型、又はビスフェノールS型から構成される。ビスフェノールA型の骨格を有するエポキシアクリレートモノマーとして、EBECRYL3605(ダイセルオルネクス社製)が挙げられる。紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる一の末端官能基にアクリロイル基を有し、他の末端官能基にエポキシ基を有するエポキシアクリレートモノマーは、2種以上のエポキシアクリレートモノマーから構成されてもよい。
【0020】
(アクリロイル基を含むアクリレートモノマー)
紫外線硬化性樹脂組成物は、紫外線硬化性樹脂組成物のガラス転移温度、屈折率、耐久性などの物性や粘度を調整するためにアクリロイル基を含むアクリレートモノマーを含む。このアクリレートモノマーは、上述したエポキシアクリレートモノマーに対して相溶性を有するアクリレートモノマーであることが好ましい。また、このアクリレートモノマーは、上述のエポキシアクリレートモノマーと反応するアクリレートモノマーであることが好ましい。また、このアクリレートモノマーは、常温で液状であることが好ましい。このようなアクリレートモノマーを使用することで、有機溶剤を加えずに紫外線硬化性樹脂組成物の粘度を調整することができる。また、有機溶剤を使用しないため、例えばレンズシート等の成形物を作る過程で有機溶剤の揮発がなく、環境への負荷が小さい。
このアクリレートモノマーの分子量は、100~1000であり、粘度の調整を容易にする観点から、100~500が望ましい。このアクリレートモノマーの含有量は、上述のエポキシアクリレートモノマーとこのアクリレートモノマーの全重量部数を100重量部としたとき、15~55重量部であり、成形性及びレンズ層とガラス基板との密着性を向上させる観点から30~40重量部が望ましい。このアクリレートモノマーに含まれるアクリロイル基は、メタクリロイル基であってもよい。また、このアクリレートモノマーは、2つ以上のアクリロイル基をさらに含んでいてもよい。
【0021】
アクリロイル基を含むアクリレートモノマーとしては、例えば、トリプロピレングルコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、イソボニルアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ベンジルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソクチルアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ラウリルアクリレート、m-フェノキシベンジルアクリレート、イソアミルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート等が挙げられる。このアクリレートモノマーは、成形後の硬化収縮を小さくすることができるイソボニルアクリレートであることが好ましい。このアクリレートモノマーは、2種以上のアクリレートモノマーから構成されてもよい。
【0022】
(シランカップリング剤)
紫外線硬化性樹脂組成物は、レンズ層とガラス基板との密着性を向上させるためにシランカップリング剤を含む。シランカップリング剤の含有量は、一の末端官能基にアクリロイル基を有し、他の末端官能基にエポキシ基を有するエポキシアクリレートモノマーとアクリロイル基を含むアクリレートモノマーの全重量部数を100重量部としたとき、2~10重量部であり、反応性を高める観点から2~5重量部が望ましい。シランカップリング剤は、高温高湿の雰囲気におけるレンズ層とガラス基板との密着性を高める観点から、少なくともN-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランを含む。他のシランカップリング剤を更に含んでもよい。
【0023】
シランカップリング剤は、高温高湿の雰囲気におけるレンズ層とガラス基板との密着性を高めるために、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルイソシアヌレート構造を有するオルガノシラン、複数のアクリロイル基とトリアルコキシシリル基を有するオルガノシラン、及びp-スチリルトリメトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種を更に含んでもよい。アリルイソシアヌレート構造を有するオルガノシランとしては、例えば、X121290(信越化学工業社製)が挙げられる。複数のアクリロイル基とトリアルコキシシリル基を有するオルガノシランとしては、例えば、X121048(信越化学工業社製)が挙げられる。
【0024】
(開始剤)
