(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034669
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】阻集器用ネット保持構造及び阻集器用ネット
(51)【国際特許分類】
E03F 5/16 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
E03F5/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139068
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】522348583
【氏名又は名称】株式会社ミヤビテクノ
(74)【代理人】
【識別番号】100174805
【弁理士】
【氏名又は名称】亀山 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】林 雅則
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063DB02
2D063DB03
2D063DB04
2D063DB05
2D063DB08
(57)【要約】
【課題】着脱交換の作業性の良い阻集器用ネット保持構造及び阻集器用ネットを提供する。
【解決手段】阻集器用ネット保持構造10は、阻集器用ネットN1を着脱自在に保持するものであり、フレームFに対して着脱自在に設置された固定部材20と、固定部材20に取り付けられたヒンジ30と、ヒンジ30と連結する回動部材40と、を備える。固定部材20は、固定板開口21Xが形成された矩形状の固定板21と、固定板21の上面21Tにおいて、固定板開口21Xの縁部から上方へ突設する固定板突起22と、固定板21の下面21Uから下方へ延びる位置決め突起部25と、を備える。回動部材40は、固定部材20の上に配されるものであり、回動板開口41Xが形成された矩形状の回動板41と、回動板41の下面41Uにおいて、回動板開口41Xの縁部から下方へ突設する回動板突起42と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
阻集器用ネットを着脱自在に保持する阻集器用ネット保持構造であって、
第1開口が形成された第1部材と、
第2開口が形成された第2部材と、
前記第1部材及び前記第2部材を開閉自在にするヒンジと、を備え、
前記阻集器用ネットの本体部が前記第1開口に通された状態で、前記阻集器用ネットの開口縁部が前記第1開口の縁部に係合され、
前記第1部材及び前記第2部材が閉状態のとき、前記第1縁部の縁部及び前記第2開口の縁部が近接し、
前記第1部材及び前記第2部材が開状態のとき、前記第1縁部の縁部及び前記第2開口の縁部が離隔することを特徴とする阻集器用ネット保持構造。
【請求項2】
前記第1部材及び前記第2部材が閉状態のとき、前記阻集器用ネットを挟持できる程度に前記第1縁部の縁部及び前記第2開口の縁部が近接し、
前記第1部材及び前記第2部材が開状態のとき、前記阻集器用ネットの挟持が解除できる程度に前記第1縁部の縁部及び前記第2開口の縁部が離隔することを特徴とする請求項1記載の阻集器用ネット保持構造。
【請求項3】
前記第1部材は、
前記第1開口が形成された第1板と、を備え、
前記第1開口の縁部には第1突起が形成され、
前記第1部材及び前記第2部材が閉状態のとき、前記第1突起と前記第2開口の縁部との間隔が前記第1板と前記第2部材との間隔よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の阻集器用ネット保持構造。
【請求項4】
前記第1部材は、
前記第1開口が形成された第1板と、を備え、
前記第1開口の縁部には第1突起が形成され、
前記第2部材は、
前記第2開口が形成された第2板と、を備え、
前記第2開口の縁部には第2突起が形成され、
前記第1部材及び前記第2部材が閉状態のとき、前記第1突起と前記第2開口の縁部との間隔、前記第2突起と前記第1開口の縁部との間隔、及び前記第1突起と前記第2突起との間隔の少なくとも1つが、前記第1板と前記第2板との間隔よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の阻集器用ネット保持構造。
【請求項5】
前記第1板には、前記第1板の端部から前記第1開口まで伸びる第1切欠部が形成されたことを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項記載の阻集器用ネット保持構造。
【請求項6】
前記第1開口を基準にした場合、前記第1切欠部は、前記ヒンジと反対側に位置することを特徴とする請求項5記載の阻集器用ネット保持構造。
【請求項7】
前記阻集器用ネットが係脱可能なガイド部材をさらに備え、
前記ガイド部材は、
前記第2板から起立するように伸びるガイド起立部と、
前記ガイド起立部の先端から折り返されるように伸びるガイド折返部と、を備え、
前記第1部材及び前記第2部材が開状態のとき、前記阻集器用ネットの開口縁部は前記ガイド折返部及び前記第1開口の縁部に係合され、
