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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024034679
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】野生動物撃退装置
(51)【国際特許分類】
   A01M 29/30 20110101AFI20240306BHJP
   A01M 29/00 20110101ALI20240306BHJP
   A01M 29/10 20110101ALI20240306BHJP
   A01M 29/16 20110101ALI20240306BHJP
   A01M 29/06 20110101ALI20240306BHJP
【FI】
A01M29/30
A01M29/00
A01M29/10
A01M29/16
A01M29/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139086
(22)【出願日】2022-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】521261304
【氏名又は名称】株式会社ウルフ・カムイ
(74)【代理人】
【識別番号】100081271
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 芳春
(72)【発明者】
【氏名】太田 裕治
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 修志
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 元博
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA02
2B121AA07
2B121DA31
2B121DA33
2B121DA58
2B121DA60
2B121EA21
2B121FA04
2B121FA13
2B121FA14
(57)【要約】
【課題】農耕地、牧場、特に水が潤沢にある水田、野菜畑、海上養殖場等に出没する哺乳類および鳥類を代表とする野生動物を効率よく退避させ、かつ持続性のある野生動物撃退装置を提供する。
【解決手段】野生動物撃退装置は、哺乳類および鳥類を代表とする野生動物を威嚇し撃退する野生動物撃退装置であって、少なくとも1つの水噴出口を有し、水を連続的又は間歇的に噴出するように構成されている水噴出手段と、哺乳類および鳥類を代表とする野生動物の接近を検知する少なくとも1つの検知手段と、水噴出手段の動作を制御する制御手段とを備えており、制御手段は、検知手段によって哺乳類および鳥類を代表とする野生動物の接近を検知した場合に水噴出手段を、哺乳類および鳥類を代表とする野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて哺乳類および鳥類を代表とする野生動物を撃退させるように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類および鳥類を代表とする野生動物を威嚇し撃退する野生動物撃退装置であって、
少なくとも1つの水噴出口を有し、水を連続的又は間歇的に噴出するように構成されている水噴出手段と、
前記哺乳類および鳥類を代表とする野生動物の接近を検知する少なくとも1つの検知手段と、
前記水噴出手段の動作を制御する制御手段とを備えており、
前記制御手段は、前記検知手段によって前記哺乳類および鳥類を代表とする野生動物の接近を検知した場合に前記水噴出手段を、哺乳類および鳥類を代表とする野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて前記哺乳類および鳥類を代表とする野生動物を撃退させるように構成されていることを特徴とする野生動物撃退装置。
【請求項2】
少なくとも1つの空気噴出口を有し、圧縮空気を連続的又は間歇的に噴出するように構成されている空気噴出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記検知手段によって前記哺乳類および鳥類を代表とする野生動物の接近を検知した場合に前記空気噴出手段を、哺乳類および鳥類を代表とする野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて前記哺乳類および鳥類を代表とする野生動物を撃退させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の野生動物撃退装置。
【請求項3】
哺乳類および鳥類を代表とする野生動物が視認可能な波長の光を発生する発光手段と、
前記哺乳類および鳥類を代表とする野生動物を威嚇する威嚇音を野生動物が可聴な周波数で発生する音響発生手段とをさらに備え、
前記制御手段は、前記検知手段によって前記哺乳類および鳥類を代表とする野生動物の接近を検知した場合に前記発光手段及び前記音響発生手段を、前記哺乳類および鳥類を代表とする野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて前記哺乳類および鳥類を代表とする野生動物を撃退させるように構成されていることを特徴とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の野生動物撃退装置。
【請求項4】
前記野生動物を威嚇する動物の映像を動画もしくは静止画で表示するディスプレイ手段もしくは映像投影手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記ディスプレイ手段もしくは映像投影手段を、野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて前記野生動物を撃退させるように構成されている請求項1又は2に記載の野生動物撃退装置。
【請求項5】
前記野生動物撃退装置が載置されて移動する移動手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の野生動物撃退装置。
【請求項6】
前記野生動物撃退装置が載置されて移動する移動手段をさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載の野生動物撃退装置。
【請求項7】
前記野生動物撃退装置が載置されて移動する移動手段をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載の野生動物撃退装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農耕地、牧場、特に水田、野菜畑、海上養殖場等に出没する哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を威嚇し撃退するための野生動物撃退装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、野生動物保護や人間の住環境拡大、農村の過疎化、耕作放棄、猟師の減少などが要因となって、野生動物(シカ、イノシシ、クマ等)の出没地域が拡大しており、農作物等への被害が深刻なものとなっている。
【0003】
これまで、野生鳥獣から農作物を守るために、電気柵の設置(例えば、特許文献1)、超音波、爆音等の音響による野生動物の退避(例えば、特許文献2)、天敵のライオンやオオカミの糞尿の臭い系の退避剤の散布、及び狩猟及び捕獲による害獣の確保や駆除等さまざまな対策が実施されている。
【0004】