紫外線硬化性樹脂組成物は、ラジカルを発生させる開始剤を含む。この開始剤に紫外線が照射されることにより、開始剤からラジカルが発生する。このラジカルを起点して、紫外線硬化性樹脂組成物に含まれるモノマーが重合しポリマーを生成する。開始剤の含有量は、一の末端官能基にアクリロイル基を有し、他の末端官能基にエポキシ基を有するエポキシアクリレートモノマーとアクリロイル基を含むアクリレートモノマーの全重量部数を100重量部としたとき、1~4重量部である。開始剤としては、例えば、アセトフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ベンジル系開始剤、ベンゾイン系開始剤、アシルホスフィンオキサイド系開始剤等が挙げられる。開始剤は、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、1-ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトンがより好ましい。開始剤は、2種以上の開始剤から構成されてもよい。
【0025】
(その他成分)
紫外線硬化性樹脂組成物は、上記以外にも他の添加剤等を更に含有してもよい。他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、光重合促進剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤が挙げられる。
以上、上述した材料を容器に所定量加えて撹拌することで紫外線硬化性樹脂組成物が得られる。
【0026】
次に上述の紫外線硬化性樹脂組成物から構成される実施の形態のレンズシートについて、
図1を参照して説明する。
(レンズシート)
図1(a)はレンズシートの上面図であり、(b)は(a)のIa-Ia線の矢視断面図である。レンズシート10は、ガラス基板12と、レンズアレイ形状11aを有するレンズ層11と、を備える。レンズ層11は、ガラス基板12の片面に形成されている。ガラス基板12の厚さは、0.1~2.0mmである。
【0027】
レンズ層11は、複数の微細なレンズが配列したレンズアレイ形状を有する。レンズアレイを構成するレンズとしては、例えば、リニアフレネルレンズ、サーキュラーフレネルレンズ、シリンドリカルレンズ、プリズムレンズが挙げられる。レンズ層11は、ガラス基板12の両面に形成されてもよい。
図1に示すレンズ層11は、複数のシリンドリカルレンズが配列したレンズアレイ形状11aを有する。シリンドリカルレンズのレンズピッチは、20~100μmである。
【0028】
レンズ層11は、実施の形態の紫外線硬化性樹脂組成物から構成されている。このため、高温高湿の雰囲気下においても樹脂の加水分解が生じにくい。また、このような構成を有するレンズシート10は、ガラス基板12とレンズ層11との密着性が高いため高温高湿の雰囲気に長時間晒されてもレンズ層11がガラス基板12から剥離しにくい。
【0029】
レンズシート10は、例えば、国際公開第2013/187515号に開示されている、光源と、画像表示部と、レンズシートとを備える立体画像表示装置のレンズシートとして好適に使用することができる。この立体画像表示装置は、観察者が立体画像表示装置に表示される画像を観る場合、観察者から遠い順に、光源、画像表示部、レンズシートの順で配置されている。光源は、画像表示部の一面に向けて白色の無偏光を出射する。画像表示部は、光源側に配置される偏光板、例えば液晶パネルから構成される画像生成部、観察者側に配置される偏光板を備え、左目用画像と右目用画像を生成し、表示する。レンズシートは、画像表示部で表示された左目用画像と右目用画像をそれぞれ観察者の左目と右目に向けて出射する。
【0030】
レンズシート10を上述の立体画像表示装置のレンズシートとして使用する場合、ガラス基板の厚さは、クロストークの発生を抑制する観点から0.1~2.0mmである。レンズアレイ形状は、シリンドリカルレンズアレイ形状が好ましい。シリンドリカルレンズのレンズピッチは、画像生成部の画素ピッチに応じて設定される。ピッチは、例えば50~80μmである。
【0031】
(レンズシート10の製造方法)
次に、上述のように構成されたレンズシート10の製造方法の一例を、
図2、
図3を参照しながら説明する。
図2、
図3において、Z1は上方向、Z2は下方向を示す。
【0032】
まず、
図2(a)に示すように、レンズシートのレンズ形状の反転形状を有する金型20を準備する(金型準備工程)。レンズ形状の反転形状が形成された面を上方向に向けて金型20を平坦な場所に載置する。実施の形態では、成形型として金型20を使用しているが、これ以外の成形型として電鋳型、及びガラス型も使用することができる。
【0033】
次に、
図2(b)に示すように、金型20のレンズ形状の反転形状が形成された面に、塗布装置30を用いて、未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物11bを塗布する(塗布工程)。