前記第1部材及び前記第2部材が閉状態のとき、前記阻集器用ネットの開口縁部は前記ガイド折返部から外れる一方、前記第1開口の縁部に係合されることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項記載の阻集器用ネット保持構造。
【請求項8】
前記阻集器用ネットが係脱可能なガイド部材をさらに備え、
前記ガイド部材は、
前記第2板から起立するように伸びるガイド起立部と、
前記ガイド起立部の先端から折り返されるように伸びるガイド折返部と、を備え、
前記第1部材及び前記第2部材が開状態のとき、前記ガイド折返部は、前記第1開口の縁部とは反対側に向かってのび、
前記第1部材及び前記第2部材が閉状態のとき、前記ガイド折返部は、前記第1開口の縁部に向かってのびることを特徴とする請求項3または4記載の阻集器用ネット保持構造。
【請求項9】
阻集器用ネットであって、
ネット本体と、
前記ネット本体の開口縁部に配される係合部材と、を備え、
前記係合部材は、請求項1ないし4のうちいずれか1項記載の阻集器用ネット保持構造の前記第1開口の縁部に係合可能となっていることを特徴とする阻集器用ネット。
【請求項10】
前記ネット本体の収容空間の幅は、前記開口縁部側から底に向かうにしたがって、狭くなることを特徴とする請求項9記載の阻集器用ネット。
【請求項11】
前記ネット本体の開口縁部には袋が形成され、
前記袋の収容空間は、前記開口を囲むようにのび、
前記係合部材は、前記袋の収容空間において前記開口を囲むように配されることを特徴とする請求項9記載の阻集器用ネット。
【請求項12】
阻集器用ネットであって、
ネット本体と、
前記ネット本体の開口縁部に沿って配される係合部材と、を備え、
前記ネット本体の開口縁部には袋が形成され、
前記袋の収容空間は、前記開口を囲むようにのび、
前記係合部材は、前記袋の収容空間において前記開口を囲むように配されることを特徴とする阻集器用ネット。
【請求項13】
阻集器用ネットであって、
ネット本体と、
前記ネット本体の開口縁部に沿って配される係合部材と、を備え、
開口縁部から奥に向かうにしたがって、前記ネット本体の収容空間の幅は、狭くなることを特徴とする阻集器用ネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、阻集器用ネット保持構造及び阻集器用ネットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題が重要視され、あらゆる分野で環境への負担を軽減させるような動向にある。このような動向は、レストラン等の厨房や家庭の台所等からの排水についても実施されており、具体的には、該厨房等からの排水路についてもその途中にグリース阻集器又はグリーストラップ(「グリストラップ」と呼ばれることもある)を設け、このグリース阻集器において、前記食物屑等の塵芥を除去することが求められている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されているグリース阻集器は、本体フレームと、本体フレームに設けられ水平方向に伸びるネット装着筒と、ネット装着筒に設けられた面ファスナと、を備えるものであり、面ファスナ用いて、本体フレームに対し阻集器用ネットを着脱可能に装着するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のグリース阻集器において阻集器用ネットを交換する場合、上記のグリース阻集器においては、阻集器用ネットが脱落しないように面ファスナを外す作業はとても困難である。特に、阻集器用ネットに多量の塵芥が入っている場合、取り外し対象となる阻集器用ネットは、比較的重量物となるため、その作業困難性は増す。このような問題は、グリース阻集器のみならず、オイル阻集器、毛髪阻集器等の公知の阻集器についても共通する。
【0006】
そこで、本発明では、着脱交換の作業性の良い阻集器用ネット保持構造及び阻集器用ネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、阻集器用ネットを着脱自在に保持する阻集器用ネット保持構造であって、第1開口が形成される第1部材と、第2開口が形成された第2部材と、前記第1部材及び前記第2部材を開閉自在にするヒンジと、を備え、前記阻集器用ネットの本体部が前記第1開口に通された状態で、前記阻集器用ネットの開口縁部が前記第1開口の縁部に係合され、前記第1部材及び前記第2部材が閉状態のとき、前記第1縁部の縁部及び前記第2開口の縁部が近接し、前記第1部材及び前記第2部材が開状態のとき、前記第1縁部の縁部及び前記第2開口の縁部が離隔することを特徴とする。
【0008】
本発明は、阻集器用ネットであって、ネット本体と、前記ネット本体の開口縁部に沿って配される係合部材と、を備え、前記ネット本体の開口縁部には袋が形成され、前記袋の収容空間は、前記開口を囲むようにのび、前記係合部材は、前記袋の収容空間において前記開口を囲むように配されることを特徴とする。
【0009】
本発明は、阻集器用ネットであって、ネット本体と、前記ネット本体の開口縁部に沿って配される係合部材と、を備え、開口縁部から奥に向かうにしたがって、前記ネット本体の収容空間の幅は、狭くなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、着脱交換の作業性の良い阻集器用ネット保持構造及び阻集器用ネットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】第1の阻集器用ネット保持構造の概要を示す斜視図である。