また、オオカミの風貌に似せた形状、威嚇音及び光で野生動物を威嚇する野生動物撃退装置が報道されている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-98708号公報
【特許文献2】特開2000-316460号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「モンスターウルフ」は効果があるか? クマ、シカ、サルを撃退の映像 - 読んで見フォト - 産経フォト、[online]、2017年11月27日、[2022年3月29日検索]、インターネット<URL:https://www.sankei.com/photo/story/news/171127/sty1711270007-n1.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の電気柵の場合は、設置やメンテナンスが作業として煩雑であり、電気がショートするため下草を短く管理する必要があり、設置及び撤去作業に労力がかかること、正確な張り方などを徹底することが、農家の高齢化も相まって、事実上困難になってきている。また、感電事故など安全性にリスクもあるという問題点もあった。さらに、逆に電気柵を突破し田畑に侵入した動物は、簡単に電気柵の外に出られないため、田畑をかえって荒らすという問題点もあった。
【0008】
また、特許文献2に記載の爆音等の音響による野生動物を退避させる方法は、一時的な撃退効果はあるが、野生動物の学習機能によって危険との関連付を継続的に植え付けることができないので、効果が持続しないという問題点があった。
【0009】
非特許文献1に記載の野生動物撃退装置は、野生動物が恐れる動物の形状に似せて作った姿像(フィギュア)を搭載しているため、野生動物に対して撃退効果を有している。野生動物が接近すると装置は稼働し、一定時間ごとにも稼働し、多種類の大音響での威嚇音もランダムに再生され、光る二つの眼を有した首が揺動するため、生きているかのように野生動物を威嚇するものである。本野生動物撃退装置は、一定の効果を上げており市場でもその優位性を保っている。しかしながら、その効果は、周囲環境に依存しているものと類推されている。周囲にも野生動物が好む餌場があったり、他の縄張りも有していたりした場合は、その装置の設置場所には特別に固執しないことになり、野生動物撃退装置の周囲には野生動物は近づかないことになる。しかし、周囲に適切な餌場が無い、野生動物の密集地帯、野生動物の大好物の食材である場合などでは、その場所に固執する野生動物も現れる可能性が高く、事実そのような傾向も見受けられた。
【0010】
さらに、従来の野生動物を退避させる方法は、地面上の野生動物に対象とするものが多く、空中のカラスなどの鳥に対して退避効果を上げている方法が殆どないという問題点があった。
【0011】
さらにまた、水田におけるイノシシ荒らされ被害、レンコン畑におけるカモなどの鳥類による食害、及び海上養殖場(例えば、海苔養殖漁場)におけるカモなどの鳥類食害等の被害に対して有効な対策がないのが現状である。
【0012】
従って、本発明は従来技術の上述した問題点を解消するものであり、その目的は、特に水が潤沢にある水田、レンコン畑、海上養殖場等に出没する哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を接触刺激によって効率よく退避させ、かつ持続性のある野生動物撃退装置を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、広範囲に威嚇、撃退効果を発揮できる野生動物撃退装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、野生動物撃退装置は、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を威嚇し撃退する野生動物撃退装置であって、少なくとも1つの水噴出口を有し、水を連続的又は間歇的に噴出するように構成されている水噴出手段と、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物の接近を検知する少なくとも1つの検知手段と、水噴出手段の動作を制御する制御手段とを備えており、制御手段は、検知手段によって哺乳類や鳥類を代表とする野生動物の接近を検知した場合に水噴出手段を、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を撃退させるように構成されている。
【0015】
水噴出手段は、少なくとも1つの水噴出口を有し、水を連続的又は間歇的に噴出するように構成されて、制御手段は、検知手段によって哺乳類や鳥類を代表とする野生動物の接近を検知した場合に水噴出手段を、野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を撃退させるように構成されていることにより、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を効率よく威嚇し退避させると共に、広範囲に威嚇、撃退効果を発揮することができる。特に水が潤沢にある水田、レンコン畑、海上養殖場等に出没する哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を効率よく退避させることができる。また、持続性を得られる。
【0016】
また、少なくとも1つの空気噴出口を有し、圧縮空気を連続的又は間歇的に噴出するように構成されている空気噴出手段をさらに備え、制御手段は、検知手段によって哺乳類や鳥類を代表とする野生動物の接近を検知した場合に空気噴出手段を、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を撃退させるように構成されていることが好ましい。これにより、空気噴出によるエアーブロー刺激を、威嚇音、光点滅、オオカミ風貌と同時体験することで、攻撃してきたと認識し、より威嚇効果が増大する。哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を効率よく威嚇し退避させると共に、広範囲に威嚇、撃退効果を発揮することができる。また、多方向に空気を噴射することができ、かつ空気砲のような空気の流れを発生することができる。そのため、地上の動物に対して威嚇、撃退効果を発揮できると共に、空中及び水面上などの鳥類に対しても効果的である。
【0017】
哺乳類や鳥類を代表とする野生動物が視認可能な波長の点滅光を発生する発光手段と、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を威嚇する威嚇音を野生動物が可聴な周波数で発生する音響発生手段とをさらに備え、制御手段は、検知手段によって哺乳類や鳥類を代表とする野生動物の接近を検知した場合に発光手段及び音響発生手段を、野生動物及び鳥類接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を撃退させるように構成されていることが好ましい。これにより、水の噴出及び空気の噴射に加えて、光、音で視覚、聴覚の刺激を追加することで哺乳類や鳥類を代表とする野生動物に対して威嚇、撃退効果を発揮できる。
【0018】
また、野生動物を威嚇する動物の映像を動画で表示するディスプレイ手段もしくは映像投影手段をさらに備え、制御手段は、ディスプレイ手段もしくは映像投影手段を、野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて野生動物を撃退させるように構成されていることが好ましい。これにより、ディスプレイ手段もしくは映像投影手段が野生動物を威嚇する動物(例えば頂点捕食者)を映像で、しかも静止画ではなく動画で表示したり、静止画のスライドショーで表示したりするように構成されているので、威嚇動物の像に、容易に動きを与えることができる。また、威嚇動物の映像をディスプレイ表示するように構成されているので、異なる種類の動物、異なる姿、異なる動き、異なる色、異なる明るさ、異なる輝度の像を容易に表示することができる。さらに、頂点捕食者のふたつの目を強調表示して、視覚能力の低い動物にも認識しやすくすることも望ましい。これらの効果により、野生動物は遠くからでも視認し易くなり、この威嚇動物の像について学習して慣れることが難しくなり、その結果、撃退効果を効果的にかつ持続的に維持することが可能となる。