図2(b)において、塗布装置30は矢印の方向へ移動する。
【0034】
続いて、
図2(c)に示すように、金型20とガラス基板12との間に紫外線硬化性樹脂組成物11bが挟み込まれるように、ガラス基板12を金型20上に配置する(積層工程)。なお、ガラス基板12は、透明な基板であり、その厚さが0.1~2.0mm程度である。
【0035】
続いて、例えば、
図3(d)に示すように、ロール25を用いて、金型20、紫外線硬化性樹脂組成物11b、及びガラス基板12を押圧する(押圧工程)。具体的には、紫外線硬化性樹脂組成物11bが、ガラス基板12の下面と金型20のレンズ形状の反転形状が形成された面とで形成される空間の隅々まで行き渡たるように、ロール25を転がしながら押圧する。
図3(d)において、ロール25は矢印の方向へ移動する。
【0036】
続いて、
図3(e)に示すように、紫外線を照射し、紫外線硬化性樹脂組成物11bを硬化させ、レンズ層11を成形する(成形工程)。具体的には、金型20上の未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物11bに対して、ガラス基板12側に配置された紫外線ランプ40から紫外線を照射することにより、金型20に塗布された紫外線硬化性樹脂組成物11bを硬化させる。この紫外線硬化性樹脂組成物11bの硬化により、レンズ層11が形成されるとともに、レンズ層11がガラス基板12に付着する。この結果、
図1(b)に示すように、金型20のレンズ形状の反転形状が転写され、レンズ層11の表面がレンズアレイ11aの形状になる。
【0037】
続いて、
図3(f)に示すように、レンズシート10のレンズ層11を金型20から脱型する(脱型工程)。
【0038】
その後、
図3(g)に示すように、レンズシート10を恒温乾燥機50に入れ加熱する(エージング工程)。その後、レンズシート10を室温まで冷却し、例えばレンズシート10の形状が矩形形状(
図1参照)となるようにレンズシート10の周辺をスクライバーでカットする。以上でレンズシート10の製造が終了する。エージング工程で加熱する温度は、レンズ層を構成する硬化後の紫外線硬化性樹脂組成物のガラス転移温度よりも高い温度である。加熱する温度と時間の条件は、例えば80℃、8時間である。
【実施例0039】
以下の実施例により本発明を更に詳しく説明する。本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【0040】
実施例及び比較例における紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる各成分として、以下の材料を用いた。
(一の末端官能基にアクリロイル基を有し、他の末端官能基にエポキシ基を有するエポキシアクリレートモノマー)
エポキシアクリレートモノマー:EBECRYL3605(ダイセルオルネクス社製)。
(アクリロイル基を含むアクリレートモノマー)
アクリレートモノマー:イソボニルアクリレート(IBXA、共栄社化学社製)。
(シランカップリング剤)
KBM-573(信越化学工業社製)、KBM-5103(信越化学工業社製)、X-12-1048(信越化学工業社製)、X-12-1290(信越化学工業社製)、KBM-1403(信越化学工業社製)。
(開始剤)
Omnirad184(iGM RESINS社製)。
【0041】
(紫外線硬化性樹脂組成物)
上述の材料を用いて、紫外線硬化性樹脂組成物を調整した。
(実施例1)
容器に、EBECRYL3605を70重量部、IBXAを30重量部、KBM-573を3重量部、Omnirad184を2.5重量部加え、これらを常温(25℃±5℃)で30分間撹拌し、紫外線硬化性樹脂組成物を得た。また、得られた紫外線硬化性樹脂組成物のガラス転移温度は51℃であった。添加した重量部数は、例えば溶剤等の揮発成分を除いた固形分のみの重量部数を示す。
【0042】
ガラス転移温度を測定するためのサンプルは以下のように作製した。まず、離型フィルム上に紫外線硬化性樹脂組成物を塗布した後、その塗布面を別の離型フィルムで覆い、離型フィルム、紫外線硬化性樹脂組成物、離型フィルムの順で積層された積層体を得た。次に、紫外線硬化性樹脂組成物の厚さが200μmとなるように、この積層体をラミネートした。次に、離型フィルムを介して、紫外線硬化性樹脂組成物に紫外線を照射した。その後、離型フィルムを除去し、80℃で8時間加熱し、紫外線硬化性樹脂組成物の単膜を得た。この得られた単膜を10mm×60mmの矩形にカットし、測定用サンプルを得た。
紫外線の照射には、高圧水銀ランプ、オーク製作所社製HMW-713-204を使用した。照射条件は、強度を150±10mW/cm2とし、積算光量を1150±50mJ/cm2とした。紫外線の強度測定は、トプコン社製UVR-T1/UD-T36を用いた。測定条件は、測定波長を300~390nmとし、ピーク感度波長を約350nmとした。
ガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置(DMA:Dynamic Mechanical Analysis)、ティー・エイ・インスツルメント社製、RSA-G2を用いて測定した。この測定において、tanδを測定し、このtanδがピークとなるときの温度をガラス転移温度とした。測定条件は、引張モード、昇温速度10℃/min、1Hzで行った。
【0043】
実施例1の紫外線硬化性樹脂組成物について、塗布性、ライフ性、脱型性、及び密着性の評価を行い、その結果を表1に示した。また、塗布性、ライフ性、脱型性、及び密着性は、それぞれ以下の手順で評価した。
<塗布性>
塗布性を調べることにより、金型に紫外線硬化性樹脂組成物を均一に塗布できるかを判断することができる。塗布性は、常温(25℃±5℃)における紫外線硬化性樹脂組成物の粘度を測定して評価した。粘度計は、セコニック社製VM-100A-Mを使用した。粘度が4000mPa・s以下である場合、塗布性をGoodとした。
【0044】
<ライフ性>
ライフ性を調べることにより、紫外線硬化性樹脂組成物を保管している間の紫外線硬化性樹脂組成物の反応の進みやすさを判断することができる。ライフ性は、紫外線硬化性樹脂組成物を調製した直後から常温(25℃±5℃)で6時間経過後の樹脂の状態を確認して評価した。6時間経過後の紫外線硬化性樹脂組成物がゲル状になっていない場合、ライフ性をGoodとした。
【0045】
<脱型性>
脱型性を調べることにより、紫外線硬化性樹脂組成物から構成されるレンズ層がガラス基板から剥離せずに、金型からレンズ層とガラス基板とから構成されるレンズシートを脱型できるかを判断することができる。
脱型性を評価するためのサンプルは以下のように作製した。まず、レンズピッチが200μm、レンチキュラーレンズの反転形状が形成された310mm×320mmサイズの金型に、紫外線硬化性樹脂組成物を塗布した。その樹脂の上に、厚さ0.5mm、350mm×360mmサイズの日本板硝子社製ソーダライムガラスのガラス基板を空気が入らないように載せた。その後、大成ラミネータ社製のVA700Nで、樹脂を挟み込んだ状態の金型とガラス基板を、常温(25℃±5℃)、圧力0.25~0.35mPa、スピード0.5m/minで押圧した。次に、ガラス基板の上から高圧水銀ランプ、オーク製作所社製HMW-713-204を用いて紫外線を照射し、脱型性を評価するためのサンプルを得た。紫外線を照射する条件は、強度を150±10mW/cm2とし、積算光量を1150±50mJ/cm2とした。紫外線の強度測定は、トプコン社製UVR-T1/UD-T36を用いた。測定条件は、測定波長を300~390nmとし、ピーク感度波長を約350nmとした。
紫外線照射後、すぐにガラス基板を持ち上げるようにして金型からレンズシートを脱型した。
脱型時にレンズ層がガラス基板から剥がれたり、浮いたりした場合は、poorとした。また、脱型時にガラス基板が割れた場合も、poorとした。剥がれ、浮き、割れが無い状態で金型からレンズシートを脱型できた場合はgoodとした。
【0046】
<密着性>
硬化後の紫外線硬化性樹脂組成物とガラス基板との密着性は、上述の脱型性で作製したレンズシートを用いて評価した。密着性の評価方法は、クロスカット試験で評価し、JIS K5400-8.5に準拠して行った。1マスでも剥がれた場合は、poorとした。また、密着性は、以下の処理を行った後の密着性についてそれぞれ評価した。
(1)初期密着性
初期密着性は、(1-1)エージング後の密着性と(1-2)常温24時間後の密着性について評価した。
(1-1)エージング後の密着性
脱型後のレンズシートを80℃の恒温乾燥機で8時間保管した後、常温(25℃±5℃)で1時間放置した後の密着性を評価した。
(1-2)常温24時間後の密着性
脱型後のレンズシートを80℃の恒温乾燥機で8時間保管した後、常温(25℃±5℃)で24時間放置した後の密着性を評価した。
(2)処理後密着性
処理後の密着性は、(2-1)80℃、168時間後の密着性と(2-2)60℃、95%RH、168時間後の密着性について評価した。
(2-1)80℃、168時間後の密着性
脱型後のレンズシートを80℃の恒温乾燥機で8時間保管した後、さらに80℃の恒温乾燥機で168時間保管した。その後、常温(25℃±5℃)で1時間放置した後の密着性を評価した。
(2-2)60℃、95%RH、168時間後の密着性
脱型後のレンズシートを60℃、95%RHの湿熱機で168時間保管した。その後、常温(25℃±5℃)で1時間放置した後の密着性を評価した。
【0047】
(実施例2)~(実施例14)、(比較例1)~(比較例4)