【
図4】開状態であって阻集器用ネットが取り付けられた阻集器用ネット保持構造の概要を示す斜視図である。
【
図5】開状態の阻集器用ネット保持構造の概要を示す斜視図である。
【
図6】開状態(破線)及び閉状態(実線)の阻集器用ネット保持構造の概要を示すIV―IV’線断面図である。
【
図7】阻集器用ネット(変形例)の概要を示す正面図である。
【
図8】阻集器用ネット(変形例)の概要を示す正面図である。
【
図9】阻集器用ネット(変形例)の概要を示す正面図である。
【
図10】第2の阻集器用ネット保持構造の概要を示す斜視図である。
【
図11】第2の阻集器用ネット保持構造の概要を示す斜視図である。
【
図12】第2の阻集器用ネット保持構造の概要を示す展開図である。
【
図13】第2の阻集器用ネット保持構造の概要を示す展開図である。
【
図14】第2の阻集器用ネット保持構造の概要を示す展開図である。
【
図15】第2の阻集器用ネット保持構造の概要を示すXV―XV’線斜視図である。
【
図16】第1の阻集器用ネット保持構造(変形例)の概要を示す平面図である。
【
図17】第1の阻集器用ネット保持構造(変形例)の概要を示す説明図であり、(A1)は、開状態のものであり、(A2)は、(A1)の要部拡大図である。(B1)(C1)は、閉状態のものである。(B2)は、(B1)の要部拡大図である。
【
図18】第1の阻集器用ネット保持構造(変形例)の概要を示す説明図であり、(A)~(C)は、開状態のものであり、(D)~(E)は、閉状態のものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示すように、阻集器500は、本体槽510と、本体槽510の蓋(図示しない)と、本体槽510の内部空間を仕切る仕切板520と、を備える。本体槽510の一方側にある一方側壁面510Aからは、排水が流入する流入管530が露出し、本体槽510の他方側にある他方側壁面510Bからは、排水が流出する流出管540が露出する。
【0013】
仕切板520により、本体槽510の内部空間は、流入管530から出た排水から比較的大きな塵芥を取り除く第1槽部510Xと、比重分離により、水よりも重い物質と水を浮く物質に分離する第2槽部510Yと、第1槽部510X及び第2槽部510Yを経た排水を流出管へ誘導する第3槽部510Zと、が一方側壁面510Aから他方側壁面510Bに向かって並ぶ。
【0014】
図1~2に示すように、第1槽部510Xにおいては、本体槽510に設けられ、フレーム開口FXが形成された水平面FHを有するロ字状のフレームFと、阻集器用ネットN1と、阻集器用ネットN1を保持する阻集器用ネット保持構造10と、を備える。
【0015】
図3に示すように、阻集器用ネットN1は、ネット本体部NBと、ネット本体部NBの開口縁部に設けられた弾性部NEと、を備える。
【0016】
ネット本体部NBは、対象とする塵芥をキャッチするとともに、水を通過させることができるものであり、袋状に形成される。ネット本体部NBの目の細かさは、対象とする塵芥を濾すことができる程度であればよい。また、ネット本体部NBは、正面視(
図3)において矩形状に形成され、図中の縦方向(深さ方向)の伸び率よりも幅方向の伸び率が大きいほうが好ましい。ネット本体部NBの形成材料は、プラスチック等公知のものであればよい。
【0017】
弾性部NEは、弾性を有するものであり、ゴム紐等から形成されることが好ましい。弾性部NEは、ネット本体部NBより厚いほうが好ましい。
【0018】
図4~6に示すように、阻集器用ネット保持構造10は、阻集器用ネットN1を着脱自在に保持するものであり、フレームFに対して着脱自在に設置された固定部材20(第1部材)と、固定部材20に取り付けられたヒンジ30と、ヒンジ30と連結する回動部材40(第2部材)と、を備える。
【0019】
図5~6に示すように、固定部材20は、固定板開口21Xが形成された矩形状の固定板21(第1板)と、固定板開口21Xの縁部にある固定板突起22(第1突起)と、固定板21の下面21Uから下方へ延びる位置決め突起部25と、を備える。固定板21と回動板41が近接した閉状態(
図6の実線部)において、固定板突起22は、固定板21の上面21Tにおいて上方へ突設する。
【0020】
固定板開口21Xは矩形状に形成され、固定板21はロ字状に形成される。固定板突起22は、固定板開口21Xの縁部全体にわたり延びるように設けられる。固定板突起22は、ロ字状に形成されることが好ましい。位置決め突起部25は、ロ字状のフレームFの四隅に対し係合する。このため、阻集器用ネット保持構造10は、上下移動により、フレームFの水平面FHに対し着脱自在となる。
【0021】
図6に示すように、回動部材40は、固定部材20の上に配されるものであり、回動板開口41X(
図5)が形成された矩形状の回動板41(第2板)と、回動板開口41Xの縁部にある回動板突起42(第2突起)と、を備える。固定板21と回動板41が近接した閉状態(
図6の実線部)において、回動板突起42は、回動板41の下面41Uにおいて下方へ突設する。
【0022】