【0019】
また、野生動物撃退装置が載置されて移動する移動手段をさらに備えていることが好ましい場合もある。これにより、より近くから野生動物に対して威嚇、退避効果及び持続性を向上することができると共に、広範囲に威嚇、撃退効果を発揮することができる。移動手段としては、例えば、トラクタ、軽トラック、カート、移動台車等を用いることができる。このような移動手段を用いることで、野生動物に対して追いかける動作を付加できることになり、野生動物への威嚇は十分に増大することになる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、農耕地、牧場、特に水田、レンコン畑、海上養殖場等に出没する哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を威嚇し撃退する野生動物撃退装置は、水噴出手段を備え、制御手段は、検知手段によって野生動物及び鳥類の接近を検知した場合に水噴出手段を、野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて野生動物又は鳥類を撃退させるように構成されていることにより、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を効率よく威嚇し退避させると共に、広範囲に威嚇、撃退効果を発揮することができ、持続性を得られる。そのため、農作物等の被害が減少することができる。特に水が潤沢にある水田、レンコン畑、海上養殖場等に出没する野生動物及び鳥類を効率よく退避させることができる。
【0021】
また、少なくとも1つの空気噴出口を有し、圧縮空気を連続的又は間歇的に噴出するように構成されている空気噴出手段をさらに備え、制御手段は、検知手段によって哺乳類や鳥類を代表とする野生動物の接近を検知した場合に空気噴出手段を、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を撃退させるように構成されていることで、空気噴出によるエアーブロー刺激を、威嚇音、光点滅、オオカミ風貌と同時体験するので、攻撃してきたと認識し、より威嚇効果が増大する。哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を効率よく威嚇し退避させると共に、広範囲に威嚇、撃退効果を発揮することができる。また、多方向に空気を噴射することができ、かつ空気砲のような空気の流れを発生することができる。そのため、地上の動物に対して威嚇、撃退効果を発揮できると共に、空中及び水面上などの鳥類に対しても効果的である。
【0022】
また、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物が視認可能な波長の点滅光を発生する発光手段と、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を威嚇する威嚇音を野生動物が可聴な周波数で発生する音響発生手段とをさらに備え、制御手段は、検知手段によって哺乳類や鳥類を代表とする野生動物の接近を検知した場合に発光手段及び音響発生手段を、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を撃退させるように構成されているので、水の噴出及び空気の噴射に加えて、光、音で視覚、聴覚の刺激を追加することで哺乳類や鳥類を代表とする野生動物に対して威嚇、撃退効果を発揮できる。
【0023】
さらに、野生動物を威嚇する動物の映像を動画で表示するディスプレイ手段もしくは映像投影手段をさらに備え、制御手段は、ディスプレイ手段もしくは映像投影手段を、野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて野生動物を撃退させるように構成されているので、異なる種類の動物、異なる姿、異なる動き、異なる色、異なる明るさ、異なる輝度の像を容易に表示することができる。このため、野生動物はこの威嚇動物の像を遠くからでも視認できるため、学習して慣れることが難しくなり、その結果、撃退効果を効果的にかつ持続的に維持することが可能となる。
【0024】
またさらに、移動手段を備え、この移動手段を所定範囲に移動するように制御することで、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物に対して威嚇、退避効果及び持続性を向上することができると共に、広範囲に威嚇、撃退効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1の実施形態における野生動物撃退装置の全体構成を概略的に示す外観図である。
図2図1の野生動物撃退装置の変更態様の全体構成を概略的に示す外観図である。
図3】本発明の第2の実施形態における野生動物撃退装置の全体構成を概略的に示す外観図である。
図4図3の野生動物撃退装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図5】本発明の第3の実施形態における野生動物撃退装置の全体構成を概略的に示す外観図である。
図6図5の野生動物撃退装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図7図5の野生動物撃退装置の制御手段の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
図8】本発明の第4の実施形態における野生動物撃退装置の全体構成を概略的に示す外観図である。
図9図8の野生動物撃退装置における制御手段及びその周辺手段の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
図10図8の野生動物撃退装置の変更態様の全体構成を概略的に示す斜視図である。
図11図8の野生動物撃退装置の他の変更態様の全体構成を概略的に示す斜視図である。
図12図1の野生動物撃退装置の応用例を概略的に示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る野生動物撃退装置の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0027】
図1は本発明の第1の実施形態における野生動物撃退装置100の全体構成を概略的に示しており、図2図1の野生動物撃退装置100の変更態様の全体構成を概略的に示している。
【0028】
図1に示すように、第1の実施形態に係る野生動物撃退装置100は、水噴出手段10と、検知手段20と、制御手段30とを備えている。また、図2に示すように、第1の実施形態の変更態様に係る野生動物撃退装置100Aは、水噴出手段10と、検知手段20と、制御手段30Aと、移動手段40とを備えている。この変更態様の野生動物撃退装置100Aは、第1の実施形態の野生動物撃退装置100を移動手段40に載置して移動可能に構成されている。第1の実施形態における野生動物撃退装置100は支柱Pを介して所定位置に設置する固定型であり、第1の実施形態の変更態様における野生動物撃退装置100Aは移動手段40を備える移動型である。
【0029】