表1~表4に示すように、各成分の種類及び含有量を変えた以外は、実施例1で調製した方法と同様の方法により、それぞれの紫外線硬化性樹脂組成物を得た。得られた紫外線硬化性樹脂組成物のガラス転移温度は、実施例1で測定した方法と同じ方法で測定した。得られた紫外線硬化性樹脂組成物のガラス転移温度は、すべて50~70℃の範囲内の温度であった。塗布性、ライフ性、脱型性、及び密着性の評価用サンプルは実施例1で作製した方法と同様の方法によりそれぞれ作製し、評価した。各実施例、比較例の結果は、表1~表4に示した。
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
レンズ層を構成する樹脂が実施例1~14の紫外線硬化性樹脂組成物の何れかで構成されている場合、塗布性、ライフ性、脱型性、及び密着性はいずれも優れていた。比較例1は、エージング後の密着性がpoorであったため、常温24時間後の密着性、及び処理後密着性の評価をしなかった。また、比較例4は、脱型性がpoorであったため、初期密着性、及び処理後密着性の評価をしなかった。
【0053】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【0054】
(付記)
(付記1)
一の末端官能基にアクリロイル基を有し、他の末端官能基にエポキシ基を有するエポキシアクリレートモノマーと、
アクリロイル基を含むアクリレートモノマーと、
シランカップリング剤と、
開始剤とを含み、
前記エポキシアクリレートモノマーと前記アクリレートモノマーの全重量部数を100重量部としたとき、前記エポキシアクリレートモノマーの含有量が45~85重量部であり、前記アクリレートモノマーの含有量が15~55重量部であり、
前記シランカップリング剤は、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランである、紫外線硬化性樹脂組成物。
【0055】
(付記2)
前記シランカップリング剤の含有量は、前記エポキシアクリレートモノマーと前記アクリレートモノマーの全重量部数を100重量部としたとき、2~10重量部である、付記1に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
【0056】
(付記3)
前記開始剤の含有量は、前記エポキシアクリレートモノマーと前記アクリレートモノマーの全重量部数を100重量部としたとき、1~4重量部である、付記1又は付記2に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
【0057】
(付記4)
前記シランカップリング剤は、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルイソシアヌレート構造を有するオルガノシラン、複数のアクリロイル基とトリアルコキシシリル基を有するオルガノシラン、及びp-スチリルトリメトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種を更に含む、付記1から付記3のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
【0058】
(付記5)
ガラス基板と、
レンズアレイ形状を有し、付記1から付記4のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物から構成されるレンズ層と、を備え、
前記レンズ層は、前記ガラス基板の少なくとも一面に形成されている、レンズシート。
【0059】
(付記6)
前記ガラス基板の厚さは、0.1~2.0mmである、付記5に記載のレンズシート。
【0060】
(付記7)
レンズアレイ形状の反転形状を有する成形型に紫外線硬化性樹脂を塗布する塗布工程と、
前記紫外線硬化性樹脂を塗布した表面にガラス基板を積層する積層工程と、
前記紫外線硬化性樹脂が前記成形型と前記ガラス基板とで形成される空間に行き渡るように、前記ガラス基板と前記紫外線硬化性樹脂と前記成形型とを押圧する押圧工程と、
前記紫外線硬化性樹脂を紫外線硬化させることで硬化した前記紫外線硬化性樹脂を前記ガラス基板に付着させ、前記レンズアレイ形状を有し硬化した前記紫外線硬化性樹脂から構成されるレンズ層を成形する成形工程と、
前記成形型を前記レンズ層から脱型する脱型工程と、
前記ガラス基板と前記ガラス基板に成形されたレンズ層を加熱するエージング工程とを含むレンズシートの製造方法。
【0061】
(付記8)
前記紫外線硬化性樹脂は、付記1から付記4のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物である、付記7に記載のレンズシートの製造方法。
10 レンズシート、11 レンズ層、11a レンズアレイ形状、11b 紫外線硬化性樹脂組成物、12 ガラス基板、20 金型、25 ロール、30 塗布装置、40 紫外線ランプ、50 恒温乾燥機。