図5に示すように、回動板開口41Xは矩形状に形成され、回動板41はロ字状に形成される。回動板突起42は、回動板開口41Xの縁部全体にわたり延びるように設けられる。回動板突起42は、ロ字状に形成されることが好ましい。
【0023】
ヒンジ30は、固定部材20の一方側の長辺部と、回動部材40の一方側の長辺部とを連結する。ヒンジ30により、回動部材40は、固定部材20に対して回動自在となる。ヒンジ30を介した開閉操作により、固定板21と回動板41が近接した閉状態(
図2、
図6の実線部)と、固定板21と回動板41が離隔した開状態(
図4、
図6の破線部)と、の間で切替自在となる。
【0024】
図6に示すように、閉状態では、回動板41の下面41Uが固定板突起22の上端に対して当接する。ロ字状の回動板突起42は、ロ字状の固定板突起22よりも一回り小さい寸法となっていることが好ましい。これにより、閉状態では、回動板突起42は固定板開口21Xに挿入される。さらに、回動板突起42は、閉状態において固定板突起22に沿うように配されることが好ましい。回動板突起42の外壁面と固定板突起22の内壁面との間隔は、阻集器用ネットN1のネット本体部NBの厚みよりも大きく、弾性部NEの厚みよりも小さいほうが好ましい。開状態では、回動板41の下面41Uが固定板突起22から離隔するとともに、回動板突起42は固定板開口21Xから抜け出した状態となる。
【0025】
さらに、阻集器用ネット保持構造10は、
図2,4に示すように、閉状態を維持するためのロック機構60と、取っ手70と、を備えていてもよい。
【0026】
取っ手70は、回動板41の上面41Tにおいて、上方に向けて突設される。取っ手70は、回動板41の両側の短辺部にそれぞれ設けられることが好ましい。
【0027】
図5~6に示すように、ロック機構60は、固定板21に設けられる起立板部61と、回動板41に設けられ起立板部61が挿入可能な挿入穴66と、を備える。起立板部61は固定板21の他方側の長辺部に設けられることが好ましい。挿入穴66は、回動板41の他方側の長辺部に設けられることが好ましい。挿入穴66は、取っ手70の近傍に設けられることが好ましい。起立板部61は、固定板21の上面21Tよりも上方へ突出する基部61Aと、基部61Aの先端側にあり折れ曲がった状態の中途部分61Bと、下方に向かって伸びる先端部61Cと、を備える。中途部分61Bは弾性を備えることが好ましい。中途部分61Bの弾性変形により、基部61Aと先端部61Cの間隔が変更するため、基部61A及び先端部61Cの挿入穴66への通過が許容されるロック解除状態と、基部61A及び先端部61Cの挿入穴66への通過が規制されるロック状態と、の間で切り替え可能となる。固定板21と回動板41が近接した閉状態(
図6)のとき、中途部分61Bと先端部61Cは、回動板41よりも上方に位置することが好ましい。
【0028】
次に、阻集器用ネット保持構造10の使い方について説明する。
【0029】
まず、ヒンジ30を介した操作により、固定板21と回動板41が離隔した開状態(
図5)にする。次に、阻集器用ネットN1のネット本体部NBを固定板開口21Xに通すとともに、弾性部NE全体を外側へ折り返す。そして、折り返された弾性部NEを拡げて、固定板突起22に掛けると、自身の復元力により弾性部NEが縮むため、弾性部NEは、固定板突起22に引っかかった状態となる(
図4)。
【0030】
ヒンジ30を介した操作により、固定板21と回動板41が近接した閉状態(
図6)になると、回動板41の下面41Uが、ネット本体部NBを介して、固定板突起22に対して当接し、回動板突起42は、固定板突起22に近接する。このとき、弾性部NEは、ネット本体部NBより厚いため、回動板41の下面41U及び固定板突起22と、回動板突起42及び固定板突起22とが阻集器用ネットN1の抜け止め機構として機能する。これによって、阻集器用ネット保持構造10に阻集器用ネットN1を取り付けることができる。そして、ロック状態とすることで、阻集器用ネット保持構造10に阻集器用ネットN1をより確実に取り付けることができる。
【0031】
その後、フレーム開口FXが形成されたロ字状のフレームFに対し、固定部材20を載置する。位置決め突起部25により、フレーム開口FXと固定板開口21Xが正対する。こうして、ロ字状のフレームFに、阻集器用ネットN1を配置することができる。
【0032】
阻集器用ネットN1の交換時には、ロック状態のまま、両手で取っ手70を持ち上げると、阻集器用ネット保持構造10がフレームFから外れる。取っ手70を把持したまま阻集器用ネット保持構造10をごみ箱まで運ぶ。その後、阻集器用ネットN1がごみ箱の上に位置した状態で、両手で取っ手70を把持したままロック機構60をロック状態からロック解除状態へ切り替えると、固定板21や阻集器用ネットN1に収容された塵芥の重さにより、固定板21と回動板41が離隔した開状態となる。さらに、阻集器用ネットN1に収容された塵芥の重さにより、弾性部NEの固定板突起22への係合が解け、塵芥を収容した阻集器用ネットN1がごみ箱に捨てることができる。
【0033】