野生動物撃退装置100又は野生動物撃退装置100Aの水噴出手段10は、少なくとも1つの水噴出口11を有し、水を連続的に又は間歇的に噴出するように構成されている。図1及び図2に示すように、水噴出手段10は、複数の水噴出口11と、ポンプ12と、貯水槽13と備えている。複数の水噴出口11は、例えば複数の直管に装着され、支柱Pの所定高さに装着されている。ポンプ12は、貯水槽13から水を汲み上げ、配管Tを介して複数の水噴出口11に供給し、複数の水噴出口11から水を噴出するように構成されている。なお、水噴出手段としてディスペンサシステムを用いても良い。この場合、ターゲットに液体(水)を吐出するために、液体(水)を貯蔵するためのタンク、液体(水)を吐出するためのポンプ、吐出量・吐出タイミング等を制御するコントローラ、バルブやノズル等を組み合わせてディスペンサシステムを構成する。
【0030】
野生動物撃退装置100又は野生動物撃退装置100Aの検知手段20は、野生動物を感知しやすい位置に、例えば支柱Pに設置され、野生動物が近づいたことを感知して、野生動物撃退装置100又は野生動物撃退装置100Aを作動させるためのものである。例えば、パッシブ赤外線センサ又はアクティブ赤外線センサを用いたり、電波(レーダー)や光(レーザー)を用いたり、映像によるAI判別によって接近を認識する手段が考えられ、各種機器を用いて異物侵入を検出することができる。この検知手段20によって、感知範囲内に侵入してきた野生動物を感知し、制御手段30又は30Aによって制御されたパターンに基づき水噴出手段10を動作させる。なお、検知手段20は、複数の赤外線センサなどを用いて異なる位置に設置されても良い。検知手段20には、より高感度なセンサ(又はセンサシステム)や映像によるAI判別を用いることで、より広範囲で迅速な検知ができ、一台の野生動物撃退装置100又は野生動物撃退装置100Aで防御する範囲を拡大することができる。
【0031】
野生動物撃退装置100の制御手段30は、コンピュータと、このコンピュータに図示しない入出力インタフェースを介して電気的に接続されているポンプ駆動回路と、コンピュータや上述したポンプ駆動回路に電力を供給する図示しない電源装置とを備えている。この制御手段30は、検知手段20によって哺乳類や鳥類を代表とする野生動物の接近を検知した場合に水噴出手段10を、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を撃退させるように構成されている。また、野生動物撃退装置100Aの制御手段30Aは、野生動物撃退装置100の制御手段30の機能に加えて、移動手段40の動作を制御する機能を有している。
【0032】
野生動物撃退装置100Aの移動手段40は、図2に示すように、可動台車等で構成することができる。移動手段40には、水噴出手段10と、検知手段20と、制御手段30Aとが載置されており、この制御手段30Aにより回転又は直線移動ができるように構成されている。また、制御手段30Aによりプログラムされた任意のルートで自走させるように構成しても良い。なお、移動手段40として、トラクタ、軽トラック、クローラー等を用いても良い。この場合、液体の農薬や肥料を散布するために用いているアーム等の噴射散布装置を利用すること可能である。また、水田、海上養殖場等において、水上で浮動可能なものを移動手段として用いても良い。
【0033】
以上説明したように、第1の実施形態の野生動物撃退装置100は、水噴出手段10と、検知手段20と、制御手段30とを備えている。また、第1の実施形態の変更態様に係る野生動物撃退装置100Aは、水噴出手段10と、検知手段20と、制御手段30Aと、移動手段40を備えている。検知手段20によって哺乳類や鳥類を代表とする野生動物の接近を検知した場合に水噴出手段10を、野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を撃退させることにより、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を効率よく威嚇し退避させると共に、広範囲に威嚇、撃退効果を発揮することができ、持続性を得られる。そのため、農作物等の被害が減少することができる。特に水が潤沢にある水田、海上養殖場等に出没する哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を効率よく退避させることができる。また、移動手段40を備えていることにより、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物に対して威嚇、退避効果及び持続性を向上することができると共に、広範囲に威嚇、撃退効果を発揮することができる。
【0034】
図3は本発明の第2の実施形態における野生動物撃退装置200の全体構成を概略的に示しており、図4図3の野生動物撃退装置200のブロック構成を示している。
【0035】
図3及び図4に示すように、第2の実施形態に係る野生動物撃退装置200は、水噴出手段10と、検知手段20と、制御手段30Bと、移動手段40と、空気噴出手段50とを備えている。この野生動物撃退装置200は、空気噴出手段50を備え、また制御手段30Bの構成が異なる以外は、上述した野生動物撃退装置100Aと同様な構成を有しており、従って、同様の構成部分は、その説明を省略する。
【0036】
制御手段30Bは、上述した制御手段30Aの機能に加えて、空気噴出手段50の動作を制御する機能を備えている。この制御手段30Bは、検知手段20によって哺乳類や鳥類を代表とする野生動物の接近を検知した場合に空気噴出手段50を、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を撃退させるように構成されている。
【0037】
空気噴出手段50は、圧縮空気の噴出によって空気の流れ(エアーブロー)を発生させるものである。この空気噴出手段50は、供給源としてのコンプレッサー(図示せず)と、噴射をコントロールする電磁弁(図示せず)と、空気(ブロアエアー)を噴射するエアノズル51とを有する。エアノズル51は、例えばフレキシブルホースを介して電磁弁及びコンプレッサーに接続されている。また、空気噴出手段50は、少なくとも1つの空気噴出口を有し、圧縮空気を連続的又は間歇的に噴出するように構成することが好ましい。第2の実施形態において、空気噴出手段50は、圧縮空気を異なる方向に噴射する空気噴出口を有する複数のエアノズル(ストレートタイプ)から構成されている。また、空気噴出手段50は空気砲のような空気の流れを発生させ、かつ空気流の形が視認できるように色がついているとより好ましい。なお、エアノズルはこれに限定されるものではない。例えば、複数方向(垂直方向や水平方向)に同時に噴出することが可能噴出口を有するエアノズル、複数の空気噴出口を有し、所定の噴射幅において均等に噴射するエアノズル、又は複数の空気噴出口を有し、幅広フラット形エアノズルを用いても良い。エアノズルにおいて、噴出孔は、多数に設置され、一直線状や、多段状、円状、角状など、種々の方式が選択できる。また、増幅ノズルを使用すれば、より遠距離まで噴射できる。実際の実験では、10mほどは風(空気の流れ)を感じることができる。
【0038】
以上説明したように、第2の実施形態の野生動物撃退装置200は、水噴出手段10と、検知手段20と、制御手段30Bと、移動手段40と、空気噴出手段50とを備えている。検知手段20によって哺乳類や鳥類を代表とする野生動物の接近を検知した場合に水噴出手段10及び空気噴出手段50を、野生動物接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を撃退させることにより、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を効率よく威嚇し退避させると共に、広範囲に威嚇、撃退効果を発揮することができ、持続性を得られる。そのため、農作物等の被害が減少することができる。特に水が潤沢にある水田、海上養殖場等に出没する野生動物及び鳥類を効率よく退避させることができる。空気噴出手段50から多方向に空気を噴射することができ、また、空気砲のような空気の流れを発生することができる。そのため、地上の動物に対して威嚇、撃退効果を発揮できると共に、空中戦となるカラスなどの鳥に対しても効果的である。また、移動手段40を備えていることにより、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物に対して威嚇、退避効果及び持続性を向上することができると共に、広範囲に威嚇、撃退効果を発揮することができる。
