(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034648
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】ルアー
(51)【国際特許分類】
A01K 85/16 20060101AFI20240306BHJP
A01K 85/00 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
A01K85/16
A01K85/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139039
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】522348099
【氏名又は名称】BMB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092901
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 祐司
(74)【代理人】
【識別番号】100188260
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 愼二
(72)【発明者】
【氏名】宮永 和彦
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307BA42
2B307BA46
2B307BA70
2B307BB04
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、ルアーによる集魚効果の高い動きを規制することなく、釣り針と釣り糸が絡まることの無いルアーを提供することにある。
【解決手段】
頭部に重心を有し、且つ頭頂部に釣り針連結部17を有する紡錘形状のルアー10であって、
ルアー胴底部に取り付けられた胴腹部釣り針22と、
ルアー尾底部に設けられた尾底平坦部28と、
前記尾底平坦部28の左右端部及び尾端部より離隔して、尾底平坦部28に取り付けられた尾底部釣り針26と、
胴上部に設けられた胴上平坦部30と、
を備えたことを特徴とするルアー10。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部に重心を有し、且つ頭頂部に釣り針連結部を有する紡錘形状のルアーであって、
ルアー胴底部に取り付けられた胴腹部釣り針と、
ルアー尾底部に設けられた尾底平坦部と、
前記尾底平坦部の左右端部及び尾端部より離隔して、尾底平坦部に取り付けられた尾底部釣り針と、
胴上部に設けられた胴上平坦部と、
を備えたことを特徴とするルアー。
【請求項2】
請求項1に記載のルアーにおいて、
前記尾底釣り針は、尾底平坦部に設けられたリング状釣り針連結部を介して尾底平坦部に取り付けられ、
前記リング状釣り針連結部は尾底平坦部側縁及び後縁より、それぞれ連結部高よりも長い距離を有するように設置されていることを特徴とするルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はルアー、特に略紡錘形状のルアー尾底部の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
釣りを行う際、いわゆるルアーと呼ばれる疑似餌を用いることがある。このルアーは釣りの目的となる魚が捕食対象とする小魚、エビなどと類似した形状とすることが多く、スプーンと呼ばれる板状ルアー、小魚に酷似したミノータイプのルアーなど、各種の形態、材質、大きさのものが開発されている。
例えば特許文献1には牽引により集魚効果の高いアクションをするルアーが開示されており、三層構造を有する。
また、特許文献2には弧を描いた紡錘形状のルアーが開示されており、その頭部先端に釣り糸が装着され、胴底部及び尾端部にそれぞれ釣り針が取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6989190号
【特許文献2】特許第5709145号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1,2に記載されたルアーは、いずれも特定の魚種を誘引するという点で優れたものであったが、特にルアーを水中に投入する際、ルアー底部に取り付けられた針と釣り糸が絡まることがあるという問題があった。
本発明は前記従来技術にかんがみなされたものであり、その目的はルアーによる集魚効果の高い動きを規制することなく、釣り針と釣り糸が絡まることの無いルアーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために本発明にかかるルアーは、
頭部に重心を有し、且つ頭頂部に釣り針連結部を有する紡錘形状のルアーであって、
ルアー胴底部に取り付けられた胴腹部釣り針と、
ルアー尾底部に設けられた尾底平坦部と、
前記尾底平坦部の左右端部及び尾端部より離隔して、尾底平坦部に取り付けられた尾底部釣り針と、
胴上部に設けられた胴上平坦部と、
を備えたことを特徴とする。
また、前記ルアーにおいて、
前記尾底釣り針は、尾底平坦部に設けられたリング状釣り針連結部を介して尾底平坦部に取り付けられ、
前記リング状釣り針連結部は尾底平坦部側縁及び後縁より、それぞれ連結部高よりも長い距離を有するように設置されていることが好適である。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかるルアーは、尾底平坦部に尾底部釣り針を設けることとしたので、ルアーを水中に投入した際、尾底部釣り針が背部に回り込むことがなく、釣り針と釣り糸が絡むことが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態にかかるルアーの側面図である。
【
図2】本発明の一実施形態にかかるルアーの底面図である。
【
図3】本発明の一実施形態にかかるルアーの上面図である。
【
図4】ルアーを水中に投入した際の状態を示す説明図である。
【
図5】本発明の尾底平坦部の作用を説明する
図4V-V断面図である。
【
図6】本発明の胴上平坦部の作用を説明する
図1VI-VI断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づき本発明の好適な実施例を説明する。
図1は本発明の一実施例にかかるルアー側面図であり、略紡錘状のルアー本体10は頭部12と、胴部14と、尾部16を有する。
頭部12は、その頂部にリング状の釣り糸連結部17が設置され、釣り糸18と連結される。
また、胴部14の前底部にリング状の釣り針連結部20が設置され、胴腹部釣り針22と連結されている。
また、尾部16の底部にもリング状の釣り針連結部24が設置され、尾底部釣り針26と連結されている。
【0009】
本発明において特徴的なことは、尾底部釣り針が尾底平坦部に取り付けられていることであり、このために本実施形態においては、
図2の底面図に示すように、釣り針連結部24は尾底平坦部28に設置されている。
尾底平坦部28はその幅が連結部24の高さの2倍以上となっており、連結部24から平坦部縁までの長さL1はおおよそ連結部24の高さ以上、連結部24から後縁部までの長さL2も連結部24の高さ以上の距離を有している。
【0010】
また、
図3は本実施形態にかかるルアー10の上面図であり、紡錘状ルアー10の胴部上面にも胴上平坦部30が形成されている。
なお、頭部12には図示を省略した錘が内蔵されており、釣り糸18によりルアー10を水中に吊り下げると、ルアー本体10は略水平に維持される。
【0011】
本発明にかかるルアーは概略以上のように構成され、以下にその作用について説明する。
図4は本実施形態にかかるルアー10が水中に投入された際の状態を示す。
前述のようにルアー10頭部には錘が内蔵されているため、水中に投入され、沈降する際には頭部を下方に向け、釣り針22,26を引きずるような体勢をとる。
すなわち、釣り針22,後部釣り針26を上方に向けるが、ルアー10の揺れにより、
図5に示すように釣り針26が側方に回り込むことがある。この傾向は、特にルアー10の径が細くなる尾部において著しい。
【0012】
従って、一般的なルアーのように、尾部においても断面円形となっていると、釣り針の回り込みにより釣り針26と釣り糸18が絡み合ってしまうことがあり、釣り人を悩ませるものであった。
しかしながら、本実施形態にかかるルアーによれば、尾底平坦部28の縁が尾底部釣り針26の回り込みを抑制し、釣り糸18と釣り針26が絡んでしまうのを抑止することができる。
【0013】
一方、所定の深さまでルアー10が達したのちは、釣り糸18による保持により、ルアー10は略水平状態となる。ここで、釣り糸18を軽く上下に移動させると、胴上平坦部30が抵抗となり、
図6(
図1VI-VI断面図)に示すように水流が左右に分かれる。この際、ルアー10がおおよそ水平状態を維持したまま左右に揺動し、あたかも小魚が泳いでいるかのような挙動をとり、釣りの対象となる魚を誘導することができる。
【符号の説明】
【0014】
10 ルアー
12 頭部
14 胴部
16 尾部
17 釣り糸連結部
18 釣り糸
20,24 釣り針連結部
22,26 釣り針
28 尾底平坦部
20 胴上平坦部