このように、ヒンジ30によって開閉可能な固定部材20及び回動部材40を用いて阻集器用ネットN1を挟持するため、開状態から閉状態への切替操作によって、阻集器用ネットN1の装着が可能となる。また、固定部材20と回動部材40とにそれぞれ設けられた突起が抜け止め機構となって、阻集器用ネットN1の保持がより確実なものとなる。阻集器用ネットN1を取り付ける部分は、固定板21の上面から突設した固定板突起22であるため、視認性が高い。結果、阻集器用ネットN1の装着の取り付けの作業効率が向上するとともに、阻集器用ネットN1の装着状態の確認もしやすい。閉状態から開状態への切替操作によって、阻集器用ネットN1の脱落が可能となる。さらに、取っ手70があるので、阻集器用ネットN1やそこに収容された塵芥に触れずに捨てることが可能なため、衛生的である。
【0034】
上記実施形態の阻集器用ネットN1では、ネット本体部NBの開口サイズが、弾性部NEから底部NFまで一定のものを用いた(
図3)が、本発明はこれに限られない。例えば、弾性部NEから底部NFに行くにしたがって小さくなる阻集器用ネットN11でもよい(
図7)。また、正面視矩形状のネット本体部NBにおいて、角部分NRを塞ぐような縫い目SLが設けられた阻集器用ネットN12でもよい(
図8)。縫い目SLは、正面視矩形状のネット本体部NBにおいて、ネット本体NBの底辺NFの任意の点Aと、ネット本体NBの端辺NSの任意の点Bと、を結ぶようにしてもよい。また、縫い目SLの代わりに設けられた折り返し線TLにて角部NRを折り返し、折り返し部分がネット本体部NBに結合された阻集器用ネットN13でもよい(
図9)。
【0035】
上記実施形態では、ネット本体部NBは、回動板41の下面41U及び固定板突起22と、回動板突起42及び固定板突起22とにより挟持するとしたが(
図6)、本発明はこれに限られず、回動板41の下面41U及び固定板突起22と、回動板突起42及び固定板突起22とのいずれか一方の挟持でもよい。すなわち、閉状態において、固定板突起22と回動板開口41Xの縁部との間隔、回動板突起42と固定板開口21Xの縁部との間隔、固定板突起22と回動板突起42との間隔の少なくとも1つが、固定板21と回動板41板との間隔よりも小さければよい。これにより、閉状態においてネット本体部NBを挟持できる。
【0036】
上記実施形態において、固定板突起22は、固定板開口21Xの縁部の4辺において連結しロ字状に設けられるとしたが、本発明はこれに限られず、固定板開口21Xの縁部の4辺がそれぞれ離れていてもよい。同様に、回動板突起42は、回動板開口41Xの縁部の4辺において連結しロ字状に設けられるとしたが、本発明はこれに限られず、回動板開口41Xの縁部の4辺がそれぞれ離れていてもよい。また、固定板突起22や回動板突起42は、固定板開口21Xの縁部において、所定のピッチで並んでいてもよい。
【0037】
上記実施形態では、ロ字状の回動板突起42は、ロ字状の固定板突起22よりも一回り小さい寸法となっていることが好ましいとしたが、本発明はこれに限られず、ロ字状の回動板突起42は、ロ字状の固定板突起22よりも一回り大きい寸法となっていてもよい。この場合には、閉状態では、固定板開口21Xは回動板突起42に挿入され、回動板突起42が固定板突起22を沿うように配してもよい。
【0038】
上記実施形態では、フレームFの水平面FHに対し着脱自在な阻集器用ネット保持構造10について説明したが、本発明はこれに限られず、フレームFの垂直面FVに対し着脱自在な阻集器用ネット保持構造110についてでもよい。
【0039】
なお、阻集器用ネット保持構造10において、回動板41に、ガイド部材80が設けられていることが好ましい(
図16)。
【0040】
ガイド部材80は、
図17に示すように、阻集器用ネットN1が係脱可能なものであり、回動板41の下面41Uに設けられる取付部81と、下面41Uに対して起立するように取付部81から延びるガイド起立部82と、ガイド起立部82の先端から折り返されるように伸びるガイド折返部83と、を備える(
図17(A1)、17(A2))。図示するように、ガイド部材80におけるガイド起立部82及びガイド折返部83は、側面視においてカタカナの「レ」字状に形成される。
【0041】
ガイド折返部83は、回動板41の回動軸線30X周りの回動に伴って、回動軸線30X周りを回動するようになっている。ガイド折返部83は、回動板突起42に対して回動軸線30Xよりも近接していてもよいし、回動板突起42に対して回動軸線30Xよりも遠ざかっていてもよい。なお、
図16においては、ガイド部材80は回動板41の長手方向に2個設けられているが、所定の間隔で3つ以上設けられていてもよいし、1つだけ設けられていてもよい。
【0042】
固定板21と回動板41とが離隔した開状態(
図17(A1)、17(A2))において、ガイド折返部83の先端は、固定板突起22とは反対側に向いていることが好ましい。これにより、阻集器用ネットN1をガイド部材80及び固定板突起22に掛けると、自身の復元力により弾性部NEが縮むため、弾性部NEは、ガイド部材80及び固定板突起22に引っかかった状態となる。
【0043】
また、固定板21と回動板41が近接した閉状態(
図17(B1)、17(B2)、17(C))のとき、ガイド折返部83の先端は、固定板突起22に向いていることが好ましい。これにより、弾性部NEは、ガイド部材80から外れる一方、固定板21と回動板41が近接しているため、固定板突起22への係合は維持される。
【0044】
次に、阻集器用ネット保持構造10の使い方について説明する。