【0039】
図5は本発明の第3の実施形態における野生動物撃退装置300の全体構成を概略的に示しており、図6図5の野生動物撃退装置300のブロック構成を示しており、図7は制御手段30Cの電気的構成を概略的に示している。
【0040】
図5及び図6に示すように、第3の実施形態に係る野生動物撃退装置300は、水噴出手段10と、検知手段20と、制御手段30Cと、移動手段40と、空気噴出手段50と、発光手段60と、音響発生手段70とを備えている。この野生動物撃退装置300は、発光手段60及び音響発生手段70を備え、制御手段30Cの構成が異なる以外は、上述した野生動物撃退装置200と同様な構成を有しており、従って、同様の構成部分は、その説明を省略する。
【0041】
制御手段30Cは、上述した制御手段30Bの機能に加えて、発光手段60及び音響発生手段70の動作を制御する機能を備えている(後述する図7参照)。この制御手段30Cは、検知手段20によって野生動物及び鳥類の接近を検知した場合に発光手段60及び音響発生手段70を、野生動物及び鳥類接近時に及び/又は所定時間間隔で作動させて哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を撃退させるように構成されている。
【0042】
発光手段60は、哺乳類や鳥類を代表とする野生動物が視認可能な波長の光を発生できる複数の発光素子から構成されているLED発光装置である。発光素子としては、例えば、光束が120ルーメン以上の高輝度のLED素子を用いる。このため、夜間だけでなく、日中においても野生動物に発光を認識させることができる。また、LED素子並びにその制御装置は-5℃以下で動作可能なものである。即ち、野外の寒冷地で使用できるLED素子を含む制御システムが好ましい。発光手段60として使用されるLED素子の数は、必要に応じて適宜に変更しても良い。一方、LED素子の光束が120ルーメンより少ない場合や、数が2個以下の場合は暗すぎて野生動物が明かりを認知しにくいか、又は認知できない。また、発光手段60は、制御手段30Cにより18~24Hzの周波数で点滅するように構成されている。発光手段60の点滅周波数は、21Hz近傍であることが効果的であり、より好ましい。また、発光手段60の点滅発光は、音響発生手段70と共に、野生動物の発現時以外は、15分以上の停止間隔で行うように制御される。なお、各発光手段60を個別に点滅制御することで複雑な光の点滅が可能となり、野生動物の慣れを防止することができる。また、発光手段60の発光色は、必要に応じて適宜に設定しても良いが、緑を主とした光波長は、本来多くの草食動物が夜行性であり、月の明かりなどの薄暗い環境でも草や木の緑を認識する必要があったため、草食動物は400~600nmの領域を認識する能力が高いと考えられる。また、肉食動物は600nm以上の波長でも認識できるが、両者を有効に光の認識をさせるために、発光手段60としてのLED素子の発光波長は、400~600nmの範囲にあることが好ましい。
【0043】
音響発生手段70は、野生動物を威嚇する威嚇音を発生するものであり、例えば、スピーカが使用されている。この音響発生手段70は、例えば、支柱Pに配置されても良いし、駆動部に配置されても良い。また、音響発生手段70は、80dB以上の威嚇音を発生することができるように構成されている。音響発生手段70から発生させる威嚇音は、後述するように、制御手段30Cの音響制御部34によって威嚇音の種類(パターン)をランダムに切り替え、野生動物が嫌がり、かつ慣れないものとすることができる。このため、光の点滅と共に音による威嚇を行うことによって、より高い忌避効果を奏することができる。なお、実証実験(鹿の実験)では、威嚇音は80dB以上でないと、効果が薄かった。一方、80dB以上の威嚇音では90%以上の鹿が退避した。90dBの威嚇音では100%退避した。また、威嚇音として、レーシングカーの通過音、ジェット機の音、チェーンソーの音など非日常音も高い効果(80%以上)があり、これらも音量(80dB以上)が必要である。なお、第3の実施形態の音響発生手段70は、20kHz以下の音を発生するように構成されている。
【0044】
図7に示すように、制御手段30Cは、複数の点滅パターンを記憶する点滅パターン記憶部31と、威嚇音の複数の音声データを記憶する音声データ記憶部32と、発光手段60の点滅を制御する点滅制御部33と、音響発生手段70の発声を制御する音響制御部34と、空気噴出制御部35と、水噴出制御部36と、移動手段40の動作を制御する移動制御部37と、電源部38と、CPU39aと、ROM39bと、RAM39cとを備えている。
【0045】
点滅パターン記憶部31は、ROM、RAM及びフラッシュメモリ等から構成されており、発光手段60の点滅のタイミングとして複数の点滅パターンデータを記憶するものである。点滅パターン記憶部31に記憶される点滅パターンデータは、予め記憶されているものに限られず、野生動物の種類に応じて効果的な点滅パターンデータを後から追加して記憶させることができる。
【0046】
音声データ記憶部32は、ROM、RAM及びフラッシュメモリ等から構成されており、音響発生手段70から出力され、野生動物を威嚇するための威嚇音の複数の音声データを記憶するものである。威嚇音として、例えば、実際のオオカミの肉声(鳴き声)、実際の鹿の肉声(警戒音)、実際の犬の肉声(鳴き声)、人間の肉声、銃声のうち少なくとも1種類を含む4パターン以上を有する。音声データ記憶部32に記憶される音声データは、予め記憶されているものに限られず、野生動物の種類に応じて効果的な音声データを後から追加して記憶させることができる。なお、音声データは、実際の音声(肉声)を録音したもの、又は人工的に作り出された音声を用いても良い。
【0047】
点滅制御部33は、点滅パターン記憶部31に記憶された点滅パターンについて、所定の点滅周波数が調整された点滅パターンをランダムに切り替え制御するものである。例えば、複数の点滅パターンの中から点滅パターンをランダムに選択して点滅させる。これにより、野生動物が光の点滅に慣れることを防止でき、忌避効果を持続させることができる。なお、点滅制御部33は、点滅パターンをランダムに切り替えるだけでなく、所定の点滅パターンに固定する制御を行うこともできる。
【0048】
音響制御部34は、音響発生手段70によって発生させる威嚇音を制御するものである。この音響制御部34は、音響発生手段70を80dB以上の威嚇音を野生動物の発現時以外は、15分以上の停止間隔で発生するように制御する。また、音響制御部34は、音声データ記憶部32に記憶された威嚇音をランダムに切り替え制御する。例えば、オオカミの鳴き声、鹿の警戒音、犬の鳴き声、人間の肉声、銃声の中から威嚇音をランダムに選択して音声発生手段20により発生させる。このため、野生動物が威嚇音に慣れることを防止でき、忌避効果を持続させることができる。なお、音響制御部34は、威嚇音をランダムに切り替えるだけでなく、所定の威嚇音に固定する制御を行うこともできる。さらに、この音響制御部34にて、周囲に人家などがあり、騒音問題が発生する恐れがある場合に使用する超音波発生装置も制御する。
【0049】
