(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034655
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】錠剤を一個ずつ取り出すことのできる錠剤容器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/04 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
B65D83/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139048
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】722009626
【氏名又は名称】川浪 伸一
(72)【発明者】
【氏名】川浪 伸一
(57)【要約】
【課題】 錠剤を一個ずつ取り出し可能な錠剤容器を提供する。
【解決手段】 本発明は、ハンドル(1)を回転させることでその軸と連動するバケット(3)が容器内下部の溝(6)の多くの錠剤が滞留している場所から一個だけをすくい上げて容器上部の排出口(5)まで余分な錠剤を振るい落としながら移送し、バケット開口部と排出口(5)の位置が一致した時のみ、錠剤が詰まることなしに確実に一個ずつ取り出すことができる機能を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸を介してハンドルに接続したバケットが、容器内に滞留する錠剤の中をくぐることでそれを攪拌し、一個を取り上げて余分な錠剤を振り落とすことで確実に一個のみを容器外に排出することのできる錠剤容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬や菓子など錠剤の物体が複数個収納されている容器の中から、一個ずつ取り出すことが可能な容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、錠剤の容器から錠剤を取り出す際、取り出し口が大きい場合は、利用者が微妙な操作で取り出す個数を調整する必要があった。あるいは、意図せず多数の錠剤が取り出された場合は戻す必要があった。また、同時に多数の錠剤が出ないように取り出し口を小さくした場合は、多くの錠剤が同時に押し寄せて取り出し口が詰まる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、瓶や携帯型錠剤ケースなどの容器から錠剤を取り出そうとした時、取り出し口が大きい場合は、意図しない個数の錠剤が出て来て再び容器の中に戻すことになり困ることが多かった。また、取り出し口が小さい場合は、容器内で絡み合った錠剤同士で取り出し口が詰まってしまい出て来ないという欠点もあった。
本発明は、上記の問題に鑑み、ハンドル(1)を180度回転させることでその軸(2)に連動するバケット(3)が、多くの錠剤が滞留している場所から一個だけを確実にすくい上げて排出口(5)に移送するので、排出口(5)が詰まることなしに確実に錠剤を一個ずつ取り出す機能を有する錠剤容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は容器についているハンドル(1)を180度回転させることでその軸(2)に連動するバケット(3)が容器内に滞留している錠剤を攪拌して錠剤どうしの絡み合いを解消する。これは同時に容器の内部外周の溝(6)に沿って錠剤を整列させ、バケット(3)に入りやすくさせる効果もある。
【0006】
バケット(3)は180度対置して容器内部の外周に沿って取り付けられる。また、バケット(3)には容器外壁に接する側にバケット開口部(4)がある。また、錠剤をすくい取るために進行方向も開口している。
図2参照
【0007】
バケット(3)は進行方向が開口しているので、ハンドル(1)の回転に伴ってバケット(3)が容器の内側外周の溝(6)に整列している錠剤をすくい取り確保することができる。また、バケット(3)の容器外壁に接する側にバケット開口部(4)があるために、容器上部の排出口(5)とバケット開口部(4)の位置が一致した時にバケット内部に確保されていた錠剤が排出される。
図2,
図3,
図4,
図6参照
【0008】
同時に複数の錠剤がすくい上げられた場合でもバケット(3)の容積がほぼ錠剤一個分しかないので、排出口(5)付近まで持ち上げられた時点で余分な錠剤は落下し一個のみがバケット内部に残る。
図6参照
【0009】
排出口(5)は常時開放されているが、バケット(3)は排出口(5)を少し通過したところで停止するので不用意に中の錠剤が排出口(5)から出ることがない。
図6参照
【0010】
容器とそれを貫くハンドル(1)の取り付けられた軸(2)との間の隙間をシールすることで湿気の侵入を防ぐ。また、最終的な錠剤の取り出し口(10)と、容器への錠剤投入口(8)にもパッキンを挟むことで容器を完全な密閉状態にすることができる。
本発明は、以上の構成よりなる容器である。
【発明の効果】
【0011】
簡単な操作で錠剤が一個ずつ取り出せるので、利用者が錠剤を取り出す際の微妙な調整や、意図せず多く取り出して再び容器内に戻す際の不衛生な状況を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】容器外殻(7)の一部を断面にした本発明の斜視図である。
【
図2】容器外殻(7)を除いた本発明前面の斜視図である。
【
図3】容器外殻(7)と誘導路(9)等を除いた本発明裏面の斜視図である。
【
図5】容器裏面の誘導路(9)および取り出し口(10)の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、以下図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は本発明の斜視図である。容器外殻(7)の一部を省略して表示している。
ハンドル(1)の中心から延びる軸(2)は錠剤の収納容器の中心を貫いて、バケット(3)が180度をおいて対置する部品に接続される。
図2参照
【0014】
ハンドル(1)の回転に伴い、錠剤収納容器下部に滞留する錠剤の中をバケット(3)がくぐり、その中の錠剤をすくい取り内部に確保する。
図6参照
容器の中で滞留する錠剤の一部は容器内部外周の溝(6)に沿って並んでいるので、バケット(3)は容易に錠剤をすくい取ることが可能である。
バケット(3)が上昇するに従い、バケット内部に確保された一個を除く余分な錠剤は全て落下する。
【0015】
バケット開口部(4)が排出口(5)の位置に重なると、錠剤は外部へ通じる誘導路(9)へ排出される。
図6参照
【0016】
バケット(3)は排出口(5)を少し過ぎたところで停止するので、排出口(5)は通常は塞がれた状態になり、不用意に中の錠剤が排出口(5)から出て来ることはない。
排出された錠剤は、下部の取り出し口(10)へ達する。
図5、
図6参照
【0017】
取り出し口(10)は気密を保つため通常は取り出し口蓋(11)により閉じられている。
容器への錠剤投入口(8)も通常はねじ構造により密閉されている。
図1、
図5参照
【実施例0018】
バケット(3)を回転させるためのハンドル(1)は容器の形状によっては円形のダイヤルに置き換えることもできる。また、容器外殻(7)そのものも回転を与える手段として用いることもできる。回転を手動ではなくモーターや他の動力でおこなうこともできる。
薬の錠剤やタブレット形状のガム、飴などを入れて携帯する容器として利用できる。また、誘導路(9)を延長し裏面の取り出し口(10)を前面に持ってくれば据え置き型の取り出し容器としても利用できる。