【0045】
なお、
図18において、阻集器用ネット保持構造10の各状態の側面図を示すが、図が煩雑になるためヒンジ30は省略する。
【0046】
まず、固定板21と回動板41が180度開いた開状態(
図18(A))にする。このとき、ガイド折返部83の先端方向D83及び固定板突起22が伸びる方向(以下、先端方向D22と称する)とは、先端に向う従って次第に離れる関係となっている。このため、阻集器用ネットN1をガイド部材80及び固定板突起22に掛けると、自身の復元力により弾性部NEが縮む。結果、弾性部NEは、ガイド折返部83及び固定板突起22に引っかかった状態となる。
【0047】
次に、ヒンジ30の操作により、固定板21と回動板41を接近させて、固定板21と回動板41が90度開いた開状態(
図18(B))にする。このとき、先端方向D83及び先端方向D22とは、先端に向う従って次第に離れる関係となっている。このため、弾性部NEは、ガイド折返部83及び固定板突起22に引っかかった状態が維持される。
【0048】
その後、ヒンジ30の操作により、固定板21と回動板41を接近させて、固定板21と回動板41が鋭角に開いた開状態(
図18(C))にする。このとき、先端方向D83及び先端方向D22とは、先端に向う従って次第に離れる関係となっている。このため、弾性部NEは、ガイド折返部83及び固定板突起22に引っかかった状態が維持される(
図17(A1)~17(A2))。
【0049】
さらにその後、ヒンジ30の操作により、固定板21と回動板41を接近させて、固定板21と回動板41が鋭角に開いた閉状態(
図18(D)~18(E))にする。このとき、このとき、先端方向D83及び先端方向D22とは、先端に向う従って次第に近づく関係となっている。このため、弾性部NEは、ガイド折返部83から外れやすくなる(
図17(B1)、17(B2))。しかしながら、弾性部NEは、ガイド折返部83から外れた場合であっても、固定板21と回動板41が近接しているため、弾性部NEとの固定板突起22との係合は維持される(
図17(C))。
【0050】
このように、ガイド部材80によれば、開状態の阻集器用ネット保持構造10において、固定板21と回動板41が離隔した閉状態よりも、固定板21と回動板41が近接した開状態のほうが、ガイド折返部83が弾性部NEに対して係合しやすい。このため、開状態の阻集器用ネット保持構造10において、ガイド部材80及び固定板突起22に阻集器用ネットN1に取り付けた後に、阻集器用ネット保持構造10を閉状態にすることにより、阻集器用ネット保持構造10を固定板突起22に装着させることができる。
【0051】
なお、固定板21と回動板41とが離隔した開状態(
図18(A)~18(C))において、ガイド折返部83の先端部は、固定板突起22の上端と同じ高さ、または固定板突起22の上端よりも高い位置にあることが好ましい。これにより、弾性部NEは、ガイド折返部83に係合しやすくなる。
【0052】
また、固定板21と回動板41とが近接した閉状態(
図18(D)~18(E))において、ガイド折返部83の先端部は、固定板突起22の上端と同じ高さ、または固定板突起22の上端よりも低い位置にあることが好ましい。これにより、弾性部NEは、ガイド折返部83から外れやすくなる。
【0053】
なお、固定板21と回動板41が近接した閉状態(
図18(D)~18(E))において、ガイド部材80が固定板21に物理的に干渉する場合、ガイド部材80を逃げるような切り欠き21Kを固定板21に形成してもよい。
【0054】
以下、上記実施形態の変形例を説明するが、上記実施形態と異なる部分の説明にとどめ、上記実施形態と同一の部品には同一の名称及び符号を付しその説明を省略する。
【0055】
図10~12に示すように、阻集器用ネット保持構造110は、阻集器用ネットN2を着脱自在に保持するものであり、フレームFに対して着脱自在に設置された固定部材120(第2部材)と、固定部材120に取り付けられたヒンジ130と、ヒンジ130と連結する回動部材140(第1部材)と、を備える。
【0056】
阻集器用ネットN2は、ネット本体部NBと、ネット本体部NBの開口縁部に設けられた係止板NGと、を備える。
【0057】
ネット本体部NBは袋状に形成され、そのうち開口縁部よりも底側においては、開口縁部から底部に向かって、第1袋部NB1と、第2袋部NB2と、第3袋部NB3とがこの順に設けられる。阻集器用ネットN2が回動部材140にセットされた際、第1袋部NB1の下端は、回動板141よりも下方側まで伸びていることが好ましい。また、第3袋部NB3は、第2袋部NB2よりも網目が細かいことが好ましい。これにより、第3袋部NBにて塵芥を収容しつつ、第2袋部NB2で水分を逃がすことができる。また、第1袋部NB1も第2袋部NB2よりも網目が細かいことが好ましい。開口縁部から導入された排水を確実に第2袋部NB2へ誘導することができる。
【0058】
係止板NGは、矩形状に形成されるものであり、矩形状の係止板開口NGXが形成される。このため、係止板NGは、ロ字状に形成される。固定板121及び回動板141が閉状態のとき(
図13)、固定板突起122やC字状の回動板突起142が係止板開口NGXに挿入可能となっている(
図15)。さらに、固定板121及び回動板141が閉状態のとき(