空気噴射制御部35は、空気噴出手段50によって発生させる空気の流れを制御するものである。この空気噴射制御部35は、空気噴出手段50からの圧縮空気を連続的又は間歇的に噴出するように制御する。なお、空気噴射制御部35は、空気噴出手段50を空気砲のような空気の流れを発生させることができる。
【0050】
水噴射制御部36は、ポンプ12を制御し、水噴出手段10によって発生させる水の流れを制御するものである。この水噴射制御部36は、水噴出手段10からの水を連続的又は間歇的に噴出するように制御する。
【0051】
移動制御部37は、移動手段40を所定範囲に移動するように制御するものである。水噴出手段10、検知手段20、制御手段30C、空気噴出手段50、発光手段60及び音響発生手段70配置された移動手段40を移動させ、より広範囲に野生動物を威嚇することができる。移動手段40の移動は、回転若しくは直線の移動、又はプログラムされた任意のルートでの移動である。
【0052】
電源部38は、野生動物撃退装置300に電力を供給するためのものである。例えば、太陽光パネルを設置し、太陽光発電を行うようにすれば、電気がない場所に野生動物撃退装置300を設置することができる。なお、電源部38には、蓄電池又は外部電源を用いることができる。
【0053】
CPU39aは、ROM39bに格納された制御プログラムに従って、RAM39cをワークエリアとして使用しながら、野生動物撃退装置300の全体の動作を制御する。
【0054】
第3の実施形態において、点滅制御部33及び音響制御部34により発光手段60及び音響発生手段70の動作時間は、30秒から60秒程度とし、停止時間(間隔)15分以上とすることが好ましい。実証実験では、停止時間が5~10分程度の場合は、慣れが生じて鹿が近寄ってくる現象があった。15分以上の停止時間にする場合、5年以上効果が持続している。望ましくは30分の停止時間を推奨している。また、圧縮空気を連続的又は間歇的に噴出することで、野生動物に対しての威嚇と同時の接触刺激を与えることができ、撃退効果を大いに発揮できると共に、空中戦となるカラスなどの鳥類に対しても上述したように効果的である。
【0055】
以上説明したように、第3の実施形態の野生動物撃退装置300は、水噴出手段10と、検知手段20と、制御手段30Cと、移動手段40と、空気噴出手段50と、発光手段60と、音響発生手段70とを備えている。これにより、水噴出手段10及び空気噴出手段50の威嚇、撃退効果に加えて、発光手段60及び音響発生手段70で野生動物を効率よく威嚇し退避させることができ、学習(慣れ)困難であり、威嚇効果を長期間持続することができる。
【0056】
図8は本発明の第4の実施形態における野生動物撃退装置400の全体構成を概略的に示しており、図9図8の野生動物撃退装置400の制御手段30D及びその周辺手段の電気的構成を概略的に示している。
【0057】
図8に示すように、第4の実施形態の野生動物撃退装置400は、水噴出手段10と、検知手段20と、制御手段30Dと、空気噴出手段50と、発光手段60と、音響発生手段70と、ディスプレイ手段80とを備えている。この野生動物撃退装置400は、ディスプレイ手段80を備え、移動手段40を有しない、また、制御手段30Dの構成が異なる以外は、上述した野生動物撃退装置300と同様な構成を有しており、従って、同様の構成部分は、その説明を省略する。
【0058】
第4の実施形態において、水噴出手段10の貯水槽13Aは、例えば、池、水田、レンコン畑の水を利用するようにしても良い。海上養殖場の場合、海水を利用するようにしても良い。
【0059】
制御手段30Dは、図9に示すように、コンピュータ31Dと、このコンピュータ31Dに図示しない入出力インタフェースを介して電気的に接続されているLED駆動回路32D、ディスプレイ駆動回路33D、スピーカ駆動回路34D、水噴出手段駆動回路35D及び空気噴出手段駆動回路36Dと、コンピュータ31Dや上述したLED駆動回路32D、ディスプレイ駆動回路33D、スピーカ駆動回路34D、水噴出手段駆動回路35D及び空気噴出駆動回路36Dに電力を供給する図示しない電源装置とを備えている。LED駆動回路32Dは発光手段60に電気的に接続されており、ディスプレイ駆動回路33Dはディスプレイ手段80に電気的に接続されており、スピーカ駆動回路34Dは音響発生手段70に電気的に接続されており、水噴出手段駆動回路35Dは水噴出手段10に電気的に接続されている。検知手段20は図示しない入出力インタフェースを介してコンピュータ31Dに電気的に接続されている。なお、コンピュータ31Dは、図示されていないが、上述した入出力インタフェースの他に、CPU、ROM、RAM及びフラッシュメモリ等を備えており、無線又は有線の通信装置を備えていても良い。
【0060】
コンピュータ31Dの記憶部(ROM、RAM、フラッシュメモリなど)には、ディスプレイ手段80に表示する野生動物を威嚇する動物(例えば頂点捕食者)のカラー動画映像データが記憶されている。この動画映像データは、複数種類記憶されており、コンピュータ31Dは、例えば、年、季節、月、週、日、時刻に応じて適宜選択して出力することができる。この動画映像データは、後から追加して記憶させることができる。また、必ずしも動画でなくとも静止画のスライドショー的に、順次静止画を写すことで、疑似的に動画のような映像を再現することも可能である。
【0061】
コンピュータ31Dの記憶部(ROM、RAM、フラッシュメモリなど)には、また、発光手段60の点滅のタイミングとして複数の点滅パターンデータが記憶されている。コンピュータ31Dは、記憶された点滅パターンについて、所定の点滅周波数が調整された点滅パターンをランダムに切り替え制御することができる。例えば、複数の点滅パターンの中から点滅パターンをランダムに選択して点滅させることができ、これにより、野生動物が光の点滅に慣れることを防止でき、忌避効果を持続させることができる。なお、コンピュータ31Dは、点滅パターンをランダムに切り替えるだけでなく、所定の点滅パターンに固定する制御を行うこともできる。点滅パターンデータは、予め記憶されているものに限られず、野生動物の種類に応じて効果的な点滅パターンデータを後から追加して記憶させることができる。
【0062】
コンピュータ31Dの記憶部(ROM、RAM、フラッシュメモリなど)には、さらに、音響発生手段70から出力される野生動物を威嚇するための威嚇音の複数の音声データが記憶されている。威嚇音として、例えば、実際のオオカミの肉声(鳴き声)、実際の鹿の肉声(警戒音)、実際の犬の肉声(鳴き声)、人間の肉声、銃声のうち少なくとも1種類を含む4パターン以上を有する。この記憶部に記憶される音声データは、予め記憶されているものに限られず、野生動物の種類に応じて効果的な音声データを後から追加して記憶させることができる。なお、音声データは、実際の音声(肉声)を録音したもの、又は人工的に作り出された音声を用いても良い。また、音声は野生動物が可聴で人間が不可聴である20kHzから30kHz程度の超音波音声でも置き換えることが可能である。この場合、人間には聞こえないので、街中や人家に近い場所などの人間に対する騒音問題対策となる。
【0063】
コンピュータ31Dは、発生させる威嚇音を制御することができる。例えば、80dB以上の威嚇音を15分以上の停止間隔で発生するように制御する。また、上述の記憶部に記憶された威嚇音をランダムに切り替え制御する。例えば、オオカミの鳴き声、鹿の警戒音、犬の鳴き声、人間の肉声、銃声の中から威嚇音をランダムに選択してスピーカ駆動回路34Dを介して音響発生手段70に送り、発生させる。このため、野生動物が威嚇音に慣れることを防止でき、忌避効果を持続させることができる。なお、コンピュータ31Dは、威嚇音をランダムに切り替えるだけでなく、所定の威嚇音に固定する制御を行うこともできる。