図10)、固定板突起122やC字状の回動板突起142が係止板開口NGXの縁部に対して係合可能となっていればよい(
図15)。
【0059】
係止板NGは、ネット本体部NBの開口縁部に設けられた縁袋部に挿入される。縁袋部は、環状に設けられる袋である。例えば、ネット本体部NBの開口縁部を折り返し、開口端部とネット本体部NBとを固着することによって、縁袋部を形成してもよい。なお、係止板NGは、ネット本体部NBの開口縁部に直接固着していてもよい。
【0060】
固定部材120は、固定板開口121Xが形成された矩形状の固定板121(第2板)と、固定板121の表面121Hにおいて、固定板開口121Xの縁部から表側へ突設する固定板突起122(第2突起)と、固定板121の裏面121Tから裏側へ延びる位置決め突起部125と、を備える。
【0061】
固定板開口121Xは矩形状に形成され、固定板121はロ字状に形成される。固定板突起122は、固定板開口121Xの縁部のうち上辺部全体にわたり延びるように設けられる。固定板突起122は、直線状に形成されることが好ましい。
【0062】
ヒンジ130は、固定部材120の下方側の長辺部と、回動部材140の下方側の長辺部とを連結する。
【0063】
回動部材140は、固定部材120の表側に配されるものであり、回動板開口141Xが形成された矩形状の回動板141(第1板)と、回動板141の裏面141Uにおいて、回動板開口141Xの縁部から裏側へ突設する回動板突起142(第1突起)と、を備える。
【0064】
回動板開口41Xは矩形状に形成される。回動板141には、回動板141の端部から回動板開口141Xまで伸びる切欠部141XCが形成される。切欠部141XCの位置は、回動板開口141Xを基準にした場合、ヒンジ130が連結される長辺部と反対側の長辺部に位置することが好ましい。このため、回動板141はC字状に形成される。回動板突起142は、回動板開口141Xの縁部全体にわたり延びるように設けられる。回動板突起142は、C字状に形成されることが好ましい。
【0065】
ヒンジ130により、回動部材140は、固定部材120に対して回動自在となる。ヒンジ130を介した開閉操作により、固定板121と回動板141が近接した閉状態(
図13)と、固定板121と回動板141が離隔した開状態(
図14)と、の間で切替自在となる。
【0066】
閉状態では、回動板141の裏面141Uが固定板突起122の先端に対して当接する(
図15(A))。直線状の固定板突起122は、C字状の回動板突起142の内側に位置する。これにより、閉状態では、回動板突起142は固定板突起122を沿うように配される。回動板突起142と固定板突起122との間隔は、阻集器用ネットN2のネット本体部NBの厚みよりも厚く、係止板NGの厚みよりも薄いほうが好ましい。開状態では、回動板141の裏面141Uが固定板突起122から離隔した状態となる。なお、
図15(A)に示すように、閉状態では、回動板突起142の先端は、固定板121の裏面121Tよりも凹むように位置しているが、本発明はこれに限られず、裏面121Tと面一となっていてもよいし、裏面121Tより突出していてもよい。
【0067】
さらに、阻集器用ネット保持構造110は、閉状態を維持するためのロック機構160を備えていてもよい。
【0068】
ロック機構160は、位置決め突起部125に設けられるヒンジ161と、ヒンジ161に連結する連結板162と、連結板162から延設される係合板163と、を備える。
【0069】
連結板162は、ヒンジ161と連結する一端部と、係合板163と連結する他端部と、を備える。これにより、連結板162及び係合板163は、ヒンジ161によって回動自在となる。そして、係合板162は、閉状態となった回動板141に対し係合可能な係合状態(
図10)と、係合状態から退避した係合退避状態(
図13)と、の間で切り替え自在となる。
【0070】
次に、阻集器用ネット保持構造110の使い方について説明する。
【0071】
まず、 ヒンジ130を介した操作により、固定板121と回動板141が離隔した開状態(
図11)にする。次に、阻集器用ネットN2のネット本体部NBが回動板開口141Xを挿通した状態をつくるとともに、係止板開口NGXにC字状の回動板突起42が挿入するように係止板NGを回動板141の裏面141Uに配する。これにより、C字状の回動板突起142に対して係止板開口NGXの縁部が係合する(
図14)。
【0072】
ヒンジ130を介した操作により、固定板121と回動板141が近接した閉状態(
図13)になると、回動板141の下面141Uが、阻集器用ネットN2を介して、固定板突起122に対して当接し、回動板突起142は、固定板突起122に近接する(
図15)。このとき、C字状の回動板突起142と直線状の固定板突起122とは、一体となってロ字状の突起構造を形成する。
【0073】
そして、回動板突起142と直線状の固定板突起122とが係止板NGを挟むとともに、ロ字状の突起構造が係止板開口NGXに挿入されるため、ロ字状の係止板NGの脱落が防止される。これによって、阻集器用ネット保持構造10に阻集器用ネットN2を取り付けることができる。そして、ロック機構160を係合状態(
図10)とすることで、阻集器用ネット保持構造10に阻集器用ネットN2をより確実に取り付けることができる。