【0064】
電源装置(図示せず)は、野生動物撃退装置400全体に電力を供給するためのものである。例えば、太陽光パネルを設置し、太陽光発電を行うようにすれば、電気がない場所に野生動物撃退装置400を設置することができる。なお、電源装置には、蓄電池又は外部電源を用いることができる。
【0065】
制御手段30Dのコンピュータ31Dにおいては、CPUが、ROMに格納された制御プログラムに従って、RAMをワークエリアとして使用しながら、第4の実施形態における野生動物撃退装置の全体の動作を制御する。
【0066】
ディスプレイ手段80は、第4の実施形態では、画面が水平面内で互いに異なる複数の方向、具体的には、図8に示すように、画面が水平面内で互いに120°離隔して支柱Pに設置された3つの液晶フラットパネル81から構成されている。制御及び駆動装置30Dの駆動により、これら液晶フラットパネル81の画面には、野生動物を威嚇する動物(例えば頂点捕食者)のカラー映像が静止画ではなく動画で表示される。各液晶フラットパネル81に表示される映像は同じであっても、互いに異なっていても良い。動画が表示されるため、動物の像に動きがあり、また、異なる種類の動物、異なる姿、異なる動き、異なる色、異なる明るさ、異なる輝度の像を容易に表示できるため、野生動物は学習することが難しく、撃退効果を持続的に維持することが可能となる。なお、液晶フラットパネル81の数は、2つ(互いに180°離隔)であっても良いし、4つ(互いに90°離隔)であっても良いし、それ以上であっても良い。また、液晶フラットパネルに代えて、フラットスクリーン又はフラット電光標示盤を用いても良い。また、ディスプレイ手段として、有機EL曲面パネル、又は曲面スクリーン又は曲面電光標示盤を用いても良い。
【0067】
水噴出手段10、空気噴出手段50、発光手段60、音響発生手段70、及びディスプレイ手段80の支柱Pへの上下方向の取付け順序は、図8に示した順序に限定されない。
【0068】
以上説明したように、第4の実施形態の野生動物撃退装置400は、水噴出手段10と、検知手段20と、制御手段30Dと、空気噴出手段50と、発光手段60と、音響発生手段70と、ディスプレイ手段80とを備えている。これにより、第4の実施形態によれば、ディスプレイ手段80が野生動物を威嚇する動物(例えば頂点捕食者)の映像を静止画スライドショー、もしくは動画で表示するように構成されているので、威嚇動物の像に動きを与えることができる。また、威嚇動物の映像をディスプレイ手段80に表示するように構成されているので、異なる種類の動物、異なる姿、異なる動き、異なる色、異なる明るさ、異なる輝度の像を容易に表示することができる。このため、野生動物はこの威嚇動物の映像について学習することが難しくなり、その結果、撃退効果を効果的にかつ持続的に維持することが可能となる。また、水噴出手段10及び空気噴出手段50は、水及び圧縮空気を連続的又は間歇的に噴出するように構成することで、多方向に水及び空気を噴射することができ、また、空気砲のような空気の流れを発生することができる。そのため、その刺激によって地上の動物に対して威嚇、撃退効果を発揮できると共に、空中戦となるカラス、カワウ、カモなどの鳥類に対しても効果的である。特に水が潤沢にある水田、レンコン畑、海上養殖場等に出没する野生動物である鳥類を効率よく退避させることができる。
【0069】
図10図8の野生動物撃退装置の変更態様の全体構成を概略的に示している。同図に示すように、この変更態様の野生動物撃退装置400Aは、水噴出手段10と、検知手段20と、制御手段30Eと、移動手段40と、空気噴出手段50と、発光手段60と、音響発生手段70と、3次元のディスプレイ手段80Aとを備えている。
【0070】
この野生動物撃退装置400Aは、移動手段40を備え、制御手段30E及び3次元のディスプレイ手段80Aの構成が、制御手段30D及びディスプレイ手段80と異なる以外は、上述した野生動物撃退装置400と同様な構成を有しており、従って、同様の構成部分は、その説明を省略する。
【0071】
制御手段30Eは、ディスプレイ手段80の代わり3次元のディスプレイ手段80Aを制御するものであり、その電気的構成並びに制御処理動作も図9の実施形態の場合と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0072】
ディスプレイ手段80Aは、この変更態様では、動物の映像を3次元表示するホログラム表示装置などであり、具体的には、図10に示すように、ホログラム表示装置Hが移動手段40(又は支柱P)に設置されている。制御及び駆動装置の駆動により、このホログラム表示装置Hが駆動されることにより、その上の水蒸気又は微粒子等によって形成されたスクリーンに、野生動物を威嚇する動物(例えば頂点捕食者)のカラー3次元映像81aが静止画スライドショー、もしくは動画で表示される。3次元の静止画スライドショー、もしくは動画が表示されるため、動物の像に動きがあり、また、異なる種類の動物、異なる姿、異なる動き、異なる色、異なる明るさ、異なる輝度の像を容易に表示できるため、野生動物は学習することが難しく、撃退効果を持続的に維持することが可能となる。
【0073】
なお、水噴出手段10、空気噴出手段50、発光手段60及び音響発生手段70の支柱Pへの上下方向の取付け順序は、図10に示した順序に限定されない。
【0074】
水噴出手段10、空気噴出手段50、発光手段60、音響発生手段70の構成及び作用効果は、上述した実施形態の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0075】
以上説明したように、この変更態様の野生動物撃退装置400Aは、水噴出手段10と、検知手段20と、制御手段30Eと、移動手段40と、空気噴出手段50と、発光手段60と、音響発生手段70と、3次元のディスプレイ手段80Aとを備えている。この変更態様によれば、ディスプレイ手段80Aが野生動物を威嚇する動物を3次元映像で表示でき、かつ威嚇動物の像に動きを与えることができる。また、威嚇動物の映像をディスプレイ手段80Aに表示するように構成されているので、異なる種類の動物、異なる姿、異なる動き、異なる色、異なる明るさ、異なる輝度の像を容易に表示することができる。このため、野生動物はこの威嚇動物の像について学習することが難しくなり、その結果、撃退効果を効果的にかつ持続的に維持することが可能となる。
【0076】
図11図8の野生動物撃退装置の他の変更態様の全体構成を概略的に示している。同図に示すように、この変更態様の野生動物撃退装置400Bは、水噴出手段10と、検知手段20と、制御手段30Dと、空気噴出手段50と、発光手段60と、音響発生手段70と、映像投影手段(プロジェクター)80Bとを備えている。
【0077】
この野生動物撃退装置400Bは、映像投影手段(プロジェクター)80Bの構成がディスプレイ手段80と異なる以外は、上述した野生動物撃退装置400と同様な構成を有しており、従って、同様の構成部分は、その説明を省略する。
【0078】
制御手段30Fは、ディスプレイ手段80の代わり映像投影手段80Bを制御するものであり、その電気的構成並びに制御処理動作も図9の実施形態の場合と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0079】
映像投影手段(プロジェクター)80Bは、ディスプレイ同様に、プロジェクターによりスクリーン(投影シート)81Bや、地面、壁、岩など映像を投影可能な(映像が認識できる)物体に投影させて2次元の動物などの映像80aを表示するものである。その作用効果は、上述した野生動物撃退装置400の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0080】