【0074】
その後、フレーム開口FXが形成されたロ字状のフレームFに対し、固定部材120を載置する。位置決め突起部125により、フレーム開口FXと固定板開口121Xが正対する。こうして、ロ字状のフレームFに、阻集器用ネットN2を配置することができる。
【0075】
阻集器用ネットN2の交換時には、ロック機構160を係合退避状態(
図13)とすることにより、固定板121と回動板141が近接した閉状態(
図13)から、固定板121と回動板141が離隔した開状態(
図14)へ切り替えることができる。開状態では、係止板NGを持ち上げることにより、回動板141から阻集器用ネットN2を外すことができる(
図11)。その後は、切欠部141XCからネット本体部NBを通過させればよい。このように、回動板141はC字状となっているため、ネット本体部NBの全体が回動板開口141Xから脱出するまで阻集器用ネットN1を持ち上げずに、阻集器用ネットN1を外すことができる。
【0076】
なお、係止板NGの剛性は、乾いている状態に比べて、湿った状態のほうが低いことが好ましい。これにより、固定板121と回動板141が離隔した開状態(
図14)において、未使用時には、C字状の回動板突起142に対して係止板開口NGXの縁部が係合する。一方、使用時には、係止板NGが液体(水や油等)を吸っているため、係止板NGの剛性が下がる。結果、固定板121と回動板141が離隔した開状態(
図14)では、自重及び収容物の重さによって、回動板141から係止板NGが脱落する。すなわち、使用後の阻集器用ネットに触れずに、阻集器用ネットの取り外しが可能となる。係止板NGの材料は、液体(水や油等)が浸み込む材料であることが好ましく、紙等が用いられる。
【0077】
上記実施形態では、閉状態において、直線状の固定板突起122は、C字状の回動板突起142の内側に位置するとしたが、本発明はこれに限られず、直線状の固定板突起122は、C字状の回動板突起142の外側に位置してもよい。
【0078】
なお、回動板141の下面41Uが、阻集器用ネットN2を介して、固定板突起122に対して当接するとき、回動板突起142は、固定板開口121Xの縁部と近接することが好ましい。これにより、回動板突起142と固定板開口121Xの縁部とが、ロ字状の係止板NGの脱落を防止することができる。
【0079】
なお、固定板突起122は固定板開口121Xの縁部のうち上辺部全体ではなく、上辺部において所定のピッチで並んでいてもよい。また、固定板突起122が設けられる部位は、固定板開口121Xの縁部の上辺部のみではなく、4辺のうちいずれか1つでもよいし、2つ以上であってもよい。同様に、回動板突起142は回動板開口141Xの縁部のうち、いずれか1つの辺に設けられていても良いし、2つ以上の辺に設けられていてもよい。また、回動板突起142は縁部のうち上辺部全体ではなく、上辺部において所定のピッチで並んでいてもよい。
【0080】
上記実施形態では、切欠部141XCの位置は、回動板開口141Xを基準にした場合、ヒンジ130が設けられる長辺部と反対側の長辺部に位置するとしたが、本発明はこれに限られず、回動部材140の短辺部に位置してもよい。
【0081】
また、固定部材や回動部材は矩形状としたが、本発明はこれに限られず、正方形やその他の多角形であってもよい。
【0082】
ヒンジ161が位置決め突起部125に設けられている場合、位置決め突起部125は持ち手としても機能する。固定板121と回動板141が近接した閉状態(
図13)であって、ロック機構160が係合状態(
図10)の場合、位置決め突起部125を保持することにより、閉状態(
図10)のまま持ち運ぶことができる。なお、ヒンジ161は、位置決め突起部125ではなく、固定板121に設けられていてもよい。
【0083】
上記実施形態では、フレーム開口FXが形成されたロ字状のフレームFに対する位置決めのために位置決め突起部125を設けたが、本発明はこれに限られない。例えば、フレーム開口FXが形成されたロ字状のフレームFに対し、別途のアタッチメントを介して取り付ける場合には、位置決め突起部125を省略してもよい。
【0084】
上記実施形態では、レストラン等の厨房や家庭の台所等からの排水に対して用いられるグリース阻集器について説明したが、本発明はこれに限られず、公知の阻集器についても共通する。ここで、阻集器とは、配管詰まりなどを防止するために、廃液中から回収対象物質(危険物、有害物や再生可能な物質等)を分離して回収するものである。グリース阻集器以外の阻集器の例として、オイル阻集器や毛髪阻集器等がある。オイル阻集器は、排水から回収対象物質(ガソリンや土埃等)を回収するものであり、毛髪阻集器は、排水から回収対象物質(化粧品の油脂や毛髪等)を回収するものである。そして、阻集器用ネットは、上記の阻集器に対して着脱自在に用いられるネットである。
【0085】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0086】
10 阻集器用ネット保持構造
20 固定部材
21 固定板
22 固定板突起
30 ヒンジ
40 回動部材
41 回動板
42 回動板突起
110 阻集器用ネット保持構造
120 固定部材
121 固定板
122 固定板突起
130 ヒンジ
140 回動部材
141 回動板
142 回動板突起