なお、図11において、野生動物撃退装置400Bはスクリーン(投影シート)81Bに投影する例を示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。建物等の壁面等に投影するようにしても、地面や床、壁、木の幹、木の葉っぱ、岩、水面など、映像が投影可能な(映像が認識できる)物体であれば、何でも良い。また、映像投影手段(プロジェクター)80Bとして、スマットフォン等の人間が携帯可能な2次元映像、又は3次元ホログラム映像を投影できる小型携帯機器を用いても良い。
【0081】
以上説明したように、この変更態様の野生動物撃退装置400Bは、水噴出手段10と、検知手段20と、制御手段30Dと、空気噴出手段50と、発光手段60と、音響発生手段70と、映像投影手段(プロジェクター)80Bとを備えている。この変更態様によれば、検知手段20からの検知信号によって制御及び駆動装置が駆動信号を出力する。これによって、上述したディスプレイタイプと同様に、噴水、空気刺激による威嚇、及び光、音、映像による威嚇によって、野生動物は危険体験を与え、忌避効果は非常に増大する。この野生動物撃退装置400Bは、映像投影場所と投影機器の場所は異なるため、音や光の発生位置と、空気刺激を与える位置を制御することが必要になる。比較的遠距離からの投影なら問題は少ないが、近距離からの威嚇の場合は、注意が必要である。威嚇の違和感をなるべく与えないように、投影場所と音、光、空気の発生位置を近くに設定する必要がある。
【0082】
上述した種々の実施形態及び変更態様においては、ディスプレイや投影に、威嚇動物の映像を表示するように構成されているが、哺乳類や鳥類に代表される野生動物が出現しない際に、ディスプレイや投影に、広告,案内又は環境データ等の表示を行っても良い。特に、高速道路の無人出入口、鉄道の動物侵入防止柵付近、住居に近い場所にディスプレイや投影が設置される場合に、効果的である。
【0083】
なお、上述した実施形態及び変更態様の野生動物撃退装置100、100A、200、300、400、400A及び400Bにおいて、水噴出手段10の複数の水噴出口11は、複数の直管に装着され、支柱Pの所定高さに装着されている例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。水噴出手段の複数の水噴出口の形状、配置状態は、必要に応じて適宜に設計することができる。
【0084】
また、上述した実施形態及び変更態様の野生動物撃退装置100、100A、200、300、400、400A及び400Bにおいて、パッシブ赤外線センサ又はアクティブ赤外線センサを用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電波探知機(レーダー)、光探知機(レーザー)を使用することにしても良いし、映像による野生動物をAI判別する手段を用いても良い。検知手段20の距離能力を上げ、もっと遠距離でも接近する野生動物を感知できるようになると、さらに忌避効果を向上させる。この場合、さらに長距離でも野生動物の接近感知が可能になり、特にイタチ、タヌキ、アライグマなどの小動物や鳥などの野生動物の忌避効果を増大させることができる。特にイタチ、タヌキ、アライグマなどの小動物や、鳥類に対しても非常に有効な手段になる。
【0085】
また、上述した実施形態及び変更態様の野生動物撃退装置100、100A、200、300、400、400A及び400Bにおいて、検知手段20は、支柱Pに設置している例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。支柱Pとは別に設置されても良い。また、検知手段20を複数の場所に設置しても良い。
【0086】
また、上述した実施形態の野生動物撃退装置200、300において、移動手段40を備えた例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。移動手段40を設けずに、支柱Pを所定位置に設置する固定型にしても良い。
【0087】
さらに、上述した実施形態及び変更態様の野生動物撃退装置100は、1つの支柱Pに設置されている例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図12に示すように、野生動物撃退装置100を設置する複数の支柱Pは、一定間隔に配置されても良い。この場合、支柱Pと支柱Pとの間に梁P1を設けるように構成され、その梁P1にも水噴出手段10の水噴出口11を設けている。これにより、大きな面積を鳥のような空中から飛来する動物に対しては、上部に向けて水を噴射し、哺乳類のような地上の野生動物に対しては、下向きに水を噴射するように構成されている。このように、大きな面積の領域を守る場合は、水噴出手段10と噴出距離に応じて、支柱Pと支柱Pとの間隔を設定することになる。大面積を守る場合は、固定型の場合は支柱Pの配置によって野生動物の接近に対し、センシングして、水を噴出させ、接触刺激で威嚇する。鳥は、接触刺激を最も嫌う傾向があり、特に羽への接触刺激を最も嫌う。音や光よりも接触刺激の威嚇効果が大きいという傾向を、実体験を通じて認識している。なお、梁P1に水噴出口11に加えて、空気噴出手段50のエアノズル51を設けても良い。この場合、鳥のような空中から飛来する動物に対しては、上部に向けて水や空気を噴射することができる。
【0088】
当然、水の方が空気よりも質量は大きいので、遠距離まで噴出することが可能となり、遠距離への接触刺激を与える手段としては、水の方が空気よりも優れた威嚇手段となる。ただし、水は補給する手段を必要とし、移動したり、水の少ない環境であったりする場合は、噴出を長時間維持できないことになる。そのような移動する威嚇措置や、水が少ない環境の威嚇装置の場合は、空気の吐出の方が優れた威嚇手段となる。例えば、海上の養殖場や、水田、レンコン畑のような水環境の場合は、水噴出が好適あり、畑や街中、山間部などは、空気噴出が好適な手段となる。しかし、水を供給できる手段などを設置して、意識的に水を確保できる環境とすれば、水噴出を選択したり、空気噴出と併用したりすることが可能となる。
【0089】
本発明は、上記の実施形態及び変更態様に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態を技術的範囲に含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、農耕地、牧場、特に水田、野菜畑、海上養殖場等に出没する哺乳類や鳥類を代表とする野生動物を威嚇し撃退する目的に利用できる。
【符号の説明】
【0091】
10 水噴出手段
11 水噴出口
12 ポンプ
13、13A 貯水槽
20 検知手段
30、30A、30B、30C、30D、30E、30F 制御手段
31 点滅パターン記憶部
31D コンピュータ
32 音声データ記憶部
32D LED駆動回路
33 点滅制御部
33D ディスプレイ駆動回路
34 音響制御部
34D スピーカ駆動回路
35 空気噴出制御部
35D 空気噴出手段駆動回路
36 水噴出制御部
36D 水噴出手段駆動回路
37 移動制御部
38 電源部
39a CPU
39b ROM
39c RAM
40 移動手段
50 空気噴出手段
51 エアノズル
60 発光手段
70 音響発生手段
80、80A ディスプレイ手段
80a 映像
80B 映像投影手段(プロジェクター)
81 液晶フラットパネル
81a カラー3次元映像
100、100A、200、300、400、400A、400B 野生動物撃退装置
H ホログラム表示装置
P 支柱
P1 梁
T 配管
図1
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図3
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図12